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JP3548645B2 - 植物の栽培方法 - Google Patents

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JP3548645B2 JP31884995A JP31884995A JP3548645B2 JP 3548645 B2 JP3548645 B2 JP 3548645B2 JP 31884995 A JP31884995 A JP 31884995A JP 31884995 A JP31884995 A JP 31884995A JP 3548645 B2 JP3548645 B2 JP 3548645B2
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誠 中川原
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英雄 子川
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三善加工株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、施設園芸ハウス・トンネル栽培において、土壌および/または植物を無機硫黄剤で殺菌・殺虫処理を行っても劣化を生じない被覆フィルムを用いた植物の栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、施設園芸におけるハウス、トンネル等に用いられる被覆フィルムとしては、ポリ塩化ビニルフィルムやポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルムが主として使用されている。これらは一般に農ビ、農ポリ、農サクビという通称で施設園芸用に広く用いられている。特に農ビは日本国内において、被覆用としては圧倒的によく用いられている。
【0003】
施設園芸の目的は作物の栽培環境を人為的に調節して、作物にとって好適な環境を作り出し、露地栽培の不可能な時期に栽培を可能にすることや、生産性の低い時期に高い生産性をあげようとするところにある。したがって、環境要素(光、温度、湿度、炭酸ガス濃度、水、土壌など)と作物の生育性の相関を知り、経済性も考慮しながら、好適な生産環境を形成していく必要がある。
【0004】
施設という人工空間形成に必須の被覆資材に要求される性能は、その使用目的や用途さらには対象作物によって異なる。ハウスやトンネル用の一次被覆材と保温カーテンなどの被覆材に求められる主な性能として、耐候性(日当りのよい屋外での使用に長期間耐え得る性能)、流滴性(ハウス、トンネル内部が高湿度下のため、被覆フィルム内面が結露による微小水滴に覆われてしまい透明性を悪化させる現象を防除する性能)、保温性(夜間、施設内の温度を高く保つ性能)、透光性(透明性)などがある。
【0005】
一方、地球環境問題の世論の高まりの中で、廃棄焼却時に塩酸ガスを発生するポリ塩化ビニル被覆フィルム(農ビ)よりも、容易に完全燃焼可能で有害ガスの心配のないポリオレフィン系樹脂被覆フィルムが注目されてきている。
さらに、ポリオレフィン系樹脂被覆フィルムは農ビと比較して機械的諸特性(引裂き強度、耐寒性等)および耐候性、熱安定性等に優れることからも農ビからポリオレフィン系樹脂被覆フィルムへの代替が進んでいる。
【0006】
ところが、近年普及してきた農業用ポリオレフィン系樹脂被覆フィルムは、施設園芸ハウスなどに展張後、作物に使用する農薬により、フィルムの耐久性が著しく劣ることがわかってきた。この対策として、特開昭63−175072号公報には、有機硫黄系、有機塩素系、有機リン系などの農薬使用時に、熱可塑性樹脂にヒンダードアミン系化合物とハイドロタルサイト類化合物を配合した有機農薬耐性に優れた農業用フィルムが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、消費者の安全性・自然派指向の流れを受け、農薬の低減が一層すすむ傾向にある中で、殺菌剤として歴史のきわめて古い無機硫黄剤、すなわち、石灰硫黄合剤、硫黄粉剤、水和硫黄剤、硫黄くん煙剤などが消費者の安全性・自然派指向の流れを受け多用される傾向がみられる。
これら無機硫黄剤を用いた場合にも、有機系農薬を用いた場合と同様、農業用ポリオレフィン系樹脂被覆フィルムの耐候劣化が起こることが多く、上記特開昭63−175072号公報に記載の熱可塑性樹脂にヒンダードアミン系化合物とハイドロタルサイト類化合物を配合した農業用フィルムでも、無機硫黄剤を用いた場合、必ずしも充分な耐候性を保持できないことがわかった。
