JP3541576B2 - 結像光学系 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、画像投影装置や画像読み取り装置に好適な、1次像を2次像に伝達する結像光学系に関し、更に詳しくは、像面に対して結像光学系の光軸が直角以外の角度をなす結像光学系(以下、斜め結像光学系と記す)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フィルムや液晶ディスプレイ等により提供される画像をスクリーン上に拡大投影する画像投影装置が、種々提案されている。このような画像投影装置では、近年、スクリーンの大画面化に伴い装置が大型化することが問題となっており、特に装置において最も大きなスペースを占める結像光学系の光路空間を小さくする必要が生じている。結像光学系の光路空間を小さくする方法の1つとして、スクリーンに対して斜め方向から画像を投影する方法がある。
【0003】
このような結像光学系について、図31を参照して説明する。図31(a)は、従来の画像を正面から投影する結像光学系を用いた画像投影装置、図31(b)は、スクリーンに対して斜め方向から投影する結像光学系を用いた画像投影装置の概略図である。
【0004】
従来の、図31(a)に記載された装置においては、スクリーン101を大画面化しようとすると、結像光学系100の占める光路空間が大きくなり、装置全体を小さくするには限界がある。
【0005】
一方、図31(b)の如く、斜め結像光学系を用いた装置では、結像光学系100'をスクリーン101'の近傍に配置することが可能である。そのため、斜め結像光学系を用いた装置を使用すると、スクリーンの大画面化と結像光学系の小型化とを両立することができ、特に画像投影装置の薄型化に対して効果的である。そして、この場合、投射光学系100'からスクリーン101'に入射する光束の入射角が大きければ大きいほど、望ましくは45度以上であれば、薄型化に対して有効である。
【0006】
また、この斜め結像光学系は、拡大光学系として用いた画像投影装置とは逆に、縮小光学系として用いて画像読み取り装置の光学系としても使用することができる。図32は、このような、画像読み取り装置の一例を示した模式図である。図32の装置は、画像読み取り面202の画像を、斜め結像光学系200を用いてCCD201に縮小投影している。このような画像読み取り装置においても画像読み取り面202の法線から45度以上斜め方向から読み取るのであれば、画像読み取り装置を薄型化し、読み取り面積を大きくするのに有効である。
【0007】
以上、具体例で説明したように、斜め結像光学系は光学系を有する装置の薄型化と画像の大面積化を両立できるので効果的である。ところが、斜め結像光学系においては、像面と入射光線の光軸のなす角が大きくなるほどkeystone歪と呼ばれる台形状の歪曲の影響が顕著となる。このため、従来より歪曲を除去するために様々な斜め結像光学系が提案されている。
【0008】
例えば、特開平4−107521号公報は、第1及び第2のアフォーカル光学系と、それら両光学系の間に配置されたフレネル反射ミラーとからなる投射光学系を採用している。この光学系において、原画像を第1のアフォーカル光学系でフレネル反射ミラー上に拡大結像させて中間像を得て、この中間像を第2のアフォーカル光学系でさらに所定角度傾いたスクリーン上に拡大投影することで最終投影画像の歪曲を補正できるとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報記載の従来技術は、光学系の途中で、一旦実像を結像させるため、第1及び第2投射光学系が非常に複雑なレンズ構成となっている。また、一旦実像を形成する構成によって光学系の全長も長くなり、斜め投影光学系を用いるメリットを十分活かしているとは言い難い。さらに、中間で実像を投影するフレネル反射ミラーは非常に特殊な光学素子であり、その製造も容易ではない。これらの問題は、このような結像光学系を画像読み取り装置に用いた場合も、同様に発生する。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑み、特殊な光学素子を使用することなく簡単な構成にて良好に歪曲収差を除去するとともに、コンパクトな結像光学系を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の結像光学系は、光路の途中で中間像を形成することなく、1次像を2次像に拡大あるいは縮小して伝達する結像光学系であって、縮小側から順に、投影光学系と、正のパワーを有し、拡大側面に対してその光軸が直角以外の角度をなして配置された反射光学系と、から構成され、前記反射光学系と拡大側面との間の何れの主光線も、拡大側面とのなす角が一定であるとともに、前記反射光学系の反射面に入射する光軸光線と反射光学系にて反射された光軸光線のなす角が90度以下であり、縮小側面を前記投影光学系の光軸に対して前記反射光学系と同一の方向に傾けた構成であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項2記載の結像光学系は、請求項1記載の結像光学系において、前記投影光学系を構成する光学素子が、軸対称であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項3記載の結像光学系は、請求項1記載の結像光学系において、前記投影光学系と縮小側面との間の何れの主光線も、縮小側面とのなす角が常に一定であることを特徴とする。
【0015】
なお、本明細書の説明において、「主光線」とは任意の物点からの光束においてその光束の中心を通る光線として定義し、「光軸光線」とは縮小側面の原点と拡大側面の原点とを通る光束の中心を通る光線として定義する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る結像光学系の歪曲収差の補正原理を説明する。なお、以下の説明では、簡単のため縮小側を物面,拡大側を像面とした拡大投影光学系の例を示す。
【0017】
図13は、大きく偏心した面を含まない投影光学系を用いて、斜め方向から物面の画像を像面に投影した様子を示す概略図である。図示の如く、大きく傾いた方向から像面に主光線が入射するとき、物面では物面と投影光学系の光軸との交点から距離が等しい物点も、像面では像面と投影光学系の光軸との交点から像点までの距離a,a'が大きく異なってしまう。このようにして発生する倍率の差が、keystone歪と呼ばれる歪曲収差の発生原因である。
【0018】
図14は、本発明の結像光学系の歪曲収差の補正の基本的な考え方を示す概略図である。図14の光学系では先に説明した投影光学系と像面との間に、新たに正のパワーを有する光学系を配置している。このとき、正のパワーを有する光学系を、主光線と像面とのなす角が一定となるように配置すれば、前述の距離a,a'を、概略等しくすることができる。
【0019】
このように、正のパワーを有する光学系を配置することによって、keystone歪を効果的に補正することができる。本発明に係る結像光学系の歪曲収差の補正原理によれば、光路の途中で中間像を形成する必要がないので結像光学系の全長を短くすることができ、投影光学系に用いられるレンズ枚数を少なくすることができる。
【0020】
また、本発明に係る結像光学系は、前述のように像面に配置されるスクリーンへ入射する主光線と像面とのなす角が一定となる。そのため、全面にわたって同一方向から入射する光線を観察者の方向に拡散することができ、特定の方向からのみ画像を観察できるような指向性スクリーンの製作が容易になる。
【0021】
さらに、本発明に係る結像光学系は、図15の如く、歪曲収差の補正のために付加した正のパワーを有する光学系を反射光学系とすることによって、光学系全体が占有するスペースを小さくしている。しかしながら、正のパワーを有する光学系として、単純に反射光学系を配置するだけでは、新たな歪曲収差が発生してしまい、好ましくない。
【0022】
