JP3702739B2 - 駆動回路の故障検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動回路の電源端子及びハーネスがGND(電源)にハーフショートを起こした場合や、電源端子に接続されるコンデンサが容量劣化を起こした場合等の故障診断を行う駆動回路の故障検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の駆動回路の故障検出装置としては、図4に示す「モータ駆動回路(1相分のみ示す)の故障検出装置」が知られている。なお、モータとしては3相モータを例示し、図4においては駆動のために必要な構成について1相分のみを示している。
【0003】
モータ駆動回路の故障検出装置101は、操作者によって操作されるスイッチ(図示せず)がオン操作されたときに接点を閉結するメインリレーRLYと、外部電源VinにメインリレーRLYを介して接続される電源端子103を有し、出力指令に応じて出力端子105及び出力端子105よりも低電位の出力端子107に接続されるモータMを駆動する駆動回路109と、駆動回路109の電源端子103と分圧抵抗R1,R2で分圧して所定範囲内の電圧を出力する外部電源電圧監視回路111と、出力指令に応じて駆動回路109に駆動信号を出力しモータMを制御する制御装置113とから構成されている。
【0004】
また、駆動回路109の電源端子103と出力端子107の間には、並列にコンデンサC1と放電抵抗RLが接続されている。なお、コンデンサC1は、トランジスタQ1,Q2のターンオフ時などに生じるサージの吸収やエネルギーリザーバとして設けられている。
【0005】
制御装置113は、駆動時に第1パルス信号を発生する第1パルス発生回路115と、駆動時に第2パルス信号を発生する第2パルス発生回路117と、駆動回路109の電源端子103の電圧を外部電源電圧監視回路111を介して入力してA/D変換後のデータを読み込み装置故障の有無を診断する故障診断回路119から構成されている。
【0006】
ここで、モータMが大出力の場合、コンデンサC1は、必要容量が非常に大きいため一般的に電解コンデンサを使用するが、大容量コンデンサはネジ式の端子を持つものも多く、ターミナル外れ等が発生する可能性も考えられる。
【0007】
このため、従来のモータ駆動回路の故障検出装置101では、コンデンサC1のショート故障及びコンデンサC1の端子外れを診断するため、外部電源電圧監視回路119を設け、外部電源Vinから電源端子103に加わる電圧を外部電源電圧監視回路111を介して入力してA/D変換した後、予め設定された規定値と比較して駆動回路109の故障を診断していた。
【0008】
以下に、従来のモータ駆動回路の故障検出装置101での故障診断方法について説明する。
始めに、操作者によって図示しないスイッチがオン操作されると、メインリレーRLYのソレノイドコイルに電源が供給されて、接点が閉結される。この結果、正常時には外部電源VinからメインリレーRLYを介して電源端子103に電源電圧Vinが供給される。
【0009】
そこで、電源端子103の電圧Vが規定電圧範囲(例えば、34V〜45V)内かどうかを判断する。電源端子103の電圧Vが規定電圧範囲から外れている場合には、再度、同様の判断処理を行い、3回以上に渡って規定電圧範囲から外れている場合には外部電源Vinに異常があると診断する。
【0010】
一方、電源端子103の電圧Vが規定電圧範囲内にある場合には、制御装置113は、第1パルス発生回路115及び第2パルス発生回路117にそれぞれ第1及び第2パルス信号を発生させる。第1及び第2パルス信号はそれぞれプリドライバをオン/オフ制御してパワートランジスタQ1,Q2を駆動し、出力端子105,107に接続されるモータ(M)を駆動する。
【0011】
そして、電源端子103の電圧Vがパワートランジスタなどの駆動素子の耐圧から求めた高電圧規定値(例えば、85V)になったかどうかを判断する。電源端子103の電圧Vが高電圧規定値になった場合には、高電圧異常であると診断して、トランジスタQ1,Q2を全てオフ制御して制御を停止する。
一方、電源端子103の電圧Vが高電圧規定値に達していない場合には、正常動作状態にあるので制御を継続する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のモータ駆動回路の故障検出装置101にあっては、外部電源Vinと駆動回路109の間に設けられたメインリレーRLYは、制御装置113の動作状態と関係なく、スイッチの操作状態に従って接点が開閉するようになっていた。また、制御装置113は、駆動回路109の電源端子103に加わる電圧と規定値との比較して故障診断するという構成となっていた。
【0013】
このため、(1)コンデンサC1の両接点がショートして故障した場合や、電源端子103に接続されているハーネスが外れた場合や、メインリレーRLYが開状態のまま動作しなくなる場合等の故障では、何れの場合も駆動回路109の電源端子に加わる電圧が0Vまで降下するため、故障部位を特定することができなかった。この結果、故障部位が違っているにも拘わらず、駆動回路109を交換することとなり、保守性が低下していた。
【0014】
また、(2)単に駆動回路109の電源端子103に加わる電圧を抵抗分圧して故障診断回路119に読み込むだけなので、コンデンサC1に経時による容量劣化が発生した場合、コンデンサC1の電圧は時間遅れがなく規定電圧まで立ち上がるので、容量劣化による故障を検知することができなかつた。
【0015】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、駆動回路の故障部位を特定することができ、駆動回路の保守性を向上することができる駆動回路の故障検出装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、一方の接点を電源に接続されるリレーと、電源投入時にリレーの接点をオン/オフ駆動するスイッチング手段と、リレーの他方の接点に接続される電源端子を有し、第1の出力端子及び第1の出力端子よりも低電位の第2の出力端子に接続される負荷機器を駆動する駆動回路と、前記電源端子と第2の出力端子の間に接続されるコンデンサと、前記電源端子に加わる電圧を検出する電圧検出手段と、電源投入時に前記スイッチング手段をオン/オフ制御する制御手段と、電圧検出手段により検出された前記電源端子の電圧に基づいて、駆動回路の故障を診断する故障診断手段と、前記駆動回路を一時的に駆動するための診断波形信号を発生する診断波形発生手段と、診断波形発生手段により前記駆動回路が一時的に駆動された時点からの経過時間を計時する計時手段と、を備え、前記故障診断手段は、前記電源端子の電圧が所定の電圧になった場合に、前記計時手段により計時された経過時間が所定の時間範囲外にあるときには、前記コンデンサの容量劣化、又はターミナル外れであると診断することを要旨とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、前記電源端子と第2の出力端子の間に接続される放電抵抗とを備え、前記計時手段は、前記診断波形発生手段の動作を停止した時点からの経過時間を計時し、前記故障診断手段は、前記第2計時手段により計時される前記診断波形発生手段の動作を停止した時点からの経過時間が所定時間を経過した場合に、前記電源端子の電圧が所定電圧以上あるときには、前記放電抵抗が不良状態であると診断することを要旨とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、一方の接点を電源に接続されるリレーと、電源投入時にリレーの接点をオン/オフ駆動するスイッチング手段と、リレーの他方の接点に接続される電源端子を有し、第1の出力端子及び第1の出力端子よりも低電位の第2の出力端子に接続される負荷機器を駆動する駆動回路と、前記電源端子と第2の出力端子の間に接続されるコンデンサと、前記電源端子に加わる電圧を検出する電圧検出手段と、電源投入時に前記スイッチング手段をオン/オフ制御する制御手段と、電圧検出手段により検出された前記電源端子の電圧に基づいて、駆動回路の故障を診断する故障診断手段と、前記スイッチング手段がオン制御された場合に、オン制御された時点からの経過時間を計時する計時手段と、を備え、前記故障診断手段は、前記計時手段により計時される経過時間が所定時間を経過した場合に、前記電源端子の電圧が所定の電圧範囲以下にあるときには、前記電源端子が不良状態であると診断することを要旨とする。
【0022】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、請求項1記載の本発明によれば、一方の接点を電源に接続されるリレーと、電源投入時にリレーの接点をオン/オフ駆動するスイッチング手段と、リレーの他方の接点に接続される電源端子を有し、第1の出力端子及び第1の出力端子よりも低電位の第2の出力端子に接続される負荷機器を駆動する駆動回路と、電源端子と第2の出力端子の間に接続されるコンデンサとを備え、電源端子に加わる電圧を検出するようにしておき、電源投入時にスイッチング手段をオン/オフ制御したときに、電源端子の電圧に基づいて、駆動回路の故障を診断するので、駆動回路の故障部位を特定することができ、駆動回路の保守性を向上することができる。また、駆動回路を一時的に駆動するための診断波形信号を発生し、駆動回路が一時的に駆動された時点からの経過時間を計時するようにしておき、電源端子の電圧が所定の電圧になった場合に、経過時間が所定の時間範囲外にあるときには、前記コンデンサの容量劣化、又はターミナル外れであると診断するので、駆動回路の故障部位を特定することができ、駆動回路の保守性を向上することができる。
【0023】
また、請求項2記載の本発明によれば、電源端子と第2の出力端子の間に接続される放電抵抗と、診断波形発生手段の動作を停止した時点からの経過時間を計時する計時手段とを備え、計時手段により計時される経過時間が所定時間を経過した場合に、電源端子の電圧が所定電圧以上あるときには、放電抵抗が不良状態であると診断するので、駆動回路の故障部位を特定することができ、駆動回路の保守性を向上することができる。
【0024】
また、請求項3記載の本発明によれば、スイッチング手段がオン制御された場合に、オン制御された時点からの経過時間を計時する計時手段を備え、計時手段により計時される経過時間が所定時間を経過した場合に、電源端子の電圧が所定の電圧範囲以下にあるときには、電源端子が不良状態であると診断するので、駆動回路の故障部位を特定することができ、駆動回路の保守性を向上することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る駆動回路の故障検出装置を、自動車を駆動するモータの駆動回路に適応した場合の構成を示す図である。
【0029】
外部電源Vinには、メインリレーRLYの接点を介して駆動回路の電源端子27が接続されている。このメインリレーRLYは、メインリレー制御回路23からのオン制御信号に応じてソレノイドコイルに電源が供給されて接点が閉結される。
【0030】
制御装置13は、駆動時に第1パルス信号を発生する第1パルス発生回路15と、駆動時に第2パルス信号を発生する第2パルス発生回路17と、駆動回路25の電源端子27での電圧を外部電源電圧監視回路37を介して入力してA/D変換後のデータを読み込み装置故障の有無を診断する故障診断回路19と、パルス信号からなる診断波形信号を発生して故障診断時に2つのプリドライバ29,31に出力する診断波形発生回路21と、外部電源Vinを駆動回路25の電源端子27に供給するためにメインリレーRLYをオン制御するオン制御信号をトランジスタQ3に出力するメインリレー制御回路23とから構成されている。なお、制御装置13は、後述する制御プログラムを記憶するROMと、制御データを記憶するRAMと、経過時間を計時するタイマと、制御プログラムに従って装置全体を制御するCPUとを内部に有している。
【0031】
駆動回路25は、外部電源VinからメインリレーRLYの接点を介して電源が供給される電源端子27を有し、制御装置13から出力される第1及び第2パルス信号をそれぞれのプリドライバ29,31を介してパワートランジスタQ1,Q2が駆動され、出力端子33,35に接続されるモータ(M)を駆動する。また、電源端子27と出力端子35の間には、並列にコンデンサC1と放電抵抗RLが接続されている。なお、コンデンサC1は、パワートランジスタQ1,Q2のターンオフ時のサージ吸収やエネルギーリザーバとして設けられている。
【0032】
定電流回路28は、プリドライバ電源Vprに接続され、駆動回路25のプリドライバ29,31に定電流を供給する。
外部電源電圧監視回路37は、駆動回路25の電源端子27に加わる電圧を分圧抵抗R1,R2を介して分圧して検出し、ダイオードD3,D4により電圧クリップして0〜Vccの電圧範囲で故障診断回路19に出力する。
【0033】
次に、図2に示すフローチャートを参照して、モータ駆動回路の故障検出装置11の基本的な動作を説明する。なお、本フローチャートは、制御装置13内部に設けられた内部ROMに記憶された制御プログラムにより動作することとする。また、図3は、モータ駆動回路の故障検出装置11の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0034】
始めに、運転者が車両に搭乗してイグニツション・キーをキーシリンダに挿入しスタート位置まで回動すると、イグニツション電源が車両各部の機器に供給される。この結果、外部電源Vinとプリドライバ電源Vprが電源を供給可能な状態となる。同時に、制御装置13にもイグニツション電源が供給されて内部CPUがリセットされ、制御プログラムの動作が開始される。なお、内部CPUのリセット時には、CPUに設けられたレジスタ、タイマの値は0にクリアされることとする。
【0035】
まず、ステップS10では、駆動回路25に接続される電源端子27の初期電圧を確認するための準備として、メインリレー制御回路23をオフ制御状態に設定してメインリレーRLYの接点を開放状態にする。また、トランジスタQ1,Q2を全てオフとする。すなわち、制御装置13は、第1パルス発生回路15及び第2パルス発生回路17にそれぞれ第1パルス信号及び第2パルス信号の発生を停止するように制御する。
【0036】
この結果、プリドライバ29,31の出力端子に接続されるパワートランジスタQ1,Q2はオフとなる。また、電源端子27の接続状態が正常な場合には、電源端子27に電源が加わっていないので0V近傍まで低下していることとなる。
【0037】
そして、ステップS20では、制御装置13は、外部電源電圧監視回路37を介して故障診断回路19に入力される電源端子27の初期電圧が0V、若しくは、規定値以下かどうかを判断する。電源端子27の初期電圧が0V、若しくは、規定値以下の場合(YES)には、電源端子27の接続状態が正常であるのでステップS60に進む。この際、ステップS20では、ノイズの影響や誤検知を避けるため、規定値を0Vではなく、2.5V等の値にしておく方がよい。
【0038】
一方、電源端子27の初期電圧が0V、若しくは、規定値以下ではない場合(NO)には、電源端子27の接続状態が異常状態にあるのでステップS30に進む。
ステップS30では、レジスタに設定された値に1を加え、レジスタ値が3以下かどうかを判断する。レジスタ値が3以下の場合にはステップS40に進み、ノイズの影響や誤検出を防止するため、規定時間だけの待ち状態を経過した後にステップS20に戻り、処理を繰り返す。
【0039】
一方、レジスタ値が4になった場合にはステップS50に進み、電源端子27に接続されているハーネスが電源とショートして異常電圧を発生している状態か、メインリレーRLYの接点が溶着していてオン状態のままになるリレーオフ不良と診断する。
そして、ステップS20からステップS60へ進んだ場合、電源端子27の電圧は0V近傍になっているはずである。
【0040】
そこで、ステップS60では、診断波形発生回路21に周波数f及びデューティd%を設定し、ダイオードD7,D8を介してプリドライバ29,31に診断波形信号を入力し、パワートランジスタQ1,Q2に反転作動を開始させる。さらに、電源端子27から規定電圧が検出されるまでの充電時間を計時するため、タイマを作動させる。
【0041】
詳しくは、例えばモータMが3相モータの場合には、U相,V相,W相の3相に対して、それぞれ上部のパワートランジスタQ2、下部のパワートランジスタQ1をそれぞれ3相分同時に反転同期させて駆動をする。この場合、診断波形発生回路21に設定する周波数fを例えば10kHzとし、デューティdは例えば上部のプリドライバ29に対して例えば50%とし、下部のプリドライバ31に対して例えば38%とする。
【0042】
ここで、パワートランジスタQ1,Q2を反転駆動していない場合には、メインリレーRLYの接点がオフ状態なので、電源端子27には電圧が生じていない。
しかし、パワートランジスタQ1,Q2を反転駆動した場合、パワートランジスタQ1,Q2の入力容量C、すなわち、ゲート・エミッタ間容量(Cge)+ゲートコレクタ間容量(Cgc)を介して、3相分同時に電荷移動が容易に行われる。この結果、コンデンサC1が正常状態にあれば、図3に示すように、電源端子27(測定個所電圧)に充電電圧が発生する。
【0043】
そして、ステップS70では、電源端子27の検出電圧が規定電圧になったかどうかを判断し、規定電圧になるまでステップS70に戻って、検出処理を繰り返す。一方、検出電圧が規定電圧になった場合にはステップS80に進む。
【0044】
ここで、パワートランジスタの入力容量Cを介してコンデンサC1へ電荷移動がある場合の充電電圧の求め方について説明する。
まず、コンデンサC1の電荷量Qは、充電電圧Vave 、充電電流Iin、充電時間Tから求めると、
【数1】
Q=C1×Vave =Iin×T …(1)
となる。
【0045】
ここで、コンデンサC1の充電電圧値Vave は、実際には、コンデンサC1のターミナルが外れた時に発生するパルスエネルギーの累積値が、コンデンサC1に電荷として移動すると考えればよい。なお、コンデンサC1が電源端子27に接続されてない場合、図3に示すように、パルス信号となる。
【0046】
従って、パルス発生時間T(主にパワーTrの応答時間で決定される時間)と入力容量で、充電電圧が決定される。
【0047】
具体的には、例えば、コンデンサC1の容量C1=3000μF、入力容量Cin=Cgc+Cge(Cgc=26400pF,Cge=2670pF)、パルス発生時間T=1.5μF(駆動Trの応答時間等で決定)、定電流回路28の出力電流(max )70mAとすれば、正常時の充電電圧Vave は、
【数2】
となる。
【0048】
次に、コンデンサC1の充電時間(規定時間)について説明する。
【0049】
放電抵抗RLからのリークの影響を受けないように、診断波形発生回路21に設定する周波数fは、コンデンサC1と放電抵抗RLの時定数に比べて、十分に早くなるように設定する。
【0050】
これによって、パワートランジスタの入力容量を介して伝達されるエネルギー容量Pinが、断続的にコンデンサC1へ電荷移動することで、図3に示すように、正常時の充電波形(充電曲線)が観測される。
【0051】
つまり、このエネルギー容量PinをN回蓄えた結果、ある出力電圧Vout が得られたとすれば、
【数3】
となる。
【0052】
従って、求められた断続回数N、サージ発生周期から、立ち上がり時間Tupを求めると、
【数4】
立ち上がり時間Tup=N×サージ発生周期 …(4)
となる。
【0053】
具体的には、正常時の各値として、例えば、ゲート・コレクタ間容量Cgc=26400pF、ゲート・エミッタ間容量Cge=2670pF、パルス波形ピーク電圧Vp=5.7V(実測値)、コンデンサC1充電電圧Vave =3.61V(算出値)、コンデンサC1の容量=3000μFとし、さらに、サージ発生周期を、
【数5】
診断波形発生周波数×1/2=50μS …(5)
とすると、正常容量での立ち上がり時間(チャージ時間)は、
【数6】
Tup=41394×50μs=2.06S …(6)
と算出できる。
【0054】
なお、パルス波形は、診断波形の立ち上がり・立ち下がりで発生し、±交互に発生するので、制御周波数10KHzの2倍の20KHz(周期は50μS)となる。
【0055】
この関係から、コンデンサC1の容量劣化(減少)の許容範囲を−50%とすれば、容量劣化時の立ち上がり時間Tup=1.03Sとなり、正常時に比べて早く立ち上がることからコンデンサC1の容量劣化を診断することができる。
【0056】
そこで、ステップS80では、タイマから計時時間を読み出し、基準となる充電電圧3.61Vに対して、規定時間範囲(1.03〜2.06S)内に計時時間が入っているかどうかを判断する。タイマの計時時間が規定時間範囲内にある場合にはステップS100に進む。一方、タイマの計時時間が規定時間範囲外にある場合にはステップS90に進む。
【0057】
なお、ステップS70〜S90の判断処理では、規定電圧に達するまでの計時時間が規定時間範囲外になった場合に上述した故障として判断したが、以下の判断方法でもよい。すなわち、基準となる規定時間を予め定めておき、電源端子27の電圧が規定電圧範囲外にあるときには上述した故障として診断するしてもよい。
【0058】
ステップS90では、タイマの計時時間が規定時間範囲から外れているので、コンデンサC1の容量劣化か、コンデンサC1のターミナル外れと診断する。
【0059】
一方、ステップS100では、タイマの計時時間が規定時間範囲内にあるので、コンデンサC1の容量は正常状態にあると診断する。なお、この場合、コンデンサC1は正常状態にあるので、電源端子27の電圧は順次上昇している。
【0060】
そこで、ステップS110では、診断波形発生回路21の動作を停止して駆動信号の出力を停止する。同時にタイマを作動させて計時動作を開始する。この結果、コンデンサC1に蓄積された電荷は放電抵抗RLを介して放電される。
【0061】
その後、ステップS120では、診断波形発生回路21が駆動信号の出力を停止してから規定時間後に、電源端子27の電圧が0V、若しくは、規定値以下まで下がっているかどうかを判断する。なお、規定時間としては、少なくとも3τ程度(τ=C1×RL)に設定しておけばよい。ここで、規定時間後に電源端子27の電圧が0V、若しくは、規定値以下になった場合にはステップS140に進む。一方、規定時間後に電源端子27の電圧が0V、若しくは、規定値以下にならなかった場合にはステップS130に進み、放電抵抗RLが不良であると診断する。
【0062】
ここで、メインリレーRLYの異常診断の方法について説明する。
上述したステップS80からステップ110に進み、正常状態の場合には、初期電圧Vave は3.61Vとなっており、かつ、コンデンサC1の容量も正常値であると判っているので、コンデンサC1の容量バラツキの最大値を例えば3000μF×1.2とすれば、規定時間後(T)の電圧値V(T)は、
【数7】
V(T)=Vave ×e^{−T/(C1×RL)} …(7)
となる。ここで、規定時間を例えば500mS、放電抵抗RLを1.5KΩとすれば、
V(T)=3.29Vと求まるので、この電圧を規定電圧値とし、規定電圧値よりも大幅に低下する場合には、放電抵抗RLが不良であると診断する。
【0063】
最後に、ステップS140では、メインリレー制御回路23をオン制御状態に設定してメインリレーRLYのソレノイドコイルをオン制御し、接点を閉結する。同時に、タイマによる計時動作を開始する。この結果、正常状態の場合には電源端子27に電源Vinが供給される。
そして、ステップS150では、タイマによる計時動作を開始して規定時間後に、電源端子27の電圧が規定電圧範囲(例えば、34V〜45V)まで上昇するかどうかを判断する。電源端子27の電圧が規定電圧範囲まで上昇しない場合にはステップS160に進み、メインリレーRLYの接点状態がオン不良状態であると診断する。
【0064】
一方、電源端子27の電圧が規定電圧範囲まで上昇している場合にはステップS170に進み、正常動作状態にあると診断し、初期診断処理を終了する。
【0065】
なお、初期診断処理が終了した後に、電源端子27の電圧Vがパワートランジスタなどの駆動素子の耐圧から求めた高電圧規定値(例えば、85V)になったかどうかを判断する。電源端子27の電圧Vが高電圧規定値になった場合には、高電圧異常であると診断して、トランジスタQ1〜Q3を全てオフ制御して制御を停止する。一方、電源端子27の電圧Vが高電圧規定値に達していない場合には、正常動作状態にあるので制御を継続する。
【0066】
本発明の一実施の形態に関する効果としては、一方の接点を電源Vinに接続されるメインリレーRLYと、電源投入時にメインリレーRLYの接点をオン/オフ駆動するトランジスタQ3と、メインリレーRLYの他方の接点に接続される電源端子27を有し、出力端子33及び出力端子33よりも低電位の出力端子35に接続されるモータM(負荷機器)を駆動する駆動回路25と、電源端子27と出力端子35の間に接続されるコンデンサC1とを備え、電源端子27に加わる電圧を外部電源電圧監視回路37で検出するようにしておき、電源投入時にトランジスタQ3をメインリレー制御回路23によりオン/オフ制御したときに、電源端子27の電圧に基づいて、駆動回路25の故障を診断するので、駆動回路25の故障部位を特定することができ、駆動回路の保守性を向上することができる。
【0067】
また、トランジスタQ3がオフ制御された場合に、電源端子27の電圧が所定電圧を越えているときには、メインリレーRLYの接点がオフ制御不良、又は、電源端子27が電源にショート状態であると診断するので、駆動回路25の故障部位を特定することができ、駆動回路25の保守性を向上することができる。
【0068】
また、駆動回路25を一時的に駆動するための診断波形信号を診断波形発生回路21で発生し、駆動回路25が一時的に駆動された時点からの経過時間をタイマで計時するようにしておき、電源端子27の電圧が所定の電圧になった場合に、経過時間が所定の時間範囲外にあるときには、駆動回路25のパワートランジスタが不良状態であると診断するので、駆動回路25の故障部位を特定することができ、駆動回路25の保守性を向上することができる。
【0069】
また、タイマで計時される経過時間が所定の時間になった場合に、電源端子27の電圧が所定の電圧範囲外にあるときには、駆動回路25のパワートランジスタが不良状態であると診断するので、駆動回路25の故障部位を特定することができ、駆動回路25の保守性を向上することができる。
【0070】
また、電源端子27と第2の出力端子の間に接続される放電抵抗RLと、診断波形発生回路21の動作を停止した時点からの経過時間を計時するタイマとを備え、タイマにより計時される経過時間が所定時間を経過した場合に、電源端子27の電圧が所定電圧以上あるときには、放電抵抗RLが不良状態であると診断するので、駆動回路25の故障部位を特定することができ、駆動回路25の保守性を向上することができる。
【0071】
また、トランジスタQ3がオン制御された場合に、オン制御された時点からの経過時間を計時するタイマを備え、タイマにより計時される経過時間が所定時間を経過した場合に、電源端子27の電圧が所定の電圧範囲以下にあるときには、電源端子27が不良状態であると診断するので、駆動回路25の故障部位を特定することができ、駆動回路25の保守性を向上することができる。
【0072】
なお、上述した実施の形態では、駆動回路の故障検出装置を自動車を駆動するモータの駆動回路に適応したものとして説明したが、負荷を駆動する駆動回路(例えば、電車のモータの駆動回路、エアバッグの駆動回路など)に適用すれば、同様の効果を有することは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る駆動回路の故障検出装置を、自動車を駆動するモータの駆動回路に適応した場合の構成を示す図である。
【図2】モータ駆動回路の故障検出装置11の基本的な動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】モータ駆動回路の故障検出装置11の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】従来のモータ駆動回路の故障検出装置を示す図である。
【符号の説明】
13 制御装置
19 故障診断回路
21 診断波形発生回路
23 メインリレー制御回路
25 駆動回路
27 電源端子
37 外部電源電圧監視回路
C1 コンデンサ
Q1〜Q3 トランジスタ
RLY メインリレー
Claims (3)
- 一方の接点を電源に接続されるリレーと、
電源投入時にリレーの接点をオン/オフ駆動するスイッチング手段と、
リレーの他方の接点に接続される電源端子を有し、第1の出力端子及び第1の出力端子よりも低電位の第2の出力端子に接続される負荷機器を駆動する駆動回路と、
前記電源端子と第2の出力端子の間に接続されるコンデンサと、
前記電源端子に加わる電圧を検出する電圧検出手段と、
電源投入時に前記スイッチング手段をオン/オフ制御する制御手段と、
電圧検出手段により検出された前記電源端子の電圧に基づいて、駆動回路の故障を診断する故障診断手段と、
前記駆動回路を一時的に駆動するための診断波形信号を発生する診断波形発生手段と、
診断波形発生手段により前記駆動回路が一時的に駆動された時点からの経過時間を計時する計時手段と、を備え、
前記故障診断手段は、前記電源端子の電圧が所定の電圧になった場合に、前記計時手段により計時された経過時間が所定の時間範囲外にあるときには、前記コンデンサの容量劣化、又はターミナル外れであると診断することを特徴とする駆動回路の故障検出装置。 - 前記電源端子と第2の出力端子の間に接続される放電抵抗とを備え、
前記計時手段は、前記診断波形発生手段の動作を停止した時点からの経過時間を計時し、
前記故障診断手段は、前記第2計時手段により計時される前記診断波形発生手段の動作を停止した時点からの経過時間が所定時間を経過した場合に、前記電源端子の電圧が所定電圧以上あるときには、前記放電抵抗が不良状態であると診断することを特徴とする請求項1記載の駆動回路の故障検出装置。 - 一方の接点を電源に接続されるリレーと、
電源投入時にリレーの接点をオン/オフ駆動するスイッチング手段と、
リレーの他方の接点に接続される電源端子を有し、第1の出力端子及び第1の出力端子よりも低電位の第2の出力端子に接続される負荷機器を駆動する駆動回路と、
前記電源端子と第2の出力端子の間に接続されるコンデンサと、
前記電源端子に加わる電圧を検出する電圧検出手段と、
電源投入時に前記スイッチング手段をオン/オフ制御する制御手段と、
電圧検出手段により検出された前記電源端子の電圧に基づいて、駆動回路の故障を診断する故障診断手段と、
前記スイッチング手段がオン制御された場合に、オン制御された時点からの経過時間を計時する計時手段と、を備え、
前記故障診断手段は、前記計時手段により計時される経過時間が所定時間を経過した場合に、前記電源端子の電圧が所定の電圧範囲以下にあるときには、前記電源端子が不良状態であると診断することを特徴とする駆動回路の故障検出装置。
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