とくに、果樹栽培は、多年性であり着果時期など栽培の重要時期にフィルムが劣化により破れたりすることは非常に大きな問題となる。
本発明の目的は、地球環境に優しいポリオレフィン系樹脂を基材とした被覆フィルムからなる施設園芸ハウス・トンネルにおいて、無機硫黄剤を用いることによって、低有機農薬の施設園芸ハウス・トンネル栽培用ポリオレフィン系樹脂被覆フィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、農業用被覆フィルム、とりわけ、ポリオレフィン系樹脂を基材とした農業用被覆フィルムとそれを用いてなる低有機農薬の施設園芸方法について鋭意研究を重ねてきた結果、ヒンダードアミン系化合物、ハイドロタルサイト類化合物、紫外線吸収剤を含む農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを被覆フィルムとしたハウス・トンネル内で無機硫黄剤により土壌および/または植物を処理する場合において、上述の耐候劣化の問題を解消した作物栽培が可能となることをみいだし本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、ヒンダードアミン系化合物、ハイドロタルサイト類化合物および紫外線吸収剤を含有するポリオレフィン系樹脂被覆フィルムで被覆された施設園芸ハウス・トンネル内で、土壌および/または植物を無機硫黄剤で処理する植物の栽培方法であって、該植物がイチゴ、メロン、スイカ、キュウリ、バラまたはキクである植物の栽培方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるヒンダードアミン系化合物は、好ましくは、分子量が250以上で、4−位に置換基を有する2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン誘導体であり、その4−位の置換基としては、例えばカルボン酸残基、アルコキシ基、アルキルアミノ基等が挙げられ、またN−位にはアルキル基が置換していてもよい。
具体的には、下記(1)〜(22)式に示す化合物を例示することができる。
【0011】
Figure 0003548645
【0012】
Figure 0003548645
【0013】
Figure 0003548645
【0014】
本発明に用いられるヒンダードアミン系化合物の配合量は、耐候性の点でポリオレフィン系樹脂被覆フィルム中、0.02重量%以上が好ましい。フィルムの外観、特に、ブルーミング現象を抑制する点で5重量%以下が好ましい。さらに好ましくは、0.1〜2重量%である。
またこれらのヒンダードアミン系化合物は単独で用いても2種類以上を併用してもかまわない。
ヒンダードアミン系化合物の中でも、例えば、上記式(6)〜(8)で示される化合物が、得られる被覆フィルムの耐候性と外観の点でとくに好ましい。
【0015】
本発明に用いられるハイドロタルサイト類としては、下記式(1)
2+ 1−xAl(OH)(An−x/n・mHO (1)
(式中、M2+は、マグネシウム、カルシウムおよび亜鉛よりなる群から選ばれた2価金属イオンを示し、xおよびmは次の条件、0<x<0.5、0≦m≦2を満足し、An−は、n価のアニオンを示す。)
で示される化合物である。
n価のアニオンとしては特に限定されず、Cl、Br、I、NO 、ClO 、SO 2− 、 CO 2− 、 SiO 2− 、 HPO 2− 、 HBO 4− 、PO 3− 、Fe(CN) 3−、 Fe(CN) 4−、CHCOO、 C(OH)COO、(COO) 2−、テレフタル酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン等のアニオンが挙げられる。
具体例としては、例えば、天然ハイドロタルサイト(Mg0.75Al0.25(OH)(CO0.125・0.5HO、 合成ハイドロタルサイト(Mg0.69Al0.31(OH)(CO0.15・0.54HO 商品名:DHT−4A 協和化学工業製)などが挙げられる。
【0016】
本発明に用いられるハイドロタルサイト類化合物の配合量は、ポリオレフィン系樹脂被覆フィルム中、0.1重量%以上が耐候性改良効果の点で好ましい。フィルムの透明性とフィルムの強度の点から25重量%以下が好ましい。より好ましい配合量は、1〜10重量%である。
ハイドロタルサイト類化合物の平均粒子径は、得られる被覆フィルムの透明性の点で5μm以下、好ましくは0.05〜2μmである。