この新たな歪曲収差の発生について、図15,16を参照して説明する。図15は、正のパワーを有する光学系を反射光学系とした配置を表わす概略図、図16は、図15の光学系において、説明のため正のパワーを有する反射光学系を光学的に等価な透過系に置換した図である。反射光学系を付加した場合、反射光学系は投影光学系の光軸に対して傾けて配置する必要がある。すなわち、反射光学系を所定の角度だけ傾けて配置しなければ、画像を投影光学系と重ならない位置に導くことができない。ところが、図16からも分かるように、正のパワーを有する光学系を投影光学系の光軸に対して傾けて配置すると、物面で投影光学系の光軸から等距離にある2つ物点に対応する主光線は、異なる入射高さで反射光学系に入射する。その結果、像面と投影光学系の光軸との交点から像点までの距離a,a'は、異なってしまう。
【0023】
本発明に係る結像光学系では、以上説明したような正のパワーを有する反射光学系を用いたことに起因する歪曲収差を、以下に示す2つの構成を単独であるいは組み合わせて採用することにより補正している。新たな歪曲収差の補正のための第1の構成は、図17の如く、投影光学系を複数の互いに回転偏心を有するレえンズ群に分割する構成である(ただし、図17では、簡単のため、反射光学系を透過系として図示)。すなわち、投影光学系のうち、一部のレンズ群(この場合、像側群)を、物体面で光軸からの距離が同一である主光線の反射光学系への入射高さが揃うように回転偏心させる。このように投影光学系を構成することによって、物体面で光軸からの距離が同一である主光線の反射光学系へ入射高さが略同一になり、新たな歪曲収差を補正することができる(後述する実施例1,2,3,4)。
【0024】
また、新たな歪曲収差の補正のための第2の構成は、図18の如く、物体面を投影光学系の光軸に対して反射光学系と同一の方向に傾ける構成である(ただし、図18では、簡単のため、反射光学系を透過系として図示)。このように構成することによって、反射光学系への入射高さを補正することができ、歪曲収差が補正される(後述する実施例2,3,4,5,6)。
【0025】
さらに、図17の如く、物面から投影光学系に主光線を略平行に入射させる構成を採用すると、投影光学系の構成を簡単にすることができるとともに、結像性能がさらに向上し好ましい(後述する実施例3,4)。
【0026】
また、本発明にかかる結像光学系では、光軸光線が正のパワーを有する反射光学系で反射するときの光軸光線のなす角φが、90度以下となるように配置することが望ましい。図33は、光軸光線が正のパワーを有する反射光学系に反射するときの角φが90度以下となる場合(a)、90度以上となる場合(b)のそれぞれの配置の様子を表す概略図である。(a)図と(b)図の構成を比較すると、像面に配置されるスクリーンへ入射する主光線と像面とのなす角を一定にする場合、(b)図よりも(a)図の構成の方が、より反射光学系の有効径を小さくすることができることがわかる。すなわち、(a)図のように角φを90度より小さくすると、反射光学系はより小さな有効面積でよく、結像光学系全体のコンパクト化に有利な構成となる。さらに、角φを90度以下にした(a)図の構成では、各光線の反射光学系の反射面上での反射点と、拡大側像面と、をより接近させることができ、装置の薄型化にも寄与することができる。また、一般に正のパワーを有する反射面で光軸光線が反射されるときの反射角は小さいほど、反射面で発生する非点収差とコマ収差の発生量を小さくすることができ、(a)図の構成は(b)図の構成よりも収差補正の観点からも有利な構成となる。
【0027】
以上、詳述したように、本発明に係る結像光学系は、中間像を形成することなく歪曲収差を良好に補正できるとともに、反射光学系を用いているため、コンパクトで高性能な結像光学系を提供することができる。
【0028】
【実施例】
以下の表1〜表6は、本発明に係る結像光学系の実施例1〜6のコンストラクションデータである。各実施例は、何れも、縮小側を1次像面、拡大側を2次像面として配置し、結像光学系を画像投影装置に適用されるような拡大光学系として用いた例を示している。
【0029】
ただし、各記号は、grpi:縮小側からi番目のレンズ(ミラー)群、ri:縮小側から数えてi番目の面と、その曲率半径の値、di:縮小側から数えてi番目の間隔と、その軸上面間隔の値、Ni:Tiの媒質のd線に対する屈折率で、空欄の場合は空気の屈折率1.00000に相当、OBJ:縮小側像面(1次像面)、IMG:拡大側像面(2次像面)、である。
