JP3478765B2 - ルテニウムカルボニル錯体を用いる環状エーテルの開環重合およびそれから得られるシリル化鎖状ポリエーテル - Google Patents
ルテニウムカルボニル錯体を用いる環状エーテルの開環重合およびそれから得られるシリル化鎖状ポリエーテルInfo
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Description
重合の分野に属し、特に、ルテニウムカルボニル触媒を
用いて環状エーテルを開環ヒドロシリル化してシロキシ
化鎖状ポリエーテルを製造する新規な方法に関する。 【0002】 【従来の技術】不飽和化合物が遷移金属錯体から成る触
媒の存在下にヒドロシリル化することはよく知られてお
り、コバルトカルボニル錯体Co2(CO)8触媒を中
心に多くの研究が行われている。また、ケトン等のカル
ボニル化合物のヒドロシリル化に関する研究も各種の金
属触媒を用いて行われているが、THF(テトラヒドロ
フラン)のような環状エーテル類の開環的な還元反応の
例は専らCo2(CO) 8を用いた場合に限られてお
り、特に、環状エーテルの開環ヒドロシリル化によりシ
リル化ポリマーを得ることを目的とした触媒反応系とし
て提示された技術は殆ど見当たらない。 【0003】例えば、Chalkらは、Co2(CO)8を
触媒としてヒドロシランの存在下でTHFが開環重合す
るという短い報告を行っている〔J. Chem. Soc., Chem.
Commun., 847(1970)〕が、生成物の末端解析などは行
われておらず、どのようなポリマーが得られたか不明で
ある。 【0004】環状化合物の開環ヒドロシリル化によりポ
リマーを得る数少ない触媒反応の例として、特開平6−
100688号公報には、金属触媒の存在下にエポキシ
ド化合物とSi−H官能性ケイ素化合物を反応させてシ
リコーン/ポリエーテル共重合体を製造する方法が開示
されているが、具体的に用いられている金属触媒は白金
触媒(アシュビー触媒)であり、また、ケイ素化合物と
してはポリシロキサンが用いられている。さらに、特開
平6−172510号公報には、SiH含有化合物(シ
ラン類)を助触媒とするヘテロ環モノマーおよびポリマ
ーの接触開環重合が開示されているが、用いる触媒はコ
バルトカルボニル錯体に限定されている。また、得られ
る生成物は単に原料となるヘテロ環モノマー等がポリマ
ー化したものとしてしか記述されていない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
より多用されているものとは別異の触媒を用いて、環状
エーテルを効率的に開環重合して新しいタイプのシリル
化ポリマーを生成することができる技術を提供すること
にある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、このたび、
エーテル構造から成る反復単位を有するとともに、その
末端が各種の官能基または原子を有するシロキシ基から
成る新規なシリル化ポリマーを得る手法を案出し、本発
明を導き出した。 【0007】かくして、本発明は、先ず、下記の一般式
(I)で表わされるシリル化鎖状ポリエーテルを提供す
る。 【0008】 【化4】 【0009】式(I)中、mは3〜7の整数であり、n
は式(I)のポリエーテルの数平均分子量が500〜5
00,000となるような整数であり、また、X1、X
2およびX3は互いに同一または別異の官能基または原
子から選ばれるものである。 【0010】本発明に従えば、上記のごときシリル化鎖
状ポリエーテルを製造する方法として、2〜4個のルテ
ニウム原子にカルボニル基が配位した多核ルテニウムカ
ルボニル錯体から成る触媒の存在下に、4員環〜8員環
の環状エーテルと少なくとも1個の水素原子を保有する
シランを5〜80℃において反応させることを特徴とす
る方法が提供される。 【0011】本発明の方法において使用される触媒とし
て特に優れた多核ルテニウムカルボニル錯体は、下記の
式(II)または(III)で表わされるアセナフチレンま
たはアズレンの配位した3核ルテニウムカルボニル錯体
である。 【0012】 【化5】 【0013】 【化6】 【0014】本発明の方法は、環状エーテルとして特に
テトラヒドロフランまたはオキセタンを開環重合するの
に適している。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明において触媒として用いら
れる2〜4個のルテニウム原子にカルボニル基が配位し
た多核ルテニウムカルボニル錯体の例は図1に示されて
