JP2025099000A - 床材用基材、床材及び床材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】針葉樹合板を用いても反りが生じ難く床暖房用床材に適用可能な防音性に優れた床材用基材、それを備えた床材及びその床材の製造方法を提供する。
【解決手段】合板11の積層数を7プライとし、7枚の針葉樹薄板を第1,3,5,7層11a,11c,11e,11gの繊維方向(第1方向)と第2,4,6層11b,11d,11fの繊維方向(第2方向)とが直交するように積層し、合板11の裏面に、第2方向に延びて裏面から第2層11bに至る複数の第1溝41を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】合板11の積層数を7プライとし、7枚の針葉樹薄板を第1,3,5,7層11a,11c,11e,11gの繊維方向(第1方向)と第2,4,6層11b,11d,11fの繊維方向(第2方向)とが直交するように積層し、合板11の裏面に、第2方向に延びて裏面から第2層11bに至る複数の第1溝41を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、床材用基材、床材及び床材の製造方法に関するものである。
従来、表面に化粧層、裏面に緩衝材が設けられた基材を備え、床暖房パネル上に施工される床暖房用の防音床材が提案されている(例えば、下記の特許文献1を参照)。特許文献1では、床材用基材を、合板の裏面に互いに平行に延びる複数の溝が形成された裏溝加工合板で構成することとしている。上記床材では、床材用基材の裏面に形成された複数の裏溝により、床材表面へ熱が均一に伝わり易くすると共に、床材に柔軟性を付与して防音性を向上させている。
ところで、上記床材用の基材としてラワン合板等の南洋材合板を用いていたが、近年、南洋材合板は、原料の枯渇や環境破壊防止の点で入手自体が難しくなりつつあり、針葉樹合板への置き換えが図られている。針葉樹合板は、ラワン合板等の広葉樹合板に比べて柔らかいため、床材の基材を針葉樹合板に置き換えると、床材が表面強度に欠けた傷つき易いものとなる。そこで、針葉樹合板の表面に中密度繊維板を貼り付け、表面強度の強化を図る場合がある。
しかしながら、中密度繊維板は、合板に比べて吸湿し易く伸縮し易いため、合板の表面に中密度繊維板を貼り付けて表面強度を強化した基材では、合板のみからなる基材よりも反り易くなる。特に、特許文献1に記載の床暖房用の防音床材のように基材を裏溝加工合板で構成した場合、複数の裏溝により、遮音性能は向上させることができても、中密度繊維板の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗し得る繊維が裏溝によって断ち切られるため、基材がより反り易くなる。また、上記床暖房用の防音床材では、床暖房パネル上に施工されて温度変化が大きいため、基材がより反り易くなる一方、緩衝材が設けられているために床材を床暖房パネルに押さえ付けて固定することができず、基材の反りを抑制することができない。また、反りを抑えるために中密度繊維板に対抗させるべく合板の厚みを厚くすると、基材全体の剛性が上がりすぎて望む遮音性能が出なくなるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、針葉樹合板を用いても反りが生じ難く床暖房用床材に適用可能な防音性に優れた床材用基材、それを備えた床材及びその床材の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、合板の積層数を7プライとし、7枚の針葉樹薄板を第1,3,5,7層の繊維方向(第1方向)と第2,4,6層の繊維方向(第2方向)とが直交するように積層し、合板の裏面に、第2方向に延びて裏面から第2層に至る複数の第1溝を形成することとした。
具体的には、第1の発明は、合板の表面に中密度繊維板からなる表面強化層が接着された床材用基材であって、上記合板は、表面側から裏面側へ、隣接する2枚の間において互いの繊維方向が直交するように順に積層されて接着一体化された7枚の針葉樹薄板からなる第1~第7層を有する針葉樹合板であり、上記合板の裏面には、上記第1層の繊維方向である第1方向に直交する第2方向に延びる複数の第1溝が第1の溝間隔で形成され、上記第1溝は、上記合板の上記第2方向の一端から他端まで延び、溝底が上記第2層内に位置するものであることを特徴とするものである。
第1の発明では、合板の積層数を7プライとし、合板の裏面に、裏面から第2層まで至る深さの複数の第1溝を形成することとしている。床材用基材の合板としては積層数が3プライ又は5プライであるものが用いられることが多いが、第1の発明では、合板の積層数を7プライとしているので、接着剤で接着される箇所(針葉樹薄板からなる各層の層間)が3プライ合板や5プライ合板に比べて増えるため、3プライ合板や5プライ合板に比べて強度が向上する。また、合板の積層数を7プライとしているので、裏面から第2層まで至る第1溝が、3プライ合板や5プライ合板で同様に第1溝を形成した場合に比べてより深くなる。このように深い複数の第1溝により、合板の剛性が低下して柔軟性が高まり、衝撃力を吸収し易くなる。つまり、第1の発明に係る床材用基材を用いると、床材が、求められる遮音性能を有し、防音性に優れたものとなる。
また、第1の発明では、合板の第1層の繊維方向(第1方向)に直交する方向(第2方向)に延びる複数の第1溝が第1層には至らないので、第1層の繊維が断ち切られない。このような構成により、第1の発明では、合板の表面に接着された中密度繊維板が吸湿又は放湿によって第1方向に伸縮しようとしても、第1方向に延びる第1層の繊維により、伸縮が抑制される。これにより、床材用基材が吸湿又は放湿によって第1方向に伸縮し難くなり、第1方向の反りが抑制される。
以上により、第1の発明によれば、針葉樹合板を用いても反りが生じ難く床暖房用床材に適用可能な防音性に優れた床材用基材を提供することができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記合板の裏面には、上記合板の上記第1方向の一端から他端まで上記第1方向に延びる第2溝が少なくとも1つ形成されていることを特徴とするものである。
第2の発明では、合板の裏面に、第1溝だけでなく、第1溝の延伸方向(第2方向)に直交する方向(第1方向)に延びる第2溝を少なくとも1つ形成することとしている。このように第2溝を形成することにより、第1溝のみを形成した場合に比べて合板の剛性が低下して柔軟性が高まり、衝撃力を吸収し易くなる。つまり、第2の発明によれば、より防音性に優れた床材用基材を提供することができる。
第3の発明は、第2の発明において、上記第2溝は、溝底が上記第3~5層のいずれかの層内に位置するものであることを特徴とするものである。
また、第3の発明では、第2層の繊維方向(第2方向)に直交する方向(第1方向)に延びる第2溝が、第2層には至らないので、合板の表面に接着された中密度繊維板の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗し得る第2方向に延びる第2層の繊維が断ち切られない。このような構成により、第3の発明では、合板の表面に接着された中密度繊維板が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮しようとしても、第2方向に延びる第2層の繊維により、伸縮が抑制される。これにより、床材用基材が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮し難くなり、第2方向の反りが抑制される。つまり、第3の発明に係る床材用基材によれば、第1層の繊維方向(第1方向)の反りが抑制されるだけでなく、その直交方向(第2方向)の反りも抑制される。
第4の発明は、第3の発明において、上記第2溝は、溝底が上記第4層内に位置するものであることを特徴とするものである。
第4の発明では、第2溝が、第3層に至らないため、中密度繊維板の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗し得る第2方向に延びる第2層の繊維が断ち切られないだけでなく、第1層と第3層とで第2層がカバーされることにより、合板の表面に接着された中密度繊維板が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮しようとしても、第2方向に延びる第2層の繊維により、伸縮がより抑制される。これにより、床材用基材が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮し難くなり、第2方向の反りがより生じ難い床材を提供することができる。
また、本願の発明者等は、第2溝の深さと床材の遮音性能と反りの相関について検証試験を行った。検証試験の結果、第2溝の深さを深くする程、遮音性能が向上する一方、第2方向の反りが生じ易くなることが判った。また、第2溝の溝底が第3~第5層内に位置する深さの場合、求められる遮音性能を有しつつ第2方向の反りが生じ難い床材を形成することができること、特に、遮音性能と反りの観点から、第2溝の溝底が第4層内に位置する深さとするのが好ましいことが判った。そこで、第4の発明では、第2溝を溝底が第4層内に位置する深さに形成することとしている。従って、第4の発明によれば、反りが生じ難く床暖房用床材に適した防音性に優れた床材を提供することができる。
第5の発明は、第1の発明において、上記第1,3,5,7層を構成する上記針葉樹薄板は、一枚の単板によって構成されるものである一方、上記第2,4,6層を構成する上記針葉樹薄板は、複数枚の単板を上記第1方向に接ぎ合わせたものであり、上記第2層には、上記第1方向の大きさが上記第1の溝間隔よりも大きい抜け節がないことを特徴とするものである。
第5の発明では、合板の各層を針葉樹薄板で構成している。針葉樹は広葉樹に比べて節が多いが、第2層を構成する針葉樹薄板に第1方向の大きさが第1溝の溝間隔(第1の溝間隔)よりも大きな抜け節があると、中密度繊維板の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗し得る第2方向に延びる第2層の繊維が、抜け節によって断ち切られてしまうため、中密度繊維板の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗できず、第2方向において反りが部分的に発生する虞があるが、第5の発明によれば、第2層に第1方向の大きさが第1の溝間隔よりも大きい抜け節がないので、第2方向における反りを抑制する効果が期待できる。
第6の発明は、第1の発明において、上記第1層は、針葉樹の抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の抜け節がある部分で構成して抜け節をパテで埋めることにより、抜け節がないものであり、上記第2層は、針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がある部分で構成して20mmを超える大きさの抜け節を埋木で埋めることにより、20mmを超える大きさの抜け節がないものであることを特徴とするものである。
本願の発明者等は、合板の第1~第3層の抜け節の有無と床材表面のブリネル硬度の相関について検証試験を行った。検証試験の結果、合板の表層部を構成する第1層に抜け節がある又は第2層に20mmを超える大きさの抜け節があると、床材表面のブリネル硬度が所望の硬度を下回り、第3層に20mmを超える大きさの抜け節があっても第1層に抜け節がなく、第2層に20mmを超える大きさの抜け節がなければ、床材表面のブリネル硬度が所望の硬度以上のものとなることが判った。つまり、合板の第1層に抜け節がある又は第2層に20mmを超える大きさの抜け節があるまま床材を形成すると、床材が傷つき易いものとなる虞があることが判った。また、合板の表層部を構成する第1層に抜け節があると、床材の表面性を悪化させ、床材の意匠性の低下を招く虞もある。特に、反りの影響を極力小さくするために薄い(例えば、1.5mm以下の)中密度繊維板を表面強化層として用いる場合、合板の表層付近に抜け節があると、薄い中密度繊維板からなる表面強化層を通じて化粧材にまで抜け節の影響(凹凸等)が表出し、床材の意匠性を低下させる虞が高くなる。
そこで、第6の発明では、第1層に抜け節がなく、第2層に20mmを超える大きさの抜け節がないように構成することとしている。具体的には、第1層を、針葉樹の抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の抜け節がある部分で構成した場合は抜け節をパテで埋めて消失させることで抜け節がないものにしている。また、第2層は、針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がある部分で構成した場合は20mmを超える大きさの抜け節を埋木処理によって消失させることで20mmを超える大きさの抜け節がないものにしている。なお、埋木処理とは、抜け節を包含する穴でくり抜き、くり抜いた穴と同形状の木材(埋木)で穴を隙間無く埋めることにより、抜け節を消失させる処理をいう。第6の発明では、このように第1層に抜け節がなく、第2層に20mmを超える大きさの抜け節がないように構成することで、床材用基材を用いて作製される床材が、傷つき難く、表面性のよいものとなるようにしている。従って、第6の発明に係る床材用基材を用いることにより、傷つき難く、表面性のよい床材を提供することができる。
