[go: up one dir, main page]

JP4118060B2 - 光触媒フィルム - Google Patents

光触媒フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP4118060B2
JP4118060B2 JP2002028452A JP2002028452A JP4118060B2 JP 4118060 B2 JP4118060 B2 JP 4118060B2 JP 2002028452 A JP2002028452 A JP 2002028452A JP 2002028452 A JP2002028452 A JP 2002028452A JP 4118060 B2 JP4118060 B2 JP 4118060B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
organic
group
metal
photocatalytic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002028452A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003041034A (ja
Inventor
量蔵 西川
尚樹 田中
英輔 橘
典宏 仲山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Exsymo Co Ltd
Original Assignee
Ube Nitto Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Nitto Kasei Co Ltd filed Critical Ube Nitto Kasei Co Ltd
Priority to JP2002028452A priority Critical patent/JP4118060B2/ja
Publication of JP2003041034A publication Critical patent/JP2003041034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4118060B2 publication Critical patent/JP4118060B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光触媒フィルムに関し、さらに詳しくは、基材フィルムの表面に有機−無機複合傾斜膜を介して光触媒活性材料層を有し、かつ耐候性、透明性、層間密着性および屈曲性などに優れ、光触媒機能を発現する機能性フィルムとして、各種用途に有用な光触媒フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光触媒活性材料(以下、単に光触媒と称すことがある。)は、そのバンドギャップ以上のエネルギーの光を照射すると、励起されて伝導帯に電子が生じ、かつ価電子帯に正孔が生じる。そして、生成した電子は表面酸素を還元してスーパーオキサイドアニオン(・O2-)を生成させると共に、正孔は表面水酸基を酸化して水酸ラジカル(・OH)を生成し、これらの反応性活性酸素種が強い酸化分解機能を発揮し、光触媒の表面に付着している有機物質を高効率で分解することが知られている。
このような光触媒の機能を応用して、例えば脱臭、防汚、抗菌、殺菌、さらには廃水中や廃ガス中の環境汚染上の問題となっている各種物質の分解・除去などが検討されている。
【0003】
また、光触媒のもう1つの機能として、該光触媒が光励起されると、例えば国際特許公開96/29375号公報に開示されているように、光触媒表面は、水との接触角が10度以下となる超親水化を発現することも知られている。このような光触媒の超親水化機能を応用して、例えば高速道路の防音壁やトンネル内照明、街路灯などに対する自動車の排ガスに含まれるスズなどによる汚染防止用に、あるいは自動車のボディーコートやサイドミラー用フィルム、防曇性、セルフクリーニング性窓ガラス用などに光触媒を用いることが検討されている。
【0004】
このような光触媒としては、これまで種々の半導体的特性を有する化合物、例えば二酸化チタン、酸化鉄、酸化タングステン、酸化亜鉛などの金属酸化物、硫化カドミウムや硫化亜鉛などの金属硫化物などが知られているが、これらの中で、二酸化チタン、特にアナターゼ型二酸化チタンは実用的な光触媒として有用である。この二酸化チタンは、太陽光などの日常光に含まれる紫外線領域の特定波長の光を吸収することによって優れた光触媒活性を示す。
【0005】
光触媒からなる層をプラスチックなどの有機基材上に設ける場合、光触媒を直接コーティングすると、光触媒作用により該有機基材が短時間で劣化するのを免れないという問題が生じる。したがって、例えばプラスチックフィルム上に光触媒層を有する光触媒フィルムにおいては、光触媒作用による基材フィルムの劣化を防止するためと、基材フィルムに対する密着性を向上させるために、通常中間層が設けられている。この中間層としては、一般にシリコーン樹脂やアクリル変性シリコーン樹脂などからなる厚さ数μm程度のものが用いられている。
【0006】
しかしながら、このような光触媒フィルムにおいては、1〜3年程度で劣化し、フィルムの干渉により透明性が低下したり、防汚性などが低下するという問題が生じる。この劣化の原因としては、前記中間層が有機置換基を有することから、この有機成分が光触媒作用により分解し、その結果中間層にクラックが発生したり、光触媒層と中間層、あるいは中間層と基材フィルムとの界面で浮きや部分的剥離などが生じ、干渉が発生するものと思われる。また、この光触媒フィルムは、中間層が数μm程度と厚いために、フィルムそのもののたわみや屈曲によって、部分的な界面剥離や欠落が生じやすく、干渉が発生しやすいという問題もある。
【0007】
一方、本発明者らは、先に、新規な機能性材料として種々の用途、例えば塗膜や、有機材料と無機または金属材料との接着剤、有機基材と光触媒塗膜との間に設けられ、有機基材の劣化を防止する中間膜や、有機基材と無機系または金属系材料層との密着性を向上させる中間膜などの用途に有用な、厚さ方向に組成が連続的に変化する有機−無機複合傾斜材料を見出した(特願平11−264592号)。
【0008】
この有機−無機複合傾斜材料は、有機高分子化合物と金属系化合物との化学結合物を含有する有機−無機複合材料であって、該金属系化合物の含有率が材料の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有し、上記の各種用途に有用な新規な材料である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の光触媒フィルムが有する問題を解決し、耐候性、透明性、層間密着性および屈曲性などに優れ、光触媒機能を発現する機能性フィルムとして、各種用途に有用な光触媒フィルムを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の優れた特性を有する光触媒フィルムを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、基材としてプラスチックフィルムを用い、その片面に、特定の厚みと性状を有する前述の有機−無機複合傾斜膜を介して光触媒活性材料層を有する光触媒フィルムが、その目的に適合し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、プラスチックフィルムの片面に、有機−無機複合傾斜膜を介して光触媒活性材料層を有する光触媒フィルムであって、
前記プラスチックフィルムが、耐候剤を練り込んだフィルムまたは有機−無機複合傾斜膜側の表面に紫外線遮蔽層を有するフィルムであり、
前記有機−無機複合傾斜膜が、(A)分子中に加水分解により金属酸化物と結合し得る金属含有基を有する有機高分子化合物と共に、(B)加水分解により金属酸化物を形成し得る金属含有化合物を加水分解処理してなるコーティング剤を、(A)成分換算量で0.5〜3.0g/100m になるように塗布して形成されたものであり、
記有機−無機複合傾斜膜が、平均厚み40〜100nmを有し、かつ径2mmのステンレス鋼製ロッドに360°巻き付ける2R曲げでの屈曲試験において、実質上クラックの発生が認められないものであることを特徴とする光触媒フィルムを提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の光触媒フィルムにおいては、基材としてプラスチックフィルムが用いられる。ここで、プラスチックフィルムとしては、厚み50μmのフィルムについてのカーボンアーク式サンシャインウエザーメータによる900時間の促進耐候試験において、JIS C231による引張り強度の低下率が50%以下のものが好ましく用いられる。
【0013】
このプラスチックフィルムを構成する樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリスチレンやABS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化エチレン−プロピレン共重合体、フッ化エチレン−エチレン共重合体などのフッ素系樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
