JP3594099B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸収性物品、さらに詳しくは解放型のおむつ、パンツ、またはブリーフ型のおむつ(失禁用を含む)及びいわゆるトレーニングなどの吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、パンツ又はブリーフ型の使い捨ておむつ、特にトレーニングパンツ等の吸収性物品としては、ウエスト周り及びレッグ周りに弾性部材を取り付け、表面シート及び裏面シートの間に吸収体を介在させたものが知られている。これらの吸収性物品は、表面シート及び裏面シートが伸縮性を有していないか、また伸縮性を有していたとしてもそれが優れたものではないため、弾性部材を併用してウエスト周り及びレッグ周りに多数のギャザーを設けることにより、身体への脱着の作業性及び身体へのフィット性を得ている。
【0003】
しかしながら、上記の構成の吸収性物品、特におむつは、下記▲1▼〜▲6▼の問題点を有している。
▲1▼おむつの構成が複雑になるために製造工程が多くなり、生産効率が悪くコスト高になる。
▲2▼上記ギャザーが比較的大きくなるため、おむつが嵩高になり、コンパクトな型に収納保存し難い。
▲3▼弾性部材の使用が偏る場合があり、身体に局所的な圧力がかかり、肌に跡が残るなどする。
▲4▼裏面シートあるいは表面シートによりつっぱる所が発生し、おむつのフィット感が低減するおそれがある。
▲5▼おむつのフィット性の低減により排泄物の漏れ等が起こるおそれがある。
▲6▼的確なギャザーを与え難く、おむつが着用者からずれる場合がある。
【0004】
そこで、上記▲1▼〜▲6▼の問題を解決するために、従来、表面シート及び裏面シートとして弾性を有する部材を使用した構成のおむつが提案されている。
例えば、特開平3−80859号公報、特開平3−224559号公報及び特開平4−227260号公報には、表面材として伸縮性不織布を用い、また裏面材として伸縮性フィルムを用い、両者を接合してなるおむつが記載されている。
【0005】
また、特開平4−89050号公報には、裏面シートとして伸縮弾性フィルムを、また表面シートとして伸縮弾性不織布を用いてなるおむつ、あるいは、裏面シートとして伸縮弾性フィルムと伸縮性を有しないフィルムとの接合シートを、また、表面シートとして伸縮弾性不織布と伸縮性を有しない不織布との接合シートを用い、両者を複合してなる使い捨ておむつが記載されている。
しかしながら、上述の構成の何れのおむつも上記の問題点の幾つかは解決されるものの、それら全てが解決されるには至っていない。
【0006】
例えば、上記各公報に記載された構成のおむつは、何れも、表面シートに伸縮弾性不織布を使用しているので、表面シートとして用いる不織布の種々の物性が限られてしまうおそれがある。
【0007】
即ち、表面シートはおむつの装着対象者に直接接触する部材であり、表面シートとして用いられる不織布には、肌触り、皮膚刺激性、液透過性、液拡散性、吸収体のカバー効果及び液戻り防止等の多くの物性をコントロールすることが要求されるが、上記の各公報に記載された構成のおむつでは、これらの物性をすべて満足することが困難である。
【0008】
また、上記の伸縮弾性不織布は、伸張状態にされると、もとの非伸張状態の時と比較して坪量、厚さ、繊維の太さ、繊維間の目開又は繊維間距離等の諸物性が変化し、これらの物性によりコントロールしていたおむつの表面シートとしての物性を維持できなくなるおそれがある。更に、おむつ全体に伸縮性があるので身体へのフィット性は良好であるが、透湿性のない裏面シートの場合、ムレの問題を生じるおそれがある。
【0009】
また、透湿性及び防水性を有するシートとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に40重量部以上の無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが知られている。また、上記微多孔性シートとしては、特公平5−38011号公報において、特定の結晶性ポリマー(ポリプロピレン等)と特定の化合物(鉱物油等)とを溶融混練し、シート成形(冷却)過程で相分離を起こさせたシートを延伸して得られる微多孔性シートも提案されているが、該微多孔性シートにおいても、上述の問題は解決できていないのが現状である。
【0010】
また、特開平6−134000号公報では特定のポリウレタンシートと伸縮性不織布とを積層してなる無孔の伸縮性透湿性シートが提案されている。
【0011】
しかし、上記ポリウレタンシートは、使用するイソシアネートによって下記する如き種々の問題が生じる。