【0030】
各実施例の結像光学系では、記号grpiで示された各群に属する光学素子同士は互いに偏心することなく共通の光軸を共有する一方、それぞれの群同士は互いに所定の回転角をもって配置されている。
【0031】
また、grpi,OBJ,IMGの後に記された小括弧の中の4つの値は、左から順に、光学系が配置されている空間に対して定義された3次元絶対座標系のx,y,z(単位はmm)の値、及びz軸回りの回転角(単位は度)を表わしている。
【0032】
ここで、grpiの座標値は、縮小側からi番目のレンズ群の最も縮小側に配置された面の中心の座標を表わし、OBJ,IMGの座標値は、各像面の有効画像エリアの中心の座標を表わす。この3次元絶対座標系は、実施例1では、第2群grp2の光軸方向がx軸方向、実施例2〜6では、第1群grp1の光軸方向がx軸方向である。
【0033】
また、grpiの回転角は、縮小側からi番目のレンズ群が共有する光軸が、x軸を基準としてz軸まわりに回転した角を表わし、OBJ,IMGの回転角は、各像面の法線がx軸を基準としてz軸まわりに回転した角を表わす。なお、回転角は、x軸を基準に時計回りを正符号としている。
【0034】
なお、縮小側像面OBJにおいて、ymax,ymin,xmax,xminは、縮小側面のエリアが、(xmax,ymax),(xmin,ymax),(xmax,ymin),(xmin,ymin)の4点で囲まれる領域であることを示す。
【0035】
さらに、一部の面に付されたrの後の記号*は、その面がトーリック面あるいは自由曲面であることを示す記号で、これらの面形状は以下の式により定義される。
【0036】
【数1】
【0037】
ただし、上記式において、▲1▼はトーリック面の形状、▲2▼は自由曲面(2次曲面からのズレを表わす付加項)である。各項は、以下の意味を有する。
トーリック面の形状トーリック面の形状は、以下の関数方程式の解として定義される。
【0038】
【数2】
【0039】
自由曲面モAij・yi・zjの項は、2次曲面からのズレを表わす項である。ただし、Aij:自由曲面係数、yi:yのi乗を表わす記号、zj:zのj乗を表わす記号、である。
【0040】
コンストラクションデータのうち、実施例2のr16*及び実施例4のr10*に示されたマトリックスは上記自由曲面係数を表わし、横欄はiの値、縦欄はjの値に対応する。例えば、i=3,j=2の欄に記載されている値は、自由曲面係数A23の値を表わす。さらに、各係数にあるEの文字は、各係数の指数部分に相当し、例えば、1.0E+02であれば、1.0ラ102であることを示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
[実施例1]
図1は実施例1の結像光学系のxy平面に平行な方向から見た光路図、図2は実施例1の結像光学系の投影光学系L1の拡大図である。実施例1の結像光学系は、縮小側面から順に、正のパワーを有する第1群grp1と、負のパワーを有する第2群grp2と、負のパワーを有する第3群grp3と、負のパワー第4群grp4と、第5群grp5とからなり、これらの群のうち第1群grp1乃至第4群grp4で、投影光学系L1を構成している。
【0048】
第1群grp1は、縮小側面が縮小側に凹面を向けたトーリック面である正メニスカス形状の第1レンズg1、1枚からなる。第2群grp2は、縮小側から、縮小側に凸面を向けた正メニスカス形状の第2レンズg2と、両凹形状の第3レンズg3と、縮小側面が開口絞りを付した平面で拡大側面が拡大側に凸面を向けたトーリック面である平凸レンズ形状の第4レンズg4と、両凹形状の第5レンズg5と、第5レンズg5の縮小側面に拡大側面を接合させてなる両凸形状の第6レンズg6とからなる。第3群gpr3は、縮小側に凹面を向けた負メニスカス形状の第7レンズg7、1枚からなる。第4群gpr4は、縮小側に凹面を向け、拡大側面が拡大側に凸面を向けたトーリック面である負メニスカス形状の第8レンズg8、1枚からなる。第5群grp5は、正のパワーを有し、トーリック面である凹面形状の反射面m1、1枚からなる。実施例1の結像光学系において、拡大側像面IMGに入射する主光線は、互いに略平行であり、光軸光線の拡大側像面IMGへの入射角θは56°、反射面での光軸光線のなす角φは19°である。また、拡大側像面IMGに形成される像の縦横の倍率比は略1と等しく、縮小側像面OBJの画像を偏倍することなく伝達する。
