JP2899465B2 - ゴム補強用スチールワイヤの製造方法 - Google Patents
ゴム補強用スチールワイヤの製造方法Info
- Publication number
- JP2899465B2 JP2899465B2 JP3331920A JP33192091A JP2899465B2 JP 2899465 B2 JP2899465 B2 JP 2899465B2 JP 3331920 A JP3331920 A JP 3331920A JP 33192091 A JP33192091 A JP 33192091A JP 2899465 B2 JP2899465 B2 JP 2899465B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- brass
- plating
- wire
- plating layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D07—ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B1/00—Constructional features of ropes or cables
- D07B1/06—Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
- D07B1/0606—Reinforcing cords for rubber or plastic articles
- D07B1/0666—Reinforcing cords for rubber or plastic articles the wires being characterised by an anti-corrosive or adhesion promoting coating
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C26/00—Coating not provided for in groups C23C2/00 - C23C24/00
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D07—ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B2205/00—Rope or cable materials
- D07B2205/30—Inorganic materials
- D07B2205/3021—Metals
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D07—ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B2205/00—Rope or cable materials
- D07B2205/30—Inorganic materials
- D07B2205/3021—Metals
- D07B2205/3085—Alloys, i.e. non ferrous
- D07B2205/3089—Brass, i.e. copper (Cu) and zinc (Zn) alloys
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Ropes Or Cables (AREA)
- Tires In General (AREA)
- Wire Processing (AREA)
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスチールラジアルタイ
ヤ、高圧ホース、ベルトコンベアなどに用いられるゴム
補強用ワイヤおよびその製造方法に関する。
ヤ、高圧ホース、ベルトコンベアなどに用いられるゴム
補強用ワイヤおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スチールラジアルタイヤ、高圧ホース、
ベルトコンベアなどにゴム補強材として用いられるスチ
ールワイヤに関しては、加硫されたゴムとの接着性およ
びその持続性が重要である。従来より実用化されている
ゴム補強用ワイヤは、ゴムとの接着性を得るために、一
般に黄銅(ブラス)からなる被覆層を形成している。黄
銅層を形成する方法としては、シアン浴による共析めっ
きも用いられるが、シアンという毒物を使用するため公
