JP4091801B2 - 温室の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温室における天窓制御、カーテン制御などの温室内の温度制御や、水耕栽培の水温、栄養素の状態の栽培条件の制御など、温室内の栽培環境の制御を行なう制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より行われている温室栽培では、一般的には、個人農家が施設温室で花卉や野菜を小規模で生産している。そのため、天窓、換気扇、加熱器などの温室内の各種設備も手動操作か、あるいはリレーと操作制御盤を用いた比較的簡単な電動制御で行っている。ところが、近年共同経営による大規模温室や、大企業によるバイオ工場が増加しており、コンピュータを用いた温室施設における環境計測・制御や各種機器の大規模な制御も行なわれるようになってきている。また、複数の温室を統合的に制御することも望まれている。
【0003】
温室内の空気の温度や換気あるいは日照時間の制御は、一般的には天窓の開閉・カーテンの開閉・加熱機による加温・換気扇による換気などで制御されている。また、水耕栽培などの栽培システムでは、それらの温室内の温度などの管理に加えて、培養液の水温・PH・養分、さらに温室内のCO2 濃度など、各種の栽培条件の管理が実施されている。
【0004】
図13の温室1は、花卉や野菜の栽培を行なうものであり、温室1の両側の側面には開閉自在の側窓2が略全長にわたって設けられており、屋根には開閉自在の天窓3が開閉自在に設けられている。また、温室1の側窓2を含む透明な側壁の内側や、天窓3を含む透明な天井の下面には、日照量(光量)を調整するための電動カーテン4が設けられている。さらに、温室内の温度を検出するための温度センサ5や、温室内の湿度を検出するための湿度センサ6が配置されている。
【0005】
前記側窓2は側窓用モータ7によって開閉されるようになっており、側窓2の開閉の検出はリミットスイッチ10で行なっている。同様に天窓3の開閉は天窓用モータ9で、天窓1の開閉の検出はリミットスイッチ12で、カーテン4の開閉はカーテン用モータ13で、そのカーテン4の開閉の検出はリミットスイッチ14でそれぞれ行なっている。また、温室1内の暖房を行なう暖房機15や冷房機が屋外に配設され、さらに、側壁には温室1内の空気を換気する換気扇16が配設されている。上記各部材とデータや制御信号の授受を行なって、各部材を制御して温室1内の環境制御を行なう制御盤17が設けられている。
【0006】
図14は前述の温室1に加えて、水耕栽培を行う栽培システムを備えた温室における全体の構成図であり、図17〜19はこの栽培システムの機能ブロック図を示している。図13と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。温室1の天井下面には複数のランプ20が配置されており、また日射センサ21も設けられている。そして図17に示すように、日射センサ21やカーテン4の開閉検出用のリミットスイッチ14からの信号を受けて、ランプ20の点灯、消灯の制御や、カーテン4の開閉制御を日射制御用の制御盤22により行なっている。
【0007】
また、図17の温水制御用の制御盤23は、水温センサを備えた温水タンク24内の温水をボイラ25で加熱したり、ポンプ26で温水タンク24内の温水を栽培室内の温水供給弁27を介して熱交換ファン29側に供給したり、培養液の温水供給弁28を介して貯留槽30内の熱交換器31へ供給するように制御している。さらに温水制御用の制御盤23は、水位センサで温水タンク24内の水位を検出して適宜な水位を保つように制御したり、ボイラ25の異常や燃料の残量検知等を行なっている。
【0008】
他方、図17の冷水制御用の制御盤34は、水温センサを備えた冷水タンク35内の冷水をチラー36で冷却制御したり、ポンプ37を運転制御して冷水タンク35内の冷水を栽培室の温水供給弁38を介して前記の熱交換ファン29側に供給したり、前記培養液の温水供給弁39を介して貯留槽30内の熱交換器31へ冷水を供給するように制御している。さらに冷水制御用の制御盤34は、水位センサで冷水タンク35内の水位を検出して適宜な水位を保つように制御したり、また、チラー36の異常の検知等を行なっている。
【0009】
他方、図18の温湿度制御用の制御盤42は、温度センサ5や湿度センサ6からの信号を受けて、これらのデータに基づいて熱交換ファン29、換気扇16、加湿器等を運転制御したり、また、上記栽培室の温水供給弁27や冷水供給弁38を開閉制御して温室1内の温度や湿度を一定ないし所定の範囲に保つように制御している。