【0049】
[実施例2]
図3は実施例2の結像光学系のxy平面に平行な方向から見た光路図、図4は実施例2の結像光学系の投影光学系L1の拡大図である。実施例2の結像光学系は、縮小側面から順に、正のパワーを有する第1群grp1と、負のパワーを有する第2群grp2と、負のパワーを有する第3群grp3と、第4群grp4とからなり、これらの群のうち第1群grp1乃至第3群grp3で、投影光学系L1を構成している。
【0050】
第1群grp1は、縮小側面がzx平面に平行な断面(図3の紙面に平行な面)が凹面,xy平面に平行な断面(図3の紙面に垂直な面)が凸面である鞍状面を有する第1面r1と、拡大側に凸面を向けた球面の第2面r2とを有する第1レンズg1、1枚からなる。第2群grp2は、縮小側から、縮小側に凸面を向けた正メニスカス形状の第2レンズg2と、両凹形状の第3レンズg3と、縮小側面が開口絞りを付した平面で拡大側面が拡大側に凸面を向けたトーリック面である平凸レンズ形状の第4レンズg4と、両凹形状の第5レンズg5と、第5レンズg5の縮小側面に拡大側面を接合させてなる両凸形状の第6レンズg6と、縮小側に凹面を向けた負メニスカス形状の第7レンズg7とからなる。第3群grp3は、縮小側に凹面を向け、拡大側面が拡大側に凸面を向けたトーリック面である正メニスカス形状の第8レンズg8、1枚からなる第4群grp4は、正のパワーを有し、自由曲面である反射面m1、1枚からなる。実施例2の結像光学系において、拡大側像面IMGに入射する主光線は、互いに略平行であり、光軸光線の拡大側像面IMGへの入射角θは65°、反射面での光軸光線のなす角φは13°である。また、拡大側像面IMGに形成される像の縦横の倍率比は略1に等しく、縮小側像面OBJの画像を偏倍することなく伝達する。
【0051】
[実施例3]
図5は実施例3の結像光学系のxy平面に平行な方向から見た光路図、図6は実施例3の結像光学系の投影光学系L1の拡大図である。実施例3の結像光学系は、縮小側面から順に、正のパワーを有する第1群grp1と、第2群grp2とからなり、これらの群のうち第1群grp1と第2群grp2の一部で、投影光学系L1を構成している。このように、実施例3の結像光学系は、共軸系を2つ組み合わせた非常にシンプルな構成となっている。
【0052】
第1群grp1は、縮小側から、両凸形状の第1レンズg1と、縮小側に凸面を向けた正メニスカス形状の第2レンズg2と、両凹形状の第3レンズg3とからなる。第2群grp2は、縮小側から、開口絞りSと、縮小側に凹面を向けた弱い正メニスカス形状の第4レンズg4と、正のパワーを有し自由曲面である反射面m1とからなる。実施例3の結像光学系において、縮小側像面OBJから第1レンズg1に入射する主光線、及び拡大側像面IMGに入射する主光線は、互いに略平行であり、光軸光線の拡大側像面IMGへの入射角θは70°である。
【0053】
[実施例4]
図7は実施例4の結像光学系のxy平面に平行な方向から見た光路図、図8は実施例4の結像光学系の投影光学系L1の拡大図である。実施例4の結像光学系は、縮小側面から順に、正のパワーを有する第1群grp1と、負のパワーを有する第2群grp2と、第3群grp3とからなり、これらの群のうち第1群grp1及び第2群grp2で、投影光学系L1を構成している。
【0054】
第1群grp1は、縮小側から、両凸形状の第1レンズg1と、縮小側に凸面を向けた正メニスカス形状の第2レンズg2と、両凹形状の第3レンズg3とからなる。第2群grp2は、縮小側から、開口絞りSと、縮小側に凹面を向けた弱い負メニスカス形状の第4レンズg4とからなる。第3群grp3は、正のパワーを有し、自由曲面である反射面m1、1枚からなる。このように、実施例4の投影光学系は、すべて回転対称な面から構成されている。そのため、各光学素子は製造が容易で安価な光学系を提供することができる。
【0055】
実施例4の結像光学系において、縮小側像面OBJから第1レンズg1に入射する主光線、及び拡大側像面IMGに入射する主光線は、互いに略平行であり、光軸光線の拡大側像面IMGへの入射角θは74°、反射面での光軸光線のなす角φは16°である。
【0056】
[実施例5]
図9は実施例5の結像光学系のxy平面に平行な方向から見た光路図、図10は実施例5の結像光学系の投影光学系L1の拡大図である。実施例5の結像光学系は、縮小側面から順に、正のパワーを有する第1群grp1と、第2群grp2とからなり、これらの群のうち第1群grp1は、投影光学系L1を構成している。
【0057】
第1群grp1は、縮小側から、縮小側に凹面を向けた正メニスカス形状の第1レンズg1と、両凸形状の第2レンズg2と、縮小側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズg3と、縮小側に凸面を向けた負メニスカス形状の第4レンズg4と、開口絞りSと、縮小側に凹面を向けた負メニスカス形状の第5レンズg5と、縮小側に凹面を向けた正メニスカス形状の第6レンズg6と、縮小側に凹面を向けた正メニスカス形状の第7レンズg7と、縮小側に凹面を向けた正メニスカス形状の第8レンズg8とからなる。第2群grp3は、正のパワーを有する球面の反射面m1、1枚からなる。このように、実施例5の投影光学系は、すべて回転対称な面から構成されている。そのため、各光学素子は製造が容易で安価な光学系を提供することができる。
【0058】
実施例5の結像光学系において、縮小側像面OBJから第1レンズg1に入射する主光線、及び拡大側像面IMGに入射する主光線は、互いに略平行であり、光軸光線の拡大側像面IMGへの入射角θは55°、反射面での光軸光線のなす角φは24°である。さらに、実施例5の結像光学系では、縮小側像面OBJは、光軸光線に対して反射面m1と同じ方向に傾いて配置されている。
【0059】
[実施例6]
図11は実施例6の結像光学系のxy平面に平行な方向から見た光路図、図12は実施例6の結像光学系の投影光学系L1の拡大図である。実施例6の結像光学系は、縮小側面から順に、正のパワーを有する第1群grp1と、第2群grp2とからなり、これらの群のうち第1群grp1は、投影光学系L1を構成している。
【0060】
第1群grp1は、縮小側から、縮小側に凸面を向けた正メニスカス形状の第1レンズg1と、両凸形状の第2レンズg2と、第2レンズg2の拡大側面に縮小側面を接合させてなる両凹形状の第3レンズg3と、開口絞りSと、両凹形状の第4レンズg4と、第4レンズg4の拡大側面に縮小側面を接合させてなる両凸形状の第5レンズg5と、縮小側に凹面を向けた弱い負メニスカス形状の第6レンズg6と、縮小側に凹面を向けた正メニスカス形状の第7レンズg7とからなる。第2群grp2は、正のパワーを有する球面反射面m1、1枚からなる。このように、実施例6の投影光学系も、すべて回転対称な面から構成されている。そのため、各光学素子は製造が容易で安価な光学系を提供することができる。
【0061】
実施例6の結像光学系において、縮小側像面OBJから第1レンズg1に入射する主光線、及び拡大側像面IMGに入射する主光線は、互いに略平行であり、光軸光線の拡大側像面IMGへの入射角θは53°、反射面での光軸光線のなす角φは23°である。さらに、実施例6の結像光学系では、縮小側像面OBJは、光軸光線に対して反射面m1と同じ方向に傾いて配置されている。
【0062】
[各実施例の収差]
図19〜24は、各実施例の結像光学系の歪曲収差の様子を示す図である。各図は、縮小側像面OBJに、実施例1,2,5では60mmラ48mm,実施例3,4では40mmラ40mm,実施例6では36mmラ24mmのエリアを格子状に区切った画像を配置した場合の拡大側像面IMGの様子を示している。各図において、実線は実際の画像,点線は歪曲が全く発生していない参照画像を示す。
【0063】
また、図25〜30は、それぞれ、実施例1〜6の結像光学系のスポットダイヤグラムである。各図中、座標で示された値は、縮小側像面上での対応するyz座標を表わす。
【0064】
[変形例]
本発明に係る結像光学系は、上記各実施例に限定されることなく、発明の趣旨を変更しない範囲で適宜、変更可能である。例えば、上記各実施例では反射光学系として凹面ミラーを用いた例を示したが、屈折系と組み合わせる構成、すなわち正レンズと平面ミラーや正レンズあるいは負レンズと凹面ミラー等の組合せとしてもよい。
【0065】
また、上記各実施例の結像光学系を、拡大側を1次像面とし、縮小側を2次像面として、画像読み取り装置の光学系として使用してもよいことは言うまでもない。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る結像光学系は、フレネル反射ミラーなどの特殊な光学素子を用いることなく、簡単な構成によって良好に歪曲収差を除去することができる。また、光路の途中で中間像を形成しないので、光学系全体をコンパクトに構成することができる。
【0067】
本発明の結像光学系を、画像投影装置や画像読み取り装置に適用すれば、形成される画像の品質を劣化させることなく、当該装置の大画面化,薄型化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の光路図
【図2】実施例1の投影光学系のレンズ配置図
【図3】実施例2の光路図
【図4】実施例2の投影光学系のレンズ配置図
【図5】実施例3の光路図
【図6】実施例3の投影光学系のレンズ配置図
【図7】実施例4の光路図
【図8】実施例4の投影光学系のレンズ配置
【図9】実施例5の光路図
【図10】実施例5の投影光学系のレンズ配置図
【図11】実施例6の光路図
【図12】実施例6の投影光学系のレンズ配置図
【図13】歪曲収差の原因を説明する概略図
【図14】本発明の結像光学系の歪曲収差の補正を説明する概略図
【図15】本発明の結像光学系の歪曲収差の補正を説明する概略図
【図16】本発明の結像光学系の歪曲収差の補正を説明する概略図
【図17】本発明の結像光学系の歪曲収差の補正を説明する概略図
【図18】本発明の結像光学系の歪曲収差の補正を説明する概略図
【図19】実施例1の歪曲収差を表わす図
【図20】実施例2の歪曲収差を表わす図
【図21】実施例3の歪曲収差を表わす図
【図22】実施例4の歪曲収差を表わす図
【図23】実施例5の歪曲収差を表わす図
【図24】実施例6の歪曲収差を表わす図
【図25】実施例1のスポットダイヤグラム
【図26】実施例2のスポットダイヤグラム
【図27】実施例3のスポットダイヤグラム
【図28】実施例4のスポットダイヤグラム
【図29】実施例5のスポットダイヤグラム
【図30】実施例6のスポットダイヤグラム
【図31】従来の結像光学系及び本発明に係る結像光学系を適用した画像投影装置の概略図
【図32】結像光学系を適用した画像読み取り装置の概略図
【図33】投影光学系と投影光学系の配置を示す概略図
【符号の説明】
OBJ:物体面
IMG:像面
L1:投影光学系
m1:反射面
Claims (3)
- 光路の途中で中間像を形成することなく、1次像を2次像に拡大あるいは縮小して伝達する結像光学系であって、縮小側から順に、
投影光学系と、
正のパワーを有し、拡大側面に対してその光軸が直角以外の角度をなして配置された反射光学系と、から構成され、
前記反射光学系と拡大側面との間の何れの主光線も、拡大側面とのなす角が一定であるとともに、前記反射光学系の反射面に入射する光軸光線と反射光学系にて反射された光軸光線のなす角が90度以下であり、
縮小側面を前記投影光学系の光軸に対して前記反射光学系と同一の方向に傾けた構成であることを特徴とする結像光学系。 - 前記投影光学系を構成する光学素子が、軸対称であることを特徴とする請求項1記載の結像光学系。
- 前記投影光学系と縮小側面との間の何れの主光線も、縮小側面とのなす角が一定であることを特徴とする請求項1記載の結像光学系。
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