第7の発明は、第1の発明において、上記中密度繊維板は、広葉樹の木部繊維を主原料とするものであることを特徴とするものである。
第7の発明では、針葉樹の仮導管繊維は広葉樹の木部繊維に比べて空隙率が著しく高く、吸水率が高いことから、広葉樹の木部繊維を主原料とする中密度繊維板(広葉樹MDF)を表面強化層として用いている。このように表面強化層を構成する中密度繊維板として広葉樹の木部繊維を用いたものとすることにより、表面強化層の吸水率を低く抑えることができ、寸法変化を抑制することができる。
第8の発明は、第1の発明において、上記床材用基材の互いに対向する2つの側面の一方には、厚み方向の中間部に雌実となる凹溝部が形成され、他方には、厚み方向の中間部に雄実となる凸条部が形成され、上記床材用基材において、上記凹溝部の表側に隣接する表側凸部と上記凹溝部の裏側に隣接する裏側凸部と上記凸条部とは、上記合板の複数層に跨がるように形成されていることを特徴とするものである。
第8の発明では、床材用基材の周囲側面に本実加工を施し、また、雌実及び雄実の外側に出っ張った凸部分(表側凸部、裏側凸部、凸条部)が、必ず合板の複数層に跨がるように雌実及び雄実を形成することとしている。雌実及び雄実の凸部分は、脆く欠け易いが、上記のように合板の複数層に跨がるように構成することにより、第1方向に延びる繊維と第2方向に延びる繊維とを必ず含むこととなり、欠け難くなる。そのため、第8の発明によれば、雌実及び雄実の凸部分が欠け難い床材用基材を提供することができる。
第9の発明は、第8の発明において、上記雌実は、上記凹溝部の溝底角部が上記合板の層間の接着剤部分ではなくいずれかの層内に位置するように形成されていることを特徴とするものである。
第9の発明では、雌実の凹溝部の溝底角部が、合板のいずれかの層間の接着剤部分に位置しないように、いずれかの層内に位置するように雌実が形成されている。雌実の凹溝部の溝底角部が合板の層間の接着剤部分に位置すると、雄実の凸条部が差し込まれた際に、溝底角部がある層間で合板が剥離し易くなるが、上記の構成によれば、そのような剥離を抑制することができる。
第10の発明は、床材用基材と、該床材用基材の裏面に接着された緩衝材とを備えた床材であって、上記床材用基材は、第1~第9のいずれか1つの発明に係る床材用基材であることを特徴とするものである。
第10の発明によれば、第1~第9のいずれか1つの発明に係る床材用基材を備えることにより、針葉樹合板を用いても反りが生じ難く床暖房用床材に適用可能な防音性に優れた床材を提供することができる。
第11の発明は、合板の表面に中密度繊維板からなる表面強化層が接着された床材用基材と、該床材用基材の裏面に接着された緩衝材とを備えた床材の製造方法であって、厚みの等しい7枚の針葉樹薄板を、それぞれの間に水系接着剤が介在するように且つ隣接する2枚の針葉樹薄板間において互いの繊維方向が直交するように順に積層し、厚み方向に熱圧プレスすることにより、表面側から裏面側へ順に積層されて接着一体化された上記針葉樹薄板からなる第1~第7層を有する上記合板を形成する合板形成工程と、上記合板の表面をサンディングした後、該表面に上記表面強化層を接着して上記床材用基材とする表面強化層接着工程と、上記合板の裏面に、上記第1層の繊維方向である第1方向に直交する第2方向に延びる複数の第1溝を第1の溝間隔で形成する溝加工工程と、上記溝加工工程後の上記合板の裏面に、緩衝材を接着する緩衝材接着工程とを備え、上記第1溝は、上記合板の上記第2方向の一端から他端まで延び、溝底が上記第2層内に位置するものであることを特徴とするものである。
第11の発明では、積層数7プライの合板の裏面に、裏面から第2層まで至る深さの複数の第1溝を形成することとしている。床材用基材の合板としては積層数が3プライ又は5プライであるものが用いられることが多いが、第11の発明では、合板の積層数を7プライとしているので、水系接着剤で接着される箇所(針葉樹薄板からなる各層の層間)が3プライ合板や5プライ合板に比べて増えるため、3プライ合板や5プライ合板に比べて強度が向上する。また、合板の積層数を7プライとしているので、裏面から第2層まで至る第1溝が、3プライ合板や5プライ合板で同様に第1溝41を形成した場合に比べてより深くなる。このように深い複数の第1溝により、合板の剛性が低下して柔軟性が高まり、衝撃力を吸収し易くなる。つまり、第11の発明に係る製造方法によれば、求められる遮音性能を有し、防音性に優れた床材を提供することができる。
また、第11の発明では、合板の第1層の繊維方向(第1方向)に直交する方向(第2方向)に延びる複数の第1溝を、第1層には至らせず、第1層の繊維が第1溝によって断ち切られないようにしている。このように第1溝を形成することにより、合板の表面に接着された中密度繊維板が吸湿又は放湿によって第1方向に伸縮しようとしても、第1方向に延びる第1層の繊維により、伸縮が抑制される。これにより、吸湿又は放湿によって第1方向に伸縮し難く、第1方向において反りが生じ難い床材を製造することができる。
また、第11の発明では、床材用基材には通常積層数が3プライ又は5プライの合板を用いることが多いところ、合板の積層数を7プライとし、水系接着剤で接着することとしている。そのため、第11の発明では、3プライ又は5プライの合板を形成する場合に比べて、含水率が高い状態で針葉樹薄板の積層体が熱圧プレスされることとなり、形成される合板は、厚み方向の中程から最外層に向かう程、厚みが薄く、密度が高いものとなる。第11の発明によれば、このような構成の合板を用いることにより、表面強度に優れた床材を提供することができる。
以上により、第11の発明によれば、針葉樹合板を用いても反りが生じ難く床暖房用床材に適用可能な防音性に優れた床材を提供することができる。
第12の発明は、第11の発明において、上記溝加工工程では、上記合板の裏面に、上記複数の第1溝を形成すると共に、上記合板の上記第1方向の一端から他端まで上記第1方向に延びる第2溝を少なくとも1つ形成することを特徴とするものである。
第12の発明では、合板の裏面に、第1溝だけでなく、第1溝の延伸方向(第2方向)に直交する方向(第1方向)に延びる第2溝を少なくとも1つ形成することとしている。このように第2溝を形成することにより、第1溝のみを形成した場合に比べて合板の剛性が低下して柔軟性が高まり、衝撃力を吸収し易くなる。つまり、第12の発明によれば、より防音性に優れた床材用基材を提供することができる。
第13の発明は、第12の発明において、上記第2溝は、溝底が上記第3~5層のいずれかの層内に位置するものであることを特徴とするものである。
第13の発明では、第2層の繊維方向(第2方向)に直交する方向(第1方向)に延びる第2溝を、第2層には至らせず、中密度繊維板の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗し得る第2方向に延びる第2層の繊維が第2溝によって断ち切られないようにしている。このように第2溝を形成することにより、合板の表面に接着された中密度繊維板が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮しようとしても、第2方向に延びる第2層の繊維により、伸縮が抑制される。これにより、床材用基材が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮し難くなり、第2方向の反りが抑制される。つまり、第13の発明に係る床材用基材によれば、第1層の繊維方向(第1方向)だけでなく、その直交方向(第2方向)にも反り難い床材を提供することができる。
第14の発明は、第13の発明において、上記第2溝は、溝底が上記第4層内に位置するものであることを特徴とするものである。
第14の発明では、第2溝が、第3層に至らないため、中密度繊維板の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗し得る第2方向に延びる第2層の繊維が断ち切られないだけでなく、第1層と第3層とで第2層がカバーされることにより、合板の表面に接着された中密度繊維板が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮しようとしても、第2方向に延びる第2層の繊維により、伸縮がより抑制される。これにより、床材用基材が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮し難くなり、第2方向において反りがより生じ難い床材を提供することができる。
また、第14の発明では、上述の第2溝の深さと床材の遮音性能と寸法安定性(反り)の相関についての検証試験の結果より、第2溝を溝底が第4層内に位置する深さに形成することとしている。従って、第14の発明によれば、反りが生じ難く床暖房用床材に適した防音性に優れた床材を提供することができる。
第15の発明は、第11の発明において、上記第1,3,5,7層を構成する上記針葉樹薄板は、一枚の単板によって構成されるものである一方、上記第2,4,6層を構成する上記針葉樹薄板は、複数枚の単板を上記第1方向に接ぎ合わせたものであり、上記第2層を、上記第1方向の大きさが上記第1の溝間隔よりも大きい抜け節のないものとすることを特徴とするものである。
第15の発明では、7枚の針葉樹薄板を積層一体化して合板を形成している。針葉樹は広葉樹に比べて節が多いが、第2層を構成する針葉樹薄板に第1方向の大きさが第1溝の溝間隔(第1の溝間隔)よりも大きな抜け節があると、中密度繊維板の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗し得る第2方向に延びる第2層の繊維が、抜け節によって断ち切られてしまうため、中密度繊維板の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗できず、第2方向において反りが部分的に発生する虞があるが、第15の発明によれば、第2層に第1方向の大きさが第1の溝間隔よりも大きい抜け節がないので、第2方向における反りを抑制する効果が期待できる。
第16の発明は、第11の発明において、上記第1層を、針葉樹の抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の抜け節がある部分で構成して抜け節をパテで埋めることにより、抜け節がないものとし、上記第2層を、針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がある部分で構成して20mmを超える大きさの抜け節を埋木で埋めることにより、20mmを超える大きさの抜け節がないものとすることを特徴とするものである。
第16の発明では、第1層に抜け節がなく、第2層に20mmを超える大きさの抜け節がないように構成することとしている。具体的には、第1層を、針葉樹の抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の抜け節がある部分で構成した場合は抜け節をパテで埋めて消失させることで抜け節がないものにしている。また、第2層は、針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がある部分で構成した場合は20mmを超える大きさの抜け節を埋木処理によって消失させることで20mmを超える大きさの抜け節がないものにしている。第16の発明では、このように第1層に抜け節がなく、第2層に20mmを超える大きさの抜け節がないように構成することで、床材用基材を用いて作成される床材が、傷つき難く、表面性のよいものとなるようにしている。従って、第16の発明に係る床材用基材を用いることにより、傷つき難く、表面性のよい床材を提供することができる。
第17の発明は、第11の発明において、上記中密度繊維板は、広葉樹の木部繊維を主原料とするものであることを特徴とするものである。
第17の発明では、針葉樹の仮導管繊維は広葉樹の木部繊維に比べて空隙率が著しく高く、吸水率が高いことから、広葉樹の木部を主原料とする中密度繊維板(広葉樹MDF)を表面強化層として用いている。このように表面強化層を構成する中密度繊維板として広葉樹の木部繊維を用いたものとすることにより、表面強化層の吸水率を低く抑えることができ、寸法変化を抑制することができる。
第18の発明は、第11の発明において、上記床材用基材の互いに対向する2つの側面の一方に、厚み方向の中間部に雌実となる凹溝部を形成し、他方に、厚み方向の中間部に雄実となる凸条部を形成する本実加工工程をさらに備え、上記本実加工工程では、上記凹溝部の表側に隣接する表側凸部と上記凹溝部の裏側に隣接する裏側凸部と上記凸条部とが、それぞれ上記合板の複数層に跨がるように、上記雌実と上記雄実とを形成することを特徴とするものである。
第18の発明では、床材用基材の周囲側面に本実加工を施すこととし、また、雌実及び雄実の外側に出っ張った凸部分(表側凸部、裏側凸部、凸条部)が、必ず合板の複数層に跨がるように雌実及び雄実を形成することとしている。雌実及び雄実の凸部分は、脆く欠け易いが、上記のように合板の複数層に跨がるように構成することにより、第1方向に延びる繊維と第2方向に延びる繊維とを必ず含むこととなり、欠け難くなる。そのため、第18の発明によれば、雌実及び雄実の凸部分が欠け難い床材を提供することができる。
第19の発明は、第18の発明において、上記本実加工工程では、上記凹溝部の溝底角部が、上記合板の層間の接着剤部分ではなくいずれかの層内に位置するように、上記雌実を形成することを特徴とするものである。
