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JP3863620B2 - 光触媒体及びその製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光触媒を担持する基体、特に有機高分子樹脂基板や有機高分子樹脂繊維・不織布や有機高分子塗膜等の有機高分子材からなる基体を有する光触媒体において、基体を光触媒からブロック(遮蔽)し、光触媒作用による基体からの異臭の発生や基体自体の変色を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
光触媒体は、その光触媒機能により、有害物質等を分解・無害化することから建築基材をはじめとする環境保全製品や、その殺菌機能を活かした医療機器・器具等、その応用範囲は広い。しかし、有機高分子樹脂基板(プラスチック板)等有機高分子材の表面に光触媒を担持させてなる光触媒体においては、有機高分子材が酸化還元反応等の光触媒作用により劣化されることから、有機高分子材の保護が必要であり、例えば、有機高分子樹脂基板の表面に耐食性金属と酸化金属とをスパッタリングにより溶着させ、酸化還元反応からブロッキングすることが知られている(特開平8−215295号公報)。
【0003】
また、その表面に光触媒を担持させてなるタイルやガラス等の無機化合物からなる基体は、有機高分子樹脂基体における場合のように、光触媒作用によりそれ自体劣化を受けることはないが、ガラスやフリットに由来するNaイオン、Kイオン等とアナターゼ型酸化チタンTiO2 等の光触媒とが反応することで光触媒機能が充分発揮し得なくなり、無機基板からのこれらイオンをどのようにブロックするかが問題であった。本発明者らは、先に光触媒と基体との間に、光触媒作用を有しないアモルファス型過酸化チタンTiO3 やアモルファス型酸化チタンTiO2 からなる層を吹付、ディピング等により不活性膜として設けることを提案している(特願平8−75543号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、光触媒を担持させる基体として期待され、また多用されている有機高分子樹脂基板等の有機高分子材に対して光触媒機能を付与する場合、有機高分子材と光触媒との間に保護層を設けることが必要である。特定の添加剤不含の有機高分子樹脂基板には、上記特開平8−215295号公報に記載された方法が適用しうるが、一般に有機高分子樹脂基板や有機高分子樹脂繊維等有機高分子材には、種々の添加物、例えば有機溶剤の他、基板や樹脂の内外に着色用有機顔料・染料が用いられており、このため、ガス化した有機溶剤や酸化に弱い顔料・染料等は、光触媒作用により異臭を放出したり、変色したりして、これら有機高分子材からなる基体を有する光触媒体を具体的に商品化する上で問題となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決するため、鋭意研究したところ、アモルファス型チタン酸化物とケイ素酸化物との混合物が、上記有機高分子樹脂基板や有機高分子樹脂繊維を基体として用いた場合における光触媒による悪影響や、タイルやガラス等の無機材を基体として用いた場合における光触媒への悪影響を完全にブロックし得ることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、アモルファス型過酸化チタン又はアモルファス型酸化チタン等のアモルファス型チタン酸化物とコロイダルシリカ等のケイ素酸化物とを含むブロック層を介して、光触媒を有機高分子材等からなる基体の上に担持させてなることを特徴とする光触媒体、及び該ブロック層と有機高分子材等からなる基体の間に、さらに添加剤不含の有機高分子樹脂シートを介在させてなることを特徴とする光触媒体に関する。
【0007】
また、添加剤不含の有機高分子樹脂に、アモルファス型過酸化チタン(ゾル)又はアモルファス型酸化チタン(粉末)等のアモルファス型チタン酸化物及びコロイダルシリカ等のケイ素酸化物とを混和したものからなるブロック層を介して、光触媒を有機高分子材等からなる基体の上に担持させてなることを特徴とする光触媒体に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、アモルファス型チタン酸化物としては、アモルファス型の過酸化チタンTiO3 やアモルファス型酸化チタンTiO2 を例示することができる。アモルファス型の過酸化チタンやアモルファス型酸化チタンには、アナターゼ型酸化チタンTiO2 やルチル型酸化チタンTiO2 と異なり、光触媒機能は実質上殆どない。
【0009】
本発明において用いられるアモルファス型過酸化チタンとして、特に好ましいアモルファス型過酸化チタンゾルは、例えば次のようにして製造することができる。四塩化チタンTiCl4 のようなチタン塩水溶液に、アンモニア水ないし水酸化ナトリウムのような水酸化アルカリを加える。生じる淡青味白色、無定形の水酸化チタンTi(OH)4はオルトチタン酸H4TiO4とも呼ばれ、この水酸化チタンを洗浄・分離後、過酸化水素水で処理すると、本発明のアモルファス形態の過酸化チタン液が得られる。このアモルファス型過酸化チタンゾルは、pH6.0〜7.0、粒子径8〜20nmであり、その外観は黄色透明の液体であり、常温で長期間保存しても安定である。また、ゾル濃度は通常1.40〜1.60%に調整されているが、必要に応じてその濃度を調整することができ、低濃度で使用する場合は、蒸留水等で希釈して使用する。
【0010】
また、このアモルファス型過酸化チタンゾルは、常温ではアモルファスの状態で未だアナターゼ型酸化チタンには結晶化しておらず、分子間接合と考えられる強い接着力があることから密着性に優れ、成膜性が高く、均一でフラットな薄膜を基体上に作成することができ、かつ、乾燥被膜は水に溶けないという性質を有している。
なお、アモルファス型過酸化チタンのゾルを100℃以上で加熱すると、光触媒機能を有するアナターゼ型酸化チタンゾルに変化し始め、アモルファス型過酸化チタンゾルを基体にコーティング後乾燥固定したものは、250℃以上の加熱によりアナターゼ型酸化チタンになる。
【0011】
本発明において用いられるアモルファス型酸化チタンとしては微粉末状のものやこの微粉末状のものを硝酸等の溶媒に分散・懸濁させたゾル状のものが知られている。この光触媒機能をもたないアモルファス型酸化チタンの内、微粉末状のものは、アモルファス型過酸化チタンゾルと異なり、それ自体付着性を有しないことから、これをブロック層に用いる場合には、熱硬化水溶性樹脂などのバインダーと混合して用いることになる。
【0012】
本発明において用いられるケイ素酸化物としては、コロイダルシリカ等の二酸化珪素の他、オルガノポリシロキサン等のシロキサン類化合物、シリコーン、水ガラス等を挙げることができるが、コロイダルシリカが望ましい。
【0013】
本発明におけるブロック層としては、上記のアモルファス型チタン酸化物とケイ素酸化物との混合物、例えばアモルファス型過酸化チタンゾルとコロイダルシリカとの混合物を用いることができる。このアモルファス型過酸化チタンゾルとコロイダルシリカとの混合物は、常温から基体に固定・付着できるという特徴を有している。アモルファス型チタン酸化物とケイ素酸化物との混合割合は重量比で1:0.5〜1:10の範囲のものがふつう使用される。なお、このアモルファス型チタン酸化物とケイ素酸化物との混合物からなる層(被膜)は、親水性、静電気放帯電防止作用、紫外線・有害電磁波遮断機能を有する。
【0014】
本発明において使用しうる光触媒としては、Ti02、ZnO、SrTiO3、CdS、Cd0、CaP、InP、In23、CaAs、BaTiO3、K2NbO3、Fe23、Ta25、WO3、SaO2、Bi23、NiO、Cu2O、SiC、SiO2、MoS2、MoS3、InPb、RuO2、CeO2などを挙げることができるが、これらの中でも粉末状又はゾル状のアナターゼ型酸化チタンTi02 が好ましい。
【0015】
ゾル状のアナターゼ型酸化チタン、すなわちアナターゼ型酸化チタンゾルは、上記のように、アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃以上の温度で加熱することにより製造できるが、アナターゼ型酸化チタンゾルの性状は加熱温度と加熱時間とにより多少変化し、例えば100℃で6時間処理により生成するアナターゼ型の酸化チタンゾルは、pH7.5〜9.5、粒子径8〜20nmであり、その外観は黄色懸濁の液体である。
このアナターゼ型酸化チタンゾルは、常温で長期間保存しても安定であるが、酸や金属水溶液等と混合すると沈殿が生じることがあり、また、Naイオンが存在すると光触媒活性や耐酸性が損なわれる場合がある。また、ゾル濃度は通常2.70〜2.90重量%に調整されているが、必要に応じてその濃度を調整して使用することもできる。
【0016】
光触媒としては、上記のアナターゼ型酸化チタンゾルの他、粉末状の二酸化チタンとして、例えば市販の「ST−01」(石原産業株式会社製)や「ST−31」(石原産業株式会社製)をも使用しうる。この場合、バインダーとしては、光触媒作用により劣化を受けないもので、かつ、光触媒機能を低下させないものであればどのようなものでも使用できるが、常温での優れた接着性を有する上記アモルファス型過酸化チタンゾルを用いることが望ましい。
【0017】
光触媒体には、光触媒反応を促進補完するものとして、その製造過程で、光触媒機能補助添加金属(Pt,Ag,Rh,RuO,Nb,Cu,Sn,NiOなど)を添加しておくこともできる。また、成形前に、光触媒と共に、自発型紫外線放射剤又は蓄光型紫外線放射剤の粒子あるいはこれらの放射剤を混入した粒子を混合しておくこともできる。
【0018】
光触媒が担持される基体としては、有機高分子樹脂からなる基板、不織布・繊維、塗膜等の有機高分子材をまず例示することができる。
光触媒機能製品に用いられる有機高分子樹脂基板としては、フェノール、ユリア、ポリエステル等の熱硬化性樹脂や、ポリスチレン、ABS、メタクリル、ポリアシド、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂でのシート材や成形物を挙げることができ、不織布・繊維等の原料樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビリニデン等を挙げることができ、また、塗膜としては、不飽和ポリエステル、熱硬化性エポキシウレタン樹脂、その他耐候性に優れたフッ素樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。
【0019】
光触媒体の基体として使用される上記有機高分子材の樹脂材料には、それぞれの用途に応じて通常種々の添加剤が加えられている。例えば、ポリ塩化ビニールからなる壁装材には、柔軟性を与える可塑剤として、フタル酸ジェステル、ジオクチルフタレート、ブタノールのジエステル等を添加したり、また、スズ、亜鉛、バリウムなどの重金属の亜リン酸塩、ステアリン酸塩などの高級脂肪酸塩を添加することが知られている。その他、一般に、赤色着色剤として、難溶性アゾ染料をカルシウムやマグネシウムと反応させたものが利用されており、発砲剤として、分解により窒素ガスを発生させ発泡を生起させるベンゼンスホヒドラジン系及びアゾニドル系化合物が利用され、建材や電気製品に用いられる難燃剤として、トリクレジルホスフェート(TCP)や、ハロゲン含有モノマー又はポリマーが利用されている。また他に、紫外線防止剤として、トリアゾール系、アクリロニトリル誘導体系などの化合物が添加されている。
【0020】
そして、これら種々の添加物が、光触媒反応により、化合したり、ガス化、イオン化したものと結合して、変色したり異臭を放ち製品化を妨げるものである。また、壁装材では、接着面にベース紙を用いるが、これに、前述の防災剤を浸漬、塗布、混合したものが使用されている。基材には、紙、布、水酸化アルミニウム紙などがあり、ここからガス化したものが、光触媒機能により、変色や異臭の原因となることがある。
【0021】
上記の有機高分子材の他、本発明における基体として、ゴム、木、紙などの有機材質、セラミックス、ガラスなどの無機材質、並びにアルミニウム、鋼などの金属材質を用いることができる。
また、その大きさや形には制限されず、板状、ハニカム状、ファイバー状、濾過シート状、ビーズ状、発砲状やそれらが集積したものでもよい。さらに、紫外線を通過する基体であればその内面に前記ブロック層を介して光触媒層を設けることもできるし、また塗装した物品にも適用しうる。
【0022】
本発明における、ブロック層を介して光触媒を有機高分子材等の基体に担持させてなる光触媒体としては、次の形態・構造のものを例示することができる。