いる。このような多核ルテニウムカルボニル錯体は、後
述の実施例からも明らかなように、本発明に従い、環状
エーテルの開環ヒドロシリル化反応を促進する触媒とし
て、従来より用いられていたCo2(CO)8のような
コバルトカルボニル錯体から成る触媒よりも安定であ
り、特に触媒濃度が低いときに活性が高い点において優
れている。 【0016】とりわけ、図1中の1〔上記の式(II)〕
または5〔上記の式(III)〕で表わされるようなアセ
ナフチレンまたはアズレンの配位した3核ルテニウムカ
ルボニル錯体は、開環ヒドロシリル化反応を効率的に進
める点から特に優れている。このような多核ルテニウム
カルボニル錯体触媒が開環ヒドロシリル化反応を促進す
る理由は未だ完全には解明されていないが、アセナフチ
レンやアズレンが配位することにより、金属(Ru)に
強く結合して外れにくいカルボニル基の配位する数が少
なくなるためRu原子が容易に変位してSi原子を導入
し易くするためと考えられる。コバルトカルボニル化合
物においては、このようにアセナフチレンやアズレンが
配位することはできない。 【0017】本発明に従う開環ヒドロシリル化反応は、
次の式(IV)で総括的に表わすことができる。 【0018】 【化7】 【0019】上記(IV)式中、(A)は原料となる環状
エーテルを表わし、mは3〜7の整数である。すなわ
ち、本発明が対象とする環状エーテルは4員環〜8員環
を形成しているものであり、オキセタン(4員環)、テ
トラヒドロフラン(THF:5員環)、ピラン(6員
環)、オキセパン(7員環)によって例示される。多核
ルテニウムカルボニル錯体触媒を用いる本発明の方法
は、特にオキセタンおよびテトラヒドロフランを開環重
合し、対応するシロキシ化鎖状ポリエーテルを合成する
のに特に適している。なお、(A)で表わされる環状エ
ーテルは、開環重合およびヒドロシリル化反応が阻害さ
れない限り、水素原子の一部が置換されていてもよく、
そのような置換環状エーテルも本発明が対象とする環状
エーテルに包含されている。そのような置換環状エーテ
ルを用いた場合には、得られる(C)の鎖状ポリエーテ
ルのエーテル構造中に対応する置換基が含まれることに
なる。 【0020】式(IV)において(B)は、従来から知ら
れているような各種のシランである。したがって、式
(B)中、X1、X2およびX3は互いに同一または別
異の各種の官能基または原子から選ばれる。好ましい官
能基または原子の例としては、水素原子、ハロゲン原
子、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、チオアルキ
ル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアミノ
基、ビニル基、シロキシ基、オルガノシロキシ基、オル
ガノシリル基、複素環基(ピリジル基など)などが挙げ
られる。アルキル基、アルコキシ基、チオアルキル基、
アルキルアミノ基、オルガノシロキシ基、オルガノシリ
ル基などにおける炭素数は特に限定されるものではない
が、一般に炭素数1〜18である。 【0021】(A)で表わされる環状エーテルと(B)
で表わされる少なくとも1個の水素原子を保有するシラ
ンとを上記のごとき多核ルテニウムカルボニル錯体触媒
の存在下に反応させることにより、原料環状エーテルに
対応する反復単位(CH2) mOを有するとともに、末
端が各種の官能基または原子(X1、X2、X3)を有
するシロキシ基(−OSi)から成る式(IV)の(C)
〔すなわち、上記の式(I)〕で表わされる鎖状ポリエ
ーテルが得られる。したがって、式(I)におけるmは
3〜7の整数であり、X1、X2およびX3は(B)に
関連して説明したような官能基または原子から選ばれる
ものである。また、本発明によって得られるポリエーテ
ルの分子量は特に限定されるものではないが、通常、S
EC(サイズ排除クロマトグラフィー)による数平均分
子量(Mn)として約500〜500,000である。
したがって、式(I)におけるnはこのような分子量に
なるような値(整数)である。 【0022】反応は常圧または減圧下に5〜80℃にお
いて行われるが、減圧下(10−2〜10−4Torr)に
行う方が好ましい。また、溶液重合またはバルク重合の
いずれも可能である。溶液重合を行う場合の好適な溶媒
としては、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、ジエ
チルエーテル等が挙げられる。反応時間は、一般に、2
〜100時間である。 【0023】多核ルテニウムカルボニル錯体から成る触
媒を用いて環状エーテルを開環ヒドロシリル化する本発
明の特徴は、適当な官能基または原子(X1、X2、X
3)で置換されたシランを選択することにより、得られ
るポリマーの末端を制御して各種の置換基(X1、
X2、X3)を有するシロキシ基を確実に導入し得るこ
とである。このようなことは従来の単なる環状エーテル
の開環重合には見られなかったことである。さらに、本
発明の開環重合法によれば、温度とシラン濃度を調整す
ることにより、ポリマー(シリル化鎖状ポリエーテル)
の分子量を制御することができ、しかもその分子量分布
のきわめて小さいポリマーを得ることができる。 【0024】かくして、末端にシロキシ基を有する本発
明のシリル化鎖状ポリエーテルは、各種の分野において
使用されることができる。すなわち、本発明のポリエー
テルは、末端にシロキシ基を有するために脂溶性があ
り、さらに、それに結合している置換基に応じてポリマ
ーとしての性質を容易に変えることができるので、例え
ば、接着剤組成物などの各種組成物に混合されて該組成
物の性質を改変するような成分として用いることができ
る。その他、ポリマーブレンドとしての用途なども考え
られる。 【0025】 【実施例】以下に、本発明の特徴をさらに明かにするた
め実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって限
定されるものではない。なお、本明細書および図面中の
記述において、Meはメチル基、Phはフェニル基を表
わし、また、Mnは数平均分子量、Mwは重量平均分子
量、SECはサイズ排除クロマトグラフィー(ゲル浸透
クロマトグラフィー)をそれぞれ意味する。 【0026】実施例1:THFの溶液重合 NMRで反応を追跡しながら重合挙動を検討するため、
C6D6(重水素化ベンゼン)を添加した系で環状エー
テルとしてTHF(テトラヒドロフラン)の溶液重合を
行った。 【0027】図に示す触媒1〔(ACE)Ru3(C
O)7:アセナフチレンの配位した3核ルテニウムカル
ボニル錯体〕(0.5mg)、THF(0.62mL)、C6
D6(50μL)、およびシランとしてHSiMe2Ph
(120μL)をアルゴン置換した5ΦNMR管に窒素ガ
ス雰囲気下で入れ、3回溶液を凍結脱気した〔冷媒:液
体窒素、減圧度10−3Torr(トール)以下〕。NMR
管を減圧下でバーナーで封じ、封管を40±1℃に設定
した恒温槽に入れ、定期的に1HNMRを測定して反応
を追跡した。20時間後、ほぼ40%のヒドロシランが
消失し、THFが57%の転化率に達した時点で、TH
Fの転化率に変化がなくなることを確認した。 【0028】この時点の1HNMRチャートを図2に示
す。典型的なポリTHFのピークが1.5、3.2ppmに現
われるとともに、このポリTHFがメチル末端を持つこ
とが0.8ppmに出現する3重線(J=7.3Hz)によ
り、また、酸素原子に結合したPhMe2Si基をもつ
ことが、7.1〜7.5ppmに現われるそれぞれ一重線、多
重線により確認された。ポリマー末端のメチル基、ケイ
素上のメチル基、ケイ素上のフェニル基の積分比は、
3:6:5であり、図2の反応式に示すポリTHFの構
造を証明している。13CNMRでもこの構造が支持さ
れた。 【0029】1HNMR上で未反応のTHFとシランの
残存量から算出したポリTHFの平均分子量は140
0、同じく、1HNMR上で、メチル基とポリTHFの
ピークの積分比より算出した平均分子量は1900であ
った。また、封管を空け、濃縮したサンプルのポリスチ
レン基準、THF展開液を用いたSECのデータより、
Mw=6300、Mn=3700、Mw/Mn=1.7
の値が得られた。これらの結果をエントリー1として表
1にまとめて示す。 【0030】さらに、エントリー1の場合と同様に、1
mol%の触媒1および9/1体積比のTHF/C6D
6を用い減圧(10−3Torr)で重合反応を行ったが、
THF/HSiMe2Ph比(THF/シラン比)を1
0から100に変えた場合(エントリー2)、または、
反応温度を40℃から80、60もしくは5℃に変えた
場合(エントリー3、4、5)について行った溶液重合
反応の結果も併せて表1に示す。 【0031】表1から理解されるように、THFとシラ
ンの仕込みを変えること、および反応温度を制御するこ
とにより得られるシリル化ポリマーの分子量を調整する
ことができる。 【0032】 【表1】【0033】実施例2:THF等のバルク重合 (ACE)Ru3(CO)7(図1に示す触媒1)(2
mg)、HSiMe2Ph(0.051mL)、THF(3.0
mL)を不活性ガス雰囲気下でガラスアンプルに入れ、
減圧下(10−3Torr)で3回脱気後に、減圧を保った
まま封管した。40℃で22.5時間反応後、得られた
溶液から未反応のTHFを減圧下で除去したところ、ポ
リマーが1.49g得られた(THF基準で60%)。ポリ
マーの構造を1HNMRにより確認した(Mn=180
00)。このサンプルのSECはMw=68000、M
n=40000、Mw/Mn=1.7であった。これら
の結果をエントリー4として表2に示す。 【0034】このポリマーの一部0.199gを採取し、E
t2O2.2mLに溶解した。この溶液をヘキサン20
0mLに滴下しながら攪拌した。この溶液を−5℃の冷
凍庫に7日間保存した。析出したポリマーをメンブラン
フィルター(0.45μm)でろ過をした。メンブランフィ
ルター上に重量で0.138g(72%)のポリマーが
得られた(ヘキサン濾液中に6.6%、フラスコ残渣2
1%)。ポリマーの構造を1HNMRで確認し(Mn=
18000)、処理により変化していないことを確認し
た。このサンプルのSECはMw=64000、Mn=
40000、Mw/Mn=1.6であり、精製処理によ
り低分子量のポリマーを除去し分子量分布のより狭いポ
リマーを分離することができた。 【0035】さらに、エントリー4に対して反応温度お
よび反応を変えた場合(エントリー1〜9)、触媒の種
類を変えた場合(エントリー11〜19)、シランの種
類およびTHF/シラン比を変えた場合(エントリー2
0〜24)、ならびに環状エーテルとしてTHFの変わ
りにオキセタンを用いた場合(エントリー25)につい
ても、上述のエントリー4と同様にバルク重合を行っ
た。その結果を表2に示す。 【0036】表2に示されるように、実施例1の溶液重
合の場合と同様に原料となるシランと環状エーテルの仕
込み比を変えること、および反応温度を制御することに
より生成ポリマーの分子量を制御できる。また、図1に
1や5として示すようなアセナフチレンまたはアズレン
の配位した3核ルテニウムカルボニウム錯体(前記の
(II)および(III)の錯体)は、特に活性の優れた触
媒であることも理解される。 【0037】 【表2】【0038】実施例3:ルテニウム触媒とコバルト触媒
の比較 環状エーテルのヒドロシリル化反応において従来より多
用されているコバルト触媒Co2(CO)8と本発明に
従うルテニウム触媒(ACE)Ru3(CO) 12〔上
述の式(II)または図1の1で示される錯体〕との触媒
活性比較実験を行った。すなわち、実施例2で記述した
ような方法に従い、THF:PhMe2SiH:触媒=
10000:100:1または5になるようにNMR管
に入れ、40℃において重合を行った。その結果を表3
に示す。 【0039】 【表3】 【0040】Co2(CO)8は、空気に対して敏感な錯
体であり熱安定性も悪いことが知られており、文献にも
記述されている。したがって、Co2(CO)8は市販品
であるが、窒素または一酸化炭素雰囲気下で冷蔵庫に保
存する必要がある。このような不安定性を反映して、C
o2(CO)8錯体は重合条件下では触媒の失活がおこり
やすい。事実、本実施例においても表3に示すように、
5mol%程度の触媒存在下では、重合は本発明に従う
ルテニウム触媒よりやや転化率が悪い程度で反応が進行
するが、コバルトの常磁性のためにNMRの測定ができ
なくなるくらい、反応中でどんどんコバルト金属が析出
する。このため、触媒濃度を1mol%まで下げると、
触媒の分解が重合に先行するため、重合がほとんど起こ
らなくなってしまう。 【0041】これに対し、本発明に従うルテニウム錯体
は空気中で安定であり、重合中に金属が析出することも
ない取扱いが容易で耐久性に優れた触媒であり、特に、
表3からも理解されるように、触媒濃度が低い条件でコ
バルト触媒よりも活性が高い。 【0042】実施例4:ポリマーの構造解析 本発明によって得られるポリマーについて、その末端解
析を含む構造解析を行った。解析に利用したポリマーは
次のように合成した:アルゴン雰囲気下に、(ACE)R
u3(CO)7触媒(12mg、0.019mmol)、
THF(13.3g、15mL、185mmol)を混
合した。この溶液3mLを、あらかじめHMe2SiP
h(0.52g、0.58mL、3.8mmol)を加
えた硝子アンプルに入れ、混合物を脱気、封管した。重
合は40℃の恒温層で20時間おこなった(THF転化
率66%)。反応液を濃縮後、2.3gの粗生成物が得
られた。この粗生成物のうち、1.03gをとり、エー
テル1.5gに溶解後、ヘキサン200mLを加えて、
−30℃に冷却した。析出したポリマーを冷却したまま
手早くメンブランフィルターでろ過し、0.48gの精