本発明におけるプラスチックフィルムは、前述の条件を満たす耐候性を有するものであればよく、特に制限されず、例えば(1)耐候性樹脂からなるフィルム、(2)耐候剤を練り込んだフィルムおよび(3)有機−無機複合傾斜膜側の表面のみもしくは両面に紫外線遮蔽層を有するフィルムのいずれであってもよい。
【0015】
なお、耐候性樹脂からなるフィルムであっても、所望により耐候剤をフィルム中に練り込んでもよいし、あるいはフィルム表面に紫外線遮蔽層を設けてもよい。また、耐候剤を練り込んだフィルムであっても、所望により、フィルム表面に紫外線遮蔽層を設けてもよい。
【0016】
上記プラスチックフィルムの中で、(1)の耐候性樹脂からなるフィルムとしては、例えばポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂フィルムなどが好ましく挙げられる。
【0017】
また(2)の耐候剤を練り込んだフィルムにおいて、該耐候剤としては、紫外線吸収剤および/または光安定剤を用いることができる。ここで、紫外線吸収剤は、高エネルギーをもつ紫外線を吸収し、低エネルギーに転換してラジカルの発生を抑え、プラスチックフィルムの劣化を防止する機能を有するものであり、一方、光安定剤は紫外線によって生じたラジカルと結合して連鎖反応を阻止してプラスチックフィルムの劣化を防止する機能を有するものである。
【0018】
前記紫外線吸収剤は、一般に、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、その他に大別することができる。
サリシレート系紫外線吸収剤の例としては、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレートなどが挙げられ、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例としては、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−アミル−5′−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンドリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テトラメチル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどが挙げられ、置換アクリロニトリル系紫外線吸収剤の例としては、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。さらに、その他紫外線吸収剤としては、例えばレゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、N−(2−エチルフェニル)−N′−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニル)蓚酸ジアミドなどが挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
光安定剤としては、ヒンダードアミン系のものが好ましく、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミド]、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(1,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,1′−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジン)、(ミックスト2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/β,β,β′,β′−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル]−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト[1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β′,β′−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル]−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポリ[6−N−モルホリル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミド]、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2−ジブロモエタンとの縮合物、[N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]プロピオンアミドなどを挙げることができる。これらの光安定剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、前記紫外線吸収剤と併用することもできる。
【0020】
さらに、前記(3)の表面に紫外線遮蔽層を有するプラスチックフィルムにおいて、該紫外線遮蔽層は、適当なバインダーと、それに含まれる紫外線遮蔽材料とからなる層であって、単層構造であってもよいし、二層以上の積層構造を有していてもよい。上記紫外線遮蔽材料としては、紫外線吸収剤および紫外線散乱剤の中から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの紫外線遮蔽材料を含む層を設けることにより、紫外線が効果的に遮断され、基材フィルムの紫外線による劣化が抑制される。
上記紫外線吸収剤としては、前述の耐候剤における紫外線吸収剤の説明において例示したものと同じものを挙げることができる。この紫外線吸収剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、必要に応じ、前述の光安定剤と組み合わせて用いてもよい。
【0021】
一方、紫外線散乱剤とは、紫外線を散乱させることによって、紫外線遮断効果をもたらす材料のことであり、主に金属酸化物粉末などの無機系材料が用いられる。この紫外線散乱剤の例としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどを微粒子化した粉体、あるいは二酸化チタン微粒子を酸化鉄で複合化処理してなるハイブリッド無機粉末、酸化セリウム微粒子の表面を非結晶性シリカでコーティングしてなるハイブリッド無機粉体などが挙げられる。紫外線散乱効果は、粒子径に大きく影響を受けるので、本発明においては、前記紫外線散乱剤の平均粒子径は5μm以下が好ましく、特に10nm〜2μmの範囲が好ましい。なお、この紫外線散乱剤が光触媒活性を有するものである場合には、粒子表面を水ガラスなどで薄くコーティングして光触媒活性をなくしたものを用いることが好ましい。
【0022】
本発明における紫外線遮蔽層は、前記の紫外線吸収剤および紫外線散乱剤の中から選ばれる少なくとも1種を含む単層構造のものであってもよく、紫外線吸収剤を含む層と紫外線散乱剤を含む層とを二層以上積層した積層構造のものであってもよい。
【0023】
また、紫外線遮蔽層中の該紫外線遮蔽材料の含有量としては特に制限はなく、紫外線遮蔽材料の種類や基材フィルムの種類などに応じて適宜選定されるが、通常は0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%の範囲である。なお、紫外線遮蔽材料が、紫外線散乱剤である場合には、その含有量は0.1〜10重量%の範囲が好ましく、特に1〜5重量%の範囲が好適である。一方、紫外線遮蔽材料が紫外線吸収剤である場合には、その含有量は0.01〜10重量%の範囲が好ましく、特に0.05〜5重量%の範囲が好ましい。
【0024】
この紫外線遮蔽層の形成に用いられるバインダーとしては、該紫外線遮蔽層上に有機−無機複合傾斜膜が設けられることから、有機系バインダーが好ましい。有機系バインダーとしては特に制限はなく、従来公知のもの、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ブチラール系樹脂など、さらには紫外線硬化型樹脂の硬化物などを挙げることができる。
【0025】
本発明における紫外線遮蔽層は、前記バインダーと紫外線遮蔽材料を含む塗工液を調製し、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、基材のプラスチックフィルム上に塗工し、加熱又は紫外線を照射して、硬化させることにより、形成することができる。この紫外線遮蔽層の厚さは、通常0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μmの範囲である。
【0026】
本発明においては、基材のプラスチックフィルムとして、フィルムの厚みが通常500〜20μmの範囲、好ましくは200〜30μmの範囲のものが用いられる。