【0010】
さらに、図19の培養液制御用の制御盤43では以下のような制御を行なっている。すなわち、各供給弁44〜47を開閉制御して、酸、アルカリ、第1培養液、第2培養液を調整槽48に供給したり、この調整槽48や貯留槽30の水位をセンサによって検出し、培養床49内の培養液が少なくなってきた場合には調整槽48からの培養液を供給ポンプ50を制御して供給するようにしている。また、バブリング弁51を開閉制御してエアコンプレッサ52からの圧縮空気を調整槽48内に供給してバブリングを行なっている。
【0011】
また、図19のCO2 制御用の制御盤55は、温室1内のCO2 センサからの信号によって供給弁56を介してCO2 ボンベ57からのCO2の供給量を制御している。
【0012】
上述したように、天窓制御・カーテン制御・加熱機・換気扇制御などの環境制御や、この環境制御による環境管理に加えて培養液の水温・PH・養分・CO2 濃度の管理を行なう水耕栽培などの栽培システム制御を行なうために、温室1や付帯設備には、従来からリレーを用いた簡単な制御盤が用いられており、たとえば図17〜19に示すようなシーケンサ・マイクロコンピュータを組み込んだ制御盤などが多く開発されて販売されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
これらの製品は各種目的に合わせて設計され、種類も多く、また、各機器に個別に操作・制御盤があるため、操作が煩わしい、インタロックを取りにくいなどの問題がある。かかる状態を図15に示す。図15では上記各制御盤に対応した同一の機能を有する各制御装置が各温室1に設けられている。温室No.1では培養液制御用の制御盤43に対応した培養液制御装置43aと温湿度制御用の制御盤42に対応した温湿度制御装置42aが設けられ、温室No[N−1]では、これらの装置の他にCO2 制御制御盤55に対応したCO2 供給制御装置55aが設けられている。なお、図15では便宜上概略的に示している。
【0014】
図15に示す温室制御システムでは、各温室1ごとに所望の制御装置(制御盤)が選択的に配設されているので、それぞれの温室1に機能の変更や追加を行う場合、それらの開発に多くの人手と時間を要する。換言すれば、機能の追加は非常に難しい。また、多数の温室1がある場合の全体管理システムへの接続を考慮している制御盤(制御装置)はほとんどない。また、一部の制御盤から異常時の警報などを携帯電話に通報するシステムもあるが、個別に設備を準備する必要からコストは高くなる。
【0015】
たとえば図15の制御システムにおいて、多数の温室1の全体管理を一カ所、例えば管理棟60でパソコンで構成した集中制御装置61にて行なおうとすると、図16に示すように配線長が非常に長くなる。それによって施工費が高くなり、また電圧降下などのトラブルも増加する。
【0016】
また、1つの施設温室内において、天窓の開閉制御を行なう制御盤に、温度センサ・水分センサおよび降雨・風向・風速センサを接続する必要があり、他のカーテンの開閉制御を行なう制御盤には、温度・湿度センサ・日照センサ・水分センサを接続するなど、同一の役目(機能)のセンサを複数個重複して使用するという無駄が生じる。特に、降雨・風向・風速センサなどの気象データは、各温室(棟)で共通に必要であり、バッファを設けて遠くの温室(棟)まで引き回すような不合理なことを行なっている。
【0017】
さらに、図16に示すように、管理棟60の集中制御装置61で多数の温室1を全体管理する場合は、温室1内の各所に設置したセンサやアクチュエータとの制御線を延々と数10mから数100m引き回すことも多々ある。そのため、コントロールされた動力線、特にインバータ出力線などはノイズ発生源となり、制御信号やセンサ出力信号などの微弱信号に悪影響を与えることが多い。センサ出力信号は、一般に微弱電圧・小電流のため、ノイズの影響を受け易く、配線が長い場合、電圧降下の可能性もある。さらに、温室内は高温・多湿条件になることが多く、場合によっては冠水状態になることもあり、温室内での配線用のケーブルの劣化を配慮する必要がある。そのため、電線管やケーブルダクトが使用され、その分、施工が煩雑になると共に、コストも高くなるという問題がある。
【0018】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、配線長をできるだけ短くし、それによって配線材料の削減と工事費の低減を可能とし、また、機能の追加や変更が容易な温室の制御装置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の温室の制御装置(請求項1)は、複数の温室内の栽培環境を制御するための制御装置であって、それぞれの温室が、周囲の栽培環境を検出する複数個のセンサと、制御信号を受信し、その信号に応じて周囲の環境を変化させる複数個のアクチュエータと、前記センサからの検出信号および所定の目標値に基づいてアクチュエータの制御信号を演算し、アクチュエータに対して制御信号を送る、前記センサまたはアクチュエータの近傍に配される複数個のコンピュータ端末と、そのコンピュータ端末とシリアルデータ通信を行う伝送路を介して接続され、前記コンピュータ端末から送られてくる検出信号および温室外の環境を検出するセンサから送られてくる検出信号を監視し、それらの検出信号に基づいて演算した目標値の信号をそれぞれのコンピュータ端末に送信するコンピュータ構成のコントローラとを備えており、前記コンピュータ端末同士が渡り配線で接続された上で前記コントローラに接続されており、複数の温室間のコントローラ同士が伝送路を渡り配線して接続されると共に、前記伝送路には各温室を一括して監視・制御する集中制御装置が設けられていることを特徴としている。
【0020】
かかる構成にすることにより、従来ではすべてのセンサ信号やアクチュエータ信号を制御盤まで引き込んでいたため、配線長は非常に長くなっていたが、本発明では伝送路の引き回しはコンピュータ端末とコントローラとの間、および温室間のコントローラ同士の間だけであり、配線長を従来の数分の1にでき、また、センサ信号とアクチュエータ信号とはセンサやアクチュエータの近傍に配したコンピュータ端末に入出力しており、コンピュータ端末同士は渡り配線された上でコントローラに接続されているので、センサやアクチュエータとコンピュータ端末との配線長を短くすることができ、その分ノイズの影響を少なくすることができる。さらに複数の温室間のコントローラ同士が伝送路を渡り配線して接続され、前記伝送路には各温室を一括して監視・制御する集中制御装置が設けられていることにより、多数の温室をネットワーク化することができ、集中制御装置により全体の管理を容易に行なうことができる。また前記コンピュータ端末同士が渡り配線で接続された上で前記コントローラに接続されているので、温室制御ネットワーク全体の配線長を短くすることができ、材料費及び工事費ともに削減することができる。そのため全体の製造コストを一層安価にすることができる。
【0021】
前記温室の制御装置の好ましい態様(請求項2)は、ひとつのコンピュータ端末が、複数個のセンサからの信号を受信し、前記複数個のアクチュエータに制御信号を送信することを特徴としている。
これにより、一つのコンピュータ端末が複数個のセンサの出力に基づいて複数個のアクチュエータを制御することができ、コンピュータ端末の費用を節減できると共に、配線の手間も少なくしうる。
【0023】
他の好ましい温室の制御装置(請求項5)は、前記コンピュータ端末とコントローラとの間、コントローラと集中制御装置との間は、それぞれ電気伝送方式又は光ファイバを用いた光伝送方式としていることを特徴としている。
これにより、ノイズの影響を受けにくいネットワーク化した温室の栽培システムを容易に構築することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の温室の制御装置の一実施形態を示す構成図、図2は本発明の温室の制御装置の他の実施形態を示す構成図、図3は本発明に関わる複数の温室に適用した温室の制御装置の一実施形態を示す構成図、図4は本発明に関わるCPU端末の一実施形態を示すブロック図、図5は本発明に関わるCPU端末の他の実施形態を示すブロック図、図6は本発明に関わるCPU端末のさらに他の実施形態を示すブロック図、図7は本発明に関わるCPU端末のさらに他の実施形態を示すブロック図、図8は本発明の制御装置による制御作用の一実施形態を示すフローチャート、図9は本発明の制御装置による制御作用の他の実施形態を示すフローチャート、図10〜12は本発明の制御装置の実施形態を示す機能ブロック図である。
【0025】
以下、本発明の制御装置を具体的に説明していくが、従来例と同一の機能を発揮する要素には同一の番号を付して詳細な説明は省略し、本発明の要旨の部分について詳述する。図1はネットワーク式の温室1内における温湿度制御システムの構成図を示し、温室1内に配設されている温度センサ5、湿度センサ6、リミットスイッチ10、12、14などの各種センサや、モータ7、11、14などの各種アクチュエータは、図13の従来例と同様であり、天窓3やカーテン4類も従来例と同様である。
【0026】