製ポリマーを得た。分子量はNMR換算でMn=150
0、SEC(ポリスチレンスタンダード)でMn=30
00、Mw=3900、Mw/Mn=1.3であった
(SECのチャートを図3に示す)。 【0043】以上のようにして単離したポリマーの構造
解析のためにNMR測定を行った。その解析を以下にま
とめる。 1.1H NMR(図4):化学シフト、カップリング
定数から以下の帰属となる。 ピークA:δ0.35ppm(s);Si−CH3 ピークB:δ0.90ppm(t、J=7.4Hz);ブチル
基のメチレン ピークC:δ1.35ppm(sextet、J=7.4Hz);ブ
チル基のメチレン ピークD:δ1.53ppm(quint、J=7.1Hz);ブチ
ル基のメチレン ピークE:δ1.60ppm(br−s);ポリマー鎖のメチレ
ン ピークF:δ3.40ppm(br−s);ポリマー鎖の酸素に
隣接したメチレン ピークG:δ3.59ppm(t、J=6.2Hz);ブチル基の酸
素に隣接したメチレン ピークH:δ7.53〜7.39ppm(m);Si−C6H6のメ
タおよびパラ位のプロトン ピークI:δ7.53〜7.57ppm(m);Si−C6H6のオ
ルト位のプロトン ピークA、B、C、D、F、H、Iの積分比は、6:
3:2:2:2:3:2である。この積分比は、一義的
にこのポリマー中に1つのPhMe2Si基と、1つの
ブチル基が存在していることを示す。 【0044】2.13C NMR(図5)(図に示さな
いが、DEPT測定により、各炭素上の水素の数が予想
構造と一致していることを確認している) ピークe:δ‐1.8ppm;Si−CH3 ピークa:δ18.9ppm;ブチル基のメチル炭素 ピークb:δ19.3ppm;ブチル基のメチレン炭素 ピーク*:δ26.1ppm;ポリマー鎖のメチレン炭素 ピークh:δ26.5ppm;ポリマー鎖のメチレン炭素 ピーク*:δ29.2ppm;ポリマー鎖のメチレン炭素 ピークc:δ31.8ppm;ブチル基のメチレン炭素 ピークd:δ62.8ppm;ブチル基の酸素に隣接したメチ
レン炭素 ピークg:δ70.5ppm;ポリマー鎖の酸素に隣接したメ
チレン炭素 ピークf:δ127.7ppm;Si−C6H6のメタ位の炭素 ピークf:δ129.5ppm;Si−C6H6のパラ位の炭素 ピークf:δ133.4ppm;Si−C6H6のオルト位の炭
素 ピークf:δ137.9ppm;Si−C6H6のイプソ位の炭
素 【0045】3.H−H COSY測定(スペクトル図
省略):隣接する炭素上のHの相関をとることにより、
ピークAは独立しており、化学シフトからケイ素上のメ
チル基と帰属できること、また、BとC、CとD、Dと
Gに相関がみられ、これらが、ブチル基の炭素であるこ
とが明らかとなった。 【0046】4.C−H COSY測定(スペクトル図
省略):炭素と炭素上の水素の相関を明らかにすること
により、2に示した帰属が正しいことを証明した。 【0047】5.29SiNMR測定(スペクトル図省
略):典型的な酸素に隣接したケイ素であることを示す
化学シフトをもつ、ただ1種類のケイ素原子しか1分子
のポリマー中には存在しないことを明らかとした。 【0048】以上の結果は、このポリマー中に、末端
ブチル基、ケイ素上に2つのメチル基とフェニル基を
もつシロキシ部分構造が存在することを示す。また、
とが1分子中に1つずつ存在していることが、1H
NMRの積分比より明らかである。これらのことから、
ポリマーの構造は、次の式(V)で表わされることが明
らかである〔式(V)中、n'は式(I)における(n−
1)に相当する〕。 【0049】 【化8】
ニウムカルボニル錯体の例を示す。 【図2】本発明によって得られるポリマーの1H NM
Rチャートの例を示す。 【図3】本発明によって得られるポリマーのSECチャ
ートの例を示す。 【図4】本発明によって得られるポリマーの1H NM
Rチャートの例を示す。 【図5】本発明によって得られるポリマーの13C N
MRチャートの例を示す。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記の一般式(I)で表わされることを
特徴とするシリル化鎖状ポリエーテル〔式(I)中、m
は3〜7の整数であり、nは式(I)のポリエーテルの
数平均分子量が500〜500,000となるような整
数であり、また、X1、X2およびX3は互いに同一ま
たは別異の官能基または原子であり、アルキル基または
アリール基から選ばれる〕。 【化1】
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