JP3888051B2 - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、セパレータがステンレス鋼製であって、しかも発電性能に優れた固体高分子型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素および酸素を利用して直流電力を発電する電池であり、固体電解質型、溶融炭酸塩型、リン酸型および固体高分子型などの各種の燃料電池がある。これらの中で、現在、商用段階に達している燃料電池は、リン酸型燃料電池および溶融炭酸塩型燃料電池である。なお「燃料電池」という名称は、電池の根幹をなす電解質部分の構成材料に由来している。
【0003】
燃料電池のおおよその運転温度は、固体電解質型燃料電池で1000℃、溶融炭酸塩型燃料電池で650℃、リン酸型燃料電池で200℃であり、固体高分子型燃料電池では80℃前後である。
【0004】
上記のように、固体高分子型燃料電池は運転温度が低く、しかも起動・停止が容易であり、またエネルギー効率も40%程度が期待できる。従って、小規模事業所、電話局などの非常用分散電源、都市ガスを燃料とする家庭用小型分散電源、水素ガス、メタノールあるいはガソリンを燃料とする低公害電気自動車搭載用電源として、世界的に実用化が期待されている。
【0005】
図1は、固体高分子型燃料電池(以下、単に燃料電池と記すこともある)の構造を示す図で、同図の(a)は、燃料電池を構成する単セルの分解図、図1(b)は多数の単セルを組み合わせて作られた燃料電池全体の斜視図である。
【0006】
図1に示すように、燃料電池1は単セルの集合体(スタック)である。単セルは、図1(a)に示すように固体高分子電解質膜2の一面にアノード側ガス拡散電極層または燃料電極膜と呼ばれるもの(この明細書では、これをアノードという)3が、他面にはカソード側ガス拡散電極層または酸化剤電極膜と呼ばれるもの(この明細書では、これをカソードという)4がそれぞれ積層されており、その両面にセパレータ(バイポーラプレート)5a、5bが重ねられた構造になっている。
【0007】
なお、上記の単セルと単セルの間、または数個の単セルごとに冷却水の流通路を持つ水セパレータを配した水冷型の燃料電池もある。本発明はそのような水冷型燃料電池をも対象とする。
【0008】
固体高分子電解質膜(以下、単に「電解質膜」という)2としては、水素イオン(プロトン)交換基を有するフッ素系プロトン伝導膜が使われている。
【0009】
アノード3およびカソード4には、粒子状の白金触媒と黒鉛粉、および必要に応じて水素イオン(プロトン)交換基を有するフッ素樹脂からなる触媒層が設けられており、燃料ガスまたは酸化性ガスと接触して反応を促進するようになっている。
【0010】
セパレータ5aに設けられている流路6aからは燃料ガス(水素または水素含有ガス)Aが流されて燃料電極膜3に水素が供給される。また、セパレータ5bに設けられている流路6bからは空気のような酸化性ガスBが流され、酸素が供給される。これらガスの供給により電気化学反応が生じて直流電力が発生する。なお、図1(a)では流路6a、6bを平行な直線状に示したが、実際には後述の図2に示すように蛇行状に設けることが多い。
【0011】
固体高分子型燃料電池のセパレータに求められる主な機能は次のようなものである。
【0012】
▲1▼燃料ガス、酸化性ガスを電池面内に均一に供給する“流路”としての機能、
▲2▼カソード側で生成した水を、反応後の空気、酸素といったキャリアガスとともに燃料電池から効率的に系外に排出する“流路”としての機能、
▲3▼電極膜(アノード3、カソード4)と接触して電気の通り道となり、さらに単セル間の電気的“コネクタ”となる機能、
▲4▼隣り合うセル間で、一方のセルのアノード室と隣接するセルのカソード室との“隔壁”としての機能、および
▲5▼水冷型燃料電池では、冷却水流路と隣接するセルとの“隔壁”としての機能。
【0013】
セパレータとしては、従来、カーボン系の材料が使用されていた。しかし、カーボン系材料には強度上の問題があり、またセパレータへの加工コストが嵩むという難点がある。そこで、カーボン系材料に替えてステンレス鋼を使用することが検討され、セパレータ材料として特別に開発されたステンレス鋼も幾つか提案されている(特開2000-239806号公報、同-265248号公報、特許第3097689号公報、特許第3097690号公報、参照)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ステンレス鋼製のセパレータは、材料コストおよび加工コストの上から極めて実用性に富むものである。しかし、ステンレス鋼はその表面に不動態皮膜を有するので、接触抵抗が比較的大きい。従って、これをセパレータ材料として用いる場合、前記▲3▼に述べた電気の通り道としての機能に不足が生じて、望ましい電池特性が得られなくなるという問題がある。
【0015】
本発明の目的は、セパレータ材料として接触抵抗の比較的大きいステンレス鋼を用いたときの上記の問題を解決し、優れた電池特性を有する固体高分子型燃料電池を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池は、セパレータがステンレス鋼製の固体高分子型燃料電池である。この燃料電池は、図1に示すように、多数の単セルの集合体(スタック)からなり、それぞれの単セルには電解質膜2の両側にアノード3およびカソード4を配した電解質セル部がある。また、この電解質セル部の両側には燃料ガス供給通路を持つセパレータ5aと酸化剤ガス供給通路を持つセパレータ5bが配置され、これらでもって一つのセル(単セル)が構成されている。このような基本構造は、従来の固体高分子型燃料電池と同じである。なお、前記のように、セパレータの外側に水セパレータを配した水冷型燃料電池であってもよい。