害を防止する必要があり、しかもCu含有率の管理が比
較的困難である。このため、CuとZnとを順次めっき
した後、加熱拡散処理を施す拡散めっき法が主流になっ
てきている。加熱方法としては、通電加熱、高周波加
熱、流動層炉加熱などがある。
ベルトコンベアなどにゴム補強材として用いられるスチ
ールワイヤに関しては、加硫されたゴムとの接着性およ
びその持続性が重要である。従来より実用化されている
ゴム補強用ワイヤは、ゴムとの接着性を得るために、一
般に黄銅(ブラス)からなる被覆層を形成している。黄
銅層を形成する方法としては、シアン浴による共析めっ
きも用いられるが、シアンという毒物を使用するため公
害を防止する必要があり、しかもCu含有率の管理が比
較的困難である。このため、CuとZnとを順次めっき
した後、加熱拡散処理を施す拡散めっき法が主流になっ
てきている。加熱方法としては、通電加熱、高周波加
熱、流動層炉加熱などがある。
【0003】黄銅中のCuは、加硫時においてゴム中の
硫黄との反応性が高い。一方、Znは、Cuの硫黄に対
する反応性を適度に低下させる。この結果、ワイヤの被
覆層とゴムとの界面に適度な硫化物が生成し、ゴム接着
性が得られると考えられている。しかし、黄銅めっきの
被覆層が形成されたゴム補強用ワイヤは、湿潤雰囲気下
におけるゴムとの接着性、すなわち湿潤接着性が劣ると
いう欠点がある。湿潤接着性を改善するには、ゴムとの
接着界面における過剰な硫化物生成を抑制することが好
ましく、黄銅めっき層のCu含有率が低い方が好ましい
とされている。
硫黄との反応性が高い。一方、Znは、Cuの硫黄に対
する反応性を適度に低下させる。この結果、ワイヤの被
覆層とゴムとの界面に適度な硫化物が生成し、ゴム接着
性が得られると考えられている。しかし、黄銅めっきの
被覆層が形成されたゴム補強用ワイヤは、湿潤雰囲気下
におけるゴムとの接着性、すなわち湿潤接着性が劣ると
いう欠点がある。湿潤接着性を改善するには、ゴムとの
接着界面における過剰な硫化物生成を抑制することが好
ましく、黄銅めっき層のCu含有率が低い方が好ましい
とされている。
【0004】また、ゴム補強用ワイヤは、強度およびゴ
ムの補強効果を高めるために、冷間加工、特にダイスか
ら引き抜く方法による伸線加工が施される。この伸線加
工は非常に苛酷な条件で行われる。このため、黄銅めっ
きの変形能が低い場合には、摩擦熱により著しく発熱す
る、伸線抵抗が高くなる、ダイスの寿命が低下する、著
しい場合には引抜き加工の際にワイヤが断線するなど伸
線加工性に問題が生じる。
ムの補強効果を高めるために、冷間加工、特にダイスか
ら引き抜く方法による伸線加工が施される。この伸線加
工は非常に苛酷な条件で行われる。このため、黄銅めっ
きの変形能が低い場合には、摩擦熱により著しく発熱す
る、伸線抵抗が高くなる、ダイスの寿命が低下する、著
しい場合には引抜き加工の際にワイヤが断線するなど伸
線加工性に問題が生じる。
【0005】黄銅めっきに関しては、結晶組織がβ相よ
りもα相の方が延展性がよい。これは、β相が体心立方
格子であるのに対して、α相は面心立方格子であり滑り
やすい面が多く存在することに起因している。したがっ
て、伸線加工性を改善するためには、黄銅めっき層中の
β相の比率が少ないことが好ましい。なお、拡散めっき
法を用いた場合には、加熱条件によっても結晶相に影響
が生じる。加熱温度が高く加熱時間が長いほど、融合拡
散が起こりやすく、β相が少なくなることが知られてい
るので、最適な条件が選択される。
りもα相の方が延展性がよい。これは、β相が体心立方
格子であるのに対して、α相は面心立方格子であり滑り
やすい面が多く存在することに起因している。したがっ
て、伸線加工性を改善するためには、黄銅めっき層中の
β相の比率が少ないことが好ましい。なお、拡散めっき
法を用いた場合には、加熱条件によっても結晶相に影響
が生じる。加熱温度が高く加熱時間が長いほど、融合拡
散が起こりやすく、β相が少なくなることが知られてい
るので、最適な条件が選択される。
【0006】しかし、湿潤接着性を改善するために、黄
銅めっき層のCu含有率を低くすると、β相が多くなる
ことが知られている。このようにCu含有率が低い場
合、例えば62%以下では、実用的な伸線加工が困難と
なる。工業生産の観点からは、63%程度のCu含有率
が下限であるとされている。以上のように、湿潤接着性
と伸線加工性の両者を同時に満たすことは困難である。
