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JP4255651B2 - 積層鉄心及び積層鉄心の製造方法 - Google Patents

積層鉄心及び積層鉄心の製造方法 Download PDF

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JP4255651B2
JP4255651B2 JP2002178981A JP2002178981A JP4255651B2 JP 4255651 B2 JP4255651 B2 JP 4255651B2 JP 2002178981 A JP2002178981 A JP 2002178981A JP 2002178981 A JP2002178981 A JP 2002178981A JP 4255651 B2 JP4255651 B2 JP 4255651B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性を有する薄板(例えば、珪素鋼板)を積層した積層鉄心及び積層鉄心の製造方法に関する。ここで、積層鉄心の用途としては、例えば、電動機のロータやステータ等がある。
【0002】
【従来の技術】
従来、モータの出力向上、あるいは小型軽量で高性能化を図るために、ロータコアやステータコア等には、プレス加工によって、鋼板から打ち抜きした鉄心片を多数枚積層して所定の厚さとした積層鉄心が使用されている。鉄心片を多数枚積層する場合、例えば、各鉄心片一枚毎にV字状の谷形突起や切り起し突起(又は打ち出し突起)等のかしめ接続部を設けて、このかしめ接続部を介して各鉄心片を、相互にかしめて積層していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鉄心片の厚さが薄く、例えば0.2mm未満になると、従来方法による谷形突起や切り起し突起等のかしめ接続部では、上下に連結する鉄心片の相互に係合する長さが短すぎて、十分なかしめ強度を発現することが困難であった。このため、積層鉄心を構成している各鉄心片間のかしめ接合強度が低いために、組み立てられた積層鉄心が分離したり、形状劣化を生じる等の問題が生じていた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、例えば0.2mm未満(即ち、極薄)の板厚を有する鉄心片を使用してもかしめ接合強度が大きく、積層鉄心が分離したり又は形状劣化を生じることのない積層鉄心及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る積層鉄心は、鉄心片の板厚の少なくとも2倍の突出長さを有するかしめ用突起と、上位置にある他の鉄心片の係合孔とで貫通係合孔を形成する係合孔が形成されて、所定層毎に配置された鉄心片と、
前記かしめ用突起が形成された前記鉄心片の下位置にそれぞれ積層され、前記かしめ用突起が嵌入する貫通係合孔を形成する少なくとも2枚の鉄心片とを有し、
前記かしめ用突起が形成されている前記鉄心片には、該鉄心片に形成されている該かしめ用突起の形成位置とは異なる位置に、その上の鉄心片層のかしめ用突起が嵌入する前記貫通係合孔の一部を構成する前記係合孔が形成され、
前記所定層毎に配置された鉄心片に形成されている前記かしめ用突起と該かしめ用突起が嵌入する貫通係合孔からなるかしめ結合であって、上下方向に隣り合う前記かしめ結合は、平面視してその形成位置を変えている。
これによって、かしめ用突起が嵌入する貫通係合孔の厚み(長さ)を確保することができる。なお、かしめ用突起が嵌入する貫通係合孔の底の鉄心片は、次の下層位置にあるかしめ用突起が形成されている鉄心片の更に下位置の鉄心片であってもよい。これによって、更に強固な積層鉄心となる。
【0005】
本発明に係る積層鉄心において、前記かしめ用突起は側面視して先端方向に縮幅し、前記複数枚の鉄心片により形成されている前記貫通係合孔のうち、前記かしめ用突起が形成されている前記鉄心片の直下にある前記鉄心片の係合孔は、前記かしめ用突起の幅より拡幅しているのが好ましい。これによって、かしめ用突起が形成されている鉄心片の直下にある鉄心片にかしめ用突起が容易に嵌入し、しかもかしめ用突起が少し嵌入した後は、該鉄心片の係合孔はかしめ用突起のガイドとなる。
また、本発明に係る積層鉄心において、前記鉄心片に形成されている前記係合孔の周縁には、凹部が部分的に形成されているのがより好ましい。これによって、かしめ用突起の一部が凹部に張り出し、かしめ強度が向上する。
本発明に係る積層鉄心において、前記凹部は2以上あって、しかも、前記各凹部が、前記係合孔の軸心に対して対称に形成されているのがより好ましい。これによって、かしめ用突起に偏りが発生しにくく、結果として鉄心片の積層ブレがなくなる。
【0006】
本発明に係る積層鉄心において、前記かしめ用突起の形状は、側面視して近似台形状又は近似多段台形状であるのがより好ましい。これにより、かしめ用突起の角部が複数枚の鉄心片の係合孔から構成される貫通係合孔に食い込み、また、かしめ用突起の捩じりも生じない。なお、この場合のかしめ用突起は対向する2つの側面を鉄心片から切り離してもよいし、かしめ用突起の全部の側壁を鉄心片から分離しないで形成してもよい。
そして、本発明に係る積層鉄心において、前記かしめ用突起の先端は、前記貫通係合孔に嵌入して加圧力を受け、拡幅しているのが好ましい。これによって、かしめ用突起と貫通係合孔の係合がより強固になる。
【0007】
次に、本発明に係る積層鉄心の製造方法は、磁性材料からなる薄板からプレス装置によって打ち抜かれる多数枚の鉄心片に、かしめ用突起と貫通係合孔を形成し、これらの鉄心片を積層しながらかしめ結合を行う積層鉄心の製造方法であって、磁性材料からなる薄板からプレス装置を用いて貫通係合孔を形成する複数枚の鉄心片を打ち抜いて積層するA工程と、前工程で積層された前記複数枚の鉄心片から形成された前記貫通係合孔に底部まで挿通するかしめ用突起が形成され、更に、上位置(即ち、上層位置)にあって該かしめ用突起とは平面視して異なる位置に形成される新たなかしめ用突起が嵌入する貫通係合孔の一部を構成する係合孔が形成された鉄心片を積層するB工程と、前記B工程で積層された前記鉄心片の前記係合孔に、貫通係合孔の一部となる係合孔が形成された鉄心片を、軸心を合わせて積層するC工程とを有し、前記B工程と前記C工程を繰り返して、上下方向に隣り合うかしめ結合箇所を平面視して変えて積層し、かつ最終工程を前記B工程として、所定厚みに積層された積層鉄心を形成している。これによって、複数枚の鉄心片にかしめ用突起が食い込む箇所を上下に隣り合う積層方向で変えた(即ち、重複しないようにして)積層鉄心をプレス装置を用いて製造できる。
【0008】