即ち、上記イソシアネートとして芳香族イソシアネートを用いた場合、該イソシアネートと反応してポリウレタンをなすポリオール等との反応性が高いため、ポリウレタンシート中における未反応イソシアネート残存量は少ないものの、該ポリウレタンシートが自然条件で保存しても激しく黄変するため未反応イソシアネート残存量は少ないが、自然条件で保存しても、特に光、熱、酸化窒素ガス、都市燃焼ガス等による変色と劣化を受け易いため、激しく黄変し、例えば吸収性物品等に用いた場合に商品価値を著しく損なうという問題がある。
【0012】
また、上記イソシアネートとして、非芳香族イソシアネートを用いた場合、得られるポリウレタンシートは黄変し難いものの、非芳香族イソシアネートの反応性が劣るため、未反応イソシアネートが残存し、例えば吸収性物品等に用いた場合に、該未反応イソシアネートが皮膚を激しく刺激するという問題がある。
【0013】
また、芳香族イソシアネート及び非芳香族イソシアネートのいずれを用いた場合においても、これらのイソシアネートは、空気中の水分によっても反応してウレア結合を造るが、高分子化反応後期における水との反応はウレア結合に至らずアミンとして残存するため、該アミンが皮膚を激しく刺激しカブれる等の問題がある。また、ポリウレタンシートが分解するとアミンを生成し、吸収性物品等に用いた場合に皮膚刺激の基となる(特に、無孔で透湿性を発現する上記ポリウレタンシートは、吸収性物品に用いた場合の吸水により通常のポリウレタンより分解され易いものである。)。また、ウレタン化反応に使用されるアミン触媒も同様に皮膚刺激の基となる。
【0014】
要するに、上記ポリウレタンシートは、吸収性物品等人体に直接接触する用途には好ましくないものである。
【0015】
従って、本発明の目的は、通常、使い捨ておむつに用いられている不織布の長所を生かし且つ裏面シートとして透湿性及び伸縮性を有するフィルムを用いることの長所を十分に生かした吸収性物品を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液不透過性の裏面シートと、液透過性の表面シートと、該裏面シート及び該表面シートの間に配設された縦長の吸収体とを備えた吸収性物品において、上記裏面シートは、ハード成分とソフト成分とのブロック共重合ポリエステル樹脂により形成された無孔の透湿性フィルムであり、該透湿性フィルム上に伸長可能な不織布が接合されており、上記ブロック共重合ポリエステル樹脂は、そのメルトフローインデックスが1〜25であり且つ平衡水分率が0.30%〜1.40%であり、また、上記ハード成分のガラス転移点温度(Tg)が50℃以上、上記ソフト成分のガラス転移点温度(Tg)が20℃以下であることを特徴とする吸収性物品(以下、「第1発明」という場合には、この発明をいう)を提供することにより上記目的を達成したものである。
【0017】
また本発明は、液不透過性の裏面シートと、液透過性の表面シートと、該裏面シート及び該表面シートの間に配設された縦長の吸収体とを備えた吸収性物品において、上記裏面シートは、ハード成分とソフト成分とのブロック共重合ポリエステル樹脂により形成された無孔の透湿性フィルムであり、上記ブロック共重合ポリエステル樹脂は、そのメルトフローインデックスが1〜25であり且つ平衡水分率が0.30%〜1.40%であり、また、上記ハード成分のガラス転移点温度(Tg)が50℃以上、上記ソフト成分のガラス転移点温度(Tg)が20℃以下であり、且つ上記表面シートが、伸長可能な多数の襞部を有する不織布であり、上記裏面シート及び上記表面シートは、上記吸収体の幅方向に延設されて延設部を形成しており、該延設部で間欠的に接合されていることを特徴とする吸収性物品(以下、「第2発明」という場合には、この発明をいう)を提供することにより上記目的を達成したものである。
【0018】
本発明の吸収性物品は、裏面シートがハード成分とソフト成分からなるブロック共重合ポリエステル樹脂からなる無孔の透湿性フィルムからなり、且つ該無孔の透湿性フィルム上に間欠的に接合された不織布も伸長可能に形成されており、上記裏面シートと上記不織布とが一体的に伸縮可能に形成されているので使用者に装着させた際に、胴周り方向に伸縮し、身体への良好なフィット性を有し、裏面シートが透湿性を有するため、ムレの問題を生じない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吸収性物品を実施例により更に詳細に説明する。
【0020】
実施例1(第1発明の実施例)
図1は、本発明(第1発明)の一実施例1を示すパンツ型使い捨ておむつを示す斜視図、図2はその展開図、図3は図2上のI−I線における断面図である。
【0021】
本実施例の吸収性物品(パンツ型使い捨ておむつ)1は、図1〜図3に示す如く、液不透過性の裏面シート2と液透過性の表面シート3と、該裏面シート2及び該表面シート3の間に配設された縦長の吸収体4とを備えており、前方部(腹側部)の両側部5a、5aと後方部(背側部)の両側部5b、5bとそれぞれ結合し、図1に示す如く、ウエスト開口部12と一対のレッグ開口部13、13とを有するパンツ型に形成されている。このような構成は、公知のパンツ型使い捨ておむつと同様である。
【0022】
而して、本実施例のパンツ型使い捨ておむつ1は、図2及び図3に示す如く、上記裏面シート2がハード成分とソフト成分からなるブロック共重合ポリエステル樹脂からなる無孔の透湿性フィルムであり、該無孔の透湿フィルム上に、伸長可能な不織布6が、接合されている。
【0023】
更に本実施例について詳述すると、上記不織布6は、図3に示すように、上記吸収体4の長手方向に延びた凸条部6’と凹条部6”とが交互に連設した断面波形の形状からなり、該凸条部6’と該凹条部6”とにより襞を形成しており、該襞は上記吸収体4の巾方向に伸張可能となしてある。そして、上記不織布6は、上記凹条部6”の外面頂端において、ホットメルト接着剤7を介して上記裏面シート2と間欠的に接合されており、上記裏面シート2は該不織布6と一体的に上記吸収体4の巾方向に伸縮可能となっている。上記不織布6における上記襞の間隔、即ち、上記凸条部6’,6’間の間隔Lは、0.5〜1.5mmとなしてある。
【0024】
多数の襞を有する上記不織布6が伸張し得る「範囲」は、用いる上記裏面シート2を形成する透湿性フィルムによっても異なるが、伸張されていない不織布6の巾(上記吸収体4の巾方向)と伸張不可能状態まで伸びた不織布6の巾との比(後者/前者)〔(後者;伸張)/(前者;未伸張)〕が、特に1.2〜3.0の範囲となるようにするのが好ましい。
【0025】
また、上記吸収体4は、上記表面シート3によって該吸収体4の底面両側部まで包囲されており、上記吸収体4の上面側において、ホットメルト接着剤7により上記表面シート3と接合されている。また、上記表面シート3は、上記吸収体4の底面両側部において、ホットメルト接着剤7により上記不織布6の凸条部6’の頂端と接合されており、該不織布6の伸張を阻害しないようになされている。
【0026】
上記不織布6を形成する構成繊維としては、下記の繊維が好ましく挙げられる。
ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエステル系、アミド系又はアクリル系等の合成繊維、レーヨン又はキュプラ等の再生繊維、綿、麻又は絹等の天然繊維等。
そして、上記の繊維を不織布に加工する方法としては、通常の加工方法を用いることができ、例えば、ヒートロールボンド、エアースルーヒートボンド、スパンボンド、ニードルパンチ、スパンレース又はメルトブローン等の方法を挙げることができる。
【0027】
また、上記不織布6は、肌触りが重要な要因となるため、その要求を阻害するようなものは使用できないが、伸縮可能なエラスチック素材から作られた繊維により得られる伸縮弾性を有する不織布も使用することができる。
上記エラスチック素材としては、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、アミド系ゴム、ブチルゴムグラフトポリエチレン、1,2−ポリブタジエン、トランス1,4−ポリイソプレン系の熱可塑性エラストマーの1種又は2種以上のブレンドを紡糸したものを挙げることができる。
【0028】
また、上記不織布6は、その坪量が10〜40g/m2 であることが好ましい。上記坪量が10g/m2 未満では、均一な不織布が得られ難く、表面シートとしての物性にバラツキを生じるおそれがあり、また40g/m2 超では、おむつが嵩高になり、コンパクトな型に収納保存し難くなるため好ましくない。
【0029】
上記表面シート3としては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエステル系、アミド系又はアクリル系等の合成繊維、レーヨン又はキュプラ等の再生繊維、綿、麻又は絹等の天然繊維等を用いることができる。
上記吸収体4としては、解繊パルプを主材とした高分子吸水ポリマーを併用したものが好ましく、また熱可塑性樹脂、セルロース繊維、高分子吸水ポリマーの混合物に熱処理したものが好ましい。該高分子吸水ポリマーは、上記吸収体4の上層、中層、下層のいずれに存在させてもよく、また、パルプと混合したものであってもよい。また、該高分子吸水ポリマーは自重の20倍以上の液体を吸収して保持し得る保持性能を有し、ゲル化する性質を有する粒子状のものが好ましく、このような高分子吸水ポリマーとしては、例えば、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、アクリル酸(塩)重合体などが好ましく挙げられる。
【0030】
また、上記裏面シート2を形成する上記透湿性フィルムは、特定のブロック共重合ポリエステル樹脂により形成されてなる無孔の透湿性フィルムである。
上記透湿性フィルムは、その膜厚が好ましくは5〜100μmであり、透湿度が好ましくは0.5g/100cm2 ・Hr以上、更に好ましくは1.0〜2.5g/100cm2 ・Hrであり、耐水圧が好ましくは2m以上である。
上記膜厚が上記範囲外であると、伸縮性が低下するので、上記範囲内とするのが好ましい。
また、上記透湿性フィルムの伸縮性は、100%伸長して応力を解放した際の永久歪が40%以下であるのが好ましい。
ここで、上記永久歪(%)は、下記式により求められるものである。
永久歪(%)=〔(100%伸長して応力を解放した時の長さ−初期長さ)/初期長さ〕×100
上記永久歪が、40%を超えると、おむつのフィット性が低下するので好ましくない。
【0031】
上記透湿性フィルムを形成する上記の特定のブロック共重合ポリエステル樹脂は、ハード成分とソフト成分とのブロック共重合体である。
【0032】
上記ハード成分としては、ジカルボン酸成分とジオール成分とを反応させて得られるポリエステル等が好ましく挙げられる。
上記ジカルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられ、上記ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、パラキシリレングリコール、ビスフェノールAのエチレノキサイド2モル付加物等の芳香族ジオール等が挙げられ、それぞれ使用に際しては、単独若しくは混合物として用いることができる。
【0033】
また、上記ジカルボン酸成分と上記ジオール成分とは、少なくともいずれか一方に芳香族環を有するものを用いて組み合わせるのが好ましく、また繰り返し単位の平均分子量は、上記芳香族環に連結した1エステル基当り、180以下、好ましくは160以下となるように上記ジカルボン酸成分と上記ジオール成分とを選択して組合せるのが好ましい。
【0034】
また、上記ソフト成分としては、ポリエーテル及び/又は脂肪族ポリエステルが用いられる。
上記ポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等が用いられ、上記脂肪族ポリエステルとしては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトン等が挙げられる。
【0035】
また、上記ブロック共重合ポリエステル樹脂は、上記ハード成分が、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとのポリエステル又は脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジオールとのポリエステルであり、上記ソフト成分が、ポリエーテル及び/又は脂肪族ポリエステルであるのが好ましい。
具体的には、上記ハード成分は、テレフタル酸、フタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸、好ましくはフタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール及びブタンジオール、好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール及びテトラメチレングリコールからなる群から選択される一種以上とのポリエステルであるのが望ましい。また、上記ソフト成分は、ポリテトラメチレングリコールであるのが望ましい。
【0036】
また、上記ハード成分のガラス転移点温度(Tg)が50℃以上、上記ソフト成分のガラス転移点温度(Tg)が20℃以下であるものが、被膜強度、非ブロッキング性、透湿性、成形加工性の点から用いられる。
上記ハード成分のTgが50℃未満であると、吸収性物品の裏面材等に用いた場合に、使用/保存温度において形状保持性が劣り、上記ソフト成分のTgが20℃を超えると、使用温度における透湿度が低下するので、上記範囲とする。
ここで、上記ガラス転移点温度(Tg)は、DSCで測定することにより得られる値である。
【0037】
また、上記ブロック共重合ポリエステル樹脂の分子量、並びに上記ハード成分及び上記ソフト成分の組成比は、ハード成分として用いるジカルボン酸成分及びジオール成分の種類及び分子量、また、ソフト成分として用いるポリエーテル及び/又はポリエステルの種類及び分子量、更にはハード成分とソフト成分との繰り返し数によって異なるが、上記ブロック共重合ポリエステル樹脂全体として、メルトフローインデックス(MFI)が1〜25、好ましくは5〜18、平衡水分率が0.30〜1.40%、好ましくは0.50〜0.90%となるように、上記分子量及び上記組成比を調節したものが、被膜強度、非ブロッキング性、透湿性及び成形加工性等の点から用いられる。
【0038】
上記MFIが1未満であると、溶融成形等成形加工性が劣り、25を超えると、常温でも粘着性が強くブロッキングが生じたり、膜形状保持性が劣るので、上記範囲内とするのが好ましい。
また、上記平衡水分率が0.30%未満であると、透湿度が低くなり、1.40%を超えると、弾性率が低下して形状保持性が劣り、また粘着性が強くブロッキングが生じるので上記範囲内とするのが好ましい。
ここで、上記MFIは、ASTMD1238に準拠して測定した200℃における値である。
また、上記ブロック共重合体ポリエステル樹脂のうち結晶融点が180℃を超えるものについての上記MFIは、ASTMD1238に準拠して測定した230℃における値であり、該値が上述の範囲であるのが好ましい。
また、上記平衡水分率は、23℃/0%RHに48時間保存した時の重量をW0 、23℃/65%RHに48時間保存した時の重量をW1 とした時、〔(W1 −W0 )×100〕/W0 で示される値である。
【0039】
上記ブロック共重合ポリエステル樹脂を調製するには、上記ハード成分と上記ソフト成分とを、通常公知のエステル交換反応させる等して容易に得ることができ、具体的には、ハード成分としてテレフタル酸とブタンジオールからなるオリゴポリエステルを予め造っておき、これにポリテトラメチレングリコールを混合し、溶融反応を行う等して製造することができる。
【0040】
本発明において用いられる上記ブロック共重合ポリエステル樹脂は、これ自身は勿論のこと、該ブロック共重合ポリエステル樹脂の分解生成物も皮膚刺激を与えることのない安全なものであり、経時着色が全く無く、変質も起こり難い樹脂であり、吸収性物品等の衛生品用の材料等として優れた素材である。
【0041】
上記ブロック共重合ポリエステル樹脂により上記透湿性フィルムを形成するには、公知の方法により容易に形成することができる。
【0042】
以上のように構成された本実施例のパンツ型使い捨ておむつ1においては、上記裏面シート2は、無孔の透湿性フィルムであり、該無孔の透湿性フィルムと間欠的に接合されている不織布6は上記吸収体4の幅方向に伸張可能に形成されており、上記裏面シート2と上記不織布6とは一体的に伸縮するので、上記表面シート3の肌触り、液透過性、液戻り性等の長所を十分に生かすことができ、且つ上記裏面シート2として用いる上記無孔透湿性フィルムの有するフィット性等の長所を十分に生かすことができる。
【0043】
<実施例2(第2発明の実施例)>
図5は本発明(第2発明)の一実施例を示す図3相当図である。
本実施例の吸収性物品(パンツ型使い捨ておむつ)1は、図1に示す第1発明の実施例と同様に、液不透過性の裏面シート2と、液透過性の表面シート3と、該裏面シート2及び該表面シート3の間に配設された縦長の吸収体4とを備えており、パンツ型に形成されている。
【0044】
而して、本実施例のパンツ型使い捨ておむつ1は、図5に示す如く、上記裏面シート2が伸縮弾性特性を有する透湿性フィルムであり、且つ上記表面シート3が伸張可能な多数の襞部を有する不織布6であり、上記裏面シート2及び上記表面シート3は、上記吸収体4の巾方向に延設されて延設部5を形成しており、該延設部5で間欠的に接合されている。
【0045】
更に本実施例について詳述すると、上記不織布6は、図5に示すように、また、実施例1における不織布と同様に、上記吸収体4の長手方向に延びた凸条部6’と凹条部6”とが交互に連設した形状からなり、該凸条部6’と該凹条部6”とにより襞を形成しており、該襞は上記吸収体4の巾方向に伸張可能となしてある。そして、上記不織布6は、上記裏面シート2との間に上記吸収体4を介在させて、上記延設部5の上記凹条部6”の外面頂端において、ホットメルト接着剤7を介して上記裏面シート2と間欠的に接合されている。そのため、上記裏面シート2は上記不織布6と一体的に上記吸収体4の巾方向に伸縮可能となっている。上記不織布6における上記襞の間隔、即ち、上記凸条部6’,6’間の間隔Mは、0.5〜1.5mmとなしてある。
また、上記吸収体4は、その上面側及び両側面(吸収体4の長手方向と平行な両側面)で、上記不織布6の凹条部6”の外面頂端と接着剤7を介して間欠的に接合されており、下面側においても上記裏面シート2と接着剤7を介して間欠的に接合されている。
【0046】
以上のように構成された本実施例のパンツ型使い捨ておむつ1においては、上記裏面シート2は、伸縮性を有する透湿性フィルムであり、該透湿性フィルムと間欠的に接合されている不織布6は上記吸収体4の巾方向に伸張可能に形成されており、上記裏面シート2と上記不織布6とは一体的に伸縮するので、上記不織布6の肌ざわり、液透過性、液戻り性等の長所を十分に生かすことができ且つ上記裏面シート2として用いる上記透湿性フィルムの有するフィット性等の長所を十分に生かすことができる。
【0047】
<その他の実施例>
図4は本発明(第1発明)の他の実施例の一部を省略して示す断面図で、この実施例のパンツ型使い捨ておむつにおいては、表面シートによる吸収体の包囲の態様が上記実施例1(第1発明の実施例)と異なる以外は、上記実施例1と同様に構成されている。
即ち、図4に示す実施例のパンツ型使い捨ておむつ1は、図示の如く、吸収体4が、表面シート3によって該吸収体4の底面両側部まで包囲されており、上記吸収体4の上面側において、ホットメルト接着剤7により上記表面シート3と接合されている。そして、上記表面シート3は、上記吸収体4の底面両側部において、その一部が上記吸収体4と反対側に折返され、折返された該一部において、ホットメルト接着剤7により不織布(図示せず)の凸条部の頂端と接合されており、該不織布の伸張を阻害しないようになされている。
また、実施例1及び2における不織布6は、吸収体4の巾方向のみに伸張可能であるが、上記不織布6としては、吸収体4の長手方向のみ、又は吸収体4の巾方向及び長手方向に伸張可能であっても良い。
【0048】
尚、上記実施例2(第2発明の実施例)及びその他の実施例において、特に説明しなかった点については、前記実施例1(第1発明の実施例)における説明が適用される。
【0049】
次に、本発明(第1発明及び第2発明)の吸収性物品の製造例を示して、本発明を更に詳述するが、本発明の吸収性物品はこれらの製造例に制限されるものではない。
<製造例1>
本製造例1は実施例1のパンツ型使い捨ておむつの製造例である。
前記実施例1における伸張可能な多数の襞部を有する不織布6は、上記裏面シート2にテンションをかけない状態(いわゆるフリーテンション状態)における上記裏面シート2の面積よりも面積の大きな不織布〔襞加工を施す前の不織布(以下、不織布Nという場合には、襞加工を施す前の不織布を意味する。)〕を用いることにより形成される。
具体的には、▲1▼不織布Nにマイクレックス加工等の方法により予め襞加工(クレープ加工)を施す方法、▲2▼不織布Nと、該不織布Nと同じ面積になるように一方方向に伸張させた上記裏面シート2とを間欠的に接合することにより、不織布Nに襞を付す方法等が挙げられる。
【0050】
上記▲1▼の方法で形成した襞を有する不織布6と上記裏面シート2とを接合する方法としては、ホットメルト接着剤等の接着剤を用いる方法が挙げられ、この方法においては上記不織布6の襞の凹条部6”の外面頂端に接着剤を塗工する。
また、上記▲1▼の方法で形成した上記不織布6と上記裏面シート2との接合は、接着剤を用いずに、上記裏面シート2として熱可塑性エラストマーを用いて、該熱可塑性エラストマー2を上記不織布6の襞部の凹条部6”の外面頂端に当接させた後、両者を複合加工することによっても行うことができる。
【0051】
また、上記▲2▼の方法で、襞を有する不織布6を形成する際の不織布Nと上記裏面シート2との接合方法としては、ホットメルト接着剤等の接着剤を用いる接合方法、ヒートシール又は超音波エンボス等による接合方法等が挙げられる。
上記▲2▼の方法において、上記のホットメルト接着剤を用いる場合には、裏面シート(透湿性フィルム)2上又は不織布N上に、ホットメルト接着剤をドット状又は線状等にパターン塗工する。これらのパターンの内、特に、ドット状のパターンが好ましい。この場合、上記接着剤の塗工は、裏面シート(透湿性フィルム)の伸張前後の何れであっても良い。
また、上記▲2▼の方法において、ヒートシール又は超音波エンボス等の方法を用いる場合には、ロールパターンをドット状又は線状等のパターンとすることにより、上記裏面シート2と上記不織布Nとを間欠的に接合することができる。
【0052】
上記▲2▼の方法による場合、裏面シート(透湿性フィルム)2の伸張方向は、吸収体4の巾方向のみであっても、吸収体4の長手方向のみであっても、また双方であっても良いが、接着剤等のパターンとして、上記の線状パターンを用いる場合には、裏面シート2の伸張方向が吸収体4の巾方向の場合であり、この場合、線状パターンの線方向と裏面シートの伸張方向とは直交することになる。
【0053】
上記▲2▼の方法において、ドット状又は線状等の接着剤パターンを用いて接合する場合、それらの大きさ及び間隔は、パンツ型使い捨ておむつの構成及び後述する吸収性物品として要求される伸縮率を考慮して適宜選択するのが好ましく、線状のパターンを用いて接合する場合は、断続的に塗工するのが好ましい。
更に、伸縮弾性を有する不織布を上記不織布6として用いる場合には、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波エンボス等によりパターン接着することができる。
パターンをドット状とする場合、ドット状の面積は0.05〜3.0mm2 、好ましくは0.6〜1.0mm2 であり、各ドット間の間隔距離は3.0〜7.0mm、好ましくは3.0〜5.0mmである。また、パターンを線状とする場合、その巾は好ましくは0.5〜1.5mmである。尚、これらの数値は、不織布Nと裏面シート(透湿性フィルム)2とを接合した後、裏面シートが未伸張に復帰した後の接合シートにおける数値である。
【0054】
上記▲2▼の方法により上記裏面シート2と上記不織布6とを接合する際、フリーテンション状態の上記裏面シート(伸縮弾性特性を有する上記透湿性フィルム)2と上記不織布Nとの面積比率(フリーテンション状態の上記裏面シート2の面積:不織布の面積)は、吸収体4の巾方向又は長手方向に上記裏面シート2にテンションをかける場合において、要求される上記裏面シート2の伸縮率と同じかそれより大きくすることが好ましい。上記面積比率は、好ましくは1〜1.1:5.0、更に好ましくは1〜1.2:3であり、上記裏面シート2と上記不織布との接合方法あるいは設計の仕方により適宜設定することが好ましい。
【0055】
また、前記パンツ型使い捨ておむつ1において、高い伸縮率が要求されない部位では、上記面積比率を小さく設定し、高い伸縮率が要求される部位では、上記面積比率を大きく設定するのが好ましいが、吸収性物品として要求される伸縮率は、前記吸収体4の巾方向又は長手方向において、伸縮性を付与したい部位の伸縮率が1.1〜5.0倍となるようにすることが好ましい。上記伸縮率が1.1倍未満では、前記パンツ型使い捨ておむつ1がはかせにくいものとなり、5.0倍超では、上記裏面シート2がフリーテンション状態となった際に上記不織布6の襞の割合が多くなり排泄物の吸収性や拡散性に悪影響を与えるおそれがあり好ましくない。
【0056】
而して、本製造例1においては、ホットメルト接着剤を、吸収体4の巾方向に伸張させた上記裏面シート2又は上記不織布N上に、図2における吸収体4の長手方向に向けて、直線的(線状)に且つ吸収体4の巾方向に一定間隔を置いて塗工する。
次いで、これらを接合し、上記裏面シート(透湿性フィルム)の伸張状態を解放することにより、上記不織布Nには、襞が上記吸収体4の巾方向に向かって形成される(襞の凸条部及び凹条部は上記吸収体4の長手方向に沿って形成される)。
そして、このように裏面シートと接合された不織布6の上に、予め表面シート3によって包囲された吸収体4を載置し、上記表面シート3と上記不織布6とを凸条部6’の頂端において間欠的に接合する。然る後、常法によりパンツ型おむつに形成する。
【0057】
<製造例2>
本製造例2は実施例2のパンツ型使い捨ておむつの製造例である。
前記実施例2における伸張可能な多数の襞部を有する不織布6は、製造例1における上記▲1▼の方法により形成される。
而して、本製造例2においては、上記ホットメルト接着剤7を、上記不織布6の襞の凹条部6”の外面頂端上に、線状に塗工する。しかし、上記不織布6における上記吸収体4を被覆する部位においては、図5に示すように上記ホットメルト接着剤7を、凹条部6”の一部に線状に塗工する。
次いで、予め吸収体4を所定位置に載置した裏面シート2上に、接着剤の塗工された上記不織布(表面シート3)6を配し、両者を延設部5において間欠的に接合すると共に、不織布6と吸収体4との間も間欠的に接合する。然る後、常法によりパンツ型おむつに形成する。
本製造例2においても、特に詳述しなかった部分については、適宜製造例1の説明が適用される。
【0058】
尚、本発明は上記各実施例及び上記各製造例に制限されるものではなく、例えば、実施例1における不織布6としては、前記▲1▼の方法により製造したものを用いることもでき、また、実施例2における不織布6の形成には、前記▲2▼の方法を適用するすることもできる。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言う迄もない。
また、本発明の吸収性物品は、図1に示すようなパンツ型使い捨ておむつであることが好ましいが、解放型のおむつ又はフラット型の使い捨ておむつ(失禁用を含む)及びいわゆるトレーニングパンツであっても良い。
【0059】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品は、通常、使い捨ておむつに用いられている不織布の長所を生かし且つ裏面シートとして透湿性及び伸縮弾性特性を有するフィルムを用いることの長所を十分に生かしたものである。
更に詳細には、本発明の吸収性物品は、透湿性を有する伸縮性フィルムを裏面シートに用いることにより、伸縮可能であるので使用者に装着させた際に、胴回り方向に伸縮し、身体への良好なフィット性を有し、裏面シートが透湿性を有するため、ムレの問題を生じないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明(第1発明)の一実施例を示すパンツ型使い捨ておむつを示す斜視図である。
【図2】図2は図1に示すパンツ型使い捨ておむつの展開図である。
【図3】図3は図2上のI−I線における断面図である。
【図4】図4は本発明(第1発明)の他の実施例の一部を示す断面図である。
【図5】図5は本発明(第2発明)の一実施例を示す図3相当図である。
【符号の説明】
1 吸収性物品
2 裏面シート
3 表面シート
4 吸収体
5 延設部
6 不織布
7 ホットメルト接着剤
Claims (9)
- 液不透過性の裏面シートと、液透過性の表面シートと、該裏面シート及び該表面シートの間に配設された縦長の吸収体とを備えた吸収性物品において、
上記裏面シートは、ハード成分とソフト成分とのブロック共重合ポリエステル樹脂により形成された無孔の透湿性フィルムであり、該透湿性フィルム上に伸長可能な不織布が接合されており、
上記ブロック共重合ポリエステル樹脂は、そのメルトフローインデックスが1〜25であり且つ平衡水分率が0.30%〜1.40%であり、また、上記ハード成分のガラス転移点温度(Tg)が50℃以上、上記ソフト成分のガラス転移点温度(Tg)が20℃以下であることを特徴とする吸収性物品。 - 上記ハード成分が、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとのポリエステル又は脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジオールとのポリエステルであり、上記ソフト成分が、ポリエーテル及び/又は脂肪族ポリエステルであることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
- 上記ハード成分が、フタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール及びブタンジオールからなる群より選択される1種以上とのポリエステルであり、上記ソフト成分が、ポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする請求項2記載の吸収性物品。
- 上記透湿性フィルムは、その膜厚が5〜100μmであり、透湿度が0.5g/100cm2・Hr以上であり、耐水圧が2m以上であり、上記不織布は、その坪量が10〜100g/m2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の吸収性物品。
- 上記不織布が、伸長可能な多数の襞部を有するものであり、上記無孔の透湿性フィルムに間欠的に接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の吸収性物品。
- 上記不織布は、上記吸収体の幅方向及び/または長手方向に伸長可能である請求項1〜5のいずれか1項記載の吸収性物品。
- 上記吸収体が、上記表面シートによって少なくとも該吸収体の底面両側部まで包囲されて該表面シートと間欠的に結合されており、且つ上記吸収体の底面に位置する上記表面シートが、上記不織布と間欠的に接合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の吸収性物品。
- 液不透過性の裏面シートと、液透過性の表面シートと、該裏面シート及び該表面シートの間に配設された縦長の吸収体とを備えた吸収性物品において、
上記裏面シートは、ハード成分とソフト成分とのブロック共重合ポリエステル樹脂により形成された無孔の透湿性フィルムであり、
上記ブロック共重合ポリエステル樹脂は、そのメルトフローインデックスが1〜25であり且つ平衡水分率が0.30%〜1.40%であり、また、上記ハード成分のガラス転移点温度(Tg)が50℃以上、上記ソフト成分のガラス転移点温度(Tg)が20℃以下であり、
且つ上記表面シートが、伸長可能な多数の襞部を有する不織布であり、
上記裏面シート及び上記表面シートは、上記吸収体の幅方向に延設されて延設部を形成しており、該延設部で間欠的に接合されていることを特徴とする吸収性物品。 - 上記不織布は、上記吸収体の幅方向及び/または長手方向に伸長可能である請求項8記載の吸収性物品。
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