JP2024114370A - 冷鍛性と窒化性に優れる窒化用鋼および冷間鍛造窒化部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 質量%で、C:0.15~0.30%、Si:0.15~0.40%、Mn:0.50~1.50%、Cr:0.50~2.00%、Mo:0.02~0.30%、Al:0.025~0.300%、V:0.05~0.30%、N:0.004~0.030%、残部がFe及び不可避的不純物からなり、式1:0.15<0.10×[Cr]+0.67×[Al]+0.24×[V]<0.43、式2:0.25<0.80×[C]+0.10×[Cr]+0.36×[Mo]<0.50を満足する窒化用鋼であって、窒化前の鋼の組織がフェライト及びパーライトもしくはフェライト及びパーライトにさらにベイナイトを含む組織であって、パーライトの割合が面積率で10~60%、ベイナイトの割合が面積率で0~10%以下であり、さらに硬さがビッカース硬さで173Hv以下である、冷間鍛造用窒化用鋼。
【選択図】 なし
Description
冷鍛条件や時効硬化をさらに工夫する必要がある。
質量%で、C:0.15~0.30%、Si:0.15~0.40%、Mn:0.50~1.50%、Cr:0.50~2.00%、Mo:0.02~0.30%、Al:0.025~0.300%、V:0.05~0.30%、N:0.004~0.030%、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
式1:0.15<0.10×[Cr]+0.67×[Al]+0.24×[V]<0.43、及び式2:0.25<0.80×[C]+0.10×[Cr]+0.36×[Mo]<0.50を満足する鋼であって、
窒化前の鋼の組織がフェライト及びパーライトもしくはフェライト及びパーライトにさらにベイナイトを含む組織であって、パーライトの割合が面積率で10~60%、ベイナイトの割合が面積率で0~10%以下であり、さらに硬さがビッカース硬さで173Hv以下である、冷間鍛造用窒化用鋼である。
ただし、式1、式2の[ ]の元素記号には、当該成分の質量%の値を代入する。
選択的付加的成分としてNb:0.10%以下、Ti:0.020~0.200%、B:0.0030%以下のいずれか1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
式1:0.15<0.10×[Cr]+0.67×[Al]+0.24×[V]<0.43、及び式2:0.25<0.80×[C]+0.10×[Cr]+0.36×[Mo]<0.50を満足する鋼であって、
窒化前の鋼の組織がフェライト及びパーライトもしくはフェライト及びパーライトにさらにベイナイトを含む組織であって、パーライトの割合が面積率で10~60%、ベイナイトの割合が面積率で0~10%以下であり、さらに硬さがビッカース硬さで173Hv以下である、冷間鍛造用窒化用鋼である。
ただし、式1、式2の[ ]の元素記号には、当該成分の質量%の値を代入する。
Cは、芯部強度を確保するのに有用な成分である。Cが過少であると、窒化後の芯部硬さが低下するので、強度不足を招来するので、Cは0.15%以上とする。他方、Cが過多になると、素材硬さが上昇しすぎて加工性(被削性、冷間加工性)が低下するほか、窒素の拡散を阻害することとなり、硬化層深さが低減するので、Cは0.30%以下とする。そこで、Cは0.15~0.30%とする。
Siは製造時の脱酸に有用な成分である。Siが過少であると脱酸不足を招きやすく、介在物品位が低下するので、Siは0.15%以上とする。他方、Siが過多になると素材硬さが上昇し、加工性が低下してしまうので、Siは0.40%以下とする。そこで、Siは、0.15~0.40%である。
Mnは芯部硬さ(素材硬さ)を向上させる成分である。Mnが過少であると芯部硬さが不足するので、0.50%以上とする。他方Mnが過多になると被削性や鍛造性などの加工性を阻害するので加工性が低下することとなる。そこで、Mnは0.50~1.50%とする。
Crは、鋼の芯部硬さを向上させ、また鋼を窒化した際の硬さを向上させる成分である。Crが過少であると、窒化後の硬さが不足することとなり、芯部硬さも不十分なものとなるので、Crは0.50%以上とする。他方、Crが過多であると、素材硬さが上昇することで加工性が低下し、また、窒素の拡散が阻害されることによって、硬化層深さが低減し、窒化が浅くなることから、Crは2.00%以下とする。そこで、Crは0.50~2.00%とする。好ましくは、Crは0.80~1.50%である。
Moは、素材硬さを向上させる成分である。Moが0.02%を下回ると、窒化後の芯部硬さを低下させ、強度不足を招く。他方、Moが0.30%を超えると、素材硬さの上昇によりかえって加工性が低下してしまい、被削性、冷間加工性が劣ることとなる。そこで、Moは0.02~0.30%とする。
Alは製造時の脱酸に有用な成分であり、窒化処理後の表面硬さの向上に有効である。Alは窒化深さが浅くなる傾向を示さないので積極添加を行うことができる。Alが過少であると、製造時の脱酸不足を招きやすく、介在物品位が低下する。また、窒化した後の鋼部品の表面硬さ、硬化層深さも不足することとなる。これらの観点から、Alは0.025%以上とする。他方、Alが過多であると、粗大な窒化物(AlN)が形成することで、疲労特性や加工性が低下することとなり製造性が悪化する。これらの観点からAlは0.300%以下とする。そこで、Alは0.025~0.300%とする。望ましくはAlは0.050~0.150%である。
Vは硬化層深さを上昇させるために有用な成分であり、窒素拡散を阻害する影響が小さいので硬化層の深さの減少を防止するためにも有用である。また、AlとVは複合的に作用して、VはNとのクラスターを形成しNの拡散を担保し、そこにAlとNの窒化物が発生することで、硬化層深さが大きく向上する。Vが過少であると硬化層深さが不足するので、Vは0.05%以上とする。他方、Vが過多であると、加工性が悪化するほか、V成分に起因してコストが増加するので、Vは0.30%以上とする。そこで、Vは0.05~0.30%とする。
Nは炭窒化物を形成する成分である。Nが過少であると炭窒化物が不足し、結晶粒が粗大化するので、靭性や疲労特性が低下しやすくなる。他方、Nが過多であると、粗大な炭窒化物が形成される結果、疲労特性や加工性が低下し、またピン止め効果のある微細な炭窒化物が減少することからピンニング効果が発揮されず、結晶粒が粗大化する。そこで、Nは0.004~0.030%とする。
残部はFe及び不可避不純物である。なお、PとSはいずれも不可避的不純物として含有される場合があるところ、次のとおり上限を規定することが好ましい。
Pは粒界偏析を助長し、靭性を低下させるので、不可避的な不純物のPの含有は0.030%以下に低減することが望ましい。
Sが過剰であると粗大なMnSを多量に形成し、靱性及び疲労強度が低下することとなるので、不可避的な不純物のSの含有は0.030%以下に低減することが望ましい。
本発明における選択的付加的成分について説明する。本発明の鋼の成分に、Feの一部に代えて、さらにNb、Ti、Bのうちいずれか1種もしくは2種以上を次の範囲で含有させることができる。
Nbは硬さを向上させる成分であるが、過多になると硬さの上昇に伴って加工性が悪化してしまう。そこで、Nbを含有する場合は、0.10%以下までとする。
Tiは窒化物や炭窒化物の析出により硬度を向上させる成分である。Tiが0.020%を下回ると、微細な窒化物量に不足するので、Tiによって曲げ疲労強度の強化が十分に得られることはない。他方、Tiが過多であると、粗大な炭窒化物が増加することから、曲げ疲労強度が低下することとなる。そこで、Tiを添加する場合は、0.020~0.200%とする。
Bは素材硬さを上昇させる成分であるが、0.0030%を超えると、素材硬さの上昇に伴い加工性が低下してしまう。また、炭ホウ化物形成による脆化も招来してしまう。そこで、Bを添加する場合は、0.0030%以下とする。
式2:0.25<0.80×[C]+0.10×[Cr]+0.36×[Mo]<0.50
次に式1、式2を規定する理由について説明する。なお、式1、式2の[ ]の元素記号には、該当する鋼成分の質量%の値を代入する。
まず、式1は、CrとAlとVを用いた指標で、窒化硬さと硬化層深さに関わる指標である。式1の数値が0.15以下であると、窒化硬さに不足したり、硬化層深さが不足することとなる。0.43以上である場合表面硬さが過剰となりピッチング等を起こしやすくなる。
フェライト及びパーライトにさらにベイナイトを含む組織であって、パーライトの割合が面積率で10~60%、ベイナイトが面積率で10%以下であること)
本発明の窒化用鋼は、フェライト+パーライト組織もしくはフェライト+パーライトにさらにベイナイトを含む組織であって、その組織中におけるパーライトの割合が面積率で10~60%であること、ベイナイトの割合は面積率で0~10%以下である。
パーライトの割合が10%未満であると、軟質なフェライトが主となる組織となり、切りくずが切断されにくくなるため、被削性が低下する。パーライトの割合が60%を超えると、硬さが過剰となり被削性が低下する。
また、ベイナイトの割合が10%超であると、芯部硬さが高くなり、加工性が悪くなってくる。そこで、ベイナイトは0%でもよく、ベイナイトを含む場合もその割合は面積率で10%以下とする。
本発明の窒化用鋼を冷間鍛造で60%の圧縮率で加工した場合に、冷間加工によって素材硬さが加工後に実用的に得られていることは、ギアなどの部品全体の強度に不足することがないこととなる。
冷間鍛造後に窒化処理をした部品の表面硬さは、680Hv以上とする。表面が十分に硬いことは、ギアなどの冷間鍛造窒化部品においては重要な特性である。
窒化後の芯部硬さが不足すると、ギアなどの部品全体の強度に不足することともなる。そこで、芯部硬さは230~400Hvとする。
表面からの硬さ分布をJIS Z 2244に準拠してビッカース硬度計にて測定し、400Hv以上の硬さを維持している領域を硬化層深さとしたとき、硬化層深さが0.25mm以上あれば、ギアなどの冷間鍛造窒化部品の損耗にも強く耐久性を備えることとなる。
まず、所定の保持温度に設定した炉内に、上記の成分の各供試材を投入し、供試材の昇温時間を30分確保する。その後、任意の時間保持してから、炉冷、空冷もしくは水冷を実施する。保持時間の選定については炉に装入する鋼材の量や寸法を考慮するものとする。
表1、表2の各鋼の表面からの硬さ分布をJIS Z 2244に準拠してビッカース硬度計にて測定し、軟化熱処理後の表面硬さ、冷間鍛造後の硬さ、窒化後の硬さと有効硬化層の深さを表3,表4に示す。
(1)表面硬さ
表面硬さは、表面から0.05mmの深さ位置における硬さとし、JIS Z 2244に準拠してビッカース硬度計にて測定した。
(2)表面硬化層深さ
窒化処理後の表面からの硬さ分布をJIS Z 2244に準拠してビッカース硬度計にて測定し、400Hv以上の硬さを維持している領域を硬化層深さとした。
(3)冷間鍛造後の硬さ、窒化後の芯部硬さ
冷間鍛造後及び窒化後の硬さについては、それぞれ試験片を切断し断面の芯部硬さをJIS Z 2244に準拠してビッカース硬度計にて測定した。
このように本発明の窒化用鋼は、冷間鍛造性に優れており、この窒化用鋼を用いて冷間鍛造した窒化部品は、芯部硬さが過度に低下することもなく、有効な窒化層が十分に形成されることから、窒化後の表面硬さと芯部硬さのバランスに優れる部品が得られる。
比較例2は、CとAlとVが過少であることから、硬化層深さが不足することとなっている。
比較例3は、Cが過少で、式1,式2も値が低く外れているので、冷鍛後の硬さが不足して強度不足となっており、また窒化後の表面硬さも不足している。
比較例4はVが過少であることから、窒化後の硬化層深さが不足している。
比較例5は式1の値が低く外れているので、窒化後の表面硬さが不足するものとなっている。
Claims (5)
- 質量%で、
C:0.15~0.30%、
Si:0.15~0.40%、
Mn:0.50~1.50%、
Cr:0.50~2.00%、
Mo:0.02~0.30%、
Al:0.025~0.300%、
V:0.05~0.30%、
N:0.004~0.030%、
残部がFe及び不可避的不純物からなり、
式1:0.15<0.10×[Cr]+0.67×[Al]+0.24×[V]<0.43、
式2:0.25<0.80×[C]+0.10×[Cr]+0.36×[Mo]<0.50
を満足する窒化用鋼であって、
窒化前の鋼の組織がフェライト及びパーライトもしくはフェライト及びパーライトにさらにベイナイトを含む組織であって、
パーライトの割合が面積率で10~60%、ベイナイトの割合が面積率で0~10%以下であり、
さらに硬さがビッカース硬さで173Hv以下である、
冷間鍛造用窒化用鋼。
ただし、式1、式2の[ ]の元素記号には、当該成分の質量%の値を代入する。 - 請求項1に記載の化学成分に加え、質量%で、選択的付加的成分としてNb:0.10%以下、Ti:0.020~0.200%、B:0.0030%以下のいずれか1種又は2種以上を含有し、
残部がFe及び不可避的不純物からなり、
式1:0.15<0.10×[Cr]+0.67×[Al]+0.24×[V]<0.43、
式2:0.25<0.80×[C]+0.10×[Cr]+0.36×[Mo]<0.50
を満足する窒化用鋼であって、
窒化前の鋼の組織がフェライト及びパーライトもしくはフェライト及びパーライトにさらにベイナイトを含む組織であって、
パーライトの割合が面積率で10~60%、ベイナイトの割合が面積率で0~10%以下であり、
さらに硬さがビッカース硬さで173Hv以下である、
冷間鍛造用窒化用鋼。
ただし、式1、式2の[ ]の元素記号には、当該成分の質量%の値を代入する。 - 60%以上の圧縮率で冷間鍛造したときの硬さがビッカース硬さで250Hv以上となることを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載の冷間鍛造用窒化用鋼。 - 請求項1又は請求項2に記載の冷間鍛造用窒化用鋼を用いた窒化処理された状態の冷間鍛造品であって、表面硬さが680Hv以上、芯部硬さが230~400Hv、400Hv以上である表層部の硬化層深さが0.25mm以上である冷間鍛造窒化部品。
- 請求項3に記載の冷間鍛造用窒化用鋼を用いた窒化処理された状態の冷間鍛造品であって、表面硬さが680Hv以上、芯部硬さが230~400Hv、400Hv以上である表層部の硬化層深さが0.25mm以上である冷間鍛造窒化部品。
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