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JP4024615B2 - 熱可塑性樹脂組成物、複合構造体防水施工用接着剤組成物、複合構造体の防水施工方法およびこれにより得られる複合構造体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、複合構造体防水施工用接着剤組成物、複合構造体の防水施工方法およびこれにより得られる複合構造体 Download PDF

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JP4024615B2 JP2002227700A JP2002227700A JP4024615B2 JP 4024615 B2 JP4024615 B2 JP 4024615B2 JP 2002227700 A JP2002227700 A JP 2002227700A JP 2002227700 A JP2002227700 A JP 2002227700A JP 4024615 B2 JP4024615 B2 JP 4024615B2
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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物、複合構造体の防水施工方法、該防水施工方法により得られる複合構造体および該複合構造体防水施工用接着剤組成物に関する。
詳しくは、本発明は、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘度調整剤とを含み、特定の温度で特定の溶融粘度を有する熱可塑性樹脂組成物および複合構造体防水施工用接着剤組成物、これを用いた複合構造体の防水施工方法および該防水施工方法により得られる複合構造体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
橋梁、高架道路、高架鉄道、道路、駐車場;家屋やビルなどの建造物の屋上および屋根;地下鉄、地下室、地下駐車場および地下道などの地下構造物のような複合構造体では、その基材である床版、スラブ、屋上スラブまたは屋根スラブ、地下構造物の擁壁や天井まで、雨水や融雪剤などが浸透することにより、基材を構成する鉄筋コンクリートや鋼材が腐食し、劣化することが知られている。
【0003】
このような複合構造体の劣化防止を目的として、複合構造体の防水施工方法については、従来から種々の技術が提案されている。
たとえば、基材として床版を用いる橋梁、高架道路、高架鉄道に対する防水施工技術を例に挙げると、
特開平3−93904号公報には、コンクリート床版面の表面に施された塗膜の上に、エチレン−酢酸ビニル共重合体、EEA、エチレン−アクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ポリエチレン、ブチルメタクリル酸、ポリスチレンおよびその共重合体、ポリイソブチレン、炭化水素樹脂、ポリプロピレン、ポリアミド樹脂ポリエステル、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂粒子を散布する技術が提案されている。
【0004】
また、特公平8−9851号公報には、コンクリート床版面に防水層を形成するための常温硬化型合成樹脂を塗布し、該合成樹脂の硬化前に熱溶融型樹脂のペレットを散布し該合成樹脂が硬化した後に舗装層を形成する技術が記載されている。
しかしながら、これらの技術では、四季を通した温度変化や雨水による負荷や、車輌走行による繰り返し荷重による負荷、床版の撓み負荷を受けることによって、床版と防水層、あるいは防水層とアスファルト舗装材との接着が不充分となったり、ひび割れ追従性が充分に満足できるものではなく、防水性能および接着性能ともに優れる複合構造体を形成しうる防水施工方法の開発が要求されている。
【0005】
特に、ウレタン樹脂、ウレタンウレア樹脂、ウレア樹脂からなる群から選ばれる材料は、優れた防水性能を有するため、防水層を形成する材料として好ましいが、熱アスファルト舗装材との接着性のより一層の改良が望まれていた。
本発明者らは、上記事情に鑑みて鋭意研究した結果、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘度調整剤とを含み、特定の温度で特定の溶融粘度を有する熱可塑性樹脂組成物を得て、該熱可塑性樹脂組成物を接着剤組成物として用いた場合には、低温時や車輌走行などによる繰り返し荷重による負荷などを課した際にも、防水性能および接着性能が優れる複合構造体を得られること、さらに、該熱可塑性樹脂組成物を接着剤組成物として用いる複合構造体の防水施工方法を見出して本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘度調整剤とを含み、特定の温度で特定の溶融粘度を有する熱可塑性樹脂組成物および該熱可塑性樹脂組成物を含有する複合構造体防水施工用接着剤組成物を提供することを目的としている。
【0007】
また、本発明の他の目的は、前記熱可塑性樹脂組成物を用いた複合構造体の防水施工方法および該防水施工方法により得られる、優れた防水性能および接着性能を有する複合構造体を提供することにある。
【0008】
【発明の概要】
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物は、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘度調整剤とからなり、レオメーターによる220℃での溶融粘度が15Pa・s以下であり、かつ、150℃での溶融粘度が20Pa・s以上であることを特徴としている。
【0009】
本発明の熱可塑性樹脂組成物では、前記粘度調整剤は、樹脂酸および/または樹脂酸誘導体を含有することが好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物では、前記粘度調整剤は、天然ロジンおよび/またはロジン誘導体からなることが好ましい。
前記ロジン誘導体は、天然ロジンとアルコール類との反応生成物群から選ばれるエステル化物であることが望ましい。
【0010】
さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物では、前記変性エチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および/またはそのカルボキシル変性物を10重量%以上の量で含有することが好ましい。
本発明にかかる複合構造体の防水施工方法は、
(a)基材上に防水層を設け、
(b)該防水層の上に、
変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘度調整剤とからなり、
レオメーターによる220℃での溶融粘度が15Pa・s以下であり、かつ、150℃での溶融粘度が20Pa・s以上である熱可塑性樹脂組成物を含有する接着剤層を設けた後、
(c)該接着剤層の上に熱アスファルトコンクリートを敷設、転圧し、アスファルト舗装層を設けることを特徴としている。
【0011】
本発明の複合構造体の防水施工方法では、前記防水層は、硬化性ウレタン樹脂、硬化性ウレア樹脂および硬化性ウレタンウレア樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料によって形成されていることが好ましい。
前記(b)工程の際には、
防水層上に、湿気硬化型ウレタン樹脂、2液混合型ウレタン樹脂、2液硬化型ウレタンウレア樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料を含有する層間プライマーを塗付し、該プライマー層上に接着剤層を設けることが好ましい。
【0012】
この場合には、前記(b)工程の際に、
層間プライマー層が指触乾燥状態になるまでに、該層間プライマー層上に前記熱可塑性樹脂組成物を塗付して接着剤層を設けることが好ましい。
本発明にかかる複合構造体の防水施工方法では、前記基材は、橋梁、高架道路、高架鉄道の床版;道路や駐車場のスラブ;建造物の屋上スラブおよび屋根スラブ;地下構造物の擁壁および天井からなる群より選ばれることが好ましい。
【0013】
本発明にかかる複合構造体は、前記防水施工方法により得られる。
本発明にかかる複合構造体防水施工用接着剤組成物は、橋梁、高架道路、高架鉄道、道路、屋根、屋上または地下構造物の基材上に設けられる防水層、または該防水層上にさらに設けられる層間プライマー層と、
舗装用熱アスファルトコンクリートとを接着するために用いられ、
変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘度調整剤とからなり、
