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JP3810226B2 - 有機薄膜体及びその製造方法 - Google Patents

有機薄膜体及びその製造方法 Download PDF

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JP3810226B2
JP3810226B2 JP35406798A JP35406798A JP3810226B2 JP 3810226 B2 JP3810226 B2 JP 3810226B2 JP 35406798 A JP35406798 A JP 35406798A JP 35406798 A JP35406798 A JP 35406798A JP 3810226 B2 JP3810226 B2 JP 3810226B2
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に有機薄膜体を形成した後、基板から剥離して得た有機薄膜体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板上に有機薄膜体を形成した後、基板から剥離して有機薄膜体を得るものの例として、半導体集積回路の製造におけるフォトリソグラフィ工程で使用されるフォトマスクまたはレチクル(以下、共にマスクと称す。)に固着して使用されるペリクルがある。
【0003】
ペリクルは、該マスクとは所定の距離をおいてマスク上に位置している。そのため、フォトリソグラフィ工程において、細かな異物等がペリクル上に付着したとしても、それらの像はフォトレジストが塗布された半導体ウェハー上には結像しない。従って、マスクをペリクルで保護することにより、異物等の像による半導体集積回路の短絡や断線等を防ぐことができ、フォトリソグラフィ工程の製造歩留まりが向上する。さらに、マスクのクリーニング回数が減少して、その寿命を延ばすなどの効果がペリクルにより奏せられる。
【0004】
フォトリソグラフ工程で使用されている露光光源としては、超高圧水銀ランプがあり、この輝線のうちのg線(λ=436nm)、h線(λ=405nm)、i線(λ=365nm)が主に使用されている。近年、半導体工業における技術の進歩に伴い、集積回路の高密度化、高集積化が進み、ウェハー上への投影パターンの線幅、線間隔が共に小さくなってきている。これに応じて、露光光源の短波長化も進み、フッ化クリプトン(KrF)やフッ化アルゴン(ArF)などのエキシマレーザーによる遠紫外線(Deep UV)(λ=248nm)が使われ始めた。このように光源が短波長化され、これらの高エネルギー光線に透明でかつ耐光性のあるペリクルが要求されるようになってきた。
【0005】
このようなペリクルには、フッ素系材料やシリコン系材料からなるものが提案されている。これらの材料としては、例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/ビニリデンフルオライドの共重合体(特公昭63−27707号公報)、パーフルオロアルキルエーテル環構造を有するフッ素系ポリマーである旭硝子社製サイトップ(商品名)、デュポン(du Pont)社製のテフロンAF(商品名)等のフッ素系材料などが挙げられ、また、ポリトリメチルビニルシランなどの高分子有機ケイ素化合物(特開平2−230245号公報)などが挙げられる
【0006】
また、透明薄膜の片面あるいは両面に反射防止層を設けても良い。反射防止層は単層あるいは2層以上の層で構成される。
このようなペリクルは、平滑性の良いガラス、石英、Siウェハー等の基板にペリクルを成膜した後、基板から剥離してペリクルを得る方法が採用されている。フッ素系材料やシリコン系材料を用いたペリクルは、基板に成膜すると基板との密着性が大きく、基板から剥離し難く破れたり、しわが生じたりする。
【0007】
基板からの剥離方法としては、水中に浸漬して剥離する方法(特開昭58−219023号公報、特開昭60−35733号公報、特開平2−64号公報等)、化学溶液中に浸漬し、かつ水中に浸漬して剥離する方法(特開昭56−83941号公報)、湿潤状態で基板から剥離する方法(特開昭62−39859号公報)、相対湿度60%以上の雰囲気で剥離する方法(特開平6−67410号公報)、5℃以下に冷却してから剥離する方法(特開平1−166045号公報)等が提案されている。
【0008】
しかしながら、上記の方法で剥離すると光線透過率の悪化や膜厚が不均一になるなどの問題が生じる。特に水中や化学溶液中に浸漬した場合、ペリクル膜が汚染され、光線透過率が悪化するという問題が生じる。また、湿潤状態で剥離する方法や、相対湿度60%以上の雰囲気で剥離すると、ペリクル膜の汚染等により光線透過率の悪化の問題の他、膜厚の不均一性(色斑)や工程管理が難しくなる等の問題が生じる。さらに、5℃以下に冷却しながら剥離する方法では、ペリクル材料によっては効果の出ないことや、工程が複雑になる等の問題が生じる。
また、一度ペリクルを成膜した後剥離した基板は、基板表面が汚染するという問題があり、次に使用するときには、基板を洗浄したり、再研磨しなければならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術に鑑みて、光線透過率が高く、膜厚均一性が良く、しわのない単層の有機薄膜体と、有機薄膜体を基板から容易に剥離することができ、さらに繰り返し基板が使用できる単層の有機薄膜体の製造方法とを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、表面の水に対する接触角が90゜以上の基板の表面に、単層の有機薄膜体を成膜することにより、更に、表面に特定のシリコン化合物層を形成した基板に、フッ素系材料またはシリコン系材料からなる単層の有機薄膜体を成膜することにより、容易に有機薄膜体を剥離することが可能となり、光線透過率が高く、膜厚均一性が良く、しわのない有機薄膜体が得られ、繰り返し基板が使用できることを見い出し本発明をなすに至った。
【0011】
すなわち、本願の第一発明は、表面の水に対する接触角が90゜以上の基板の表面に、フッ素系材料またはシリコン系材料を含む単層の有機薄膜体を形成した後、基板から剥離して得ることを特徴とする有機薄膜体を提供するものである。また、本願の第二発明は、表面の水に対する接触角が90゜以上の基板の表面に、フッ素系材料またはシリコン系材料を含む単層の有機薄膜体を形成した後、基板から剥離することを特徴とする有機薄膜体の製造方法を提供するものである。
【0012】
また、本願の第三発明は、パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物を含有する層を形成した基板の表面に、フッ素系材料またはシリコン系材料を含む単層の有機薄膜体を形成した後、基板から剥離して得ることを特徴とする有機薄膜体を提供するものである。
また、本願の第四発明は、パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物を含有する層を形成した基板の表面に、フッ素系材料またはシリコン系材料を含む単層の有機薄膜体を形成した後、基板から剥離することを特徴とする有機薄膜体の製造方法を提供するものである。
【0013】
さらに、本願の第五発明は、有機薄膜体がペリクルであることを特徴とする第一発明または第三発明の有機薄膜体を提供するものである。
さらに、本願の第六発明は、有機薄膜体がペリクルであることを特徴とする第二発明または第四発明の有機薄膜体の製造方法を提供するものである。
また、本願の第七発明は、パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物を含有する層を基板に形成することが、パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物を基板上に蒸着することであることを特徴とする第三発明の有機薄膜体を提供するものである。
さらに、本願の第八発明は、パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物を含有する層を基板に形成することが、パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物を基板上に蒸着することであることを特徴とする第四発明の有機薄膜体の製造方法を提供するものである。
【0014】
さらに、本願の第九発明は、パーフルオロアルキル基を含有するリコン化合物が、
下記式(a)
CF3 (CF2 n CH2 CH2 Si(OMe)3 (a)
(式中、nは5〜7の整数であり、Meはメチル基である。)
で示される化合物であることを特徴とする第三発明の有機薄膜体を提供するものである。
【0015】
さらに、本願の第十発明は、パーフルオロアルキル基を含有するリコン化合物が、
下記式(b)
CF3 (CF2 n CH2 CH2 SiMe(OMe)2 (b)
(式中、nは5または7であり、Meはメチル基である。)
で示される化合物であることを特徴とする第四発明の有機薄膜体を提供するものである。
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の成膜基板は、ソーダライム等のガラス、石英、Siウェハー等が使用される。これら基板は表面が充分に平滑性の良いものを使用する。
本発明は、これらの基板の表面の水に対する接触角を90゜以上にする、あるいは、既に90゜以上になっている基板をそのまま使用しても良い。
なお、ここで基板の表面の水に対する接触角とは、基板表面上においた水滴の表面と基板表面との交点において、水滴に引いた接線と基板表面とがなす角であって水を含む方の角をいう。また、ここで用いる水は純水である。
【0017】
基板の表面の水に対する接触角を90゜以上にする手法はいかなる方法でもかまわないが、パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物を含有する層を基板の表面に形成する方法が挙げられる。パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物を基板に形成する方法は、いかなる方法でも良いが、スピンコート法や蒸着法が好ましく、特に蒸着法が好ましい。
なお、ここで蒸着とは、パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物の蒸気を基板上に付着させることを意味する。
このようにして、パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物層を形成した基板等を有機薄膜体の成膜用の基板とする。
なお、ここで有機薄膜体の厚みは、50μm以下であり、好ましくは10μm以下である。
【0018】
上記パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物としては、
下記式(2)
CF3 (CF2 7 CH2 CH2 Si(OMe)3 (2)
や、下記式(3)
CF3 (CF2 5 CH2 CH2 Si(OMe)3 (3)
や、下記式(4)
CF3 (CF2 7 CH2 CH2 SiMe(OMe)2 (4)
や、下記式(5)
CF3 (CF2 5 CH2 CH2 SiMe(OMe)2 (5)
や、パーフルオロアルキル基を有するシラザン、及びこれらのオリゴマー等が使用できる。
【0019】
また、これらの化合物の中で特に上記式(2)で示される化合物[10,10,10,9,9,8,8,7,7,6,6,5,5,4,4,3,3−ヘプタデカフロロデシルトリメトキシシラン]が好ましい。
パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物を基板に蒸着する方法は、常圧下又は減圧下又は加圧下のいずれでも良く、容器中に上記パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物と基板を入れ、パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物の蒸気を基板にコーティングする。圧力は、常圧或いは減圧下が好ましい。コーティング温度は、5〜200℃が好ましく、更に好ましくは20〜130℃の範囲である。容器は、密封するのが好ましいが、外部との通気孔があっても構わない。また、コーティング時間は、1分間から1週間が好ましく、さらに好ましくは1時間から3日間の範囲である。
【0020】
上記パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物を蒸着した基板に、有機薄膜体を形成する。
また、ここで成膜される有機薄膜体の厚みは、50μm以下であり、好ましくは10μm以下である。
本発明の有機薄膜体の形成方法ついては、いかなる方法によっても良いが、膜厚精度、表面性が優れていることから、平滑基板上へのスピンコーティング法が好適である。スピンコーティングの条件としては、溶液の粘度、溶媒の蒸発速度、スピンコーター周囲の温度、湿度、スピン回転数、スピン時間など多くの因子があるので、これらの条件を正しく選択することが必要である。
【0021】
上記有機薄膜体の材料としては、前述のテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/ビニリデンフルオライド共重合体、サイトップ、テフロンAF、ポリトリメチルビニルシラン、ポリトリエチルビニルシラン、ポリエチルジメチルビニルシラン等のフッ素系材料またはシリコン系材料が使用できる。
これらの材料はそれぞれ単独で用いても良いが、二種以上を混合して用いても良い。
また、有機薄膜体がペリクルである場合、溶液の濾過性、制電性、ペリクル枠体との接着性等を向上させるため、これらの材料にγ線、電子線、α線等の放射線や遠紫外線等の光を照射して用いても良い。
【0022】
フッ素系材料の溶媒としては、パーフルオロアルカン、パーフルオロベンゼン、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、トリクロロトリフルオロエタン、パーフルオロトリプロピルアミン、パーフルオロトリブチルアミン等及びこれらの混合系が用いられる。
また、シリコン系材料の溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が これらの溶媒の沸点は好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上である。
【0023】
有機薄膜体の溶液は、予め異物等の除去のための濾過をしてから、スピンコートする。有機薄膜体の膜厚は、溶液粘度や基板の回転速度を変化させることにより、適宜変化させることができる。基板上に形成された有機薄膜体に含まれている溶媒は、ホットプレート、オーブンなどで揮発させる。
基板上に形成された有機薄膜体に、室温、大気中で、両面テープなどを貼り付けた金属又はプラスチックなどの枠を接着させる。その後、これを剥がし取ることによって有機薄膜体を得ることができるが、表面の水に対する接触角が90゜以上の基板を用い、かつそのために基板の表面に前記パーフルオロアルキル基を有するリコン化合物が蒸着してあるため、容易に剥がしとることができ、光線透過率が高く、膜厚均一性が良く、しわのない有機薄膜体が得られる。
【0024】
更に、有機薄膜体を剥離した基板は、洗浄することなく繰り返し有機薄膜体を成膜し、剥離することに使用することができる。
上記有機薄膜体がペリクルである場合は、紫外線硬化型接着剤や熱硬化型接着剤等を用いたり、溶融接着や濃厚なポリマー溶液を接着剤として用いて支持枠体に接着させる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、実施例などにより本発明を更に詳細に説明する。
【実施例1】
10,10,10,9,9,8,8,7,7,6,6,5,5,4,4,3,3−ヘプタデカフロロデシルトリメトキシシランを20cc導入した直径5cmの上部が開放されたポリエチレンの容器と、研磨後のシリコンウェハーを30cm角の金属製容器に入れ、密封した。金属製容器及び内部を105℃に加熱し、この状態で36時間放置した。その後、室温に戻し、金属製容器内からシリコンウェハーを取り出した。このシリコンウェハー表面の水に対する接触角は110°であり、これに対して研磨後のシリコンウェハー表面は51°であった。
【0026】
次に、旭硝子社製サイトップ(Sグレード、商品名)を、パーフルオロトリブチルアミンに溶解し、5.0%のサイトップ溶液を調整した。
まず、上記処理後のシリコンウェハーをスピンコーターにセットして、該調整したサイトップ溶液を、孔径0.2μmのメンブレンフィルターで濾過し、その濾過液をスピンコートし、さらにホットプレート上で乾燥し、厚さ0.84μmの薄膜を形成した。
【0027】
次に、両面テープを貼り付けた金属の枠を、シリコンウェハー上に形成した薄膜上に接着し、23℃、相対湿度50%の条件下で、シリコンウェハーより剥離したところ、薄膜を容易に剥離することができた。
得られた有機薄膜体は、しわがなく、色斑や剥離跡や基板からの転写物も無く、良好であった。また、波長248nm付近の光線透過率は99.9%と高く、膜厚の均一性も良好であった。
有機薄膜体剥離後のシリコンウェハー表面は、剥離跡も無く、表面の水に対する接触角も有機薄膜体成膜前と同じ110°であった。
【0028】
次に、この一度有機薄膜体を成膜して剥離したシリコンウェハーに、再度、上記と同様に有機薄膜体をスピンコーティング法で形成した。上記と同様に、両面テープを貼り付けた金属の枠を、シリコンウェハー上に形成した有機薄膜体に接着し、23℃、相対湿度50%の条件下で、シリコンウェハーより剥離したところ、有機薄膜体を容易に剥離することができた。
得られた有機薄膜体は、しわがなく、色斑や剥離跡や基板からの転写物も無く、良好であった。また、波長248nm付近の光線透過率は99.9%と高く、膜厚の均一性も良好であった。
この有機薄膜体剥離後のシリコンウェハー表面は、剥離跡もなく、表面の水に対する接触角は、110°であった。
【0029】
更に、この有機薄膜体剥離後のシリコンウェハーに上記と同様に操作して順次有機薄膜体を形成しては剥離し、該操作は30回の繰り返し使用が可能であった。得られた有機薄膜体は、全て、しわがなく、色斑や剥離跡や基板からの転写物も無く、良好であった。また、波長248nm付近の光線透過率は99.8%以上と高く、膜厚の均一性も良好であった。
30回の繰り返し使用後のシリコンウェハー表面は、剥離跡もなく、表面の水に対する接触角も有機薄膜体成膜前と同じ110°であった。
【0030】
【実施例2】
実施例1と同様に、10,10,10,9,9,8,8,7,7,6,6,5,5,4,4,3,3−ヘプタデカフロロデシルトリメトキシシランと、研磨後のシリコンウェハーを金属容器に入れ、密封した。金属製容器及び内部を30℃に加熱し、この状態で24時間放置した。その後、室温に戻し、金属製容器内からシリコンウェハーを取り出した。このシリコンウェハー表面の水に対する接触角は103°であり、これに対して研磨後のシリコンウェハー表面は51°であった。
【0031】
次に、デュポン社製テフロンAF1600(商品名)を空気中でγ線照射した。照射線量は50kGy(Gy:線量の単位)とした(以下「γAF1600」と略記)。このγAF1600をパーフルオロトリブチルアミンに溶かし、5.0%のγAF1600溶液を調整した。
まず、上記処理後のシリコンウェハーをスピンコーターにセットして、該調整したγAF1600溶液を、孔径0.2μmのメンブレンフィルターで濾過し、その濾過液をスピンコートし、さらにホットプレート上で乾燥し、厚さ0.84μmの有機薄膜体を形成した。
【0032】
実施例1と同様に、両面テープを貼り付けた金属の枠を、シリコンウェハー上に形成した有機薄膜体上に接着し、23℃、相対湿度50%の条件下で、シリコンウェハーより有機薄膜体を容易に剥離することができた。
得られた有機薄膜体は、しわがなく、色斑や剥離跡や基板からの転写物も無く、良好であった。また、波長248nm付近の光線透過率は99.5%と高く、膜厚の均一性も良好であった。
この有機薄膜体剥離後のシリコンウェハー表面は、剥離跡もなく、表面の水に対する接触角は、103°であった。
【0033】
更に、この有機薄膜体剥離後のシリコンウェハー表面に順次上記有機薄膜体を形成しては剥離した。該操作は10回の繰り返し使用が可能であった。
得られた有機薄膜体は、全て、しわがなく、色斑や剥離跡や基板からの転写物も無く、良好であった。また、波長248nm付近の光線透過率は99.5%以上と高く、膜厚の均一性も良好であった。
10回の繰り返し使用後のシリコンウェハー表面は、剥離跡もなく、表面の水に対する接触角も有機薄膜体成膜前と同じ103°であった。
【0034】
【実施例3】
実施例2と同様に、10,10,10,9,9,8,8,7,7,6,6,5,5,4,4,3,3−ヘプタデカフロロデシルトリメトキシシランと、研磨後のシリコンウェハーを金属容器に入れ、密封した。金属製容器及び内部を30℃に加熱し、この状態で24時間放置した。その後、室温に戻し、金属製容器内からシリコンウェハーを取り出した。このシリコンウェハー表面の水に対する接触角は103°であり、これに対して研磨後のシリコンウェハー表面は51°であった。
【0035】
実施例2と同様に、γAF1600溶液を用い、上記処理後のシリコンウェハー上に、厚さ0.84μmの有機薄膜体をスピンコーティング法で形成した。両面テープを付けた金属の枠を、シリコンウェハー上に形成した有機薄膜体上に接着し、23℃、相対湿度50%の条件下で、シリコンウェハーより容易に有機薄膜体を剥離することができた。
得られた有機薄膜体は、しわがなく、色斑や剥離跡や基板からの転写物も無く、良好であった。また、波長248nm付近の光線透過率は99.6%と高く、膜厚の均一性も良好であった。
この有機薄膜体剥離後のシリコンウェハー表面は、剥離跡もなく、表面の水に対する接触角は、103°であった。
【0036】
更に、この有機薄膜体剥離後のシリコンウェハーに順次上記有機薄膜体を形成しては剥離した。該操作は10回の繰り返し使用が可能であった。
得られた有機薄膜体は、全て、しわがなく、色斑や剥離跡や基板からの転写物も無く、良好であった。また、波長248nm付近の光線透過率は99.6%以上と高く、膜厚の均一性も良好であった。
また、10回の繰り返し使用後のシリコンウェハー表面は、剥離跡もなく、表面の水に対する接触角も有機薄膜体成膜前と同じ103°であった。
【0037】
【実施例4】
10,10,10,9,9,8,8,7,7,6,6,5,5,4,4,3,3−ヘプタデカフロロデシルトリメトキシシランと、研磨後のシリコンウェハーを金属容器に入れ、容器内の圧力を660mmHg(−100mmHg)として密封した。金属製容器及び内部を30℃に加熱し、この状態で24時間放置した。その後、室温に戻し、金属製容器内からシリコンウェハーを取り出した。このシリコンウェハー表面の水に対する接触角は104°であり、これに対して研磨後のシリコンウェハー表面は51°であった。
【0038】
実施例2と同様に、γAF1600溶液を用い、上記処理後のシリコンウェハー上に、厚さ0.84μmの有機薄膜体をスピンコーティング法で形成した。両面テープを貼り付けた金属の枠を、シリコンウェハー上に形成した有機薄膜体上に接着し、23℃、相対湿度50%の条件下で、シリコンウェハーより剥離したところ、有機薄膜体を容易に剥離することができた。
得られた有機薄膜体は、しわがなく、色斑や剥離跡や基板からの転写物も無く、良好であった。また、波長248nm付近の光線透過率は99.6%と高く、膜厚の均一性も良好であった。
この有機薄膜体剥離後のシリコンウェハー表面は、剥離跡もなく、表面の水に対する接触角は、104°であった。
【0039】
更に、この有機薄膜体剥離後のシリコンウェハーに順次有機薄膜体を形成しては剥離した。該操作は10回の繰り返し使用が可能であった。
得られた有機薄膜体は、全て、しわがなく、色斑や剥離跡や基板からの転写物も無く、良好であった。また、波長248nm付近の光線透過率は99.6%以上と高く、膜厚の均一性も良好であった。
また、10回の繰り返し使用後のシリコンウェハー表面は、剥離跡もなく、表面の水に対する接触角も有機薄膜体成膜前と同じ104°であった。
【0040】
【実施例5】
下記式(3)
CF3 (CF2 5 CH2 CH2 Si(OMe)3 (3)
で示される化合物と、研磨後のシリコンウェハーを金属容器に入れ、密封した。金属製容器及び内部を105℃に加熱し、この状態で36時間放置した。その後、室温に戻し、金属製容器内からシリコンウェハーを取り出した。このシリコンウェハー表面の水に対する接触角は108°であり、これに対して研磨後のシリコンウェハー表面は51°であった。
【0041】
実施例2と同様に、γAF1600溶液を用い、上記処理後のシリコンウェハー上に、厚さ0.84μmの有機薄膜体をスピンコーティング法で形成した。両面テープを貼り付けた金属の枠を、シリコンウェハー上に形成した有機薄膜体上に接着し、23℃、相対湿度50%の条件下で、シリコンウェハーより剥離したところ、容易に有機薄膜体を剥離できた。
得られた有機薄膜体は、しわがなく、色斑や剥離跡や基板からの転写物も無く、良好であった。また、波長248nm付近の光線透過率は99.6%と高く、膜厚の均一性も良好であった。
この有機薄膜体剥離後のシリコンウェハー表面は、剥離跡もなく、表面の水に対する接触角は、108°であった。
【0042】
更に、このシリコンウェハーに順次有機薄膜体を形成しては剥離した。該操作は10回の繰り返し使用が可能であった。
得られた有機薄膜体は、全て、しわがなく、色斑や剥離跡や基板からの転写物も無く、良好であった。また、波長248nm付近の光線透過率は99.6%以上と高く、膜厚の均一性も良好であった。
また、10回の繰り返し使用後のシリコンウェハー表面は、剥離跡もなく、表面の水に対する接触角も有機薄膜体成膜前と同じ108°であった。
【0043】
【比較例1】
研磨後、表面の水に対する接触角が51゜のシリコンウェハー上に、実施例1と同様に、サイトップ溶液を用い、厚さ0.84μmの有機薄膜体をスピンコーティング法で形成した。両面テープを貼り付けた金属の枠を、シリコンウェハー上に形成した有機薄膜体上に接着し、23℃、相対湿度50%の条件下で、シリコンウェハーより剥離したところ、剥離することが困難であり、剥離途中で破れて剥離できなかった。
【0044】
【比較例2】
研磨後、表面の水に対する接触角が51゜のシリコンウェハー上に、実施例2と同様に、γAF1600溶液を用い、厚さ0.84μmの有機薄膜体をスピンコーティング法で形成した。両面テープを貼り付けた金属の枠を、シリコンウェハー上に形成した有機薄膜体上に接着し、23℃、相対湿度50%の条件下で、シリコンウェハーより剥離したところ、剥離することが困難であり、剥離途中で破れてしまった。シリコンウェハー側には、有機薄膜体層が多く残ったままであった。部分的に得られた有機薄膜体は、曇りや色斑が多く、波長248nm付近の光線透過率も50〜80%と低かった。
【0045】
【比較例3】
実施例1と同様に、10,10,10,9,9,8,8,7,7,6,6,5,5,4,4,3,3−ヘプタデカフロロデシルトリメトキシシランと、研磨後のシリコンウェハーを金属容器に入れ、密封した。金属製容器及び内部を105℃に加熱し、この状態で36時間放置した。その後室温に戻し、金属製容器内からシリコンウェハーを取り出した。このシリコンウェハー表面の水に対する接触角は103°であり、これに対して研磨後のシリコンウェハー表面は51°であった。
【0046】
次に、ニトロセルロースを、プロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解し、6.0%のニトロセルロース溶液を調整した。
前記処理後のシリコンウェハーをスピンコーターにセットして、該調整したニトロセルロース溶液を、孔径0.2μmのメンブレンフィルターで濾過し、その濾過液をスピンコートし、さらにホットプレート上で乾燥し、厚さ0.84μmの有機薄膜体を形成した。両面テープを貼り付けた金属の枠を、シリコンウェハー上に形成した有機薄膜体上に接着し、23℃、相対湿度50%の条件下で、シリコンウェハーより剥離しようとしたが、剥離することが困難であり、剥離途中で破れてしまった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の有機薄膜体及び有機薄膜体の製造方法は、光線透過率が高く、膜厚均一性が良く、しわのない有機薄膜体、及び有機薄膜体を基板から容易に剥離することができ、さらに繰り返し基板が使用できる有機薄膜体の製造方法が提供できた。

Claims (1)

  1. 基板がガラス或いはシリコンウエハーからなり、下記式(a)及び/又は下記式(b)で示されるシリコン化合物を蒸着もしくはスピンコートすることによって形成した層を有する表面の水に対する接触角が90°以上の基板の表面に、フッ素系材料を含む単層の有機薄膜体を形成した後、基板から剥離することを特徴とするペリクル膜の製造方法。
    CF3 (CF2 n CH2 CH2 Si(OMe)3 (a)
    (式中、nは5〜7の整数であり、Meはメチル基である。)
    CF3 (CF2 n CH2 CH2 SiMe(OMe)2 (b)
    (式中、nは5または7であり、Meはメチル基である。)
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