【0017】
本発明の燃料電池の特徴は、次の2点である。
【0018】
(1)セパレータがステンレス鋼製であって、表面に M 2 B型の硼化物系金属化合物が露出していること、および
(2)アノード面積(Sa)およびカソード面積(Sc)をそれぞれ1としたとき、アノード3がセパレータ5aと直接接触する面積(S1)、およびカソード4がセパレータ5bと直接接触する面積(S2)のいずれもが0.3から0.7までの割合であること。
【0019】
図2は、上記(2)の要件を説明する模式図である。同図に示すのはセパレータの平面図で、白抜きの部分5-1はガス流路となる溝である。
【0020】
アノード面積(Sa)およびカソード面積(Sc)とは、前記単セルの電解質セル部において電池反応に実質的に寄与するアノード3およびカソード4の面積である。即ち、アノード3およびカソード4の全面積のうち、外周に設けられる電池反応に寄与しないガスシールド部およびガスマニホールド部の面積を除外した面積である。
【0021】
これを図2に示すセパレータ側からみると、酸化剤ガスあるいは燃料ガスが流れるガス通路となる溝5-1(図2の白抜き部分)の全面積と、カソードまたはアノードと直接接触する部分(図2の黒色部分のうち外縁部のガスシールド部5-2およびガスマニホールド部5-3を除いた部分)の全面積の総和、即ち、図2の内側の実線で囲まれた電極部5-4の面積、がアノード面積(Sa)またはカソード面積(Sc)である。
【0022】
アノード3またはカソード4がセパレータ5aまたは5bと直接接触する面積(S1またはS2)は、図2の黒色部分(ただし、外縁部のガスシールド部5-2およびマニホールド部5-3を除く)である。従って、上記(2)の要件は、次のように表される。
【0023】
S1の最小値:0.3×Sa、 S1の最大値:0.7×Sa
S2の最小値:0.3×Sc、 S2の最大値:0.7×Sc
本明細書では「S1/Sa」および「S2/Sc」を接触面積率という。
【0024】
本発明の燃料電池のセパレータは前記のとおり、ステンレス鋼製であるが、さらに下記の特徴を備えることが望ましい。
【0025】
(3)ステンレス鋼のセパレータの表面に、導電性を有するM23C6型、M4C型、M2C型およびMC型の炭化物系金属化合物の1種以上が露出していること。ここで「露出」とは、後に詳しく説明するように、セパレータを構成するステンレス鋼の不動態皮膜を突き破るように表面から少なくとも一部が突出している状態をいう。
【0026】
上記炭化物系化合物または硼化物系化合物を構成するMは、CrまたはCrとCrの一部を置換した形で存在する炭化物もしくは硼化物を形成する金属元素、例えば、Fe、Mo、Wの1種以上である。
【0027】
ステンレス鋼としては、JIS等に規定される市販の各種ステンレス鋼およびその改良鋼が使用できるが、次に述べる(4)または(5)の化学組成を有するフェライト系またはオーステナイト系のステンレス鋼がセパレータ材料として好適である。
【0028】
(4)質量%で、C:0.15%以下、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.01〜1.5%、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:15〜36%、Al:0.2%以下、B:3.5%以下(ただし0%を除く)、N:0.035%以下、Ni:5%以下、Mo:7%以下、W:4%以下、V:0.2%以下、Cu:1%以下、Ti:25×(C%+N%)以下、Nb:25×(C%+N%)以下、希土類元素: 0 〜 0.1 %、 Ca : 0 〜 0.1 %で、かつCr、MoおよびBの含有量が下記(a)式を満足し、残部が Fe および不可避不純物からなるフェライト系ステンレス鋼。
【0029】
17%≦Cr+3×Mo−2.5×B ・・・(a)
ただし、式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を示す。
【0030】
(5)質量%で、C:0.001〜0.2%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.01〜1.5%、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:17〜30%、Ni:7〜50%、B:3.5%以下(ただし0%を除く)、N:0.4%以下、Cu:2%以下、Al:0.2%以下、Mo:7%以下、W:4%以下、V:0.2%以下、希土類元素: 0 〜 0.1 %、 Ca : 0 〜 0.1 %で、かつCr、MoおよびBの含有量が上記(a)式を満足し、残部が Fe および不可避不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼。
【0031】
上記(4)または(5)のステンレス鋼を用いる場合であっても、これらで構成したセパレータの表面には前記(3)の炭化物系化合物が露出していることが望ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の基礎となった知見は次のとおりである。
【0033】
ステンレス鋼のように電極部との接触抵抗が10mΩcm2以上ある場合でも、アノードおよびカソードの電池反応に実質的に寄与する面積(即ち、アノード面積およびカソード面積)のうち、セパレータと直接接触する面積の割合(接触面積率)を或る値以上にしておけば、、電極(アノードおよびカソード)とセパレータ間の電子の十分な導通を確保でき、優れた電池性能を得ることができる。
【0034】
一方、セパレータには前述▲1▼の燃料ガスおよび酸化性ガスを電極表面のガス拡散層を通して電極に供給する役割がある。アノード側およびカソード側ともにセパレータと電極の接触面積を増大させることはガスの供給能力を減少させることになる。さらに、セパレータと電極の接触面積を増やすことは流路の幅をせばめることであり、流路加工の面でも制約となる。これらの点から、セパレータと電極の接触面積は、或る限度以下に抑えなければならない。
【0035】
以上の理由から、セパレータと電極(アノードおよびカソード)との接触面積率を適正範囲に設定すれば、ステンレス鋼のような比較的電極との接触抵抗が高くなる材料でセパレータを構成しても高い発電性能の燃料電池が得られる筈である。そこで、上記の適正接触面積率を確認すべく多数の試験を行って、本発明を完成した。
【0036】
1.接触面積比率の下限について
アノード側、カソード側ともに電極との接触面積比率を0.3以上とする。ステンレス鋼のように電極部との接触抵抗が10mΩcm2から、場合によっては50 mΩcm2以上にも達する材料をセパレータとして使用すれば、アノード側、カソード側に限らず、接触抵抗の増大による発熱や発電ロスといった問題が生じる。接触面積率を0.3未満にすると、特に電池の発電電流を大きくするのにともなって、電池としての性能が著しく低下する。なお、一般のステンレス鋼を使用する場合、好ましい接触面積率は0.4以上である。
【0037】
2.接触面積比率の上限について
アノード側、カソード側ともに電極との接触面積率を0.7以下とする。前記のとおり、セパレータには電極にガスを供給する役割があるが、セパレータと電極との接触面積率を過度に大きくすると、燃料および酸化剤ガスの供給が阻害され、またガスが電極上のガス拡散層に接触する面積が減少して、特に電池の発電電流を大きくする場合、電極とセパレータの接触面積が0.7を超えるほどに大きいと電池性能が著しく低下する。
【0038】
さらに0.7を超えるような接触面積率を確保しようとすると、セパレータに設ける流路を極端に細くしなければならず、流路加工に過度の精密さが要求されることとなる。加工精度が悪いとセパレータをスタックしたとき、各セルで酸化剤ガスまたは燃料ガスのアンバランスが起こり、例えば燃料ガスの供給が不足するセルにおいては、いわゆる「燃料不足による腐食」の現象が起こる。
以上の理由で、接触面積比率は0.7以下とすべきである。なお、好ましいのは0.6以下である。
【0039】
3.セパレータ表面の接触抵抗低減対策について
上記のようにセパレータと電極の接触面積比率を、0.3から0.7の間に設定することによって優れた電池性能が得られるが、ステンレス鋼そのものの接触抵抗値を小さくすれば、電池性能は一層向上する。その効果は、特に大電流(0.5〜1A/cm2以上)を発電する電池の場合に顕著である。
【0040】
一般にステンレス鋼の表面には、主にCr酸化物からなる数十Å程度の薄い不動態皮膜が生成しており、この不動態皮膜によってステンレス鋼は優れた耐食性を示す。不動態皮膜は母材に比べて電気伝導性が劣り、接触電気抵抗を高める。この不動態皮膜を薄くすることにより電気抵抗を小さくすることも可能ではあるが、特にステンレス鋼が固体高分子型燃料電池内部で用いられた場合、不動態皮膜を薄い状態で安定して維持することは容易でない。
【0041】
上記のとおり、ステンレス鋼をセパレータとして用いる場合、接触抵抗の増大をもたらすのは不動態皮膜である。そこで、導電性を有する多数の微細な硼化物系金属化合物をステンレス鋼表面に存在している不動態被膜を突き破った形で外面に露出させ、さらに必要に応じて炭化物系金属化合物の1種以上を同様に露出させて、不動態被膜の絶縁性が局部的に破れて接触抵抗が小さくなる。
【0042】
即ち、ステンレス鋼製のセパレータ表面に導電性金属化合物を露出させるのは、金属化合物を電気の通り道として機能させて接触電気抵抗を下げるためである。炭化物系金属化合物は、M23C6型、M4C型、M2C型、MC型が好ましく、硼化物系金属化合物はM2B型が好ましい。
【0043】
一般に、ステンレス鋼に存在する炭化物等の金属化合物は、耐食性を低下させる介在物であり、好ましくないものとされている。本発明では、従来は排除されるべき介在物とされてきた炭化物系または硼化物系の化合物を積極的に利用して、不動態皮膜により増大する接触電気抵抗を減じさせる「電気の通り道」とするのである。
【0044】
上記のようにセパレータ表面に導電性金属化合物を積極的に析出させて電気の通り道を確保したうえで電極との接触面積率を0.3〜0.7とすれば、性能の極めて優れた燃料電池となる。
【0045】
炭化物系金属化合物または硼化物系金属化合物をセパレータ表面から突出した状態にする方法には特に制約はない。最も実用的な方法は、ステンレス鋼に上記の化合物を形成する成分(C、B、Cr、Mo、W等)を含有させ、ステンレス鋼の溶製、熱処理の工程で化合物を析出させる方法がある。ステンレス鋼の表面に炭化物や硼化物が露出していれば、その上には不動態皮膜は生成しない。
【0046】
炭化物や硼化物がステンレス鋼の内部にあって、その表面が不動態皮膜で既に被われている場合には、酸洗等の適当な手段で不動態皮膜とともに表層部の母材を除去し、内部の炭化物や硼化物を露出させればよい。
【0047】
その外に、炭化物または硼化素の粒子をショットピーニングのような手段でセパレータ表面に叩き付けて、不動態皮膜を貫通してめり込ませる方法もある。また、セパレータの表層部に上記のような元素を浸透させ、適当な熱処理によって表層部だけに炭化物または硼化物の粒子を生成させることもできる。
【0048】
4.望ましいステンレス鋼の組成について
本発明の燃料電池のセパレータを構成するステンレス鋼として望ましいのは、先に述べた組成のフェライト系またはオーステナイト系のステンレス鋼である。以下、これらのステンレス鋼の各成分の作用効果と望ましい含有量について説明する。
【0049】
C:
Cは、Cr系主体の炭化物として分散析出し、不動態皮膜で覆われているステンレス鋼表面の接触電気抵抗を下げる効果がある。Cr系炭化物は、金属的性質を有しており、不動態皮膜よりも良好な電気伝導性を有しているからである。Bを含有させたステンレス鋼の場合には硼化物が析出するが、その硼化物中にもBの一部を置換するようにCが取り込まれて析出する場合がある。
【0050】
電気伝導性に優れたCr系炭化物が、不動態皮膜に覆われることなく表面に露出することが、ステンレス鋼表面の電気伝導性を長時間にわたって低く安定させる。従って、たとえ燃料電池のセパレータ表面の不動態皮膜が厚くなったとしても、鋼表面に露出しているCr系炭化物を介して良電導性が確保されることとなり、鋼表面の接触電気抵抗が高くなるのを抑制することができる。言い換えれば、不動態皮膜に覆われることなく露出している微細なCr系炭化物が電気の通り道として機能することで、接触電気抵抗を低く維持できる。
【0051】
一般に、Cを多量に固溶したステンレス鋼は強度、硬度が高くなって延性が低下し、製造性が低下する。固体高分子型燃料電池用のセパレータとしての成形性を確保するためにも、鋼中のCを炭化物として析出させて、固溶C量を下げるのが好ましい。炭化物としてCを析出させることで、鋼の成形性も改善される。すなわち、成形性確保の点からも、鋼中のCを炭化物として析出させることは有効である。さらに、炭化物を熱処理で凝集粗大化させることも、加工性を一層向上させるのに有効である。適切な温度で長時間保持すれば、炭化物は凝集し粗大化する。この凝集粗大化の熱処理の前に、あらかじめ冷間圧延を施したり、金属微粉末をショットしたり、研磨、研削加工を行ったりすることにより鋼に残留歪を持たせれば、炭化物の析出時間、凝集時間を短くすることができる。この処理は、後述の鋭敏化によって劣化した耐食性を回復する処理に要する時間の短縮にも役立つ。
【0052】
フェライト系ステンレス鋼では、C含有量が0.15%を超えると、固体高分子型燃料電池のセパレータに加工するときの成形性が確保できなくなる。さらに、炭化物析出により生じる鋭敏化を防止するためには「(Cr系炭化物として析出しているCの質量%)×100/(鋼中全Cの質量%−0.0015%)」の値を80以上とすることが望ましい。
【0053】
炭化物を析出させてステンレス鋼表面に分散、露出させるには、Cを0.01%以上含有させるのが好ましく、さらに好ましいは0.04%以上である。また、炭化物の析出を促進するためには500〜950℃の温度域に保持する熱処理を施すのがよい。950℃を超える温度域では、Cr系炭化物は熱的に不安定となり再固溶する。一方、500℃未満の温度では鋼中のCおよびCrの拡散速度が遅くなり析出処理時間が長くなり工業的な量産には好ましくない。Cr系炭化物を析出させるのにより好適な処理温度域は650〜900℃であり、最も望ましい温度域は800〜900℃である。
【0054】
オーステナイト系ステンレス鋼では、積極的に炭化物を析出させるためには0.001〜0.2%の範囲でCを含有させるのがよい。0.2%を超えると、固体高分子型燃料電池のセパレータに加工する際の成形性を確保することが困難となる。炭化物をより多く析出させてステンレス鋼表面に分散、露出させるには、0.015%以上とするのが好ましく、さらに好ましいのは0.06%以上である。また、炭化物析出による鋭敏化を防止するためには、「(Cr系炭化物として析出しているCの質量%)×100/(鋼中全Cの質量%)−0.012%)」の値を85以上とすることが望ましい。
【0055】
オーステナイト系ステンレス鋼においても炭化物の析出を促進させるには500〜950℃の温度域に保持する熱処理を施すのがよい。その理由は前記のとおりである。好適な処理温度域は600〜900℃である。
【0056】
フェライト系でもオーステナイト系でもステンレス鋼中のCr系炭化物は鋼中に微細に分散析出するが、析出しやすい結晶粒界に優先的に析出する傾向がある。クロム系炭化物が粒界、粒内のいずれに析出するかは接触電気抵抗を低くする上ではさほど重要ではないが、分散を均一にするには粒内にも分散析出していることが望ましい。
【0057】
Cr系炭化物を粒内に析出分散させるためには、一旦Cr系炭化物を析出させた状態で、Cr系炭化物が再固溶しない温度域で熱間圧延するか、または冷間圧延で加工歪を付与した後、再度500℃以上、950℃以下のCr系炭化物の析出温度域に保持すればよい。付与する冷間加工度は数%でも効果はあるが、20〜30%程度以上が望ましい。表層付近にのみ加工歪を付与し、表層付近にのみ炭化物を析出させることも可能である。いずれにしても、再固溶した鋼中Cが、粒界あるいは粒内に固溶せず残留している炭化物を核として再度析出し、新粒界が形成されることで粒内にも炭化物が析出することとなる。
【0058】
周知のように、ステンレス鋼にCr系炭化物析出処理を施せば、鋭敏化により母材耐食性を低下させる可能性がある。鋭敏化とは、Cr系炭化物が析出してその周囲にCr欠乏層が生成することにより起こる耐食性の低下である。この鋭敏化は、500℃以上、900℃以下の温度域に長時間保持し、緩冷却することで回避、あるいは改善することができる。一般的に、冷却速度は遅いほど望ましい。
【0059】
Si:
フェライト系でもオーステナイト系でも鋼中のSi量は、0.01〜1.5%の範囲がよい。量産鋼においてはSiはAlと同様に有効な脱酸元素である。0.01%未満では脱酸が不十分となる。一方、1.5%を超えると成形性が低下する。
【0060】
Mn:
フェライト系ステンレス鋼においては、0.01〜1.5%の範囲内で含有させるのがよい。通常、Mnは鋼中のSをMn系の硫化物として固定する作用があり、熱間加工性を改善する効果がある。オーステナイト系ステンレス鋼では、0.01〜2.5%のMnを含有させる。Mnは、有効なオーステナイト相安定化元素である。ただし、2.5%を超えるほどに含有させる必要はない。
【0061】
P:
鋼中のPは、Sと並んで最も有害な不純物である。低ければ低い程望ましい。0.04%は許容上限値である。
【0062】
S:
SはPと同じく有害不純物であり、0.01%以下で低ければ、低いほど望ましい。Sは、その含有量および鋼中の共存元素に応じて、Mn系硫化物、Cr系硫化物、Fe系硫化物、あるいはこれらの複合硫化物および酸化物との複合非金属介在物としてほとんどが析出する。しかしながら、固体高分子型燃料電池のセパレータとしての使用環境においては、いずれの組成の非金属介在物も、程度の差はあるものの腐食の起点として作用し、不動態皮膜の維持、腐食溶出抑制に有害である。通常の量産鋼中のS量は、0.005%を超えて0.008%前後までであるが、上記の有害な影響を防止するためには0.004%以下に低減することが望ましい。より望ましい鋼中S量は0.002%以下であり、最も望ましいレベルは、0.001%未満である。工業的量産において0.001%未満とすることは、現状の精錬技術をもってすれば製造コストの上昇もわずかであり、全く問題ない。
【0063】
Cr:
Crは、母材の耐食性を確保する上で極めて重要な基本合金元素である。その含有量が高いほど高耐食となる。しかし、フェライト系においてはCr量が36%を超えると量産規模での生産が難しくなる。オーステナイト系では30%を超えるとオーステナイト相がその他の合金成分の調整によっても不安定性になる。
【0064】
一方、フェライト系では15%未満、オーステナイト系では17%未満のCr含有量では、その他の元素を変化させても燃料電池用セパレータとして必要な耐食性の確保が困難になる。
【0065】
ステンレス鋼では、Crの炭化物が析出することにより、また、Bを含む場合にはCrの硼化物が析出することにより、耐食性向上に寄与する鋼中Cr量が溶鋼段階でのCr量に比べて減少して耐食性が劣化する場合がある。固体高分子型燃料電池内部での耐食性を確保するためには、M2B型硼化物の析出を考慮して、前記の(a)式、即ち、17≦(Cr%+3×Mo%)−(2.5×B%)を満たす鋼中Cr量であることが望ましい。
【0066】
また、M23C6型炭化物が析出した場合にも、炭化物析出量に見合うだけの固溶Cr量が低下するため、(鋼中Cr%−M23C6型炭化物として析出したCr%)+(3×Mo%)≧17なる関係式を満たす鋼中Cr量であることが望ましい。
【0067】
Al:
Alは、脱酸元素として溶鋼段階で使用されるが、鋼中の含有量は0.2%以下であればよく、必ずしも残留させる必要はない。しかし、特に鋼にBを含有させる場合は、Bは溶鋼中酸素との結合力が強い元素であるから、Al脱酸により酸素濃度を下げておくことが推奨され、Al含有量を0.001%以上とするのが望ましい。
【0068】
B:
Bは必須成分である。B含有鋼においては、Cr、Feを主体としNi、Moを微量含有する(Cr,Fe)2B、(Cr,Fe,Ni)2BといったM2B型硼化物が析出する。これらの硼化物は金属的性質を有し不働態皮膜よりも良好な電気伝導性を有しているので、これが表面の不働態皮膜から突出していればステンレス鋼表面の接触電気抵抗を下げる効果がある。このような効果を得るには 3.5 %まで(ただし、0%を除く)のBを含有させる必要がある。
【0069】
一方、B4Cの微粒子粉末をショットしたり、研磨、研削する際にB4Cの微粉末を使用してステンレス鋼表面にめり込ませて残留させることにより、接触電気抵抗を低くすることができるので、鋼中には必ずしもBを含有させる必要はない。
【0070】
なお、硼化物および炭化物は、それ自体が耐食性に富むものであるから、これらがセパレータ表面に露出していても、その耐食性が損なわれることはない。一方、硼化物および炭化物の表面には不動態皮膜が生成しないので、セパレータの良電導性が確保されることとなる。
【0071】
Bを3.5%を超えるほど含有する鋼を通常の溶解法で製造するのは困難である。また、B含有量が過剰になれば、固体高分子型燃料電池のセパレータ用として常温で加工する際の成形性が確保できなくなる。従って、Bを添加する場合でも、その含有量は3.5%以下とするべきである。
【0072】
鋼中のBはそのほとんどが硼化物として析出する。1125℃においても固溶するのは0.01%程度以下である。低温側では、固溶量はさらに低くなる。硼化物の析出温度は含有量にもよるが、ステンレス鋼の凝固温度近傍にあり、一旦析出すると、ほとんど再固溶しない。Bの含有量と共に液相線が低下し、熱間での鍛造可能温度範囲も狭くなる。硼化物そのものの変形能が極めて劣ることから、B含有量が多く硼化物析出が顕著になるほど加工の際に割れやすくなり、量産性が悪くなる。ただし、B量が3.5%までは、工業的規模での製造は可能である。
【0073】
Bの含有量が数十ppm程度である場合には、硼化物は結晶粒界に析出する傾向が大きい。接触電気抵抗を低くする上では硼化物が粒界と粒内のいずれに析出してもさほどの違いはない。しかし、常温での加工性を良くして割れの問題を回避するためには均一に分散させる方が好ましい。
【0074】
硼化物の析出により、ステンレス鋼の耐食性が低下する可能性がある。硼化物析出による母材の耐食性低下は、硼化物が析出することで母材中のCr、Moが消費されるために起きる。従って、前記の(a)式を満足するように、あらかじめ硼化物形成により消費されるCr量相当およびMo量相当を溶鋼の段階で含有させておくことが耐食性低下を軽減するのに有効である。
【0075】
N:
フェライト系ステンレス鋼におけるNは不純物である。フェライト系ステンレス鋼ではNは常温靭性を劣化させるので0.035%以下に抑えるのがよく、低ければ低い程望ましい。0.007%以下とすることが最も望ましい。
【0076】
オーステナイト系ステンレス鋼においては、Nはオーステナイト形成元素として、オーステナイトの相バランス調整に有効な元素であるから必要に応じて添加してもよい。しかし、添加する場合でも加工性を劣化させないために、含有量の上限を0.4%とするのがよい。
【0077】
Ni:
オーステナイト系ステンレス鋼においては、Niはオーステナイト相安定化のために極めて重要な合金元素である。フェライト系ステンレス鋼においても、耐食性、靭性を改善する効果がある。その含有量は、オーステナイト系ステンレス鋼においては、下限を7%とし上限を50%とするのが好ましい。7%未満では、オーステナイト相を安定させるのが困難となり、一方、50%を超えると製造が困難になるからである。
【0078】
フェライト系ステンレス鋼では、Niは上記の効果を得たいときに必要に応じて添加できる成分である。但し、その含有量が5%を超えるとフェライト系組織とすることが困難となり、他元素の影響も受けるが、フェライト−オーステナイト二相組織となるので、上限を5%とするのが好ましい。二相組織では、薄板成形性に方向性があり、固体高分子型燃料電池のセパレータ用素材として十分な成形性を確保することができなくなる。
【0079】
Mo:
フェライト系でもオーステナイト系でも、MoはCrに比べて少量で耐食性を改善する効果がある。従って、7%以下の量で必要に応じて含有させるのがよい。Moの含有量が7%を超えると、シグマ相等の金属間化合物の析出回避が困難になり、鋼の脆化の問題から生産が困難となる。
【0080】
Moによって耐食性の向上を期待する場合には、CrおよびBの含有量との兼ね合いで、前記(a)式を満たすようにMo含有量を調整するのが望ましい。
【0081】
さらにMoには下記の特徴がある。即ち、固体高分子型燃料電池内部で、たとえ腐食により鋼中Moの溶け出しが起こったとしても、アノードおよびカソード部に担持されている触媒の性能に対する影響は比較的軽微である。これは、溶出したMoは金属陽イオンとして存在せず、モリブデン酸陰イオンとして存在するため、水素イオン(プロトン)交換基を有するフッ素系イオン交換樹脂膜の陽イオン伝導度に対する影響が小さいからである。
【0082】
また、Moは、鋼中のCと結合してMo2C型炭化物を生成する。この炭化物は、Cr炭化物と同じく金属的性質を有し、不動態皮膜よりも良好な電気伝導性を有しているから、これを、鋼(セパレータ)表面から露出させることによってセパレータの接触抵抗を小さくすることができる。
【0083】
なお、Mo2C型炭化物もショット加工、あるいは研磨、研削などの機械加工後の残留物として、セパレータ表面に露出した状態で存在させることができる。また、工業的にはコスト高となるが、イオン注入法等でステンレス鋼表層部分のMo濃度を高め、その後の熱処理により鋼中のCと反応させて、表層でMo2Cを形成させることも可能である。
【0084】
Cu:
フェライト系ステンレス鋼では、Cuは耐食性を向上させる作用があるので、1%以下の量で必要に応じて含有させるのがよい。1%を超えると、熱間加工性が損なわれる。また、Cuは、有効なオーステナイト相安定化元素であり、オーステナイト系ステンレス鋼では不動態保持に際して有効な働きをする。従って、オーステナイト系ステンレス鋼にも必要に応じて添加してもよい。ただし、オーステナイト系ステンレス鋼においてもCu含有量が2%を超えると、熱間加工性の劣化が著しくなるので、添加する場合でもその含有量は2%以下に抑えるべきである。
【0085】
W:
Wは、Moと同様に耐食性を改善する効果があるから、フェライト系、オーステナイト系のいずれのステンレス鋼にも必要により添加してよい。但し、その含有量が過剰になると鋼の加工性が劣化するので、添加する場合は含有量の上限を4%とするべきである。
【0086】
なお、Wは、Moと同様に溶出したとしてもアノードおよびカソードに担持されている触媒の性能に対する影響は比較的軽微である。水素イオン(プロトン)交換基を有するフッ素系イオン交換樹脂膜の陽イオン伝導度に及ぼす影響も小さい。
【0087】
Ti、Nb:
TiおよびNbは、フェライト系ステンレス鋼の結晶粒を微細化し、靭性劣化を軽減する効果がある。必要に応じて25×(C%+N%)以下の範囲で含有させる。TiとNbを複合含有させても靭性改善の効果は得られる。
【0088】
ステンレス鋼の不可避的不純物の代表的なものはPおよびSであり、それらの許容上限値については先に説明した。これらの外に、ステンレス鋼を固体高分子型燃料電池のセパレータ用として用いる場合に好ましくない不純物としてV(バナジウム)がある。
【0089】
Vは、一般にステンレス鋼を溶製する際の溶解原料であるCr原料中に不純物として含有されており、ある程度の混入は不可避である。ただし、燃料電池のセパレータの使用環境で溶出したVは、アノードおよびカソードに担持されている触媒の性能に対して少なからず悪影響を及ぼす。従って、Vは低ければ低いほどよい。電池特性維持の上から許容できる含有量の上限は0.2%である。
【0090】
以上に述べた成分の残部はFeおよび通常の不純物であってもよいが、さらに、例えば、鋼の精錬(脱酸、脱硫等)や鋼中の硫化物系介在物の形態制御等の目的で使用される下記の成分が含有されていてもよい。
【0091】
希土類元素(REM):
希土類元素は、溶鋼段階でSとの結合力が極めて強いので、Sを無害化する効果がある。必要によりミッシュメタルのような形で添加すればよい。0.1%以下の微量含有量で十分な効果が得られる。
【0092】
Ca:
Caは、溶鋼段階でSとの結合力が極めて強いのでSを無害化する効果がある。従って、希土類元素と同様に、必要に応じて添加することができる。Caも0.1%以下の微量含有量で十分な効果が得られる。
【0093】
【実施例】
本発明の効果を実施例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]図2は、本発明の燃料電池に用いるセパレータの溝(流路)パターンの一例を示す図である。この溝5-1は蛇行によって流路長を確保して必要な流速を得る、いわゆるサーペンタイン型の流路である。
【0094】
この実施例では、ステンレス鋼の薄板をプレス成形して、図3の(a)に示す断面形状に加工した。電極部(図2の5-4の部分)の面積は5cm×5cmである。素材は表1に示す鋼種aで、10%硝酸−4%弗酸水溶液で酸洗して、導電性を有する硼化物系金属化合物を不動態皮膜下のステンレス鋼内から不動態皮膜の外面に突出するように露出させた接触電気抵抗の小さいオーステナイト系ステンレス鋼である。この材料の初期の接触抵抗は12mΩcm2であった。なお、接触抵抗は、電極膜(アノード3またはカソード4)を模擬した厚さ0.6mmの市販のグラッシ−カーボン板を用いて4端子法にて測定した。
【0095】
図3(a)は、セパレータ5の断面形状を示す図である。この例ではセパレータ5の厚さ(t)は0.3mm、溝5-1の深さ(d)は0.8mmである。この図に示す長さa(即ち、電極との接触長さ)とbの比を変化させ、電極とセパレータの接触面積率を変化させた。
【0096】
電流電圧特性を図4に示す。電池運転条件は1気圧で燃料ガスは純水素、酸化剤ガスには純酸素を用いた。温度は80℃である。
【0097】
図示のように接触面積率が0.50のときに最高の電池性能を示し0.30から0.70の範囲で良好な特性になっている。接触面積率が0.20および0.80の場合、高電流の領域で端子電圧が著しく低下し、電池性能が劣る結果になっている。
【0098】
【表1】
[実施例2]
この実施例では電極面積10cm×10cmでサーペンタイン型の流路を機械加工で形成したセパレータを用いた。即ち、図3(b)に断面を示すように、厚さ(t)が3mmの板に深さ(d)が1mmの溝を刻んだ。図のaとbの比率を様々に変えて接触面積率を変化させた。素材は表1のb材で、実施例1と同じ方法で導電性を有する硼化物系金属介在物を不動態皮膜下のステンレス鋼内から不動態皮膜の外面に露出させた接触電気抵抗の低いフェライトステンレス鋼材である。初期の接触抵抗は15mΩcm2であった。接触抵抗は実施例1と同じ方法で測定した。
【0099】
電池は、アノードおよびカソードそれぞれの側のセパレータの電極に対する接触面積率を0.2から0.8までに変化させて組み立てた。電池運転条件は1気圧で燃料ガスは純水素、酸化剤ガスには空気を用いた。
【0100】
表2は、0.32A/cm2の定電流運転時の電池端子電圧をアノード側、カソード側の各セパレータの電極に対する接触面積率に対してプロットしたものである。アノード、カソード側セパレータの接触面積率が0.3から0.7の場合に良好な性能が発揮されている。この範囲であればアノード側とカソード側の接触面積率は、必ずしも同じでなくてもよいことがわかる。
【0101】
【表2】
[実施例3]
電極面積が10cm×10cmでサーペンタイン型の流路を塩化第二鉄溶液を用いるエッチング法で形成したセパレータを用いた。素材厚さは3mmで溝の深さはアノード側セパレータ、カソード側セパレータともに1mmとし、図3(b)に示すaとbの比率を変えて接触面積率を調整した。
【0102】
素材は、表1の鋼種g、h、i、j、L(フェライト系ステンレス鋼)、同じく鋼種c、d、e、f、k(オーステナイトステンレス鋼)である。これらの素材(鋼種kを除く)の表面には、導電性を有する硼化物系または炭化物系の金属化合物を、実施例1と同じ方法で不動態皮膜下のステンレス鋼内から不動態皮膜の外面に露出させた。
【0103】
上記の各セパレータの接触電気抵抗を、実施例1と同じ方法で測定した。その結果を表1に示す。
【0104】
電池はアノード、カソード側のセパレータの電極に対する接触面積率を同じにし、それを0.2から0.8に変化させて組み立てた。電池運転条件は1気圧で燃料ガスは純水素、酸化剤ガスには空気を用いた。表3に0.32A/cm2の定電流運転時の電池端子電圧をセパレータの電極に対する接触面積率ごとに示す。
【0105】
表3から明らかなように、どの鋼種でも接触面積率が0.2または0.8の場合には端子電圧が大きく低下し、電池性能が低下している。
【0106】
なお、伝導性金属化合物の露出のない鋼種kの場合には、表1に示すように接触抵抗値が高いため、接触面積率が0.3または0.7でも端子電圧が低い。また、Bを含有せず、したがって、M 2 B型硼化物の露出がない鋼種eとiは、表1に示すように接触抵抗値が比較的大きい。
【0107】
【表3】
【発明の効果】
本発明の固体高分子型燃料電池は、セパレータ材料としてステンレス鋼を使用するにもかかわらず、そのセパレータと電極との接触面積率が0.3〜0.7という適正範囲に設定されているために優れた電池性能を有する。さらに、セパレータを構成するステンレス鋼の表面不動態皮膜から露出するように導電性金属化合物を存在させれば、セパレータと電極との接触電気抵抗が小さくなって、一層電池性能が向上する。
【0108】
本発明の燃料電池のセパレータ材料としては、通常のフェライトまたはオーステナイト系のステンレス鋼が使用できるが、先に述べた組成のものを使用するのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体高分子型燃料電池の構造を示す図である。
【図2】セパレータの平面構造を模式的に示す図である。
【図3】実施例に使用したセパレータの断面形状を説明するための模式的断面図である。
【図4】セパレータと電極の接触面積率を変えたときの燃料電池の電流−電圧特性を示す図である。
【符号の説明】
1…固体高分子型燃料電池
2…電解質膜
3…アノード
4…カソード
5(5a、5b)…セパレータ、
5-1…セパレータの溝
6a、6b…ガス流路
Claims (4)
- 固体高分子電解質膜の両側にこれを挟んでアノードとカソードを配した電解質セル部と、この電解質セル部に酸化剤ガスを供給するセパレータおよび燃料ガスを供給するセパレータとからなる単セルが複数個積層された固体高分子型燃料電池であって、上記の両セパレータがステンレス鋼製であり、表面にM2B型の硼化物系金属化合物が露出しており、かつ、アノード面積およびカソード面積をそれぞれ1としたとき、アノードがセパレータと直接接触する面積、およびカソードがセパレータと直接接触する面積のいずれもが0.3から0.7までの割合であることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
ただし、M2BのMはCrまたはその他の硼化物を形成する元素である。 - ステンレス鋼製のセパレータの表面に導電性のM23C6型、M4C型、M2C型およびMC型の炭化物系金属化合物の1種以上が露出していることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
ただし、MはCrまたはその他の炭化物を形成する元素である。 - セパレータを構成するステンレス鋼が、質量%で、C:0.15%以下、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.01〜1.5%、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:15〜36%、Al:0.2%以下、B:3.5%以下(ただし0%を除く)、N:0.035%以下、Ni:5%以下、Mo:7%以下、W:4%以下、V:0.2%以下、Cu:1%以下、Ti:25×(C%+N%)以下、Nb:25×(C%+N%)以下、希土類元素: 0 〜 0.1 %、 Ca : 0 〜 0.1 %で、かつCr、MoおよびBの含有量が下記(a)式を満足し、残部が Fe および不可避不純物からなるフェライト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1または2に記載した固体高分子型燃料電池。
17%≦Cr+3×Mo−2.5×B ・・・(a)
ただし、式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を示す。 - セパレータを構成するステンレス鋼が、質量%で、C:0.001〜0.2%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.01〜1.5%、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:17〜30%、Ni:7〜50%、B:3.5%以下(ただし0%を除く)、N:0.4%以下、Cu:2%以下、Al:0.2%以下、Mo:7%以下、W:4%以下、V:0.2%以下、希土類元素: 0 〜 0.1 %、 Ca : 0 〜 0.1 %で、かつCr、MoおよびBの含有量が下記(a)式を満足、残部が Fe および不可避不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体高分子型燃料電池。
17%≦Cr+3×Mo−2.5×B ・・・(a)
ただし、式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を示す。
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