レオメーターによる220℃での溶融粘度が15Pa・s以下であり、かつ、150℃での溶融粘度が20Pa・s以上であることを特徴としている。
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明は、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘度調整剤とを含み、特定の温度で特定の溶融粘度を有する熱可塑性樹脂組成物、該熱可塑性樹脂組成物を含有する複合構造体防水施工用接着剤組成物、これを用いた複合構造体の防水施工方法および該防水施工方法により得られる複合構造体に関するものである。
【0015】
まず、前記熱可塑性樹脂組成物について説明する。
<熱可塑性樹脂組成物>
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物は、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘度調整剤とからなり、
レオメーター(RHEOLOGICA Instruments AB社製、RHEO EXPLORER)による220℃での溶融粘度が15Pa・s以下であり、かつ、150℃での溶融粘度が20Pa・s以上であることを特徴としている。
【0016】
(エチレン−酢酸ビニル共重合体)
本発明に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体は、既に公知の方法によって製造することができ、三井デュポンポリケミカル社などから入手可能である。
本発明に用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル含有量が原料組成の割合として20〜50重量%、好ましくは25〜45重量%であり、190℃、2160gにおけるそのメルトインデックス(g/10min;試験法ASTM D−1238準拠)が0.1〜500、好ましくは1〜300である。酢酸ビニルの含有量を前記のようにすると、−30℃での適度の柔軟性と60℃での耐熱性を有し、低温接着性および高温接着性の優れたものになり好ましい。
【0017】
(変性エチレン−酢酸ビニル共重合体)
本発明に用いられる変性エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および/またはそのカルボキシル変性物を10重量%以上、好ましくは12〜90重量%、より好ましくは20〜90重量%の量で含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。
【0018】
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および/またはそのカルボキシル変性物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を部分ケン化したケン化物、または、エチレン−酢酸ビニル共重合体を部分ケン化したケン化物を酸によって変成したカルボキシル変性物、さらには、これらの混合物である。
このようなエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および/またはそのカルボキシル変性物を10重量%以上の量で含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体は、たとえば、特公平5−26802号公報に記載の製造方法により得ることができる。
【0019】
その製造方法は、具体的には、(i)エチレン−酢酸ビニル共重合体の溶解工程、(ii)エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化工程、(iii)脱水工程、(iv)不飽和カルボン酸または酸無水物によるカルボキシル変性工程、および(v)脱溶剤・精製工程からなる。
まず、(i)エチレン−酢酸ビニル共重合体の溶解工程では、エチレン−酢酸ビニル共重合体を有機溶剤に溶解させる。該有機溶剤としては、大気圧下での沸点が50℃以上であるトルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼンなどの芳香族有機溶剤、n−ヘキサンなどの脂肪族有機溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族有機溶剤を用いることができる。これらのうちでは、後の工程で系内の水を除去するために有効である点から、水を共沸するトルエン、キシレン、あるいは水よりも沸点の高い芳香族有機溶剤、具体的には、大気圧下での沸点が100℃を超えて200℃以下の芳香族有機溶剤が好ましい。
【0020】
前記有機溶剤の使用量は、特に制限は無いが、次の反応の効率アップのためには、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対し、150〜500重量部であることが好ましい。
次の(ii)エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化工程では、エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液に低級アルコールを添加し、特定量の水の存在下で、ケン化触媒を添加した後、反応させてエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を得る。
【0021】
低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどが挙げられるが、好ましくはメチルアルコールが挙げられる。該低級アルコールの添加量は、所望するエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化度によって異なるが、エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニルから誘導される構成単位1モルに対し0.1〜10モル、好ましくは1〜8モルである。
【0022】
ケン化触媒としては、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、カリウムメトキサイド、カリウムエトキサイド、リチウムメトキサイド、カリウムーム−t−ブトキサイドなどのアルカリアルコラートが挙げられる。このような触媒の添加量は、所望するエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化度によって異なるが、エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニルから誘導される構成単位1モルに対し0.01〜1モル、好ましくは0.01〜0.2モルである。
【0023】
水はアルカリアルコラートとともに、たとえば、アルカリアルコラート1モルに対し0.1〜3モルに調整することが好ましい。
ケン化反応は、従来公知の条件、たとえば、40〜60℃で一定時間行う。反応時間は、所望のケン化度に応じて調節するが通常3時間以内である。なお、ケン化反応は反応系にさらに水を加えることで停止させることができる。
【0024】
次の(iii)脱水工程では、系内の水は、次の(iv)カルボキシル変性工程、特に酸無水物による変性反応を阻害するので、反応停止に用いたものを含めて、ケン化反応によって副生した低沸点物とともに留去させ、除去しておくことが好ましい。
次の(iv)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のカルボキシル変性工程には、不飽和カルボン酸を用いる方法と酸無水物を用いる方法とがある。
【0025】
不飽和カルボン酸を用いる方法では、前記反応液に不飽和カルボン酸を加え、ラジカル形成物質の存在下、加熱して変性反応を行う。
不飽和カルボン酸としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸などの不飽和モノカルボン酸または不飽和ジカルボン酸が挙げられる。該不飽和カルボン酸の使用量は、反応液中のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物100重量部に対して5重量部以下、好ましくは0.2〜3重量部である。
【0026】
ラジカル形成物質としては、カルボキシル変性反応の反応温度で容易に分解してラジカルを形成する物質が好ましく、たとえば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジクミルなどの有機過酸化物、α,α'−アゾビスイソブチロニトリルなどの含窒素化合物などが挙げられる。該ラジカル形成物質の使用量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物100重量部に対して、0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜1重量部である。