▲1▼有機高分子材等の基体(第1層)の上に、ブロック層(第2層)を設け、さらにその上に光触媒層(第3層)を設けた光触媒体。
▲2▼上記第1層と第2層の間に、添加剤が含まれていないポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂等からなる10μm以上の厚さのシートを設けてなる光触媒体。この場合、ブロック効果が上記▲1▼の光触媒体よりも確実になる。
▲3▼ブロック層のその他の例として、熱硬化性の不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂などを溶剤や水で溶解後粘度を調整したものに、アモルファス型チタン酸化物とケイ素酸化物との混合物からなるものを例示することができ、このものを基体の上に1μm〜50μm程度の厚さに塗布し第2層とした光触媒体。このブロック層は基体に積層・固着させる過程で、アモルファス型チタン酸化物の粒子が表面に露出し、結局シート層とブロック層とが設けられた上記▲2▼の光触媒体におけると同様なブロック効果を有する光触媒体が形成されることになる。
【0023】
本発明のブロック層の積層・固着方法としては、ゾル・ゲル法、スパッタリング、溶射、スプレーコート、ディッピング、スピンコートなどの工法で薄膜をつくる方法が挙げられ、ブロック層の厚みとしては、ブロック効果が達成できる厚みやブロック層を構成するアモルファス型チタン酸化物とケイ素酸化物との混合物の造膜性能により決定されるが、例えば、アモルファス型過酸化チタンゾルとコロイダルシリカからなるブロック層の場合、0.05〜5μmの厚みでブロック効果が発揮しうる。また、光触媒層の積層固着方法及び光触媒層の厚みについては、従来知られている方法や厚みが適宜用いられる。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例を掲げてこの発明をさらに具体的に説明するが、この発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
参考例1(アモルファス型過酸化チタンゾルの製造)
四塩化チタンTiCl4 の50%溶液(住友シティクス株式会社)を蒸留水で70倍に希釈したものと、水酸化アンモニウムNH4OH の25%溶液(高杉製薬株式会社)を蒸留水で10倍に希釈したものとを、容量比7:1に混合し、中和反応を行う。中和反応後pHを6.5〜6.8に調整し、しばらく放置後上澄液を捨てる。残ったTi(OH)4 のゲル量の約4倍の蒸留水を加え十分に撹拌し放置する。塩化銀でチェックし上澄液中の塩素イオンが検出されなくなるまで水洗を繰り返し、最後に上澄液を捨ててゲルのみを残す。場合によっては遠心分離により脱水処理を行うことができる。この淡青味白色のTi(OH)4 3600mlに、35%過酸化水素水210mlを30分毎2回に分けて添加し、約5℃で一晩撹拌すると黄色透明のアモルファス型過酸化チタンゾル約2500mlが得られる。
なお、上記の工程において、発熱を抑えないとメタチタン酸等の水に不溶な物質が析出する可能性があるので、すべての工程は発熱を抑えて行うのが望ましい。
【0025】
参考例2(アモルファス型過酸化チタンゾルからの酸化チタンゾルの製造)
上記アモルファス型過酸化チタンゾルを100℃で加熱すると、3時間程度経過後にアナターゼ型酸化チタンが生じ、6時間程度加熱するとアナターゼ型酸化チタンゾルが得られる。また、100℃で8時間加熱すると、淡黄色やや懸濁蛍光を帯び、濃縮すると、黄色不透明のものが得られ、100℃で16時間加熱すると極淡黄色のものが得られるが、これらは上記100℃、6時間加熱のものに比べて乾燥密着度が多少低下する。
この酸化チタンゾルは、アモルファス型過酸化チタンに比べ粘性が低下しているのでディッピングしやすいように2.5重量%まで濃縮して使用する。
【0026】
実施例1(ブロック効果)
基体としては、有機溶剤が含まれている壁装用ビニールシート(アキレス社製、100×100mm、薄いアイボリー色)を用いた。また、ブロック層としては、アモルファス型過酸化チタンゾル(TiO3 として1.7%含有)を、脱イオン水を用いて2倍、6倍、10倍及び14倍にそれぞれ希釈したものに、コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名スノーテックス、SiO2 として20.7%含有)をTiO3 に対するSiO2 の重量比が、それぞれ0%、0.5%、1%、2%、8%になるように混合した20種類の混合比のものを用いて、上記基体にコーティングした。コーティングには、明治機械社製の直径0.5mmの丸型吹き出しノズルを有するスプレーガンFS−G05−1を用い、吹き付け量は0.2g/枚とし、吹き付け後、80℃で乾燥させた。
【0027】
光触媒としては、石原産業社製アナターゼ型酸化チタン「ST−01」1.7gと、バインダーとして上記アモルファス型過酸化チタンゾル(TiO3 として1.7%含有)を2倍希釈したもの200gとを混合したものを用い、明治機械社製の直径0.5mmの丸型吹き出しノズルを有するスプレーガンFS−G05−1を用い、上記ブロック層が積層されたものに吹き付け量は0.2g/枚とし、吹き付け後、80℃で乾燥させた。
【0028】
ブロック試験は、380nmの単波長を放出するブラックライトを10mmの距離から39時間照射し、ミノルタカメラ社製の色差計を用いて、照射前後における明度の差(ΔL)、赤色−緑色系の色調の差(Δa)及び茶色−青色系の色調の差(Δb)、並びにこれらを総合した色差(ΔE)について、それぞれ変色度合いを調べた。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003863620
【0030】
表1中、明度の差(ΔL)はその値が小さいほど照射前後における壁装用ビニールシートの明度の変化が少ないことを示し、赤色−緑色系の色調の差(Δa)は正の値が大きければ赤色の、負の値が大きければ緑色の、照射前後における壁装用ビニールシートの変色が進んだことを示し、茶色−青色系の色調の差(Δb)は正の値が大きければ茶色の、負の値が大きければ青色の、照射前後における壁装用ビニールシートの変色が進んだことを示している。また、色差(ΔE)はこれらΔL、Δa、Δbのそれぞれの平方の和の平方根として求められ、その値が小さいほど照射前後における壁装用ビニールシートの変色度合いが小さいことを示している。表1からすると、アモルファス型過酸化チタンゾル2倍希釈液とそれに対するSiO2 の重量比が1%のコロイダルシリカとの混液(0.85重量%のTiO3 と3.3重量%のSiO2 を含有)からなるブロック層を用いた場合に、照射前後における壁装用ビニールシートの変色度合いが少なく、もっとも優れたブロック効果が達成しうることがわかった。
【0031】
【発明の効果】
本発明によると、アモルファス型チタン酸化物とケイ素酸化物とを含むブロック層を介して基体に光触媒を担持させているので、有機高分子樹脂基板や有機高分子樹脂繊維を基体として用いた場合における光触媒による変色や異臭の発生等の悪影響や、無機材を基体として用いた場合における光触媒への悪影響を完全にブロックし得る。

Claims (7)

  1. アモルファス型チタン酸化物とケイ素酸化物とを含むブロック層を介して、光触媒を基体の上に担持させてなることを特徴とする光触媒体。
  2. ブロック層と基体との間に、さらに添加剤不含の有機高分子樹脂シートを介在させることを特徴とする請求項1記載の光触媒体。
  3. 添加剤不含の有機高分子樹脂にアモルファス型チタン酸化物とケイ素酸化物とを混和したものからなるブロック層を介して、光触媒を基体の上に担持させてなることを特徴とする光触媒体。
  4. 基体が、有機高分子材からなる請求項1〜3のいずれか記載の光触媒体。
  5. アモルファス型チタン酸化物が、アモルファス型過酸化チタンゾルである請求項1〜4のいずれか記載の光触媒体。
  6. ケイ素酸化物が、コロイダルシリカである請求項1〜5のいずれか記載の光触媒体。
  7. 光触媒として、アナターゼ型の酸化チタン粒子又は酸化チタン粉末と、アモルファス型過酸化チタンゾルとの混合物を用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の光触媒体。
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