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JP4080960B2 - シーリング装置 - Google Patents

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JP4080960B2 JP2003168231A JP2003168231A JP4080960B2 JP 4080960 B2 JP4080960 B2 JP 4080960B2 JP 2003168231 A JP2003168231 A JP 2003168231A JP 2003168231 A JP2003168231 A JP 2003168231A JP 4080960 B2 JP4080960 B2 JP 4080960B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、経皮的な血管の穿刺をシーリングするためのシーリング装置に関わり、特に、血管壁の穿刺孔に通じる切開経路内に止血剤を導入することにより、血管内の流れを妨げることなく且つ止血剤が不用意に血管内に導入されることなく、経皮的な血管の穿刺をシーリングするシーリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特定の種類の医療的な手術や治療中においては、イントロデューサを使用して患者の脈管系へ接近する。イントロデューサは、脈管系へ接近するために血管の壁を貫通して挿入され、その後、カテーテルやガイドワイヤ等の医療器具をガイドするために使用されても良い。医療処置が完了した後においては、イントロデューサのサイズに対応する切開部や傷が血管の壁に存在する。そのような外科処置の結果である傷からの出血は、傷に対して直接に圧力を加えることにより止められても良い。しかしながら、傷に外圧を加えるためには、別の医療従事者の助けが必要となり、また、血管を通じた血液の流れを妨げる場合がある。
【0003】
Kenseyに対して付与された米国特許第4,744,364号は、閉塞手段を血管内に挿入した後に引き戻すことにより、閉塞手段の係合面を穿刺に隣接する血管の内面に止血的に係合させ、これによって、穿刺傷からの出血を止める方法を開示している。Kenseyに対して付与された米国特許第4,890,612号において、シーリング装置は、血管の内面と係合状態で位置される保持部と、穿孔された血管内へと延びて隣接する組織と係合することにより穿刺傷をシーリングする発砲材料から成るシーリング部とを有するプラグ手段を備えている。
【0004】
Abrahamsonに対して付与された米国特許第6,368,341号から分かるように、前述した米国特許第4,744,364号および米国特許第4,890,612号に記載される種類のシーリング装置に伴う欠点は、血管内へと延びる動脈内シーリング装置が血管を通じた血流を妨げてしまうことがあるという点である。米国特許第6,368,341号に記載のシーリング装置は、止血シーリング装置と、血管壁の内面に対して位置される1つまたは複数の位置決め部材を有する位置決め装置とを備えている。位置決め部材は、引き戻し動作に対して十分な大きさの抵抗を与えるように形成されており、これにより、ユーザは、位置決め部材が血管の内壁と当接したことを認識することができる。凝固剤を含んでいても良い止血シーリング装置は、正確に位置決めされた際には、血管壁の外側の切開経路内にあり、血管内へと延びて血流を妨げるような部分がない。しかしながら、このシーリング装置に伴う欠点は、位置決め操作中、すなわち、ユーザが血管の内壁からの抵抗を感じるまで位置決め部材を引き戻す時に、位置決め部材が血管の内壁を傷付ける危険性があるという点である。そのような危険性は、米国特許第6,368,341号に述べられているような位置決め部材が形成されて血管への損傷が最小限に抑えられるような場合であっても、依然として存在する。
【0005】
米国特許第6,368,341号に示される種類のシーリング装置に伴う更に一般的な問題は、血管の穿刺孔に通じる切開経路の代わりにシーリング部材が血管の内側に配置される危険性があるという点である。これは、例えば、位置決め装置における引き戻し動作に対する抵抗が血管の内壁から生じたものであるとユーザが誤って解釈する場合、あるいは、シーリング装置を配置する前に止血シーリング装置全体を切開経路の奥深くまでユーザが誤って押し込む場合に起こり得る。シーリング部材または止血剤が、血管壁の穿刺孔に通じる切開経路内に位置決めされずに、誤って血管自体の内部に導入されるという問題は、一般的な観点から、従来周知のシーリング装置が血管壁の穿刺孔を通じて血管に接近するという事実に起因している可能性がある。
【0006】
また、この問題は、Fowlerに対して付与された、血管プラグが血管壁の外面に対して位置決めできる方法を開示する米国特許第5,108,421号において述べられている。血管プラグの位置決め中に、膨張したバルーンが血管壁の内面に対して位置決めされることにより、血管プラグが支持され、血管プラグが血管内へと延びることが防止される。しかしながら、この場合、シーリング部材、すなわちここで言う血管プラグも、血管へ接近し、ユーザが誤ってシーリング装置を切開経路の奥深くまで押し込んで、シーリング部材が血管内に配置されてしまう可能性がある。
【0007】
Janzen等に対して付与された米国特許第5,391,183号においては、組織経路を介して血管壁の外側に対して止血剤を挿入する装置が開示されている。この場合、血管壁は、組織経路に隣接する穿刺を有している。また、ここでも同じ問題がある。すなわち、止血剤は、血管壁の穿刺孔を通じて血管に接近するという点である。
【0008】
したがって、シーリング材が誤って血管内に導入される危険性がないシーリング装置における技術が必要とされる。同時に、シーリング操作が完了した際に、そのようなシーリング装置のシーリング材が血管内の流れを妨げてはならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、シーリング材が不用意に血管内に導入される危険性のない安全なシーリング装置を得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るシーリング装置は、患者の皮膚から血管の壁を通じて血管内へと延びるとともに、その先端が血管の内側にあり、且つその基端が患者の皮膚の外側にあるイントロデューサを収容する切開経路をシーリングするためのシーリング装置であって、その先端部内に止血剤を収容する長尺な挿入アセンブリを備え、挿入アセンブリは、固定部と、固定部と摺動可能に係合する引戻部と、を備える、シーリング装置において、シーリング装置は少なくとも1つの取付手段を備え、取付手段は、イントロデューサの先端が血管内に配置さている時にシーリング装置をイントロデューサ上に挟持するように取り付けることができるように、柔軟性を有する材料から作られ、スリットまたは切欠部が形成され、シーリング装置を、イントロデューサに沿って摺動できるようにイントロデューサに取り付けることができるように配置されており挿入アセンブリを、挿入アセンブリの先端が血管の壁の外面と当接するまでイントロデューサの長手方向に沿って摺動させた後の、固定部およびイントロデューサに対する引戻部の引き戻し動作によって、止血剤が血管の外側で切開経路内に供給されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2に係るシーリング装置は、上記請求項1において、固定部は、挿入アセンブリの長手方向を横断する方向に延び止血剤と当接することにより引戻部の引き戻し動作によって止血剤が引き戻されることを防止する横行部を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3に係るシーリング装置は、上記請求項1または2において、取付手段は、挿入アセンブリの先端部の外面に沿って延び、且つその全長に沿って延びるスリットを有する管状の取付部材の形状を成すことにより、イントロデューサに取り付け可能であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4に係るシーリング装置は、請求項1または2において、取付手段は、挿入アセンブリの長手方向に沿って延びるスリットまたは切欠部の形状を成すことにより、イントロデューサに取り付け可能であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項5に係るシーリング装置は、請求項1または2において、取付手段は、それぞれがスリットを有し且つ挿入アセンブリの先端部の外面に沿って互いに離間して配置される柔軟な複数のリングの形状を成すことにより、挿入アセンブリをイントロデューサに取り付け可能であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項6に係るシーリング装置は、請求項1において、固定部がロッド状を成し、引戻部は、固定部の外側で摺動できる中空シースの形状を成すことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項7に係るシーリング装置は、請求項6において、固定部の先端は、止血剤と当接することにより引戻部の引き戻し動作によって止血剤が引き戻されることを防止するようになっていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項8に係るシーリング装置は、請求項1において、固定部は、ロッド状を成すとともに、その先端部に設けられた凹部を有し、また、引戻部は、ロッド状を成すとともに、その先端部に設けられた凹部を有し、固定部および引戻部は、その長手方向に沿って延びる突起および溝によって摺動自在に係合し、止血剤は、2つの凹部と固定部と引戻部とによって形成された空間内に収容されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項9に係るシーリング装置は、請求項8において、固定部の凹部の基端は、止血剤と当接することにより引戻部の引き戻し動作によって止血剤が引き戻されることを防止するようになっていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項10に係るシーリング装置は、請求項1において、引戻部は、内壁と外壁とを有する中空シースの形態を成し、内壁と外壁との間に止血剤が収容され、固定部がロッド状を成して内壁と外壁との間に設けられることにより、引戻部が固定部上で摺動できることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項11に係るシーリング装置は、請求項10において、固定部の先端は、止血剤と当接することにより引戻部の引き戻し動作によって止血剤が引き戻されることを防止するようになっていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項12に係るシーリング装置は、請求項1において、引戻部は、中空シースの形状を成すとともに、その長手方向に沿って延びる切欠部を有し、切欠部の壁の中には長尺なキャビティが設けられ、キャビティ内には止血剤が収容され、固定部がロッド状を成してキャビティ内に設けられることにより、引戻部が固定部上で摺動できることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項13に係るシーリング装置は、請求項12において、固定部の先端は、止血剤と当接することにより引戻部の引き戻し動作によって止血剤が引き戻されることを防止するようになっていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項14に係るシーリング装置は、請求項1〜13のいずれか一つにおいて、挿入アセンブリの先端は、挿入アセンブリが取り付けられるようになっているイントロデューサの長手方向から離れる方向に曲げられることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項15に係るシーリング装置は、請求項1〜14のいずれか一つにおいて、挿入アセンブリには滴下経路が設けられ、この滴下経路は、挿入アセンブリの先端から基端まで延びて患者の皮膚の外側に達することにより、シーリング装置が血管内に挿入されたか否かを示すことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明は、任意のシーリング材が誤って血管自体の中に導入される危険性が無く、血管に通じる経皮切開部をシーリングするためのシーリング装置を開示する。本発明に記載のシーリング装置は、基本的に、長尺な挿入アセンブリと、挿入アセンブリの先端部内に収容される充填止血剤とを備えている。また、挿入アセンブリは、固定部と、固定部と摺動自在に係合する引戻部とを備えている。シーリング操作の第1のステップは、必要な経皮切開部を形成する医療処置を行なうために血管壁の開口を通じて血管内に既に導入された既存のイントロデューサの外面に対して挿入アセンブリを取付手段により取り付けることである。その後、挿入アセンブリは、外側の血管壁と当接するまでイントロデューサに沿って摺動される。その後、挿入アセンブリの引戻部を引き戻すことにより、充填止血剤が切開経路内に供給される。この処置中、挿入アセンブリおよび止血剤はいずれも血管自体に接近できない。これは、挿入されたイントロデューサによって血管壁の開口が完全に占められているからである。これにより、止血剤が誤って血管内に導入される危険性がなくなる。また、シーリング装置は、血管内へと延びる部分を有しておらず、そのため、シーリング操作の終了後、血管内の流体に影響が及ばない。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態1に係るシーリング装置1を示す概略図である。シーリング装置1は、長尺な挿入アセンブリ2と、挿入アセンブリ2の先端部内に収容されたシーリング剤すなわち止血剤3とを備えている。止血剤3には、トロンビン等の適当な凝固剤が含浸され、或いは他の何らかの方法で設けられていることが好ましい。また、挿入アセンブリ2は、2つの部分、すなわち、長尺な固定部4と、長尺な引戻部5とを備えている。基本的に、固定部4は、ロッド状を成しており、その先端が止血剤3と当接している。また、引戻部5は、中空シースの形態を成しており、固定部4の外周面と摺動自在に嵌合している。図1においては、シーリング装置1が初期状態で示されている。この初期状態において、引戻部5の先端部は、固定部4の先端部から延びており、これにより、止血剤3が収容される空間が形成されている。固定部4および引戻部5の基端には、適当なハンドルが設けられていることが好ましい。このハンドルは、挿入アセンブリ2の長軸に対して垂直に延びるとともに、シーリング装置1の操作を容易にするようになっている。そのようなハンドルは、様々な形状を有していて良く、詳細に説明しない。前述したように、本実施の形態1に係るシーリング装置1は、既存のイントロデューサに摺動自在に取り付けられるようになっている。このような取り付けは、以下にその例が示される様々な取付手段によって行なうことができる。この実施の形態1において、挿入アセンブリ2は、引戻部5の外面に設けられる取付部材6を備えている。以下、取付部材6の機能および形状について詳細に説明する。
【0027】
本実施の形態に係るシーリング装置1は、イントロデューサ等の既存の医療装置と共に使用できるように構成されている。シーリング装置1の使用中、このイントロデューサは、血管の壁にある経皮的な開口内の所定位置に配置される。したがって、挿入アセンブリおよび止血剤はいずれも、切開経路を通じて血管に接近することができない。図2には、血管壁の穿刺孔を通じてその先端が血管内に挿入されたイントロデューサ7に対して、シーリング装置1の取付部材6を取り付ける方法が示されている。イントロデューサ7は、本発明の一部ではない。また、用語“イントロデューサ”は、ここでは、先端部が血管内へと延び、且つ基端部が患者の皮膚の外側へと延びる全ての種類の医療装置を網羅することを意図している。以下の説明から分かるように、そのようなイントロデューサは、挿入アセンブリの操作の全体にわたって、所定の位置に留まる。
【0028】
図3は、図2におけるシーリング装置1およびイントロデューサ7の断面を示す。この実施の形態において、シーリング装置1は、引戻部5の先端部の外面に設けられた取付部材6により、イントロデューサ7に対して摺動自在に取り付けられている。取付部材6は、略管状を成しているとともに、その全長にわたって延びるスリットを有しており、これにより、底部の一部が切欠された略8の字形状を成す断面をシーリング装置1の先端部に形成する。図2および図3からわかるように、スリットの目的は、取付部材6がイントロデューサ等の管状の医療装置上を摺動できるようにすることである。取付部材6の材料として適度な柔軟性を有する材料を選択することにより、取付部材6を拡張させることによってイントロデューサに取り付けることができ、且つその後にイントロデューサの長手方向に沿って摺動させることができるシーリング装置1を提供することができる。また、図3に示されるシーリング装置1には、滴下経路8が設けられている。以下、シーリング装置1の動作および滴下経路8の機能について詳細に説明する。
【0029】
図2を再び参照すると、この図には、シーリング操作の第1のステップが示されている。この第1のステップの前に、カテーテル法等の医療手術が患者に対して行なわれる。この医療手術中に使用されたイントロデューサ7は、所定の位置で動かない。すなわち、イントロデューサの先端は動脈等の血管内にあり、イントロデューサの基端は患者の皮膚から外側へと延びている。シーリング操作の第1のステップにおいては、拡張可能な取付部材6がイントロデューサ7の基端上に挟持される。したがって、この時に、シーリング装置1の挿入アセンブリ2がイントロデューサ7に摺動自在に取り付けられる。この状態で、引戻部5の先端部は固定部4の先端部から延びており、これにより、挿入アセンブリ2の先端部に、止血剤3を収容できる十分な空間(破線で示されている)を残すことができる。
【0030】
図4は、シーリング操作の第2のステップの終了を示した図である。第2のステップにおいて、挿入アセンブリ2は、取付部材6によりイントロデューサ7に取り付けられたままであり、挿入アセンブリ2の先端が血管壁の外周面と当接するまでイントロデューサ7の長手方向に沿って摺動される。この第2のステップが完了すると、外科医師は、イントロデューサ7が既に位置されている切開経路を通じて挿入アセンブリ2を押し、これにより、切開経路を拡張して、周囲組織を圧迫する。例えばシーリング操作が腿の付け根の大腿動脈で行なわれる場合、動脈の周囲の組織は、主に、挿入アセンブリ2を比較的簡単に押し進めることができる脂肪組織から成る。挿入アセンブリ2の、より以上の移動に対して十分な抵抗を与える繊維細胞によって主に血管壁が構成されていることを考えると、外科医師は、挿入アセンブリ2の先端が血管の外壁に当接するという、簡単に検知可能な徴候を認識することができる。また、血管壁の拡張した穿刺孔の縁部の組織が引き伸ばされた状態となるため、挿入アセンブリ2が穿刺孔を通じて血管内に誤って押し込まれる危険性がなくなる。このような危険性を更に低減するため、もう1つの手段を講じても良い。以下に説明するこのような手段は、上方に曲げられる先端チップが設けられた挿入アセンブリを含んでいる。
【0031】
図5は、シーリング操作の第3のステップの終了を示した図である。第3のステップにおいては、引戻部5が固定部4上で引き戻される(破線で示されている)ことにより、止血剤3が挿入アセンブリ2から解放される。固定部4の先端は止血剤3と当接しているため、引戻部5の引き戻し動作によって止血剤3が引き戻されることが防止される。シーリング操作の第3のステップが完了すると、止血剤3は、血管壁の穿刺孔に通じる切開経路内に位置される。なお、この状況で、イントロデューサ7は血管壁の穿刺孔の所定位置で動かず、血管からの著しい出血はない。
【0032】
図6は、シーリング操作の第4のステップの終了を示した図である。この最後のステップにおいては、イントロデューサ7が除去されて処分される。イントロデューサ7が切開経路から引き戻される前にシーリング装置1がイントロデューサ7から取り外されるか否かは、選択的な事項である。シーリング操作が完了すると、図6に示されるように、止血剤3が切開経路内に残される。トロンビンやキトサン等の適当な凝固剤を止血剤3に与えることにより、止血が完全に成されるまでの時間を数分内に抑えることができる。必要に応じて、手で或いは適当な圧縮装置で外圧を加えることにより、シーリング操作を手伝っても良い。
【0033】
シーリング操作の説明を終える前に、本実施の形態1に係るシーリング装置1の特別な利点について言及しておく。前述したシーリング操作のステップ中、シーリング装置のいずれの部分も血管に接近しておらず、引き戻し動作のみによって止血剤の位置決めがなされる。したがって、シーリング装置の止血剤が誤って血管内に入ってしまう危険性がなくなる。この点は、一般にシーリング部材または止血剤が前方すなわち血管壁の開口への押し出し動作によって切開経路内に位置決めされる従来の周知のシーリング装置と大きく異なる。
【0034】
図1に示される実施の形態1においては、引戻部5が固定部4から延びている。すなわち、引戻部5の先端部が挿入アセンブリ2の先端部を構成している。シーリング装置9の他の実施の形態2が図7に示されている。このシーリング装置9は、止血剤10と、長尺な挿入アセンブリ11とを備えている。挿入アセンブリ11は、長尺な固定部12と、長尺な引戻部13と、取付部材14とを備えている。取付部材14は、実施の形態1の取付部材6と同じ形状を成しており、固定部12の外面に取り付けられている。この実施の形態2において、引戻部13は、略ロッド状を成しており、引戻部13の先端方向に延びる凹部を備えている。引戻部13の凹部の内壁は、固定部12の基端部と摺動自在に係合している。また、固定部12は、略ロッド状を成しており、固定部12の先端方向に延びる凹部を備えている。固定部12の凹部は、引戻部13の凹部よりも短い。図7においては、シーリング装置9が初期状態で示されている。この状態において、固定部12および引戻部13の先端は、同一面上にある。すなわち、固定部12の凹部および引戻部13の凹部は、共に、挿入アセンブリ11の先端部を構成しており、止血剤10を収容する中空の空間を形成する。固定部12の凹部の基端は止血剤10と当接しており、これにより、引戻部13の引き戻し動作によって止血剤10が引き戻されることが防止される。
【0035】
凹部の端部または固定部の端部といった横行部を固定部が有しているという最後の特徴がシーリング装置にとって必須であるか否かは、止血剤の特性によって決まる。例えば、挿入アセンブリ内で容易にスライドする固体材料から成るプラグの形状を成す止血剤は、引戻部の引き戻し動作によってプラグが引き戻されることを防止するような横行部を必要とする。一方、スポンジ状の材料の形状を成す止血剤にあっては、そのような横行部は不要である。同じ挿入アセンブリ内に様々な長さの止血剤を収容できるという点では、横行部を設けないことが有益である場合もある。
【0036】
図8は、取付部材14によってイントロデューサ15に取り付けられたシーリング装置9の断面を示している。この図は、固定部12と引戻部13とによって止血剤10が収容される空間をどのように形成するかを示している。また、図示のように、引戻部13は、固定部12の溝と係合する引戻部13からの突起により、固定部12と摺動自在に係合している。良く知られているように、そのような突起および溝は、様々な異なる形状を成していても良い。取付部材14は、固定部12の先端部に形成されている。図8と図3とを比較すると、取付部材14と図3の取付部材6との間の相違は明らかである。取付部材6がシーリング装置1の引戻部5に形成されているのに対して、取付部材14は、シーリング装置9の固定部12に形成されている。このことは、引き戻し動作中に、取付部材14がイントロデューサ15上の所定の位置に留まり、本実施の形態2に係るシーリング装置の滑らかな動作を容易にできることを意味する。ここで、単一の取付部材を設ける代わりに、例えばそれぞれがスリットを備える柔軟な複数のリングの形状を成す多数の取付部材を、挿入アセンブリの長手方向に沿って離間して配置することもできる。
【0037】
図9には、図5に関して説明したシーリング操作の第3のステップに対応する状態のシーリング装置9が示されている。この第3のステップにおいては、引戻部13が引き戻され、挿入アセンブリ11から止血剤10が解放されている。図から分かるように、この引き戻し動作は、取付部材14に影響を与えない。これは、取付部材14が固定部12に対して形成されているからである。その後のステップで、イントロデューサおよび挿入アセンブリ11が除去される。
【0038】
図1および図7に示される各実施の形態において、シーリング装置1,9には、実質的に挿入アセンブリ2,11の別個の部品を成す取付部材6,14といった取付手段が設けられていた。すなわち、長尺な挿入アセンブリ2,11が別個の部品としてイントロデューサの外面上をスライドする。無論、取付部材6,14は、実際には、既存の挿入アセンブリ2,11に対して別個の部品として設けられるというものではなく、あるいは、別個の製造工程で製造されなければならないというものでもない。図10には、シーリング装置16の実施の形態3が示されている。シーリング装置16は、長尺な挿入アセンブリ17と、充填止血剤18とを備えている。挿入アセンブリ17は、長尺な固定部19と、長尺な引戻部20とを備えている。引戻部20は、内壁21および外壁22を有する中空シースの形態を成している。充填止血剤18は、引戻部20の先端部で、内壁21と外壁22との間に配置されている。スリット23(図示せず)は、引戻部20の長手方向に沿って延びている。固定部19は、略ロッド状を成しているとともに、内壁21と外壁22との間でスリット23と対向して設けられており、これにより、引戻部20が固定部19と摺動自在に係合し、固定部19の先端が充填止血剤18の基端と当接するようになっている。中空の引戻部20の内部に通じるこのスリット23により、挿入アセンブリ17は、図11に明確に示されるように、イントロデューサに対して摺動自在に接続される。
【0039】
図11は、イントロデューサ24に接続されたシーリング装置16の断面を示す。この図では特に、スリット23が明らかである。スリット23により、また、引戻部20を柔軟な材料で形成することにより、引戻部20をイントロデューサ24に挟持することができる。したがって、この実施の形態3のシーリング装置16において、スリット23は、取付手段を構成し、挿入アセンブリ17の外部に取り付けられる固定手段に取って代わる。この実施の形態3において、スリット23は、引戻部20を基本的に構成する中空シースの長手方向の縁部間にある単なる狭い隙間である。また、内壁21および外壁22は、第1の長手方向縁部から反対側の第2の長手方向縁部へと略全長にわたって延びている。すなわち、止血剤18のために、できるだけ大きな空間を確保しているのである。
【0040】
図12には、イントロデューサ24に接続されたシーリング装置25の実施の形態4の断面が示されている。シーリング装置25は、引戻部27の先端部内に収容された止血剤26を備えている。この実施の形態において、引戻部27は、基本的に、中空シースの形態を成しており、その長手方向に沿って幾分大きな部分が切欠されている。この切欠された部分(参照符号28で示されている)は、図10および図11に関して前述した狭いスリット23に取って代わる。引戻部27を基本的に構成する中空シースの壁は、その長手方向の縁部に向かって薄くなっており、これにより、イントロデューサ上に挿入アセンブリを簡単に嵌め付けることができる。また、引戻部27の長手方向に沿って延びるキャビティは、切欠された部分28と対向して設けられている。この場所で、引戻部27の壁の厚さが最も厚くなっている。止血剤26が収容されるこのキャビティは、全周のほんの一部を占めているにすぎない。すなわち、キャビティは、第1の長手方向から反対側の第2の長手方向縁部へと全長にわたっては延びていない。
【0041】
前述したように、挿入アセンブリが誤って血管壁に押し通される危険性を更に減らすために、1つの予防手段を講じても良い。この手段は図13に示されており、図13には、シーリング装置29の実施の形態5が示されている。シーリング装置29は、止血剤30と挿入アセンブリ31とを備えている。また、挿入アセンブリ31は、固定部32と引戻部33とを備えている。挿入アセンブリ31は、挿入アセンブリ31の先端が上方すなわちイントロデューサの長手方向から離れる方向に僅かに曲げられている点を除き、図1に示される挿入アセンブリ2と同様である。この形状の目的は、挿入アセンブリ31が誤って血管壁に押し通されて血管内に入る危険性を、上方に曲げられた先端によって更に減らすことである。本発明の1つの実施の形態においてのみ上方に曲げられた先端を明確に示したが、図示して前述した全ての実施の形態において、そのような上方に曲げられた先端部を設けても良いことは言うまでもない。
【0042】
本発明の更なる改良において、シーリング装置は、図3に関連して簡単に述べた滴下経路8を有する。そのような滴下経路の機能が図14に示されている。図14においては、挿入アセンブリ34がイントロデューサ35に取り付けられている。挿入アセンブリ34は、誤って切開経路内の十分奥まで押し込まれ、その先端が血管壁を貫通した状態で示されている。挿入アセンブリ34には、挿入アセンブリ34の先端から基端へと延びる滴下経路36(破線で示されている)が設けられている。図示のように、血管の内圧によって流体が滴下経路36の入口へと圧入されて滴下経路36の出口から排出されることにより、ユーザは、挿入アセンブリ34が血管壁を貫通してしまったことを簡単に知ることができる。言い換えると、正確に位置決めされた挿入アセンブリ34にとって必要なことは、基本的に、滴下経路36の基端から流体が流れ落ちないことである。本発明の1つの実施の形態においてのみ滴下経路を明確に示したが、図示して前述した全ての実施の形態において、そのような滴下経路を設けても良いことは言うまでもない。
【0043】
特定の実施の形態に関して本発明を説明し、且つ添付図面に示してきたが、当業者にとっては明らかであるように、明細書に記載され、且つ特許請求の範囲に規定される本発明の範囲内で、多くの変形や改良を行なうことができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るシーリング装置によれば、シーリング操作において、シーリング装置のいずれの部分も血管に接近しておらず、引き戻し動作のみによって止血剤の位置決めがなされる。したがって、シーリング装置の止血剤が誤って血管内に入ってしまう危険性がなくなる。
【0045】
また、本発明の請求項2に係るシーリング装置によれば、固定部は、止血剤と当接することにより引戻部の引き戻し動作によって止血剤が引き戻されることを防止する横行部を有するので、挿入アセンブリ内で容易にスライドする固体材料から成るプラグの形状を成す止血剤は、引戻部の引き戻し動作によって止血剤が引き戻されることを防止する。
【0046】
また、本発明の請求項3〜5に係るシーリング装置によれば、取付手段を拡張させることによってシーリング装置をイントロデューサに取り付けることができ、その後にシーリング装置をイントロデューサの長手方向に沿って摺動させることができる。
【0047】
また、本発明の請求項14に係るシーリング装置によれば、挿入アセンブリの先端は、挿入アセンブリが取り付けられるようになっているイントロデューサの長手方向から離れる方向に曲げられるので、挿入アセンブリが誤って血管壁に押し通されて血管内に入る危険性を、更に減らすことができる。
【0048】
また、本発明の請求項15に係るシーリング装置によれば、挿入アセンブリには滴下経路が設けられ、この滴下経路は、挿入アセンブリの先端から基端まで延びて患者の皮膚の外側に達することにより、シーリング装置が血管内に挿入されたか否かを示すので、血管の内圧によって流体が滴下経路の入口へと圧入されて滴下経路の出口から排出されることにより、ユーザは、挿入アセンブリが血管壁を貫通してしまったことを簡単に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るシーリング装置を示す概略図である。
【図2】シーリング操作の第1のステップにおいて、既存のイントロデューサに図1に示したシーリング装置を取り付ける方法を示す概略図である。
【図3】止血剤が配置される部分を開示する、図2のシーリング装置およびイントロデューサの断面図である。
【図4】シーリング操作の第2のステップを示した図である。
【図5】シーリング操作の第3のステップを示した図である。
【図6】シーリング操作終了後のシーリング部材を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るシーリング装置の初期状態を示す概略図である。
【図8】止血剤が配置される部分を開示する図7のシーリング装置の示す概略図である。
【図9】非係合状態にある図7のシーリング装置を示している。
【図10】本発明の実施の形態3に係るシーリング装置を示す概略図である。
【図11】止血剤が配置される部分を開示する図10のシーリング装置の断面図である。
【図12】止血剤が配置される部分を開示するシーリング装置の第4の実施の形態の断面図である。
【図13】本発明の実施の形態5に係るシーリング装置を示す概略図である。
【図14】誤って血管内に導入されたシーリング装置と、この誤った配置状態を検知できる方法を示している。
【符号の説明】
1,9,16,25,29 シーリング装置
2,11,17,31,34 挿入アセンブリ
3,10,18,26,30 止血剤
4,12,19,32 固定部
5,13,20,27,33 引戻部
6,14,23,28 取付手段
7,15,24,35 イントロデューサ

Claims (15)

  1. 患者の皮膚から血管の壁を通じて血管内へと延びるとともに、その先端が血管の内側にあり、且つその基端が患者の皮膚の外側にあるイントロデューサを収容する切開経路をシーリングするためのシーリング装置であって、その先端部内に止血剤を収容する長尺な挿入アセンブリを備え、挿入アセンブリは、固定部と、固定部と摺動可能に係合する引戻部と、を備える、シーリング装置において、
    シーリング装置は少なくとも1つの取付手段を備え、取付手段は、イントロデューサの先端が血管内に配置さている時にシーリング装置をイントロデューサ上に挟持するように取り付けることができるように、柔軟性を有する材料から作られ、スリットまたは切欠部が形成され、シーリング装置を、イントロデューサに沿って摺動できるようにイントロデューサに取り付けることができるように構成されており挿入アセンブリを、挿入アセンブリの先端が血管の壁の外面と当接するまでイントロデューサの長手方向に沿って摺動させた後の、固定部およびイントロデューサに対する引戻部の引き戻し動作によって、止血剤が血管の外側で切開経路内に供給されることを特徴とするシーリング装置。
  2. 固定部は、挿入アセンブリの長手方向を横断する方向に延び止血剤と当接することにより引戻部の引き戻し動作によって止血剤が引き戻されることを防止する横行部を有することを特徴とする請求項1に記載のシーリング装置。
  3. 取付手段は、挿入アセンブリの先端部の外面に沿って延び、且つその全長に沿って延びるスリットを有する管状の取付部材の形状を成すことにより、イントロデューサに取り付け可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシーリング装置。
  4. 取付手段は、挿入アセンブリの長手方向に沿って延びるスリットまたは切欠部の形状を成すことにより、イントロデューサに取り付け可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシーリング装置。
  5. 取付手段は、それぞれがスリットを有し且つ挿入アセンブリの先端部の外面に沿って互いに離間して配置される柔軟な複数のリングの形状を成すことにより、挿入アセンブリをイントロデューサに取り付け可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシーリング装置。
  6. 固定部がロッド状を成し、引戻部は、固定部の外側で摺動できる中空シースの形状を成すことを特徴とする請求項1に記載のシーリング装置。
  7. 固定部の先端は、止血剤と当接することにより引戻部の引き戻し動作によって止血剤が引き戻されることを防止するようになっていることを特徴とする請求項6に記載のシーリング装置。
  8. 固定部は、ロッド状を成すとともに、その先端部に設けられた凹部を有し、また、引戻部は、ロッド状を成すとともに、その先端部に設けられた凹部を有し、固定部および引戻部は、その長手方向に沿って延びる突起および溝によって摺動自在に係合し、止血剤は、2つの凹部と固定部と引戻部とによって形成された空間内に収容されることを特徴とする請求項1に記載のシーリング装置。
  9. 固定部の凹部の基端は、止血剤と当接することにより引戻部の引き戻し動作によって止血剤が引き戻されることを防止するようになっていることを特徴とする請求項8に記載のシーリング装置。
  10. 引戻部は、内壁と外壁とを有する中空シースの形態を成し、内壁と外壁との間に止血剤が収容され、固定部がロッド状を成して内壁と外壁との間に設けられることにより、引戻部が固定部上で摺動できることを特徴とする請求項1に記載のシーリング装置。
  11. 固定部の先端は、止血剤と当接することにより引戻部の引き戻し動作によって止血剤が引き戻されることを防止するようになっていることを特徴とする請求項10に記載のシーリング装置。
  12. 引戻部は、中空シースの形状を成すとともに、その長手方向に沿って延びる切欠部を有し、切欠部の壁の中には長尺なキャビティが設けられ、キャビティ内には止血剤が収容され、固定部がロッド状を成してキャビティ内に設けられることにより、引戻部が固定部上で摺動できることを特徴とする請求項1に記載のシーリング装置。
  13. 固定部の先端は、止血剤と当接することにより引戻部の引き戻し動作によって止血剤が引き戻されることを防止するようになっていることを特徴とする請求項12に記載のシーリング装置。
  14. 挿入アセンブリの先端は、挿入アセンブリが取り付けられるようになっているイントロデューサの長手方向から離れる方向に曲げられることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のシーリング装置。
  15. 挿入アセンブリには滴下経路が設けられ、この滴下経路は、挿入アセンブリの先端から基端まで延びて患者の皮膚の外側に達することにより、シーリング装置が血管内に挿入されたか否かを示すことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のシーリング装置。
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