JP4099699B2 - プロトン伝導材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池、水電解、水素センサ、濃淡電池、除湿機等に好適に使用できるプロトン伝導材料に関し、特に燃料電池の電極触媒層に適用することが好ましいプロトン伝導材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池用として実用に耐えるプロトン伝導材料としては、ナフィオン(商標)を代表とするパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子材料が主流である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ナフィオンの欠点としては、フッ素樹脂なので高価であることが挙げられる。また、燃料電池の主要構成要素であるMEAにおいてはプロトン伝導材料は電解質膜部分だけでなく電極触媒層にも用いられている。電極触媒層においてプロトン伝導材料に求められる性能は高いプロトン伝導性のほか、高い酸素透過性が要求される。プロトン伝導材料の酸素透過性が低いと、反応点(三相界面)の形成に難がある。ナフィオンは水分の存在下で酸素透過性を発揮するので、酸素透過性を制御するには常に含水率を調節する必要がある。含水率は高すぎてもフッラディング等の不具合を生じる。
【0004】
そこで本発明では、高いプロトン伝導性を有すると共に、含水率に関わらず高い酸素透過性を示すプロトン伝導材料を提供することを解決すべき課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する目的で本発明者は鋭意研究を行った結果、第1鎖状構造と、該第1鎖状構造にグラフト化された第2鎖状構造とをもつ化学構造を有する高分子材料からなり、
該第1鎖状構造及び該第2鎖状構造は、ポリオレフィン、水素の一部乃至全部をフッ素で置換したフッ素置換オレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド及びポリシロキサンから選択される基本構造をもち、
該第1鎖状構造及び該第2鎖状構造の少なくとも一方は、一般式(1)で表される部分構造と、スルホン酸官能基、リン酸、アクリル酸、シラノール及びカルビノールから選択される強酸性官能基とをもち、
前記第1鎖状構造及び該第2鎖状構造の末端部のうちの少なくとも一部が一般式(2)で表される構造をもつことを特徴とするプロトン伝導材料を発明した。
【0006】
【化3】
【化4】
【0007】
(式(1)中、n>0且つR1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基である。)(式(2)中、m≧0且つR3及びR4はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基である。)なお、式中“*”で表すのは、本部分構造が導入・結合される第1鎖状構造及び/又は第2鎖状構造の部分を示しており、不特定の、元素、官能基、高分子鎖が結合することを表す。
【0008】
つまり、非極性のジアルキルシロキサン構造を分子構造中にもつことで酸素溶解性が増すと共にジアルキルシロキサン構造の運動性の高さから酸素の拡散性にも優れ、高い酸素透過性を達成できる。そして、前記第2鎖状構造の末端部のうちの少なくとも一部が一般式(2)で表される構造をもつことで、ジアルキルシロキサン構造部分の運動性が向上して、より高い酸素透過性を示すことができる。
【0009】
更に、上記課題を解決する本発明のプロトン伝導材料は、第1鎖状構造と、該第1鎖状構造にグラフト化された第2鎖状構造とをもつ化学構造を有する高分子材料からなり、
該第1鎖状構造は、ポリオレフィン、水素の一部乃至全部をフッ素で置換したフッ素置換オレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド及びポリシロキサンから選択される基本構造をもち、
前記第2鎖状構造が一般式(2)で表される構造をもつことを特徴とする。
【0010】
ここで一般式(1)及び(2)のジアルキルシロキサン構造が有するアルキル基はメチル基であることが酸素透過性向上の観点から好ましい。また、前記高分子材料は線状高分子からなることがプロトン伝導材料の柔軟性の観点から好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のプロトン伝導材料は、第1鎖状構造と、その第1鎖状構造にグラフト化された第2鎖状構造とをもつ化学構造を有する高分子材料からなる。ここで、本発明のプロトン伝導材料を構成する高分子材料は、線状高分子であっても三次元網目状構造をもつ高分子であってもよいが、柔軟性の観点から線状分子からなることが好ましい。
【0012】
本発明のプロトン伝導材料は前述の高分子材料のほかに、他の高分子化合物を混合して用いることができる。混合できる高分子化合物としては特に限定しないが、ナフィオン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリスルホン酸、シリカゲル、エンジニアリングプラスチック等が例示できる。他の高分子化合物を混合する場合には、前述の本発明のプロトン伝導材料の高分子材料をプロトン伝導材料全体に対して、50%以上、より好ましくは60%以上含有することが好ましい。
【0013】
(第1実施形態)
第1鎖状構造及び第2鎖状構造は、炭素−炭素結合を主体とする構造や、ケイ素−酸素結合を主体とする構造をもつ。具体的には、炭素−炭素結合を主体とする構造としては、ポリオレフィン及びその水素の一部乃至全部をフッ素で置換したフッ素置換オレフィン、ポリスチレン、ポリアミド又はポリイミドであり、ケイ素−酸素結合を主体とする構造としては、ポリシロキサンである。第1鎖状構造上に存在する第2鎖状構造の数は特に限定しないが、第1鎖状構造の炭素−炭素結合(ケイ素−酸素結合)が2個〜10個程度に1つの割合で第2鎖状構造をもつことが、高いプロトン伝導度、強度、酸素透過性のバランスの観点から好ましい。
【0014】
更に、本プロトン伝導材料は、第1鎖状構造及び第2鎖状構造の少なくとも一方が、一般式(1)で表される部分構造(ジアルキルシロキサン構造)と、強酸性官能基とを有することを特徴とする。一般式(1)中のR1及びR2はアルキル基を示す。酸素透過性向上の観点からは、双方とも特にメチル基であることが好ましい。
【0015】
ジアルキルシロキサン構造はケイ素原子に2つのアルキル基が結合するほかは特に限定しない。アルキル基が2つ結合することで高い酸素透過性を発揮する。ジアルキルシロキサン構造はシロキサン単位(Si−O)の繰り返し数が1つ以上存在すればよい。特にシロキサン単位の繰り返し数が大きいこと(例えば、シロキサン単位が10個以上)が酸素透過性向上の観点から好ましい。
【0016】
強酸性官能基としては、スルホン酸官能基、リン酸、アクリル酸、シラノール及びカルビノールから選択できる。強酸性官能基としては特にスルホン酸官能基が好ましい。
【0017】
ここで、一般式(1)で表されるシロキサン構造は、一般式(2)で表される構造(ジアルキルシロキサン構造及び強酸性官能基)として、第2鎖状構造の末端部に導入されることが特に好ましい。第2鎖状構造にジアルキルシロキサン構造を有する場合には、ジアルキルシロキサン構造のシロキサン単位は一般式(2)におけるmの値が1〜4で有ることが好ましい。シロキサン単位の繰り返し数は機械強度、耐熱性の安定性向上及びEW(Equivalent Weight:強酸性官能基1つ当たりの分子量)値向上の観点からは小さいことが好ましく2個以下が好ましい。
【0018】
本発明のプロトン伝導材料を製造する方法は特に限定されない。例えば第1鎖状構造に相当する分子鎖に第2鎖状構造をグラフト化することにより製造できる。第1鎖状構造に第2鎖状構造をグラフト化する方法としては、例えば第1鎖状構造上に高エネルギー線照射等の何らかの方法でラジカルを生成し、そのラジカルを基点にして第2鎖状構造を構成するモノマーを重合成長させたり、第1鎖状構造上に反応性の官能基を導入して、その官能基に第2鎖状構造を結合させることで達成できる。また、第2鎖状構造の端部にビニル基等の重合性の官能基を付与し、第1鎖状構造を構成するモノマーと共に重合させて、第1鎖状構造を合成すると同時に第2鎖状構造を導入することもできる。
【0019】
一般式(1)で表されるジアルキルシロキサン構造は、例えば、対応するジアルキルジクロロシランを適正な条件で重合させることで得られる。また、一般式(2)のように、第2鎖状構造の末端部にスルホン化したフェニル基を導入するにはフェニル基が結合されたシラン化合物を用いてフェニル基をジアルキルシロキサン構造に導入した後に発煙硫酸等によりスルホン化することで得られる。
(第2実施形態)
本実施形態のプロトン伝導材料は概ね第1実施形態のプロトン伝導材料と同じであるが以下の点で異なっている。すなわち、第2鎖状構造が一般式(2)で表される構造をもつことを特徴とする。その他の構造や製造方法などについては第1実施形態のプロトン伝導材料と同じなので記載を省略する。
【0020】
【実施例】
(試験例1)
(a)室温、窒素雰囲気下にて、ポリHメチルシロキサン(分子量2000)と、末端ビニルポリジメチルシロキサン(分子量2000)とを化学量論比にてH:ビニル=100:1で混合し、充分に攪拌した。その後、ビニル基に対して白金換算100ppmの白金錯体(白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体)を添加して、ホモジナイザーで充分に攪拌して溶液とした。そして、炉にて溶液を150℃24時間加熱処理を行い、徐冷して室温に戻した。
【0021】
(b)室温、窒素雰囲気下にて、ビニルテトラメチルジシロキサンと、スルホン化トリフェニルシラノール−メチレンクロライド30%溶液とを化学量論比H:OH=1:1で混合し、充分に攪拌した。その後、Hに対してスズ換算で150ppmのスズ触媒(ビス(2−エチルへキシル)スズ)を添加してホモジナイザーで充分に攪拌して溶液とした。そして、炉にて溶液を150℃24時間加熱処理を行い、徐冷して室温に戻した。
【0022】
(c)(a)で調製した溶液のH量と(b)で調製した溶液のビニル基の量とが化学量論比でH:ビニル=1:1.5となるように混合し、ビニル基に対して白金換算100ppmの白金錯体(白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体)を添加した。ホモジナイザーで充分に攪拌して溶液とした。これをPTFE製の平板上にキャスティングして製膜した後に、炉にて150℃24時間加熱処理を行い試験例1の試験試料である薄膜を得た。この薄膜は第1鎖状構造、第2鎖状構造共にジメチルシロキサン構造を有する。
【0023】
(試験例2)
室温、窒素雰囲気下にて、ビニルテトラメチルジシロキサンと、トリフェニルシラノール−メチレンクロライド30%溶液とを化学量論比H:OH=1:1で混合し充分に撹拌した。その後、Hに対してスズ換算で150ppmのスズ触媒(ビス(2−エチルへキシル)スズ)を添加してホモジナイザーで充分に攪拌して溶液とした。そして、炉にて溶液を150℃24時間加熱処理を行い、徐冷して室温に戻した。これにスチレンモノマーを加えて、よく混合し、さらにAIBNを加え70℃12時間加熱して薄膜を得た。これを60%発煙硫酸に24時間浸漬してフェニル基のスルホン化を行った後に、純水、エタノールで順に洗浄・乾燥して試験例2の試験試料である薄膜を得た。この薄膜は第2鎖状構造にジメチルシロキサン構造を有する。
【0024】
(試験例3)
室温、窒素雰囲気下にて、ポリHメチルシロキサン(分子量2000)と、末端ビニルポリジメチルシロキサン(分子量2000)とを化学量論比にてH:ビニル=100:1で混合し、充分に攪拌した。その後、ビニル基に対して白金換算100ppmの白金錯体(白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体)を添加して、ホモジナイザーで充分に攪拌して溶液とした。そして、炉にて溶液を150℃24時間加熱処理を行い、徐冷して室温に戻した。さらに、窒素雰囲気下でスルホン化トリフェニルビニルシラン−メチレンクロライド30%溶液を加えた(化学量論比H:ビニル=1:1.5)。充分に撹拌した後に、白金錯体(白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体)をHに対して100ppm添加した。これをPTFE製の平板上にキャスティングして製膜した後に、炉にて150℃24時間加熱処理を行い試験例3の試験試料である薄膜を得た。この薄膜は第1鎖状構造にジメチルシロキサン構造を有する。
【0025】
(試験例4)
室温、窒素雰囲気下にて、ジアリルジフェニルシラン、ビニルトリフェニルシラン、スチレンをメチレンクロライドを溶媒としてモル比4:5:1で混合した。これに重合開始剤としてAIBNを0.02モル添加し、70℃で12時間加熱して薄膜を得た。これを60%発煙硫酸に24時間浸漬し、フェニル基のスルホン化を行い、純水、エタノールで順に洗浄・乾燥して試験例4の試験試料である薄膜を得た。この薄膜は第1鎖状構造、第2鎖状構造共にジメチルシロキサン構造を有さない。
【0026】
(試験例5)
市販のプロトン伝導材料製薄膜(ナフィオン)を試験例5の試験試料とした
(試験例6)
室温、窒素雰囲気下にて、ポリHメチルシロキサン(分子量2000)と、末端ビニルポリジメチルシロキサン(分子量2000)とを化学量論比にてH:ビニル=100:1で混合し、充分に攪拌した。その後、ビニル基に対して白金換算100ppmの白金錯体(白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体)を添加して、ホモジナイザーで充分に攪拌して溶液とした。そして、炉にて溶液を150℃24時間加熱処理を行い、徐冷して室温に戻した。次に調製した溶液に室温、窒素雰囲気下でスルホン化トリフェニルビニルシラン−メチレンクロライド30%溶液を加えた(混合比はH:ビニル=1:1.5)。充分に撹拌した後に、Hに対して白金換算100ppmの白金錯体(白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体)を添加して、ホモジナイザーで充分に攪拌して溶液とした。これを膜状にキャストして、炉にて150℃2時間加熱乾燥処理を行い、薄膜を得た。
【0027】
(試験例7)
1.室温、窒素雰囲気下にて、ポリHメチルシロキサン(分子量2000)と、末端ビニルポリジメチルシロキサン(分子量2000)とを化学量論比にてH:ビニル=100:1で混合し、充分に攪拌した。その後、ビニル基に対して白金換算100ppmの白金錯体(白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体)を添加して、ホモジナイザーで充分に攪拌して溶液とした。そして、炉にて溶液を150℃24時間加熱処理を行い、徐冷して室温に戻した。
【0028】
2.次に、室温、窒素雰囲気下でビニルジメチルシランとスルホン化トリフェニルシラノール−メチレンクロライド30%溶液とを化学量論比H:OH=1:1で混合し充分に撹拌した後に、Hに対してスズ換算で150ppmのスズ触媒(ビス(2−エチルへキシル)スズ)を添加しホモジナイザーで充分に撹拌して溶液とした。その後、炉にて溶液を150℃24時間加熱処理を行い、徐冷して室温に戻した。
【0029】
3.1.で調製した溶液のH量と2.で調製した溶液のビニル基との化学量論比がH:ビニル=1:1.5となるように混合し、ビニル基に対して白金換算100ppmの白金錯体(白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体)を添加して、ホモジナイザーで充分に攪拌して溶液とした。これを膜状にキャストして、炉にて150℃2時間加熱乾燥処理を行い、薄膜を得た。なお、試験例1〜7における説明中で「ppm」とあるのは、対応するH又はビニル基のモル数に対する添加する化合物中の白金又はスズのモル数の大きさをあらわす。
【0030】
(試験)
(プロトン伝導性の測定)
各試験試料1〜5について、それぞれプロトン伝導度を測定した。プロトン伝導度の測定は雰囲気温度を80℃とし、相対湿度を30%、60%、90%の3条件に変動して交流インピーダンス法にて測定を行った。各試験試料はそれぞれの雰囲気下で2時間保持して薄膜の含水量を平衡状態とした後にプロトン伝導性を測定した。
【0031】
(酸素透過係数の測定)
各試験試料1〜5について、酸素透過係数を測定した。各試験試料の薄膜を隔壁とした2つの領域をもつ試験装置を用意した。2つの領域はそれぞれガスの流入路と流出路とをもつ。2つの領域の一方の流入路からArガスを500mL/分で流通させ、他方の領域の流入路から空気を500mL/分で流通させた。Arガスを流した側の領域についてガスの成分分析をガスクロマトグラフで行い、空気中の各成分が薄膜を透過する量を評価した。
【0032】
供給する空気には断続的に水蒸気を全体量に対して30%添加した。水蒸気の添加、非添加により薄膜をウェット状態及びドライ状態の間で変化させた。そして、ウェット状態及び乾燥状態の間で、酸素等が各試験試料の薄膜を透過する量の変化を測定した。測定した酸素透過性の結果から各試験試料の薄膜の酸素透過係数を算出した。
【0033】
(結果)
各試験例の試験試料のプロトン伝導性を表1に、酸素透過係数を表2にそれぞれ示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
表1から明らかなように、試験例1〜4の試験試料は代表的な従来のプロトン伝導材料である試験例5のナフィオンと遜色のないプロトン伝導性を示している。
【0037】
表2から明らかなように、第2鎖状構造にジメチルシロキサン構造を導入した試験例1及び2の試験試料はウェット状態においては勿論のこと、ドライ状態においても試験例5のナフィオンよりも1桁以上高い酸素透過係数を示した。また、第1鎖状構造のみにジメチルシロキサン構造を導入した試験例3の試験試料は試験例5のナフィオンよりは劣るもののジメチルシロキサン構造を導入していない試験例4の試験試料よりも高い酸素透過係数を示しており、ジメチルシロキサン構造の導入による酸素透過係数の向上効果を裏付ける結果となった。
【0038】
また、試験例1及び5について、酸素透過係数測定の実測値を図1(試験例1)及び2(試験例5)に示す。試験例5のナフィオン薄膜は水蒸気の添加時においては或る程度の酸素透過性を示すが、水蒸気の供給を中断すると酸素の透過性がほぼなくなった。それに対して、本発明のプロトン伝導材料である試験例1の薄膜は水蒸気の供給を行った方が水蒸気を供給しないよりも高い酸素透過性を示すものの、水蒸気の供給を中断しても有る程度の酸素透過性が認められ加湿による酸素透過性の変動が少ないことが明らかとなった。したがって、本プロトン伝導材料を燃料電池の電極触媒層に用いることで、低加湿状態から触媒層に充分なプロトンの供給を行うことができるという効果が発揮される。
【0039】
(側鎖(第2鎖状構造)のジメチルシロキサン構造のシロキサン単位の数とEW値との関係について)
試験例1、6及び7について、EW値を測定した。試験例1、6及び7の試験試料は下式に示す構造において、それぞれm=0(試験例6)、m=1(試験例7)及びm=2(試験例1)である。
【0040】
【化5】
【0041】
なお、式中“*”で表されるのは延長された第1鎖状構造が結合されることを示す。
【0042】
EW値の測定は塩化ナトリウム滴定法にて行った。具体的には塩化ナトリウムを加え、発生した塩酸の量からpH値を測定し、活性なスルホン酸基を定量するものである。(*−SO3H+NaCl→*−SO3Na+HCl)
その結果、EW値は、m=0の試験試料(試験例6)では850、m=1の試験試料(試験例7)では800、m=2の試験試料(試験例1)では620と第2鎖状構造の長さが短いほど高い値を示し、プロトン伝導性に関与するスルホン酸基の量が相対的に多いことが明らかとなった。詳細は示さないが、mの値が大きくなるにつれて、酸素透過係数の測定値が大きくなることが明らかとなった。
【0043】
【発明の効果】
本発明のプロトン伝導材料は、分子構造中にジメチルシロキサン構造を有することで、高いプロトン伝導性を保ちながら、高い酸素透過係数を発揮できる。したがって、燃料電池の電極触媒層等のように、高い酸素透過係数が要求される用途に好適に適用できる。
【0044】
本発明のプロトン伝導材料の酸素透過性は含水率が低くても発揮できる。したがって、本発明のプロトン伝導材料を燃料電池に適用したときに含水率を制御する必要がなくなるので、含水率を制御するための装置を簡略化できコストの低下が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において酸素透過性を測定した試験例1の実測値を示したグラフである。
【図2】実施例において酸素透過性を測定した試験例5の実測値を示したグラフである。
Claims (4)
- 第1鎖状構造と、該第1鎖状構造にグラフト化された第2鎖状構造とをもつ化学構造を有する高分子材料からなり、
該第1鎖状構造及び該第2鎖状構造は、ポリオレフィン、水素の一部乃至全部をフッ素で置換したフッ素置換オレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド及びポリシロキサンから選択される基本構造をもち、
該第1鎖状構造及び該第2鎖状構造の少なくとも一方は、一般式(1)で表される部分構造と、スルホン酸官能基、リン酸、アクリル酸、シラノール及びカルビノールから選択される強酸性官能基とをもち、
前記第1鎖状構造及び該第2鎖状構造の末端部のうちの少なくとも一部が一般式(2)で表される構造をもつことを特徴とするプロトン伝導材料。
(式(1)中、n>0且つR1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基である。)
(式(2)中、m≧0且つR3及びR4はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基である。) - 前記アルキル基はメチル基である請求項1又は2に記載のプロトン伝導材料。
- 前記高分子材料は線状高分子からなる請求項1〜3のいずれかに記載のプロトン伝導材料。
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