JP4073002B2 - 磁気記録媒体の作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパターンドメディア及びディスクリートメディアと呼ばれる磁気記録媒体およびその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスクに代表される近年の磁気記録媒体の進歩は飛躍的なものであり、年率100%もの記録密度の向上を遂げている。現在では実験室レベルであるが、50Gb/in2の記録密度まで達成されており、今後も更なる記録密度の向上が期待されるなか、精力的な研究・開発が行われている。
【0003】
現在、ハードディスクへの磁気記録の方式としては、基板と水平方向に磁化を記録する長手記録方式、いわゆる面内記録方式が採用されている。面内記録方式では、隣り合う磁化記録部分間に設けられた磁化遷移領域からの漏れ磁界を利用して、磁気ヘッドにより記録・再生を行っている。トラック上に設けられた磁化記録部分の大きさは、トラック幅(ビット幅)300μm、トラック方向(ビット長)30nm程度の長方形に近い形をしており、磁化はトラック方向を向いている。従来の面内記録方式では、記録密度を向上するためにビット長を短くしていくと、磁化遷移領域からの漏れ磁界が小さくなるため、微小なビット長になると漏れ磁界が検出されなくなる、といった問題が生じる。この問題は磁性層の膜厚を薄くすることで回避されるが、この場合、ビットの体積が極端に小さくなってしまい、熱エネルギーの影響によって磁化方向が変化してしまう超常磁性状態に陥ってしまい、記録した磁化を保持できなくなる。以上、挙げた点を考慮した場合、面内記録方式では、100Gb/in2前後の記録密度が限界であると考えられている。 一方、100Gb/in2を超える記録密度領域では、基板に対して垂直方向に磁気異方性を有する磁性体を記録層とし、基板に対して垂直方向に磁化を記録する垂直記録方式が有力であると考えられている。
【0004】
垂直記録方式は、面内記録方式とは対照的に高密度になるほど反磁界が減少する性質がある。また、記録密度を高くしても磁性層の膜厚を厚くすることが可能であるので、熱エネルギーの影響により生じる超常磁性状態に対しては面内記録方式よりも優位である。以上の理由から、100Gb/in2を超える記録密度の領域では面内記録方式よりも垂直記録方式が有力であると考えられている。垂直記録方式では記録層としてCo−Cr合金が一般に用いられている。Si基板やガラス基板、カーボン基板などの基板上にスパッタリング法によりCo−Cr合金を成膜すると、CoとCrが組成分離した状態で成長する。このうちCo組成が多い部分は円柱状であり、六方最密構造(hcp構造)を有する強磁性部分となり、これが記録部分となる。円柱状の記録部分を取り囲むように成長するCr組成が多い部分は非磁性部分であり、隣接する記録部分間の磁気的な相互作用を弱める働きもする。
【0005】
さらに、このような柱状の記録部分となる磁性材料を、非磁性材料に埋め込んだ構造を、微細加工技術により人工的に規則的に形成した磁気記録媒体も考案されている。例えば、ガラス状カーボン基板上にレジスト塗布、電子線描画でパターニング、エッチング処理を行うといった一連のプロセスで基板上に規則的に配列した細孔を形成し、スパッタリングで磁性材料NiFeを細孔に埋め込んだ後、磁性材料と非磁性材料が平坦な表面を形成するように表面を研磨することによって作製される磁気記録媒体などがある(特開2000−277330号公報参照)。
【0006】
この磁性体が埋め込まれた細孔一つ一つに1ビットを記録させることを特徴とするパターンドメディアと呼ばれる磁気記録媒体は、面内記録方式や垂直磁気記録方式による磁気記録媒体と異なり、記録部分が微細な磁性体の埋め込まれた細孔からなり、磁性体が同形状、同サイズで配列しているので高密度記録により適した構造となっている。この細孔の大きさや細孔間の間隔を微細化することにより、1Tb/in2の記録密度を実現することも可能であり、次世代の磁気記録媒体として注目を集めている。
【0007】
一方、一般的な細孔形成方法としては、Alの陽極酸化による細孔形成方法が、形状のばらつきの少ない多数の微細細孔を形成できる方法として知られている。この方法では、Al基板を、硫酸、シュウ酸、リン酸などの酸性電解液中で陽極酸化すると、ポーラス型陽極酸化皮膜である陽極酸化皮膜が形成される(例えばR.C.Furneaux,W.R.Rigby&A.P.Davidoson&NATURE Vol.337 P147(1989)など参照)。このポーラス皮膜の特徴は、直径が数nm〜数百nmの極めて微細な円柱状細孔(アルミナナノホール)が、数十nm〜数百nmの間隔で平行に配列するという特異的な幾何学的構造を有することにある。この円柱状の細孔は、高いアスペクト比を有し、断面の径の一様性にも優れている。ここで、アスペクト比とは、細孔が長方形等の四角形であった場合は長辺の長さ(正方形の場合は、一辺の長さ)をx、細孔の深さをyとしたときのy/xを表す。細孔が円形であった場合は、細孔の直径をx、細孔の深さをyとしたときのy/xを表す。
【0008】
また、ポーラス皮膜の構造は陽極酸化の条件を変えることにより、ある程度の制御が可能である。例えば、陽極酸化電圧で細孔間隔を、陽極酸化時間で細孔の深さを、ポアワイド処理により細孔径をある程度制御可能であることが知られている。ここでポアワイド処理とはアルミナのエッチング処理であり、普通リン酸でのウェットエッチング処理を用いる。
【0009】
また、ポーラス皮膜の細孔の垂直性、直線性及び独立性を改善するために、二段階の陽極酸化を行う方法、すなわち、陽極酸化を行って形成したポーラス皮膜を一旦除去した後に再び陽極酸化を行って、より良い垂直性、直線性、独立性を示す細孔を有するポーラス皮膜を作製する方法が提案されている(Japanese Journal of Applied Physics, Vol35, Part2,No1B,pp.L126−L129,15 January1996)。ここで、この方法は最初の陽極酸化により形成した陽極酸化皮膜を除去するときにできるAl基板の窪みが、二度目の陽極酸化の細孔の形成開始点となることを用いている。
【0010】
さらにポーラス皮膜の細孔の形状、間隔及びパターンの制御性を改善するために、スタンパを用いて細孔の形成開始点を形成する方法、すなわち、複数の突起を表面に備えた基板をAl基板の表面に押し付けてできる窪みを細孔の形成開始点として形成した後に陽極酸化を行って、より良い形状、間隔及びパターンの制御性を示す細孔を有するポーラス皮膜を作成する方法も提案されている(中尾 特開平10−121292号公報 もしくは 益田 固体物理 31,493(1996))。また、基板表面にFIB(集束イオンビーム)を照射して、細孔の形成開始点となる窪みを作製する方法、基板表面にレジスト樹脂を均一に塗布し、光露光又は電子線露光技術でパターンニングを施した後にドライエッチング処理を行うことで、パターニングされた細孔の形成開始点となる窪みを作製する方法もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記陽極酸化アルミナナノホールに磁性体を埋め込むことにより、アルミナナノホールをパターンドメディアに応用することは、既に公知の技術である。アルミナナノホールを用いた場合においても、アルミナナノホールに埋め込まれた磁性体の磁化方向を面内方向に制御できれば面内記録方式の媒体とすることができ、また、垂直方向が採用できれば垂直記録方式の媒体とすることが可能である。ところが、アルミナナノホールは円柱状に形成されているのが普通であり、この円柱状の細孔構造は、その物理的構造から垂直記録方式の媒体により適した構造であり、面内記録方式の媒体に採用した場合には、以下のような不都合が生じる場合がある。
【0012】
つまり、円柱状のナノホールでは、断面が円形のために面内方向での形状異方性によるエネルギー的な相違が生じない。よって、磁化が面内で回転してしまう可能性や、ナノホールごとに磁化の方向が一様ではないといった可能性がある。このように磁化方向が一様ではないと、ナノホールに埋め込まれた磁性体の磁化と、それを検出する磁気ヘッドとの相対的な位置関係がナノホールごとに変化してしまい、磁気記録媒体として正確に記録・再生を行うことができないといった問題点を生じる。
【0013】
本発明の目的は、上記課題を解決することにあり、ナノホールを利用した磁性体において磁化方向を記録面に交差する方向だけでなく、記録面に沿った方向にも好適に適用し得る磁気記録媒体及びその作製方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、記録面と交差する方向に伸びる細孔内に磁性体を埋め込んだ構成を有する磁気記録媒体であって、
磁性体の記録面側に表れる平面形状が、長方形の内部に存在し、かつ長方形の短辺と等しい短軸を有する楕円形を内包する閉曲線により表される形状を有することを特徴とする磁気記録媒体に関するものである。
【0015】
本発明は更に、記録面と交差する方向に伸びる細孔内に磁性体を埋め込んだ構成を有し、磁性体の記録面側に表れる平面形状が、長方形の内部に存在し、かつ長方形の短辺と等しい短軸を有する楕円形を内包する閉曲線により表される形状を有する磁気記録媒体の作製方法であって、基体の有する陽極酸化により細孔を形成し得る被陽極酸化層の表面に、スタンパを用いて長方形配列又は斜方形配列の細孔形成開始点となる窪みを形成する工程と、窪みを細孔形成開始点として長方形配列の長辺の長さ又は斜方形配列の長い対角線長さに対応した陽極酸化電圧で被陽極酸化層の陽極酸化を行い、被陽極酸化層中に細孔を形成する工程と、細孔内に磁性体を埋め込む工程と、を有することを特徴とする磁気記録媒体の作製方法に関するものである。
【0016】
このように形状を楕円形にすることで形状異方性を与え、ナノホールに埋め込まれた磁化の方向を、エネルギー的に安定となる方向に固定し、ナノホールに埋め込まれた磁性体の磁化と、それを検出する磁気ヘッドとの相対的な位置関係が常に一定となる磁気記録媒体を提供することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(磁気記録媒体の作製方法)
本発明は、基板上に細孔形成開始点となる窪みを形成する工程と、陽極酸化アルミナナノホールを形成する工程と、形成された陽極酸化アルミナナノホールに磁性体を埋め込む工程と、
を有することを特徴とする磁気記録媒体、およびその作製方法に関するものである。
【0018】
また、本発明における磁気記録媒体は、陽極酸化で得られる陽極酸化アルミナナノホールによる細孔に磁性体を埋め込み、一つ一つの細孔に1ビットを記録すること、又は複数の細孔に1ビットを記録することを特徴としたパターンドメディアである。
【0019】
自己組織的に形成されるアルミナナノホールは、ナノホールの直径が数nm〜数百nmまで制御でき、ナノホールの間隔もナノホールの直径より若干大きい値から約500nmまで制御可能である。ここで、被陽極酸化層は、Alを主成分とするのが好ましい。Alの陽極酸化には各種の酸が利用可能であるが、微細な間隔のナノホールを作製するには硫酸浴、比較的大きな間隔のナノホールを作製するにはリン酸浴、その間の間隔を有するナノホールを作製するにはシュウ酸浴が好ましい。また、ナノホールの直径は陽極酸化後にリン酸などの溶液中でエッチングする工程によって拡大することも可能である。
【0020】
本発明における図1に示すように長方形11の内部に存在し、且つ長方形11の短辺と等しい短軸を有する楕円形12のナノホール13を形成するには、Al又はAlを主成分とする膜を成膜した基板上に、ナノホールの形成開始点となる窪みを図2又は3に示すように長方形配列又は斜方形配列となるように作製する必要がある。この窪みはスタンパを用いて作成しても良い。スタンパは電子線露光装置を用いて所望の突起のパターンをレジストにパターンニングした後、ドライエッチングを行なうことにより作製することができる。この際、陽極酸化電圧は長方形配列の長辺の長さ21(図2)、又は斜方形配列の長い対角線の長さ31(図3)に対応した値に選ぶことが望ましい。つまり、陽極酸化電圧(V)と形成されるナノホールの長辺(長い対角線)の長さ(2R[nm])との間にはおよそ、2R[nm]=2.5×Vなる関係があるので、例えば長方形に配列した窪みを100nm×150nmの間隔で基板上に作製した場合、陽極酸化電圧は60Vとすることが望ましい。このように長辺(長い対角線)の長さに対応した陽極酸化電圧で陽極酸化をした方が、ナノホールの断面形状の均一性に優れており、ナノホールが二股に分岐しない窪み間隔の範囲を広くすることができる。細孔の形状は、4つの交点で形成される四角形の短辺(短い対角線)に対する長辺(長い対角線)の比が大きくなるに従い、楕円形状を有するようになる。また、陽極酸化条件を所望のものに設定することにより、細孔形状を長方形、正方形等とすることも可能である。4つの交点で形成される四角形の短辺(短い対角線)に対する長辺(長い対角線)の比が大きくなると、陽極酸化によって形成されるナノホールが、途中で長辺方向(長い対角線方向)に二股に分岐し、不規則な構造が得られる。
【0021】
また、規則的な柱状のナノホールを形成するには細孔径に対してAlの膜厚を適度に制御する必要がある。細孔径に対して膜厚を厚くするとナノホールの分岐が発生し、不規則な構造が得られる。
【0022】
さらに、上記の形状の規則的なナノホールを形成するには、長方形配列の短辺22と長辺21の比を1:1〜1:2(図2)、または斜方形配列の短い対角線32と長い対角線31の比を1:1〜1:2(図3)に設定するのが望ましい。短辺(短い対角線)と長辺(長い対角線)の比を大きくすると、図4に示すように長辺方向(長い対角線方向)の間の不規則な位置にナノホール41が形成され、不規則な構造が得られる。
【0023】
図5は形成されたナノホールの記録面と交差する方向の断面図である。基板上に成膜するAl又はAlを主成分とする膜の膜厚を変化させることにより、形成されるナノホールの深さを制御することが可能である。このとき、形成されるナノホールのアスペクト比が1以下になるようにすると、ナノホールに埋め込まれた磁性体の磁化方向は、形状異方性により磁性体の記録面に沿った方向を向く傾向が強くなる。さらに、基板面内で、ナノホールの断面形状による形状異方性の影響により、磁化は面内の或る一方向を向くことになる。アスペクト比を大きくするに従って、ナノホールに埋め込まれた磁性体の磁化は、形状異方性により磁性体の記録面と交差する方向を向く傾向が強くなる。磁性体の種類にもよるが、磁化の方向を磁性体の記録面と交差する方向とするには、アスペクト比が0.5以上であることが好ましい。
【0024】
上記の陽極酸化されるAl又はAlを主成分とする膜を成膜するには、抵抗加熱による真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法などが利用できる。但し、ある程度平坦な表面を有する膜を形成できる方法でなければならない。
【0025】
上記のナノホールに磁性体を埋め込むには、真空蒸着法やスパッタリング法も利用可能であるが、アスペクト比の大きな細孔にも埋め込めるという観点では電着法が好ましい。また、電着の電極となる下地電極層はAl層の下に設ける。下地電極層には、導電性の非金属であれば各種の物質を用いることができるが、電着制御性のよいCu又はCuを主成分とする合金、又は貴金属とすることが望ましい。
【0026】
また、ナノホールに埋め込まれた磁性体の磁化が、記録面に交差する方向とする場合では、下地電極層の下にNi−Feによる軟磁性層を設けて、ナノホールに埋め込まれた磁性体による記録層の裏打ち層とすることも可能である。
【0027】
このようにして作製した磁気記録媒体は、ナノホール一つ一つに対して、磁場の印加、磁化の読み取りを行うことで、一つのナノホールを最小の磁気単位記録部とした磁気記録媒体(パターンドメディア)となる。また、複数のナノホールに対して、磁場の印加、磁化の読み取りを行うことで、複数のナノホールを最小の磁気単位記録部とした磁気記録媒体(ディスクリートメディア)となる。
【0028】
なお、磁性体が埋め込まれたナノホールを有する基板表面はダイヤモンドスラリーなどの研磨剤を用いた表面研磨を施して、平坦性を有することが望ましい。さらに、記録・再生を行う磁気ヘッドに対しての耐磨耗性を持たせるために、表面に保護層としてカーボンの他カーバイト、窒化物などの非磁性材料を用いることが可能である。
【0029】
基板としては、プラスチック、Si、ガラス、カーボン、Ni−PめっきをしたAl、Si−Cなどが使用できる。
【0030】
【実施例】
(参考例1) ナノホールの作製(1)
まず、Si基板上にスパッタリング法でAlを500nm成膜した。次に、Alの表面に、長方形に配列したナノホール形成開始点となる窪みを作製した。ナノホール形成開始点となる窪みは、スタンパをAlの表面に押し付けてスタンパの突起部分を転写することで作製した。スタンパはスピンコートにより電子線レジストを100nmの厚みで塗布した石英基板に対して、電子線露光装置を用いて所望の突起のパターンにレジストをパターニングした後にドライエッチングすることで作製した。ドライエッチングはCF4ガスをエッチングガスとして、5Pa、150Wのプラズマで2分間行った。このとき、長方形配列の短辺の長さを100nmに固定し、長辺の長さを変化させたA〜Eの試料を作製した。
【0031】
A〜Eの試料を0.3Mシュウ酸水溶液中、16℃にて、電圧40Vを印加して陽極酸化した。ここで40Vという印加電圧は、2R[nm]=2.5×Vの関係式より、100nm(長方形配列の短辺の長さ)のナノホール間隔に対応した陽極酸化電圧である。陽極酸化後、0.5wt%リン酸水溶液に40分間浸すウェットエッチング(ポアワイド処理)を行った。その後、試料の表面、及び断面をFE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で観測し、形成されたナノホールの形状を確認した。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
陽極酸化電圧が100nmの間隔に対応した40Vであったので、Aでは窪みの間隔に対応したナノホールが一様に形成された。ナノホールの断面形状は円形であった。Bでは、図6に示すようにナノホールの形成が進んでいる最中に150nm間隔の方向に二股に分岐しており、不規則な構造が得られた。ここで、図6中のA−A'面とは、楕円形の磁性体を長軸方向に二分割する面で、かつ、記録面と交差する方向に切断した面を表す。
【0033】
しかし、基板表面ではナノホールは窪みを作製した部分から形成されており、細孔配列に関しては規則性に大きな乱れはなかった。基板表面近くの、二股に分岐する前のナノホールの断面形状は、150nmの間隔方向に伸びた形状であった。C〜Eも同様に、ナノホールが二股に分岐していた。更に図7に示すように、窪みを作製していない不規則な位置にもナノホールが形成されており、不規則な構造が得られた。
【0034】
次に、窪みの間隔として、AとBの間の間隔(長方形配列の短辺の長さを100nm、長辺の長さを110nm〜140nm)をとったF〜Iの試料を作製し、上記例と同様に陽極酸化、ポアワイド処理を行い、FE−SEMで表面及び断面を観測した。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
Fではナノホールの断面形状が、円形よりも若干110nm間隔の方向に伸びている形状になっており、G〜Iのように長方形配列の長辺を長くするに従って、形成されるナノホールの断面形状が長辺方向に伸びていくことが確認された。また、ナノホールの形状は、Iでは一部分において二股になっていることが確認されたものの、おおむね柱状のナノホールが形成されていた。F〜Iでは、全てのナノホールは窪みを作製した部分から形成されており、規則性は乱れていなかった。
【0036】
以上の結果より、ナノホール形成開始点となる窪みの長方形配列の短辺に対する長辺の比が大きくなるに従って、形成されるナノホールが、途中で長辺方向に二股に分岐し、不規則な構造が得られることが確認された。
【0037】
(実施例1) ナノホールの作製(2)
参考例1において、ナノホールの形成開始点となる長方形配列の長辺の長さに対応した陽極酸化電圧で陽極酸化を行った。
【0038】
参考例1と同様に、Si基板上にAlを500nmスパッタリング法で成膜した後、その表面に、長方形に配列したナノホール形成開始点となる窪みを作製した。このとき、長方形配列の短辺の長さを100nmに固定し、長辺の長さを変化させたJ〜Mの試料を作製した。
【0039】
J〜Mの試料を0.3Mシュウ酸水溶液中、16℃にて陽極酸化した。陽極酸化電圧は、各試料の長辺の長さに対して、2R[nm]=2.5×Vの関係式より算出した値とした。陽極酸化後、0.5wt%リン酸水溶液に浸すポアワイド処理を行った。ポアワイド処理の時間は、陽極酸化電圧と同じ時間とした。その後、試料の表面、及び断面をFE−SEMで観測し、形成されたナノホールの形状を確認した。結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
本実施例ではJ〜L、すなわち100nm×160nmの間隔までナノホールが二股になることはなく、柱状のナノホールが作製できた。断面形状は参考例1と同様に、長辺方向に伸びた形状であり、長方形配列の長辺を長くするに従って、長辺方向へと広がっていく傾向があるという点でも参考例1と同様の結果であった。しかし、GとJ、IとKのように窪みの間隔が等しい試料同士で比較した際、参考例1のG及びIよりも、本実施例のJ及びKの方がナノホール一つ一つの断面形状が揃っており、断面形状の均一性という点において優れていた。M及びNでは、ナノホールの形状が途中で二股に分岐したものになっていた。また窪みを作製していない不規則な位置にナノホールが形成されており、不規則な構造が得られた。
【0041】
本実施例の結果と参考例1の結果より、ナノホール形成開始点となる窪みの長方形配列において、長辺の長さに対応した陽極酸化電圧で陽極酸化をした方が、ナノホール断面形状の均一性に優れていた。このため、断面形状の均一な細孔を得るという観点からは、長辺の長さに対応した陽極酸化電圧で陽極酸化をした方が、ナノホールが二股に分岐しない窪み間隔の範囲を広くできることが確認できた。
【0042】
(参考例2) ナノホールの作製(3)
本例では、実施例1及び参考例1よりもナノホール形成開始点となる窪みの間隔を大きくし、参考例1と同様の検討を行った。
【0043】
参考例1と同様に、Si基板上にAlを500nmスパッタリング法で成膜した後、Alの表面に、長方形に配列したナノホール形成開始点となる窪みを作製した。このとき、長方形配列の短辺の長さを200nmに固定し、長辺の長さを変化させたO〜Rの試料を作製した。
【0044】
O〜Rの試料を0.3Mシュウ酸水溶液中、10℃にて、電圧80Vを印加して陽極酸化した。ここで80Vという印加電圧は、2R[nm]=2.5×Vの関係式より、200nm(長方形配列の短辺の長さ)に対応した陽極酸化電圧である。陽極酸化後、0.5wt%リン酸水溶液に85分間浸すポアワイド処理を行った。その後、試料の表面、及び断面をFE−SEMで観測し、形成されたナノホールの形状を確認した。結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
Oでは、Aと同様に窪みの間隔に対応したナノホールが一様に形成された。
【0046】
但し、ナノホールの断面形状はAで観測された円形ではなく、正方形に近いものであった。Pでは窪みの間隔に対応した柱状のナノホールが形成されており、断面形状は全体的に220nm間隔の方向に伸びた、やや丸みを帯びた長方形に近い形状となっているが、ナノホール一つ一つの断面形状に均一性がなかった。Qでは窪みの間隔に対応した柱状のナノホール以外にも、不規則な位置に所々、ナノホールが発生した。また、Rでは不規則な位置に多数のナノホールが多数、存在しており、Q、Rでは不規則な構造が得られた。
【0047】
次に陽極酸化電圧を100Vとして、同様の実験を行った。結果を表5に示す。
【0048】
【表5】
PとS、QとTを比較すると、S及びTの方が、P及びQよりも形成されるナノホールの断面形状は均一性に優れていることが確認できた。S及びTの断面形状はP及びQよりも、やや丸みがとれた形状になっており、長方形に近い形状となっていた。また、SとTではTの方が断面形状の均一性に優れていた。Uでは、窪みの間隔に対応した柱状のナノホール以外にも、不規則な位置にナノホールが所々、存在しており、不規則な構造が得られた。S〜Uにおいて、ナノホールの形状は柱状であり、二股に分岐することはなかった。
【0049】
本例では、実施例1及び参考例1のようにナノホールが二股に分岐することはなかった。これは、窪みの間隔と陽極酸化電圧を大きくすることで、ナノホールの断面の大きさは実施例1及び参考例1の場合よりも大きなものが形成されているが、シリコン基板上に成膜したAlの膜厚が500nmと変化していないため、ナノホールの深さが実施例1及び参考例1と同様であり、ナノホールが二股に分岐する前に陽極酸化が終了したためであると考えられる。Alの膜厚を1μmとして同様の実験をしたところ、二股に分岐することが確認できたので、規則的な柱状のナノホールを形成するためには、Alの膜厚を制御することが、ナノホール形成開始点となる窪みの間隔と同様に重要であることが確認できた。
【0050】
(実施例2) ナノホールの作製(4)
本実施例は、Alの膜厚を50nmとして実施例1と同様の検討を行ったものである。結果を表6に示す。
【0051】
【表6】
本実施例ではV〜Y、すなわち100nm×200nmの間隔までナノホールが二股に分岐することはなく、柱状のナノホールが作製できた。二股に分岐しない柱状のナノホールが形成されるような窪みの間隔の範囲が、実施例1と比較して広いのは、Alの膜厚を薄くすることにより、ナノホールが二股に分岐する前に陽極酸化が終了したためであると考えられる。V〜Yの断面形状は、実施例1と同様に、長方形配列の長辺方向に伸びた形状であり、長辺を長くするに従って、長辺方向へと伸びていく傾向があった。また、断面形状の均一性も優れていた。Zでは二股に分岐してしまい、窪みを作製していない部分にも不規則な位置にナノホールの存在が確認され、不規則な構造が得られた。
【0052】
本実施例より、Alの膜厚を薄くすることで二股に分岐しない柱状のナノホールが形成されるような窪み間隔の範囲を広くすることができた。Alが50nmの場合について100nm×200nmの間隔まで、断面形状の均一性に優れた長辺方向に伸びた断面形状の、柱状ナノホールの形成を確認した。
【0053】
(実施例3) ナノホールへの磁性体の電着(1)
本実施例は、ナノホールに埋め込まれた磁性体の磁化が記録面に沿った方向を向くように、電着により磁性体を埋め込むことに関するものである。
【0054】
まず、Si基板上にスパッタリング法で、下地電極層となるCuを20nm成膜した後、その上にAlを50nm成膜した。次にAl表面に、100nm×200nmで長方形に配列した、ナノホール形成開始点となる窪みを作製し、0.3Mシュウ酸水溶液中、16℃にて、電圧80Vを印加して陽極酸化した。陽極酸化後、0.5wt%リン酸水溶液に80分間浸すポアワイド処理を行った。このとき、作製されたナノホールのアスペクト比は0.5であった。
【0055】
以上の手順で作製したナノホールに、c軸が記録面に沿った方向に配向したhcp構造のCoを電着により埋め込んだ。電着に際して、硫酸コバルト(II)7水和物0.2Mとホウ酸0.3Mの混合溶液を24℃で使用した。参照極はAg/AgClを使用し、−1.0VでCo電着を行った。さらに、基板のなす面と、磁性体が埋め込まれた細孔が平坦な表面を形成するように、ナノホールから溢れ出した電着物(Co)を表面研磨することで取り除いた。この際、研磨剤として、1/4μmのダイヤモンドスラリーを使用した。
【0056】
基板表面の一部分をFE−SEMで観測したところ、基板表面の平面像から、全てのナノホールにCoが埋め込まれていることが確認できた。
【0057】
次に、ナノホールに埋め込まれたCoの磁化方向を観測するために、MFM(磁気力顕微鏡)で試料表面を観察した。その結果、それぞれのナノホールに埋め込まれたCoの磁化は、図8(a)に示すように記録面に沿った方向に磁化が向いている像が得られ、一方向に伸びたナノホールの断面形状による形状異方性を反映して、面内においても磁化方向は一方向に揃っていた。面内において磁化方向が一方向に揃っていることは、磁気ヘッドで記録・再生を行ううえで、常に磁化の方向とヘッドの想定的な位置関係を一定にできるので都合が良い。
【0058】
さらに、試料の記録面に沿った方向に3kOeの磁場を印加することで、図8(b)に示すようにナノホールに埋め込まれたCoの磁化方向を磁場の方向に揃えた。試料表面をMFMで観察すると、全ての磁化の向きが印加磁場の方向に揃っていることが確認できた。その後、試料に逆方向に3kOeの磁場を印加してMFM観察を行ったところ、全ての磁化の向きが反転して、印加磁場の方向に揃っていることが確認できた。
【0059】
磁気ヘッドを利用して、これらの磁場の印加及び磁化の読み取りを行うことで、記録・再生が可能な磁化方向が記録面に沿った方向である磁気記録媒体として使用可能である。例えば、ナノホール一つ一つに対して、磁場の印加、磁化の読み取りを行うことで、ナノホール一つを最小の磁気単位記録部とした磁気記録媒体となる。また、複数のナノホールに対して、磁場の印加、磁化の読み取りを行うことで、複数のナノホールを最小の磁気単位記録部とした磁気記録媒体となる。
【0060】
(参考例3) ナノホールへの磁性体の電着(2)
本例は、ナノホールに埋め込まれた磁性体の磁化が記録面に交差する方向を向くように、電着により磁性体を埋め込むことに関するものである。まず、Si基板上にスパッタリング法で、下地電極層となるCuを20nm成膜した後、その上にAlを500nm成膜した。次にAl表面に、200nm×240nmで長方形に配列した、ナノホール形成開始点となる窪みを作製し、0.3Mシュウ酸水溶液中、10℃にて、電圧100Vを印加して陽極酸化した。陽極酸化後、0.5wt%リン酸水溶液に85分間浸すポアワイド処理を行った。このとき、作製されたナノホールのアスペクト比は2.5であった。
【0061】
以上の手順で作製したナノホールに、c軸が記録面に交差する方向に配向したhcp構造のCoを電着により埋め込んだ。ここで、本例では実施例3(アスペクト比0.5)よりも形成されるナノホールのアスペクト比が高いので、Coのc軸を記録面に交差する方向に配向させることが可能である。電着に際して、硫酸コバルト(II)7水和物0.2Mとホウ酸0.3Mの混合溶液を24℃で使用した。参照極はAg/AgClを使用し、−1.0VでCo電着を行った。さらに、基板のなす面と、磁性体が埋め込まれた細孔が平坦な表面を形成するように、ナノホールから溢れ出した電着物(Co)を表面研磨することで取り除いた。この際、研磨剤として、1/4μmのダイヤモンドスラリーを使用した。
【0062】
基板表面の一部分をFE−SEMで観測したところ、基板表面の平面像から、全てのナノホールにCoが埋め込まれていることが確認できた。
【0063】
次に、ナノホールに埋め込まれたCoの磁化方向を観測するために、MFMで試料表面を観察した。その結果を図9(a)および(b)に示す。ここで図9中のA−A’面とは、楕円形の磁性体を長軸方向に二分割する面で、かつ、記録面と交差する方向に切断した面を表す。図9(a)では、実施例2で得られた像とは異なり、各ナノホールの中で面内方向のコントラストの違いは見られず、それぞれのナノホールに埋め込まれたCoの磁化は記録面に交差する方向を向いていることが確認できた。
【0064】
さらに、記録面に交差する方向に3kOeの磁場を印加して、MFMで観察すると、図9(b)に示すように、磁化の向きは全て印加磁場の方向に揃っていた。次に、逆方向に3kOeの磁場を印加した後、MFMで観察すると、磁化の向きも全て反転して印加磁場の方向に揃っていた。
【0065】
磁気ヘッドを利用して、これらの磁場の印加及び磁化の読み取りを行うことで、記録・再生が可能な磁気記録媒体として使用可能である。例えば、ナノホール一つ一つに対して、磁場の印加、磁化の読み取りを行うことで、ナノホール一つを最小の磁気単位記録部とした磁気記録媒体となる。また、複数のナノホールに対して、磁場の印加、磁化の読み取りを行うことで、複数のナノホールを最小の磁気単位記録部とした磁気記録媒体となる。
【0066】
本発明における断面形状を有するナノホールを利用した記録面に沿った方向および記録面に交差する方向に磁性体が磁化された記録媒体は、同じ記録密度、且つ同じナノホールの高さで比較した場合、通常の円形のナノホールよりも大きな体積となるので、媒体からの信号として大きなものが得られるという点で好都合である。
【0067】
(参考例4) ポアワイド処理
本例は、形成されたナノホールの断面形状をウェットエッチングにより変化させることに関する。
【0068】
Si基板上にAlを500nmスパッタリング法で成膜した後、Alの表面に、200nm×240nmの間隔で長方形に配列したナノホール形成開始点となる窪みを作製した。
【0069】
試料を0.3Mシュウ酸水溶液中、10℃にて、電圧100Vを印加して陽極酸化した。陽極酸化後、0.5wt%リン酸水溶液に85分間及び105分間浸すポアワイド処理を行った。その後、試料の表面をFE−SEMで観測し、形成されたナノホールの断面形状を確認した。
【0070】
ナノホールの断面形状は、長方形に近い形状であったが、105分間ポアワイド処理を行った試料は、85分間ポアワイド処理を行った試料よりも正方形に近い形状となっていた。
【0071】
以上の結果より、ポアワイド処理の時間を変化させることで、ナノホールの断面形状が変化できることが確認できた。全体的にポアワイド処理の時間が長くなるにつれて、正方形や円形といった、一方向に伸びていない形状に近くなる傾向があった。
【0072】
【発明の効果】
磁性体に形状異方性を付与し、高密度かつ保存安定性を有する磁気記録媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】楕円形の磁性体が埋め込まれたナノホールを表す模式図である。
【図2】窪みの長方形配列を表す模式図である。
【図3】窪みの斜方形配列を表す模式図である。
【図4】規則的な細孔配列間の不規則な位置に形成されたナノホールを表す模式図である。
【図5】ナノホールを記録面と交差する方向で切断した断面図である。
【図6】二股に分岐したナノホールを表す模式図およびそれを記録面と交差する方向で切断した断面図である。
【図7】規則的な細孔配列間の不規則な位置に形成されたナノホールを表す模式図である。
【図8】記録面に沿った方向に磁化された磁性体を表す模式図である。
【図9】記録面に交差する方向に磁化された磁性体を表す模式図および楕円形の磁性体を長軸方向に二分割する面で、かつ、記録面と交差する方向に切断した断面図である。
【符号の説明】
11 長方形
12 楕円形
13 ナノホール
21 長辺
22 短辺
23 窪み
31 長い対角線
32 短い対角線
33 窪み
41 不規則な位置に形成されたナノホール
42 規則的配列のナノホール
51 基板
52 ナノホールの深さ
53 アルミナナノホール
54 陽極酸化皮膜
61 二股に分岐したナノホール
62 基板表面近くのナノホール
63 分岐により残ったアルミナ部分
64 アルミナ部分
65 基板
71 二股に分岐したナノホール
72 基板表面近くのナノホール
73 分岐により残ったアルミナ部分
74 不規則な位置に形成されたナノホール
81 磁性体が埋め込まれたナノホール
82 磁性体の磁化方向
91 磁性体が埋め込まれたナノホール
92 磁性体の磁化方向
Claims (9)
- 記録面と交差する方向に伸びる細孔内に磁性体を埋め込んだ構成を有し、該磁性体の前記記録面側に表れる平面形状が、長方形の内部に存在し、かつ該長方形の短辺と等しい短軸を有する楕円形を内包する閉曲線により表される形状を有する磁気記録媒体の作製方法であって、
基体の有する陽極酸化により細孔を形成し得る被陽極酸化層の表面に、スタンパを用いて長方形配列又は斜方形配列の細孔形成開始点となる窪みを形成する工程と、
該窪みを細孔形成開始点として長方形配列の長辺の長さ又は斜方形配列の長い対角線長さに対応した陽極酸化電圧で該層の陽極酸化を行い、該層中に細孔を形成する工程と、
該細孔内に磁性体を埋め込む工程と、
を有することを特徴とする磁気記録媒体の作製方法。 - 隣接する2つの窪みの間隔によって形成される細孔の形状を制御する請求項1に記載の作製方法。
- 前記細孔のアスペクト比が1以下であり、該細孔に埋め込まれた磁性体の磁化方向が前記記録面に沿った方向である面内記録方式用である請求項1又は2に記載の作製方法。
- 前記細孔のアスペクト比が0.5以上であり、該細孔に埋め込まれた磁性体の磁化方向が、前記記録面に交差する方向である請求項1又は2に記載の作製方法。
- 前記細孔を最小の磁気記録単位部とする記録方式用である請求項1〜4のいずれかに記載の作製方法。
- 前記記録面に複数の磁気記録単位部を形成し、各磁気記録単位部が前記細孔の複数からなる請求項1〜5のいずれかに記載の作製方法。
- 前記被陽極酸化層がAlを主体として形成され、前記細孔がアルミナナノホールである請求項1〜6のいずれかに記載の作製方法。
- 前記アルミナナノホールによる細孔を形成した後、ウェットエッチングによる該細孔の孔径拡大処理(ポアワイド処理)により、該細孔の断面形状を変化させる工程を含む請求項7に記載の作製方法。
- 前記細孔に磁性体を埋め込む工程が電着による工程である請求項1〜8のいずれかに記載の磁気記録媒体の作製方法。
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