銅めっき層のCu含有率を低くすると、β相が多くなる
ことが知られている。このようにCu含有率が低い場
合、例えば62%以下では、実用的な伸線加工が困難と
なる。工業生産の観点からは、63%程度のCu含有率
が下限であるとされている。以上のように、湿潤接着性
と伸線加工性の両者を同時に満たすことは困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、黄銅に第3元
素(X)を添加した合金からなる被覆層を形成して、湿
潤接着性を改善する技術が提案されている。第3元素
(X)としては、例えばNi(特開昭55−10554
8号公報)、Co(特公平1−37411号公報)、F
e(特公平2−39599号公報)などが用いられる。
これらの技術では、いずれもCu−X−Znの順にめっ
き層を積層した後、加熱拡散させて被覆層を形成してい
る。このような順に積層めっき層を形成するのは、Zn
めっきの上にCuめっきを密着性よく積層することが困
難なためである。しかし、Cu−X−Znの構成におい
て第3元素の融点が高い場合には、第3元素のめっき層
がCuとZnとの融合拡散を阻害する障壁層となるた
め、β相が多く生成しやすい。このため、ワイヤの伸線
加工性が阻害される。
素(X)を添加した合金からなる被覆層を形成して、湿
潤接着性を改善する技術が提案されている。第3元素
(X)としては、例えばNi(特開昭55−10554
8号公報)、Co(特公平1−37411号公報)、F
e(特公平2−39599号公報)などが用いられる。
これらの技術では、いずれもCu−X−Znの順にめっ
き層を積層した後、加熱拡散させて被覆層を形成してい
る。このような順に積層めっき層を形成するのは、Zn
めっきの上にCuめっきを密着性よく積層することが困
難なためである。しかし、Cu−X−Znの構成におい
て第3元素の融点が高い場合には、第3元素のめっき層
がCuとZnとの融合拡散を阻害する障壁層となるた
め、β相が多く生成しやすい。このため、ワイヤの伸線
加工性が阻害される。
【0008】Cu−Zn−Xの順にめっき層を積層した
後、加熱拡散させる方法も提案されている。このような
積層めっき層の構成では、第3元素のめっき層がCuと
Znとの融合拡散を阻害することはない。しかし、この
方法ではZn−Xの相が生成するため、この相の延展性
によっては、伸線加工性が著しく阻害される。また、X
−Cu−Znの順にめっき層を積層した後、加熱拡散さ
せる方法も提案されている。このような積層めっき層の
構成では、第3元素のめっき層が単なる下地層として作
用し、黄銅めっきとの十分な合金化が期待できず、第3
元素の添加効果が発現しない。
後、加熱拡散させる方法も提案されている。このような
積層めっき層の構成では、第3元素のめっき層がCuと
Znとの融合拡散を阻害することはない。しかし、この
方法ではZn−Xの相が生成するため、この相の延展性
によっては、伸線加工性が著しく阻害される。また、X
−Cu−Znの順にめっき層を積層した後、加熱拡散さ
せる方法も提案されている。このような積層めっき層の
構成では、第3元素のめっき層が単なる下地層として作
用し、黄銅めっきとの十分な合金化が期待できず、第3
元素の添加効果が発現しない。
【0009】第3元素としてNiを用い、Cu−Niを
共析めっきした後、Znめっきを施し、加熱拡散処理す
る方法も提案されている。この方法では、Cu−Niの
めっき条件によりNiの添加量を制御する必要がある
が、この制御は困難である。また、高融点のNiの影響
によりβ相が生成しやくなる。しかも、添加されたNi
は、Cu−Znとの融合により希釈されるため、湿潤接
着性を改善するためには添加量を多くする必要がある。
共析めっきした後、Znめっきを施し、加熱拡散処理す
る方法も提案されている。この方法では、Cu−Niの
めっき条件によりNiの添加量を制御する必要がある
が、この制御は困難である。また、高融点のNiの影響
によりβ相が生成しやくなる。しかも、添加されたNi
は、Cu−Znとの融合により希釈されるため、湿潤接
着性を改善するためには添加量を多くする必要がある。
【0010】一方、第3元素としてSnを用い、Cu−
Zn(黄銅)めっきを施した後、伸線加工する方法が提
案されている(特公昭52−14778号公報)。しか
し、この方法で得られたゴム補強用ワイヤでは、水分を
含むゴムとの加硫時における接着性と、タイヤ使用時に
おける発熱や摩耗によるコード切れに対して有利になる