第19の発明では、雌実の凹溝部の溝底角部が、合板のいずれかの層間の接着剤部分に位置しないように、いずれかの層内に位置するように雌実を加工するようにしている。雌実の凹溝部の溝底角部が合板の層間の接着剤部分に位置すると、雄実の凸条部が差し込まれた際に、溝底角部がある層間で合板が剥離し易くなるが、上記のように加工することにより、そのような剥離を抑制することができる。
以上説明したように、本発明によると、合板の積層数を7プライとし、合板の裏面に、第2方向に延びて裏面から第2層に至る複数の第1溝を形成することとしたため、針葉樹合板を用いても反りが生じ難く床暖房用床材に適用可能な防音性に優れた床材用基材、それを備えた床材及びその床材の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
-床材の構成-
床材1は、例えば、住宅等の建物内において、床暖房パネルの上に施工されるものである。図1~3に示すように、床材1は、矩形状に形成され、基材(床材用基材)10と、基材10の表面に接着された化粧材20と、基材10の裏面に接着された緩衝材30とを備えている。本実施形態1では、床材1は、例えば、大きさ1850mm×303mm、厚みが10mm以上16mm以下となるように形成されている。なお、床材1の大きさは適宜変更可能である。
-床材の構成-
床材1は、例えば、住宅等の建物内において、床暖房パネルの上に施工されるものである。図1~3に示すように、床材1は、矩形状に形成され、基材(床材用基材)10と、基材10の表面に接着された化粧材20と、基材10の裏面に接着された緩衝材30とを備えている。本実施形態1では、床材1は、例えば、大きさ1850mm×303mm、厚みが10mm以上16mm以下となるように形成されている。なお、床材1の大きさは適宜変更可能である。
化粧材20は、厚みが0.1mm~0.2mm程度の樹脂製の化粧シートによって形成されている。樹脂製の化粧シートとしては、オレフィン樹脂フィルム、PET(polyethylene terephthalate)樹脂フィルム、塩化ビニル樹脂フィルム等の水分を殆ど含まない樹脂フィルムを用いることができる。化粧材20には、例えば、木目、石目、抽象柄等が印刷されている。なお、化粧材20としては、樹脂製の化粧シートの他に、コート紙、樹脂含浸紙等の化粧紙、木質薄化粧突き板等の薄いシート材を用いることもできる。なお、化粧材20の厚みは、厚みが0.1mm~0.8mm程度とする。
緩衝材30は、クッション性を有するものであればいかなるものを用いてもよいが、本実施形態1では、緩衝材30は、厚みが1mm~3mm程度のポリウレタン発泡体によって構成されている。
[基材の構成]
基材10は、合板11と、合板11の表面に接着された表面強化層12とを備えている。基材10は、平面視において矩形状に形成され、本実加工を施すことにより、周囲側面に雌実13と雄実14とが形成されている。
基材10は、合板11と、合板11の表面に接着された表面強化層12とを備えている。基材10は、平面視において矩形状に形成され、本実加工を施すことにより、周囲側面に雌実13と雄実14とが形成されている。
〈合板の詳細な構成〉
合板11は、7枚の針葉樹薄板が接着剤を介在させて積層されて接着一体化された7層構造の針葉樹合板である。合板11は、表面側から裏面側に順に並ぶ針葉樹薄板からなる第1層11a~第7層11gを備えている。合板11の各層11a~11gを構成する針葉樹薄板は、針葉樹の丸太をロータリーレースによって切削した1枚又は複数枚の単板によって構成されている。針葉樹薄板としては、例えば、ヒノキ、スギ、カラマツ、エゾマツ、アカマツ、ラジアタパイン、スプルース等の薄板を用いることができる。本実施形態1では、ヒノキの薄板を用いている。
合板11は、7枚の針葉樹薄板が接着剤を介在させて積層されて接着一体化された7層構造の針葉樹合板である。合板11は、表面側から裏面側に順に並ぶ針葉樹薄板からなる第1層11a~第7層11gを備えている。合板11の各層11a~11gを構成する針葉樹薄板は、針葉樹の丸太をロータリーレースによって切削した1枚又は複数枚の単板によって構成されている。針葉樹薄板としては、例えば、ヒノキ、スギ、カラマツ、エゾマツ、アカマツ、ラジアタパイン、スプルース等の薄板を用いることができる。本実施形態1では、ヒノキの薄板を用いている。
接着剤としては、例えば、酢酸ビニル系、水性ビニルウレタン系、アクリル系、イソシアネート系、ユリア系、フェノール系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、ポリビニルアルコール系等の水系接着剤を用いることができる。なお、接着剤には、必要に応じて、例えば、イソシアネート系やメラミン系等の硬化剤が添加されていてもよい。
合板11の第1層11a~第7層11gを構成する7枚の針葉樹薄板は、厚み及び大きさが等しいものである。合板11に用いる針葉樹薄板の厚みとしては、1.0mm以上1.5mm以下が好ましい。針葉樹薄板の厚みが1.0mmよりも薄いと、丸太から安定的に切削するのが難しく、また、切削した単板を乾燥させる際に平面を維持できず、両面に均一に接着剤を塗布する強度を確保することもできないから好ましくない。一方、針葉樹薄板の厚みが1.5mmより厚いと、切削時の裏割れが大きくなると共に、積層一体化した後に、水系接着剤で補強されないまま熱圧により圧縮される部分が大きくなるだけでなく、圧縮されない部分においては熱伝導性が悪くなるので好ましくない。針葉樹薄板の大きさは、床材1の大きさにより様々に設計することができる。本実施形態1では、例えば、大きさ1850mm×303mmの床材1を製造するため、1900mm×345mm、厚み1.3mmの針葉樹薄板を用いている。
第1層11a、第3層11c、第5層11e及び第7層11g(奇数層)を構成する針葉樹薄板は、繊維が合板11の長さ方向(第1方向)に延びるように切断された1枚の単板によって構成されている。一方、第2層11b、第4層11d及び第6層11f(偶数層)を構成する針葉樹薄板は、繊維が合板11の幅方向(第2方向)に延びるように切断された複数枚の単板を繊維方向に直交する方向に接ぎ合わせることによって構成されている(図6参照)。接ぎ合わせる単板の数は特に限定されないが、本実施形態1では、偶数層を構成する針葉樹薄板は、2枚の単板を接ぎ合わせることによって構成されている。
これにより、合板11は、奇数層11a,11c,11e,11gでは、繊維が長さ方向(第1方向)に延び、偶数層11b,11d,第6層11fでは、繊維が幅方向(第2方向)に延びる。つまり、合板11は、第1~第7層11a~11g(針葉樹薄板)の隣接する2層(2枚)の間において互いの繊維方向が直交するように構成されている。
なお、床材用基材には積層数が3プライ又は5プライの合板が用いられることが多いが、本実施形態の合板11は、積層数が7プライであり、通常よりも多い。また、詳細については後述するが、合板11は、7枚の針葉樹薄板をそれぞれの間に水系接着剤を介在させて積層して熱圧プレスすることによって形成されている。そのため、本実施形態の合板11は、床材用基材として通常用いられる3プライ又は5プライの合板よりも含水率が高い状態で熱圧プレスされることとなり、厚み方向の中程から最外層に向かう程、水分が多い状態で熱圧プレスされることになるため、厚み方向の中程から最外層に向かう程、厚みが薄くなり、密度が高くなっている。また、第2層11bや第3層11cにおいても、両面に水系接着剤が塗布・含浸されることにより、水分が多い状態で熱圧プレスされるため、より圧縮されると共に、含浸された接着剤によりその圧縮状態が固定される。
具体的には、厚み1.3mmの針葉樹薄板を用いた本実施形態の合板11では、第1層11a及び第7層11gの厚みが1,1mm程度、第2層11b及び第6層11fの厚みが1.2mm程度、第3層11c~第5層11eはほぼ圧縮されずにそのままの厚み1.3mmのままとなっている。つまり、第1~第3層11a~11cは、第3層11c、第2層11b、第1層11aの順に、厚みが薄くなる一方、密度が高くなっている。また、第5~第7層11e~11gは、第5層11e、第6層11f、第7層11gの順に、厚みが薄くなる一方、密度が高くなっている。また、第1層11a及び第7層11gの厚みは、後述する表面強化層12の厚み(本実施形態1では1.2mm)以下であり、第3層11c~第5層11eの厚みは、表面強化層12の厚みよりも厚くなっている。
(第1溝、第2溝)
合板11の裏面には、複数の第1溝41と、複数の第2溝42とが形成されている。第1溝41及び第2溝42は、いずれも床材1の防音性を向上させるために形成されている。なお、第1及び第2溝41,42は、床材1が床暖房パネルの上に施工されるものである場合、床材1の表面へ熱が均一に伝わり易くする効果も奏する。
合板11の裏面には、複数の第1溝41と、複数の第2溝42とが形成されている。第1溝41及び第2溝42は、いずれも床材1の防音性を向上させるために形成されている。なお、第1及び第2溝41,42は、床材1が床暖房パネルの上に施工されるものである場合、床材1の表面へ熱が均一に伝わり易くする効果も奏する。
第1溝41は、合板11の幅方向の一端から他端まで延びる溝である。第1溝41は、本実施形態1では断面形状が矩形状になるように形成されている。第1溝41は、溝幅が1.0mm以上2.0mm以下、溝間隔(隣り合う第1溝41の間の長さ、第1の溝間隔)が10mm以上50mm以下となるように形成されている。本実施形態1では、第1溝41は、溝幅が1.5mm、溝間隔が10.2mmとなるように形成されている。また、第1溝41は、溝底が第2層11b内に位置する深さ(本実施形態1では6.9mm)に形成されている。
第2溝42は、合板11の長さ方向の一端から他端まで延びる溝である。第2溝42は、本実施形態1では断面形状が矩形状になるように形成されている。第2溝42は、溝幅が2.0mm以上4.0mm以下、溝間隔(隣り合う第2溝42の間の長さ、第2の溝間隔)が35mm以上100mm以下となるように形成されている。本実施形態1では、第2溝42は、溝幅が3.0mm、溝間隔が47mmとなるように形成されている。また、第2溝42は、溝底が第3~第5層11c~11eのいずれかの層(図3では、第4層11d)内に位置する深さ(図3では5.0mm)に形成されている。
なお、第1溝41及び第2溝42の断面形状は矩形状に限られず、いかなる形状であってもよい。また、第1溝41及び第2溝42の溝深さも上記のものに限定されない。第1溝41は、溝底が第2層11b内にあればよく、第2溝42は、溝底が第3層11c~第5層11eのいずれか1つの層内にあればよい。第1溝41及び第2溝42の溝幅及びピッチも本実施形態で例示したものに限定されない。なお、第2溝42の溝底が第3層11c~第5層11eのいずれか1つの層内にあればよい理由は後述する。
〈表面強化層の詳細な構成〉
表面強化層12は、厚みが0.8mm以上1.3mm以下で且つ密度が0.6g/cm3以上0.9g/cm3以下の中密度繊維板(MDF)で構成され、合板11の表面に接着剤で接着されている。本実施形態1では、広葉樹の木部繊維を主成分とする広葉樹MDFで表面強化層12を構成している。また、本実施形態1では、表面強化層12には、大きさが1850mm×303mm、厚みが1.2mmの広葉樹MDFを用いており、広葉樹MDFの上面と側面との角部に面取り加工が施されている。合板11との接着に用いる接着剤は、いかなる接着剤を用いてもよいが、水性ビニルウレタン系等の軟質系接着剤を用いて冷圧プレスによって積層一体化してもよく、水性ビニルウレタン系等の軟質系接着剤を用いて冷圧プレスした後に熱圧プレスすることによって積層一体化してもよい。また、PURホットメルト等の無水系軟質接着剤を用いて熱圧プレスによって積層一体化してもよい。
表面強化層12は、厚みが0.8mm以上1.3mm以下で且つ密度が0.6g/cm3以上0.9g/cm3以下の中密度繊維板(MDF)で構成され、合板11の表面に接着剤で接着されている。本実施形態1では、広葉樹の木部繊維を主成分とする広葉樹MDFで表面強化層12を構成している。また、本実施形態1では、表面強化層12には、大きさが1850mm×303mm、厚みが1.2mmの広葉樹MDFを用いており、広葉樹MDFの上面と側面との角部に面取り加工が施されている。合板11との接着に用いる接着剤は、いかなる接着剤を用いてもよいが、水性ビニルウレタン系等の軟質系接着剤を用いて冷圧プレスによって積層一体化してもよく、水性ビニルウレタン系等の軟質系接着剤を用いて冷圧プレスした後に熱圧プレスすることによって積層一体化してもよい。また、PURホットメルト等の無水系軟質接着剤を用いて熱圧プレスによって積層一体化してもよい。
〈雌実及び雄実の詳細な構成〉
図4,5に示すように、基材10の周囲側面には、本実加工が施されている。具体的には、基材10の互いに対向する2つの側面(長辺側面10a,10a及び短辺側面10b,10b)の一方には雌実13が形成され、他方には雌実13に嵌合可能な雄実14が形成されている。
図4,5に示すように、基材10の周囲側面には、本実加工が施されている。具体的には、基材10の互いに対向する2つの側面(長辺側面10a,10a及び短辺側面10b,10b)の一方には雌実13が形成され、他方には雌実13に嵌合可能な雄実14が形成されている。