またフィルムに対する分散性を向上させるためハイドロタルサイト類化合物に高級脂肪酸、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等による表面処理を施してもよい。
【0017】
本発明に用いられる紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤に大別される。具体的には、例えば、下記式(23)〜(31)のような化合物が挙げられる。
【0018】
Figure 0003548645
【0019】
本発明に用いられる紫外線吸収剤の配合量は、耐候性向上の点でポリオレフィン系樹脂被覆フィルム中、0.01重量%以上が好ましい。フィルムの外観特にブルーミング現象を抑制する点で3重量%以下が好ましい。より好ましい配合量は、0.05〜1重量%である。またこれらの紫外線吸収剤は単独で用いても2種類以上を併用してもかまわない。
【0020】
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のエチレンまたは炭素数3〜10のα−オレフィンの単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体などのエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂などのエチレンを主成分とするエチレンと極性ビニル基等を有する異種単量体との共重合体などが挙げられる。
【0021】
これらの樹脂のなかでも、ポリエチレン、特に密度0.93g/cm以下の低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体または酢酸ビニル含有量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体などが透明性や柔軟性に優れ、かつ安価なフィルムが得られる点で好ましい。
【0022】
本発明のポリオレフィン系樹脂被覆フィルムの厚みは、フィルムの強度の点で0.02mm以上が好ましく、中継ぎ加工性や被覆作業性などの2次加工性の点で0.3mm以下が好ましい。より好ましいフィルム厚みは、0.03〜0.2mmである。
【0023】
本発明の被覆フィルムには、本発明の目的を損なわない範囲で、流滴剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、充填剤、防霧剤、滑剤、着色剤などの種々の添加剤を加えることができる。
【0024】
たとえば、本発明の被覆フィルムの内面が結露による微小水滴に覆われることによって、該フィルムの透明性が悪化する現象を防止する目的で添加される流滴剤には常温(23℃)で固体状のものと液状のものとがある。
固体状の流滴剤としては、非イオン性界面活性剤、例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネートなどのソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、ジグリセリンジステアレート、トリグリセリンモノステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレートなどのポリエチレングリコール系界面活性剤、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物、ソルビタン/グリセリン縮合物と有機酸とのエステルなどが挙げられる。
また液状の流滴剤としては、例えば、グリセリンモノオレート、ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンセスキオレート、テトラグリセリンモノオレート、ヘキサグリセリンモノオレート、グリセリンペンタオレート、ジグリセリンペンタオレート、テトラグリセリンペンタオレート、ヘキサグリセリンペンタオレート、テトラグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノラウレート等のグリセリン系脂肪酸エステル、また、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレート、ソルビタンペンタオレート等のソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
【0025】
防霧剤としては、パーフルオロアルキル基、ω−ヒドロフルオロアルキル基等を有するフッ素化合物(特にフッ素系界面活性剤)、アルキルシロキサン基を有するシリコン系化合物(特にシリコン系界面活性剤)等が挙げられる。
熱安定剤としては、2,6−ジアルキルフェノール誘導体や2−アルキルフェノール誘導体などのヒンダードフェノール系化合物、2価のイオウ原子を含むチオール結合もしくはチオエーテル結合を有するイオウ系化合物または、3価のリン原子を含む亜リン酸エステル系化合物などが、挙げられる。
耐候剤としてはニッケル系化合物などが挙げられる。
充填剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、燐酸リチウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸チタン、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウム、カオリン、タルク、クレーなどが、それぞれ用いられる。
【0026】
本発明のポリオレフィン系樹脂被覆フィルムは、単層でも多層フィルムであってもよく、各層の樹脂、添加剤の配合は異なっていてもよい。
多層構成の場合、各層はヒンダードアミン系化合物、ハイドロタルサイト類化合物および紫外線吸収剤のうちの少なくとも1つを含むポリオレフィン系樹脂組成物からなるものである。各層の樹脂、添加剤の配合は異なっていてもよく、3種3層や2種3層の構成がよく用いられ、施設の外側に面する層には防塵処理が、施設の内側に面する層には流滴、防霧処理が、中間層には無機充填剤等を主とした保温剤等を主とした保温剤が用いられていてもよい。
【0027】
流滴処理の方法としては、上述した流滴剤を配合する方法以外に、フィルムの少なくとも内面(施設の内側に面する面)に防曇性(流滴性)被膜を形成させる方法が例示できる。
かかる防曇性被膜とは、例えば、特公昭49−32668 号公報、特公昭50−11348 号公報などに記載されているコロイダルシリカやコロイダルアルミナなどの無機酸化ゾルのコーティング膜およびその応用として特公昭63−45432 号公報、特公昭63−45717 号公報、特公昭64−02158 号公報、特開平3−207643号公報に記載されている無機酸化ゾルと有機化合物(界面活性剤や樹脂など)などのコーティング膜、界面活性剤を主成分とする液のコーティング膜、親水性樹脂を主成分とする膜(ここで用いる親水性樹脂としては、ポリビニルアルコール、多糖類、ポリアクリル酸などが挙げられ、被膜形成の方法は、コーティング法でもよいし、親水性樹脂を主成分とする膜を製膜後、フィルムに積層するものでもよい。)などが好ましく用いられる。また、これら防曇性覆膜は2層以上積層されていてもよい。
【0028】
本発明のポリオレフィン系樹脂被覆フィルムは、例えば、以下の方法によって製造される。ポリオレフィン系樹脂に所定量のヒンダードアミン系化合物、ハイドロタルサイト類化合物、紫外線吸収剤および必要に応じて流滴剤、熱安定剤、耐候剤、など各種添加剤を、例えばリボンブレンダー、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、1軸あるいは2軸押出機などの通常の混合・混練機によって混合・混練し、次いで例えば、押出Tダイフィルム成形法、インフレーションフィルム成形法など通常の成形法でフィルムを製造することができる。
【0029】
上記方法で得られたポリオレフィン系樹脂被覆フィルムは、施設園芸ハウス・トンネルの被覆フィルムとして好適に使用される。
本発明で用いられる施設園芸ハウス・トンネルとは、通常、農家等で使用されているものであり、本発明のポリオレフィン系樹脂被覆フィルムにて被覆されたものである。また、施設園芸ハウス・トンネルに内張りカーテンを設置する場合も該フィルムを用いることができる。
【0030】
本発明に用いられる無機硫黄剤としては、例えば、石灰硫黄合剤、硫黄粉剤、水和硫黄剤、硫黄くん煙剤、石灰硫黄エアゾルなどが挙げられる。
これら無機硫黄剤は、農薬ハンドブック1985年版(農薬ハンドブック1985年版編集委員会編 日本植物防疫協会発行 1985年)に「無機硫黄剤は、殺菌剤としての殺菌成分は硫黄単体の微粒子と考えられている。その作用機作は単体硫黄による病原菌の電子伝達系遮断によるもので、それにより菌のATP合成が阻害され死滅にいたるものである。殺菌剤としての応用は1851年フランスでの石灰硫黄合剤の使用に始まる。作用特性としては、さび病、うどんこ病に殺菌効果を持ち、ハダニ、カイガラムシに対して殺虫効果を有している。りんご、かき、くり、なし、もも、ぶどう、みかんなど果樹類をはじめ、いちご、メロン、スイカ、きゅうり、野菜、ホップ、ムギ類、バラ、キク、スイトピー、茶、松、桑、芝などに適用されることが多い。(その用途、使用方法についてさらに詳しく記載されている。)。」と記載されているとおり、主に殺菌、殺虫を目的として、土壌および/または植物の処理に使用されるものである。
【0031】
本発明の無機硫黄剤で土壌および/または植物を処理する方法とは、通常、上述した本発明のポリオレフィン系樹脂被覆フィルムを覆われた施設園芸ハウス・トンネル内において、少なくとも1度の無機硫黄剤の散布を意味し、散布時期は栽培する植物の栽培を開始する前後のいずれの時期でもよい。
無機硫黄剤の散布方法および散布量は上記農薬ハンドブックに記載されている方法および量が準用できる。
【0032】
本発明で行われる植物の施設園芸ハウス・トンネル栽培方法は、上記した無機硫黄剤で土壌および/または植物を処理することを特徴とする栽培方法である。栽培される植物、イチゴ、メロン、スイカ、キュウリ、バラ、キクである。無機硫黄剤としては前記したような石灰硫黄合剤、水和硫黄剤、硫黄くん煙剤などが好ましく用いられる。無機硫黄剤は天然にある硫黄元素を含むものであり、有機系農薬の散布回数を減らす目的で用いられる。特にバラ(うどんこ病、ハダニ)、イチゴ(うどんこ病、ハダニ、灰色かび病)、キク(しろさび病)などの栽培に、電熱式硫黄くん蒸が有機系農薬低減に大きな効果を挙げている
【0033】
【発明の効果】
本発明のポリオレフィン系樹脂被覆フィルムを用いたハウス・トンネル栽培において、無機硫黄剤で土壌および/または植物を処理した場合、通常引き起こされる被覆フィルムの耐候性低下を著しく抑制でき、かつ有機系農薬の低減が可能となるイチゴ、メロン、スイカ、キュウリ、バラ、鉢花類、シダなどの電熱式硫黄くん煙による有機系農薬低減栽培も本発明により可能となる。本発明により、無機硫黄剤に耐性があり環境に優しいポリオレフィン系樹脂被覆フィルムを提供でき、有機系農薬を著しく低減した作物栽培が可能となる
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお実施例中の試験法は次の通りである。
(耐候性試験)
JIS1号ダンベルで打ち抜いた試験片を7倍水希釈した石灰硫黄合剤(多硫化カルシウム27.5%水溶液 北興化学工業製)に24時間浸漬後、洗浄、乾燥処理を施した。この試験片をサンシャインウェザー・オ・メーター(スガ試験機社製)においてブラックパネル温度63℃の条件下で経時曝露させた。経時させた試験片について、オートグラフDSS100(島津製作所製)を用いて、引張試験を行ない伸び率(%)を測定し、伸び率がもとの試験片の伸び率に対して半分になったときの耐候性試験時間(以下、「耐候性半減期」という)を求めた。この時間の値が大きいほど耐候性が優れていることを示し、1000時間を本テストの合格レベルとした。
伸び率(%)=〔破断時における標線間距離(mm)−引張試験前の標線間距離(mm)〕÷〔引張試験前の標線間距離(mm)〕×100
【0035】
(実施例1)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名エバテートH2020 酢酸ビニル含有量15重量% 住友化学工業製)に、ヒンダードアミン系化合物A(商品名チヌビン622−LD チバガイギー製)0.6重量%、ハイドロタルサイト類化合物(商品名DHT−4A 協和化学工業製)8.0重量%、紫外線吸収剤(商品名スミソーブ130 住友化学製)0.1重量%、酸化防止剤R(商品名 イルガノックス1010 チバガイギー製)0.1重量%、防曇剤としてモノグリセリンモノステアレート1.4重量%、ジグリセリンジステアレート0.6重量%、滑剤としてステアリン酸アミド0.2重量%(いずれも樹脂組成物中の重量%を示す。)を加え、バンバリーミキサーを用いて130℃、5分間混練後、造粒機により造粒し、組成物ペレットを得た。これを樹脂組成物▲1▼とする。
次に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名エバテートD2011 酢酸ビニル含有量5重量% 住友化学工業製)に、ヒンダードアミン系化合物A0.6重量%、紫外線吸収剤(商品名スミソーブ130 住友化学製)0.1重量%、酸化防止剤R0.1重量%、モノグリセリンモノステアレート1.4重量%、ジグリセリンジステアレート0.6重量%、ステアリン酸アミド0.2重量%(いずれも樹脂組成物中の重量%を示す。)を加え、樹脂組成物▲1▼と同様にペレットを得た。これを樹脂組成物▲2▼とする。樹脂組成物▲1▼を中間層に、樹脂組成物▲2▼を両外層としてインフレーションフィルム成形機によってフィルム厚み100μmのフィルム(中間層60μm、両外層20μm)を作製し、耐候性試験を行なった。結果は第1表に示したとおり優れたものであった。
【0036】
(実施例2〜4)
第1表に示した配合である以外は実施例1と同様にして、フィルムを得、耐候性試験を行なった。結果は第1表に示したとおり優れたものであった。
【0037】
(実施例5)
実施例1において樹脂組成物▲1▼、▲2▼にさらに防霧剤としてフッ素系界面活性剤(商品名 ユニダインRS403、ダイキン工業製)をそれぞれ0.1重量%添加した以外は実施例1と同様にしてフィルムを得、耐候性試験を行った耐候性半減期は1000時間以上であった。
【0038】
(比較例1〜4)
第1表に示した配合である以外は実施例1と同様にして、フィルムを得、耐候性試験を行なった。結果は第1表に示したとおり劣ったものとなった。(但し、耐候性試験において石灰硫黄合剤液浸漬しなかった場合には比較例3を除いて全例とも耐候性半減期1000時間以上であった。)
【0040】
(比較例5)
比較例1のフィルムを用いて実施例5と同様に行なった。フィルムは一部ハウス骨材のところで破れが生じた。
【0041】
(実施例7)
実施例1のフィルムを被覆したハウスでいちご栽培試験(岐阜県:とよのか、東西棟APハウス、1993年10月〜5月の間栽培し、電熱式硫黄くん蒸剤(商品名 新こなでん 東海物産製)によるくん蒸を行なった。くん蒸方法はハウス内100m当たり、くん蒸装置を1台設置し、1日8時間の割合で毎日くん蒸を行なった。硫黄くん蒸剤の使用量は、2ケ月で50gであった。栽培期間中うどんこ病、灰色かび病、ハダニなどを完全に抑えた。5月に南面フィルムをサンプリングし、引っ張り試験を上記耐候性試験に準じて行なった。結果は引っ張り強度、伸びとも90%以上の保持率であり、劣化は全く無かった。
【0042】
(比較例6)
比較例1のフィルムを用いて実施例6と同様に行なった。結果は引っ張り強度、伸びとも約40%の保持率に低下していた。
【0043】
【表1】
Figure 0003548645
【0044】
(参考例1)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名エバテートH2020 酢酸ビニル含有量15重量% 住友化学工業製)に、ヒンダードアミン系化合物A(商品名チヌビン622−LD チバガイギー製)0.3重量%、ハイドロタルサイト類化合物(商品名アルカマイザーDHT4A 協和化学工業製)3.0重量%、紫外線吸収剤(商品名スミソーブ130 住友化学製)0.1重量%、酸化防止剤R(商品名 イルガノックス1010 チバガイギー製)0.1重量%、防曇剤としてモノグリセリンモノステアレート1.4重量%、ジグリセリンジステアレート0.6重量%、滑剤としてステアリン酸アミド0.2重量%(いずれも樹脂組成物中の重量%を示す。)を加え、バンバリーミキサーを用いて130℃、5分間混練後、造粒機により造粒し、組成物ペレットを得た。これを樹脂組成物(1) とする。次に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名エバテートD2011
酢酸ビニル含有量5重量% 住友化学工業製)に、ヒンダードアミン系化合物A0.3重量%、紫外線吸収剤(商品名スミソーブ130 住友化学製)0.1重量%、酸化防止剤R0.1重量%、モノグリセリンモノステアレート1.4重量%、ジグリセリンジステアレート0.6重量%、ステアリン酸アミド0.2重量%(いずれも樹脂組成物中の重量%を示す。)を加え、樹脂組成物(1) と同様にペレットを得た。これを樹脂組成物(2) とする。樹脂組成物(1) を中間層に、樹脂組成物(2) を両外層としてインフレーションフィルム成形機によってフィルム厚み100μmのフィルム(中間層60μm、両外層20μm)を作製し、石灰硫黄剤に処理をおこなうことなく、耐候性試験を行なった。結果は耐候性半減期が950 時間であった。
【0045】
(参考例2)
紫外線吸収剤(商品名スミソーブ130 住友化学製)を使用しない以外は参考例1と同様にして、フィルム厚み100μmのフィルム(中間層60μm、両外層20μm)を作製し、石灰硫黄剤に処理をおこなうことなく、耐候性試験を行なった。結果は耐候性半減期が900 時間であった。

Claims (1)

  1. ヒンダードアミン系化合物、ハイドロタルサイト類化合物および紫外線吸収剤を含有するポリオレフィン系樹脂被覆フィルムで被覆された施設園芸ハウス・トンネル内で、土壌および/または植物を無機硫黄剤で処理する植物の栽培方法であって、該植物がイチゴ、メロン、スイカ、キュウリ、バラまたはキクである植物の栽培方法。
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