という効果が得られるだけであり、2次的な湿潤接着性
の改善は期待できない。本発明の目的は、伸線加工性を
損なわずに、ゴムとの湿潤接着性が改善されたゴム補強
用ワイヤを提供することにある。
Zn(黄銅)めっきを施した後、伸線加工する方法が提
案されている(特公昭52−14778号公報)。しか
し、この方法で得られたゴム補強用ワイヤでは、水分を
含むゴムとの加硫時における接着性と、タイヤ使用時に
おける発熱や摩耗によるコード切れに対して有利になる
という効果が得られるだけであり、2次的な湿潤接着性
の改善は期待できない。本発明の目的は、伸線加工性を
損なわずに、ゴムとの湿潤接着性が改善されたゴム補強
用ワイヤを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のゴム補強用ワイ
ヤの製造方法は、スチールワイヤの表面に銅含有量63
〜67%の黄銅層を形成する工程と、その表面に厚さ
0.04〜0.15μmのニッケル層を形成する工程
と、ワイヤをダイスから引き抜いて減面率が90%以上
98%未満となるように伸線加工を施し、前記黄銅層お
よびニッケル層を合金化させた被覆層を形成する工程と
を具備したことを特徴とするものである。
ヤの製造方法は、スチールワイヤの表面に銅含有量63
〜67%の黄銅層を形成する工程と、その表面に厚さ
0.04〜0.15μmのニッケル層を形成する工程
と、ワイヤをダイスから引き抜いて減面率が90%以上
98%未満となるように伸線加工を施し、前記黄銅層お
よびニッケル層を合金化させた被覆層を形成する工程と
を具備したことを特徴とするものである。
【0012】本発明において、ワイヤの材質としては、
強度の点から、C含有量が0.70%以上の高炭素鋼が
好ましい。
強度の点から、C含有量が0.70%以上の高炭素鋼が
好ましい。
【0013】本発明において、ワイヤの表面に黄銅層を
形成する方法は、拡散めっき法すなわちCuめっき層と
Znめっき層とを順次形成して加熱拡散させる方法、ま
たはシアン浴を用いた共析めっき法が挙げられる。ただ
し、共析めっき法ではシアンによる公害を防止する必要
があり、しかもCu含有率の制御が困難であるため、拡
散めっき法を用いることが好ましい。黄銅層中のCu含
有率は63〜67%であることが好ましい。このような
組成の黄銅相は、延展性に優れた面心立方格子組織のα
相のみであり、延展性の悪い体心立方格子組織であるβ
相を含まない。
形成する方法は、拡散めっき法すなわちCuめっき層と
Znめっき層とを順次形成して加熱拡散させる方法、ま
たはシアン浴を用いた共析めっき法が挙げられる。ただ
し、共析めっき法ではシアンによる公害を防止する必要
があり、しかもCu含有率の制御が困難であるため、拡
散めっき法を用いることが好ましい。黄銅層中のCu含
有率は63〜67%であることが好ましい。このような
組成の黄銅相は、延展性に優れた面心立方格子組織のα
相のみであり、延展性の悪い体心立方格子組織であるβ
相を含まない。
【0014】本発明において、黄銅層上にニッケル層を
形成する方法としては、通常のめっき法が挙げられる。
ニッケル層の厚さは0.04〜0.15μmであること
が好ましい。この量は、従来のNi量に比べて非常に少
量である。また、Niは面心立方格子を有するため延展
性に優れている。したがって、黄銅層上にニッケル層を
形成した段階において、ワイヤの伸線加工性は黄銅層の
みの場合と同程度に良好である。
形成する方法としては、通常のめっき法が挙げられる。
ニッケル層の厚さは0.04〜0.15μmであること
が好ましい。この量は、従来のNi量に比べて非常に少
量である。また、Niは面心立方格子を有するため延展
性に優れている。したがって、黄銅層上にニッケル層を
形成した段階において、ワイヤの伸線加工性は黄銅層の
みの場合と同程度に良好である。
【0015】次に、黄銅およびNiの2層のめっき層が
形成されたワイヤをダイスから引抜いて伸線加工する。
伸線加工後のワイヤは、2層のめっき層が機械的に混合
され、合金化された被覆層が形成される。この場合、黄
銅およびNiの組成は、平面的には均一であるが、深さ
方向では表面ほどNiが多い。このことから、添加され
たNiは部分的な融合拡散を起こしているものと考えら
れる。伸線加工による減面率は、90%以上98%未満
であることが好ましい。伸線加工の度合が増すほど、深
さ方向の組成が均質化する傾向が認められる。Niめっ