雌実13は、基材10の長辺側面10a及び短辺側面10bの厚み方向の中間部が凹溝部13aとなるように基材10を切り欠くことによって形成されている。凹溝部13aは、各側面10a,10bの長さ方向の一端から他端に亘る溝である。本実施形態1では、凹溝部13aの断面形状は矩形状に形成されているが、凹溝部13aの断面形状はこれに限られず、台形状であってもよく、その他の形状であってもよい。基材10の長辺側面10a及び短辺側面10bには、凹溝部13aを切り欠くことにより、凹溝部13aの表側には表側凸部13bが隣接して形成され、凹溝部13aの裏側には裏側凸部13cが隣接して形成される。
雄実14は、基材10の長辺側面10a及び短辺側面10bの厚み方向の中間部が凸条部14aとなるように基材10を切り欠くことによって形成されている。凸条部14aは、各側面10a,10bの長さ方向の一端から他端に亘る突起である。本実施形態1では、凸条部14aの断面形状は矩形状に形成されているが、凸条部14aの断面形状はこれに限られず、凹溝部13aに嵌まる形状であれば、いかなる形状であってもよい。
雌実13及び雄実14は、それぞれ外側に出っ張った凸部分(雌実13では表側凸部13b及び裏側凸部13c、雄実14では凸条部14a)が、合板11の複数層に跨がるように形成されている。具体的には、本実施形態1では、雌実13の表側凸部13bは、合板11の第1層11a及び第2層11bの2層に跨がるように形成されている。また、雌実13の裏側凸部13cは、合板11の第5層11e~第7層11gの3層に跨がるように形成されている。また、雄実14の凸条部14aは、合板11の第2層11b~第5層11eの4層に跨がるように形成されている。
このような構成により、雌実13及び雄実14の凸部分13b,13c,14aは、脆く欠け易いが、上記のように合板11の複数層に跨がるように構成することにより、床材1の長さ方向(第1方向)に延びる繊維と床材1の幅方向(第2方向)に延びる繊維とを必ず含むこととなり、欠け難くなる。
また、本実施形態1では、上記のように雌実13を形成することにより、雌実13の凹溝部13aの溝底角部xが、合板11の層間の接着剤部分ではなく層内(本実施形態1では、表側の溝底角部xは第2層11bの層内、裏側の溝底角部xは第5層11eの層内)に位置している。雌実13の凹溝部13aの溝底角部xが合板11の層間の接着剤部分に位置すると、雄実14の凸条部14aが差し込まれた際に、溝底角部xがある層間で合板11が剥離し易くなるが、上記の構成によれば、そのような剥離を抑制することができる。
-床材の製造方法-
以下、床材1の製造方法について説明する。
以下、床材1の製造方法について説明する。
床材1は、基材形成工程S1と、化粧材接着工程S2と、緩衝材接着工程S3とを実行することによって製造される。
[基材形成工程]
基材形成工程S1は、合板形成工程S11と、表面強化層接着工程S12と、切削加工工程(溝加工工程)S13とを備えている。
基材形成工程S1は、合板形成工程S11と、表面強化層接着工程S12と、切削加工工程(溝加工工程)S13とを備えている。
まず、合板形成工程S11を行う。合板形成工程S11では、まず、針葉樹の原木をロータリーレースにより厚み1.3mm、繊維方向の長さが1900mmとなるように切削し、繊維方向の長さが1900mmで繊維直交方向の長さが345mmの4枚の第1単板と、繊維方向の長さが345mmで繊維直交方向の長さが950mmの6枚の第2単板とを用意する。4枚の第1単板を、奇数層11a,11c,11e,11g用の4枚の針葉樹薄板とする。また、2枚の第2単板を繊維直交方向に接ぎ合わせることにより、偶数層11b,11d,11f用の3枚の針葉樹薄板を形成する(図6参照)。
本実施形態1では、合板11の表層部を構成する第1層11aに抜け節がなく、第2層11bに20mmを超える大きさの抜け節がないものに構成している。ここで、「抜け節がないもの(20mmを超える大きさの抜け節がないもの)」とは、針葉樹の原木の抜け節(20mmを超える大きさの抜け節)がない部分で構成することにより抜け節(20mmを超える大きさの抜け節)がないものだけでなく、針葉樹の原木の抜け節(20mmを超える大きさの抜け節)がある部分で構成するが、抜け節(20mmを超える大きさの抜け節)を所定の処理により消失させたものも含まれる。本実施形態1では、第1層11aと第2層11bとで、抜け節を消失させる処理が異なる。第1層11aは、抜け節にパテを埋め込むパテ処理により、抜け節を消失させる。一方、第2層11bは、20mmを超える大きさの抜け節を包含する穴でくり抜き、くり抜いた穴と同形状の木材(埋木)で穴を隙間無く埋める埋木処理により、20mmを超える大きさの抜け節を消失させる。なお、パテ処理は、合板成形後に行い、埋木処理は、第2単板を用意する際に行ってもよく、第2単板を繊維直交方向に継ぎ合わせて第2層11b用の針葉樹薄板とした後に行ってもよい。
上述のように第1層11aを抜け節のないもの、また、第2層11bを、20mmを超える大きさの抜け節のないものとするために、第1~第7層11a~11g用の針葉樹薄板全てを、針葉樹の抜け節のない部分で構成するのが理想的であるが、針葉樹は節が多いため現実的ではない。奇数層11a,11c,11e,11g用の針葉樹薄板と、偶数層11b,11d,11f用の針葉樹薄板とを分けて用意し、偶数層11b,11d,11f用の針葉樹薄板を、合板成形前に埋木処理によって20mmを超える大きさの抜け節がないように構成しておくのが好ましい。このような合板作製手法によれば、2種類の針葉樹薄板を用意すればよいので、材料の調達が容易であり、作業性に優れている。
また、偶数層11b,11d,11f用の針葉樹薄板を、第2層11b及び第6層11f用と、第4層11d用とで分けて用意し、第2層11b及び第6層11f用の針葉樹薄板についてのみ、合板成形前に埋木処理によって20mmを超える大きさの抜け節がないように構成することとしてもよい。このような合板作製手法によれば、3種類の針葉樹薄板を用意する必要があるが、埋木処理を行う対象が第2層11b及び第6層11f用の針葉樹薄板のみとなるため、処理コストを抑えることができる。また、合板成形後に、合板11のいずれの面を表(第1層11a側)としても第2層11bが抜け節のないものとなるため、合板11の表裏を区別する必要がなく、作製が容易になる。
さらに、偶数層11b,11d,11f用の針葉樹薄板を、第2層11b用と、第4層11d及び第6層11f用とで分けて用意し、第2層11b用の針葉樹薄板についてのみ、合板成形前に埋木処理によって20mmを超える大きさの抜け節がないように構成することとしてもよい。このような合板作製手法によれば、3種類の針葉樹薄板を用意する必要があるが、埋木処理を行う対象が第2層11b用の針葉樹薄板のみとなるため、処理コストを最小限に抑えることができる。
次に、用意した第1~第7層11a~11g用の7枚の針葉樹薄板を、水系接着剤を介在させながら、第7層11g、第6層11f、第5層11e、第4層11d、第3層11c、第2層11b、第1層11aの順に積層する。
具体的には、まず、最下層の第7層11g用の針葉樹薄板(第1単板)の上に、第6層11f用の針葉樹薄板(2枚の第2単板を接ぎ合わせたもの)の両面全面に水系接着剤を塗布して載置する。そして、第6層11f用の針葉樹薄板の上に、第5層11e用の針葉樹薄板(第1単板)をそのまま載置し、その上に、第4層11d用の針葉樹薄板(2枚の第2単板を接ぎ合わせたもの)の両面全面に水系接着剤を塗布して載置する。そして、第4層11d用の針葉樹薄板の上に、第3層11c用の針葉樹薄板(第1単板)をそのまま載置し、その上に、第2層11b用の針葉樹薄板(2枚の第2単板を接ぎ合わせたもの)の両面全面に水系接着剤を塗布して載置する。そして、最後に、第2層11b用の針葉樹薄板の上に、第1層11a用の針葉樹薄板(第1単板)をそのまま載置する。
上述のようにして7枚の針葉樹薄板を積層したものを、積層方向に熱圧プレスすることにより、接着一体化した合板11を形成する。このように本実施形態1では、合板11の積層数を7プライとし、水系接着剤で接着することとしているため、3プライ又は5プライの合板を形成する場合に比べて、含水率が高い状態で針葉樹薄板の積層体が熱圧プレスされることとなり、形成される合板11は、厚み方向の中程から最外層に向かう程、厚みが薄く、密度が高いものとなる。
合板形成工程S11の後、表面強化層接着工程S12を行う。なお、上述したように、第1層11a用の針葉樹薄板を構成する第1単板を抜け節があるもので構成した場合は、表面強化層接着工程S12の前に、第1層11aの抜け節にパテを埋め込むことで抜け節を消失させるパテ処理を行っておく。
表面強化層接着工程S12では、まず、合板11の表面をサンディングし、表面を平滑にする。その後、合板11の表面に広葉樹MDFからなる表面強化層12を接着する。具体的には、合板11の表面に接着剤(例えば、水性ビニルウレタン系等の軟質系接着剤又はPURホットメルト等の無水系軟質接着剤)を塗布し、その上に表面強化層12を載置する。そして、合板11及び表面強化層12を、積層方向にプレス(水性ビニルウレタン系等の軟質系接着剤の場合は冷圧プレス、PURホットメルト等の無水系軟質接着剤の場合は熱圧プレス)することにより、接着一体化する。
表面強化層接着工程S12の後、切削加工工程S13を行う。切削加工工程S13は、溝加工工程S14と本実加工工程S15とを備えている。
溝加工工程S14では、合板11の裏面に、第1溝41と第2溝42とを切削加工により形成する。第1溝41は、溝幅が1.0mm以上2.0mm以下の所定の幅(本実施形態1では1.5mm)、合板11の裏面から第2層11bに至る深さ(本実施形態1では、6.9mm)の断面形状が矩形状の幅方向(第2方向)に延びる溝である。このような第1溝41を、10mm以上50mm以下の所定のピッチ(本実施形態1では、10.2mmピッチ)で複数形成する。第2溝42は、溝幅が2.0mm以上4.0mm以下の所定の幅(本実施形態1では、3.0mm)、合板11の裏面から第3~第5層11c~11eのいずれかの層(図3では、第4層11d)に至る深さ(本実施形態1の図3では、5.0mm)、断面形状が矩形状の長さ方向(第1方向)に延びる溝である。このような第2溝42を、35mm以上100mm以下の所定のピッチ(本実施形態1では、47mmピッチ)で複数形成する。
本実加工工程S15では、合板11の周囲側面(2つの長辺側面10aと2つの短辺側面10b)に、雌実13と雄実14とを切削加工(本実加工)により形成する。
具体的には、基材10の長辺側面10a及び短辺側面10bの厚み方向の中間部が凹溝部13aとなるように基材10を切り欠くことにより、雌実13を形成する。このとき、凹溝部13aの表側の表側凸部13b及び裏側の裏側凸部13cが、合板11の複数層に跨がるように雌実13を形成する。具体的には、表側凸部13bが第1層11a及び第2層11bの2層に跨がり、裏側凸部13cが第5層11e~第7層11gの3層に跨がるように雌実13を形成する。また、凹溝部13aの溝底角部xが、合板11の層間の接着剤部分ではなく層内(本実施形態1では、表側の溝底角部xが第2層11bの層内、裏側の溝底角部xが第5層11eの層内)に位置するように雌実13を形成する。
また、基材10の長辺側面10a及び短辺側面10bの厚み方向の中間部が凸条部14aとなるように基材10を切り欠くことにより、雄実14を形成する。このとき、凸条部14aが、合板11の複数層に跨がるように雄実14を形成する。具体的には、凸条部14aが第2層11b~第5層11eの4層に跨がるように雌実13を形成する。
以上のように、基材形成工程S1では、合板形成工程S11と表面強化層接着工程S12と切削加工工程(溝加工工程)S13とを実行し、基材10を形成する。
化粧材接着工程S2では、基材形成工程S1において形成した基材10の表面(表面強化層12の表面)に、接着剤で化粧材20(本実施形態1では樹脂製の化粧シート)を接着する。
緩衝材接着工程S3では、基材形成工程S1において形成した基材10の裏面(合板11の裏面)に、接着剤で緩衝材30(本実施形態1では不織布)を接着する。
以上の基材形成工程S1、化粧材接着工程S2、緩衝材接着工程S3を行うことにより、床材1を製造する。
-試験-
以上のようにして製造した本実施形態に係る床材1について以下の試験1~8を行った。試験1は、床材1の防音性、寸法安定性を確認するための試験であり、試験2~4は、抜け節が床材1の表面硬さに与える影響を確認するためのブリネル硬度試験であり、試験5,6は、溝が床材1の防音性(遮音性能)に与える影響を確認するための軽量床衝撃音試験であり、試験7,8は、第2溝42の溝深さが床材1の幅反り(第2方向の反り)に与える影響を確認するための試験であり、試験7は、乾湿繰り返し試験、試験8は、80℃熱耐久試験である。
以上のようにして製造した本実施形態に係る床材1について以下の試験1~8を行った。試験1は、床材1の防音性、寸法安定性を確認するための試験であり、試験2~4は、抜け節が床材1の表面硬さに与える影響を確認するためのブリネル硬度試験であり、試験5,6は、溝が床材1の防音性(遮音性能)に与える影響を確認するための軽量床衝撃音試験であり、試験7,8は、第2溝42の溝深さが床材1の幅反り(第2方向の反り)に与える影響を確認するための試験であり、試験7は、乾湿繰り返し試験、試験8は、80℃熱耐久試験である。
[試験1]