また、本発明に係る積層鉄心の製造方法において、前記最終工程を構成するB工程において、前記貫通係合孔を形成する係合孔を形成する打抜きを省略することもできる。これによって、積層鉄心の最上部の無駄な孔加工を無くすことができる。
本発明に係る積層鉄心の製造方法において、前記積層鉄心は、モータコアからなって、前記B工程の終了後に積層された鉄心片の転積を行うこともできる。ここで、転積とは鉄心片を積層するに際して、所定の枚数の鉄心片を積層した後、360度/n(nは自然数)回転することをいう。これによって、鉄心片の厚みにバラツキがあっても、一定厚の積層鉄心が形成される。
【0009】
本発明に係る積層鉄心の製造方法において、前記かしめ用突起の突出長さは、該かしめ用突起が嵌入する前記貫通係合孔の全長(厚さ)より長くなっていると共に、該かしめ用突起の基部は拡幅し、積層時に前記かしめ用突起の先端が押し潰される(即ち、拡幅する)のがより好ましい。これによって、かしめ用突起と貫通係合孔との係合が確実になり、より強度の大きい積層鉄心となる。
そして、本発明に係る積層鉄心の製造方法において、前記貫通係合孔の少なくとも下部周縁には複数の凹部が均等に形成されているのがより好ましい。これによって、かしめ用突起の一部が凹部に張り出し、しかも凹部の先端が引っ掛かりとなって、かしめ用突起の抜けや係合ブレを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る積層鉄心の概略説明図、図2は本発明の第2の実施の形態に係る積層鉄心の概略説明図、図3は係合孔の内周側に形成された凹部の概略説明図、図4は同積層鉄心の変形例に係る係合孔の内周側に形成された凹部の概念構造を示す説明図、図5は本発明の第3の実施の形態に係る積層鉄心の斜視図、図6は図5における切断面Pの一部断面図、図7は同積層鉄心の製造方法に使用するプレス装置の概念説明図、図8は同積層鉄心の打ち抜き工程を示す説明図、図9は本発明の第4の実施の形態に係る積層鉄心の打ち抜き工程を示す概略説明図である。
【0011】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る積層鉄心10は、実質的に同一厚み(例えば、その厚みが0.2〜0.1mm程度の極薄)の複数枚の鉄心片11〜15から形成されており、図1はその一部を示している。鉄心片13に形成された複数のかしめ用突起16は、鉄心片13の板厚の2倍の突出長さを有し、鉄心片11、12にそれぞれ形成された下部及び上部の係合孔17、18からなる貫通係合孔19に密着状態で嵌入している。鉄心片15に形成された複数のかしめ用突起20は、鉄心片15の板厚の2倍の突出長さを有し、鉄心片13、14にそれぞれ形成された下部及び上部の係合孔21、22からなる貫通係合孔23に密着状態で嵌入している。それぞれ複数のかしめ用突起16、20の形成位置は、鉄心片13、15を平面的に見て異なる位置に配置され、更に詳細にはこの実施の形態においては、かしめ用突起16、20が平面的に見て交互に所定間隔で配置されている。なお、実際の積層鉄心は、平面的に見て図5に示すようにリング状となっているが、図1(図2も同様)では直線状に展開して示している。
【0012】
また、図1に示すように、この実施の形態では、鉄心片13が下部の積層部24と、上部の積層部25とに共通に使用されている。この積層鉄心10においては、鉄心片11〜13からなる下部の積層部24と、鉄心片13〜15からなる上部の積層部25とを有し、これらの積層部24、25が交互に積み重ねられて所定厚みの積層鉄心10が構成されている。鉄心片15に設けられている係合孔17は更に上部位置にある図示しない鉄心片のかしめ用突起が嵌入する貫通係合孔の一部を示す。
貫通係合孔19を形成する係合孔17、18及び貫通係合孔23を形成する係合孔21、22はプレス加工によって形成された抜き孔からなって、それぞれ平面視して矩形となっている。係合孔18、22はそれぞれ係合孔17、21より大きくなっている。なお、係合孔17と係合孔21は同一形状及び同一大きさ、係合孔18と係合孔22とは同一形状及び同一大きさとなっている。
この貫通係合孔19、23にそれぞれ嵌入するかしめ用突起16、20は、前述のように、それぞれの鉄心片11〜15の厚みの2倍の突出長さを有し、かしめ用突起16、20は係合孔17、18及び係合孔21、22の平面形状と実質的に相似又は同一の矩形の断面形状を有している。かしめ用突起16、20は基部が拡幅し先端方向に徐々に細くなる近似台形状となっている。また、かしめ用突起16、20はそれぞれ貫通係合孔19、23の位置に合わせて、所定ピッチで鉄心片13、15に形成されている。かしめ用突起16、20は貫通係合孔19、23にそれぞれ密着状態で嵌入して、鉄心片11〜13及び鉄心片13〜15を強固にかしめている。
【0013】
この積層鉄心10の製造にあっては、後述するように、薄い鉄板(磁性材料からなる)からなる条材をプレス加工によって、各鉄心片11〜15を打ち抜き、プレス装置内に設けられたダイの中で積層する。かしめ用突起16、20が設けられた鉄心片13、15を積層する際に、積層されている鉄心片を、例えば、後記する底板ブロック129、130(図7参照)に連結の加圧機構(例えば、図示しない油圧シリンダ)を作用させ、強圧してかしめ用突起16、20の先部をそれぞれ貫通係合孔19、23に馴染ませるようにすることによって、積層鉄心10のかしめ強度を向上することができる。この場合、かしめ用突起16、20を各鉄心片11、13の底面より僅少の範囲(例えば、その突出長さを鉄心片の厚みの1〜10%)で突出させて、強圧積層することによって、かしめ用突起16、20の先端を拡大し、かしめ用突起16、20を貫通係合孔19、23に強固に嵌合することができる。
【0014】
また、かしめ用突起16、20の形状が側面視して近似台形状であるため、かしめ用突起16、20が形成される鉄心片13、15と直接接触する鉄心片12、14に形成する係合孔18、22の寸法は、その下部の鉄心片11、13に形成する係合孔17、21よりも大きくしている。このようにすることにより、かしめ用突起16、20を貫通係合孔19、23内に無理なく確実に入り込ませることが可能となる(以下の実施の形態においても同じ)。
【0015】
