JP4220025B2 - 放射線イメージセンサ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、医療用のX線撮影等に用いられる放射線イメージセンサ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療、工業用のX線撮影では、X線感光フィルムが用いられてきたが、利便性や撮影結果の保存性の面から放射線検出素子を用いた放射線イメージングシステムが普及してきている。このような放射線イメージングシステムにおいては、放射線検出素子により2次元の放射線による画素データを電気信号として取得し、この信号を処理装置により処理してモニタ上に表示している。
【0003】
従来、放射線検出素子を構成するシンチレータパネルとして、特公平5−39558号公報に開示されているシンチレータパネルが知られている。このシンチレータパネルは、FOP上に典型的なシンチレータ材料であるCsIからなる柱状構造のシンチレータを形成している。この柱状構造を有するシンチレータにおいては、柱状構造を有するシンチレータの1本1本がライトガイドとしての役目をにない、放射線によって発生した光を光出射面まで導いているため解像度の劣化が低く押さえられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、柱状構造のシンチレータにおいては、シンチレータの径を小さくすればするほど解像度の劣化を抑制することができるが、シンチレータにより発生した光がシンチレータの光出射面に到達するまでに数多くの反射吸収を繰り返すため撮像素子の受光部に入射する光が減少するという問題があった。また、シンチレータの径を大きくすればするほど受光部に到達する光は多くなるが、横方向にも光が伝わり易くなり、隣接あるいはある程度遠くの受光部まで到達し結果として解像度が劣化するという問題があった。なお、特開平3−79075号公報には、画素間に存在するシンチレータの隙間にセパレータを設けた放射線撮像素子が開示されている。
【0005】
この発明の課題は、高解像度を維持した状態で撮像素子の受光部に入射する光を増加させることができる放射線イメージセンサ及びその製造方法を提供すことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の放射線イメージセンサは、撮像素子の受光面上に形成された柱状構造のシンチレータと、前記柱状構造のシンチレータの少なくとも一部を被覆する有機膜とを備える放射線イメージセンサにおいて、前記撮像素子の受光部上に形成された前記柱状構造のシンチレータの柱径が前記撮像素子の受光部上以外の部分に形成された前記柱状構造のシンチレータの柱径に比較して大きいことを特徴とする。
【0007】
この請求項1記載の放射線イメージセンサによれば、撮像素子の受光部上に形成されている柱径の大きい柱状構造のシンチレータで発生した光は対向する受光部に伝達されやすく、またこの柱径の大きい柱状構造のシンチレータに隣接し、受光部上以外の部分に形成された柱径の小さい柱状構造のシンチレータで発生した光が柱径の大きい柱状構造のシンチレータに入射した場合、その光は柱径の大きい柱状構造のシンチレータに対向する受光部に伝達されやすい。従って、受光部に到達する光量を増加させることができる。
【0008】
また、請求項2記載の放射線イメージセンサは、基板上に形成された柱状構造のシンチレータと、前記柱状構造のシンチレータの少なくとも一部を被覆する有機膜と、前記シンチレータ側に受光面を向けて配置された撮像素子とを備える放射線イメージセンサにおいて、前記撮像素子の受光部に対向している前記柱状構造のシンチレータの柱径が前記撮像素子の受光部以外の部分に対向している前記柱状構造のシンチレータの柱径に比較して大きいことを特徴とする。
【0009】
この請求項2記載の放射線イメージセンサによれば、撮像素子の受光部に対向して形成されている柱径の大きい柱状構造のシンチレータで発生した光は対向する受光部に伝達されやすく、またこの柱径の大きい柱状構造のシンチレータに隣接し、受光部上以外の部分に対向して形成された柱径の小さい柱状構造のシンチレータで発生した光が柱径の大きい柱状構造のシンチレータに入射した場合、その光は柱径の大きい柱状構造のシンチレータに対向する受光部に伝達されやすい。従って、受光部に到達する光量を増加させることができる。
【0010】
また、請求項3記載の放射線イメージセンサの製造方法は、撮像素子の受光面上に柱状構造のシンチレータを形成する第1の工程と、前記撮像素子の受光部上に形成された前記柱状構造のシンチレータの柱径を、前記撮像素子の受光部上以外の部分に形成された前記柱状構造のシンチレータの柱径に比較して大径化させる第2の工程と、前記シンチレータの表面を有機膜で覆う第3の工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
この請求項3記載の放射線イメージセンサの製造方法によれば、撮像素子の受光部上に形成されている柱径の大きい柱状構造のシンチレータで発生した光は対向する受光部に伝達されやすく、またこの柱径の大きい柱状構造のシンチレータに隣接し、受光部上以外の部分に形成された柱径の小さい柱状構造のシンチレータで発生した光が柱径の大きい柱状構造のシンチレータに入射した場合、その光は柱径の大きい柱状構造のシンチレータに対向する受光部に伝達されやすい。従って、受光部に到達する光量を増加させることが可能な放射線イメージセンサを製造することができる。
【0012】
また、請求項4記載の放射線イメージセンサの製造方法は、請求項3記載の放射線イメージセンサの製造方法の前記第2の工程における前記シンチレータの大径化を前記シンチレータに対するレーザ照射により行うことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5記載の放射線イメージセンサの製造方法は、請求項3記載の放射線イメージセンサの製造方法の前記第2の工程における前記シンチレータの大径化を前記シンチレータの水分による潮解を利用して行うことを特徴とする。
【0014】
また、請求項6記載の放射線イメージセンサの製造方法は、基板上に形成された柱状構造のシンチレータと、前記シンチレータ側に受光面を向けて配置された撮像素子とを備える放射線イメージセンサを製造する方法において、前記基板上に前記柱状構造のシンチレータを形成する第1の工程と、前記撮像素子の受光部に対応する位置の前記柱状構造のシンチレータの柱径を、それ以外の前記柱状構造のシンチレータの柱径に比較して大径化させる第2の工程と、前記シンチレータの表面を有機膜で覆う第3の工程と、前記シンチレータ側に受光面を向けて前記撮像素子を配置する第4の工程とを備えることを特徴とする。
【0015】
この請求項6記載の放射線イメージセンサの製造方法によれば、撮像素子の受光部に対向している柱状構造のシンチレータにより撮像素子の受光部に伝達される光量を増加させることが可能な放射線イメージセンサを製造することができる。
【0016】
また、請求項7記載の放射線イメージセンサの製造方法は、請求項6記載の放射線イメージセンサの製造方法の前記第2の工程における前記シンチレータの大径化を前記シンチレータに対するレーザ照射により行うことを特徴とする。
【0017】
また、請求項8記載の放射線イメージセンサの製造方法は、請求項6記載の放射線イメージセンサの製造方法の前記第2の工程における前記シンチレータの大径化を前記シンチレータの水分による潮解を利用して行うことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照して、この発明の第1の実施の形態の説明を行う。図1は実施の形態にかかる放射線イメージセンサ2の断面図である。図1に示すように、放射線イメージセンサ2は、薄膜トランジスタ+フォトダイオードアレイ(撮像素子)10の受光部10bに対応して設けられている単結晶化されたシンチレータ12の表面を耐湿性の向上を目的とする第1のポリパラキシリレン膜(有機膜)14により覆い、更に、この第1のポリパラキシリレン膜14上に耐湿性の向上を目的とするAl膜16を設けると共に、Al膜16上に、このAl膜16の剥がれを防止するための第2のポリパラキシリレン膜18を設けた構造を有するものである。
【0019】
次に、図2〜図4を参照して、この放射線イメージセンサ2の製造工程について説明する。図2(a)に示すように、放射線イメージセンサ2を構成する薄膜トランジスタ+フォトダイオードアレイ(以下、フォトダイオードアレイという。)10は、以下に説明する工程で製造される。まず、ガラス基板上にフォトリソグラフィ技術を用いて、薄膜トランジスタ及びフォトダイオードアレイを形成し、ボンディングパッド部を除いてアレイ保護のためにSiN等の無機絶縁膜でこのアレイを覆う。次に、フォトダイオードやAl配線等による凹凸を緩和するために、さらにポリイミド膜を数μmコーティングする。この工程の前にアレイテスタ等により欠陥検出をし、紫外線レーザ等を用いてAl配線の短絡等の修復を行なうこともある。このような工程で製造された、フォトダイオードアレイ10は、基板10a上に受光部10bが200μmのピッチでアレイ状に形成され、各受光部10bに対応してアモルファスシリコン薄膜トランジスタのスイッチング素子10cが設けられている。なお、図3(a)は、フォトダイオードアレイ10の一部を示す平面図である。なお、フォトダイオード(PD)へのバイパスラインが薄膜トランジスタ上を通っているが電気的にはゲートラインと接続されていない。
【0020】
まず、このフォトダイオードアレイ10の受光面上に、TlをドープしたCsIの柱状結晶を蒸着法によって成長させ、柱径3μm、厚さ600μmの柱状構造のシンチレータ12を形成する(図2(b)参照)。なお、図3(b)は、図3(a)のフォトダイオードアレイ10の受光面上に柱状構造のシンチレータ12を形成した状態を示す平面図である。
【0021】
次に、受光部10b上に形成されたシンチレータ12の上面に、150μm径に絞ったYAGレーザを照射する。これにより受光部10b上に形成された柱状構造のシンチレータ12が融合して、受光部10b上に形成されたシンチレータ12のみを融合させ大結晶化させ大きな結晶とする(図2(c)参照)。より好ましくは単結晶化させる。なお、図3(c)は、YAGレーザの照射により受光部10b上に形成されたシンチレータ12のみを大きな結晶とした状態を示す平面図である。
【0022】
次に、シンチレータ12が形成されたフォトダイオードアレイ10をCVD装置の蒸着室に入れ、ポリパラキシリレンの原料を昇華させた蒸気中に露出させておくことにより、シンチレータ12を形成したフォトダイオードアレイ10の全体を10μmの厚さの第1のポリパラキシリレン膜14で覆う(図4(a)参照)。 次に、第1のポリパラキシリレン膜14で覆ったフォトダイオードアレイ10をCVD装置の蒸着室から取り出し、第1のポリパラキシリレン膜14の表面にAl膜16を300nmの厚さで蒸着する(図4(b)参照)。ここでAl膜16は、シンチレータ12の耐湿性の向上を目的とするものであるためシンチレータ12を覆う範囲で形成される。
【0023】
その後、Al膜16の表面に、このAl膜16の剥がれを防止するための第2のポリパラキシリレン膜18を形成する(図4(c)参照)。即ち、第1のポリパラキシリレン膜14の成膜の場合と同様に、シンチレータ12が形成されたフォトダイオードアレイ10をCVD装置の蒸着室に入れ、CVD法によりAl膜16の表面及びAl膜16が形成されていない第1のポリパラキシリレン膜14上に第2のポリパラキシリレン膜18を10μmの厚さで成膜する。この工程を終了することにより放射線イメージセンサ2の製造が終了する。
【0024】
この第1の実施の形態にかかる放射線イメージセンサ2によれば、フォトダイオードアレイ10の受光部10bに対向している柱径の大きい柱状構造のシンチレータで発生した光は対向する受光部10bに伝達されやすい。またこの大きなシンチレータに隣接し受光部10b以外の部分に形成された柱状の小さい柱状構造のシンチレータで発生した光が柱径の大きい柱状構造のシンチレータに入射した場合、その光は柱径の大きい柱状構造のシンチレータに対向する受光部10bに伝達されやすい。これにより、受光部10bに到達する光量を増加させることができる。
【0025】
ところで柱径の大きい柱状構造のシンチレータで発生した光の多くは対向している受光部10bに到達するが、一部は柱径の大きい柱状構造のシンチレータに対向していない受光部(近接している受光部)に進行し、この光がその受光部に入射すると解像度劣化の原因になる。しかし、柱径の大きい柱状構造のシンチレータに隣接する柱径の小さい柱状構造のシンチレータの数多くの界面で反射、吸収が繰り返され近接している受光部にはほとんど到達しないので解像度劣化を抑えることができる。
【0026】
また、シンチレータ12の表面を第1のポリパラキシリレン膜14、Al膜16及び第2のポリパラキシリレン膜18で覆っているためシンチレータ12の耐湿性も維持することができる。
【0027】
なお、上述の第1の実施の形態においては、フォトダイオードアレイ10の受光部10b上に形成されたシンチレータ12の大結晶化をYAGレーザの照射により行っているが、これに限らず水分による潮解を利用してシンチレータ12の大結晶化を行っても良い。
【0028】
この場合には、柱状構造のシンチレータ12を形成したフォトダイオードアレイ10(図2(b)参照)のシンチレータ12上にFe製メッシュ30を配置する(図5(a)参照)。ここでFe製メッシュ30は、200μmのピッチ(アレイ状に形成されている受光部10bと同一のピッチ)でアレイ状に形成されたΦ150μmのマスク部30aを有するものであり、Fe製メッシュ30のマスク部30aが受光部10b上に位置するように配置する。なお、フォトダイオードアレイ10の下面にはFe製メッシュ30がシンチレータ12の表面に密着するように磁石を配置することが好ましい。
【0029】
次に、シンチレータ12上にFe製メッシュ30を配置した状態でポリパラキシリレン膜32を3μmの厚さで成膜する。これにより図5(b)に示すように、Fe製メッシュ30でマスクされていない部分のシンチレータ12がポリパラキシリレン膜32で覆われる。
【0030】
次に、Fe製メッシュ30を取り外した状態で湿度90%、気温30℃の雰囲気中に24時間放置すると、ポリパラキシリレン膜で覆われていない受光部10b上に形成されている柱状構造のシンチレータ12が潮解して融合し大結晶化、好ましくは単結晶化させる。
【0031】
また、上述の第1の実施の形態においては、シンチレータ12を形成する基板としてフォトダイオードアレイ10を用いているが、これに限らずCCD、MOS型固体イメージセンサ等を用いるようにしてもよい。
【0032】
次に、図6〜図8を参照して、この発明の第2の実施の形態の説明を行う。図6は第2の実施の形態にかかる放射線イメージセンサ4の断面図である。図6に示すように、放射線イメージセンサ4は、Al製の基板40上にフォトダイオードアレイ50の受光部50bに対応して設けられている単結晶化されたシンチレータ42の表面を耐湿性の向上を目的とする第1のポリパラキシリレン膜(有機膜)44により覆い、更に、この第1のポリパラキシリレン膜44上に耐湿性の向上を目的とするSiO2膜46を設けると共に、SiO2膜46上に、このSiO2膜46の剥がれを防止するための第2のポリパラキシリレン膜48を設けた構造を有するものである。
【0033】
次に、図7〜図8を参照して、この放射線イメージセンサ4の製造工程について説明する。まず、図7(a)に示すように、Al製の基板40の一方の表面に、TlをドープしたCsIの柱状結晶を蒸着法によって成長させ、柱径3μm、厚さ600μmの柱状構造のシンチレータ42を形成する。
【0034】
次に、シンチレータ42の上面に150μm径に絞ったYAGレーザを照射する。これによりYAGレーザを照射した部分のシンチレータ42が融合して大結晶化し大きな結晶となる。なお、YAGレーザの照射は、薄膜トランジスタ+フォトダイオードアレイ(以下、フォトダイオードアレイという。)50(図6参照)の受光部50bが形成されているピッチと同じピッチで繰り返す。これによりフォトダイオードアレイ50の受光部に対応する位置のシンチレータ42のみを大きな結晶とする(図7(b)参照)。
【0035】
次に、シンチレータ42が形成された基板40をCVD装置の蒸着室に入れ、ポリパラキシリレンの原料を昇華した蒸気中に露出させておくことにより、シンチレータ42を形成した基板40の全体を10μmの厚さの第1のポリパラキシリレン膜44で覆う(図7(c)参照)。次に、第1のポリパラキシリレン膜44で覆った基板40をCVD装置の蒸着室から取り出し、第1のポリパラキシリレン膜44の表面にSiO2膜46を300nmの厚さで蒸着する(図8(a)参照)。ここでSiO2膜46は、シンチレータ42の耐湿性の向上を目的とするものであるためシンチレータ42を覆う範囲で形成される。
【0036】
その後、SiO2膜46の表面に、このSiO2膜46の剥がれを防止するための第2のポリパラキシリレン膜48を形成する(図8(b)参照)。即ち、第1のポリパラキシリレン膜44の成膜の場合と同様に、シンチレータ42が形成された基板40をCVD装置の蒸着室に入れ、CVD法によりSiO2膜46の表面及びSiO2膜46が形成されていない第1のポリパラキシリレン膜44上に第2のポリパラキシリレン膜48を10μmの厚さで成膜する。
【0037】
次に、シンチレータ42上にフォトダイオードアレイ50を貼り付ける(図8(c)参照)。即ち、フォトダイオードアレイ50は、基板50a上に受光部50bが200μmのピッチでアレイ状に形成され、各受光部50bに対応してアモルファスシリコン薄膜トランジスタにより形成されたスイッチング回路50cが設けられたものであり、シンチレータ42側にフォトダイオードアレイ50の受光面を向け、大結晶化したシンチレータ42に受光部50bが対向するように位置合わせを行いフォトダイオードアレイ50を貼り付ける。この工程を終了することにより放射線イメージセンサ4の製造が終了する。
【0038】
この第2の実施の形態にかかる放射線イメージセンサ4によれば、フォトダイオードアレイ50の受光部50bに対向する柱径の大きい柱状構造のシンチレータで発生した光は対向する受光部50bに伝達されやすい。またこの大きなシンチレータに隣接し受光部50b以外の部分に形成された柱径の小さい柱状構造のシンチレータで発生した光が柱径の大きい柱状構造のシンチレータに入射した場合、その光は柱径の大きい柱状構造のシンチレータに対向する受光部50bに伝達されやすい。これにより受光部50bに到達する光量を増加させることができる。
【0039】
ところで柱径の大きい柱状構造のシンチレータで発生した光の多くは対向している受光部50bに到達するが、一部は対向していない受光部(近接している受光部)に進行する。この光がその受光部50bに入射すると解像度劣化の原因になる。しかし、柱径の大きい柱状構造のシンチレータに隣接する柱径の小さい柱状構造のシンチレータの数多くの界面で反射、吸収が繰り返され近接している受光部にはほとんど到達しないので解像度劣化を抑えることができる。また、シンチレータ42の表面を第1のポリパラキシリレン膜44、SiO2膜46及び第2のポリパラキシリレン膜48で覆っているためシンチレータ42の耐湿性も維持することができる。
【0040】
なお、上述の第2の実施の形態においては、フォトダイオードアレイ50の受光部50bに対向している部分のシンチレータ42の大結晶化をYAGレーザの照射により行っているが、第1の実施の形態の場合と同様に水分による潮解を利用してシンチレータ42の大結晶化を行っても良い。
【0041】
なお、上述の各実施の形態における、ポリパラキシリレンには、ポリパラキシリレンの他、ポリモノクロロパラキシリレン、ポリジクロロパラキシリレン、ポリテトラクロロパラキシリレン、ポリフルオロパラキシリレン、ポリジメチルパラキシリレン、ポリジエチルパラキシリレン等を含む。
【0042】
また、上述の各実施の形態においては、シンチレータとしてCsI(Tl)が用いられているが、これに限らずCsI(Na)、NaI(Tl)、LiI(Eu)、KI(Tl)等を用いてもよい。
【0043】
また、上述の第2の実施の形態においては、シンチレータ42を形成する基板としてAl製の基板40を用いているが、X線透過率の良い基板であればよいことからC(グラファイト)製の基板、特にアモルファスカーボン製の基板やBe製の基板等を用いても良い。
【0044】
【発明の効果】
この発明の放射線イメージセンサによれば、撮像素子の受光部上に形成された柱状構造のシンチレータにより撮像素子の受光部に伝達される光量を増加させることができる。また、シンチレータの表面を有機膜で覆っているためシンチレータの耐湿性も維持することができる。
【0045】
また、この発明の放射線イメージセンサの製造方法によれば、撮像素子の受光部上に形成された柱状構造のシンチレータにより撮像素子の受光部に伝達される光量を増加させることが可能な放射線イメージセンサを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態にかかる放射線イメージセンサの断面図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態にかかる放射線イメージセンサの製造工程を示す図である。
【図3】この発明の第1の実施の形態にかかる放射線イメージセンサの製造工程を示す図である。
【図4】この発明の第1の実施の形態にかかる放射線イメージセンサの製造工程を示す図である。
【図5】この発明の第1の実施の形態にかかる放射線イメージセンサの製造工程の変形例を説明するための図である。
【図6】この発明の第2の実施の形態にかかる放射線イメージセンサの断面図である。
【図7】この発明の第2の実施の形態にかかる放射線イメージセンサの製造工程を示す図である。
【図8】この発明の第2の実施の形態にかかる放射線イメージセンサの製造工程を示す図である。
【符号の説明】
2,4…放射線イメージセンサ、10…フォトダイオードアレイ、12…シンチレータ、14…第1のポリパラキシリレン膜、16…Al膜、18…第2のポリパラキシリレン膜、40…基板、42…シンチレータ、44…第1のポリパラキシリレン膜、46…SiO2膜、48…第2のポリパラキシリレン膜。
Claims (8)
- 撮像素子の受光面上に形成された柱状構造のシンチレータと、前記柱状構造のシンチレータの少なくとも一部を被覆する有機膜とを備える放射線イメージセンサにおいて、
前記撮像素子の受光部上に形成された前記柱状構造のシンチレータの柱径が前記撮像素子の受光部上以外の部分に形成された前記柱状構造のシンチレータの柱径に比較して大きいことを特徴とする放射線イメージセンサ。 - 基板上に形成された柱状構造のシンチレータと、前記柱状構造のシンチレータの少なくとも一部を被覆する有機膜と、前記シンチレータ側に受光面を向けて配置された撮像素子とを備える放射線イメージセンサにおいて、
前記撮像素子の受光部に対向している前記柱状構造のシンチレータの柱径が前記撮像素子の受光部以外の部分に対向している前記柱状構造のシンチレータの柱径に比較して大きいことを特徴とする放射線イメージセンサ。 - 撮像素子の受光面上に柱状構造のシンチレータを形成する第1の工程と、
前記撮像素子の受光部上に形成された前記柱状構造のシンチレータの柱径を、前記撮像素子の受光部上以外の部分に形成された前記柱状構造のシンチレータの柱径に比較して大径化させる第2の工程と、
前記シンチレータの表面を有機膜で覆う第3の工程と、
を備えることを特徴とする放射線イメージセンサの製造方法。 - 前記第2の工程における前記シンチレータの大径化を前記シンチレータに対するレーザ照射により行うことを特徴とする請求項3記載の放射線イメージセンサの製造方法。
- 前記第2の工程における前記シンチレータの大径化を前記シンチレータの水分による潮解を利用して行うことを特徴とする請求項3記載の放射線イメージセンサの製造方法。
- 基板上に形成された柱状構造のシンチレータと、前記シンチレータ側に受光面を向けて配置された撮像素子とを備える放射線イメージセンサを製造する方法において、
前記基板上に前記柱状構造のシンチレータを形成する第1の工程と、
前記撮像素子の受光部に対応する位置の前記柱状構造のシンチレータの柱径を、それ以外の前記柱状構造のシンチレータの柱径に比較して大径化させる第2の工程と、
前記シンチレータの表面を有機膜で覆う第3の工程と、
前記シンチレータ側に受光面を向けて前記撮像素子を配置する第4の工程と、
を備えることを特徴とする放射線イメージセンサの製造方法。 - 前記第2の工程における前記シンチレータの大径化を前記シンチレータに対するレーザ照射により行うことを特徴とする請求項6記載の放射線イメージセンサの製造方法。
- 前記第2の工程における前記シンチレータの大径化を前記シンチレータの水分による潮解を利用して行うことを特徴とする請求項6記載の放射線イメージセンサの製造方法。
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