【0027】
反応温度は、使用する不飽和カルボン酸や溶剤の種類などによって異なるが、50〜150℃であり、反応時間は、通常約0.1〜5時間である。
また、酸無水物を用いる方法では、前記反応液に酸無水物を加え、加熱して変性反応を行う。
酸無水物としては、たとえば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸無水物などの飽和または不飽和脂肪族、脂環族あるいは芳香族の酸無水物が挙げられる。該酸無水物の使用量は、前記反応液中のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物100重量部に対して、150重量部以下、好ましくは10〜100重量部である。このような使用量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物中のビニルアルコール単位の50〜100モル%をエステル化できることから好適である。
【0028】
また、反応温度は、使用する酸無水物や有機溶剤の種類によって異なるが、50〜150℃であり、該反応時間は、通常0.1〜5時間である。
このようにして得られた変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、すなわちエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および/またはそのカルボキシル変性物を10重量%以上の量で含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体は、酸価が2〜150KOHmg/g、好ましくは3〜100KOHmg/gであり、水酸基価が0〜250KOHmg/g、好ましくは0〜160KOHmg/gである。このような酸価と水酸基価の範囲とすることで、−30℃〜60℃での良好な接着力と耐水性を維持できるため好適である。
【0029】
なお、このようにして得られた変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、すなわちエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および/またはそのカルボキシル変性物を10重量%以上の量で含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体は、従来公知の(v)脱溶剤処理や精製処理工程を通じて、通常は粉体、ペレット状として調製される。
(粘度調整剤)
本発明に用いられる粘度調整剤は、樹脂酸および/または樹脂酸誘導体を含有することが好ましい。樹脂酸は、一般式 C1929COOHで表されるアルキル化ヒドロフェナントレンモノカルボン酸であり、ロジンなどに主成分として含まれる。
【0030】
したがって、樹脂酸および/または樹脂酸誘導体として、天然ロジンおよび/またはロジン誘導体を粘度調整剤として用いることができ、この場合、前記粘度調整剤は、天然ロジンおよび/またはロジン誘導体からなることが好ましい。
本発明に用いられる天然ロジンは、松の木から採取される天然樹脂である。
また、本発明に用いられるロジン誘導体としては、天然ロジンとアルコール類との反応生成物群から選ばれるエステル化物が好ましく、具体的には、天然ロジンとアルコール類からなるロジンエステル類、重合ロジンエステル類、水素化したロジンとアルコール類とからなる水素化ロジンエステル類、ロジンのエチレンオキシド付加物、ロジンのプロピレンオキシド付加物などが挙げられる。これらロジン誘導体の製造方法は、当業者間では既に公知であり、本発明に用い得るロジン誘導体は当業者より入手可能である。
【0031】
(熱可塑性樹脂組成物の調製)
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物は、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘度調整剤からなり、これらの配合比率は、該熱可塑性樹脂組成物のレオメーターによる220℃での溶融粘度および150℃での溶融粘度が、それぞれ後述する数値範囲となるように決定される。
【0032】
具体的には、たとえば、前記粘度調整剤として天然ロジンおよび/またはロジン誘導体を使用する場合には、前記変性エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対し、天然ロジンおよび/またはロジン誘導体を25〜230重量部、好ましくは25〜150重量部、より好ましくは25〜81重量部配合する。
このような配合比率とすることで、防水材として用いられる硬化性ウレタン樹脂、硬化性ウレタンウレア樹脂、硬化性ウレア樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の樹脂と熱アスファルトコンクリートとの良好な接着力が得られる。また、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体の含量を高めることで、ホイールトラッキング負荷後であっても、−30℃で2.4N/mm2を超え、さらに60℃でも0.1N/mm2を超える接着力を得ることができるのでさらに好ましい。
【0033】
また、本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物には、後述する粘度範囲に調整するため、前記ロジン誘導体のうち、室温で液状のものから環球式軟化点が150℃のものを適宜組合せ用いることができる。
さらに、本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物には、後述する粘度範囲に調整するため、他の合成樹脂、たとえば、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、ポリビニルブチラール(ブチラール樹脂)などのポリビニルアルコールをアセタール化したポリビニルアセタール、アクリロニトリル−ブタジエン−HEMA 3元共重合体、エチレン−アクリロニトリル共重合体の部分ケン化物、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体アイオノマーの少なくとも1種を25重量%以内の範囲で添加してもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲内で、テルペン樹脂や、アスファルトを添加してもよい。
【0034】
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、特に制限されないが、たとえば、所定量の変性エチレン−酢酸ビニル共重合体の粉体と粘度調整剤とをヘンシェルミキサーなどの粉砕混合機でドライブレンドする方法、または、ドライブレンドされた混合物をさらに加熱下で、二軸混合押出機などにより溶融混合する方法、あるいは、加熱混合槽に所定量の粘度調整剤と変性エチレン−酢酸ビニル共重合体の粉体とを仕込み、溶融下で混練する方法などで得ることができる。
【0035】
該熱可塑性樹脂組成物は、通常、粉体状、粒状、塊状、溶融状、フィルムまたはシート状の形態で提供される。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物は、レオメーター(RHEOLOGICA Instruments AB社製、RHEO EXPLORER)による220℃での溶融粘度が、通常15Pa・s以下、好ましくは0.5〜15Pa・s、より好ましくは1〜10Pa・sの範囲にあり、かつ、150℃での溶融粘度が20Pa・s以上、好ましくは30Pa・s以上、より好ましくは40〜200Pa・sの範囲にあることが望ましい。
【0036】
レオメーターによる220℃での溶融粘度が、上記の数値以下、好ましくは上記の数値範囲にあることにより、従来技術の粉粒体散布方法はもとより、均質な接着層が形成可能な溶融塗布方法にも適用することができる。
また、レオメーターによる150℃での溶融粘度が、上記の数値以上であると、熱アスファルトをバインダーとするアスファルト舗装材(アスファルトコンクリート)の敷設温度である150℃近傍での良好な溶融性と、転圧機の荷重による流動を最小にすることができる。
【0037】
また、このような粘度特性を有することで、防水層に硬化性ウレタン樹脂、硬化性ウレタンウレア樹脂、硬化性ウレア樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を用いた場合にも、これらの樹脂と熱アスファルトとを良好に接着することができる。
<複合構造体防水施工用接着剤組成物>
本発明にかかる複合構造体防水施工用接着剤組成物は、
