JP4048016B2 - 半導体レーザ光源及びこれを用いた半導体レーザ加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高出力半導体レーザ光源に関し、特に、等方的な出力ビームを有し、産業用、材料加工用、医療用の高出力レーザ装置に応用することができる高出力半導体レーザ光源の提供に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザダイオードは、高効率(≧40%)、小型、長寿命、低コストといった利点を有しているため、種々のレーザ装置のレーザ光源として魅力的である。近年、新たなレーザダイオードの開発や、ヒートシンクの高効率化、レーザチップのマウント技術の発展等によって、レーザダイオードの出力は飛躍的に増大しており、材料加工用や医療用レーザ装置のレーザ光源へのレーザダイオードの応用の可能性が高まってきた。
【0003】
しかしながら、半導体レーザダイオードには、こうした分野に応用するには出力ビーム品質が十分でないという大きな欠点がある。半導体レーザダイオードの発光領域は、接合面に平行な方向に長く(数mm〜10mm)、接合面に垂直な方向に短い(〜1μm)ため、出力レーザ光のビーム品質は異方性が非常に大きい。このため、半導体レーザダイオードの出力光を、試料上に小さな円形スポットで集光することが難しい。このことはレーザダイオードを加工用途等に用いるための大きな障害となる。
【0004】
従来、レーザダイオードのビーム品質因子を等方化する技術としては、例えば、W.A.Clarkson等によって1996年3月15日発行のOptics Letter Vol.21に発表された方法があった。この方法の概略を図8(a)及び(b)に示す。この方法では、複数の半導体レーザダイオードチップを接合面の方向が揃うように一次元配列したレーザダイオードバーを光源として、その出力光を2枚の平行な高反射率ミラー(808nmにおいて99.8%以上)29及び30から成るビーム整形器を用いて整形する。図8(a)は、ビーム整形器の上面図を示し、図8(b)は、その側面図を示している。レーザダイオードバーからの入力レーザ光は複数の隣接したビーム(図中(1)〜(5))から成り、レーザ光の進行方向をz方向として、xz平面及びyz平面におけるビーム品質因子が各々Mx 2及びMy 2となっている。尚、図面の簡単のために入力レーザ光は5個の平行なビームから成るとしている。ミラー29とミラー30は少しずらして配置されており、入力レーザ光は、ミラー30の、ミラー29に隠れていない部分に斜めに入射する。ミラービーム整形器の2枚のミラーがx’y’平面内にあるとすると、入力レーザ光は、x’z’平面においてミラー30に対してθx’の角度で進入し(図8(a))、y’z’平面においてミラー30に対してθy’の角度で進入する(図8(b))。2枚のミラー29及び30の間の距離dと入力レーザ光の進入角度θx及びθyとを適切に調整することにより、入力レーザ光を個々のエミッタ(=レーザチップ)ごとに分割して、分割されたレーザ光をy方向に積層させる。積層された出力光は2つのクロスした円柱レンズによって直交面内において平行とされ、最終的に非球面レンズによって集光される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の方法には、ビーム整形器が大型化し、フレキシビリティに欠け、低効率であるといった欠点に加えて、レーザダイオードバーを複数個積層してさらなる高出力化を図りたい場合に適用が困難であるという欠点がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みて成されたものであり、材料加工用又は医療用レーザ装置に必要な円形スポットへの集光が可能な等方的レーザ光を出力する高出力半導体レーザ光源であって、小型、フレキシブル、低コストで、しかも複数のレーザダイオードバーを積層することによる高出力化が可能な半導体レーザ光源を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の半導体レーザ光源は、半導体レーザダイオードを複数個配列してなるレーザダイオードアレイと、該レーザダイオードアレイの出力レーザ光のビーム形状を整形するビーム整形器と、前記レーザダイオードアレイを前記ビーム整形器に光学的に接続するレンズ系とを備えた半導体レーザ光源であって、前記ビーム整形器中に、屈折率が中心軸から外周に向かって2次関数的に減少する非可撓性の透明ロッドを有し、前記レーザダイオードアレイの出力レーザ光が前記透明ロッド内を伝搬することにより、前記出力レーザ光のビーム品質因子が等方化されることを特徴とする。
【0008】
ビーム整形器内の透明ロッドは、擬似レンズ列として作用し、レーザ光の拡大・縮小を繰り返しながら、レーザ光を伝搬する。このレーザ光の拡大・縮小過程は、ロッド内の屈折率分布の微妙な乱れと相俟って、伝搬するレーザ光に誘乱を与える。このため、レーザ光のビーム品質の異方性は、レーザ光が透明ロッド中を伝搬するにしたがって徐々に解消され、透明ロッドから等方的なレーザ光が出射される。
【0009】
このビーム整形手段によれば、複数のレーザダイオードの発光を積み重ねることによってビーム形状を整形する従来の方法と異なり、個々のレーザダイオードの発光自身を等方化することができる。従って、レーザダイオードを二次元配列して高出力化を行うことができる。
【0010】
例えば、前記レーザダイオードアレイが、接合面の方向が揃った半導体レーザダイオードの一次元配列から成るレーザダイオードバーを、複数個積層して成ることが好ましい。このようなレーザダイオードアレイを用いることにより、kWオーダの高いCW出力を得ることができる。
【0011】
また、前記レーザダイオードアレイを、接合面の方向が揃った半導体チップの一次元配列から成るレーザダイオードバーを、複数個放射状に配列して構成しても良い。このようなレーザダイオードアレイを用いることにより、kWオーダの高いCW出力を得ると共に、ビーム品質因子の異方性を小さくすることができる。
【0012】
また、前記透明ロッドが、前記出力レーザ光の誘乱を促進するように、中心軸の曲がりを有していることが好ましい。これにより、透明ロッド内を伝搬するレーザ光に与える誘乱を大きくして、レーザビームの等方化に必要な透明ロッドの長さを短縮することができる。
【0013】
さらに、前記透明ロッドの光入射端面における前記出力レーザ光の遅軸方向の径φxが、前記透明ロッドの屈折率が変化する領域の径φc以下であることが好ましい。これにより、透明ロッドを伝搬することによるレーザ光のビーム品質低下を抑制することができる。尚、ここで、「透明ロッドの屈折率が変化する領域の径」とは、透明ロッドのうちクラッド部分を除いたコア部分の径を指し、クラッド部のない透明ロッドの場合には透明ロッドの直径に一致する。
【0014】
加えて、前記透明ロッドの光入射端面における前記出力レーザ光の遅軸方向のビーム品質因子をMx 2、前記出力レーザ光の中心波長をλ、前記透明ロッドの中心軸における屈折率をn0、前記透明ロッドn中心軸と外周との屈折率差をΔnとして、前記φxが、次式
【数3】
を実質的に満たすことが好ましい。これにより、透明ロッドを伝搬することによるレーザ光のビーム品質低下をさらに抑制することができる。
【0015】
またさらに、前記透明ロッドの光入射端面における前記出力レーザ光の速軸方向のビーム品質因子をMy 2として、前記透明ロッドの光入射端面における前記出力レーザ光の速軸方向の径φyが、
【数4】
を実質的に満たすことが好ましい。これにより、透明ロッドに入射したレーザ光のビーム品質を維持したまま、ビームの等方化を行うことができる。
【0016】
また、前記透明ロッドの光入射端面における前記出力レーザ光の開口数が、前記透明ロッドの開口数以下であることが好ましい。これにより、透明ロッドに入射するレーザ光の強度ロスを防止することができる。
【0017】
さらに、前記透明ロッドの長さが、透明ロッドの屈折率が変化する領域の径の25倍以上であることが好ましい。これにより、透明ロッドから出力される光を真円とすることができる。
【0018】
また、前記透明ロッドを、屈折率が中心軸から外周に向かって2次関数的に減少するように加熱されている均質なガラスロッドによって構成しても良い。これにより、安価な材料を用いてレーザ光の等方化を行うことができる。
【0019】
また、本発明の半導体レーザ加工装置は、上記の本発明に係る半導体レーザ光源と、該半導体レーザ光源から出力されたレーザ光を伝送するためのフレキシブルなマルチモード光ファイバと、前記半導体レーザ光源と前記光ファイバを光学的に接続するための光学レンズと、前記光ファイバから出力されたレーザ光を被加工物に集光するための加工ヘッドとを有することを特徴とする。
【0020】
この半導体レーザ加工装置は、半導体レーザダイオードアレイ及び透明ロッドを用いる光源を利用するため小型、高出力、長寿命であり、円形の小さな集光スポットを得ることができるため加工性に優れる。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る半導体レーザ光源を示す概略図である。図1に示すレーザ光源は、半導体レーザダイオードを複数個配列したレーザダイオードアレイ1と、光学レンズ系3と、レーザ光のビーム形状を整えるビーム整形器である透明ロッド4とを備える。レーザダイオードアレイ1から出力された高次モード発振のレーザ光2は、光学レンズ系3によって透明ロッド4の光入射端面に集光され、透明ロッド4を伝搬して光出射端面から出射する。レーザ光2はレーザダイオードアレイ1から出力された時には非常に大きな異方性を有しているが、透明ロッド4を伝搬する間に等方化され、均質な円形ビームとして出力される。
【0022】
レーザダイオードアレイ1は、例えば、図2に示すように、20個のエミッタ(=レーザダイオード)6を接合面の方向が揃うように一次元に配列したレーザダイオードバー7を、25ライン積層した構成とすることができる。こうして構成されたレーザダイオードアレイ1によれば、kWオーダの高いCW出力が得られる。図2に示すレーザダイオードアレイから出力されるレーザ光のスポット形状は、レーザダイオードの遅軸方向(半導体レーザダイオードの接合面に平行な方向)を横辺とし、レーザダイオード7の速軸方向(半導体レーザダイオードの接合面に垂直な方向)を縦辺とする矩形となる。個々のレーザダイオード6の発光領域は、遅軸方向に長く(数mm〜10mm)、速軸方向に短い(〜1μm)ため、出力レーザ光のスポット形状はアスペクト比の大きな矩形となる。また、出力されるレーザ光のビーム品質因子M2の異方性も大きく、レーザダイオードの遅軸方向のビーム品質因子Mx 2は、速軸方向のビーム品質因子My 2に比べて遥かに大きくなる。
【0023】
光学レンズ系3には、複数のコリメーションレンズ、集光レンズ及び他の適当な光学部品が組み込まれている。光学レンズ系3は、まず、レーザダイオードアレイ1の出力光2を遅軸方向及び速軸方向に平行にし、そして、平行化した光を透明ロッド4の光入射端面に集光する。光入射端面に集光された時にも、レーザ光の矩形形状とビーム品質の異方性は維持されている。尚、レーザダイオードアレイ1がマイクロレンズを備えている場合には、レンズ系3において速軸方向の平行化を行うコリメーション・レンズは省略することができる。
【0024】
透明ロッド4は、半導体レーザ光源の発光波長において透明な円柱体であり、円柱の中心軸から外周に向かって2次関数的に減少する屈折率分布を有している。透明ロッド4は、いわゆるグレーテッド・インデックス型(GI型)光ファイバと同様の屈折率構造を有しているが、GI型光ファイバよりも短く、可撓性のないロッドである。透明ロッド4は、GI型光ファイバと同様に、その周囲をクラッド層によって覆っても良い。その場合には、コア部分において屈折率が中心軸から外周に向かって2次関数的に減少する。透明ロッド4には、例えば、GI型光ファイバの製造工程においてファイバへの紡糸前に得られるロッドを用いることができる。
【0025】
この透明ロッド4は、GI型光ファイバと同様の原理に従って、擬似レンズ列として作用し、レーザ光2を、その拡大・縮小を繰り返しながら伝搬する。このレーザ光の拡大・縮小過程は、屈折率分布の微妙な乱れと相俟って、伝搬するレーザ光に誘乱を与える。このため、レーザ光の矩形形状及びビーム品質の異方性は、レーザ光が透明ロッド4中を伝搬するにしたがって徐々に解消され、透明ロッド4の出射端部から等方的なビーム品質を有する円形のレーザ光が出射される。したがって、GI型の屈折率分布を有する透明ロッド4を用いることにより、簡易な構成によってレーザダイオード出力の異方性を解消することができる。
【0026】
また、透明ロッドによってビーム整形を行えば、半導体レーザダイオードの個々のビームについて等方化を行うことができるため、図2に示したようなレーザダイオードの2次元配列についてもビーム整形を行うことができる。したがって、大出力の半導体レーザ光源を構成することができる。
【0027】
さらに、GI型の屈折率分布を持った透明ロッド4によってビーム品質の等方化を行うことには、得られるビーム形状が安定となるという利点もある。透明ロッド4を、いわゆるステップインデックス型光ファイバと同様の構造としてもレーザ光のビーム品質の異方性を緩和することは可能であるが、このような構成によっては透明ロッドに応力や衝撃などの外乱が加わると得られるビーム形状が簡単に変化してしまうからである。
【0028】
光学レンズ系3の焦点距離、及びコリメーション・レンズと集光レンズの配置は、レーザ光の強度ロスを防止し、ビームの品質を維持することができるように適切に設定する。レーザ光の強度ロスを防止するためには、透明ロッド4への入射光学系の開口数(=NA値(Numerical Aperture))が透明ロッド4の開口数以下となるようにすることが好ましい。レーザ光のビーム品質の劣化を抑制するためには、透明ロッド4の光入射端面におけるレーザ光ビーム形状の遅軸方向の長さφxが、透明ロッドのクラッド部を除くコア部分の直径φc以下であることが好ましい。
【0029】
また、レーザ光のビーム品質の劣化をさらに抑制するためには、透明ロッド4の光入射端面におけるレーザ光の遅軸方向の長さφxが、次の(式1)を満たすことが好ましく、同時に速軸方向の長さφyが、次の(式2)を満たすことがさらに好ましい。
【数5】
ここで、Mx 2及びMy 2は透明ロッド4の光入射端面におけるレーザダイオードアレイ出力光の遅軸方向及び速軸方向のビーム品質因子、λはレーザダイオードアレイの出力光の中心波長、n0は透明ロッド4の中心軸における屈折率を、Δnは透明ロッドの中心軸と外周との屈折率差である。
【0030】
特に、(式1)及び(式2)の両方が満たされている場合には、一定の長さ以上の透明ロッドから出力されるレーザ光のビーム品質因子Mr 2は全方位について√(Mx 2My 2)に等しくなる。即ち、φx及びφyが上式を満たす大きさとなるように光学系3の焦点距離等を設定することにより、入射されたレーザ光のビーム品質を劣化させることなく、等方的な円形ビームを得ることができる。
【0031】
例えば、図2に示す1kWの出力を有するレーザダイオードアレイ7の場合について計算を行うと、遅軸方向及び速軸方向のビーム品質因子は各々Mx 2=4000及びMy 2=25、最適なビーム径はφx=9.095mm及びφy=0.719mmとなり、透明ロッドから出力されるレーザ光のビーム品質因子はMr2=316となると見積もられる。尚、計算に当たっては、λ=808.0nm、n0=1.437、Δn=0.021とした。
【0032】
図3は、コア部の直径約10mmの透明ロッドを用いた場合について、出力レーザ光のビーム品質因子M2の、透明ロッドの長さLに対する依存性を示すグラフである。図から明らかなように、遅軸方向のビーム品質因子18と速軸方向のビーム品質因子19の差は、透明ロッドの長さLが長くなるに従って減少する。例えば、長さL2におけるビーム品質因子の差は、長さL1における差に比べて大きく減少している。透明ロッドの長さLが、コア径の約25倍以上となる25cm以上でビーム品質因子の異方性はほぼ解消され、コア径の約30倍以上となる30cm以上でビーム品質因子の異方性は完全に解消されている。また、ビーム形状も透明ロッドの長さLに対して同様の傾向を示し、長さがL2におけるビーム形状21は、長さL1におけるビーム形状20に比べて異方性が小さく、長さが30cm以上におけるビーム形状22は真円となる。
【0033】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係る半導体レーザ光源のレーザダイオードアレイを示す概略図である。本実施の形態においては、図2に示したレーザダイオードバーを積層したレーザダイオードアレイ1に代えて、レーザダイオードバー9を放射状に配列したレーザダイオードアレイ8を用いる。
【0034】
このレーザダイオードアレイ8によれば、図2に示したレーザダイオードアレイと同様にkWオーダの高いCW出力を得ることができる。また、レーザダイオードバー9を放射状に配列することにより、図2に示したレーザダイオードアレイ1よりも、直交する平面におけるビーム品質因子の異方性を小さくすることができる。
【0035】
尚、図4に示すレーザダイオードアレイの場合、ビームの動径方向がレーザダイオードアレイ8の遅軸方向となり、ビームの角度方向(円周方向)がレーザダイオードアレイ8の速軸方向となる。従って、この場合に透明ロッドによるビーム品質の劣化を抑制するための条件は、透明ロッドの光入射端面におけるビームの直径φxを基準として考える。即ち、直径φxが透明ロッドのコア径φc以下であることが好ましく、直径φxが上記(式1)を満たすことがさらに好ましい。
【0036】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3に係る半導体レーザ光源の透明ロッド11を示す概略図である。本実施の形態においては、透明ロッド11に適切な曲率を持たせることにより、透明ロッドの光軸を蛇行させる。透明ロッドの入射端面12から入射したレーザ光14は、透明ロッド11内を拡大・縮小を繰り返しながら蛇行して伝搬し、透明ロッドの出射端面13から真円化されたレーザ光15として出射する。したがって、透明ロッド11に適当な中心軸の曲がりを持たせることにより、透明ロッド11内を伝搬するレーザ光14は拡大・縮小による誘乱に加えて進行方向が蛇行することによる誘乱を受けることになり、真直ぐな透明ロッドを用いた場合よりも短い距離でビーム品質の異方性が解消される。
【0037】
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4に係る半導体レーザ光源の透明ロッドを示す概略図である。本実施の形態においては、より安価な材料を用いてビーム整形を行うため、透明ロッドとして単純な均質ガラスロッド36を用いる。図6(a)に示すように、単純な均質ガラスロッド36の全周を囲んで加熱ヒータ38を設け、ガラスロッド36の外周部を適切な温度に加熱する。これにより、ガラスロッド36の動径方向に図6(b)に示すような屈折率分布を発生させ、ガラスロッド36をGI型の透明ロッドとすることができる。
【0038】
実施の形態5.
図7は、本発明の実施の形態5に係る半導体レーザ加工装置を示す概略図である。この装置は、kWオーダの高いCW出力が可能な半導体レーザダイオードアレイ1と、GI型の屈折率分布を有する透明ロッドから成るビーム整形器4と、レーザダイオードアレイ1の出射ビームを適切なビーム径となるように透明ロッド4の光入射端面に集光するレンズ系3と、ビーム整形器4からの出射ビームをフレキシブルな光ファイバ25に入射するための光学レンズ23と、レーザビームを試料26の近傍に伝搬するためのコア径の大きなマルチモード光ファイバ25と、レーザビームを試料26の上に小さな円形スポットに集光するためのレーザ加工ヘッド27とを備える。
【0039】
レーザダイオードアレイ1、レンズ系3及びビーム整形器4には、実施の形態1乃至4において説明したいずれを用いても良い。実施の形態1において説明したように、レーザビーム2は、入射光の開口数が透明ロッド4の開口数以下となり、遅軸方向のビーム径φxが(式1)によって表される最適値となるように、透明ロッド4の入射端面に集光することが好ましい。これにより、透明ロッドから成るビーム整形器4から、等方的なビーム品質を有するレーザ光が出力される。
【0040】
ビーム整形器4から出力されたレーザ光は、光学レンズ23によって光ファイバ25に接続され、試料26の近傍に運ばれる。光ファイバ25のコア径は、ビーム整形器4から出力されるレーザ光のビーム品質に合わせて設定する。マルチモード光ファイバ25の出射端は、複数の光学レンズを有するレーザ加工ヘッドに接続されており、レーザ加工ヘッドはビームを試料26の上に円形スポット28として集光する。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、屈折率が中心軸から外周に向かって2次関数的に減少する透明ロッドにより、出力レーザ光のビーム品質因子を等方化するため、小型、フレキシブル、低コストで、しかも複数のレーザダイオードバーを積層することによる高出力化が可能な半導体レーザ光源を提供することができる。
【0042】
また、レーザダイオードアレイを、レーザダイオードバーを積層した構成とすることにより、kWオーダの高いCW出力を得ることができる。
【0043】
また、レーザダイオードアレイを、レーザダイオードバーを放射状に配列した構成とすることにより、kWオーダの高いCW出力を得ると共に、初期のビーム品質因子の異方性を小さくして、ビーム品質のより均一な光源とすることができる。
【0044】
さらに、中心軸に適当な曲率を有する透明ロッドを用いることにより、出力レーザ光の誘乱を促進して、レーザビームの等方化に必要な透明ロッドの長さを短縮することができる。
【0045】
また、透明ロッドの光入射端面における出力レーザ光の遅軸方向の径φxを、透明ロッドの屈折率が変化する領域の径φc以下とすることにより、透明ロッドを伝搬することによるレーザ光のビーム品質低下を抑制することができる。
【0046】
加えて、透明ロッドの光入射端面における出力レーザ光の遅軸方向の径φxを(式1)によって表される最適値とすることにより、透明ロッドを伝搬することによるレーザ光のビーム品質低下をさらに抑制することができる。
【0047】
またさらに、透明ロッドの光入射端面における出力レーザ光の速軸方向の径φyを(式2)によって表される最適値とすることにより、透明ロッドに入射したレーザ光のビーム品質を維持したまま、ビームの等方化を行うことができる。
【0048】
また、透明ロッドの光入射端面における出力レーザ光の開口数を、透明ロッドの開口数以下とすることにより、透明ロッドに入射するレーザ光の強度ロスを防止して、半導体レーザ光源の効率を高めることができる。
【0049】
さらに、透明ロッドの長さを、透明ロッドの屈折率が変化する領域の径の25倍以上とすることにより、透明ロッドから出力されるレーザ光を等方的な円形ビームとすることができる。
【0050】
また、透明ロッドを、屈折率が中心軸から外周に向かって2次関数的に減少するように加熱されている均質なガラスロッドによって構成することにより、安価な材料を用いてレーザ光の等方化を行うことができる。
【0051】
また、本発明の半導体レーザ加工装置は、レーザダイオードの出力レーザ光を透明ロッドによってビーム整形する半導体レーザ光源を用いるため、小型、高出力、長寿命であり、また、円形の小さな集光スポットを得ることができるため、加工性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体レーザ光源を示す概略図である。
【図2】 図2は、本発明の実施の形態1に係る半導体レーザ光源のレーザダイオードアレイを示す概略図である。
【図3】 図3は、出力レーザ光のビーム品質因子と透明ロッドの長さの関係を示すグラフである。
【図4】 図4は、本発明の実施の形態2に係る半導体レーザ光源のレーザダイオードアレイを示す概略図である。
【図5】 図5は、本発明の実施の形態3に係る半導体レーザ光源の透明ロッドを示す概略図である。
【図6】 図6(a)は、本発明の実施の形態4に係る半導体レーザ光源の透明ロッドを示す概略図であり、図6(b)はその屈折率分布を示すグラフである。
【図7】 図7は、本発明の実施の形態5に係る半導体レーザ加工装置を示す概略図である。
【図8】 図8(a)及び(b)は、従来の半導体レーザ光源のビーム整形器を示す上面図及び側面図である。
【符号の説明】
1及び8 半導体レーザダイオードアレイ、3及び23 レンズ系、4 GI型ファイバロッド(=透明ロッド)、6及び9 半導体レーザダイオードバー、7及び10 エミッタ(=半導体レーザダイオード)、25 光ファイバ、27 加工ヘッド。
Claims (10)
- 半導体レーザダイオードを複数個配列してなるレーザダイオードアレイと、該レーザダイオードアレイの出力レーザ光のビーム形状を整形するビーム整形器と、前記レーザダイオードアレイを前記ビーム整形器に光学的に接続するレンズ系とを備えた半導体レーザ光源であって、
前記ビーム整形器中に、屈折率が中心軸から外周に向かって2次関数的に減少する非可撓性の透明ロッドを有し、前記レーザダイオードアレイの出力レーザ光が前記透明ロッド内を伝搬することにより、前記出力レーザ光のビーム品質因子が等方化されることを特徴とする半導体レーザ光源。 - 前記レーザダイオードアレイが、接合面の方向が揃った半導体レーザダイオードの一次元配列から成るレーザダイオードバーを、複数個積層して成ることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ光源。
- 前記レーザダイオードアレイが、接合面の方向が揃った半導体チップの一次元配列から成るレーザダイオードバーを、複数個放射状に配列して成ることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ光源。
- 前記透明ロッドの光入射端面における前記出力レーザ光の遅軸方向の径φxが、前記透明ロッドの屈折率が変化する領域の径φc以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ光源。
- 前記透明ロッドの光入射端面における前記出力レーザ光の開口数が、前記透明ロッドの開口数以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ光源。
- 前記透明ロッドの長さが、屈折率が変化する領域の径の25倍以上であることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ光源。
- 前記透明ロッドが、屈折率が中心軸から外周に向かって2次関数的に減少するように加熱されている均質なガラスロッドから成ることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ光源。
- 請求項1記載の半導体レーザ光源と、該半導体レーザ光源から出力されたレーザ光を伝送するためのフレキシブルなマルチモード光ファイバと、前記半導体レーザ光源と前記光ファイバを光学的に接続するための光学レンズと、前記光ファイバから出力されたレーザ光を被加工物に集光するための加工ヘッドとを有する半導体レーザ加工装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000066688A JP4048016B2 (ja) | 2000-03-10 | 2000-03-10 | 半導体レーザ光源及びこれを用いた半導体レーザ加工装置 |
Publications (3)
| Publication Number | Publication Date |
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