次に、図2を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る積層鉄心27について、その概略を説明する。積層鉄心27は実質的に同一厚みの鉄心片28〜34を有し、鉄心片31、34に下方に突出するかしめ用突起35、36が設けられている。鉄心片28〜30には、下部の係合孔37、中間部の係合孔38、上部の係合孔39から貫通係合孔40が形成され、貫通係合孔40に鉄心片31に形成されているかしめ用突起35が密着状態で嵌入している。また、鉄心片31〜33には、下部の係合孔41、中間部の係合孔42、上部の係合孔43から貫通係合孔44が形成され、鉄心片34に形成されているかしめ用突起36が密着状態で嵌入している。従って、第1の実施の形態に係る積層鉄心10に比較して、かしめ用突起35、36が嵌入する貫通係合孔40、44の深さが鉄心片1枚分だけ増加し、かしめ用突起35、36の下方への突出長さは、鉄心片31、34の厚みの3倍となっている。これによって、鉄心片28〜31によって下部の積層部45を形成し、鉄心片31〜34によって上部の積層部46を構成している。積層部45、46では鉄心片31が共通に使用されて、下部及び上部の積層部45、46が連続し、これらの積層部45、46が更に交互に順次積層されて所定厚の積層鉄心27が形成されている。
【0016】
鉄心片31、34に設けられているかしめ用突起35、36の平面的位置は異なる。かしめ用突起35、36は断面は矩形であって、側面視して近似台形状となっている。かしめ用突起35(かしめ用突起36についても同じ)が嵌入する下部及び中間部の係合孔37、38は、かしめ用突起35の先部の断面形状と同じく、平面視して矩形となっている。かしめ用突起35が嵌入する上部の係合孔39は平面視して矩形であるが、係合孔37、38より大形状となって、容易にかしめ用突起35が嵌入できるようになっている。なお、貫通係合孔40を形成する係合孔37〜39、貫通係合孔44を形成する係合孔41〜43、及びかしめ用突起35、36はプレス加工によって形成され、かしめ用突起35、36を介してプレス加工装置内に設けられた金型内で積層されて、全体の積層鉄心27が製造される。
【0017】
図1に示すかしめ用突起16、20が嵌入する係合孔17、18、21、22、及び図2に示すかしめ用突起35、36が嵌入する係合孔37〜39、41〜43について更に説明する。上記実施の形態においては、これらの係合孔は全て平面視して矩形(四角形)であったが、かしめ用突起の形状に合わせて、平面視して円形、楕円、多角形であってもよい。この場合であっても、かしめ用突起が形成された鉄心片の直下部に形成される係合孔(上部の係合孔)は、その下側に形成される係合孔より、その一辺が例えば10〜40%の範囲で大きくなっているのが好ましい。
【0018】
そして、かしめ用突起16、20が嵌入する下部の係合孔17、21及びかしめ用突起35、36が嵌入する下部及び中間部の係合孔37、38、41、42には、その周縁に凹部が形成されているのが好ましい。この様子を、図3を用いて例示的に説明するが、図3において、鉄心片47に形成された係合孔48は、前記した係合孔17、21、37、38、41、42を代表して示している。そして、この係合孔48は矩形となって、長手方向両側に凹部(切欠き)49、50が形成されている。この場合、これに嵌入する図示しないかしめ用突起には、この凹部49、50に嵌入する線状の突出部は形成されていないが、かしめ用突起を係合孔48に入れて強圧すると、かしめ用突起の一部がこの凹部49、50に食い込み、かしめ用突起と係合孔48が強固に固着される。この場合、かしめ用突起を最下部の係合孔から僅少の範囲(例えば、鉄心片の厚みの1〜10%の範囲、より好ましくは、2〜8%の範囲)で突出させておくのがより好ましく、これによって、プレス装置内(又はプレス装置外であってもよい)で、鉄心片の積層時に、上下から強圧されることによって、かしめ用突起の先部が拡幅し、その一部が凹部49、50に食い込む。この時、凹部49、50の切欠角部にかしめ用突起が食い込み抜け止めフックの役目を果たし、より強固に鉄心片のかしめ結合が行われることになる。このようにして、貫通係合孔19、23、40、44に対応するかしめ用突起の抜けを防止する凹部が形成されている。
【0019】
前記実施の形態は、係合孔が矩形の場合であったが、図4には、鉄心片51に形成されている係合孔52が円形の場合に、その周縁の両側に凹部53、54が形成されている場合を示す。この場合においても、同様にかしめ用突起が係合孔52に嵌入して、上下から押圧されると、かしめ用突起の一部が凹部53、54に食い込み、各鉄心片のかしめ結合を強固にすることができる。なお、この場合のかしめ用突起の形状は、近似円錐台状となる。
また、係合孔48、52に凹部49、50、53、54が形成されていることによって、かしめ用突起の回転や移動が拘束され、結果として、積層鉄心としてのかしめ接合強度が向上すると共に形状の安定性が確保される。
以上の実施の形態において、凹部は一つの係合孔に対して2個であったが、その数に限定されるものではない。なお、一つの係合孔に対して3個以上の凹部を設ける場合には、これらを係合孔の軸心に対して対称に形成するのが好ましく、これによって、積層中に鉄心片の横移動を無くすことができる。
【0020】
本発明を更に具体化した本発明の第3の実施の形態に係る積層鉄心61について説明する。
図5に示すように、積層鉄心61は、モータのステータコアであり、外形が円板形状となり、厚みが実質的に等しい多数の鉄心片6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6i、・・・(以下、6Aで代表する)が、かしめ結合にて積層されている。各鉄心片6Aには、周方向に等間隔に8個のスロット62を設けることにより、8個の磁極部63が形成されている。各磁極部63の内側先端には、磁力線をその部分に集中させるための極歯部64がそれぞれ設けられている。このため、各鉄心片6Aを積層することにより、積層鉄心61の中央部には、ステータコアの各鉄心片の磁極部63によって囲まれ、ロータコアを収納するロータコア孔65が形成されている。また、積層鉄心61の外周側には、各スロット62から構成された中空領域66が形成されている。ここで、各鉄心片6Aのかしめ結合は、各磁極部63の半径方向外側(基側)と半径方向内側(先側)に交互に形成されたかしめ接続部67を介して行なわれている。以下、積層鉄心61の構造について詳細に説明する。なお、図示の便宜上かしめ接続部67の形成位置はこの実施例では図5に示すようにしているが、積層鉄心61内の磁束流れをできるだけ乱さない位置にするのが好ましい。
【0021】
図6に、積層鉄心61を切断面Pで切断した際に形成される断面構造の一部を示す。なお、図6では、積層鉄心61の断面構造の下部が示されている。
第1層となる鉄心片6aには、平面視して矩形の下部の係合孔68が形成されている。鉄心片6bには、下部の係合孔68より大きく平面視して矩形の上部の係合孔69が形成されている。そして、鉄心片6a、6bは、下部の係合孔68と上部の係合孔69の軸心を合わせて積層されている。これによって、積層された鉄心片6a、6bに、かしめ接続部67の一部を構成する貫通係合孔70が形成される。また、鉄心片6cには、平面視して矩形で、側面視して基側が長辺となる近似台形状となったかしめ用突起71と、平面視して矩形の下部の係合孔72が異なる位置に設けられている。なお、かしめ用突起71の突出長は各鉄心片6a、6bの厚さの実質2倍となっている。そして、かしめ用突起71の軸心が貫通係合孔70の軸心に一致するように、鉄心片6cが鉄心片6bの上に積層されている。その結果、積層方向に加圧することにより、かしめ用突起71を貫通係合孔70に嵌入することができ、鉄心片6a、6b、6cをかしめ結合させて、第1積層群73を形成することができる。
【0022】
鉄心片6dには、下部の係合孔72より大きく平面視して矩形の上部の係合孔74が形成されている。そして、鉄心片6c、6dは、下部の係合孔72と上部の係合孔74の軸心を合わせて積層されている。これによって、積層された鉄心片6c、6dに、かしめ接続部67の一部を構成する貫通係合孔75が形成される。鉄心片6eには、平面視して矩形で、側面視して基側が長辺となる近似台形状となったかしめ用突起76と、平面視して矩形の下部の係合孔68が設けられている。なお、かしめ用突起76の突出長は各鉄心片6c、6dの厚さの2倍となっている。そして、かしめ用突起76の軸心が貫通係合孔75の軸心に一致するように、鉄心片6eが鉄心片6dの上に積層されている。その結果、積層方向に加圧することにより、かしめ用突起76を貫通係合孔75に嵌入することができ、鉄心片6c、6d、6eをかしめ結合させて、第2積層群77を形成することができる。また、第1積層群73と第2積層群77では、鉄心片6cが共用されているので、第2積層群77を形成した時点で、鉄心片6cを介して第1積層群73と第2積層群77のかしめ結合が行なわれる。
【0023】
ここで、貫通係合孔70、75の上側の断面積は下側の断面積より大きく、かしめ用突起71、76の先端の断面積は基端の断面積より小さい。これによって、かしめ用突起71、76を貫通係合孔70、75内に確実に入り込ませることが可能となる。そして、かしめ用突起71、76の先側の外周面を下部の係合孔68、72の内周面全体にそれぞれ密着状態で接触させることができ、かしめ用突起71、76の基側の外周面を上部の係合孔69、74の先端の内周側に密接させることができる。以上の構成によって、各鉄心片6a、6b、6c、6d、6eはかしめ結合により強固に連結されることになる。
各鉄心片6f、6g、6h、6i、・・・についても、鉄心片6e、6f、6gで第3積層群78、鉄心片6g、6h、6iで第4積層群79が順次形成され、各積層群間でかしめ結合がなされていく。なお、各鉄心片6f、6g、6h、6i、・・・に関しては、各鉄心片6b〜6eの各下部の係合孔、各上部の係合孔、及び各かしめ用突起と構造的に同一であるので、同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0024】
図7に、本実施の形態に係る積層鉄心(ステータコア)61、及びロータコアを共に製造するプレス装置80の概略構造を示す。なお、ステータコアとロータコアの各鉄心片は、同一の薄板条材の同一領域(鉄心片形成領域)を用いて製造されるので、使用する各鉄心片については同一の番号を使用する。
プレス装置80には、上流側にロータコア製造域、下流側にステータコア製造域が設けられ、各鉄心片6Aが順次打ち抜かれる磁性材料からなる条材(以下、単に薄板81という)が、このロータコア製造域及びステータコア製造域に間欠搬送される。打ち抜き加工用の上金型82と下金型83は支柱84で連結され、上金型82には油圧駆動する図示しないプランジャーが接続されて、下金型83に対して上下移動を行なうようになっている。薄板81は、上金型82と下金型83の間に配置され、薄板81は上金型82と下金型83のプレス動作に同期して所定の速度で間欠的に搬送されている。
【0025】
下金型83は、下ダイセット85と、下ダイセット85の上側に設けられたダイプレート86を有している。上金型82は、上ダイセット87、上ダイセット87に固定されたパンチプレート88、及び薄板81をダイプレート86と共に挟持するストリッパー89を有している。また、ロータコア製造域には、パンチプレート88にパンチ支持プレート90を介してパイロット孔及びロータコア加工用のパンチ91、92、93、94、95、及びロータコアの打ち抜きパンチ96が設けられている。また、ステータコア製造域には、パンチプレート88にパンチ支持プレート90を介してステータコア加工用のパンチ97、98、99、100、101、及びステータコアの打ち抜きパンチ102が設けられている。なお、この実施の形態では下金型83を固定して上金型82を昇降したが、上金型を固定し下金型を昇降する場合、上下の金型を同時に近接又は離隔するように昇降する場合も本発明は適用される。
ストリッパー89には、パイロット孔及びロータコア加工用のパンチ91〜95、ロータコアの打ち抜きパンチ96、ステータコア加工用のパンチ97〜101、ステータコアの打ち抜きパンチ102が挿通する貫通孔103〜114が設けられている。そして、ダイプレート86には、パンチ91〜95、97〜101で打ち抜かれた打ち抜き片が入り込むダイホール115〜121、123〜125が設けられ、下ダイセット85には各ダイホール115〜121、123〜125に接続し打ち抜き片が排出される排出口126がそれぞれ設けられている。
【0026】
下金型83のロータコアの打ち抜きパンチ96の直下には、打ち抜きパンチ96がロータコアを構成する鉄心片を打ち抜きして入り込ませるダイホール(積層鉄心収納部)127が設けられ、このダイホール127内にて鉄心片を順次積層する。また、下金型83のステータコアの打ち抜きパンチ102の直下には、打ち抜きパンチ102がステータコアを構成する鉄心片6Aを打ち抜いて入り込ませるダイホール128が設けられ、このダイホール128内にて鉄心片6Aが順次積層される。更に、各ダイホール127、128の下部側には、打ち抜かれた各鉄心片6Aを支持する底板ブロック129、130がそれぞれ設けられている。そして、各底板ブロック129、130は、図示しない加圧機構及び必要に応じて設けられた回転機構に接続され、鉄心片の積層高さに応じて下降すると共に加圧する。更に、必要に応じて積層された鉄心片の転積、例えば45度回転を行っている。
【0027】
このような構成とすることにより、各ダイホール127、128内に各鉄心片6Aを積層するに際し、各底板ブロック129、130を下降させながら所定枚数毎にその軸心を中心にして必要に応じて所定角度(45度)回転させることにより、各鉄心片6Aをかしめ結合して、所定厚みのロータ積層鉄心、及びステータ積層鉄心を製造できる。更に、上ダイセット87には、各パンチ93、94、95、99、100、101の動作をそれぞれ停止させる制御機構131が設けられている。なお、プレス装置80は、各パンチとダイプレートとの関係を説明するために例示的に説明したものであり、各工程のプレス加工に使用するそれぞれパンチ及びダイの一部を示している。
続いて、図7に示したプレス装置80を使用したロータコア及びステータコアの製造方法を、図8及び表1を用いて説明する。
【0028】
【表1】
Figure 0004255651
【0029】
図8に示すように、プレス装置80は、A〜Lの各ステージを有している。すなわち、薄板81の搬送用のパイロット孔132を加工するステージA、ロータコア用のシャフト孔133を形成するステージB、下部の係合孔を形成するステージC、下部の係合孔の位置に対して45°回転した位置に上部の係合孔を形成するステージD、かしめ用突起を形成するステージE、薄板81からロータコアを構成する各鉄心片6Aの打ち抜き及び積層を行なうステージFが設けられている。
更に、プレス装置80には、ロータコアを形成する各鉄心片6Aが打ち抜かれた後に、ステータコア用のスロット抜きを段階的に行なうステージG(第1のスロット62の加工)及びステージH(第2のスロット62の加工)、下部の係合孔を形成するステージI、下部の係合孔の位置に対して45°回転した位置に上部の係合孔を形成するステージJ、かしめ用突起を形成するステージK、薄板81からステータコアを構成する各鉄心片6Aの打ち抜き及び積層を行なうステージLが設けられている。
【0030】
第1工程
表1に示すように、ステージAで鉄心片6aが形成される鉄心片形成領域の周囲にパンチ91により、薄板81の幅方向の両側に搬送用のパイロット孔132が形成される。以下の工程においても、ステージAでパイロット孔132が形成されるのでその説明を省略する。薄板81は次ステージに搬送される。
第2工程
ステージBでは、鉄心片6aが形成される領域にシャフト孔133が形成される。以下の工程においてもステージBでは、鉄心片形成領域にはシャフト孔133が形成されるので、その説明を省略する。薄板81は次ステージに搬送される。
第3工程
ステージCでは、鉄心片6aが形成される領域に下部の係合孔68が形成される。そして、薄板81は次ステージに搬送される。
【0031】
第4工程
制御機構131を操作して、パンチ93、94の動作を停止させる。その結果、ステージC、Dではプレス加工が停止される。そして、薄板81は次ステージに搬送される。
第5工程
制御機構131を操作して、パンチ95の動作を停止させる。ステージCでは、鉄心片6cが形成される領域に下部の係合孔72が形成される。ステージDでは、鉄心片6bが形成される領域に上部の係合孔69が形成される。ステージEではプレス加工が停止される。そして、薄板81は次ステージに搬送される。
第6工程
制御機構131を操作して、パンチ93〜95の動作を停止させる。その結果、ステージC〜Eでは加工が停止される。ステージFでは、打ち抜きパンチ96により鉄心片6aが打ち抜かれて、ダイホール127内の底板ブロック129上に積層される。次いで、底板ブロック129を必要に応じて45°回転させて転積を行なう。そして、薄板81は次ステージに搬送される。
【0032】
第7工程
ステージCでは、鉄心片6eが形成される領域に下部の係合孔68が形成される。ステージDでは、鉄心片6dが形成される領域に上部の係合孔74が形成される。ステージEでは、鉄心片6cが形成される領域にかしめ用突起71が加工される。これによって、鉄心片6cが形成される領域には、下部の係合孔72とかしめ用突起71が形成される。ステージFでは、打ち抜きパンチ96により鉄心片6bが打ち抜かれて、ダイホール127内で先に積層された鉄心片6a上に積層される。これによって、貫通係合孔70が形成される(本発明のA工程)。ステージGでは、鉄心片6aが形成される領域にパンチ97で第1のスロット62が打抜き形成される。なお、以下の工程ではステージGの処理は各鉄心片形成領域について行うので、その記載を省略する。そして、薄板81は次ステージに搬送される。
第8工程
制御機構131を操作して、パンチ93〜95の動作を停止させる。その結果、ステージC〜Eでは加工が停止される。ステージFでは、打ち抜きパンチ96により鉄心片6cが打ち抜かれて、ダイホール127内の先に積層された鉄心片6b上に積層され、かしめ用突起71が貫通係合孔70内に入り込み、かしめ結合が生じて第1積層群73が形成される(本発明のB工程)。次いで、この第1積層群73を45°回転させて転積を行なう。ステージHでは、鉄心片6aが形成される領域にパンチ98で第2のスロット62が打抜き形成される(以下、同一工程の説明を省略する)。これによって鉄心片6aが形成される領域に全部のスロット62が完成される。そして、薄板81は次ステージに搬送される。
【0033】
第9工程
ステージCでは、鉄心片6gが形成される領域に下部の係合孔72が形成される。ステージDでは、鉄心片6fが形成される領域に上部の係合孔69が形成される。ステージEでは、鉄心片6eが形成される領域にかしめ用突起76が形成される。これによって、鉄心片6eが形成される領域には、下部の係合孔68とかしめ用突起76が形成される。ステージFでは、打ち抜きパンチ96により鉄心片6dが打ち抜かれて、ダイホール127内にて先に積層した鉄心片6c上に積層される。これによって、貫通係合孔75が形成される(本発明のC工程)。ステージIでは、鉄心片6aが形成される領域に下部の係合孔68が形成される。そして、薄板81は次ステージに搬送される。
第10工程
制御機構131を操作して、パンチ93〜95、99、100の動作を停止させる。ステージC〜Eでは加工が停止される。ステージFでは、打ち抜きパンチ96により鉄心片6eが打ち抜かれて、ダイホール127内にて先に積層した鉄心片6d上に積層され、かしめ用突起76が貫通係合孔75内に入り込み、かしめ結合が生じて第2積層群77が形成される(本発明のB工程)。次いで、必要な場合、底板ブロック129を45°回転させて転積を行なう。ステージI、Jでは、加工が停止される。そして、薄板81は次ステージに搬送される。
【0034】
第11工程
制御機構131を操作して、パンチ101の動作を停止させる。ここで、ステージA〜Fにおける加工は、第7工程におけるステージA〜Fにおける加工と同一なので詳しい説明は省略する。ステージIでは、鉄心片6cが形成される領域に下部の係合孔72が形成される。ステージJでは、鉄心片6bが形成される領域に上部の係合孔69が形成される。ステージKでは加工が停止される。そして、薄板81は次ステージに搬送される。
第12工程
制御機構131を操作して、パンチ93〜95、99〜101の動作を停止させる。ここで、ステージA〜F(詳細にはA〜G)における加工は、第8工程におけるステージA〜Fにおける加工と同一なので詳しい説明は省略する。ステージI〜Kでは、加工が停止される。ステージLでは、打ち抜きパンチ102により鉄心片6aが打ち抜かれて、ダイホール128内の底板ブロック130上に積層される。次いで、必要な場合、底板ブロック130を45°回転させて転積を行なう。そして、薄板81は次ステージに搬送される。
【0035】
第13工程
ステージA〜Hにおける加工は、第9工程におけるステージA〜Hにおける加工と同一なので詳しい説明は省略する。ステージIでは、鉄心片6eが形成される領域に下部の係合孔68が形成される。ステージJでは、鉄心片6dが形成される領域に上部の係合孔74が形成される。ステージKでは、鉄心片6cが形成される領域にかしめ用突起71が加工される。これによって、鉄心片6cが形成される領域には、下部の係合孔72とかしめ用突起71が形成される。ステージLでは、打ち抜きパンチ102により鉄心片6bが打ち抜かれて、ダイホール128内にて先に積層した鉄心片6a上に積層される。これによって、貫通係合孔70が形成される(本発明のA工程)。そして、薄板81は次ステージに搬送される。
第14工程
制御機構131を操作して、パンチ93〜95、99〜101の動作を停止させる。ここで、ステージA〜Iにおける加工は、第10工程におけるステージA〜Iにおける加工と同一なので詳しい説明は省略する。ステージJ、Kでは、加工が停止される。ステージLでは、打ち抜きパンチ102により鉄心片6cが打ち抜かれて、ダイホール128内にて先に積層した鉄心片6b上に積層され、かしめ用突起71が貫通係合孔70内に入り込み、かしめ結合が生じて第1積層群73が形成される(本発明のB工程)。次いで、必要な場合、底板ブロック130を45°回転させて転積を行なう。そして、薄板81は次ステージに搬送される。
【0036】
第15工程
ステージA〜Jにおける加工は、第11工程におけるステージA〜Jにおける加工と同一なので詳しい説明は省略する。ステージKでは、鉄心片6eが形成される領域にかしめ用突起76が加工される。これによって、鉄心片6eが形成される領域には、下部の係合孔68とかしめ用突起76が形成される。ステージLでは、パンチ102により鉄心片6dが打ち抜かれて、ダイホール128内にて先に積層した鉄心片6c上に積層される。(本発明のC工程)
第16工程
制御機構131を操作して、パンチ93〜95、99〜101の動作を停止させる。ここで、ステージA〜Kにおける加工は、第12工程におけるステージA〜Kにおける加工と同一なので詳しい説明は省略する。ステージLでは、パンチ102により鉄心片6eが打ち抜かれて、ダイホール128内にて先に積層した鉄心片6d上に積層され、かしめ用突起76が貫通係合孔75内に入り込み、かしめ結合が生じて第2積層群77が形成される(本発明のB工程)。このとき、第1積層群73と第2積層群77との間にもかしめ結合が行なわれる。次いで、底板ブロック130を45°回転させて転積を行なう。そして、薄板81は次ステージに搬送される。
【0037】
第17工程以降
第17工程以降では、以上のB工程とC工程が繰り返される。なお、ダイホール127、128内では、かしめ結合される度に積層鉄心61の厚みは徐々に増加していくので、加圧機構(例えば、図示しない油圧シリンダ)を用いて底板ブロック129、130を徐々に下降させる。所定積層厚さまで積層されたら、積層鉄心はダイホール127、128の下方に払い出される。このように最終工程は、ロータの積層鉄心においては、かしめ用突起が形成された鉄心片を積層することによって終了する(ステージF)。ステータの積層鉄心はかしめ用突起が形成された鉄心片を積層する工程(ステージL)によって終了する。この場合、最終段階の鉄心片に形成する抜き孔(下部の係合孔)は省略することができる。
【0038】
なお、この実施の形態においては、かしめ用突起が形成される位置が上下に隣接する鉄心層(例えば、第1積層群73、第2積層群77、第3積層群78・・)で重ならないように、かしめ用突起が形成された鉄心片6c、6e、6g・・を積層した後に、積層された鉄心片の所定角度(45度)の回転(即ち、転積)を行ったが、これを行わず、パンチ加工を行うステージの数を増やして鉄心片毎に使用するパンチを選択し、貫通係合孔及びこれに嵌入するかしめ用突起の位置を上下に隣り合う鉄心層毎に変えて、積層鉄心を製造することもできる。この場合は、ダイホール内で積層された鉄心片の転積は行わないことになる。また、この場合、一つのステージに選択できる複数のパンチを設けてプレス加工のステージの数を減らすこともできる。
【0039】
続いて、図9を参照しながら本発明の第4の実施の形態に係る積層鉄心の製造方法について説明する。
ステージAで、4つのパイロット孔141、142が打ち抜き形成された磁性材料からなる薄板143は、4つのパイロット孔141、142によって囲まれる部分(鉄心片形成領域という)にロータコア及びステータコアの鉄心片が形成される。パッロット孔141、142で囲まれた鉄心片形成領域は、ステージBでシャフト孔(軸孔)144が形成される。そして、次のステージCで、4つの貫通係合孔145の下部の係合孔が形成される。4つの貫通係合孔145は、鉄心形成領域の中心を基準にして、0度、90度、180度、270度角度位置に配置される。なお、ステージCに次に送られてくる鉄心片形成領域(薄板)に対しては、貫通係合孔145を形成する上部の係合孔を形成し、更にその次に送られてくる薄板143に対しては、貫通係合孔145に嵌入するかしめ用突起、及びそれぞれの貫通係合孔145に対して同一半径位置の45度位置に、同一半径で貫通係合孔145を形成する下部の係合孔が形成される。なお、ステージCにおいては、異なる係合孔及びかしめ用突起を形成する毎に異なるパンチとダイを使用する。
【0040】
次の、ステージDはロータコアの積層を行う場所で、最初に貫通係合孔145の下部の係合孔が形成されたロータコアの鉄心片146を、次に貫通係合孔145の上部の係合孔が形成されたロータコアの鉄心片146を、そして次にかしめ用突起と45度位置に下部の係合孔が形成された鉄心片が積層される。この積層を終えた段階で45度所定方向に回転し、貫通係合孔145に嵌入するかしめ用突起が、図に示す貫通係合孔145の位置になるようにする。この後、上部の係合孔が形成されたロータコアの鉄心片146が積層され、更にその上に、かしめ用突起と45度方向に下部の係合孔が形成された鉄心片が積層され、積層された鉄心片が45度所定方向に回転し、このような工程を経て所定高さのロータの積層鉄心が形成される。
【0041】
ロータコアが打ち抜かれた鉄心片形成領域は、ステージEでステータコアの磁極を形成するスロット147が打ち抜かれ、次のステージFで、外側に4個の貫通係合孔148と内側に4個の貫通係合孔149を構成する上部及び下部の係合孔並びにかしめ用突起が、順次送られてくる鉄心片形成領域に打ち抜き形成される。ステージGはステータコアの積層領域で、最初に下部の係合孔が形成されたステータコアの鉄心片150が、次に上部の係合孔が形成されたステータコアの鉄心片150が載せられ、次に上下部の係合孔によって構成される貫通係合孔に嵌入するかしめ用突起が形成されたステータコアの鉄心片150が積層される。そして、このかしめ用突起が形成された鉄心片には、45度位置に下部の係合孔(8個)が形成されている。かしめ用突起が形成されたステータコアの鉄心片150が積層されると、積層鉄心を支えるダイが45度所定方向に回転(転積)して、図のステージGに示すように、下部の貫通係合孔を構成する下部の係合孔が、かしめ用突起があった場所に位置するので、その上に順次上部の係合孔が形成されたステータコアの鉄心片150が、更にその上にかしめ用突起が形成されたステータコアの鉄心片150を積層できる。ロータコアの積層工程と同じように、以上の工程を繰り返すことによって、ステータコアの積層鉄心が完成する。
【0042】
なお、この第4の実施の形態に係る積層鉄心の製造方法においては、ステージC、ステージFでパンチ及びこれに対応するダイを変えて、複数の貫通係合孔やかしめ用突起を形成したが、第3の実施の形態に示すようにこれらを複数のステージに分けてプレス加工を行うことは当然可能である。
また、前記実施の形態においては、かしめ用突起は近似台形状であったが、各層の鉄心片に形成された貫通係合孔の大きさに合わせて近似多段台形状とすることもできる。
また、前記実施の形態において、鉄心片を積層する場合に転積を行なわないで積層する場合にも当然本発明は適用される。
更に、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で改良等は当然可能である。また、前記第1〜第4の実施の形態を組み合わせて積層鉄心を構成する場合、又は製造する場合も本発明は適用される。
【0043】
【発明の効果】
請求項1〜6記載の積層鉄心は、一枚の鉄心片に形成されているかしめ用突起が複数枚の鉄心片の係合孔から形成される貫通係合孔に嵌入して、多数枚の鉄心片をかしめ結合し積層鉄心を構成し、更に、上下方向に隣り合うかしめ結合はその形成位置を変えている。従って、各鉄心片の厚みが薄い場合であっても、かしめ用突起が複数枚の鉄心片から形成される貫通係合孔に嵌入して、かしめ用突起の嵌入深さを確保できるので、組み立てられた鉄心片のかしめ強度が向上する。
特に、請求項2記載の積層鉄心は、前記かしめ用突起は先端方向に縮幅し、複数枚の鉄心片から形成される前記貫通係合孔のうち、前記かしめ用突起が形成されている前記鉄心片の直下にある前記鉄心片の係合孔が、前記かしめ用突起の幅より拡幅しているので、かしめ用突起が形成されている鉄心片の直下にある鉄心片にかしめ用突起が容易に嵌入し、しかもかしめ用突起が少し嵌入した後は、拡幅した係合孔(上部の係合孔)がかしめ用突起のガイドとなって、かしめ用突起に座屈や曲がりが生じにくく、深く入り込み、強くかしめる。
【0044】
請求項3記載の積層鉄心は、前記鉄心片に形成される前記貫通係合孔の周縁に、凹部が部分的に形成しているので、積層時にかしめ用突起が凹部に部分的に張り出し、かしめ強度が向上し、より強固な積層鉄心となる。
請求項4記載の積層鉄心は、前記凹部が2以上あって、しかも、前記各凹部を、前記貫通係合孔の軸心に対して対称に形成しているので、かしめ用突起に偏りが発生しにくく、結果として鉄心片の積層ブレがなくなり、不良品の発生が減少する。
請求項5記載の積層鉄心は、前記かしめ用突起の形状を、側面視して近似台形状又は近似多段台形状とするので、かしめ用突起の角部が貫通係合孔に食い込み、また、かしめ用突起の捩じれも生じない。従って、積層鉄心の強度が向上すると共に、かしめ用突起の曲がり等が生じにくい。
請求項6記載の積層鉄心は、前記かしめ用突起の先端を拡幅しているので、かしめ用突起と貫通係合孔の係合が確実になり、更にかしめ強度の高い積層鉄心を構成できる。
【0045】
請求項7〜11記載の積層鉄心の製造方法は、磁性材料からなる薄板からプレス装置によって打ち抜かれる多数枚の鉄心片に、かしめ用突起と貫通係合孔を形成し、これらの鉄心片を積層しながらかしめ結合を行う積層鉄心の製造方法であって、磁性材料からなる薄板からプレス装置を用いて貫通係合孔が形成された複数枚の鉄心片を打ち抜いて(部分)積層するA工程と、前工程で積層された前記複数枚の鉄心片に形成された前記貫通係合孔に底部まで挿通するかしめ用突起が形成され、更に、上位置にあって該かしめ用突起とは異なる位置に形成される新たなかしめ用突起が嵌入する貫通係合孔の一部を構成する係合孔が形成された鉄心片を積層するB工程と、前記B工程で積層された前記鉄心片の前記係合孔に、前記貫通係合孔の一部となる係合孔が形成された鉄心片を、軸心を合わせて積層するC工程とを有し、前記B工程と前記C工程を繰り返し、かつ最終工程を前記B工程として、所定厚みに積層された積層鉄心を形成している。これによって、複数枚の鉄心片の係合孔からなる貫通係合孔に一枚の鉄心片に形成されたかしめ用突起が入り込み、かしめ強度が強い積層鉄心を製造できる。
【0046】
特に、請求項8記載の積層鉄心の製造方法においては、前記最終工程を構成するB工程において、前記貫通係合孔を形成する係合孔を形成する打抜きを省略しているので、積層鉄心の最上部の無駄な孔加工を無くすことができ、更に外観性が向上する。
請求項9記載の積層鉄心の製造方法においては、前記積層鉄心は、モータコアからなって、前記B工程の終了後に積層された鉄心片の転積を行っているので、鉄心片の厚みにバラツキがあっても、そのバラツキ誤差を解消し、一定厚の積層鉄心が形成される。
請求項10記載の積層鉄心の製造方法においては、前記かしめ用突起の突出長さは、該かしめ用突起が嵌入する貫通係合孔の全長(厚さ)より、僅少の範囲で長くなっていると共に、基部は拡幅し、積層時に前記かしめ用突起の先端を押し潰すようにしているので、かしめ用突起が貫通係合孔に強く接合し、よりかしめ強度の大きい積層鉄心の製造が可能となる。
請求項11記載の積層鉄心の製造方法において、前記貫通係合孔の少なくとも下部周縁に複数の凹部を均等に形成しているので、更にかしめ用突起の一部が凹部に嵌入し、凹部の先端が引っ掛かり、かしめ用突起の抜けを防止でき、しかも、かしめ用突起が凹部に嵌入する力によってかしめ用突起が曲がるのを防止でき、形状のすぐれた積層鉄心を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る積層鉄心の概略説明図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る積層鉄心の概略説明図である。
【図3】貫通係合孔の内周側に形成された凹部の概略説明図である。
【図4】同積層鉄心の変形例に係る貫通係合孔の内周側に形成された凹部の概念構造を示す説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る積層鉄心の斜視図である。
【図6】図5における切断面Pの一部断面図である。
【図7】同積層鉄心の製造方法に使用するプレス装置の概念説明図である。
【図8】同積層鉄心の打ち抜き工程を示す説明図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る積層鉄心の打ち抜き工程を示す概略説明図である。
【符号の説明】
6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6i、・・・(6Aで代表):鉄心片、10:積層鉄心、11〜15:鉄心片、16:かしめ用突起、17、18:係合孔、19:貫通係合孔、20:かしめ用突起、21、22:係合孔、23:貫通係合孔、24、25:積層部、27:積層鉄心、28〜34:鉄心片、35、36:かしめ用突起、37〜39:係合孔、40:貫通係合孔、41〜43:係合孔、44:貫通係合孔、45、46:積層部、47:鉄心片、48:係合孔、49、50:凹部(切欠き)、51:鉄心片、52:係合孔、53、54:凹部、61:積層鉄心、62:スロット、63:磁極部、64:極歯部、65:ロータコア孔、66:中空領域、67:かしめ接続部、68、69:係合孔(抜き孔)、70:貫通係合孔、71:かしめ用突起、72:係合孔、73:第1積層群、74:係合孔、75:貫通係合孔、76:かしめ用突起、77:第2積層群、78:第3積層群、79:第4積層群、80:プレス装置、81:薄板、82:上金型、83:下金型、84:支柱、85:下ダイセット、86:ダイプレート、87:上ダイセット、88:パンチプレート、89:ストリッパー、90:パンチ支持プレート、91〜102:パンチ、103〜114:貫通孔、115〜121、123〜125:ダイホール、126:排出口、127、128:ダイホール、129、130:底板ブロック、131:制御機構、132:パイロット孔、133:シャフト孔、141、142:パイロット孔、143:薄板、144:シャフト孔、145:貫通係合孔、146:鉄心片、147:スロット、148、149:貫通係合孔、150:鉄心片

Claims (11)

  1. 鉄心片の板厚の少なくとも2倍の突出長さを有するかしめ用突起と、上位置にある他の鉄心片の係合孔とで貫通係合孔を形成する係合孔が形成されて、所定層毎に配置された鉄心片と、
    前記かしめ用突起が形成された前記鉄心片の下位置にそれぞれ積層され、前記かしめ用突起が嵌入する貫通係合孔を形成する少なくとも2枚の鉄心片とを有し、
    前記かしめ用突起が形成されている前記鉄心片には、該鉄心片に形成されている該かしめ用突起の形成位置とは異なる位置に、その上の鉄心片層のかしめ用突起が嵌入する前記貫通係合孔の一部を構成する前記係合孔が形成され、
    前記所定層毎に配置された鉄心片に形成されている前記かしめ用突起と該かしめ用突起が嵌入する貫通係合孔からなるかしめ結合であって、上下方向に隣り合う前記かしめ結合は、平面視してその形成位置を変えていることを特徴とする積層鉄心。。
  2. 請求項1記載の積層鉄心において、前記かしめ用突起は側面視して先端方向に縮幅し、前記複数枚の鉄心片の係合孔から形成されている前記貫通係合孔のうち、前記かしめ用突起が形成されている前記鉄心片の直下にある前記鉄心片の係合孔は、前記かしめ用突起の幅より拡幅していることを特徴とする積層鉄心。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の積層鉄心において、前記鉄心片に形成されている前記係合孔の周縁には、凹部が部分的に形成されていることを特徴とする積層鉄心。
  4. 請求項3記載の積層鉄心において、前記凹部は2以上あって、しかも、前記各凹部が、前記係合孔の軸心に対して対称に形成されていることを特徴とする積層鉄心。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層鉄心において、前記かしめ用突起の形状は、側面視して近似台形状又は近似多段台形状であることを特徴とする積層鉄心。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層鉄心において、前記かしめ用突起の先端は、拡幅していることを特徴とする積層鉄心。
  7. 磁性材料からなる薄板からプレス装置によって打ち抜かれる多数枚の鉄心片に、かしめ用突起と貫通係合孔を形成し、これらの鉄心片を積層しながらかしめ結合を行う積層鉄心の製造方法であって、
    磁性材料からなる薄板からプレス装置を用いて係合孔が形成された複数枚の鉄心片を打ち抜いて積層するA工程と、
    前工程で積層された前記複数枚の鉄心片に形成された係合孔から構成される前記貫通係合孔に底部まで挿通するかしめ用突起が形成され、更に、上層位置にあって該かしめ用突起とは平面視して異なる位置に形成される新たなかしめ用突起が嵌入する貫通係合孔の一部を構成する係合孔が形成された鉄心片を積層するB工程と、
    前記B工程で積層された前記鉄心片の前記係合孔に軸心を合わせて形成され貫通係合孔の一部となる係合孔が形成された鉄心片を積層し、前記B工程で積層された鉄心片と共に前記貫通係合孔を構成する複数枚の鉄心片を形成するC工程とを有し、
    前記B工程と前記C工程を繰り返して、上下方向に隣り合うかしめ結合箇所を平面視して変えて積層し、かつ最終工程を前記B工程として、所定厚みに積層された積層鉄心を形成することを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  8. 請求項7記載の積層鉄心の製造方法において、前記最終工程を構成するB工程において、前記貫通係合孔を形成する係合孔を形成する打抜きが省略されていることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  9. 請求項7及び8のいずれか1項に記載の積層鉄心の製造方法において、前記積層鉄心は、モータコアからなって、前記B工程の終了後に積層された鉄心片の転積が行われていることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の積層鉄心の製造方法において、前記かしめ用突起の突出長さは、該かしめ用突起が嵌入する前記貫通係合孔の全長より長くなっていると共に、該かしめ用突起の基部は拡幅し、積層時に前記かしめ用突起の先端が押し潰されていることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の積層鉄心の製造方法において、前記係合孔の少なくとも下部周縁には複数の凹部が均等に形成されていることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
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