き層が厚い場合には、2層のめっき層の混合作用が少な
く、Niは筋状に分布するため、好ましくない。
形成されたワイヤをダイスから引抜いて伸線加工する。
伸線加工後のワイヤは、2層のめっき層が機械的に混合
され、合金化された被覆層が形成される。この場合、黄
銅およびNiの組成は、平面的には均一であるが、深さ
方向では表面ほどNiが多い。このことから、添加され
たNiは部分的な融合拡散を起こしているものと考えら
れる。伸線加工による減面率は、90%以上98%未満
であることが好ましい。伸線加工の度合が増すほど、深
さ方向の組成が均質化する傾向が認められる。Niめっ
き層が厚い場合には、2層のめっき層の混合作用が少な
く、Niは筋状に分布するため、好ましくない。
【0016】本発明では、黄銅中に極めて微量のNiが
添加されるだけであるため、黄銅の結晶相が影響を受け
ることはない。また、添加されたNiは、Cuの硫黄と
の反応性を抑制する作用があると考えられる。このた
め、本発明のワイヤは、湿潤雰囲気下でも被覆層とゴム
との界面に適度な硫化物が生成し、湿潤接着性が改善さ
れる。
添加されるだけであるため、黄銅の結晶相が影響を受け
ることはない。また、添加されたNiは、Cuの硫黄と
の反応性を抑制する作用があると考えられる。このた
め、本発明のワイヤは、湿潤雰囲気下でも被覆層とゴム
との界面に適度な硫化物が生成し、湿潤接着性が改善さ
れる。
【0017】なお、第3元素としてCoを用いた場合、
Coは最密六方格子を持ち延展性が低いため、本発明と
同様の方法を採用した場合には表面のCoめっき層が伸
線加工により削れてしまう。
Coは最密六方格子を持ち延展性が低いため、本発明と
同様の方法を採用した場合には表面のCoめっき層が伸
線加工により削れてしまう。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1〜5 スチールワイヤとして1.70mm径でC含有率0.8
2%の高炭素鋼を用いた。ピロりん酸銅浴にてCuめっ
き層を形成し、硫酸亜鉛浴にてZnめっき層を形成し
た。流動層炉中で熱処理を施して、CuとZnとを合金
化し、黄銅層を形成した。希硫酸中でエッチングして酸
化層を除去した。表1に示すように、この黄銅層に関し
ては、Cu含有率が65%、付着量が4.0g/kg、
β相は0%であった。次に、硫酸ニッケル浴にてNiめ
っき層を形成した。表1に示すように、Niめっき層の
厚みは、0.04〜0.20μmの範囲で変化させた。
このスチールワイヤを超硬合金製ダイスを用いて0.3
0mmまで伸線加工し、黄銅とNiとを機械的に合金化
させて被覆層を形成した。
2%の高炭素鋼を用いた。ピロりん酸銅浴にてCuめっ
き層を形成し、硫酸亜鉛浴にてZnめっき層を形成し
た。流動層炉中で熱処理を施して、CuとZnとを合金
化し、黄銅層を形成した。希硫酸中でエッチングして酸
化層を除去した。表1に示すように、この黄銅層に関し
ては、Cu含有率が65%、付着量が4.0g/kg、
β相は0%であった。次に、硫酸ニッケル浴にてNiめ
っき層を形成した。表1に示すように、Niめっき層の
厚みは、0.04〜0.20μmの範囲で変化させた。
このスチールワイヤを超硬合金製ダイスを用いて0.3
0mmまで伸線加工し、黄銅とNiとを機械的に合金化
させて被覆層を形成した。
【0019】実施例6 共析めっきにより黄銅層を形成した以外は、実施例1と
同様の方法でスチールワイヤを作製した。
同様の方法でスチールワイヤを作製した。
【0020】比較例1、2 実施例1〜5と同様に、Cuめっき層とZnめっき層と
を順次積層した後、加熱拡散させて黄銅からなる被覆層
を形成した。なお、比較例1と比較例2とでは、黄銅中
のCu含有率が異なっている。これらのスチールワイヤ
を前記と同様に伸線加工した。
を順次積層した後、加熱拡散させて黄銅からなる被覆層
を形成した。なお、比較例1と比較例2とでは、黄銅中
のCu含有率が異なっている。これらのスチールワイヤ
を前記と同様に伸線加工した。
【0021】比較例3 Cuめっき層、Znめっき層およびNiめっき層を順次
積層した後、加熱拡散させ、これらの合金からなる被覆
層を形成した。このスチールワイヤを前記と同様に伸線
加工した。
積層した後、加熱拡散させ、これらの合金からなる被覆
層を形成した。このスチールワイヤを前記と同様に伸線
加工した。
【0022】比較例4 Cuめっき層、Niめっき層およびZnめっき層を順次