後述する複合構造体の防水施工方法に用いられ、橋梁、高架道路、高架鉄道、道路、屋根、屋上または地下構造物の基材上に設けられる防水層、または該防水層上にさらに設けられる層間プライマー層と、
熱アスファルトコンクリートからなるアスファルト舗装層とを接着するために用いられる。
【0038】
該複合構造体防水施工用接着剤組成物は、上述した熱可塑性樹脂組成物からなる。
<複合構造体の防水施工方法>
次に本発明にかかる複合構造体の防水施工方法について説明する。
本発明にかかる複合構造体の防水施工方法は、
(a)基材上に防水層を設け、
(b)該防水層の上に、前記熱可塑性樹脂組成物を含有する接着剤層を設けた後、
(c)該接着剤層の上に舗装用熱アスファルトコンクリートを敷設、転圧し、アスファルト舗装層を設ける。
【0039】
以下、各工程について説明する。
(a)工程において、基材上に防水層を設ける手段は特に限定されないが、後述する防水材を用いて、通常は塗付することによって設けることができる。
なお、この際に必要に応じて、基材と防水層との間に後述する基材用プライマーを塗布してもよい。特に、基材が水分を含有する場合には水硬性粉末を含有する基材用プライマーを塗布することが好ましい。
【0040】
この基材用プライマーの塗布量には、特に制限はないが通常100〜1000(g/m2)、好ましくは、100〜300(g/m2)である。下地への浸透が多く基材が粉状になるような場合には、樹脂による光沢が発現するまで、この塗付量で重ね塗りをする。また、ピンホールのあるときは、同様にしてその部位をこの塗付量で重ね塗りし、これを除去することが重要である。
【0041】
基材用プライマーの塗付は鏝、ローラー刷毛、ゴムベラ、スプレーガンなどを用いる通常のプライマーの塗布方法で行うことができる。
基材用プライマーを塗布した後、防水材を塗布することができる。防水材の塗布に特に限定はないが、作業者の足跡などによる凹凸を防止するためには基材用プライマーの指触乾燥時間到達後に防水材の塗布をすることが好ましい。
【0042】
指触乾燥状態の判定は、JISK5400に規定される指触乾燥時間に到達したときを指触乾燥状態とし、完全硬化はJISK5400に規定する硬化時間に到達したときを完全硬化したと判定する。
防水材として2液硬化型を用いる場合には、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いられる。該塗装方法は特に制限はないが、たとえば、ガスマー社製プロポーショナーH−2000による計量、調圧、調温の下、ホットホースを介して、スタティックミキサーを装着したガスマー社製GAPガンなどによるによる混合吐出、あるいはガスマー社製GX−7ガン、グラスクラフト社製プロブラーガンなどによるスプレー塗装方法が好適である。
【0043】
該防水材の塗付量は、下地基材のひび割れや車輌通行による基材の繰り返し撓み負荷に対する耐性の点で、新設基材にあっては0.2〜4(kg/m2)、好ましくは1.0〜2.5(kg/m2)であり、改修基材面にあっては下地の荒れているのを被覆するに充分な1〜4(kg/m2)、1.5〜3.5(kg/m2)である。
【0044】
次に(b)工程において、この防水層上に接着剤層を設けるが、この際には、防水層が指触乾燥状態になるまでに、該防水層上に、前記熱可塑性樹脂組成物を塗付して接着剤層を設けるか、前記熱可塑性樹脂組成物からなる接着用シートを貼り付けて接着剤層を設けることが好ましい。
すなわち、前記熱可塑性樹脂組成物を、指触乾燥状態になる前の防水層上(未反応イソシアネート基の存在するウレタン樹脂、ウレタンウレア樹脂、ウレア樹脂の群から選ばれる樹脂面)に粉体状または粒状で散布してもよいが、この場合には、風などによる飛散により均質な接着剤層が得難いことがある。
【0045】
したがって、前記熱可塑性樹脂組成物を溶融状態、好ましくは180℃以上250℃以下の液化状態で指触乾燥状態になる前の防水層上に塗布すること望ましい。また、このようにすることで接着剤層と防水層との接着性が向上する。
また、後者のように防水材が指触乾燥状態になるまでに、接着用シートを貼り付けることも好ましい。このように接着用シートを貼り付けた後、該接着用シートに舗装用熱アスファルトコンクリートを敷設し転圧すると、施工時間の短縮または、施工ステップの省略などが可能となり好ましい。
【0046】
また、前記(b)工程の際には、必要に応じて、防水層上に、湿気硬化型ウレタン樹脂、2液混合型ウレタン樹脂、2液硬化型ウレタンウレア樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する層間プライマーを塗付し、該プライマー層上に接着剤層を設けることもできる。
特に、施工時間、施工手順の関係から防水層が硬化した後に接着用シートを貼り付ける可能性がある場合には、防水層を設けた後に、層間プライマーを塗布し、該プライマーが指触乾燥状態になるまでに前記熱可塑性樹脂組成物を塗付して接着剤層を設けるか、該層間プライマー層上に前記熱可塑性樹脂組成物からなる接着用シートを貼り付け、接着剤層を形成し、該接着剤層の上に熱アスファルトコンクリートを敷設、転圧し、アスファルト舗装層を設けることが好ましい。
【0047】
この場合には、前記熱可塑性樹脂組成物を、硬化した防水層上(硬化したウレタン樹脂、ウレタンウレア樹脂、ウレア樹脂の群から選ばれる樹脂面)に層間プライマーを塗布し、該面に粉体状または粒状で散布してもよいが、風などによる飛散により均質な接着剤層が得難いことがある。
したがって、前記熱可塑性樹脂組成物を溶融状態、好ましくは180℃以上250℃以下の液化状態で、層間プライマー層上に塗布することが望ましい。また、このようにすることで、接着剤層と層間プライマー層との接着性が向上する。
【0048】
なお、この場合、層間プライマーの塗布は、防水材が、指触乾燥状態になった以降完全硬化後のいずれにおいて塗布してもよい。
このように、層間プライマーを用いると、防水材が完全硬化した後に接着剤層を設けた場合にも、防水層と接着剤層の接着がより強固となり好ましい。
層間プライマーを防水層表面に塗布する方法には、特に限定はないが、通常、刷毛、ローラー刷毛、スプレーガンなどを用いる公知の方法で塗装することができる。該塗付量は50〜300(g/m2)、好ましくは60〜150(g/m2)である。
【0049】
層間プライマーに特に限定はないが、指触乾燥時間は25℃で10〜180分であることが好ましい。
接着用シートの貼り付けは、いずれのタイミングで実施してもよいが、層間プライマーの指触乾燥時間到達までであれば、加熱することなく、貼り付けるだけで接着することができる。層間プライマーの指触乾燥時間到達後は、接着用シートを貼り付ける際に、加熱圧着することが好ましい。
【0050】
なお、本発明にかかる複合構造体の防水施工方法を実施するに先立ち、たとえば、基材がコンクリート製床版であり、その表面が新設コンクリートである場合には、ワイヤブラシ、ディスクサンダーなどによって表面のレイタンスを除去しておくことが好ましい。さらに、降雨などにより水膜や水溜まりがある場合には、圧縮空気などで吹き飛ばすかウエスなどで拭き取り、これらの水分を除去しておくことが好ましい。また、既設道路の改修にあっては、床版上面の切削屑などを除去しておくことが好ましい。また、既設道路上に降雨などにより水膜や水溜まりがある場合には、上記同様にして、これを除去しておくことが好ましい。
【0051】
次に、(c)工程では、前記接着剤層の上に熱アスファルトコンクリートを敷設、転圧し、アスファルト舗装層を設ける。
熱アスファルトコンクリートとしては、その用途に合わせて適宜選定されたアスファルト舗装材を用い、接着用シート面にアスファルトフィニッシャーにより敷きならし、鉄輪ローラー、タイヤローラーで転圧することで合材(アスファルトと骨材)の熱が防水材まで伝わり、接着用シートが溶融して合材と防水材、さらには基材まで強固に一体化される。
【0052】
この時の作業温度はアスファルト舗装材を該材料に適した温度を適宜選定するが、130〜185℃で実施されることが多い。
アスファルト舗装層の厚さは、組成や密度によって異なるが、たとえば、その厚さが5cm以上、具体的には5〜15cm程度とすることができる。
<複合構造体>
本発明にかかる複合構造体は、前記防水施工方法により得られる。該複合構造体を構成する材料について以下に説明する。
【0053】
(基材)
本発明に用いられる基材としては、橋梁、高架道路、高架鉄道の床版;道路や駐車場のスラブ;建造物の屋上スラブおよび屋根スラブ;地下構造物の擁壁および天井からなる群より選ばれるものが挙げられる。
具体的には、橋梁、高架道路、高架鉄道の床版としては、橋梁、高架道路、高架鉄道などの舗装用に用いられる床版であればいずれでも用いることができ、一般的には鉄板、コンクリートなどで形成されている。
【0054】
道路や駐車場のスラブとしては、道路または駐車場の基礎であり、コンクリートなどで形成されるスラブであればいずれでも用いることができる。