この温湿度制御システムでは、側窓2を開閉する側窓用モータ7、カーテン4を開閉するカーテン用モータ13、天窓3を開閉する天窓用モータ11、各種リミットスイッチ10、12、14、換気扇16ならびに暖房機15に、それぞれマイクロコンピュータで構成したCPU端末Sを設けていることを特徴としている。各CPU端末Sはそれぞれ機能が多少異なるものの、基本的には各センサやアクチュエータからの信号を受信し、モータはヒータ等を駆動するものなので、同一の記号Sを付している。また、これらのCPU端末S同士は渡り配線で接続され、最終的に1台のコントローラ9に接続されている。
【0027】
すなわち、センサやアクチュエータ毎にCPU端末Sを置き、センサやアクチュエータとはアナログ入出力線やデジタル入出力線で接続され、全体の制御を行なうコントローラ9との間は電気式あるいは光ファイバなどの通信線63のみで接続されている。その通信線63は、次々と渡り配線方法で配線しているので、配線長を短くすることができる。この通信線63の長さは数10mから数100mの長さとしている。センサやアクチュエータとCPU端末Sとの配線の長さは、高々数mとしている。また、各センサ、モータ、CPU端末S等へAC電源を供給する電源線は通信線63とは別に配線を行なっている。
【0028】
温室1に1台設けているマイクロコンピュータからなるコントローラ9は、センサ機器を制御するCPU端末Sから通信線63を介して、センサ機器からの検出信号などの各種入力信号を読み込み、内部で所定の処理を行ない、通信線63経由でCPU端末Sにアクチュエータへの出力信号を出力する。なお、従来はすべてのセンサ信号やアクチュエータ信号を制御盤までそれぞれ引き込むため、配線長が非常に長くなり、配線本数はきわめて多くなっているが、本発明による渡り配線の方式により、通信線63を渡り配線で引き回すだけでよく、それにより配線長は数分の1に短縮することができ、配線本数も数分の1に減少することができる。これにより、通信線63の材料費・工事費とも削減を可能とすることができる。また、微弱なアナログ信号などを従来のように引き回すのではなく、近接したCPU端末Sに取り込まれるため、ノイズの影響も少ない。
【0029】
なお、CPU端末Sは複数個のアナログの入出力および接点などのデジタル入出力端子を持っているため、センサやアクチュエータが近くにある場合、1つのCPU端末Sで複数点の入出力を可能とすることができる。この状態を図2に示す。図2の実施形態では、側窓用モータ7とリミットスイッチ10、カーテン用モータ13とリミットスイッチ14、天窓用モータ11とリミットスイッチ12を1つのCPU端末Sに接続しており、1つのCPU端末Sで入出力信号を受け持っている。かかる場合には、CPU端末Sの数を低減させることができるので、全体のコストを安価にすることができる。
【0030】
上記のコントローラ9は、各CPU端末Sへ制御目標値・制御目標位置などの制御指令信号を送り、またCPU端末Sにセンサのデータ送信要求を行ない、センサ情報のデータを受信し、1つのCPU端末Sからのセンサ情報などのデータを他のCPU端末Sへ送るようにして、1つのセンサ情報を多くの端末(装置・機器)で有効に活用できるようにしている。すなわち、コントローラ9は、インテリジェントなCPU端末Sに目標値あるいは外気温などの動作指令あるいは基本データを送り出すだけでよく、その後の制御はすべてCPU端末Sで実施し、指令時以外はCPU端末Sに対して動作状態の監視を行なうだけである。また、コントローラ9の配下にあるCPU端末Sが存在する場合は、CPU端末S間のインタロック制御を行なわせることができる。さらに、コントローラ9では、CPU端末Sに状況報告要求を行ない、CPU端末Sから運転/異常情報を受信してCPU端末Sの運転状況や異常状況を常時把握するようにしている。
【0031】
図3は多数の温室1の各コントローラ9を渡り配線で接続し、管理棟60に設けている集中制御装置61によって一括管理を行なうようにしたシステム構成図を示している。このシステムでは、温室1の外部に外気の状態を計測する観測所計測端末70が設けられている。図7はこの観測所計測端末70のブロック図を示しており、この端末70は制御装置71、レベル変換回路78、複数のアナログ増幅器79、電源回路80及び定電圧回路81等で構成されている。マイクロコンピュータで構成されている制御装置71は、降雨センサ65、風速センサ66、風向センサ67、日射センサ21からのアナログ信号がアナログ増幅器79を介して入力されるマルチプレクサ72と、このマルチプレクサ72からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器73と、データなどを一時的に格納しておくRAM75と、プログラムなどを格納しているROM76と、コントローラ9や集中制御装置61との間でシリアルでデータ通信を行なうシリアル通信部74と、プログラムに従って所定の手順で全体の制御を司るCPU77等によって構成されている。
【0032】
観測所計測端末70は、降雨の状態、風速や風向き、日射の状態等の、どの温室1でも共通して用いられる情報信号を一括して検出し、それらの情報信号は伝送路(通信線)64を介して各温室1のコントローラ9や集中制御装置61へ伝送される。そして各コントローラ9でそれらの情報に基づき、アクチュエータの目標値などが演算され、CPU端末Sに送られる。
【0033】
図4はカーテン4の開閉制御用のカーテン制御端末(CPU端末S)90(例えば図2のCPU端末Sに相当)のシステム構成図を示している。このカーテン制御端末90は、制御装置91、レベル変換回路103、複数のアナログ増幅器100、複数のリレー接点などの出力絶縁素子101、複数のホトカプラなどの入力絶縁素子102、電源回路104、及び定電圧回路105等で構成されている。マイクロコンピュータで構成されている制御装置90は、温度センサ5からのアナログ信号がアナログ増幅器100を介してアナログ信号が入力されるマルチプレクサ92と、このマルチプレクサ92からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器95と、リレー接点などの出力絶縁素子101と電磁接触器MCを介してカーテン用モータ(例えばインダクションモータIM)13を駆動するデジタル出力回路93と、カーテン4の開位置検出用リミットスイッチ14a及び閉位置検出用リミットスイッチ14bからの信号がホトカプラなどの入力絶縁素子102を介して入力されるデジタル入力回路94と、データなどを一時的に格納しておくRAM97と、プログラムなどを格納しているROM98と、他のCPU端末Sやコントローラ9との間でシリアルでデータ通信を行なうシリアル通信部96と、プログラムに従って所定の手順で全体の制御を司るCPU99等で構成されている。
【0034】
図5は天窓3の開閉制御用の天窓制御端末110のシステム構成図を示している。この天窓制御端末110は、例えば図2のCPU端末Sに相当している。この天窓制御端末110は、制御装置111と、湿度センサ6、土中水分センサ124、培養床49で栽培している花卉や野菜の葉面の水分・湿度を検出する葉面水分センサ125、天窓3の開閉度合いを検出するポテンショメータ126からのアナログ信号が入力される複数のアナログ増幅器119と、ホトカプラなどの出力絶縁素子120と、レベル変換回路121と、電源回路122と及び定電圧回路123等で構成されている。制御装置111は、アナログ増幅器119からのアナログ信号が入力されるマルチプレクサ112と、このマルチプレクサ112からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器114と、出力絶縁素子120及び電磁接触器MCを介して天窓用モータ11(例えば、インダクションモータIM)を駆動するデジタル出力回路113と、データなどを一時的に格納しておくRAM115と、プログラムなどを格納しているROM116と、他のCPU端末Sやコントローラ9との間でシリアルでデータ通信を行なうシリアル通信部117と、プログラムに従って所定の手順で全体の制御を司るCPU118等で構成されている。
【0035】
図6は養液(培養液)制御端末130のシステム構成図を示し、この養液制御端末130は、マイクロコンピュータからなる制御装置131と、電気伝導度・PHセンサ144、土中水分センサ124、流量計145からのそれぞれのアナログ信号が入力される複数のアナログ増幅器139と、送水ポンプ146、肥料注入ポンプ147、養液点滴弁148を駆動する複数のリレー接点などの出力絶縁素子140と、レベル変換回路141と、電源回路142及び定電圧回路143等で構成されている。制御装置131は、アナログ増幅器139からアナログ信号が入力されるマルチプレクサ132と、このマルチプレクサ132からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器134と、出力絶縁素子140に駆動用信号を出力するデジタル出力回路133と、データなどを一時的に格納しておくRAM136と、プログラムなどを格納しているROM137と、他のCPU端末Sやコントローラ9との間でシリアルでデータ通信を行なうシリアル通信部135と、プログラムに従って所定の手順で全体の制御を司るCPU138等で構成されている。
【0036】
ここで、図4〜7において、各制御端末へ入力したり出力している信号は、各センサやアクチュエータに近接して設けたCPU端末Sを介して伝送されており、各制御端末やCPU端末Sはコントローラ9と接続され、コントローラ9によりセンサからの信号を受けてモータ等を駆動して、カーテン4や天窓3の開閉制御を行なうようにしている。
【0037】
また、図10〜12は図17〜19の従来例に対応する機能ブロック図を示している。各機能に応じた制御部分はネットワーク化されており、図中の集中制御装置(パソコン)は、温室1のコントローラ9、あるいは全体をネットワーク化した場合の管理棟60の集中制御装置61に対応している。
【0038】
次に、図8に基づいてカーテン4の開閉制御動作について説明する。ここで、図3に示すようにネットワーク式温室の制御装置においては、各温室1のコントローラ9や管理棟60の集中制御装置61では、観測所計測端末70における各センサ21、65〜67で降雨、風速、風向、日射データを観測・監視し、得られたデータを共有している。先ず、ステップS1において、カーテン制御端末90が日射の状態を読み込み、次いでステップS2に示すように、湿度センサ6や葉面水分センサ125からのデータをCPU端末Sを介して取り込む。そして、これらのデータはA/D変換器95に入力され、移動平均などのフィルタ処理を行なって温室1内の湿度や葉面水分を計測する。
【0039】
次に、ステップS3に移行してカーテン4の目標位置を算定する。これは、予め設定している計算式、あるいはテーブルから検索して、目標位置を「開」、あるいは「閉」と決定する。そして、ステップS4に移行して、目標位置が例えば、「開」であれば、ステップS5に進んで図4に示すデジタル出力回路93の出力信号によってカーテン用モータ13を正転駆動させる。開位置リミットスイッチ14aが駆動されるまで、この開位置リミットスイッチ14aがステップS6に示す「正転リミットスイッチ」としてカーテン用モータ13が正転し続け、開位置リミットスイッチ14aからの信号がデジタル入力回路94に入力されると、CPU99はカーテン4が開状態となったと判断してカーテン用モータ13を停止させる(ステップS9参照)。
【0040】
また、ステップS4において、カーテン4の目標位置が「閉」であれば、ステップS7に移行してカーテン用モータ13を逆転させる。そして、閉位置リミットスイッチ14bが駆動されるまで、この閉位置リミットスイッチ14bがステップS7に示す「逆転リミットスイッチ」としてカーテン用モータ13が逆転し続け、閉位置リミットスイッチ14bからの信号がデジタル入力回路94に入力されると、CPU99はカーテン4が閉状態となったと判断してカーテン用モータ13を停止させる(ステップS9参照)。
【0041】
次に、天窓3の開閉制御動作について図9により説明する。先のカーテン4の開閉制御の場合と同様に、天窓制御端末110では各CPU端末Sからの各種のセンサデータを読み込み、この天窓開閉制御ではステップS10に示すように降雨、風向、風速を降雨センサ65、風向センサ67、風速センサ66からの各データを読み込む。次に、ステップS11に示すように湿度センサ6、土中水分センサ124、葉面水分センサ125から湿度・土中・葉面の各水分を計測する。これらの水分計測はA/D変換器114に入力され、例えば移動平均などのフィルタ処理によって計測する。
【0042】
そして、ステップS12に移行して天窓3の目標開度を算出する。この天窓3の目標開度は、予め設定している計算式、あるいはテーブルから検索して決めるものであり、目標値は例えば、7段階としている。次に、ステップS13に移行して図5に示すポテンショメータ126からのセンサ出力で現在の天窓3の開度状態を計測し、ついでステップS14に進む。ステップS14では、現在値と目標値が略一致しているか否かを判断して、現在値と目標値が一致している場合にはステップS15に移行して天窓用モータ11をオフ状態に維持する。
【0043】
ステップS14において、天窓3の開度状態の現在値が目標値と一致していない場合にはステップS16に進み、現在の開度より目標開度が大きい場合にはステップS17に移行して天窓用モータ11を正転させる。そして、天窓3の開度状態はポテンショメータ126からの信号によりCPU118が判断して目標値に達した場合には天窓3を停止させる(ステップS13〜S15参照)。また、天窓3の目標開度より現在の開度が小さい場合には、ステップS18に移行して天窓用モータ11を逆転させ、先の場合と同様に目標値に達した場合には天窓3を停止させる(ステップS13〜S15参照)。
【0044】
このように、図1及び図2に示す温湿度制御における天窓制御では、屋外の風向センサ67の出力、温室1内の湿度センサ6の出力などからコントローラ9で天窓3の開度指令を行なう。そして、この指令を受けたCPU端末S(天窓制御端末110)は、位置センサ(図5に示すポテンショメータ126)の情報を監視しながらアクチュエータ(天窓用モータ11)を駆動して最適な開度位置に制御する。これらのコントローラ9は、更に上位のパソコン(集中制御装置61)などの遠隔操作・指令システムに通信路(伝送路64)で接続されており、遠隔地で温室1内の機器の制御を可能としている。なお、図3において、各温室1・・・と集中制御装置61とを接続している伝送路64(電気ケーブル、あるいは光ファイバ)は、シリアルデータ伝送のネットワークとしているので、数100mから数kmと総延長を長くとることができる。
【0045】
なお、水耕栽培監視システムでは、制御対象が多くあり、各々の制御も複雑である。従来は各ユニット単位で制御盤があり、その間のインターフェイスは不充分なものであった。しかし、本発明では、日照、温湿度制御、温水制御などの制御を行なうCPU端末S(例えば、図6に示すような養液制御端末130)を複数台設けて、その上でコントローラ9が統括制御している。このコントローラ9は温室各棟に設けるレベルのもので、温室団地全体では管理棟60の集中制御装置61で監視・制御を行なっている。
【0046】
このように、本発明では各温室1間や集中制御装置61との間はシリアル伝送通信による渡り配線を行なっているので、配線材料の削減及び工事費の低減が可能となる。また、各CPU端末Sが比較的機能を集約でき、標準化が可能となり、またコントローラ9や集中制御装置61におけるコンピュータの時計機能を用いることで、スケジュール管理が簡単である。さらには、各CPU端末Sをコントローラ9で監視・制御しているのでインタロックが容易となり、また、各センサやアクチュエータとはCPU端末Sで入出力制御しているので、機能の追加や変更が容易となる。
【0047】
また、各温室1のコントローラ9や管理棟60の集中制御装置61はコンピュータで構成しているので、コンピュータの時計機能を有効に活用し、スケジュール管理を行なうことができる。それにより、コントローラ9や集中制御装置61に入力されたスケジュールデータに基づき、自動的に各機器類(アクチュエータ類)を動作させることができる。また、時刻と共に目標値を変更することも可能となり、加えて、重要なデータは履歴データとして蓄積することも可能となる。
【0048】
なお、上記の実施形態において、各CPU端末Sとコントローラ9との間、コントローラ9と集中制御装置61との間で通常の電気伝送方式はもちろん、伝送路を光ファイバとして光伝送方式でシリアルデータ伝送を行なうようにしても良い。
【0049】
【発明の効果】
本発明の温室の制御装置(請求項1)は、従来ではすべてのセンサ信号やアクチュエータ信号を制御盤まで引き込んでいたため、配線長は非常に長くなっていたのに対し、本発明では伝送路の引き回しはコンピュータ端末とコントローラとの間だけであり、配線長を従来の数分の1にでき、また、センサ信号とアクチュエータ信号とはセンサやアクチュエータの近傍に配したコンピュータ端末に入出力しているので、センサやアクチュエータとコンピュータ端末との配線長を短くすることができ、その分ノイズの影響を少なくすることができる。さらに、各センサやアクチュエータとはコンピュータ端末で入出力制御しているので、機能の追加や変更が容易となる。
【0050】
本発明の温室の制御装置の好ましい態様(請求項2)によれば、前記コンピュータ端末で複数のセンサの検出信号を受け、複数のアクチュエータに制御信号を刷新するので、コンピュータ端末の台数を減少することができる。そのため、設備コストを減少することができる。
【0051】
本発明の制御装置のさらに好ましい態様(請求項3)では、コンピュータ端末が複数設けられ、各コンピュータ端末と前記コントローラとは伝送路を渡り配線としているので、ネットワーク全体の配線長を短くできて、材料費及び工事費ともに削減でき、全体のコストを安価ですることができる。
【0052】
本発明の温室の制御装置の他の態様(請求項4)では、1つの温室には少なくとも1つ以上のコンピュータ端末と1つのコントローラとが配されており、多数の温室間は前記コントローラを伝送路を渡り配線して接続され、前記伝送路には各温室を一括して監視・制御する集中制御装置が設けられているので、多数の温室をネットワーク化できて、集中制御装置により全体の管理を容易に行なうことができる。
【0053】
本発明の温室の制御装置の他の態様(請求項5)によれば、前記コンピュータ端末とコントローラ、コントローラと集中制御装置との間は、電気伝送方式又は光ファイバを用いた光伝送方式としているので、ノイズの影響を受けにくいネットワーク化した温室の栽培システムを容易に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の温室の制御装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】 本発明の温室の制御装置の他の実施形態を示す構成図である。
【図3】 本発明に関わる複数の温室に適用した温室の制御装置の一実施形態を示す構成図である。
【図4】 本発明に関わるCPU端末の一実施形態を示すブロック図である。
【図5】 本発明に関わるCPU端末の他の実施形態を示すブロック図である。
【図6】 本発明に関わるCPU端末のさらに他の実施形態を示すブロック図である。
【図7】 本発明に関わるCPU端末のさらに他の実施形態を示すブロック図である。
【図8】 本発明の制御装置による制御作用の一実施形態を示すフローチャートである。
【図9】 本発明の制御装置による制御作用の他の実施形態を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の制御装置の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図11】 本発明の制御装置の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図12】 本発明の制御装置の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図13】 従来例の温室の環境制御を行なう場合のシステム構成図である。
【図14】 従来例の温室内で栽培を行なう場合のシステム構成図である。
【図15】 従来例の多数の温室の全体管理を行なう場合のシステム構成図である。
【図16】 従来例の多数の温室の全体管理を行なう場合に集中制御装置側と配線した場合のシステム構成図である。
【図17】 従来例の機能ブロック図である。
【図18】 従来例の機能ブロック図である。
【図19】 従来例の機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 温室
3 天窓
4 カーテン
5 温度センサ
6 湿度センサ
9 コントローラ
11 天窓用モータ
13 カーテン用モータ
61 集中制御装置
63 通信線
64 伝送路
90 カーテン制御端末
110 天窓制御端末
Claims (5)
- 複数の温室内の栽培環境を制御するための制御装置であって、
それぞれの温室が、
周囲の栽培環境を検出する複数個のセンサと、
制御信号を受信し、その信号に応じて周囲の環境を変化させる複数個のアクチュエータと、
前記センサからの検出信号および所定の目標値に基づいてそのセンサと対応するアクチュエータの制御信号を演算し、アクチュエータに対して制御信号を送る、前記センサまたはアクチュエータの近傍に配される複数個のコンピュータ端末と、
それらのコンピュータ端末とシリアルデータ通信を行う伝送路を介して接続され、それぞれのコンピュータ端末から送られてくる検出信号および温室外の環境を検出するセンサから送られてくる検出信号を監視し、それらの検出信号に基づいて演算した目標値の信号をそれぞれのコンピュータ端末に送信するコンピュータ構成のコントローラ
とを備えており、
前記コンピュータ端末同士が渡り配線で接続された上で前記コントローラに接続されており、
複数の温室間のコントローラ同士が伝送路で渡り配線で接続されると共に、
前記伝送路には各温室を一括して監視・制御する集中制御装置が設けられている温室の制御装置。 - ひとつのコンピュータ端末が、前記複数個のセンサからの信号を受信し、前記複数個のアクチュエータに制御信号を送信する請求項1記載の温室の制御装置。
- ひとつのコンピュータ端末が、1個のセンサまたはアクチュエータ毎に接続されている請求項1記載の温室の制御装置。
- ひとつのコンピュータ端末が、1個のセンサからの信号を受信し、そのセンサと対応する1個のアクチュエータに制御信号を送信するものである請求項1記載の温室の制御装置。
- 前記コンピュータ端末とコントローラの間、コントローラと集中制御装置との間は、それぞれ電気伝送方式又は光ファイバを用いた伝送方式としている請求項1、2、3または4のいずれかに記載の温室の制御装置。
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