積層した後、加熱拡散させ、これらの合金からなる被覆
層を形成した。このスチールワイヤを前記と同様に伸線
加工した。
積層した後、加熱拡散させ、これらの合金からなる被覆
層を形成した。このスチールワイヤを前記と同様に伸線
加工した。
【0023】比較例5 Niめっき層、Cuめっき層およびZnめっき層を順次
積層した後、加熱拡散させ、これらの合金からなる被覆
層を形成した。このスチールワイヤを前記と同様に伸線
加工した。それぞれの例について、各元素の組成、β相
の割合などを表1に示す。
積層した後、加熱拡散させ、これらの合金からなる被覆
層を形成した。このスチールワイヤを前記と同様に伸線
加工した。それぞれの例について、各元素の組成、β相
の割合などを表1に示す。
【0024】さらに、実施例1〜6および比較例1〜5
の各スチールワイヤを、2本よりあわせてスチールコー
ドを作製した。これらのスチールコードと工業ゴムコン
パウンドとを150℃で30分間加硫して、コード−ゴ
ム接着複合材を作製した。
の各スチールワイヤを、2本よりあわせてスチールコー
ドを作製した。これらのスチールコードと工業ゴムコン
パウンドとを150℃で30分間加硫して、コード−ゴ
ム接着複合材を作製した。
【0025】各スチールワイヤについて、ダイス当たり
で正常に伸線された量を求め、比較例1を100として
伸線加工性を評価した。また、各コード−ゴム接着複合
材について、ASTM−2229−73に従い、1次接
着性および2次湿潤接着性を評価した。1次接着性に関
しては、12.7mm当たりの引抜き力と、コードへの
ゴム付着面積の割合を求めた。2次湿潤接着性に関して
は、1次加硫後の試料を120℃のスチーム中に12時
間保持し、前記と同様に引抜き力と、コードへのゴム付
着面積の割合を求めた。これらの結果を表2に示す。
で正常に伸線された量を求め、比較例1を100として
伸線加工性を評価した。また、各コード−ゴム接着複合
材について、ASTM−2229−73に従い、1次接
着性および2次湿潤接着性を評価した。1次接着性に関
しては、12.7mm当たりの引抜き力と、コードへの
ゴム付着面積の割合を求めた。2次湿潤接着性に関して
は、1次加硫後の試料を120℃のスチーム中に12時
間保持し、前記と同様に引抜き力と、コードへのゴム付
着面積の割合を求めた。これらの結果を表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】表1、表2から次のようなことがわかる。
比較例1は、湿潤接着性が劣る。比較例2は、黄銅中の
Cu含有率が低いため、β相が多く、伸線加工性が不良
である。比較例3、比較例4のようにCu−Zn−Ni
積層めっきまたはCu−Ni−Zn積層めっきを形成し
た後、加熱拡散した場合にも、伸線加工性は改善されな
い。比較例5のようにNi−Cu−Zn積層めっきを形
成した後、加熱拡散した場合には、湿潤接着性が改善さ
れない。
比較例1は、湿潤接着性が劣る。比較例2は、黄銅中の
Cu含有率が低いため、β相が多く、伸線加工性が不良
である。比較例3、比較例4のようにCu−Zn−Ni
積層めっきまたはCu−Ni−Zn積層めっきを形成し
た後、加熱拡散した場合にも、伸線加工性は改善されな
い。比較例5のようにNi−Cu−Zn積層めっきを形
成した後、加熱拡散した場合には、湿潤接着性が改善さ
れない。
【0029】これに対して、実施例1〜6では、β相が
生成せず、伸線加工性を良好に維持することができ、し
かも湿潤接着性を十分に改善できる。ただし、実施例5
のようにNiめっき層の厚さが0.2μmと厚い場合に
は、十分な1次接着性が得られない。
生成せず、伸線加工性を良好に維持することができ、し
かも湿潤接着性を十分に改善できる。ただし、実施例5
のようにNiめっき層の厚さが0.2μmと厚い場合に
は、十分な1次接着性が得られない。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の方法を用
いれば、伸線加工性を損なわずに、ゴムとの湿潤接着性
が改善されたゴム補強用ワイヤを提供できる。
いれば、伸線加工性を損なわずに、ゴムとの湿潤接着性
が改善されたゴム補強用ワイヤを提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08L 21:00
Claims (4)
- 【請求項1】 スチールワイヤの表面に銅含有量63〜
67%の黄銅層を形成する工程と、その表面に厚さ0.
04〜0.15μmのニッケル層を形成する工程と、ワ
イヤをダイスから引き抜いて減面率が90%以上98%
未満となるように伸線加工を施し、前記黄銅層およびニ
ッケル層を合金化させた被覆層を形成する工程とを具備
したことを特徴とするゴム補強用ワイヤの製造方法。 - 【請求項2】 前記スチールワイヤが0.70%以上の
カーボンを含有する高炭素鋼からなることを特徴とする
請求項1記載のゴム補強用ワイヤの製造方法。 - 【請求項3】 前記黄銅めっき層が、スチールワイヤ上
に銅めっき層と亜鉛めっき層とを積層した後、加熱拡散
することにより形成されていることを特徴とする請求項
1記載のゴム補強用ワイヤの製造方法。 - 【請求項4】 前記黄銅めっき層が、スチールワイヤ上
に合金めっきにより形成されていることを特徴とする請
求項1記載のゴム補強用ワイヤの製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3331920A JP2899465B2 (ja) | 1991-12-16 | 1991-12-16 | ゴム補強用スチールワイヤの製造方法 |
| EP92121399A EP0547582B1 (en) | 1991-12-16 | 1992-12-16 | Rubber-reinforcing steel wire and method for manufacturing the same |
| DE69221093T DE69221093D1 (de) | 1991-12-16 | 1992-12-16 | Gummi verstärkender Stahldraht und Verfahren zur Herstellung desselben |
| US08/236,696 US5389163A (en) | 1991-12-16 | 1994-05-02 | Method for producing a rubber-reinforced steel wire |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3331920A JP2899465B2 (ja) | 1991-12-16 | 1991-12-16 | ゴム補強用スチールワイヤの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05163365A JPH05163365A (ja) | 1993-06-29 |
| JP2899465B2 true JP2899465B2 (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=18249119
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3331920A Expired - Fee Related JP2899465B2 (ja) | 1991-12-16 | 1991-12-16 | ゴム補強用スチールワイヤの製造方法 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5389163A (ja) |
| EP (1) | EP0547582B1 (ja) |
| JP (1) | JP2899465B2 (ja) |
| DE (1) | DE69221093D1 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2777902B1 (fr) * | 1998-04-28 | 2002-03-15 | Rhodia Chimie Sa | Utilisation dans un lubrifiant de trefilage,d'une suspension d'un sel de cobalt comme agent d'adherence,suspension et son obtention |
| EP1295985B1 (en) * | 2001-09-20 | 2005-08-31 | Sumitomo Rubber Industries Ltd. | Method for making coated metallic cord |
| WO2005075696A2 (en) * | 2004-02-04 | 2005-08-18 | Nv Bekaert Sa | Low-carbon steel wire with nickel sub coating |
| CN105887085B (zh) * | 2016-04-22 | 2018-03-16 | 武汉钢铁有限公司 | 一种镀贵金属极薄钢带的生产方法 |
Family Cites Families (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US2939207A (en) * | 1956-10-04 | 1960-06-07 | Nat Standard Co | Reinforcing wire |
| US4226918A (en) * | 1978-08-03 | 1980-10-07 | National-Standard Company | Rubber adherent ternary Cu-Zn-Ni Alloy coated steel wires |
| FR2445764A1 (fr) * | 1979-01-05 | 1980-08-01 | Bekaert Sa Nv | Nouveaux elements a base de fils d'acier pour le renforcement de compositions de caoutchouc |
| FR2484876A1 (fr) * | 1980-05-27 | 1981-12-24 | Sodetal Developp Fil Metalliqu | Objets metalliques pour le renforcement d'articles en caoutchouc et leur procede de fabrication |
| GB8500323D0 (en) * | 1985-01-07 | 1985-02-13 | Bekaert Sa Nv | Steel reinforcing elements |
| IT1184289B (it) * | 1985-07-19 | 1987-10-22 | Consiglio Nazionale Ricerche | Procedimento per il rivestimento di fili di acciaio e relativi prodotti utilizzabile nella fabbricazione di corde per strutture di rinforzo di manufatti in materiale elastomerico in particolare pneumatici |
| IT1225871B (it) * | 1987-03-02 | 1990-12-07 | Pirelli | Miglioramenti ai fili metallici per rinforzo di materiali elastomerici |
| EP0343254B1 (en) * | 1987-10-26 | 1994-06-15 | Sumitomo Electric Industries Limited | Metal and composite material made of the metal with rubber |
-
1991
- 1991-12-16 JP JP3331920A patent/JP2899465B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1992
- 1992-12-16 DE DE69221093T patent/DE69221093D1/de not_active Expired - Lifetime
- 1992-12-16 EP EP92121399A patent/EP0547582B1/en not_active Expired - Lifetime
-
1994
- 1994-05-02 US US08/236,696 patent/US5389163A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US5389163A (en) | 1995-02-14 |
| DE69221093D1 (de) | 1997-09-04 |
| EP0547582B1 (en) | 1997-07-23 |
| EP0547582A1 (en) | 1993-06-23 |
| JPH05163365A (ja) | 1993-06-29 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4704337A (en) | Rubber adherable steel reinforcing elements with composite surface coating | |
| US4859289A (en) | Process for producing a metal wire useful as rubber product reinforcement | |
| JP2837168B2 (ja) | 加硫性エラストマー強化用金属被覆を有する鋼基体 | |
| JPH0137411B2 (ja) | ||
| JP6137587B2 (ja) | ゴム補強用金属線、その製造方法及びタイヤ | |
| US6602614B2 (en) | Coated metal wire, wire-reinforced elastomeric article containing the same and method of manufacture | |
| JPS62288634A (ja) | ゴム物品補強用スチ−ルワイヤ−およびスチ−ルコ−ドの製造方法 | |
| JPH0790267B2 (ja) | スチ−ルワイヤ−及びその製造方法 | |
| JP2899465B2 (ja) | ゴム補強用スチールワイヤの製造方法 | |
| JP2863691B2 (ja) | ゴム補強用ワイヤおよびその製造方法 | |
| EP3642382B1 (en) | Wire with steel core with a metal alloy coating | |
| JP3226434B2 (ja) | ゴムとの接着性の良好なブラスめっき鋼線 | |
| JP4299480B2 (ja) | 金属ワイヤの製造方法、およびその金属ワイヤを用いた金属コード | |
| JP2008200729A (ja) | ブラスめっき鋼線の製造方法、スチールコードおよびタイヤ | |
| JP4213884B2 (ja) | 金属ワイヤの製造方法、およびその金属ワイヤを用いた金属コード | |
| JP6248862B2 (ja) | ゴムとの接着性に優れた極細めっき鋼線およびそれを用いたゴム複合体 | |
| JP2009248102A (ja) | スチールワイヤ材、スチールワイヤ、スチールコード、及び、空気入りタイヤ | |
| JP2008261073A (ja) | スチールワイヤ材およびスチールコード並びに空気入りタイヤ | |
| JPH01113233A (ja) | 金属とゴムの複合物 | |
| JP3412307B2 (ja) | 腐食疲労特性に優れた極細鋼線 | |
| EP1004689A2 (en) | Coated metal wire, wire-reinforced elastomeric article containing the same and method of manufacture | |
| JPH11179419A (ja) | ゴム補強用ワイヤの製造方法 | |
| JP2007186736A (ja) | 金属ワイヤの製造方法、ゴム物品補強用金属コード及び車両用タイヤ | |
| JP3443999B2 (ja) | 腐食疲労特性に優れた極細鋼線 | |
| JP5861833B2 (ja) | ゴム製品補強用スチールワイヤおよびその製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |