JP3673121B2 - 車両用エンジンの吸気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車等に搭載される車両用エンジンの吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動二輪車においては、図11に示すように、車体前部に装着されるカウリング51の前面に開口するダクトインテーク部52が、カウリング51と一体に成形され、このダクトインテーク部52により、エンジンへの吸入空気を取り入れる吸気装置の空気取入口53が形成され、ダクトインテーク部52の上方にヘッドランプユニット54が配置されている。ダクトインテーク部52の後端には、図11のXII −XII 線断面図である図12に示すように、ゴムシール55を介して吸気ダクト56が接続されている。関連特許として特許第2704369号がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成では、カウリング51と一体に、横断面が閉断面形状のダクトインテーク部52が成形される構造のため、必然的に、ダクトインテーク部52の上壁のさらに上方にヘッドランプユニット54が配置されることになるので、ヘッドランプユニット54の位置が高くなって見栄えが悪いばかりか、カウリング51回りのデザイン的自由度が制限される。なお、ダクトインテーク部52の位置は、前輪により制約されるので、下方に下げることはできない。
また、例えば性能向上等のために空気取入口53の開口面積を拡大する必要性が生じた場合、前記構成では、カウリング51の全体を変更しなければならないなど、設計の自由度が制限される。
【0004】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたもので、カウリング関連部分の設計の自由度を制限することなく、カウリングにおけるヘッドランプユニットの位置を低く設定でき、しかも、カウリングを変更することなく空気取入口の開口面積を変更できる車両用エンジンの吸気装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る車両用エンジンの吸気装置は、車体の前部に装着されるカウリングと、このカウリングの前面の一部を形成するヘッドランプユニットと、ヘッドランプユニットの下方に配置されて、エンジンへの吸入空気を取り入れる吸気ダクトの上流端に接続される先端ダクト部とを備え、前記カウリングに、前記ヘッドランプユニットと前記先端ダクト部とを前記カウリングの前面に臨ませる開口が形成され、前記ヘッドランプユニットの下面と前記先端ダクト部とにより、空気取入口の少なくとも前部が形成されている。
【0006】
前記車両用エンジンの吸気装置によれば、ヘッドランプユニットの下面が空気取入口の少なくとも前部を形成するので、その部分を形成するカウリングのダクトインテーク部の上壁が不要になる分だけ、カウリングにおけるヘッドランプユニットの位置を低く設定できる。また、カウリングを変更することなく、先端ダクト部を変更するだけで、空気取入口の開口面積を変更できる。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る車両用エンジンの吸気装置は、請求項1の構成において、前記先端ダクト部の上部が、ヘッドランプユニットの下面に係止されて、空気取入口の上面の後部を形成している。
【0008】
前記車両用エンジンの吸気装置によれば、先端ダクト部を容易に取り付けることができる。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る車両用エンジンの吸気装置は、請求項1または2の構成において、前記カウリングに前記ヘッドランプユニットと、前記先端ダクト部とが支持されている。
【0010】
前記車両用エンジンの吸気装置によれば、比較的大きな構造物であるカウリングに、ヘッドランプユニットと先端ダクト部とを取り付けるから、この取付けが容易になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態である車両用エンジンの吸気装置を搭載した自動二輪車の側面図である。
自動二輪車は、車体フレーム1の前端のヘッドパイプ2に軸支されたフロントフォーク3に前車輪4を取り付け、車体フレーム1の中央下部に揺動自在に軸支されたスイングアーム6に後車輪7を取り付け、車体フレーム1の中央部に取り付けたエンジン8で後車輪7を駆動するとともに、フロントフォーク3の上端部に固定したハンドル9で操向するように構成されている。
【0012】
車体フレーム1の上部には燃料タンク10およびシート11が取り付けられており、車体の前部にはカウリング14が装着されている。前記カウリング14の前面のヘッドランプユニット31の下側には、空気取入口15が形成されており、ここから取り入れた空気を、吸気ダクト13を通してエアクリーナ20内へ導入し、このエアクリーナ20から気化器21へ導入し、該気化器21で混合気を生成し、これをエンジン8へ供給する。前記空気取入口15および前記吸気ダクト13は、1個のエアクリーナ20に対し左右1個ずつ、合計2個配設されている。
【0013】
前記カウリング14は、図2に正面図で示すように、その下部が前車輪4と干渉しないように二股状とされており、中間部には、カウリング14の前面の一部を形成するヘッドランプユニット31と先端ダクト部32とを前面に臨ませる開口33が形成されている。この開口33の上縁中央部には下方に延びるノーズ部33aが形成され、これにより、ヘッドランプユニット31の前面が左右に二分される。前記先端ダクト部32は、前記空気取入口15の一部を構成する部材であって、前記開口33の下側部分に配置される。
【0014】
前記ヘッドランプユニット31は、図5に示すように、その周縁に形成された取付部34を、カウリング14の背面に形成された複数個のマウント35にボルト60で接合することにより、カウリング14に支持される。図6に、そのボルト接合構造の一部を水平断面図で示す。
【0015】
図3は図2におけるIII −III 線断面図を示す。図3において、前記先端ダクト部32の上部はヘッドランプユニット31の下面に係止されており、ヘッドランプユニット31の下面と先端ダクト部32とにより空気取入口15の前部が形成され、先端ダクト部32の上部32aにより空気取入口15の上面の後部が形成されている。
【0016】
図7は、前記先端ダクト部32の後端に左右2本の吸気ダクト13を接続した状態を示す斜視図である。先端ダクト部32の内部は分岐壁36で左右に二分され、前部上縁の左右および中央には係止爪37,37および取付片38が形成されている。前記係止爪37を、図3に示すように、ヘッドランプユニット31の下面の係止フランジ39に係合させることにより、先端ダクト部32の上部32aをヘッドランプユニット31の下面に係止している。
【0017】
図4は図2におけるIV−IV線断面図を示す。同図に示すように、前記先端ダクト部32の前部上縁の取付片38に、カウリング14のノーズ部33aの下端が、ビス40で締付固定されている。図8は、その接続状態をカウリング14の下方から見た斜視図を示す。
【0018】
前記先端ダクト部32の後端の左右には、図3に示すように、ゴム製ダクトシール41を介して2本の吸気ダクト13,13がそれぞれ接続される。また、先端ダクト部32の後端とゴム製ダクトシール41の前端とで網体からなるスクリーン46を挟むことにより、空気取入口15の通路内部にスクリーン46が配置される。先端ダクト部32の下面側は、先端側でU字状に曲がった二重構造とされており、その外壁部32bの後端が吸気ダクト13の下面部とカウリング14の一部とで挟まれ、それらの重合部をゴムナット42に螺合したビス43からなる締結部材で締め付けることにより、吸気ダクト13および先端ダクト部32がカウリング14に支持される。
【0019】
ヘッドランプユニット31は、図4に示すように、ユニットハウジング47内に左右一対のヘッドランプ48と中央上部のポジシヨンランプ44とを配置して構成され、ポジションランプ44は、図2に示すカウリング14の開口33の上部中央の小孔45に臨むようにされている。
【0020】
図9は、この実施形態の場合のヘッドランプユニット31および空気取込口15の配置部(実線で示す)と、従来例における同じ部分(二点鎖線で示す)とを重ねて示したものである。同図から明らかなように、この実施形態では、ヘッドランプユニット31の下面と先端ダクト部32とで空気取入口15の前部が形成されているので、ヘッドランプユニット54の下方に位置するカウリング51の一部で空気取入口の上面が形成される従来例の場合に比べて、ヘッドランプユニット31を低い位置に配置できる。したがって、ヘッドランプユニット31の大きさや形状の選択幅が広がり、それだけ、カウリング14における設計およびデザインの自由度が改善される。また、カウリング14とは別体のヘッドランプユニット31および先端ダクト部32で空気取入口15が形成されるので、性能向上などの目的で、空気取入口15の開口断面積を変更したい場合でも、カウリング14を変更することなく、ヘッドランプユニット31や先端ダクト部32を変更するだけで容易に対応できる。
【0021】
図10は、この実施形態における空気取入口15(実線で示す)と、従来例における空気取入口53(鎖線で示す)とを重ねて示す正面図である。この実施形態では、図9のヘッドランプユニット31を従来例の場合に比べてより低い位置に配置しながらも、空気取入口15を最も吸入効率のよい車体の左右方向中央部に配置した上で、ヘッドランプユニット31の下面で形成される空気取入口15の上面を従来例よりも高くすることが可能となり、その結果、図10から明らかなように、空気取入口15の開口断面積を大きくできる。具体的には、従来例の空気取入口53の開口断面積に対して、この実施形態の空気取入口15は、縦寸法aを大きくできることから、縦横比a/bが従来の1.4倍となり、その結果、開口断面積は約1.01倍となる。これにより、吸気量も増加してエンジンの出力が従来例の場合に比べて向上する。すなわち、この実施形態の場合、走行速度100Km/hでのラム圧(走行風圧)は従来例の場合に比べて約18%増大し、また走行速度200Km/hでは約13%増大する結果、エンジン出力が向上する。
【0022】
なお、前記実施形態では自動二輪車の場合について説明したが、本発明は自動二輪車に限られるものではなく、他の車両にも同様に適用できる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明の車両用エンジンの吸気装置によれば、ヘッドランプユニットの下面と先端ダクト部とにより、空気取入口の少なくとも前部が形成されているため、カウリングにおけるヘッドランプユニットの位置を低く設定できるので、ヘッドランプユニットの形状や大きさの選択幅が広がり、それだけデザイン的自由度が大きくなる。また、カウリングを変更することなく、先端ダクト部を変更するだけで、空気取入口の開口面積を変更できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用エンジンの吸気装置を搭載した自動二輪車の側面図である。
【図2】同自動二輪車におけるカウリングの正面図である。
【図3】図2のIII −III 線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】同カウリングの背面図である。
【図6】同カウリングへのヘッドランプユニットの取付構造の一部を示す水平断面図である。
【図7】先端ダクト部に吸気ダクトを接続した状態を示す斜視図である。
【図8】同カウリングを下側から見た斜視図である。
【図9】この実施形態の同カウリングにおけるヘッドランプユニットおよび先端ダクト部の配置部を従来例の場合と比較して示す側面図である。
【図10】この実施形態の空気取入口の開口断面積を従来例の場合と比較して示す正面図である。
【図11】従来例におけるカウリングの正面図である。
【図12】図11のXII−XII線断面図である。
【符号の説明】
1…車体フレーム、8…エンジン、13…吸気ダクト、14…カウリング、15…空気取入口、31…ヘッドランプユニット、32…先端ダクト部
Claims (3)
- 車体の前部に装着されるカウリングと、
このカウリングの前面の一部を形成するヘッドランプユニットと、
ヘッドランプユニットの下方に配置されて、エンジンへの吸入空気を取り入れる吸気ダクトの上流端に接続される先端ダクト部とを備え、
前記カウリングに、前記ヘッドランプユニットと前記先端ダクト部とを前記カウリングの前面に臨ませる開口が形成され、
前記ヘッドランプユニットの下面と前記先端ダクト部とにより、空気取入口の少なくとも前部が形成されている車両用エンジンの吸気装置。 - 請求項1において、前記先端ダクト部の上部が、ヘッドランプユニットの下面に係止されて、空気取入口の上面の後部を形成している車両用エンジンの吸気装置。
- 請求項1または2において、前記カウリングに前記ヘッドランプユニットと、前記先端ダクト部とが支持されている車両用エンジンの吸気装置。
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