建造物の屋上スラブおよび屋根スラブとは、家屋やビルなどの建造物の最上部にある屋上または屋根の基礎となる屋上スラブや屋根スラブなどの構造体であり、コンクリートなどで形成されるものであればいずれでも用いることができる。
【0055】
また、地下構造物の用壁や天井とは、地下鉄、地下室、地下駐車場、地下道などの地下構造物の地中との接触面を形成する壁または構造体上部をいい、コンクリートなどで形成されている。
(基材用プライマー)
本発明にかかる複合体の防水施工方法では、必要に応じて、前記基材と防水層との間に基材用プライマーを塗布してもよい。
【0056】
基材用プライマーとしては、橋梁、高架道路、高架鉄道、道路、駐車場;家屋やビルなどの建造物の屋上および屋根;地下鉄、地下室、地下駐車場および地下道などの地下構造物のような複合構造体の基材用プライマーとして用いることができるものであればいずれでもよいが、硬化性エポキシ樹脂プライマー、硬化性ウレタン樹脂プライマー、硬化性ビニルエステル樹脂プライマー、硬化性アクリル樹脂プライマーなどが挙げられる。これらのうちでは、基材への接着性と低温速硬化性の点で硬化性エポキシ樹脂プライマー、硬化性ウレタン樹脂プライマーが好適である。
【0057】
さらに、その作業性から指触乾燥時間が、25℃で30〜60分にあるものを選択することが好ましい。
硬化性エポキシ樹脂プライマー
硬化性エポキシ樹脂プライマーとしては、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAD型ジグリシジルエーテルから選ばれる少なくとも1種を主成分に1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、アクリロイル基を有するアクリルオリゴマーなどの反応性希釈剤、ベンジルアルコールなどの非反応性希釈剤で変性した粘度5Pa・s/25℃以下の主剤と、
エチレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン、m−キシリレンジアミン、水添m−キシリレンジアミン、ノルボルナンジアミンなどの脂環式ポリアミンなどのポリアミンのエポキシ樹脂アダクト型ポリアミン、脂肪族ポリアミンとダイマー酸からなるポリアミドアミン、変性イミダゾリンから選ばれる少なくとも1種のポリアミンからなる、
粘度5Pa・s/25℃以下の硬化剤が用いられる。
【0058】
硬化性ウレタン樹脂プライマー
硬化性ウレタン樹脂プライマーとしては、湿気硬化型1液ウレタン樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂からなるプライマーが挙げられる。
湿気硬化型1液ウレタン樹脂は、有機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物との反応によって、1分子中に1個以上の遊離イソシアネート基を有するプレポリマーとして調製される。
【0059】
具体的には、窒素ガス雰囲気下、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)1個に対して、活性水素基含有化合物中の活性水素基が0.1〜0.8の比率で、該活性水素基含有化合物を用いて、攪拌下、温度40〜120℃で4〜8時間反応することで調製される。このようにして得られるプレポリマーは、イソシアネート基含有量が1〜15重量%、好ましくは2.5〜12重量%であることが望ましい。
【0060】
この反応時、または、反応後、必要に応じ従来公知の触媒や安定剤、消泡剤、溶剤などの添加剤を用いることができる。
有機ポリイソシアネートとしては、特に制限はないが、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(イソシアヌレート体)などの脂環式ポリイソシアネート、
m−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどの芳香環含有脂肪族ポリイソシアネート、
ヘキサメレンジイソシアンートなどの脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられ、これらは単独でもよく、また2種以上併用してもよい。
【0061】
好ましくは芳香族ポリイソシアネート、さらに好ましくは2,4−トリレンジイソシアネートまたは2,6−トリレンジイソシアネートまたはそれらの混合物、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが挙げられる。
【0062】
活性水素基含有化合物としては、特に制限はないが、たとえば、多価アルコール、高分子量ポリオール、ポリアミンなどが挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。
【0063】
高分子量ポリオールとしては、
前記多価アルコールあるいはポリアミンにエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの低分子量アルキレンオキシドを付加重合して得られるポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、
ビスフェノール類にエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの低分子量アルキレンオキシドを付加重合して得られるビスフェノール系ポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリブチレンカーボネートポリオール、ポリプロピレンアジペートグリコール、ひまし油ポリオールなどが挙げられる。
【0064】
ポリアミンとしては、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシアルキレンポリアミンなどの脂肪族ポリアミン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、水添キシリレンジアミンなどの脂環式ポリアミン、
キシリレンジアミンなどの芳香環含有脂肪族ポリアミン、
3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、1,1'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、1,1',2,2'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3',5,5'−テトラエチル−4,4'−ジアミノジフェニル−メタン、N,N'−ビス(t−ブチル)−4,4'−ジアミノジフェニル−メタン、ジ(メチルチオ)トルエンジアミンなどの芳香族ポリアミンが挙げられる。
【0065】
これら上記の活性水素基含有化合物は、単独で用いてもよく、また2種以上併用してもよい。好ましくは、活性水素基2〜4であり平均分子量200〜6000のポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ビスフェノール系ポリオール、ひまし油ポリオールが挙げられる。
【0066】
添加剤としては、
アセトン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの溶剤、
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N−メチルモルホリン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、オクチル酸コバルトなどの触媒、
フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジオクチル、燐酸トリクレジル、燐酸トリオクチル、エポキシ化大豆油などの可塑剤、
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、マイカ、コロイダルシリカ、亜鉛華などの体質顔料、
二酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、酸価クロム、ウルトラマリン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルーなどの着色剤、その他市販の消泡剤、レベリング剤、色別れ防止剤、安定剤などが挙げられる。
【0067】
湿気硬化型1液ウレタン樹脂は、前記した溶剤で希釈して用いることができ、該粘度が1000mPa・s(25℃)以下、好ましくは500mPa・s(25℃)以下となるように調整される。
2液硬化型ウレタン樹脂は、有機ポリイソシアネートを含むA液と活性水素基含有化合物を含むB液とからなり、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いられる。
【0068】
A液としては、前記の有機ポリイソシアネートおよび/またはウレタンプレポリマーが挙げられ、好ましくは芳香族ポリイソシアネート、さらに好ましくは 2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの有機イソシアネート化合物あるいはこれらと前記の活性水素基含有化合物からなるプレポリマーが挙げられる。A液には必要により、前記の添加剤から選ばれた化合物が含まれてもよい。
【0069】
B液としては、前記活性水素基含有化合物が含まれており、さらに必要により前記の添加剤が含まれてもよい。
活性水素基含有化合物としては、前記のうち単独で用いてもよく、また2種以上併用してもよい。好ましくは、活性水素基2〜4であり平均分子量200〜6000のポリエチレンポリオール、ポリエチレンプロピレンポリオール、ポリプロピレンポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、ビスフェノール系ポリオール、ひまし油ポリオールが挙げられる。
【0070】
2液硬化型ウレタン樹脂において、A液とB液の混合比率は、A液中のイソシアネート基とB液中の活性水素基の比率に基づいて決められ、イソシアネート基1個に対し活性水素基0.5〜2個、好ましくは0.8〜1.2個の範囲である。
また、A液およびB液は、必要により前記した溶剤で希釈することができ、該粘度が1000mPa・s(25℃)以下、好ましくは500mPa・s(25℃)以下となるように調整される。
【0071】
水硬性粉末
特に基材が水分を含有している場合は、該基材用プライマーに、水硬性粉末を添加して用いることが好ましい。該水硬性粉末は、基材用プライマーの硬化性樹脂100重量部に対して10〜500重量部添加することができる。
このような水硬性粉末としては、鉱物粉末が好ましく、水硬性アルミナまたは水硬性アウイン系セメントが特に好ましい。
【0072】
水硬性アルミナはρアルミナを含有するものが好適であり、平均粒子径300μm以下、好ましくは150μm以下のものが好適である。
本発明に用いられる水硬性アウイン系セメントは、エトリンナイトの形成に適した鉱物からなり、平均粒子径150μm以下、好ましくは100μm以下とすることにより水吸収性能が向上し、基材の含水量が多くとも強固に接着することができ好ましい。
【0073】
アウイン系セメントは、普通ポルトランドセメントよりも速硬化性であり、基材面の水分を急速に吸収、水和に消費すること、およびアルカリ性が低いため、湿潤面、すなわち、水滴が付着した基材に対しての接着力が向上するとともに、基材用プライマーの耐久性、特に接着耐久性が向上することから好ましい。
水硬性アルミナまたは水硬性アウイン系セメントは、硬化性ウレタン樹脂100重量部に対し10〜500重量部の量で添加されるが、該添加量を硬化性樹脂100重量部に対し10重量部以上とすることで吸水状態の基材面への接着性を高く保つことができる。また、500重量部以下とすることで接着強度と固化物の強度を維持し、また作業性がより向上させることができる。
【0074】
なお、水硬性アルミナまたは水硬性アウイン系セメントには、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、ポルトランドセメント、アルミナセメントなどの水と反応する化合物、硬化遅延剤などを併用してもよい。
前記基材用プライマーとして、硬化性樹脂プライマーを用いる場合、具体的には、湿気硬化型1液ウレタン樹脂を用いる場合には、水硬性アルミナまたは水硬性アウイン系セメントを予めウレタンプレポリマーに添加混合し調製するか、または、使用時に所定の量をウレタンプレポリマーあるいはウレタンプレポリマー溶液に添加混合して調製する。
【0075】
前記基材用プライマーとして、2液硬化型エポキシ樹脂またはウレタン樹脂を用いる場合には、水硬性アルミナまたは水硬性アウイン系セメントを予めB液に添加混合して調製することもでき、また使用時に所定の量をA液、B液あるいはA液とB液の混合物に添加混合して調製する。
(防水層)
本発明において、防水層を形成する防水材としては、橋梁、高架道路、高架鉄道、道路、駐車場;家屋やビルなどの建造物の屋上および屋根;地下鉄、地下室、地下駐車場および地下道などの地下構造物のような複合構造体などの舗装用に用いられる防水材であれば、いずれでも用いることができる。
【0076】
具体的には、本発明では、硬化性ウレタン樹脂、硬化性ウレタンウレア樹脂、硬化性ウレア樹脂から選ばれる少なくとも1種の材料を用いることが好ましく、2液硬化型であることがより好ましい。
2液硬化型ウレタン樹脂
2液硬化型ウレタン樹脂は、有機ポリイソシアネートを含むA液と活性水素基含有化合物を含むB液とからなり、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いられる。
【0077】
A液としては、前記の有機ポリイソシアネートまたはウレタンプレポリマーが挙げられ、好ましくは芳香族ポリイソシアネート、さらに好ましくは4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの少なくとも1種あるいはこれらと前記の活性水素基含有化合物からなるプレポリマーの混合物であり、遊離イソシアネート基含有量8〜15重量%のものが挙げられる。A液には必要により、前記の添加剤から選ばれた化合物が含まれてもよいが、溶剤は残留する恐れがあり好ましくない。
【0078】
B液としては、前記活性水素基含有化合物とウレタン化触媒の混合物が挙げられる。活性水素基含有化合物としては、活性水素基2〜4の多価アルコール類、ポリオール類から選ばれる2種以上を併用したものが好適である。
多価アルコールとしては1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられ、ポリオール類としてはヒドロキシル価18〜280mg/gのポリオキシアルキレンポリオール、好ましくポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、ビスフェノール系ポリオール、ひまし油ポリオールが挙げられる。
【0079】
さらに必要により前記の添加剤が含まれてもよいが、溶剤は残留する恐れがあり好ましくない。
2液硬化型ウレタン樹脂において、A液とB液の混合比率はA液中のイソシアネート基とB液中の活性水素基の比率に基づいて決められ、イソシアネート基1個に対し活性水素基0.5〜2個、好ましくは0.8〜1.2個の範囲である。
【0080】
2液硬化型ウレタンウレア樹脂
2液硬化型ウレタンウレア樹脂は、有機ポリイソシアネートを含むA液と活性水素基含有化合物を含むB液とからなり、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いられる。
A液としては、前記の有機ポリイソシアネートまたはウレタンプレポリマーが挙げられ、好ましくは芳香族ポリイソシアネート、さらに好ましくは4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの少なくとも1種あるいはこれらと前記の活性水素基含有化合物からなるプレポリマーの混合物であり、遊離イソシアネート基含有量8〜15重量%のものが挙げられる。A液には必要により、前記の添加剤から選ばれた化合物が含まれてもよいが、溶剤は残留する恐れがあり好ましくない。
【0081】
B液としては、前記活性水素基含有化合物とウレタン化触媒の混合物が挙げられる。活性水素基含有化合物としては、活性水素基2〜4の多価アルコール類、またはポリオール類と、アミン類とを2種以上を併用したものが好適である。
多価アルコールとしては1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられ、ポリオール類としてはヒドロキシル価18〜280mg/gのポリオキシアルキレンポリオール、好ましくポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、ビスフェノール系ポリオール、ひまし油ポリオールが挙げられる。
【0082】
アミン類としては、アミン価180〜700の芳香族ポリアミン、好ましくは3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、1,1'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、1,1',2,2'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3',5,5'−テトラエチル−4,4'−ジアミノジフェニル−メタン、N,N'−ビス(t−ブチル)−4,4'−ジアミノジフェニル−メタン、ジ(メチルチオ)トルエンジアミンが挙げられる。さらに必要により前記の添加剤が含まれてもよいが、溶剤は残留する恐れがあり好ましくない。
【0083】
2液硬化型ウレタンウレア樹脂において、A液とB液の混合比率はA液中のイソシアネート基とB液中の活性水素基の比率に基づいて決められ、イソシアネート基1個に対し活性水素基0.5〜2個、好ましくは0.8〜1.2個の範囲である。
2液硬化型ウレア樹脂
2液硬化型ウレア樹脂は、有機ポリイソシアネートを含むA液と活性水素基含有化合物を含むB液とからなり、使用の直前に所定の比率に計量、混合して用いられる。
【0084】
A液としては、前記の有機ポリイソシアネートまたはウレタンプレポリマーが挙げられ、好ましくは芳香族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香環含有脂肪族ポリイソシアネート、さらに好ましくは4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(イソシアヌレート体)、m−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートの少なくとも1種あるいはこれらと前記の活性水素基含有化合物からなるプレポリマーの混合物であり、遊離イソシアネート基含有量8〜15重量%のものが挙げられる。A液には必要により、前記の添加剤から選ばれた化合物が含まれてもよいが、溶剤は残留する恐れがあり好ましくない。
【0085】
B液としては、前記活性水素基含有化合物の混合物が挙げられる。活性水素基含有化合物としては、活性水素基2〜4のアミン類から選ばれる2種以上を併用したものが好適である。
アミン類としては平均分子量200〜6000のポリオキシアルキレンジアミン、ポリオキシアルキレントリアミンが挙げられ、より具体的にはポリプロピレングリコール鎖の末端ヒドロキシル基のアミノ化されたジアミン、トリアミンが好適である。また、これと併用されるアミン類としては、アミン価180〜700の芳香族ポリアミン、好ましくは3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、1,1'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、1,1',2,2'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3',5,5'−テトラエチル−4,4'−ジアミノジフェニル−メタン、N,N'−ビス(t−ブチル)−4,4'−ジアミノジフェニル−メタン、ジ(メチルチオ)トルエンジアミンなどが挙げられ、これらから選ばれる少なくとも1種である。さらに必要により前記の添加剤が含まれてもよいが、溶剤は残留する恐れがあり好ましくない。
【0086】
2液硬化型ウレア樹脂において、A液とB液の混合比率はA液中のイソシアネート基とB液中のアミノ基の比率に基づいて決められ、イソシアネート基1個に対しアミノ基0.5〜1.5個、好ましくは0.8〜1.2個の範囲である。
2液硬化型ウレタン樹脂、2液硬化型ウレタンウレア樹脂および2液硬化型ウレア樹脂において、それぞれの混合物の反応性は、JISK5400に規定される指触乾燥時間で2〜3600秒、好ましくは2〜1800秒であることが作業効率の向上のために望ましい。
【0087】
該反応性の調整は、2液硬化型ウレタン樹脂、2液硬化型ウレタンウレア樹脂にあっては、たとえば、前記の触媒、好ましくは酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、オクチル酸コバルトなどより選ばれる少なくとも1種の触媒、有機酸により行うことができる。2液硬化型ウレア樹脂にあっては、たとえば、電子吸引性基を有する1,1'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、1,1',2,2'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタンまたはジ(メチルチオ)トルエンジアミンなどを併用または多用することによりできる。
【0088】
また、2液硬化型ウレタン樹脂、2液硬化型ウレタンウレア樹脂、2液硬化型ウレア樹脂のうち少なくとも1種からなる防水材の破断伸び率と引張強度は、ひび割れ負荷耐性およびずり耐性にとって重要であり、この点から、本発明に用いられる前記防水材は、破断伸び率450〜800%と引張強度5〜25MPaの物性を有するものが好ましい。
【0089】
(層間プライマー)
本発明にかかる複合構造体の防水施工方法においては、防水層と接着剤層との接合のために層間プライマーを用いることが好ましい。特に、防水材が完全硬化した後でも、層間プライマーを塗布することにより、防水材と接着用シートを強固に接合できるため好ましい。
【0090】
本発明に用いられる防水材表面に塗装される層間プライマーとしては、前記のような湿気硬化型1液ウレタン樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂、2液硬化型ウレタンウレア樹脂の群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
これらのうちでは、層間プライマーとしては、湿気硬化型1液ウレタン樹脂がより好ましい。
【0091】
これらの層間プライマーとしては、基材用プライマーに用いる硬化性ウレタン樹脂プライマーとして記載したプライマーを用いることが好ましい。なお、このプライマーには水硬化性粉末を含有する必要はないが、必要に応じて添加してもよい。
これらは単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で添加材や他のプライマーを用いてもよい。
【0092】
(接着用シート)
本発明では、接着用シートを、防水材とアスファルト舗装材とを一体化させるために用いてもよい。
前記接着用シートは、上述した熱可塑性樹脂組成物からなり、前記接着用シートの厚さには、特に限定はないが、0.01〜1mmのフィルム状またはシート状であることが好ましく、0.1〜0.5mmがさらに好ましい。
【0093】
また、前記接着用シートは、穴を有することが好ましい。このように接着用シートに穴が存在する場合には、シート貼り付け時の空気などガス溜りを逃がすことができ、シートの接着不良などが回避できる。
前記接着用シートは、1m2あたり100個以上の穴を有することが好ましく、1m2あたり500個以上の穴を有することがより好ましく、1m2あたり1000個以上の穴を有することが特に好ましい。穴についてはシートに均等に空けることが好ましいが、空気抜きの目的のためにその穴の開孔密度をシートの各部において適宜変更してもよい。
【0094】
穴の形状は、円状、楕円状、三角形、四角形、五角形、六角形などの多角形などいずれの形状でもよい。
穴のサイズは、ガス抜きが実施できるものであればいずれでもよいが、通常その孔の1ヶあたりの面積は、0.01mm2〜10mm2であり、好ましくは0.05mm2〜8mm2、より好ましくは0.1mm2〜5mm2である。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘度調整剤とからなる特定の熱可塑性樹脂組成物により、防水材として硬化性ウレタン樹脂、硬化性ウレタンウレア樹脂、硬化性ウレア樹脂の群から選ばれる樹脂を用いた場合にも、防水材と熱アスファルトとの良好な接着力が得られる。具体的には、ホイールトラッキング負荷後であっても、−30℃で2.4N/mm2を超え、さらに60℃でも0.1N/mm2を超える接着力を得ることができる。
【0096】
したがって、本発明によれば、防水材に硬化性ウレタン樹脂、硬化性ウレタンウレア樹脂、硬化性ウレア樹脂の群から選ばれる樹脂を用いた場合にも、防水層と熱アスファルトをバインダーとするアスファルト舗装層とを強固に一体化することができ、基板からアスファルト舗装層までを強固に一体化した自動車道路などの複合構造体を提供することができる。
【0097】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、使用した材料は以下の通りである。
[2液硬化型ウレタンウレア樹脂]
防水材として、2液硬化型ウレタンウレア樹脂(リムスプレーF−1000、三井化学産資社製)を用いた。
[2液硬化型ウレア樹脂]
防水材として、2液硬化型ウレア樹脂(ポリウエイAR−400、サン テクノケミカル社製)を用いた。
[基材用プライマーおよび層間プライマー]
基材用プライマーおよび層間プライマーとして、湿気硬化型1液ウレタン樹脂プライマー(プライマーJW、三井武田ケミカル社製)を用いた。
[アスファルト舗装材]
改質II型アスファルトおよび骨材を185℃に加熱し、ミキサーで混合して熱アスファルトをバインダーとするアスファルト舗装材(熱アスファルトコンクリート)とした。
【0098】
【調製例1】
[熱可塑性樹脂組成物▲1▼の調製]
変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(デュミランC−2271、三井武田ケミカル社製)100重量部に対し、天然ロジン67重量部を200℃に加熱して混合し、熱可塑性樹脂組成物▲1▼を調製した。
【0099】
この熱可塑性樹脂組成物▲1▼の220℃での溶融粘度と150℃での溶融粘度を、レオメーター(RHEOLOGICA Instruments AB社製、RHEO EXPLORER)を用いて測定したところ、220℃での溶融粘度は8.2Pa・s、150℃での溶融粘度は63Pa・sであった。
【0100】
【調製例2】
[熱可塑性樹脂組成物▲2▼の調製]
変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(デュミランC−2271、三井武田ケミカル社製)100重量部に対し、ロジン誘導体(スーパーエステルA−100,荒川化学工業社製)67重量部を200℃に加熱して混合し、熱可塑性樹脂組成物▲2▼を調製した。
【0101】
この熱可塑性樹脂組成物▲2▼の220℃での溶融粘度と150℃での溶融粘度を、レオメーター(RHEOLOGICA Instruments AB社製、RHEO EXPLORER)を用いて測定したところ、220℃での溶融粘度は9.3Pa・s、150℃での溶融粘度は68Pa・sであった。
【0102】
【調製例3】
[熱可塑性樹脂組成物▲3▼の調製]
変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(デュミランC−2271、三井武田ケミカル社製)100重量部に対し、ロジン誘導体(スーパーエステルA−100,荒川化学工業社製)80重量部、酢酸ビニル含有量25重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体20重量部を200℃に加熱して混合し、熱可塑性樹脂組成物▲3▼を調製した。
【0103】
この熱可塑性樹脂組成物▲3▼の220℃での溶融粘度と150℃での溶融粘度を、レオメーター(RHEOLOGICA Instruments AB社製、RHEO EXPLORER)を用いて測定したところ、220℃での溶融粘度は8.6Pa・s、150℃での溶融粘度は66Pa・sであった。
【0104】
【調製例4】
[熱可塑性樹脂組成物▲4▼の調製]
酢酸ビニル含有量40重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(エバフレックス40、三井デュポンポリケミカル社製)100重量部に対し、ロジン誘導体(スーパーエステルA−100,荒川化学工業社製)67重量部を200℃に加熱して混合し、熱可塑性樹脂組成物▲4▼を調製した。
【0105】
この熱可塑性樹脂組成物▲4▼の220℃での溶融粘度と150℃での溶融粘度を、レオメーター(RHEOLOGICA Instruments AB社製、RHEO EXPLORER)を用いて測定したところ、220℃での溶融粘度は7.0Pa・s、150℃での溶融粘度は50Pa・sであった。
【0106】
【実施例1】
水中に24時間浸漬した形状60×300×300mmのJISマーク入りコンクリート板(市販品)を水中から取出し、表面の水膜をペーパータオルで除去した後、直ちに基材用プライマーを中毛ローラー刷毛で塗布した。
15分でこのプライマーは指触乾燥状態となったが、塗付してから30分後、温度60℃、吐出圧力10.5MPaで2液硬化型ウレタンウレアを2.2(kg/m2)、プロブラーガンで吹きつけた。
【0107】
該被膜は約20秒で指触乾燥状態になったが、スプレーしてから3時間後、層間プライマーを短毛ローラー刷毛によって0.1(kg/m2)塗布、指触乾燥の後、200℃で溶融した熱可塑性樹脂組成物▲1▼をホットコテを用い厚さ約0.5mmになるように流し延べ施工した。
翌日、予め185℃で混合したアスファルット舗装材を厚さ4cmになるように敷設、転圧して試験体1を作製した。
【0108】
作製した試験体1を約20℃の水中に24時間浸漬、次いで60℃、湿度80%に調整した恒温恒湿庫内で24時間処理した。該処理した試験体1は、一方はそのまま試験体を約10cm角の試験片に切り出し加工し、他方は新床版防水規格(案)(日本道路公団編)に基づき、ホイールトラッキング負荷試験を行った後、約10cm角の試験片に切り出し加工し、共に新床版防水規格(案)(日本道路公団編)に基づき、引張り接着試験に供した。
【0109】
結果を表1に示す。
【0110】
【実施例2】
熱可塑性樹脂組成物▲1▼の代わりに熱可塑性樹脂組成物▲2▼を用いた以外、実施例1と同じ材料と手順で試験体2を作製した。
作製した試験体2を実施例1と同様に処理、試験片を作製して、引張り接着試験に供した。
【0111】
結果を表1に示す。
【0112】
【実施例3】
熱可塑性樹脂組成物▲1▼の代わりに熱可塑性樹脂組成物▲3▼を用いた以外、実施例1と同じ材料と手順で試験体3を作製した。
作製した試験体3を実施例1と同様に処理、試験片を作製して、引張り接着試験に供した。
【0113】
結果を表1に示す。
【0114】
【実施例4】
2液硬化型ウレタンウレア樹脂の代わりに2液硬化型ウレア樹脂を用い、熱可塑性樹脂組成物▲1▼の代わりに熱可塑性樹脂組成物▲2▼を用いた以外、実施例1と同じ材料と手順で試験体4を作製した。
作製した試験体4を実施例1と同様に処理、試験片を作製して、引張り接着試験に供した。
【0115】
結果を表1に示す。
【0116】
【比較例1】
熱可塑性樹脂組成物▲1▼の代わりに熱可塑性樹脂組成物▲4▼を用いた以外、実施例1と同じ材料と手順で試験体5を作製した。
作製した試験体5を実施例1と同様に処理、試験片を作製して、引張り接着試験に供した。
【0117】
結果を表1に示す。
【0118】
【表1】
Figure 0004024615

Claims (6)

  1. (a)基材上に防水層を設け、
    (b)該防水層の上に、
    変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘度調整剤とからなり、
    レオメーターによる220℃での溶融粘度が15Pa・s以下であり、かつ、150℃での溶融粘度が20Pa・s以上である熱可塑性樹脂組成物を含有する接着剤層を設けた後、
    (c)該接着剤層の上に熱アスファルトコンクリートを敷設、転圧し、アスファルト舗装層を設け、かつ、
    該防水層が、硬化性ウレタン樹脂、硬化性ウレア樹脂および硬化性ウレタンウレア樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料によって形成されている
    ことを特徴とする複合構造体の防水施工方法。
  2. 前記(b)工程の際に、
    防水層上に、湿気硬化型ウレタン樹脂、2液混合型ウレタン樹脂、2液硬化型ウレタンウレア樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料を含有する層間プライマーを塗付し、該プライマー層上に接着剤層を設けることを特徴とする請求項に記載の複合構造体の防水施工方法。
  3. (a)基材上に防水層を設け、
    (b)該防水層の上に、
    変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘度調整剤とからなり、
    レオメーターによる220℃での溶融粘度が15Pa・s以下であり、かつ、150℃での溶融粘度が20Pa・s以上である熱可塑性樹脂組成物を含有する接着剤層を設けた後、
    (c)該接着剤層の上に熱アスファルトコンクリートを敷設、転圧し、アスファルト舗装層を設け、かつ、
    前記(b)工程の際に、
    該防水層上に、湿気硬化型ウレタン樹脂、2液混合型ウレタン樹脂、2液硬化型ウレタンウレア樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料を含有する層間プライマーを塗付し、該プライマー層上に接着剤層を設ける
    ことを特徴とする複合構造体の防水施工方法。
  4. 前記(b)工程の際に、
    層間プライマー層が指触乾燥状態になるまでに、該層間プライマー層上に前記熱可塑性樹脂組成物を塗付して接着剤層を設けることを特徴とする請求項2または3に記載の複合構造体の防水施工方法。
  5. 前記基材が、橋梁、高架道路、高架鉄道の床版;道路や駐車場のスラブ;建造物の屋上スラブおよび屋根スラブ;地下構造物の擁壁および天井からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合構造体の防水施工方法。
  6. 請求項に記載の防水施工方法により得られる複合構造体。
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