JP3782531B2 - モータの固定子およびモータフレーム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
複数個のティースを備えた固定子コアと、この固定子コアの各ティースに巻回された巻線とで構成したモータの固定子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来における固定子およびモータフレームの従来例を図7〜図10を用いて説明する。図7は、従来における抜き板の平面図である。図8は、図7の抜き板の折り曲げ方法を説明した図である。図9は、従来における固定子の正面図である。図10は、従来における固定子コアの軸中心部よりバックヨークを見た際の部分拡大図である。
【0003】
図7において、抜き板15は、鋼板製のフープ材16を打ち抜いて形成されている。また、抜き板15は、帯状に形成されたバックヨーク17と、このバックヨーク17の長辺部17a側より垂直に延出された複数個のティース18とで構成されている。また、バックヨーク17の長辺部17a側にあって、ティースとこのティースに隣接するティースの間に任意の場所には、切り込み部19が設けられている。
【0004】
抜き板15を前述したような形状にすることにより、抜き板15を打ち抜いた後のフープ材16の廃材の量を抑えることができる。つまり、ティースとティースの間の空間であるスロット部20に、もう一つの抜き板15のティース18が配設されるように、この抜き板15をはめ合わせて打ち抜きことにより、いままで不要であったスロット部20のフープ材16を有効に活用することができる。
【0005】
図8において、固定子コア21は、抜き板15を積層して構成されている。そして、この固定子コア21の各ティース18に巻線22を巻回し、バックヨーク17に設けられた切り込み部19を支点にして、ティース18が、軸中心方向に向く方向にバックヨーク17を折り曲げていく。そして、バックヨーク17を輪状に形成して、バックヨーク17の両端を接着剤または溶接などにより固着する。あるいは、この固定子コア21をプリミックスまたは樹脂などでモールド成形する際に固着する。また、V字状の切り込み部19の切り込み角度は、バックヨーク17が輪状に形成された時に切り込み部19の対向する斜面19a、19bが互いに接触できる角度にする。
【0006】
図9において、前述したようにバックヨーク17を折り曲げて、バックヨークの両端を固着する。これにより、インナーロータタイプの固定子23を形成する。そして、各々のティース18に巻回されている巻線22が接触する恐れがあるならば、巻線22間に絶縁材24を挿入する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来例のように、1種類の抜き板15を積層すると、図10で示すように、切り込み部19の接触部が同一直線状に配列される。
【0008】
また、例えば、抜き板15を折り曲げた後、切り込み部に隙間が発生すると、バックヨーク内の磁路の途中に空間ができ、従来の構造では、この空間を通る必要があるため、この空間分の磁気抵抗が大きくなってしまう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明によれば、帯状に形成したバックヨークと、このバックヨークの片方の長辺部側から垂直に延出した複数個のティースと、これらティースが延出したバックヨークの長辺部側で、ティースとこのティースに隣接したティースとの間の任意の場所に形成したV字状の切り込み部とを有する第一の抜き板と、帯状に形成したバックヨークと、このバックヨークの片方の長辺部側から垂直に延出した複数個のティースと、これらティースが延出したバックヨークの長辺部側にあって、ティースとこのティースに隣接したティースの間の任意の場所にあって、前記第一の抜き板と異なる場所に設けられたV字状の切り込み部とを有する第二の抜き板とを備え、かつ、前記第一の抜き板と前記第二の抜き板のV字状切り込み部の支点部が両側のティースの中間点になく、前記第一の抜き板と前記第二の抜き板とを、各々のバックヨークに設けられたV字状の切り込み部を支点にして、ティースが軸中心方向に向く方向に、各々のバックヨークを折り曲げて輪状にして、第一のコア板と第二のコア板を形成し、これら第一のコア板と第二のコア板を1枚毎に、あるいは任意の枚数毎に交互に積層して固定子コアを形成し、この固定子コアのティースに巻線を巻回すことにより磁気抵抗を小さくしたことを特徴とするモータの固定子を提供する。
【0010】
さらに、このモータの固定子を樹脂またはプリミックスにより、モールド成形して前記固定子の外周を覆ったことを特徴とするモータフレームを提供する。
【0011】
【作用】
各々位置の異なるV字状の切り込み部が設けられた第一の抜き板と第二の抜き板を輪状に形成して各々第一のコア板と第二のコア板を形成する。そして、第一のコア板と第二のコア板を一枚毎に、あるいは任意の枚数毎に、交互に積層して固定子コアを形成し、ティースに巻線を巻回して固定子を形成する。
【0012】
そして、第一のコア板または第二のコア板を形成する際に、切り込み部の対向する斜面が接触せずに隙間が生じた場合、あるいは、設計上で、隙間を生じさせた場合、この隙間のあるコア板に流れる磁気は、このコア板の上下に積層されているコア板に磁路を形成して流れる。
【0013】
【実施例】
本発明における固定子およびモータフレームの実施例を図1〜図6を用いて説明する。図1は、本発明における第一の抜き板の平面図である。図2は、本発明における第二の抜き板の平面図である。図3は、輪状に成形した後の第一の抜き板の平面図である。図4は、輪状に成形した後の第二の抜き板の平面図である。図5は、本発明における固定子の正面図である。図6は、固定子の軸中心部よりバックヨークを見た際の部分拡大図である。
【0014】
図1において、第一の抜き板1は、従来例における抜き板と同様に帯状に形成されたバックヨーク2と、このバックヨーク2の長辺部2a側より垂直に延出された複数個のティース3とで構成されている。また、バックヨーク2の一方の長辺部2a側にあって、任意のティースとこのティースに隣接するティースの間の任意の場所に切り込み部4が設けられている。
【0015】
図2において、第二の抜き板5は、第一の抜き板1と同様に、バックヨーク6とティース7とで構成されている。また、第一の抜き板1と同様に、バックヨーク6の一方の長辺部6a側にあって、任意のティースとこのティースに隣接するティースの間の任意の場所に切り込み部8が設けられている。この切り込み部8が設けられている場所は、第一の抜き板1に設けられている切り込み部4の場所とは異なる場所に設けられている。
【0016】
図3および図4において、第一の抜き板1および第二の抜き板5の各々に設けられているバックヨーク2、6に設けられた切り込み部4、8を支点にして、ティースが、軸中心方向に向く方向にバックヨーク2、6を折り曲げて、輪状に形成する。そして、バックヨーク2、6の各々の両端を接着剤、または溶接にて固着し、各々第一のコア板9、第二のコア板10を形成する。
【0017】
図5において、固定子11は、第一のコア板9と第二のコア板10を一枚毎に、あるいは任意の枚数毎に、交互に積層して形成された固定子コア12と、この固定子コア12のティースに巻回されている巻線13で構成されている。
【0018】
図6において、第一のコア板9と第二のコア板10を2枚毎に、交互に積層された固定子コアである。そして、第一のコア板9と第二のコア板10の切り込み部4、8の接触部4a、8aが千鳥状に配列されている。
【0019】
そして、第一のコア板9または第二のコア板10を形成する際に、切り込み部4、8の対向する斜面が接触せずに隙間14が生じた場合、あるいは、設計上である程度の隙間14が生じるようにした場合、この隙間14が生じたコア板に流れる磁気は、このコア板の上下に積層されているコア板に迂回して磁路を形成して流れることができる。
【0020】
また、設計上である程度の隙間14が生じるようにすれば、V字状の切り込み部の切り込み角度に隙間分の角度を足し合わせることができ、余裕を持って切り込み部の切り込み角度の寸法公差を決定することができる。
【0021】
本実施例において、固定子の内周部を基準にして、つまり、ティースの先端部を基準にして第一の抜き板1、第二の抜き板5を輪状に形成すると、外周部の寸法精度が悪くなってしまう。
【0022】
すなわち、固定子を従来からある鋼板製のモータフレームに挿入してモータの組み立てを行おうとしても、本発明における固定子の外周部の寸法精度が悪いため、固定子の外周部を基準にして、モータの組み立てを行うことが困難となる。つまり、モータフレームに取り付けられる軸受などの取り付け精度が悪くなってしまう。そこで、樹脂またはプリミックスで固定子をモールド成形して、モータフレームを形成する。つまり、固定子の内周部を基準にして、容易にモータフレームを構成することができるため、モータ組み立て時において、組み立て精度の高いモータフレームを構成することができる。
【0023】
また、第一の抜き板と第二の抜き板の2種類の抜き板を使用して説明をおこなったが、3種類以上の抜き板を使用しても良いし、また、1種類の抜き板(切り込み部は、ティース間の中央に設けない)を使用し、この抜き板の表裏を逆にすることにより、切り込み部の場所を異なる場所に配置して、積層してもよい。
【0024】
さらに、実施例のように第一のコア板、第二のコア板共に外周の形状は多角形状に形成されているため、固定子の外周は、不揃いとなってしまう。そこで、第一の抜き板と第二の抜き板の固定子の外周部となる長辺部の形状を任意の幅で扇状にすることにより、第一の抜き板と第二の抜き板を輪状に形成した際、外周が円状となる。したがって、固定子の外周は、統一された円状に形成することができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、切り込み部に隙間が生じても、この隙間を迂回して、磁気抵抗が増加しない新たな磁路を形成することができる。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における第一の抜き板の平面図。
【図2】 本発明における第二の抜き板の平面図、
【図3】 輪状に成形した後の第一の抜き板の平面図。
【図4】 輪状に成形した後の第二の抜き板の平面図。
【図5】 本発明における固定子の正面図。
【図6】 固定子の軸中心部よりバックヨークを見た際の部分拡大図。
【図7】 従来における抜き板の平面図。
【図8】 図7の抜き板の折り曲げ方法を説明した図。
【図9】 従来における固定子の正面図。
【図10】 従来における固定子コアの軸中心部よりバックヨークを見た際の部分拡大図。
【符号の説明】
1…第一の抜き板
2、6、17…バックヨーク
3、7、18…ティース
4、8、19…切り込み部
5…第二の抜き板
9…第一のコア板
10…第二のコア板
11、23…固定子
12、21…固定子コア
13、22…巻線
14…隙間
15…抜き板
16…フープ材
20…スロット部
24…絶縁材
Claims (2)
- 帯状に形成したバックヨークと、このバックヨークの片方の長辺部側から垂直に延出した複数個のティースと、これらティースが延出したバックヨークの長辺部側で、ティースとこのティースに隣接したティースとの間の任意の場所に形成したV字状の切り込み部とを有する第一の抜き板と、
帯状に形成したバックヨークと、このバックヨークの片方の長辺部側から垂直に延出した複数個のティースと、これらティースが延出したバックヨークの長辺部側にあって、ティースとこのティースに隣接したティースの間の任意の場所にあって、前記第一の抜き板と異なる場所に設けられたV字状の切り込み部とを有する第二の抜き板とを備え、
かつ、前記第一の抜き板と前記第二の抜き板のV字状切り込み部の支点部が両側のティースの中間点になく、
前記第一の抜き板と前記第二の抜き板とを、各々のバックヨークに設けられたV字状の切り込み部を支点にして、ティースが軸中心方向に向く方向に、各々のバックヨークを折り曲げて輪状にして、第一のコア板と第二のコア板を形成し、
これら第一のコア板と第二のコア板を1枚毎に、あるいは任意の枚数毎に交互に積層して固定子コアを形成し、
この固定子コアのティースに巻線を巻回すことにより磁気抵抗を小さくしたことを特徴とするモータの固定子。 - 請求項1記載のモータの固定子を樹脂またはプリミックスにより、モールド成形して前記固定子の外周を覆ったことを特徴とするモータフレーム。
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