床材1と同様に、基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた470mm×918.5mmの試験体1-1~1-3を準備し、防音試験と吸水長さ変化率試験とを行い、軽量床衝撃音と吸水長さ膨張率とを測定した。試験体1-1~1-3は、以下の通り、基材10の構成が異なるものである。なお、試験体1-1は、本実施形態の床材1と同様の構成を有するものである。試験体1-2は、本実施形態の床材1の合板11を、5プライの針葉樹合板(ヒノキ合板)に変更したものである。試験体1-3は、本実施形態の床材1の合板11を、5プライのラワン合板に変更したものである。
床材1と同様に、基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた470mm×918.5mmの試験体1-1~1-3を準備し、防音試験と吸水長さ変化率試験とを行い、軽量床衝撃音と吸水長さ膨張率とを測定した。試験体1-1~1-3は、以下の通り、基材10の構成が異なるものである。なお、試験体1-1は、本実施形態の床材1と同様の構成を有するものである。試験体1-2は、本実施形態の床材1の合板11を、5プライの針葉樹合板(ヒノキ合板)に変更したものである。試験体1-3は、本実施形態の床材1の合板11を、5プライのラワン合板に変更したものである。
防音試験の結果、中心周波数が250Hz、500Hzの軽量床衝撃音の低減量が、試験体1-1が最も優れ、試験体2が最も劣っていた。つまり、本実施形態の床材1が、5プライの針葉樹合板(ヒノキ合板)を用いた床材及びラワン合板を用いた床材よりも防音性に優れることが判る。
また、吸水長さ変化率試験の結果、吸水長さ変化率は、試験体1-1~1-3に大きな差は見られなかったが、長さ方向の反りが、試験体1-1で最も小さく、試験体1-2で最も大きくなった。また、幅方向の反りも、試験体1-1で最も小さく、試験体1-2で最も大きくなった。つまり、本実施形態の床材1が、5プライの針葉樹合板(ヒノキ合板)を用いた床材及びラワン合板を用いた床材よりも反りが生じ難いことが判る。
[試験2~4]
(試験2)
基材10と化粧材20とを備えた150mm×150mmの試験体2-1~2-8を準備し、ブリネル硬度試験を行い、ブリネル硬度を測定した。
(試験2)
基材10と化粧材20とを備えた150mm×150mmの試験体2-1~2-8を準備し、ブリネル硬度試験を行い、ブリネル硬度を測定した。
試験体2-1~2-8は、それぞれ基材10の構成が異なるものである。具体的には、試験体2-1~2-8は、いずれも150mm×150mm、厚み1.3mmの7枚の針葉樹薄板を繊維方向が交互に直交するように水系接着剤を介在させながら積層し、熱圧プレスすることによって合板11を形成し、合板11の表面をサンディングした後、広葉樹MDFからなる表面強化層12、厚み0.14mmのオレフィン化粧シートからなる化粧材20を、この順に水性ビニルウレタン系接着剤で各表面に貼着したものである。
試験体2-1~2-4は、第2層11bを構成する針葉樹薄板の中心部に直径30mmの人工的な貫通孔(抜け節を想定)を形成し、第1層11aは、パテ処理によって抜け節がないように構成したものである。一方、試験体2-5~2-8は、第1層11a及び第2層11bは、共に抜け節がないように構成したものである。
また、試験体2-1~2-4では、それぞれ表面強化層12の厚みを異ならせ、試験体2-1では1.0mm、試験体2-2では1.3mm、試験体2-3では1.5mm、試験体2-4では2.7mmとした。同様に、試験体2-5~2-8についても、それぞれ表面強化層12の厚みを異ならせ、試験体2-5では1.0mm、試験体2-6では1.3mm、試験体2-7では1.5mm、試験体2-8では2.7mmとした。
ブリネル硬度試験は、JIS Z 2101「木材の試験方法」の「表面硬さ(ブリネル硬さ)の測定」に記載の試験方法に準拠し、試験体2-1~2-8の表面の中心部(試験体2-1~2-4では人工的な貫通孔に対応する位置)のブリネル硬度を測定した。
試験2の結果は、図7に示すものとなった。ブリネル硬度が11N/mm2以上の場合を「○」、9.8N/mm2以上11N/mm2未満を「△」、9.8N/mm2未満を「×」で示している。試験2の結果より、本実施形態の床材1のように、表面強化層12の厚みを1.5mmよりも薄くした場合(0.8mm以上1.3mm以下)、合板11の第2層11bに抜け節(試験2では貫通孔)があると、ブリネル硬度が床材1として求められる値(11N/mm2)に達しないものとなることが判った。
また、試験2の比較試験として、試験体2-1~2-4において、第2層11bを構成する針葉樹薄板の中心部に形成する貫通孔の直径を20mmに変更し、その他の構成は試験体2-1~2-4と同様に構成した試験体2-11~2-14を用意し、同様のブリネル硬度試験を行ったところ、試験体2-11~2-14のいずれもブリネル硬度が11N/mm2以上(試験結果が「○」)となった。試験2及び比較試験より、本実施形態の床材1のように、表面強化層12の厚みを1.5mmよりも薄くした場合(0.8mm以上1.3mm以下)でも、第1層11aに抜け節がなく、第2層11bに20mmを超える大きさの抜け節がなければ、床材表面のブリネル硬度が所望の硬度以上のものとなることが判った。
(試験3)
床材1と同様に、基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた150mm×150mmの試験体3-1~3-8を準備し、ブリネル硬度試験を行い、ブリネル硬度を測定した。なお、試験体3-1~3-8は、試験体2-1~2-8の合板11の第1層11a及び第7層11gを構成する針葉樹薄板の厚みを1.7mmに変更したものであり、その他の構成は、試験体2-1~2-8と同様に構成されている。
床材1と同様に、基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた150mm×150mmの試験体3-1~3-8を準備し、ブリネル硬度試験を行い、ブリネル硬度を測定した。なお、試験体3-1~3-8は、試験体2-1~2-8の合板11の第1層11a及び第7層11gを構成する針葉樹薄板の厚みを1.7mmに変更したものであり、その他の構成は、試験体2-1~2-8と同様に構成されている。
試験3の結果は、図8に示すものとなり、図7に示す試験2の結果と同様の結果となった。つまり、試験2,3の結果より、本実施形態の床材1のように、表面強化層12の厚みを1.5mmよりも薄くした場合(0.8mm以上1.3mm以下)、合板11の第2層11bに20mmを超える大きさの抜け節(試験2では貫通孔)があると、ブリネル硬度が床材1として求められる値(11N/mm2)に達しないものとなり、合板11の第1層11aを分厚くしてもブリネル硬度に大きな影響がないことが判った。
(試験4)
床材1と同様に、基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた150mm×150mmの試験体4-1~4-6を準備し、ブリネル硬度試験を行い、ブリネル硬度を測定した。なお、試験体4-1~4-3は、試験体2-1~2-3の合板11の第2層11bを構成する針葉樹薄板の中心部に形成していた直径30mmの人工的な貫通孔(抜け節を想定)を、第3層11cを構成する針葉樹薄板の中心部に形成し、第1層11aは、抜け節がなく、第2層11bは20mmを超える大きさの抜け節がないように構成したものである。試験体4-4~4-6は、試験体4-1~4-3において第3層11cを20mmを超える大きさの抜け節がないように構成したものである。
床材1と同様に、基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた150mm×150mmの試験体4-1~4-6を準備し、ブリネル硬度試験を行い、ブリネル硬度を測定した。なお、試験体4-1~4-3は、試験体2-1~2-3の合板11の第2層11bを構成する針葉樹薄板の中心部に形成していた直径30mmの人工的な貫通孔(抜け節を想定)を、第3層11cを構成する針葉樹薄板の中心部に形成し、第1層11aは、抜け節がなく、第2層11bは20mmを超える大きさの抜け節がないように構成したものである。試験体4-4~4-6は、試験体4-1~4-3において第3層11cを20mmを超える大きさの抜け節がないように構成したものである。
試験4の結果は、図9に示すものとなり、試験体4-1~4-6のいずれも、表面のブリネル硬度が床材1として求められる値(11N/mm2)以上のものとなった。つまり、試験2,4の結果より、本実施形態の床材1のように、表面強化層12の厚みを1.5mmよりも薄くした場合(0.8mm以上1.3mm以下)、合板11の第2層11bに20mmを超える大きさの抜け節(試験2では貫通孔)があると、ブリネル硬度が床材1として求められる値(11N/mm2)に達しないものとなるが、表面強化層12の厚みを1.5mmよりも薄くしても、第1層11aに抜け節がなく、第2層11bに20mmを超える大きさの抜け節がなければ、第3層11cに抜け節があっても、表面のブリネル硬度に悪影響を及ぼさないことが判った。
[試験5~7]
(試験5)
基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた900mm×150mmの試験体5-1~5-16を準備し、軽量床衝撃音試験を行い、125Hz~500Hzの音の低減量を測定した。
(試験5)
基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた900mm×150mmの試験体5-1~5-16を準備し、軽量床衝撃音試験を行い、125Hz~500Hzの音の低減量を測定した。
試験体5-1~5-16は、それぞれ基材10の構成が異なるものである。具体的には、試験体5-1~5-16は、それぞれ第2溝42の態様(有無及び深さ)及び表面強化層12の厚みを異ならせたものであり、その他の構成は床材1と同様に構成されている。試験体5-1~5-16の作製には、まず、厚み1.3mmの7枚の針葉樹薄板を繊維方向が交互に直交するように水系接着剤を介在させながら積層し、熱圧プレスすることによって合板11を形成する。合板11の表面をサンディングした後、広葉樹MDFからなる表面強化層12、厚み0.14mmのオレフィン化粧シートを、この順に水性ビニルウレタン系接着剤で各表面に貼着し、900mm×150mmに小割りする。小割りした合板11の四周に本実加工を施して雌実13と雄実14とを形成する。また、合板11の裏面(第7層11gの裏面)に第1及び第2溝41,42又は第1溝41のみを形成した上で、裏面全体を覆うように厚さ3mmの発泡系緩衝材からなる緩衝材30を貼着することにより、試験体5-1~5-16が作製される。
試験体5-1~5-4は、合板11の裏面に第1溝41のみを形成し、第2溝42を形成しないものである。試験体5-5~5-16は、合板11の裏面に第1溝41及び第2溝42を形成するものである。試験体5-1~5-16に形成される第1溝41は、床材1と同様に、溝幅が1.5mm、溝間隔が10.2mm、溝底が第2層11b内に位置する深さ(溝底の厚み2.6mm)のものとする。試験体5-5~5-16に形成される第2溝42は、床材1と同様に、溝幅が3.0mm、溝間隔が47mmのものとする一方、深さは、試験体5-5~5-8では、溝底が第3層11c内に位置する深さ(溝底の厚み3.7mm)とし、試験体5-9~5-12では、溝底が第4層11d内に位置する深さ(溝底の厚み5.0mm)とし、試験体5-13~5-16では、溝底が第5層11e内に位置する深さ(溝底の厚み6.3mm)とする。
なお、試験体5-1~5-16は、パテ処理によって第1層11aを抜け節のないものとし、埋木処理によって偶数層11b,11d,11fを20mmを超える大きさの抜け節のないものとしたものである。
また、試験体5-1~5-4では、それぞれ表面強化層12の厚みを異ならせ、試験体5-1では1.0mm、試験体5-2では1.3mm、試験体5-3では1.5mm、試験体5-4では2.7mmとした。同様に、試験体5-5~5-8、試験体5-9~5-12及び試験体5-13~5-16についても、それぞれ表面強化層12の厚みを異ならせ、試験体5-5、5-9、5-13では1.0mm、試験体5-6、5-10、5-14では1.3mm、試験体5-7、5-11、5-15では1.5mm、試験体5-8、5-12、5-16では2.7mmとした。
軽量床衝撃音試験は、JIS A 1440-1「実験室におけるコンクリート床上の床仕上げ構造の床衝撃音レベル低減量の測定方法」の「標準軽量衝撃源による方法」に記載の試験方法に準拠し、試験体5-1~5-16の軽量床衝撃音レベル低減量を測定した。
試験5の結果は、図10に示すものとなった。125Hz~500Hzの軽量床衝撃音レベル低減量がΔLL-4以上の場合を「○」、ΔLL-3相当を「△」、ΔLL-3未満を「×」で示している。試験5の結果より、本実施形態の床材1のように、表面強化層12の厚みを1.5mmよりも薄くしても(0.8mm以上1.3mm以下)、第2溝42を形成しないと、床材1の柔軟性が不足して衝撃力を吸収し難くなり、求められる遮音性能を有しない防音性に欠ける床材1となることが判った。また、表面強化層12の厚みを1.5mmよりも薄くし、第2溝42の深さを溝底が第3~第5層11c~11eのいずれかの層内に位置する深さとすれば、求められる遮音性能を有し、防音性に優れた床材1が得られることが判った。なお、図10には示していないが、第2溝42の深さを深くする程、遮音性能が向上することが判った。
(試験6)
基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた900mm×150mmの試験体6-1~6-12を準備し、軽量床衝撃音試験を行い、125Hz~500Hzの音の低減量を測定した。なお、試験体6-1~6-12は、試験体5-1~5-12の合板11の第1層11a及び第7層11gを構成する針葉樹薄板の厚みを1.7mmに変更したものであり、その他の構成は、試験体5-1~5-12と同様に構成されている。
基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた900mm×150mmの試験体6-1~6-12を準備し、軽量床衝撃音試験を行い、125Hz~500Hzの音の低減量を測定した。なお、試験体6-1~6-12は、試験体5-1~5-12の合板11の第1層11a及び第7層11gを構成する針葉樹薄板の厚みを1.7mmに変更したものであり、その他の構成は、試験体5-1~5-12と同様に構成されている。
試験6の結果は、図11に示すものとなり、試験体6-1~6-12のいずれも、表面のブリネル硬度が床材1として求められる値(11N/mm2)未満のものとなった。つまり、試験5,6の結果より、本実施形態の床材1のように、表面強化層12の厚みを1.5mmよりも薄くしても(0.8mm以上1.3mm以下)、合板11の第1層11aが分厚いと、床材1の長手方向(第1方向)の剛性が上がるため、求められる遮音性能を有しない防音性に欠ける床材1となることが判った。
[試験7,8]
(試験7)
基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた900mm×150mmの試験体7-1~7-8を準備し、乾湿繰り返し試験を行い、幅方向(第2方向)の反りの大きさを目視で観察した。
(試験7)
基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた900mm×150mmの試験体7-1~7-8を準備し、乾湿繰り返し試験を行い、幅方向(第2方向)の反りの大きさを目視で観察した。
試験体7-1~7-8は、それぞれ基材10の構成が異なるものである。具体的には、試験体7-1~7-8は、それぞれ第2溝42の態様(深さ)及び表面強化層12の厚みを異ならせたものであり、その他の構成は床材1と同様に構成されている。試験体7-1~7-8の作製には、まず、厚み1.3mmの7枚の針葉樹薄板を繊維方向が交互に直交するように水系接着剤を介在させながら積層し、熱圧プレスすることによって合板11を形成する。合板11の表面をサンディングした後、広葉樹MDFからなる表面強化層12、厚み0.14mmのオレフィン化粧シートを、この順に水性ビニルウレタン系接着剤で各表面に貼着し、900mm×150mmに小割りする。小割りした合板11の四周に本実加工を施して雌実13と雄実14とを形成する。また、合板11の裏面(第7層11gの裏面)に第1及び第2溝41,42を形成した上で、裏面全体を覆うように厚さ3mmの発泡系緩衝材からなる緩衝材30を貼着することにより、試験体7-1~7-8が作製される。
試験体7-1~7-8に形成される第1溝41は、床材1と同様に、溝幅が1.5mm、溝間隔が10.2mm、溝底が第2層11b内に位置する深さ(溝底の厚み2.6mm)のものとする。試験体7-1~7-8に形成される第2溝42は、床材1と同様に、溝幅が3.0mm、溝間隔が47mmのものとする一方、深さは、試験体7-1,7-2では、溝底が第2層11b内に位置する深さ(溝底の厚み1.6mm)とし、試験体7-3,7-4では、溝底が第3層11c内に位置する深さ(溝底の厚み3.7mm)とし、試験体7-5,7-6では、溝底が第4層11d内に位置する深さ(溝底の厚み5.0mm)とし、試験体7-7,7-8では、溝底が第5層11e内に位置する深さ(溝底の厚み6.3mm)とする。
なお、試験体7-1~7-8は、パテ処理によって第1層11aを抜け節のないものとし、埋木処理によって偶数層11b,11d,11fを20mmを超える大きさの抜け節のないものとしたものである。
また、試験体7-1,7-2では、それぞれ表面強化層12の厚みを異ならせ、試験体7-1では1.0mm、試験体7-2では1.3mmとした。同様に、試験体7-3,7-4、試験体7-5,7-6及び試験体7-7,7-8についても、それぞれ表面強化層12の厚みを異ならせ、試験体7-3,7-5,7-7では1.0mm、試験体7-4,7-6,7-8では1.3mmとした。
乾湿繰り返し試験は、温度40℃及び相対湿度90%の吸湿条件下と温度20℃及び相対湿度40%の放湿条件下とにそれぞれ48時間置き、これを2サイクル行った後、試験体7-1~7-8の幅方向(第2方向)の反りの大きさを目視で観察することにより行った。
試験7の結果は、図12に示すものとなった。幅方向(第2方向)の反りが許容できるものを「○」、幅方向(第2方向)の反りが許容できない大きなものを「×」で示している。試験7の結果より、第2溝42の深さを溝底が第3~第5層11c~11eのいずれかの層内に位置する深さ(溝底の厚み3.7mm以上)とすれば、幅方向(第2方向)の反りが許容できる程度のものであるが、第2溝42の深さを溝底が第2層11b内に位置する深さ(溝底の厚み1.6mm)とすると、幅方向の反りが許容できない大きなものとなることが判った。なお、試験体7-3,7-5,7-7間で幅方向の反りの程度に大きな差異はなく、試験体7-4,7-6,7-8間でも幅方向の反りの程度に大きな差異はなかった。
(試験8)
基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた900mm×150mmの試験体8-1~8-8を準備し、80℃熱耐久試験を行い、幅方向(第2方向)の反りの大きさを目視で観察した。なお、試験体8-1~8-8は、試験体7-1~7-8と同様に構成したものである。
基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた900mm×150mmの試験体8-1~8-8を準備し、80℃熱耐久試験を行い、幅方向(第2方向)の反りの大きさを目視で観察した。なお、試験体8-1~8-8は、試験体7-1~7-8と同様に構成したものである。
80℃熱耐久試験は、試験体8-1~8-8を80℃のドライヤーで48時間乾燥して絶乾状態とした後、幅方向(第2方向)の反りの大きさを目視で観察することによって行った。
試験8の結果は、図13に示すものとなり、試験7と同様の結果となった。試験8の結果によっても、第2溝42の深さを溝底が第3~第5層11c~11eのいずれかの層内に位置する深さ(溝底の厚み3.7mm以上)とすれば、幅方向(第2方向)の反りが許容できる程度のものであるが、第2溝42の深さを溝底が第2層11b内に位置する深さ(溝底の厚み1.6mm)とすると、幅方向の反りが許容できない大きなものとなることが判った。なお、試験8では、試験体8-3,8-5,8-7間及び試験体8-4,8-6,8-8間のそれぞれで、幅方向の反りが若干異なり、第2溝42の深さが深くなる程、幅方向の反りが大きくなった。つまり、第2溝42の深さが浅い(溝底が分厚い)程、加熱乾燥による幅方向の反りが生じ難くなり、床暖房用床材に適することが判った。
-実施形態1の効果-
本実施形態の床材用の基材10では、合板11の積層数を7プライとし、合板11の裏面に、裏面から第2層11bまで至る深さの複数の第1溝41を形成することとしている。床材用基材の合板としては積層数が3プライ又は5プライであるものが用いられることが多いが、本実施形態1では、合板11の積層数を7プライとしているので、接着剤で接着される箇所(針葉樹薄板からなる各層の層間)が3プライ合板や5プライ合板に比べて増えるため、3プライ合板や5プライ合板に比べて強度が向上する。また、合板11の積層数を7プライとしているので、裏面から第2層11bまで至る第1溝41が、3プライ合板や5プライ合板で同様に第1溝41を形成した場合に比べてより深くなる。このように深い複数の第1溝41により、合板11の剛性が低下して柔軟性が高まり、衝撃力を吸収し易くなる。つまり、本実施形態の床材用基材10を用いると、床材1が、求められる遮音性能を有し、防音性に優れたものとなる。
本実施形態の床材用の基材10では、合板11の積層数を7プライとし、合板11の裏面に、裏面から第2層11bまで至る深さの複数の第1溝41を形成することとしている。床材用基材の合板としては積層数が3プライ又は5プライであるものが用いられることが多いが、本実施形態1では、合板11の積層数を7プライとしているので、接着剤で接着される箇所(針葉樹薄板からなる各層の層間)が3プライ合板や5プライ合板に比べて増えるため、3プライ合板や5プライ合板に比べて強度が向上する。また、合板11の積層数を7プライとしているので、裏面から第2層11bまで至る第1溝41が、3プライ合板や5プライ合板で同様に第1溝41を形成した場合に比べてより深くなる。このように深い複数の第1溝41により、合板11の剛性が低下して柔軟性が高まり、衝撃力を吸収し易くなる。つまり、本実施形態の床材用基材10を用いると、床材1が、求められる遮音性能を有し、防音性に優れたものとなる。
また、本実施形態1では、複数の第1溝41が、合板11の第1層11aの繊維方向(第1方向)に直交する方向(第2方向)に延びる複数の第1溝41が第1層11aには至らないので、第1層11aの繊維が断ち切られない。このような構成により、本実施形態1では、合板11の表面に接着された中密度繊維板からなる表面強化層12が吸湿又は放湿によって第1方向に伸縮しようとしても、第1方向に延びる第1層11aの繊維により、伸縮が抑制される。これにより、床材用基材10が吸湿又は放湿によって第1方向に伸縮し難くなり、第1方向の反りが抑制される。従って、本実施形態1によれば、針葉樹合板を用いても反りが生じ難く床暖房用床材に適用可能な防音性に優れた床材用基材10を提供することができる。
また、本実施形態1では、合板11の裏面に、第1溝41だけでなく、第1溝41の延伸方向(第2方向)に直交する方向(第1方向)に延びる第2溝42を少なくとも1つ形成することとしている。このように第2溝42を形成することにより、第1溝41のみを形成した場合に比べて合板11の剛性が低下して柔軟性が高まり、衝撃力を吸収し易くなる。つまり、本実施形態1によれば、より防音性に優れた床材用基材1を提供することができる。
さらに、本実施形態1では、第2層11bの繊維方向(第2方向)に直交する方向(第1方向)に延びる第2溝42が、溝底が第3~第5層11c~11eのいずれかの層内にあって第2層11bには至らないので、合板11の表面に接着された中密度繊維板からなる表面強化層12の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗し得る第2方向に延びる第2層11bの繊維が断ち切られない。このような構成により、本実施形態1では、合板11の表面に接着された中密度繊維板からなる表面強化層12が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮しようとしても、第2方向に延びる第2層11bの繊維により、伸縮が抑制される。これにより、床材用基材10が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮し難くなり、第2方向の反り(幅反り)が抑制される。つまり、本実施形態の床材用基材10によれば、第1層11aの繊維方向(第1方向)の反りが抑制されるだけでなく、その直交方向(第2方向)の反りも抑制される。
また、本実施形態1の図3では、第2溝42が、溝底が第4層11d内に位置するように形成されており、第2溝42が第3層11cに至らないため、中密度繊維板からなる表面強化層12の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗し得る第2方向に延びる第2層11bの繊維が断ち切られないだけでなく、第1層11aと第3層11cとで第2層11bがカバーされることにより、合板11の表面に接着された中密度繊維板からなる表面強化層12が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮しようとしても、第2方向に延びる第2層11bの繊維により、伸縮がより抑制される。これにより、床材用基材10が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮し難くなり、第2方向の反りがより生じ難い床材1を提供することができる。
また、本願の発明者等は、第2溝42の深さと床材1の遮音性能と反りの相関について検証試験(試験5,7,8)を行った。検証試験の結果、第2溝42の深さを深くする程、遮音性能が向上する一方、第2方向の反りが生じ易くなることが判った。また、第2溝42の溝底が第3~第5層11c~11e内に位置する深さの場合、求められる遮音性能を有しつつ第2方向の反りが生じ難い床材1を形成することができること、特に、遮音性能と反りの観点から、第2溝42の溝底が第4層11d内に位置する深さとするのが好ましいことが判った。そこで、本実施形態1の図3の例では、第2溝42を溝底が第4層11d内に位置する深さに形成することとしている。従って、本実施形態1の図3の例によれば、反りが生じ難く床暖房用床材に適した防音性に優れた床材1を提供することができる。
また、本願の発明者等は、合板11の第1~第3層11a~11cの抜け節の有無と床材1表面のブリネル硬度の相関について検証試験(試験2~4)を行った。検証試験の結果、合板11の表層部を構成する第1層11aに抜け節がある又は第2層11bに20mmを超える大きさの抜け節があると、床材1表面のブリネル硬度が所望の硬度を下回る一方、第3層11cに20mmを超える大きさの抜け節があっても第1層11aに抜け節がなく、第2層11bに20mmを超える大きさの抜け節がなければ、床材1表面のブリネル硬度が所望の硬度以上のものとなることが判った。つまり、合板11の第1層11aに抜け節がある又は第2層11bに20mmを超える大きさの抜け節があるまま床材1を形成すると、床材1が傷つき易いものとなる虞があることが判った。また、合板11の表層部を形成する第1層11aに抜け節があると、床材1の表面性を悪化させ、床材1の意匠性の低下を招く虞もある。特に、反りの影響を極力小さくするために薄い(例えば、1.5mm程度の)中密度繊維板を表面強化層12として用いる場合、表層付近に抜け節があると、薄い中密度繊維板からなる表面強化層12を通じて化粧材20にまで抜け節の影響(凹凸等)が表出し、床材1の意匠性を低下させる虞が高くなる。
そこで、本実施形態1では、第1層11aに抜け節がなく、第2層11bに20mmを超える大きさの抜け節がないように構成することとしている。具体的には、第1層11aを、針葉樹の抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の抜け節がある部分で構成した場合は抜け節をパテで埋めて消失させることで抜け節がないものにしている。また、第2層11bは、針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がある部分で構成した場合は20mmを超える大きさの抜け節を埋木処理によって消失させることで20mmを超える大きさの抜け節がないものにしている。本実施形態1では、このように第1層11aに抜け節がなく、第2層11bに20mmを超える大きさの抜け節がないように構成することで、床材用基材10を用いて作製される床材が、傷つき難く、表面性のよいものとなるようにしている。床材1の表面性を悪化させないようにしている。従って、本実施形態1によれば、床材1の表面性を悪化させない床材用基材10を比較的容易に提供することができる。
また、本実施形態1では、針葉樹の仮導管繊維は広葉樹の木部繊維に比べて空隙率が著しく高く、吸水率が高いことから、広葉樹の木部繊維を主原料とする中密度繊維板(広葉樹MDF)を表面強化層12として用いている。このように表面強化層12を構成する中密度繊維板として広葉樹の木部繊維を用いたものとすることにより、表面強化層12の吸水率を低く抑えることができ、寸法変化を抑制することができる。
また、本実施形態1では、床材用基材10の周囲側面に本実加工を施し、また、雌実13及び雄実14の外側に出っ張った凸部分(表側凸部13b、裏側凸部13c、凸条部14a)が、必ず合板11の複数層に跨がるように雌実13及び雄実14を形成することとしている。雌実13及び雄実14の凸部分13b,13c,14aは、脆く欠け易いが、上記のように合板11の複数層に跨がるように構成することにより、第1方向に延びる繊維と第2方向に延びる繊維とを必ず含むこととなり、欠け難くなる。そのため、本実施形態1によれば、雌実13及び雄実14の凸部分13b,13c,14aが欠け難い床材用基材10を提供することができる。
また、本実施形態1では、雌実13の凹溝部13aの溝底角部xが、合板11のいずれかの層間の接着剤部分に位置しないように、いずれかの層内に位置するように雌実13が形成されている。雌実13の凹溝部13aの溝底角部xが合板11の層間の接着剤部分に位置すると、雄実14の凸条部14aが差し込まれた際に、溝底角部xがある層間で合板11が剥離し易くなるが、上記の構成によれば、そのような剥離を抑制することができる。
また、本実施形態1によれば、上記床材用基材10を備えることにより、針葉樹合板を用いても反りが生じ難く床暖房用床材に適用可能な防音性に優れた床材1を提供することができる。
また、本実施形態の床材の製造方法では、積層数7プライの合板11の裏面に、裏面から第2層11bまで至る深さの複数の第1溝41を形成することとしている。床材用基材の合板としては積層数が3プライ又は5プライであるものが用いられることが多いが、本実施形態1では、合板11の積層数を7プライとしているので、水系接着剤で接着される箇所(針葉樹薄板からなる各層の層間)が3プライ合板や5プライ合板に比べて増えるため、3プライ合板や5プライ合板に比べて強度が向上する。また、合板11の積層数を7プライとしているので、裏面から第2層11bまで至る第1溝41が、3プライ合板や5プライ合板で同様に第1溝41を形成した場合に比べてより深くなる。このように深い複数の第1溝41により、合板11の剛性が低下して柔軟性が高まり、衝撃力を吸収し易くなる。つまり、本実施形態の製造方法によれば、求められる遮音性能を有し、防音性に優れた床材1を提供することができる。
また、本実施形態の床材の製造方法では、合板11の第1層11aの繊維方向(第1方向)に直交する方向(第2方向)に延びる複数の第1溝41を、第1層11aには至らせず、第1層11aの繊維が第1溝41によって断ち切られないようにしている。このように第1溝41を形成することにより、合板11の表面に接着された中密度繊維板からなる表面強化層12が吸湿又は放湿によって第1方向に伸縮しようとしても、第1方向に延びる第1層11aの繊維により、伸縮が抑制される。これにより、吸湿又は放湿によって第1方向に伸縮し難く、第1方向において反りが生じ難い床材1を製造することができる。
また、本実施形態の床材の製造方法では、床材用基材には通常積層数が3プライ又は5プライの合板を用いることが多いところ、合板11の積層数を7プライとし、水系接着剤で接着することとしている。そのため、本実施形態1では、3プライ又は5プライの合板を形成する場合に比べて、含水率が高い状態で針葉樹薄板の積層体が熱圧プレスされることとなり、形成される合板は、厚み方向の中程から最外層に向かう程、厚みが薄く、密度が高いものとなる。本実施形態の床材の製造方法によれば、このような構成の合板11を用いることにより、表面強度に優れた床材1を提供することができる。
以上により、本実施形態の床材の製造方法によれば、針葉樹合板を用いても反りが生じ難く床暖房用床材に適用可能な防音性に優れた床材1を提供することができる。
また、本実施形態1の床材の製造方法では、合板11の裏面に、第1溝41だけでなく、第1溝41の延伸方向(第2方向)に直交する方向(第1方向)に延びる第2溝42を少なくとも1つ形成することとしている。このように第2溝42を形成することにより、第1溝41のみを形成した場合に比べて合板11の剛性が低下して柔軟性が高まり、衝撃力を吸収し易くなる。つまり、本実施形態1の床材の製造方法によれば、より防音性に優れた床材用基材10を提供することができる。
また、本実施形態1の床材の製造方法では、第2層11bの繊維方向(第2方向)に直交する方向(第1方向)に延びる第2溝42を、第2層11bには至らせず、中密度繊維板からなる表面強化層12の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗し得る第2方向に延びる第2層11bの繊維が第2溝42によって断ち切られないようにしている。このように第2溝42を形成することにより、合板11の表面に接着された中密度繊維板からなる表面強化層12が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮しようとしても、第2方向に延びる第2層11bの繊維により、伸縮が抑制される。これにより、床材用基材10が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮し難くなり、第2方向の反りが抑制される。つまり、本実施形態1の床材の製造方法によれば、第1層11aの繊維方向(第1方向)だけでなく、その直交方向(第2方向)にも反り難い床材1を提供することができる。
さらに、本実施形態1の図3に示す床材1を製造する製造方法では、第2溝42の溝底が第4層11d内に位置し、第2溝42が、第3層11cには至らないため、中密度繊維板からなる表面強化層12の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗し得る第2方向に延びる第2層11bの繊維が断ち切られないだけでなく、第1層11aと第3層11cとで第2層11bがカバーされることにより、合板11の表面に接着された中密度繊維板からなる表面強化層12が吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮しようとしても、第2方向に延びる第2層11bの繊維により、伸縮が抑制される。これにより、吸湿又は放湿によって第2方向に伸縮し難く、第2方向において反りがより生じ難い床材1を製造することができる。
また、本実施形態1の床材の製造方法において、上述の第2溝42の深さと床材1の遮音性能と寸法安定性(反り)の相関についての検証試験(試験5,7,8)の結果より、第2溝42を溝底が第4層11d内に位置する深さにすれば、反りが生じ難く床暖房用床材に適した防音性に優れた床材を提供することができる。
また、本実施形態1の床材の製造方法では、第1層11aに抜け節がなく、第2層11bに20mmを超える大きさの抜け節がないように構成することとしている。具体的には、第1層11aを、針葉樹の抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の抜け節がある部分で構成した場合は抜け節をパテで埋めて消失させることで抜け節がないものにしている。また、第2層11bは、針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がある部分で構成した場合は20mmを超える大きさの抜け節を埋木処理によって消失させることで20mmを超える大きさの抜け節がないものにしている。本実施形態1では、このように第1層11aに抜け節がなく、第2層11bに20mmを超える大きさの抜け節がないように構成することで、床材1が、傷つき難く、表面性のよいものとなるようにしている。従って、本実施形態1の床材の製造方法によれば、傷つき難く、表面性のよい床材1を提供することができる。
また、本実施形態の床材の製造方法では、針葉樹の仮導管繊維は広葉樹の木部繊維に比べて空隙率が著しく高く、吸水率が高いことから、広葉樹の木部繊維を主原料とする中密度繊維板(広葉樹MDF)を表面強化層12として用いている。このように表面強化層12を構成する中密度繊維板として広葉樹の木部繊維を用いたものとすることにより、表面強化層12の吸水率を低く抑えることができ、寸法変化を抑制することができる。
また、本実施形態の床材の製造方法では、床材用基材10の周囲側面に本実加工を施すこととし、また、雌実13及び雄実14の外側に出っ張った凸部分(表側凸部13b、裏側凸部13c、凸条部14a)が、必ず合板11の複数層に跨がるように雌実13及び雄実14を形成することとしている。雌実13及び雄実14の凸部分13b,13c,14aは、脆く欠け易いが、上記のように合板11の複数層に跨がるように構成することにより、第1方向に延びる繊維と第2方向に延びる繊維とを必ず含むこととなり、欠け難くなる。そのため、本実施形態の床材の製造方法によれば、雌実13及び雄実14の凸部分13b,13c,14aが欠け難い床材1を提供することができる。
また、本実施形態の床材の製造方法では、雌実13の凹溝部13aの溝底角部xが、合板11のいずれかの層間の接着剤部分に位置しないように、いずれかの層内に位置するように雌実13を加工するようにしている。雌実13の凹溝部13aの溝底角部xが合板11の層間の接着剤部分に位置すると、雄実14の凸条部14aが差し込まれた際に、溝底角部xがある層間で合板11が剥離し易くなるが、上記のように加工することにより、そのような剥離を抑制することができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2は、実施形態1において、床材1の大きさを変更し、溝構成を変更したものである。具体的には、図14に示すように、床材1の幅を50mm以上100mm以下(例えば、75mm)とし、合板11の裏面には、第1溝41のみを形成し、第2溝42は形成しないこととした。その他の構成は、実施形態1と同様に構成している。
実施形態2は、実施形態1において、床材1の大きさを変更し、溝構成を変更したものである。具体的には、図14に示すように、床材1の幅を50mm以上100mm以下(例えば、75mm)とし、合板11の裏面には、第1溝41のみを形成し、第2溝42は形成しないこととした。その他の構成は、実施形態1と同様に構成している。
-試験-
以上のような実施形態2の床材1について、以下の試験9を行った。試験9は、溝が床材1の防音性(遮音性能)に与える影響を確認するための軽量床衝撃音試験である。
以上のような実施形態2の床材1について、以下の試験9を行った。試験9は、溝が床材1の防音性(遮音性能)に与える影響を確認するための軽量床衝撃音試験である。
(試験9)
基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた試験体9-1~9-8を準備し、軽量床衝撃音試験を行い、125Hz~500Hzの音の低減量を測定した。なお、試験体9-1~9-4は、実施形態1において行った試験5の試験体5-1~5-4の幅方向の長さ(第2方向の長さ)を75mmに変更したものであり、試験体9-5~9-8は、試験体5-1~5-4と同様(幅方向の長さ150mm、第2溝42なし)に構成されている。
基材10と化粧材20と緩衝材30とを備えた試験体9-1~9-8を準備し、軽量床衝撃音試験を行い、125Hz~500Hzの音の低減量を測定した。なお、試験体9-1~9-4は、実施形態1において行った試験5の試験体5-1~5-4の幅方向の長さ(第2方向の長さ)を75mmに変更したものであり、試験体9-5~9-8は、試験体5-1~5-4と同様(幅方向の長さ150mm、第2溝42なし)に構成されている。
試験9の結果は、図15に示すものとなった。試験9の結果より、床材1の幅方向の長さ(第2方向の長さ)が75mm程度であると、第2溝42がなくても、求められる遮音性能を有し、防音性に優れた床材1が得られることが判った。一方、試験5,9の結果を比較することにより、床材1の幅方向の長さ(第2方向の長さ)が150mm程度であると、第2溝42を形成しないと、求められる遮音性能を有しない防音性に欠ける床材1となることが判った。
以上のように、実施形態2の床材用基材10、床材1及び床材の製造方法によっても、実施形態1の床材用基材10、床材1及び床材の製造方法と同様の効果を奏することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態1,2では、第2層11bを、針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がある部分で構成して20mmを超える大きさの抜け節を埋木で埋めることにより、20mmを超える大きさの抜け節がないものとしていた。しかしながら、第2層11bは、第1方向の大きさが第1溝41の溝間隔(第1の溝間隔)よりも大きい抜け節のないものとしてもよい。具体的には、第2層11b用の針葉樹薄板には、第1方向の大きさが第1溝41の溝間隔(第1の溝間隔)よりも大きい抜け節のない第2単板を用いる。このような大きな抜け節のない2枚の第2単板を選択してこれを繊維直交方向に接ぎ合わせて第2層11b用の針葉樹薄板としてもよく、偶数層11b,11d,11f用に形成した3枚の針葉樹薄板の中から大きな抜け節のないものを第2層11b用の針葉樹薄板としてもよい。また、第2層11b用の針葉樹薄板を大きな抜け節のないものとするために、第2層11b及び第6層11f用の針葉樹薄板と第4層11d用の針葉樹薄板とを分けて用意することとして、大きな抜け節のないものを第2層11b及び第6層11f用の針葉樹薄板としてもよい。また、偶数層11b,11d,11f用の針葉樹薄板の全てに大きな抜け節のないものを用いることにより、第2層11b用の針葉樹薄板が大きな抜け節のないものとなるようにしてもよい。
上記実施形態1,2では、第2層11bを、針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がある部分で構成して20mmを超える大きさの抜け節を埋木で埋めることにより、20mmを超える大きさの抜け節がないものとしていた。しかしながら、第2層11bは、第1方向の大きさが第1溝41の溝間隔(第1の溝間隔)よりも大きい抜け節のないものとしてもよい。具体的には、第2層11b用の針葉樹薄板には、第1方向の大きさが第1溝41の溝間隔(第1の溝間隔)よりも大きい抜け節のない第2単板を用いる。このような大きな抜け節のない2枚の第2単板を選択してこれを繊維直交方向に接ぎ合わせて第2層11b用の針葉樹薄板としてもよく、偶数層11b,11d,11f用に形成した3枚の針葉樹薄板の中から大きな抜け節のないものを第2層11b用の針葉樹薄板としてもよい。また、第2層11b用の針葉樹薄板を大きな抜け節のないものとするために、第2層11b及び第6層11f用の針葉樹薄板と第4層11d用の針葉樹薄板とを分けて用意することとして、大きな抜け節のないものを第2層11b及び第6層11f用の針葉樹薄板としてもよい。また、偶数層11b,11d,11f用の針葉樹薄板の全てに大きな抜け節のないものを用いることにより、第2層11b用の針葉樹薄板が大きな抜け節のないものとなるようにしてもよい。
上記実施形態1,2では、合板11の各層11a~11gを針葉樹薄板で構成している。針葉樹は広葉樹に比べて節が多いが、第2層11bを構成する針葉樹薄板に第1方向の大きさが第1溝41の溝間隔(第1の溝間隔)よりも大きな抜け節があると、中密度繊維板からなる表面強化層12の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗し得る第2方向に延びる第2層11bの繊維が、抜け節によって断ち切られてしまうため、中密度繊維板からなる表面強化層12の吸湿又は放湿による寸法変化に対抗できず、第2方向において反りが部分的に発生する虞があるが、上記の構成によれば、第2層11bに第1方向の大きさが第1の溝間隔よりも大きい抜け節がないので、第2方向における反りを抑制する効果が期待できる。なお、第2層11bは、複数枚(実施形態1,2では2枚)の単板を第1方向に接ぎ合わせた針葉樹薄板によって構成するものであり、第2層11bを構成する単板は、第1層11aを構成する単板よりも小さいものとなる。大きな抜け節のない大きな単板を用意するのは難しいが、第2層11bに用いられる比較的小さな単板として大きな抜け節のないものを用意するのは比較的容易である。従って、上記の構成によれば、第2方向における反りを抑制する効果が期待できる床材用基材10を比較的容易に提供することができる。
本発明は、床材用基材、床材及び床材の製造方法に有用である。
1 床材
10 基材(床材用基材)
10a 長辺側面(周囲側面)
10b 短辺側面(周囲側面)
11 合板
11a 第1層
11b 第2層
11c 第3層
11d 第4層
11e 第5層
11f 第6層
11g 第7層
12 表面強化層
13 雌実
13a 凹溝部
13b 表側凸部(凸部分)
13c 裏側凸部(凸部分)
14 雄実
14a 凸条部
15 接着剤
20 化粧材
30 緩衝材
41 第1溝
42 第2溝
10 基材(床材用基材)
10a 長辺側面(周囲側面)
10b 短辺側面(周囲側面)
11 合板
11a 第1層
11b 第2層
11c 第3層
11d 第4層
11e 第5層
11f 第6層
11g 第7層
12 表面強化層
13 雌実
13a 凹溝部
13b 表側凸部(凸部分)
13c 裏側凸部(凸部分)
14 雄実
14a 凸条部
15 接着剤
20 化粧材
30 緩衝材
41 第1溝
42 第2溝
Claims (19)
- 合板の表面に中密度繊維板からなる表面強化層が接着された床材用基材であって、
上記合板は、表面側から裏面側へ、隣接する2枚の間において互いの繊維方向が直交するように順に積層されて接着一体化された7枚の針葉樹薄板からなる第1~第7層を有する針葉樹合板であり、
上記合板の裏面には、上記第1層の繊維方向である第1方向に直交する第2方向に延びる複数の第1溝が第1の溝間隔で形成され、
上記第1溝は、上記合板の上記第2方向の一端から他端まで延び、溝底が上記第2層内に位置するものである
ことを特徴とする床材用基材。 - 請求項1に記載の床材用基材において、
上記合板の裏面には、上記合板の上記第1方向の一端から他端まで上記第1方向に延びる第2溝が少なくとも1つ形成されている
ことを特徴とする床材用基材。 - 請求項2に記載の床材用基材において、
上記第2溝は、溝底が上記第3~5層のいずれかの層内に位置するものである
ことを特徴とする床材用基材。 - 請求項3に記載の床材用基材において、
上記第2溝は、溝底が上記第4層内に位置するものである
ことを特徴とする床材用基材。 - 請求項1に記載の床材用基材において、
上記第1,3,5,7層を構成する上記針葉樹薄板は、一枚の単板によって構成されるものである一方、上記第2,4,6層を構成する上記針葉樹薄板は、複数枚の単板を上記第1方向に接ぎ合わせたものであり、
上記第2層には、上記第1方向の大きさが上記第1の溝間隔よりも大きい抜け節がない
ことを特徴とする床材用基材。 - 請求項1に記載の床材用基材において、
上記第1層は、針葉樹の抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の抜け節がある部分で構成して抜け節をパテで埋めることにより、抜け節がないものであり、
上記第2層は、針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がある部分で構成して20mmを超える大きさの抜け節を埋木で埋めることにより、20mmを超える大きさの抜け節がないものである
ことを特徴とする床材用基材。 - 請求項1に記載の床材用基材において、
上記中密度繊維板は、広葉樹の木部繊維を主原料とするものである
ことを特徴とする床材用基材。 - 請求項1に記載の床材用基材において、
上記床材用基材の互いに対向する2つの側面の一方には、厚み方向の中間部に雌実となる凹溝部が形成され、他方には、厚み方向の中間部に雄実となる凸条部が形成され、
上記床材用基材において、上記凹溝部の表側に隣接する表側凸部と上記凹溝部の裏側に隣接する裏側凸部と上記凸条部とは、上記合板の複数層に跨がるように形成されている
ことを特徴とする床材用基材。 - 請求項8に記載の床材用基材において、
上記雌実は、上記凹溝部の溝底角部が上記合板の層間の接着剤部分ではなくいずれかの層内に位置するように形成されている
ことを特徴とする床材用基材。 - 床材用基材と、該床材用基材の裏面に接着された緩衝材とを備えた床材であって、
上記床材用基材は、請求項1~9のいずれか1つに記載の床材用基材である
ことを特徴とする床材。 - 合板の表面に中密度繊維板からなる表面強化層が接着された床材用基材と、該床材用基材の裏面に接着された緩衝材とを備えた床材の製造方法であって、
厚みの等しい7枚の針葉樹薄板を、それぞれの間に水系接着剤が介在するように且つ隣接する2枚の針葉樹薄板間において互いの繊維方向が直交するように順に積層し、厚み方向に熱圧プレスすることにより、表面側から裏面側へ順に積層されて接着一体化された上記針葉樹薄板からなる第1~第7層を有する上記合板を形成する合板形成工程と、
上記合板の表面をサンディングした後、該表面に上記表面強化層を接着して上記床材用基材とする表面強化層接着工程と、
上記合板の裏面に、上記第1層の繊維方向である第1方向に直交する第2方向に延びる複数の第1溝を第1の溝間隔で形成する溝加工工程と、
上記溝加工工程後の上記合板の裏面に、緩衝材を接着する緩衝材接着工程とを備え、
上記第1溝は、上記合板の上記第2方向の一端から他端まで延び、溝底が上記第2層内に位置するものである
ことを特徴とする床材の製造方法。 - 請求項11に記載の床材の製造方法において、
上記溝加工工程では、上記合板の裏面に、上記複数の第1溝を形成すると共に、上記合板の上記第1方向の一端から他端まで上記第1方向に延びる第2溝を少なくとも1つ形成する
ことを特徴とする床材の製造方法。 - 請求項12に記載の床材の製造方法において、
上記第2溝は、溝底が上記第3~5層のいずれかの層内に位置するものである
ことを特徴とする床材用基材。 - 請求項13に記載の床材用基材において、
上記第2溝は、溝底が上記第4層内に位置するものである
ことを特徴とする床材用基材。 - 請求項11に記載の床材の製造方法において、
上記第1,3,5,7層を構成する上記針葉樹薄板は、一枚の単板によって構成されるものである一方、上記第2,4,6層を構成する上記針葉樹薄板は、複数枚の単板を上記第1方向に接ぎ合わせたものであり、
上記第2層を、上記第1方向の大きさが上記第1の溝間隔よりも大きい抜け節のないものとする
ことを特徴とする床材の製造方法。 - 請求項11に記載の床材の製造方法において、
上記第1層を、針葉樹の抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の抜け節がある部分で構成して抜け節をパテで埋めることにより、抜け節がないものとし、
上記第2層を、針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がない部分で構成する又は針葉樹の20mmを超える大きさの抜け節がある部分で構成して20mmを超える大きさの抜け節を埋木で埋めることにより、20mmを超える大きさの抜け節がないものとする
ことを特徴とする床材の製造方法。 - 請求項11に記載の床材の製造方法において、
上記中密度繊維板は、広葉樹の木部繊維を主原料とするものである
ことを特徴とする床材の製造方法。 - 請求項11に記載の床材の製造方法において、
上記床材用基材の互いに対向する2つの側面の一方に、厚み方向の中間部に雌実となる凹溝部を形成し、他方に、厚み方向の中間部に雄実となる凸条部を形成する本実加工工程をさらに備え、
上記本実加工工程では、上記凹溝部の表側に隣接する表側凸部と上記凹溝部の裏側に隣接する裏側凸部と上記凸条部とが、それぞれ上記合板の複数層に跨がるように、上記雌実と上記雄実とを形成する
ことを特徴とする床材の製造方法。 - 請求項18に記載の床材の製造方法において、
上記本実加工工程では、上記凹溝部の溝底角部が、上記合板の層間の接着剤部分ではなくいずれかの層内に位置するように、上記雌実を形成する
ことを特徴とする床材の製造方法。
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