このプラスチックフィルムが、前述したような耐候性樹脂からなるフィルムまたは耐候剤を練り込んだフィルムである場合、その表面に設けられる有機−無機複合傾斜膜、あるいは所望により裏面に設けられる粘着剤層との密着性を向上させる目的で、所望により片面または両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。
【0027】
また、プラスチックフィルムが、表面に紫外線遮蔽層を有するものである場合、基材フィルムと該紫外線遮蔽層との密着性あるいは所望により裏面に設けられる粘着剤層との密着性を向上させる目的で、所望により基材フィルムの片面または両面に、前記と同様に酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。
【0028】
本発明の光触媒フィルムにおいては、このようにして得られたプラスチックフィルムの片面に、まず有機−無機複合傾斜膜を設ける。この有機−無機複合傾斜膜は、用いるプラスチックフィルムが表面に紫外線遮蔽層を有しない場合にはフィルムに直接に設け、一方紫外線遮蔽層を有する場合には、該紫外線遮蔽層上に設ける。
【0029】
上記有機−無機複合傾斜膜は、有機高分子化合物と金属酸化物系化合物とが化学的に結合した複合体を含み、かつ金属成分の含有率が該膜の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有するものである。このような複合傾斜膜は、(A)分子中に加水分解により金属酸化物と結合し得る金属含有基(以下、加水分解性金属含有基と称すことがある。)を有する有機高分子化合物と共に、(B)加水分解により金属酸化物を形成し得る金属含有化合物を加水分解処理してなるコーティング剤を用いて形成させることができる。
前記(A)成分の加水分解性金属含有基を有する有機高分子化合物は、例えば(a)加水分解性金属含有基を有するエチレン性不飽和単量体と、(b)金属を含まないエチレン性不飽和単量体を共重合させることにより、得ることができる。
【0030】
上記(A)(a)成分である加水分解性金属含有基を有するエチレン性不飽和単量体としては、一般式(II)
【0031】
【化2】
Figure 0004118060
(式中、R3は水素原子またはメチル基、Aはアルキレン基、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基、R4は加水分解性基または非加水分解性基であるが、その中の少なくとも1つは加水分解により、(B)成分と化学結合しうる加水分解性基であることが必要であり、また、R4が複数の場合には、各R4はたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよく、M2はケイ素、チタン、ジルコニウム、インジウム、スズ、アルミニウムなどの金属原子、kは金属原子M2の価数である。)
で表される基を挙げることができる。
【0032】
上記一般式(II)において、R4のうちの加水分解により(B)成分と化学結合しうる加水分解性基としては、例えばアルコキシル基、イソシアネート基、塩素原子などのハロゲン原子、オキシハロゲン基、アセチルアセトネート基、水酸基などが挙げられ、一方、(B)成分と化学結合しない非加水分解性基としては、例えば低級アルキル基などが好ましく挙げられる。
【0033】
一般式(II)における−M24 k-1で表される金属含有基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリ−n−プロポキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリ−n−ブトキシシリル基、トリイソブトキシシリル基、トリ−sec−ブトキシシリル基、トリ−tert−ブトキシシリル基、トリクロロシリル基、ジメチルメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルクロロシリル基、メチルジクロロシリル基、トリイソシアナトシリル基、メチルジイソシアナトシリル基など、トリメトキシチタニウム基、トリエトキシチタニウム基、トリ−n−プロポキシチタニウム基、トリイソプロポキシチタニウム基、トリ−n−ブトキシチタニウム基、トリイソブトキシチタニウム基、トリ−sec−ブトキシチタニウム基、トリ−tert−ブトキシチタニウム基、トリクロロチタニウム基、さらには、トリメトキシジルコニウム基、トリエトキシジルコニウム基、トリ−n−プロポキシジルコニウム基、トリイソプロポキシジルコニウム基、トリ−n−ブトキシジルコニウム基、トリイソブトキシジルコニウム基、トリ−sec−ブトキシジルコニウム基、トリ−tert−ブトキシジルコニウム基、トリクロロジルコニウム基、またさらには、ジメトキシアルミニウム基、ジエトキシアルミニウム基、ジ−n−プロポキシアルミニウム基、ジイソプロポキシアルミニウム基、ジ−n−ブトキシアルミニウム基、ジイソブトキシアルミニウム基、ジ−sec−ブトキシアルミニウム基、ジ−tert−ブトキシアルミニウム基、トリクロロアルミニウム基などが挙げられる。
この(a)成分のエチレン性不飽和単量体は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】
一方、上記(b)成分である金属を含まないエチレン性不飽和単量体としては、例えば一般式(III)
【0035】
【化3】
Figure 0004118060
(式中、R5は水素原子またはメチル基、Xは一価の有機基である。)
で表されるエチレン性不飽和単量体、好ましくは一般式(III−a)
【0036】
【化4】
Figure 0004118060
(式中、R5は前記と同じであり、R6は炭化水素基を示す。)
で表されるエチレン性不飽和単量体、あるいは上記一般式(III−a)で表されるエチレン性不飽和単量体と、必要に応じて添加される密着性向上剤としての一般式(III−b)
【0037】
【化5】
Figure 0004118060
(式中、R7は水素原子またはメチル基、R8はエポキシ基、ハロゲン原子若しくはエーテル結合を有する炭化水素基を示す。)
で表されるエチレン性不飽和単量体との混合物を挙げることができる。
【0038】
上記一般式(III−a)で表されるエチレン性不飽和単量体において、R6で示される炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基を好ましく挙げることができる。炭素数1〜10のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、および各種のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。炭素数3〜10のシクロアルキル基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基などが、炭素数6〜10のアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基などが、炭素数7〜10のアラルキル基の例としては、ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0039】
この一般式(III−a)で表されるエチレン性不飽和単量体の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】
前記一般式(III−b)で表されるエチレン性不飽和単量体において、R8で示されるエポキシ基、ハロゲン原子若しくはエーテル結合を有する炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基を好ましく挙げることができる。上記置換基のハロゲン原子としては、塩素原子および臭素原子がよい。上記炭化水素基の具体例としては、前述の一般式(III−a)におけるR6の説明において例示した基と同じものを挙げることができる。
【0041】
前記一般式(III−b)で表されるエチレン性不飽和単量体の例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3−グリシドキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2−ブロモエチル(メタ)アクリレートなどを好ましく挙げることができる。
【0042】
また、前記一般式(III)で表されるエチレン性不飽和単量体としては、これら以外にもスチレン、α−メチルスチレン、α−アセトキシスチレン、m−、o−またはp−ブロモスチレン、m−、o−またはp−クロロスチレン、m−、o−またはp−ビニルフェノール、1−または2−ビニルナフタレンなど、さらにはエチレン性不飽和基を有する重合性高分子用安定剤、例えばエチレン性不飽和基を有する、酸化防止剤、紫外線吸収剤および光安定剤なども用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、一般式(III−a)で表されるエチレン性不飽和単量体と一般式(III−b)で表されるエチレン性不飽和単量体とを併用する場合は、前者のエチレン性不飽和単量体に対し、後者のエチレン性不飽和単量体を1〜100モル%の割合で用いるのが好ましい。
前記(a)成分の加水分解性金属含有基を有するエチレン性不飽和単量体と(b)成分の金属を含まないエチレン性不飽和単量体とを、ラジカル重合開始剤の存在下、ラジカル共重合させることにより、(A)成分である加水分解性金属含有基を有する有機高分子化合物が得られる。
【0043】
一方、(B)成分の加水分解により金属酸化物を形成し得る金属含有化合物(加水分解性金属含有化合物)としては、一般式(I)
【0044】
【化6】
Figure 0004118060
(式中のR1は非加水分解性基、R2は加水分解性基、M1は金属原子を示し、mは金属原子M1の価数であり、nは0<n≦mの関係を満たす整数である。)
で表される化合物又はその縮合オリゴマーが用いられる。
【0045】
上記一般式(I)において、R1が複数ある場合は、複数のR1は同一であっても異なっていてもよく、R2が複数ある場合、複数のR2は同一であっても異なっていてもよい。R1で示される非加水分解性基としては、例えばアルキル基、アリール基、アルケニル基などが好ましく挙げられ、R2で示される加水分解性基としては、例えば水酸基、アルコキシル基、イソシアネート基、塩素原子などのハロゲン原子、オキシハロゲン基、アセチルアセトネート基などが挙げられる。また、M1で示される金属原子としては、例えばケイ素、チタン、ジルコニウム、インジウム、スズ、アルミニウムなどが挙げられる。
【0046】
この一般式(I)で表される化合物又はその縮合オリゴマーとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシランなど、並びにこれらに対応するテトラアルコキシチタンおよびテトラアルコキシジルコニウム、さらにはトリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウムなどの金属アルコキシド、あるいは金属アルコキシドオリゴマー、例えば市販品のアルコキシシランオリゴマーである「メチルシリケート51」、「エチルシリケート40」(いずれもコルコート社製商品名)、「MS−51」、「MS−56」(いずれも三菱化学社製商品名)など、さらにはテトライソシアナトシラン、メチルトリイソシアナトシラン、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシランなどが挙げられるが、この(B)成分としては、金属のアルコキシドが好適である。
本発明においては、この加水分解性金属含有化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0047】
本発明においては、アルコール、ケトン、エーテルなどの適当な極性溶剤中において、前記(A)成分の有機高分子化合物および(B)成分である少なくとも1種の加水分解性金属含有化合物からなる混合物を塩酸、硫酸、硝酸などの酸、あるいは固体酸としてのカチオン交換樹脂を用い、通常0〜100℃、好ましくは20〜60℃の温度にて加水分解処理し、固体酸を用いた場合には、それを除去したのち、さらに、所望により溶剤を留去または添加し、塗布するのに適した粘度に調節して塗工液からなるコーティング剤を調製する。温度が低すぎる場合は加水分解が進まず、高すぎる場合は逆に加水分解・重合反応が速く進みすぎ、制御が困難となり、その結果得られる傾斜塗膜の傾斜性が低下するおそれがある。
【0048】
無機成分は、その種類によっては塗工液調製後も、加水分解、重縮合が徐々に進行して塗布条件が変動する場合があるので、塗工液に不溶の固体の脱水剤、例えば無水硫酸マグネシウムなどを添加することにより、ポットライフの低下を防止することができる。この場合、塗工液は、該脱水剤を除去してから、塗布に用いる。
【0049】
次に、このようにして得られた塗工液からなるコーティング剤を、プラスチックフィルム表面に直接に、または基材フィルム表面に設けられた紫外線遮蔽層上に、乾燥後の平均厚みが40〜100nmの範囲になるように、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などの公知の手段により塗膜を形成し、公知の乾燥処理、例えば40〜150℃程度の温度で加熱乾燥処理することにより、所望の有機−無機複合傾斜膜が形成される。
この複合傾斜膜の平均厚みが40nm未満では中間膜としての機能が充分に発揮されず、耐久性の光触媒フィルムが得られにくいし、100nmを超えるとフィルムのたわみや屈曲によってクラックなどが発生するおそれがある。
【0050】
本発明においては、この有機−無機複合傾斜膜は、径2mmのステンレス鋼製ロッドに、傾斜膜付きフィルムを該傾斜膜を外側にして360°巻き付る2R曲げでの屈曲試験において、実質上クラックの発生が認められないものであることが必要である。
このような厚みと性状を有する有機−無機複合傾斜膜は、例えば前記コーティング剤を、(A)成分換算量で0.5〜3.0g/100m2によるように塗布することにより、形成させることができる。
【0051】
このようにして形成された有機−無機複合傾斜膜においては、表面層は、複合膜中の金属成分の含有率はほぼ100%であって、基材方向に逐次減少していき、基材近傍ではほぼ0%となる。すなわち、該有機−無機複合傾斜膜は、実質上、プラスチックフィルムに当接している面が有機高分子化合物成分のみからなり、もう一方の開放系面が金属酸化物系化合物成分のみからなっている。
このような傾斜構造の確認は、例えば傾斜膜表面にスパッタリングを施して膜を削っていき、経時的に膜表面の炭素原子と金属原子の含有率を、X線光電子分光法などにより測定することによって、行うことができる。
【0052】
この複合傾斜膜における金属成分の含有量としては特に制限はないが、金属酸化物換算で、通常5〜98重量%、好ましくは20〜98重量%、特に好ましくは50〜90重量%の範囲である。有機高分子化合物の重合度や分子量としては、製膜化しうるものであればよく特に制限されず、高分子化合物の種類や所望の傾斜膜物性などに応じて適宜選定すればよい。
【0053】
本発明の光触媒フィルムにおいては、このようにして形成された有機−無機複合傾斜膜上に光触媒活性材料層が設けられる。この光触媒活性材料層に用いられる光触媒活性材料としては特に制限はなく、従来公知のもの、例えば二酸化チタン、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸バリウム(BaTi49)、チタン酸ナトリウム(Na2Ti613)、二酸化ジルコニウム、α−Fe23、酸化タングステン、K4Nb617、Rb4Nb617、K2Rb2Nb617、硫化カドミウム、硫化亜鉛などを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、二酸化チタン、特にアナターゼ型二酸化チタンは実用的な光触媒活性材料として有用である。この二酸化チタンは、太陽光などの日常光に含まれる紫外線領域の特定波長の光を吸収することによって優れた光触媒活性を示す。
【0054】
本発明における光触媒活性材料層には、光触媒活性を促進させる目的で、上記光触媒活性材料と共に、所望により従来公知の光触媒促進剤を含有させることができる。この光触媒促進剤としては、例えば白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどの白金族金属が好ましく挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この光触媒促進剤の添加量は、光触媒活性の点から、通常、光触媒活性材料と光触媒促進剤との合計重量に基づき、1〜20重量%の範囲で選ばれる。
【0055】
有機−無機複合傾斜膜上に光触媒活性材料層を形成させる方法としては特に制限はなく、様々な方法を用いることができるが、例えば真空蒸着法、スパッタリング法などのPVD法(物理気相蒸着法)や金属溶射法などの乾式法、塗工液を用いる湿式法などを好ましく挙げることができる。
【0056】
乾式法としては、装置や操作が簡単である点から、特に金属溶射法が好適である。この金属溶射法は、光触媒活性材料をガス燃焼炎を使用して溶融し、微粒子状にして複合傾斜膜上に吹き付け、光触媒活性材料層を形成させる方法である。この方法においては、光触媒活性材料と共に、光触媒促進剤を用いる場合には、光触媒活性材料と光触媒促進剤との混合物を溶融して、複合傾斜膜上に吹き付けてもよいし、あるいはまず光触媒活性材料の溶融物を複合傾斜膜上に吹き付け、さらにその上に光触媒促進剤の溶融物を吹き付けてもよい。
【0057】
一方、塗工液を用いる方法においては、適当な溶媒中に、光触媒活性材料および必要に応じて用いられる光触媒促進剤や無機系バインダーなどの微粒子を含む分散液からなる塗工液を調製し、この塗工液を複合傾斜膜上に、公知の方法、例えばディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などにより塗布し、自然乾燥または加熱乾燥することにより、光触媒活性材料層を形成させる方法などを用いることができる。また、光触媒促進剤を用いる場合、例えば光触媒活性材料および所望により用いられる無機系バインダーなどの微粒子を含む塗工液を複合傾斜膜上に塗布し、光触媒活性材料の塗膜を形成させたのち、溶存酸素が除去された光触媒促進剤の金属イオンを含む水溶液に、前記の複合傾斜膜上に光触媒活性材料の塗膜が形成されたプラスチックフィルムを浸漬し、光を照射して、該金属イオンを塗膜面に沈積させる光デポジション法により、光触媒活性材料の塗膜上に光触媒促進剤層を設けることによって、光触媒活性材料層を形成させることもできる。
【0058】
前記塗工液の調製において必要により用いられる無機系バインダーとしては、バインダーとしての機能を発揮し得るものであればよく、特に制限されず、従来公知のもの、例えばケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ニオビウム、タングステン、スズ、タンタルなどの金属の酸化物や水酸化物、あるいは上記金属の中から選ばれた2種以上の金属の複合酸化物や複合水酸化物などを挙げることができる。この無機系バインダーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、該塗工液には、光触媒活性材料層形成用の塗工液に使用される従来公知の他の添加成分、例えばシリコーン樹脂や変性シリコーン樹脂、シランカップリング剤などを含有させることができる。
【0059】
本発明の光触媒フィルムにおいては、光触媒活性材料層の厚みは、通常10nm〜5μmの範囲で選定される。この厚みが10nm未満では光触媒機能が十分に発揮されないし、5μmを超えると厚みの割には光触媒機能の向上効果が認められず、むしろクラックが生じたり、屈曲性が低下する原因となる。好ましい厚みは30nm〜3μmであり、特に40nm〜1μmの範囲が好ましい。
【0060】
本発明の光触媒フィルムは、プラスチックフィルム上に有機−無機複合傾斜膜を介して光触媒活性材料層が設けられており、そして、該複合傾斜膜が、実質上、光触媒活性材料層との界面では金属酸化物系化合物成分のみからなり、かつプラスチックフィルムに当接している面では有機高分子化合物成分のみからなるため、基材と複合傾斜膜との密着性および光触媒活性材料層と複合傾斜膜との密着性が極めて良好である。また、光触媒活性材料層との界面において、複合傾斜膜が実質上金属酸化物系化合物成分のみであるため、光触媒活性材料層の光触媒機能による複合傾斜膜の劣化が抑制される。
【0061】
さらに、本発明の光触媒フィルムは、基材として、プラスチックフィルムを用いているため、光触媒活性材料層の励起に用いられる紫外線などの活性エネルギー線に対し、優れた耐性を有し、耐久性に優れている。また、従来の光触媒フィルムの中間膜の厚みは、数μm程度と厚いのに対し、本発明の光触媒フィルムは、中間膜である複合傾斜膜の厚みが40〜100nmと薄いために、屈曲性が良好で、フレキシビリティにも富んでいる。
したがって、本発明の光触媒フィルムは、カーボンアーク式サンシャインウェザーメータによる900時間の促進耐候試験において、全光線透過率およびヘイズ値の低下が、それぞれ5%以下であり、かつ干渉の発生が目視により認められない。
【0062】
本発明の光触媒フィルムにおいては、プラスチックフィルムの光触媒活性材料層とは反対側の面に、必要により粘着剤層を設けることができる。これにより、本発明の光触媒フィルムを、被着体に容易に貼付することが可能となる。
上記粘着剤層を構成する粘着剤としては特に制限はなく、従来公知の様々な粘着剤の中から、状況に応じて適宜選択して用いることができるが、耐候性などの点から、特にアクリル系、ウレタン系及びシリコーン系粘着剤が好適である。この粘着剤層の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲である。この粘着剤層には、必要に応じ、前述の紫外線吸収剤や光安定剤などの耐候剤を含有させることができる。
【0063】
また、本発明の光触媒フィルムにおいては、所望により、前記粘着剤層の上に剥離シートを設けることができる。該剥離シートとしては、例えばグラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの紙及び各種プラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗付したものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。このように剥離シートを設けた場合には、使用する際に該剥離シートを剥がし、粘着剤層面が被着体に接するようにして貼付すればよい。
【0064】
図1は、本発明の光触媒フィルムの構成の1例を示す断面図であって、該光触媒フィルム10は、基材フィルム1aの表面に紫外線遮蔽層1bを有するプラスチックフィルム1上に、有機−無機複合傾斜膜2を介して光触媒活性材料層3が設けられていると共に、プラスチックフィルム1の反対側の面に、粘着剤層4を介して剥離シート5が設けられた構造を有している。
なお、紫外線遮断層1bはプラスチックフィルム1aが耐久性に富む場合は必ずしも必要では無く、必要で有れば粘着剤層4とプラスチックフィルム1aの間に紫外線遮断層1bを設けても良い。
【0065】
このような本発明の光触媒フィルムは、透明であって、防汚、抗菌、脱臭機能などを有しており、例えば自動車や各種輸送機器のボディーや窓ガラス、建築物やその窓ガラス、道路の標識、ロードサイド看板、高速道路などの遮音板、カーブミラーあるいは冷凍・冷蔵ショーケースや温室などの内側に貼付することにより、その貼り付け対象物の汚れ防止、内部空間の微量有害物質の分解、およびガラス破損時の飛散防止などの効果を発揮する。
また、抗菌機能を利用して、食品包装用のラップフィルムとして、あるいは飲料水保存プラスチック容器の内面貼付用などとして用いることができる。
【0066】
【実施例】
次に、本発明を、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0067】
なお、基材の耐候性、中間膜の傾斜性と屈曲性、および光触媒フィルムの性能は、以下に示す方法に従って評価した。
(1)基材の耐候性
厚み50μmのフィルムについて、カーボンアーク式サンシャインウエザーメータによる900時間の促進耐候試験を行い、JIS C2318による引張り強度の低下率を測定した。
カーボンアーク式サンシィンウエザーメータの試験条件(JIS K7350-4)
機種:スガ試験機(株)社製サンシャインウエザーメータ(S300)
光源:225W/m2
サイクル:照射102分、照射+降雨18分の2時間1サイクル
ブラックパネル温度:63±3℃
相対湿度:55±5%
【0068】
(2)中間膜の傾斜性
XPS装置「PHI−5600」[アルバック・ファイ(株)製]を用い、アルゴンスパッタリング(4kV)を3分間隔で施して膜を削り、膜表面の炭素原子と金属原子の含有率を、X線光電子分光法により測定し、傾斜性を調べた。
(3)中間膜の屈曲性
径2mmのステンレス鋼製ロッドに、4cm幅の中間膜付きフィルムを、該中間膜を外側にして360°巻き付け、2R曲げ試験を行い、中間膜の屈曲部を(株)キーエンス社製表面形状測定顕微鏡「VF−7500」にて2500倍で観察し、線状クラック、剥離などの発生の有無を調べた。
【0069】
(4)光触媒フィルムの促進耐候試験
光触媒フィルムについて、(1)基材の耐候性と同条件にてカーボンアーク式サンシャインウエザーメータによる900時間の促進耐候試験を行い、全光線透過率およびヘイズ値の初期値と試験後の値および水接触角を測定すると共に、目視観察により干渉の発生の有無を調べた。
なお、全光線透過率ならびにヘイズ値の測定は日本電色工業(株)濁度計「NDH2000」にて、JIS K7361に準拠する条件で行った。
水接触角の測定はエルマ販売(株)製接触角測定器「G−1−1000」を用い、温度25℃、湿度50%下で測定を行った。
【0070】
実施例1
チタンテトライソプロポキシド120gをエタノール100gに溶解した溶液に、濃塩酸25g、水5gとエタノール50gの混合溶液を撹拌しながらゆっくり滴下した。この溶液を室温で2時間撹拌し、無機成分液(a)を得た。
メチルメタクリレート10.9gおよびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.36gの混合溶液に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.1gを溶解させた後、撹拌しながら75℃で3時間反応させて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の重量平均分子量が約7万の共重合体(A)を得た。この共重合体1.0gをメチルイソブチルケトン100mlに溶解させ、10g/L濃度の有機成分溶液(b)を得た。
【0071】
メチルイソブチルケトン40mlに有機成分溶液(b)10ml、2−エトキシエタノール40mlを加えた後、無機成分液(a)10mlをゆっくり撹拌しながら加えて塗工液(c)を調製した。
この塗工液(c)を耐候剤が練り込まれたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポンフィルム(株)社製テトロンHB−3、50μm厚)にバーコート法により上記共重合体(A)の成分が0.914g/100m2となるように塗工し、その後80℃で15時間乾燥させて中間膜としての有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムを得た。得られた膜の平均厚みは83nmであった。
【0072】
なお、使用したPETフィルムの促進耐候試験による引張り強度の低下率は45%であった。上記傾斜膜のXPS測定結果を図2に示す。この図より、傾斜性を有する膜であることが確認された。また、該傾斜膜の2R曲げ試験の結果、クラックや剥離などの異常は認められなかった。
【0073】
次に、この傾斜膜上に、日本曹達社製「ビストレーターL・NSC−200C」のイソプロパノール10倍重量希釈液をスピンコート法により塗工後、80℃で1時間加熱処理することにより厚み50nmの光触媒活性材料層(以下、光触媒層と略記)を形成し、光触媒層/有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムからなる光触媒フィルムを作製した。
【0074】
この光触媒フィルムについて促進耐候試験を行った結果、ヘイズ値は初期0.4%に対して1.7%、全光線透過率は初期86.2%に対して87.6%とほとんど変化が見られず、光触媒機能を示す水接触角は3°未満であり、干渉の発生も見られなかった。結果を表1に示す。
【0075】
実施例2
実施例1と同様にして無機成分液(a)と有機成分溶液(b)を得た。
メチルイソブチルケトン40mlに有機成分溶液(b)6ml、2−エトキシエタノール40mlを加えた後、無機成分液(a)10mlをゆっくり撹拌しながら加えて塗工液(d)を調製した。
【0076】
この塗工液(d)をPETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)社製テトロンHB−3、50μm厚)にバーコート法により共重合体(A)が0.548g/100m2となるように塗工し、その後80℃で15時間乾燥させて有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムを得た。得られた膜の平均厚みは75nmであった。この傾斜膜のXPS測定結果を図3に示す。この図より、傾斜性を有する膜であることが確認された。また、該傾斜膜の2R曲げ試験の結果、クラックや剥離などの異常は認められなかった。
【0077】
次に、実施例1と同様にして光触媒層/有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムからなる光触媒フィルムを作製した。
この光触媒フィルムについて促進耐候試験を行った結果、ヘイズ値は初期0.4%に対して1.9%、全光線透過率は初期86.5%に対して86.3%とほとんど変化が見られず、水接触角は3°未満であり、干渉の発生も見られなかった。結果を表1に示す。
【0078】
実施例3
実施例1と同様にして無機成分液(a)と有機成分溶液(b)を得た。
メチルイソブチルケトン27.5mlに有機成分溶液(b)22.5ml、2−エトキシエタノール40mlを加えた後、無機成分液(a)10mlをゆっくり撹拌しながら加えて塗工液(e)を調製した。
【0079】
この塗工液(e)をPETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)社製テトロンHB−3、50μm厚)にバーコート法により共重合体(A)が2.057g/100m2となるように塗工し、その後80℃で15時間乾燥させて有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムを得た。得られた膜の平均厚みは90nmであった。この傾斜膜のXPS測定結果を図4に示す。この図より、傾斜性を有する膜であることが確認された。また、該傾斜膜の2R曲げ試験の結果、クラックや剥離などの異常は認められなかった。
【0080】
次に、実施例1と同様にして光触媒層/有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムからなる光触媒フィルムを作製した。
この光触媒フィルムについて促進耐候試験を行った結果、ヘイズ値は初期0.4%に対して1.9%、全光線透過率は初期87.5%に対して86.5%とほとんど変化が見られず、水接触角は6°であり、干渉の発生も見られなかった。結果を表1に示す。
【0081】
実施例4
実施例1と同様にして無機成分液(a)と有機成分溶液(b)を得た。
メチルイソブチルケトン40mlに有機成分溶液(b)10ml、2−エトキシエタノール45.0mlを加えた後、無機成分液(a)5.0mlをゆっくり撹拌しながら加えて塗工液(f)を調製した。
【0082】
この塗工液(f)をPETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)社製テトロンHB−3、50μm厚)にバーコート法により共重合体(A)が0.914g/100m2となるように塗工し、その後80℃で15時間乾燥させて有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムを得た。得られた膜の平均厚みは45nmであった。この傾斜膜のXPS測定結果を図5に示す。この図より、傾斜性を有する膜であることが確認された。また、該傾斜膜の2R曲げ試験の結果、クラックや剥離などの異常は認められなかった。
【0083】
次に、実施例1と同様にして光触媒層/有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムからなる光触媒フィルムを作製した。
この光触媒フィルムについて促進耐候試験を行った結果、ヘイズ値は初期0.4%に対して1.5%、全光線透過率は初期90.2%に対して87.5%とほとんど変化が見られず、水接触角は8°であり、干渉の発生も見られなかった。結果を表1に示す。
【0084】
実施例5
実施例1と同様にして無機成分液(a)と有機成分溶液(b)を得た。
メチルイソブチルケトン40mlに有機成分溶液(b)10ml、2−エトキシエタノール37.5mlを加えた後、無機成分液(a)12.5mlをゆっくり撹拌しながら加えて塗工液(g)を調製した。
【0085】
この塗工液(g)をPETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)社製テトロンHB−3、50μm厚)にバーコート法により共重合体(A)が0.914g/100m2となるように塗工し、その後80℃で15時間乾燥させて有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムを得た。得られた膜の平均厚みは95nmであった。この傾斜膜のXPS測定結果を図6に示す。この図より、傾斜性を有する膜であることが確認された。また、該傾斜膜の2R曲げ試験の結果、クラックや剥離などの異常は認められなかった。
【0086】
次に、実施例1と同様にして光触媒層/有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムからなる光触媒フィルムを作製した。
この光触媒フィルムについて促進耐候試験を行った結果、ヘイズ値は初期0.6%に対して1.7%、全光線透過率は初期85.7%に対して84.2%とほとんど変化が見られず、水接触角は3°未満であり、干渉の発生も見られなかった。結果を表1に示す。
【0087】
実施例6
実施例1と同様にして無機成分液(a)と有機成分溶液(b)を混合、撹拌し塗工液(c)を調製した。
また、東レ社製PETフィルム「ルミラーT−60」50μm厚の片面に、紫外線吸収プライマー(日本触媒社製「ユーダブルUV−G300」100g当量とイソシアネート系硬化剤住友バイエルウレタン社製「スミジュールN−3200」13g当量を混合し、4μm厚みで成膜した。この耐候性プライマー層上に塗工液(c)を実施例1と同様に共重合体(A)が0.914g/100m2となるように塗工し、その後80℃で15時間乾燥させて有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムを得た。得られた膜の平均厚みは84nmであった。
【0088】
なお、使用した耐候性プライマー被覆PETフィルムの促進耐候試験による引張り強度の低下率は5%であった。上記傾斜膜のXPS測定結果を図7に示す。この図より、傾斜性を有する膜であることが確認された。また、該傾斜膜の2R曲げ試験の結果、クラックや剥離などの異常は認められなかった。
【0089】
次に、実施例1と同様にして光触媒層/有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムからなる光触媒フィルムを作製した。
この光触媒フィルムについて促進耐候試験を行った結果、ヘイズ値は初期1.9%に対して2.2%、全光線透過率は初期86.5%に対して86.8%とほとんど変化が見られず、水接触角は6°であり、干渉の発生も見られなかった。結果を表1に示す。
【0090】
実施例7
テトラエトキシシラン120gをエタノール100gに溶解した溶液に、1モル/リットル濃度の硝酸水溶液0.7ml、水80gとエタノール50gの混合溶液を撹拌しながらゆっくり滴下した。この溶液を30℃で72時間撹拌し、無機成分液を得た。一方、実施例1と同様にして有機成分溶液(b)を得た。
メチルイソブチルケトン40mlに有機成分溶液(b)10ml、1−ブタノール40mlを加えた後、上記無機成分液10mlをゆっくり撹拌しながら加えて塗工液(h)を調製した。
【0091】
この塗工液(h)を実施例6で使用したのと同じ基材(耐候性プライマー被覆PETフィルム)に実施例1と同様に有機成分が0.914g/100m2となるように塗工し、その後80℃で15時間乾燥させて有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムを得た。得られた膜の平均厚みは80nmであった。
この傾斜膜のXPS測定結果を図8に示す。この図より、傾斜性を有する膜であることが確認された。また、該傾斜膜の2R曲げ試験の結果、クラックや剥離などの異常は認められなかった。
【0092】
次に、実施例1と同様にして、光触媒層/有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムからなる光触媒フィルムを作製した。
この光触媒フィルムについて促進耐候試験を行った結果、ヘイズ値は初期1.7%に対して2.1%、全光線透過率は初期90.5%に対して90.2%とほとんど変化が見られず、水接触角は6°であり、干渉の発生も見られなかった。結果を表1に示す。
【0093】
実施例8
実施例1と同様にして無機成分溶液(a)と有機成分溶液(b)を混合、攪拌し塗工液(c)を調製した。
また、鐘淵化学工業社製アクリルフィルム「サンデュレンSD009NAT」50μm厚の片面に、紫外線吸収プライマー(日本触媒社製「ユーダブルUV−G300」)100g当量とイソシアネート系硬化剤住友バイエル社製「スミジュールN−3200」13g当量を混合し、1μm厚みで成膜した。得られたプライマー層上に塗工液(c)を実施例1と同様に共重合体(A)が0.914g/100m2となるように塗工し、その後60℃で15時間乾燥させて有機―無機複合傾斜膜付きアクリルフィルムを得た。得られた膜の平均厚みは75nmであった。
【0094】
なお、使用したプライマー被覆アクリルフィルムの促進耐候試験による引っ張り強度の低下率は4%であった。上記傾斜膜のXPS測定結果を図9に示す。
この図より、傾斜性を有する膜であることが確認された。また、該傾斜膜の2R曲げ試験の結果、クラックや剥離などの異常は認められなかった。
【0095】
次に、実施例1と同様にして光触媒層/有機―無機複合傾斜膜付きアクリルフィルムからなる光触媒フィルムを作製した。
この光触媒フィルムについて促進耐候試験(900時間)を行った結果、ヘイズ値は初期0.9%に対して、1.3%、全光線透過率は初期91.5%に対して91.1%とほとんど変化が見られず、水接触角は3°未満であり、干渉の発生も見られなかった。結果を表1に示す。
【0096】
実施例9
実施例1と同様にして無機成分溶液(a)と有機成分溶液(b)を混合、攪拌し塗工液(c)を調製した。
また、三菱エンジニアリングプラスチックス社製ポリカーボネートフィルム「ユーピロンフィルムFE2000」100μm厚の片面に、紫外線吸収プライマー(日本触媒社製「ユーダブルUV−G300」)100g当量とイソシアネート系硬化剤住友バイエル社製「スミジュールN−3200」13g当量を混合し、4μm厚みで成膜した。得られたプライマー層上に塗工液(c)を実施例1と同様に共重合体(A)が0.914g/100m2となるように塗工し、その後80℃で15時間乾燥させて有機―無機複合傾斜膜付きポリカーボネートフィルムを得た。得られた膜の平均厚みは78nmであった。
【0097】
なお、使用したプライマー被覆ポリカーボネートフィルムの促進耐候試験による引っ張り強度の低下率は9%であった。上記傾斜膜のXPS測定結果を図10に示す。
この図より、傾斜性を有する膜であることが確認された。また、該傾斜膜の2R曲げ試験の結果、クラックや剥離などの異常は認められなかった。
【0098】
次に、実施例1と同様にして光触媒層/有機―無機複合傾斜膜付きポリカーボネートフィルムからなる光触媒フィルムを作製した。
この光触媒フィルムについて促進耐候試験(900時間)を行った結果、ヘイズ値は初期1.3%に対して、2.5%、全光線透過率は初期90.5%に対して90.2%とほとんど変化が見られず、水接触角は3°未満であり、干渉の発生も見られなかった。結果を表1に示す。
【0099】
比較例1
市販のアクリルシリコーン系塗工液を用い、実施例1と同様な操作により、PETフィルムに厚み4μmの中間膜を形成し、中間膜付きPETフィルムを得た。この中間膜の2R曲げ試験の結果、クラックや剥離などの異常は認められなかった。
【0100】
次に、実施例1と同様な操作により、光触媒層/中間膜付きPETフィルムからなる光触媒フィルムを作製した。
この光触媒フィルムについて促進耐候試験を行った結果、ヘイズ値は初期2.7%に対して5.5%、全光線透過率は初期88.6%に対して81.3%と比較的大きな透光性の低下が見られた。また、水接触角は8°であったが、干渉の発生が見られた。結果を表1に示す。
【0101】
比較例2
実施例1と同様にして無機成分液(a)と有機成分溶液(b)を得た。
メチルイソブチルケトン45mlに有機成分溶液(b)4.4ml、2−エトキシエタノール45.6mlを加えた後、無機成分液(a)10mlをゆっくり撹拌しながら加えて塗工液(i)を調製した。
【0102】
この塗工液(i)を実施例1と同様に有機成分(A)が0.40g/100m2となるように塗工し、その後80℃で15時間乾燥させて有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムを得た。得られた傾斜膜の平均厚みは70nmであった。この傾斜膜の2R曲げ試験の結果、クラックや剥離が見られた。結果を表1に示す。
【0103】
比較例3
実施例1と同様にして無機成分液(a)と有機成分溶液(b)を得た。
メチルイソブチルケトン15mlに有機成分溶液(b)35ml、2−エトキシエタノール43mlを加えた後、無機成分液(a)7mlをゆっくり撹拌しながら加えて塗工液(j)を調製した。
【0104】
この塗工液(j)を実施例1と同様に有機成分(A)が3.2g/100m2となるように塗工し、その後80℃で15時間乾燥させて理論厚み80nmの有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムを得た。乾燥後の塗工膜は白濁しており、表面を顕微鏡で観察したところ凹凸が多数見られた。結果を表1に示す。
【0105】
比較例4
実施例1と同様にして無機成分液(a)と有機成分溶液(b)を得た。
メチルイソブチルケトン40mlに有機成分溶液(b)10ml、2−エトキシエタノール48mlを加えた後、無機成分液(a)2mlをゆっくり撹拌しながら加えて塗工液(k)を調製した。
【0106】
この塗工液(k)を実施例1と同様に有機成分(A)が0.914g/100m2となるように塗工し、その後80℃で15時間乾燥させて有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムを得た。得られた傾斜膜の平均厚みは35nmであった。この傾斜膜の2R曲げ試験の結果、クラックや剥離などの異常は認められなかった。
【0107】
次に、実施例1と同様にして光触媒層/有機−無機複合傾斜膜付きのPETフィルムからなる光触媒フィルムを作製した。
この光触媒フィルムについて促進耐候試験を行った結果、ヘイズ値は初期2.7%に対して10.5%、全光線透過率は初期88.6%に対して78.3%と透光性の低下が見られ、かつ干渉の発生および水接触角が70°となる現象が見られた。結果を表1に示す。
【0108】
比較例5
実施例1と同様にして無機成分液(a)と有機成分溶液(b)を得た。
メチルイソブチルケトン40mlに有機成分溶液(b)10ml、2−エトキシエタノール35mlを加えた後、無機成分液(a)15mlをゆっくり撹拌しながら加えて塗工液(m)を調製した。
【0109】
この塗工液(m)を実施例1と同様に有機成分(A)が0.914g/100m2となるように塗工し、その後80℃で15時間乾燥させて有機−無機複合傾斜膜付きPETフィルムを得た。得られた傾斜膜の平均厚みは105nmであった。この傾斜膜の2R曲げ試験の結果、クラックの発生が見られた。結果を表1に示す。
【0110】
【表1】
Figure 0004118060
【0111】
【発明の効果】
本発明の光触媒フィルムは、プラスチックフィルム上に、有機−無機複合傾斜膜を介して光触媒活性材料層が設けられたものであって、層間密着性、耐候性、屈曲性などに優れており、従来の光触媒フィルムの耐久性が1〜3年程度であるのに対し、3年以上の耐久性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光触媒フィルムの構成の1例を示す断面図である。
【図2】実施例1で形成された有機−無機複合傾斜膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびチタン原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図3】実施例2で形成された有機−無機複合傾斜膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびチタン原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図4】実施例3で形成された有機−無機複合傾斜膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびチタン原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図5】実施例4で形成された有機−無機複合傾斜膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびチタン原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図6】実施例5で形成された有機−無機複合傾斜膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびチタン原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図7】実施例6で形成された有機−無機複合傾斜膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびチタン原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図8】実施例7で形成された有機−無機複合傾斜膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図9】実施例8で形成された有機−無機複合傾斜膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図10】実施例9で形成された有機−無機複合傾斜膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 プラスチックフィルム
1a 基材フィルム
1b 紫外線遮蔽層
2 有機−無機複合傾斜膜
3 光触媒活性材料層
4 粘着剤層
5 剥離シート
10 光触媒フィルム

Claims (5)

  1. プラスチックフィルムの片面に、有機−無機複合傾斜膜を介して光触媒活性材料層を有する光触媒フィルムであって、
    前記プラスチックフィルムが、耐候剤を練り込んだフィルムまたは有機−無機複合傾斜膜側の表面に紫外線遮蔽層を有するフィルムであり、
    前記有機−無機複合傾斜膜が、(A)分子中に加水分解により金属酸化物と結合し得る金属含有基を有する有機高分子化合物と共に、(B)加水分解により金属酸化物を形成し得る金属含有化合物を加水分解処理してなるコーティング剤を、(A)成分換算量で0.5〜3.0g/100m になるように塗布して形成されたものであり、
    記有機−無機複合傾斜膜が、平均厚み40〜100nmを有し、かつ径2mmのステンレス鋼製ロッドに360°巻き付ける2R曲げでの屈曲試験において、実質上クラックの発生が認められないものである
    ことを特徴とする光触媒フィルム。
  2. プラスチックフィルムが、厚み50μmのフィルムについてのカーボンアーク式サンシャインウェザーメータによる900時間の促進耐候試験において、JIS C2318による引張り強度の低下率が50%以下のものである請求項1に記載の光触媒フィルム
  3. 有機−無機複合傾斜膜が、有機高分子化合物と金属酸化物系化合物とが化学的に結合した複合体を含み、かつ金属成分の含有率が該膜の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有するものであって、実質上、光触媒活性材料層との界面では金属酸化物系化合物成分のみからなり、かつプラスチックフィルムに当接している面では有機高分子化合物成分のみからなる請求項1または2に記載の光触媒フィルム
  4. (A)成分の有機高分子化合物が、(a)分子中に加水分解により金属酸化物と結合し得る金属含有基を有するエチレン性不飽和単量体と、(b)金属を含まないエチレン性不飽和単量体を共重合させてなるものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光触媒フィルム。
  5. (B)成分の金属含有化合物が、一般式(I)
    Figure 0004118060
    (式中のRは非加水分解性基、Rは加水分解性基、Mは金属原子を示し、mは金属原子Mの価数であり、nは0<n≦mの関係を満たす整数である。)
    で表される化合物または縮合オリゴマーである請求項1〜4のいずれか1項に記載の光触媒フィルム。
JP2002028452A 2001-02-06 2002-02-05 光触媒フィルム Expired - Fee Related JP4118060B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002028452A JP4118060B2 (ja) 2001-02-06 2002-02-05 光触媒フィルム

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-29471 2001-02-06
JP2001029471 2001-02-06
JP2001156768 2001-05-25
JP2001-156768 2001-05-25
JP2002028452A JP4118060B2 (ja) 2001-02-06 2002-02-05 光触媒フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003041034A JP2003041034A (ja) 2003-02-13
JP4118060B2 true JP4118060B2 (ja) 2008-07-16

Family

ID=27345916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002028452A Expired - Fee Related JP4118060B2 (ja) 2001-02-06 2002-02-05 光触媒フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4118060B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060162617A1 (en) * 2003-04-30 2006-07-27 Naoki Tanaka Photocatalyst coating liquid, photocatalyst film and photocatalyst member

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003041034A (ja) 2003-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3897938B2 (ja) 有機−無機複合傾斜材料、その製造方法及びその用途
CN100381527C (zh) 光催化剂涂布液、光催化剂膜和光催化剂构件
US7488524B2 (en) High-durability photocatalyst film and structure having photocatalytic functions on surface
WO2009051271A1 (ja) 光触媒膜、光触媒膜の製造方法、物品および親水化方法
JP4869578B2 (ja) 滑雪用塗膜形成コーティング組成物、滑雪用塗膜および滑雪用部材
JP4118060B2 (ja) 光触媒フィルム
JP4108405B2 (ja) 光触媒積層体
JP2002361807A (ja) 防汚性ポリカーボネート板
JP2005194309A (ja) 接着層形成用組成物および光触媒担持構造体
JP4414552B2 (ja) 有機−無機複合傾斜材料及びその用途
JP4504480B2 (ja) 有機−無機複合傾斜材料、その製造方法及びその用途
JP2008006419A (ja) 光触媒フィルム及びその製造方法
JP4163920B2 (ja) チタンアルコキシド加水分解縮合物の製造方法および傾斜膜形成用コーティング剤
JP2010116504A (ja) 高透明性光触媒膜およびそれを有する物品
JP5097682B2 (ja) 光触媒膜およびそれを有する物品
JP2005336420A (ja) 耐摺動性塗膜、液状コーティング材料および積層体
JP2001310943A (ja) 有機−無機複合傾斜材料
JP2002206059A (ja) 有機−無機複合傾斜材料及びその用途
JP2010115607A (ja) 高透明性光触媒膜およびそれを有する物品
JP2001335737A (ja) 成分傾斜膜形成用コーティング剤
JP2001261970A (ja) 有機−無機複合傾斜材料及びその用途
HK1081217B (en) Photocatalyst coating liquid, photocatalyst film and photocatalyst member

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080422

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140502

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees