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JP3990801B2 - 射出成形同時絵付装置 - Google Patents

射出成形同時絵付装置 Download PDF

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JP3990801B2
JP3990801B2 JP06566498A JP6566498A JP3990801B2 JP 3990801 B2 JP3990801 B2 JP 3990801B2 JP 06566498 A JP06566498 A JP 06566498A JP 6566498 A JP6566498 A JP 6566498A JP 3990801 B2 JP3990801 B2 JP 3990801B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形と同時に成形品に絵付シートを一体的に接着して図柄や文字等が施された成形品を得るようにした射出成形同時絵付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
帯状シート又は枚葉シートからなる絵付シートを雌型と雄型との間に供給して射出成形と同時に成形品の表面に絵付シートを一体的に接着する射出成形同時絵付方法としては、熱盤等により絵付シートを予め加熱軟化させた後、真空成形及び/又は圧空成形により雌型のキャビティに沿わせて密着させ(予備成形工程)、しかる後、雌型と雄型との型締めを行って、射出成形機からの流動状態の樹脂(熔融樹脂等)を前記雄型に設けられたランナー及びゲートを通じて前記雌型のキャビティへ射出充填して射出成形を行うようにしたもの(特公昭50−19132号公報等を参照)、あるいは、予備成形工程なしで絵付シートを平坦なまま雌雄両金型間に挟み込み、雄型側から注入充填される樹脂の熱と圧力で絵付シートを雌型キャビティ面に沿わせると同時に成形品表面に接着するもの(特公平2−42080号公報参照)等が一般的である。
【0003】
このような射出成形同時絵付に使用される絵付シートとしては、製品種別に応じて貼合わせ積層シート(ラミネートシート)と転写シートのいずれかが用いられ、ラミネートシートである場合には、射出成形によりそのままで絵付けが行われたことになり、射出成形品の外表面にシート全層が接着一体化して化粧層となる。それに対し、絵付シートが転写シートである場合には、成形品外表面に一体化した化粧シートのうちの支持体シートを剥離し、装飾層等の転写層を成形品側に残留させて化粧層となすことにより絵付けが完了する。
【0004】
ところで、上述の如くの射出成形同時絵付を行うにあたっては、雄雌両成形型を備えた射出成形同時絵付装置が用いられるが、該装置の雄型には、射出成形機からの熔融樹脂等を雌型のキャビティに注入充填するために、通常、コールドランナーもしくはホットランナーが設けられる。
しかしながら、コールドランナー方式の射出成形同時絵付装置においては、雌型だけでなく雄型も大きく移動させる必要がある。つまり、絵付成形品の取り出し時に、ランナーの硬化樹脂を取り除くために、雄型を固定盤から雌型側へ移動させることが必要であるが、雄型を雌型2側に移動させた状態では雌型と雄型との離隔距離が短くなり、自動取り出し機がそれらの間に挿入できなくなる等の問題が生じ、かかる問題を回避するには、雌型と雄型との離隔距離、すなわち型開き量を大きくしなければならず、得るべき成形品に比して装置の占有スペースあるいは装置の寸法自体が極めて大きくなるとともに、一サイクルに要する時間が長くなり、生産性の面でも良いとは言えなかった。さらに、成形型周辺の機構が複雑となるという難点もある。
【0005】
そこで、射出成形同時絵付装置においては、ホットランナー方式のものが使用されることが多い。このホットランナー方式の射出成形同時絵付装置の代表的な例を図11〜図13を参照しながら簡単に説明する。図示例の射出成形同時絵付装置40は、固定盤41に取り付けられた雄型45と、この雄型45に対して接近離隔する方向〔ここでは、図12のY方向(左右方向)〕に移動せしめられる雌型25とを備えており、前記雄型45には、射出成形機のノズル70から熔融樹脂が供給される、電熱線等からなるヒーター44に包囲された門形二股状のホットランナー46が設けられており、このランナー46の両先端には雌型25のキャビティ26、26(二個取り式)に該ランナー46からの熔融樹脂を射出する直線状の柱状ゲート47、47が連設されている。
【0006】
一方、前記雌型25の二つのキャビティ26、26の間(中央部)には、製品外となる凸状隔壁部27が突設されている。また、雌型25には、絵付シートSを雌型パーティング面25aに固定保持するための矩形枠状ないし井桁状のクランパー32がその四隅を摺動ロッド34,34,34,34に支持されて進退動可能に配置されている。なお、クランパー32は、雌型25の底部に格納された流体圧シリンダ等の駆動機構により作動せしめられる。また、前記雌型25のパーティング面25aにおけるクランパー32に対向する部位には気密性保持のためにOリング37が嵌め込まれている。
【0007】
また、前記キャビティ26、26には、絵付シートSをキャビティ面に沿うように延伸させるための真空吸引孔36が開口せしめられており、この真空吸引孔36は、雌型25の内部に穿設された真空吸引通路38を介して外部の真空源に接続された吸気管39に連結されている。
なお、本願明細書の添付図面(図1〜図19)においては、前記絵付シートSの厚みや真空吸引孔36の孔径等は、よりわかりやすくするため、及び、作図上の都合等により、実寸より大きく誇張して描かれている。
【0008】
上記射出成形同時絵付装置40においては、絵付シートSの次ショット部分を雌型25のパーティング面25aとクランパー32との間に供給し、この絵付シートSをクランパ−32により雌型25のパーティング面25aに押圧固定した後、図示していない熱盤等により加熱軟化させ、かつ、前記真空吸引孔36等からなる真空吸引手段により真空吸引して雌型25のキャビティ26、26に沿わせるように延伸させ(予備成形)、しかる後、雌型25を雄型45側へ移動させて型締めを行い、雌型25のキャビティ26、26内にそれぞれ雄型45のランナー46及びゲート47を通じて熔融樹脂を注入充填して射出成形を行い、その後、射出充填された樹脂が冷却硬化した後(図13参照)、絵付シートSが接着積層された積層製品1、1を取り出すべく、雌型25と雄型45とを離間させる型開きを行う。
【0009】
この型開きにより、雌型25は雄型45及び絵付成形品(製品1、1)から離れ、絵付シートSが接着された製品1、1は、雄型45のコア部43に付着した状態で残る。次に、この雄型45に残った製品1、1を、例えば雄型45側からエジェクターピン57、57(後述する図14参照)や圧縮エアー等により雌型25側に突き放して取り出す取出工程が行われる。
この取り出し工程では、前記ゲート47,47で硬化したピン状の樹脂47、47が製品1、1に付随したまま取り出されるので、これを適宜の手段で切除する。
【0010】
ところが、かかる射出成形同時絵付装置40においては、成形条件等によっては、図13に示される如くに、ランナー46の先端部付近(ゲート47、47の後端付近)に冷えて硬化した樹脂7'、7'が残り、この冷えた硬化樹脂の残渣が次の射出成形時に雌型キャビティ26、26内に射出されて絵付シートSに当てられ、該絵付シートSとの間に密着不良等を引き起こし、得られた製品1、1に接着不良や柄(インキ)抜け等の絵付・成形不良を生じることがあった。
【0011】
そこで、上記のような欠点を解消し、成形品に接着不良や柄抜け等の絵付成形不良を生じ難くされ、歩留りや信頼性を向上できるようした射出成形同時絵付装置を本出願人は先に提案している(特開平9−150433号公報参照)。この装置10は、図16、図17に示される如くに、前記図11〜図13に示されるものと基本的には同一の雌型25と雄型12とを備え、雄型12には、電熱線等からなるヒーター14に包囲されたホットランナー13と柱状のゲート16、16(プラッグ部)とが設けられとともに、それらの間に、往路9a、流出部9b、及び2本の復路9c、9cからなるUターン型サブマリンゲート9が設けられ、前記ランナー13からの熔融樹脂を往路9a及びその先端の流出部9bを通じて、前記雌型25における前記絵付シートSは密着せしめられるが熔融樹脂は充填されない製品外となる前記凸状隔壁部27へ導出するとともに、復路9c、9cを通じてそこからU字ないしV字を描くように折り返して前記柱状ゲート16、16に導き、この柱状ゲート16、16から本来のキャビティ26、26内(製品部1、1)に注入充填するようにされる。
【0012】
このようにされることにより、たとえランナー13の先端部付近に冷えて硬化した樹脂7'、7'が残っていても、この冷えて硬化した樹脂7'、7'の残渣は、次の射出成形時に、Uターン型サブマリンゲート9の往路9a及び流出部9bを通じて先頭に立って真っ先に、雌型25における絵付シートは密着しているが熔融樹脂は充填されない製品外となる凸状隔壁部27に導出されて捕捉され、製品部1、1には導かれない。
【0013】
そのため、成形品に接着不良や柄抜け等の絵付成型不良を生じ難くできる。
なお、図16、図17の装置10においては、雄雌両成形型12、25の型開き後に、外表面に絵付シートSが接着積層された製品1、1が圧縮エアーやイジェクターピン57等(後述する図18、図19参照)により取り出される。この場合、前記ゲート16、16で硬化したピン状の樹脂8が製品1に付随したまま取り出されるるとともに、このとき前記ゲート16、16で硬化したピン状の樹脂8と前記Uターン部9(の復路9c、9c)で硬化した樹脂7との連結部が押し切られて分離し、Uターン部9で硬化した樹脂7は前記製品1、1の取り出し時にエジェクターピン59等で雄型25内から突き出される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先に述べた図11〜図13に示される従来の一般的なランナー46、ゲート47を備えた射出成形同時絵付装置40、及び図16、図17に示されるUターン型サブマリンゲート9を備えた射出成形同時絵付装置10においては、それぞれ次のような問題が生じるおそれがあった。
すなわち、図11〜図13に示される装置40においては、図14に示される如くに、雄型45に付着している製品1、1をエジェクターピン57、57(図14)や圧縮エアー等により雄型45から引き剥がすようにして取り出す取出工程が行われるが、この取出工程においては、通常、絵付シートSのうちの接着付随部分Saが接着されている製品部1、1がエジェクターピン57、57等で突き出される。この製品部1、1と製品外となる部分(絵付シートSのうちの製品外となる部分Sb)とは、例えば、絵付シートSの製品外部分Sbが雄型45に貼り付く等して、該製品外部分Sbが雄型45から離れるタイミングが前記製品部1、1が雄型45から突き放されるタイミングより遅れる(あるいは、その逆)等に起因して、絵付シートSの製品外部分Sbが図14の矢印Fで示される如くに製品1、1から離れる方向に引っ張られ、図15に示される如くに、絵付シートSの接着付随部分Saが製品部1の側端面1aのエッジ部分Eから引き剥がされてしまう(剥がれた部分Z)。
【0015】
このように絵付シートSが引き剥がされると、得られた製品部1は接着不良や柄抜け等を有する絵付成形不良品となる。
一方、図16、図17に示されるUターン型サブマリンゲート9を備えた射出成形同時絵付装置10においては、上記と同様な理由加えて、下記のような理由から前記絵付シートSが剥がれるという問題がより発生しやすくなる。
すなわち、図18、図19に示される如くに、型開き後の製品部1、1の取り出し時に、製品部1、1をエジェクターピン57、57等で、また、前記Uターン型サブマリンゲート9で硬化したUターン部内樹脂7をエジェクターピン59で雄型12から突き出す際、Uターン型サブマリンゲート9の復路9cで硬化した復路内樹脂部7c、7cは、復路9が突き出し方向に対して窄まるように傾斜している関係上、突き出し距離が増加する従い、復路9c壁面に押されて弾性変形し、図18に示される如くに、往路9aで硬化した往路内樹脂部7a側に強制的に湾曲せしめられる。
【0016】
そして、さらに突き出し距離が増加すると、前記Uターン部内樹脂7は、製品部1、1よりも少し遅れて雄型12から突き出されるとともに、前記ゲート16、16で硬化したピン状の樹脂8、8より先に雄型12から抜け出る。この場合、前記復路内樹脂部7cは弾性変形せしめられているので、雄型12から抜け出るとき、そのバネ作用により、はじけるように飛び出す。
これらの作用により、絵付シートSに貼りついている前記Uターン部内樹脂7が雄型12から突き出されたとき、図19に示される如くに、絵付シートSの製品外部分Sbを例えば図の矢印F方向に引っ張り、絵付シートSの接着付随部分Saが製品部1の側端面1aのエッジ部分Eから引き剥がされてしまう(剥がれた部分Z)。
【0017】
このように絵付シートSが引き剥がされると、得られた製品は接着不良や柄抜け等を有する絵付成形不良品となる。
本発明は、上述の如くの問題を解消すべくなされたもので、その目的とするところは、コスト増や作業効率の低下を招くことのない比較的簡単な構成を付加することによって、製品部の取出工程において、絵付シートが特定方向に引っ張られることがあっても、絵付シートが製品部から引き剥がされ難くされた射出成形同時絵付装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成すべく、本発明に係る射出成形同時絵付装置は、基本的には、雌雄両成形型を備え、前記雌型のパーティング面上に供給された絵付シートをクランプ手段によって前記パーティング面上に押圧固定した後、該絵付シートを真空吸引手段等により前記雌型キャビティに沿って密着させるべく延伸させるとともに、前記雌雄両成形型の型締めを行った後、射出成形機からの流動状態の樹脂を前記雄型に設けられたランナー及びゲートを通じて前記雌型のキャビティへ射出充填し、この樹脂が固化した後、前記雌雄両成形型の型開きを行って、前記絵付シートが、固化した樹脂の側端面に接着された部分を有して接着積層された積層製品を前記雄雌両成形型から取り出すようにされてなる。
【0019】
そして、前記雌型における前記絵付シートは密着せしめられるが流動状態の樹脂は充填されない製品外となる部分に、絵付シートに引張力吸収用の余剰延伸部を形成するための引張力吸収用溝又は凸部が形成されていることを特徴としている。
記引張力吸収用溝又は凸部は、絵付シートが接着されている樹脂の前記側端面に沿って並設して配置することが好ましく、その断面外形(図3の如き方向から見た断面)は矩形、カドの丸くなった矩形、半楕円、半円、三角形、W形等のいずれでもよい。但し、引張力吸引効果を有効に作用させるためには、半円、半楕円の如き丸みを帯びた形状が好ましい。特に、該溝又は凸部の外部の断面の直線部と該溝又は凸部内の断面の直線又は曲線部とが連続的になめらかに接続することが好ましい。
【0020】
このような構成とされた本発明に係る射出成形同時絵付装置においては、絵付シートを真空吸引等により延伸させて雌型キャビティに沿わせるように密着させる延伸工程時に、絵付シートは製品外部分(凸状隔壁部等)にも密着せしめられており、したがって、その製品外部分に設けられている引張力吸収用溝又は凸部にも絵付シートが密着する。したがって、絵付シートには前記引張力吸収用溝又は凸部の断面形状に応じて例えば断面凹状又は凸状の余剰延伸部が形成されている。
【0021】
そして、製品を雄型(又は雌型)から取り出すときには、絵付シートに製品部から引き離す方向の引張力が作用しても、絵付シートのうちの前記引張力吸収用溝又は凸部により形成されている例えば断面凹状又は凸状の余剰延伸部が展開して、前記引張力が吸収され、絵付シートのうちの製品部に接着付随させるべき部分には大きな引張力が作用しなくなる。
したがって、本発明装置によれば、製品取出時に、絵付シートが製品部から引き剥がす方向に引っ張られることがあっても、絵付シートの製品外部分のうちの引張力吸収用溝又は凸部よって形成された余剰延伸部によって、引張力が吸収されるので、絵付シートのうちの製品部に接着付随させるべき部分は製品部から引き剥がされ難くされ、その結果、接着不良や柄抜け等のない良質の製品が得られ、しかも、引張力吸収用溝又は凸部という簡単な構成を付加するだけで済むので、コスト増や作業効率の低下を招くこともない。
【0022】
本発明の好ましい態様では、前記射出成形機からの流動状態の樹脂は、前記ランナーとゲートとの間に設けられ、前記ランナーからの流動状態の樹脂を前記雌型における製品外となる部分に導出するとともにそこから折り返して前記ゲートに導くUターン型のゲートを通じて前記雌型のキャビティに導かれるようにされ、より好ましくは、前記引張力吸収用溝又は凸部は、前記流動状態の樹脂が射出充填される製品部と前記Uターン型のゲートで樹脂を導出する雌型における製品外となる部分との間に形成されている。
【0023】
本発明において、雄雌両成形型は、鉄等の金属あるいはセラミックス等で作製され、成形品形状応じて分割構成等としてもよい。また、絵付シートの予備成形を行う場合には、加熱軟化用の熱盤等を付設したり、雌型及び雄型に真空吸引や圧空供給用(予備成形用)に小孔(真空吸引孔等)を設ける。あるいは、雌型を複数の分割部分の集合体て形成し、各分割部分の間隙から吸気を行うようにしてもよい。なお、凹凸の段差が小さい成形形状の場合は予備成形を省略し得る。
【0024】
絵付シートは、ロール状に巻き取られた長尺の連続帯状シートの状態から必要量づつ(1ショット分づつ)供給するようにしてもよいし、予め所定寸法に裁断した枚葉シートを供給するようにしてもよい。また、帯状シート(の次ショット部分)もしくは枚葉シートからなる絵付シートを対向配置された雌型と雄型との間に供給するには、巻き出し機及び巻き取り機を用いて帯状シートを連続して毎ショット供給するようにしたロール/ロール方式でもよいし、前記枚葉絵付シートを保持する吸着盤等を備えたロボット(マニュピュレーター)等で搬送する方式でもよいが、生産性の面からはロール/ロール方式が推奨される。
【0025】
また、絵付シートを雌型パーティング面に固定保持すべくクランプ手段を付設してもよい。クランプ手段としては、枠状の押さえ板等を用いることができ、その駆動は、型締め動作等の成形用駆動力を用いたり、エジェクターピン駆動機構の動力を利用したりすることができる他、別途に流体圧アクチュエーター等の駆動手段を設けることによりなされる。
絵付シートは、基材シートとその上に積層された装飾層からなり、基材シートを成形品と密着一体化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シート(ラミネートシート)、あるいは一旦絵付シートと成形品とを一体化させた後、装飾層(転写層)のみを成形品側に残して基材シート(支持体シート)を剥離する転写シートのいずれも使用することができる。
【0026】
前記基材シートとしては、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。基材シートの厚さは、通常20〜500μm程度である。装飾層としては、印刷絵柄、着色又は透明塗装、金属薄膜、あるいは、硬質塗膜、防曇塗料、導電性層等の機能性層等を用いることができる。
前記転写シートは、一旦剥離性の支持体シート上に形成した絵柄層等よりなる転写層を、別の被転写体に転移させるためのもので、支持体シート上には必要に応じて離型層を設けても良く、転写層としては、剥離層、装飾層、接着剤層、等からなり、装飾層以外の層は必要に応じて選択する。装飾層としては、絵柄層、金属薄膜層(部分又は全面)あるいは硬質塗膜、防曇塗膜、導電性層等の機能性層から選ばれる。
【0027】
支持体シートは、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等、可撓性を有する熱可塑性樹脂フィルムあるいはそれらの積層体が好ましい。
射出成形用の樹脂としては、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を加熱熔融したもの、あるいは、二液硬化型、触媒硬化型の樹脂、例えば、ポリウレタン、ポリエステル等の未硬化液等の射出成形同時絵付用として従来より知られている材料を使用でき、製品の要求物性やコスト等に応じて選定される。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1〜図6は、本発明に係る射出成形同時絵付装置の第1実施形態を示す概略図である。図1〜図6において、前述した図11〜図15に示される射出成形同時絵付装置40における各部に対応する部分には同一の符号を付してそれらの重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
【0029】
図示実施形態の射出成形同時絵付装置40'においては、雌型25における、絵付シートSは密着せしめられるが熔融樹脂は充填されない製品外となる部分である凸状隔壁部27に、断面角丸矩形の引張力吸収用溝30、30が穿設されている。この引張力吸収用溝30、30は、前記凸状隔壁部27における、製品を二個取りするための二つ設けられたキャビティ26、26寄りの部位に、それぞれ、前記キャビティ26、26に形成される製品部1、1の対向している側端面1a、1a(絵付シートSが引き剥がされやすい部分)に沿って平行に並設されている。言い換えれば、引張力吸収用溝30、30は、絵付シートSのうちの製品部に接着付随させるべき部分を引き剥がす方向に対して直交する方向に沿って配置されている。引張力吸収用溝30、30と対面する雄型45の部分は、平坦面でもよいし、あるいは、該溝に収納、嵌合される凸状部となっていてもよい。
【0030】
なお、本実施形態の射出成形同時絵付装置40'により得るべき製品1は、湾曲した細長パネルであり、その幅は30〜80mm、長さは300〜400mmであり、本装置40'では、この製品を二個取りできるようになっている。
また、前記絵付シートSとして、ここでは、アクリル樹脂製の基材シート(厚みは125μm)と、その上にグラビア印刷法により積層された装飾層(アクリル樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体の1:1重量比混合物の樹脂バインダーと顔料からなるインキで形成された絵柄層)と、接着剤層(塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系)とからなり、基材シートを射出樹脂成形体1と密着一体化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シート(ラミネートシート)を用いている。前記装飾層(絵柄層)は、柄版を3色組み合わせた木目模様となっており、また、前記接着剤層は、スクリーン線数40線/cmのグラビアベタ印刷版(版深60μm)を2度用いて(グラビア印刷2色刷りして)形成した厚みが2μmの層である。
【0031】
上記のような構成とされた本実施形態の射出成形同時絵付装置40'においては、絵付シートSを図示していない熱盤等により加熱軟化させた状態で、真空吸引孔37等を通じての真空吸引により延伸させて雌型キャビティ26に沿わせるように密着させる延伸工程時に、絵付シートSは製品外部分(凸状隔壁部27)にも密着せしめられており、その製品外部分に設けられている引張力吸収用溝30、30にも絵付シートSが密着する。したがって、絵付シートSの製品外部分Sbには前記引張力吸収用溝30、30の断面形状に応じた断面凹状の余剰延伸部Scが形成されている。
【0032】
前記延伸工程後は、雌型25を雄型45側へ移動させて型締めを行い、雌型25のキャビティ26、26内にそれぞれ雄型45のランナー46及びゲート47を通じて熔融樹脂を注入充填して射出成形を行い、充填された樹脂が冷却硬化した後、図4に示される如くに、雌型25を雄型25から離れる方向に移動させて型開きを行う。この型開きにより、雌型25は雄型45及び絵付シートSが接着積層された製品部1、1から離れ、絵付シートSが接着積層された製品部1、1は、雄型45のコア部43に付着した状態で残る(図4参照)。次に、この雄型45に残った製品部1、1を、例えば雄型45側からエジェクターピン57、57(図5)や圧縮エアー等により雌型25側に突き放して取り出す取出工程が行われる。
【0033】
この取出工程では、図5、図6に示される如くに、製品部1、1を雄型45から突き放すとき、絵付シートSの接着付随部分Saを製品1の側端面1aから引き離す方向の引張力(図5の矢印F)が作用しても、絵付シートSのうちの前記引張力吸収用溝30、30により製品外部分Sbに形成されている断面凹状の余剰延伸部Scが展開して、前記引張力が吸収され、絵付シートSのうちの製品部1に接着付随させるべき部分Saには大きな引張力が作用しなくなる。
【0034】
したがって、本実施形態の装置40'によれば、製品取出時に、絵付シートSが製品部1、1から引き剥がす方向に引っ張られることがあっても、絵付シートSの製品外部分Sbのうちの引張力吸収用溝30、30によって形成された余剰延伸部Scによって、引張力が吸収されるので、絵付シートSのうちの製品部1、1に接着付随させるべき部分Sa、Saは製品部から引き剥がされ難くされ、その結果、接着不良や柄抜け等のない良質の製品が得られ、しかも、引張力吸収用溝30、30という簡単な構成を付加するだけで済むので、コスト増や作業効率の低下を招くこともない。
【0035】
なお、前記引張力吸収用溝30に代えて引張力吸収用凸部(凸条)を設けてもよく、この場合は、雄型側に前記凸部分が収容される凹溝を形成しておく。
図7〜図10は、本発明に係る射出成形同時絵付装置の第2実施形態を示す概略図である。図7〜図10において、前述した図16〜図19に示される射出成形同時絵付装置10における各部に対応する部分には同一の符号を付してそれらの重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
【0036】
図示実施形態の射出成形同時絵付装置10'においても、前記第1実施形態と同様に、雌型25における、絵付シートSは密着せしめられるが熔融樹脂は充填されない製品外となる部分である凸状隔壁部27に、断面角丸矩形の引張力吸収用溝30、30が穿設されている。この引張力吸収用溝30、30は、前記凸状隔壁部27における、製品を二個取りするための二つ設けられたキャビティ26、26寄りの部位に、それぞれ、前記キャビティ26、26に形成される製品部1、1の対向している側端面1a、1a(絵付シートSが引き剥がされやすい部分)に沿って平行に並設されている。言い換えれば、引張力吸収用溝30、30は、絵付シートSのうちの製品部に接着付随させるべき部分を引き剥がす方向に対して直交する方向に沿って配置されており、他の構成は、前述した図16〜図19に示されるものと同一である。
【0037】
本実施形態の装置10'では、ホットランナー13と柱状のゲート16、16(プラッグ部)とが設けられとともに、それらの間に、往路9a、流出部9b、及び2本の復路9c、9cからなるUターン型のゲートであるUターン型サブマリンゲート9が設けられ、前記ランナー13からの熔融樹脂を往路9a及びその先端の流出部9bを通じて、前記雌型25における前記絵付シートSは密着せしめられるが熔融樹脂は充填されない製品外となる前記凸状隔壁部27へ導出するとともに、復路9c、9cを通じてそこからU字ないしV字を描くように折り返して前記柱状ゲート16、16に導き、この柱状ゲート16、16から本来のキャビティ26、26内(製品部1、1)に注入充填するようにされているので、たとえランナー13の先端部付近に冷えて硬化した樹脂7'、7'が残っていても、この冷えて硬化した樹脂7'、7'の残渣は、次の射出成形時に、Uターン型サブマリンゲート9の往路9a及び流出部9bを通じて先頭に立って真っ先に、雌型25における絵付シートは密着しているが熔融樹脂は充填されない製品外となる凸状隔壁部27に導出されて捕捉され、製品部1、1には導かれない。
【0038】
そして、本実施形態の装置においても、絵付シートSを図示していない熱盤等により加熱軟化させた状態で、真空吸引孔36等を通じての真空吸引により延伸させて雌型キャビティ26に沿わせるように密着させる延伸工程時に、絵付シートSは製品外部分(凸状隔壁部27)にも密着せしめられており、その製品外部分に設けられている引張力吸収用溝30、30にも絵付シートSが密着する。したがって、絵付シートSの製品外部分Sbには前記引張力吸収用溝30、30の断面形状に応じた断面凹状の余剰延伸部Scが形成されている。
【0039】
前記延伸工程後は、雌型25を雄型12側へ移動させて型締めを行い、雌型25のキャビティ26、26内にそれぞれ雄型12のランナー13及びUターン型サブマリンゲート9を通じて熔融樹脂を注入充填して射出成形を行い、充填された樹脂が冷却硬化した後、図9に示される如くに、雌型25を雄型12から離れる方向に移動させて型開きを行う。この型開きにより、雌型25は雄型12及び絵付シートSが接着積層された製品部1、1から離れ、絵付シートSが接着積層された製品部1、1は、雄型12のコア部19に付着した状態で残る。次に、この雄型15に残った製品部1、1をエジェクターピン57、57等で、また、前記Uターン型サブマリンゲート9で硬化したUターン部内樹脂7をエジェクターピン59で雄型12から突き出す。この際、Uターン型サブマリンゲート9の復路9cで硬化した復路内樹脂部7c、7cは、復路9が突き出し方向に対して窄まるように傾斜している関係上、突き出し距離が増加する従い、復路9c壁面に押されて弾性変形し、図9に示される如くに、往路9aで硬化した往路内樹脂部7a側に強制的に湾曲せしめられる。
【0040】
そして、さらに突き出し距離が増加すると、前記Uターン部内樹脂7は、製品部1、1よりも少し遅れて雄型12から突き出されるとともに、前記ゲート16、16で硬化したピン状の樹脂8、8より先に雄型12から抜け出る。この場合、前記復路内樹脂部7cは弾性変形せしめられているので、雄型12から抜け出るとき、そのバネ作用により、はじけるように飛び出す。
これらの作用により、絵付シートSに貼りついている前記Uターン部内樹脂7が雄型12から突き出されたとき、図10に示される如くに、絵付シートSの製品外部分Sbを図の矢印F方向に引っ張る。
【0041】
ここで、本実施形態では、絵付シートSに前記のような製品部1から引き離す方向の引張力が作用しても、絵付シートSのうちの前記引張力吸収用溝30、30により製品外部分Sbに形成されている断面凹状の余剰延伸部Scが展開して、前記引張力が吸収され、絵付シートSのうちの製品部1に接着付随させるべき部分Saには大きな引張力が作用しなくなる。
したがって、本実施形態の装置10'においても、製品取出時に、絵付シートSが製品部1、1から引き剥がす方向に引っ張られることがあっても、絵付シートSの製品外部分Sbのうちの引張力吸収用溝30、30によって形成された余剰延伸部Scによって、引張力が吸収されるので、絵付シートScのうちの製品部1、1に接着付随させるべき部分Sa、Saは製品部から引き剥がされ難くされ、その結果、接着不良や柄抜け等のない良質の製品が得られ、しかも、引張力吸収用溝30、30という簡単な構成を付加するだけで済むので、コスト増や作業効率の低下を招くこともない。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係る射出成形同時絵付装置によれば、製品取出時に、絵付シートが製品部から引き剥がす方向に引っ張られることがあっても、絵付シートの製品外部分のうちの引張力吸収用溝によって形成された余剰延伸部によって、引張力が吸収されるので、絵付シートのうちの製品部に接着付随させるべき部分は製品部から引き剥がされ難くされ、その結果、接着不良や柄抜け等のない良質の製品が得られ、しかも、引張力吸収用溝という簡単な構成を付加するだけで済むので、コスト増や作業効率の低下を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による射出成形同時絵付装置の第1実施形態の雌型を示す平面図。
【図2】図1のU−U矢視線に従う前記装置の射出成形工程時を示す断面図。
【図3】第1実施形態の射出成形工程完了時の状態を示す要部拡大断面図。
【図4】第1実施形態の型開き工程時を示す要部拡大断面図。
【図5】第1実施形態の製品取出工程の説明に供される要部拡大断面図。
【図6】第1実施形態の製品取出工程の説明に供される要部拡大断面図。
【図7】本発明による射出成形同時絵付装置の第2実施形態の射出成形工程時を示す断面図。
【図8】第2実施形態の射出成形工程完了時の状態を示す要部拡大断面図。
【図9】第2実施形態の製品取出工程の説明に供される要部拡大断面図。
【図10】第2実施形態の製品取出工程の説明に供される要部拡大断面図。
【図11】従来の射出成形同時絵付装置の一例の雌型を示す平面図。
【図12】図11のV−V矢視線に従う前記装置の射出成形工程時を示す断面図。
【図13】図11に示される装置の射出成形工程完了時の状態を示す要部拡大断面図。
【図14】図11に示される装置の製品取出工程の説明に供される要部拡大断面図。
【図15】図11に示される装置の製品取出工程の説明に供される要部拡大断面図。
【図16】従来の射出成形同時絵付装置の他の例の射出成形工程時を示す断面図。
【図17】図16に示される装置の射出成形工程完了時の状態を示す要部拡大断面図。
【図18】図16に示される装置の製品取出工程の説明に供される要部拡大断面図。
【図19】図16に示される装置の製品取出工程の説明に供される要部拡大断面図。
【符号の説明】
S 絵付シート
Sa 製品部に接着付随させるべき部分
Sb 製品外となる部分
Sc 凹字状部
1 製品部
9 Uターン型サブマリンゲート
10'、40' 射出成形同時絵付装置
12、25 雄型
13、46 ホットランナー
16、47 ゲート
25 雌型
27 凸状隔壁部
30 引張力吸収用溝

Claims (4)

  1. 雌雄両成形型を備え、前記雌型のパーティング面上に供給された絵付シートをクランプ手段によって前記パーティング面上に押圧固定した後、該絵付シートを真空吸引手段等により前記雌型キャビティに沿って密着させるべく延伸させるとともに、前記雌雄両成形型の型締めを行った後、射出成形機からの流動状態の樹脂を前記雄型に設けられたランナー及びゲートを通じて前記雌型のキャビティへ射出充填し、この樹脂が固化した後、前記雌雄両成形型の型開きを行って、前記絵付シートが、固化した樹脂の側端面に接着された部分を有して接着積層された積層製品を前記雄雌両成形型から取り出すようにされてなる射出成形同時絵付装置において、
    前記雌型における前記絵付シートは密着せしめられるが流動状態の樹脂は充填されない製品外となる部分に、絵付シートに引張力吸収用の余剰延伸部を形成するための引張力吸収用溝又は凸部が形成されていることを特徴とする射出成形同時絵付装置。
  2. 前記射出成形機からの流動状態の樹脂は、前記ランナーとゲートとの間に設けられ、前記ランナーからの流動状態の樹脂を前記雌型における製品外となる部分に導出するとともにそこから折り返して前記ゲートに導くUターン型のゲートを通じて前記雌型のキャビティに導かれるようにされていることを特徴とする請求項1に記載の射出成形同時絵付装置。
  3. 記引張力吸収用溝又は凸部は、前記流動状態の樹脂が射出充填される製品部と前記Uターン型のゲートで樹脂を導出する雌型における製品外となる部分との間に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の射出成形同時絵付装置。
  4. 前記引張力吸収用溝又凸部は、絵付シートが接着されている樹脂の前記側端面に沿って並設されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の射出成形同時絵付装置。
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