JP2024018348A - 焼入れ深さ評価方法および焼入れ深さ評価装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトで使い勝手のよい焼入れ深さ評価方法及び焼入れ深さ評価装置を提供する。【解決手段】ワーク(鋼材)7の表面の焼入れ深さを非破壊で評価する焼入れ深さ評価方法であって、直流磁界を印加するネオジウム磁石(永久磁石)2を備え、かつ、ネオジウム磁石2の周囲に励磁用コイル(交流磁界を印加する手段)3を備えた評価装置1を、ワーク7の表面に対向させて配置し、ワーク7に前記交流磁界を印加して、ワーク7におけるネオジウム磁石(永久磁石)2からの磁界を測定する焼入れ深さ評価方法である。【選択図】図1
Description
本発明は、焼入れ深さ評価方法および焼入れ深さ評価装置に関する。
高周波焼き入れは、焼き入れ時間が短く、焼入れ深さを容易にコントロールできるため、高強度を必要とする様々な部品に対して利用されている。鋼材の焼入れ深さにより機械的特性が変化する為、製造後に焼入れ深さを評価する必要がある。
ところで、非破壊で高精度に被検査材の表面及び裏面の浸炭深さを求めることができる浸炭深さ測定方法及び装置が公知である(特許文献1参照)。
特許文献1には、「被検査材の裏面の浸炭深さ、又は被検査材の表面及び裏面の双方を合わせた浸炭深さを求めるための浸炭深さ測定方法であって、被検査材に対してその表面から直流磁界及び交流磁界を同時に印加する工程と、前記被検査材に対してその表面から直流磁界及び交流磁界を同時に印加した状態で、被検査材の表面に生じている、直流磁界および交流磁界による、磁束密度又は磁界の強さを、検知する工程と、を含むことを特徴とする、浸炭深さ測定方法。」(請求項1)が記載されている。
特許文献1には、「被検査材の裏面の浸炭深さ、又は被検査材の表面及び裏面の双方を合わせた浸炭深さを求めるための浸炭深さ測定方法であって、被検査材に対してその表面から直流磁界及び交流磁界を同時に印加する工程と、前記被検査材に対してその表面から直流磁界及び交流磁界を同時に印加した状態で、被検査材の表面に生じている、直流磁界および交流磁界による、磁束密度又は磁界の強さを、検知する工程と、を含むことを特徴とする、浸炭深さ測定方法。」(請求項1)が記載されている。
また、特許文献1には、「・・・他方、図1Bの左側の図に示すように、被検査材に対して永久磁石などからの直流磁界と励磁コイルからの交流磁界とを同時に印加した場合は、被検査材の表面と裏面を含む全体が磁化され、表面近傍の交流磁界もその影響を受けるので、表面の交流磁界を検出することにより、この検出結果から表面と裏面を合わせた合計浸炭深さを測定することができる。」(段落[0030])、「図3はこの表裏面浸炭用検査センサ11の概略を示す模式図である。図3において、12は略コの字状のコア(積層ケイ素鋼板)、13,14は前記コア12に巻回された励磁コイル及び検出コイル(前記コア12の外周に検出コイル14が巻回され、その上に励磁コイル13が巻回されている)、15は略コの字状のヨーク、16はこのヨーク15の略中央の外周部分に配置された永久磁石又は直流電磁石などで構成される直流磁石である。・・・すなわち、図3の表裏面浸炭用検査センサ11においては、前記の「略コの字状のコア12、励磁コイル13、及び検出コイル14」(図2に示す表面浸炭用検査センサ1と同じ構成のもの)のコア12の両端の外側に前記ヨーク15の両端が配置されるように構成されている。」(段落[0033])と記載されている。
さらに、特許文献1には、「前記表面浸炭用検査センサ1による検査原理は次のとおりである。まず、表面浸炭用検査センサ1の励磁コイル3に交流電流を流し、鋼管10の表面10aに交流磁界を印加する。このときに前記励磁コイル3により印加する交流磁界は、これにより被検査材表面に生じる渦電流の浸透深さが表面側の通常の浸炭深さの範囲(例えば0mm~約5mmの範囲)となるような低い周波数の交流磁界(例えば、約150~250Hzの周波数の交流磁界)とする。」(段落[0034])、「表面10aに浸炭層が有る鋼管10に前述のような交流磁界を加えた場合は、浸炭層は生層(浸炭がない層)に比べて、透磁率が低いため磁束密度が低下する。それゆえ、浸炭深さに比例して表面浸炭用検査センサ1の検出コイル4に得られる出力電圧(前記交流磁界により鋼管10の表面10aに生じた渦電流により前記コア2に発生した電圧)は低下傾向を示す。よって、前記検出コイル4で検出される電圧の大きさから、表面の浸炭深さが推定できる。」(段落[0035])と記載されている。
特許文献1には、被検査材に対してその表面から直流磁界及び交流磁界を同時に印加した状態で、被検査材の表面に生じている、直流磁界および交流磁界による、磁束密度の強さを検知することが記載されているが、被検査材の表面及び裏面の双方を合わせた浸炭深さを求めるものであり(上記請求項1参照)、上記の交流磁界を印加する装置の外側に、直流磁界を印加する永久磁石が配置された略コの字状のヨークを設けるものであって(上記段落[0033]参照)、さらに、装置が大型になるという問題があった。
本発明は、従来技術が有する上記の問題点に鑑みてなされたものであり、コンパクトで使い勝手のよい焼入れ深さ評価方法及び焼入れ深さ評価装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
(1)鋼材表面の焼入れ深さを非破壊で評価する焼入れ深さ評価方法であって、直流磁界を印加する永久磁石を備え、かつ、前記永久磁石の周囲に交流磁界を印加する手段を備えた測定装置を、前記鋼材表面に対向させて配置し、鋼材に前記交流磁界を印加して、前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を測定する焼入れ深さ評価方法。
(2)前記永久磁石の少なくとも一方の端部の周囲に、前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を検出する検出用コイルを巻回し、かつ、前記永久磁石の周囲又は前記永久磁石及び前記検出用コイルの周囲に前記交流磁界を印加する手段である励磁用コイルを巻回し、前記検出用コイルを、前記鋼材表面に接触しないように対向させて、前記励磁用コイルに電流を流して交流磁界を印加して、前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を測定する、前記(1)の焼入れ深さ評価方法。
(3)前記永久磁石の少なくとも一方の端部の周囲に巻回された検出用コイルには、前記励磁用コイルは巻回されておらず、前記励磁用コイルが巻回されていない部分の前記検出用コイルを、前記鋼材表面に対向させる、前記(2)の焼入れ深さ評価方法。
(4)鋼材表面の焼入れ深さを非破壊で評価する焼入れ深さ評価装置であって、直流磁界を印加する永久磁石と、前記永久磁石の周囲に設けた交流磁界を印加する手段と、前記交流磁界が印加された前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を測定する手段を備えた、焼入れ深さ評価装置。
(5)前記交流磁界が印加された前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を測定する手段が、前記永久磁石の少なくとも一方の端部の周囲に巻回された検出用コイルであり、前記永久磁石の周囲に設けた交流磁界を印加する手段が、前記永久磁石の周囲又は前記永久磁石及び検出用コイルの周囲に巻回された励磁用コイルである、前記(4)の焼入れ深さ評価装置。
(6)前記永久磁石の少なくとも一方の端部の周囲に巻回された検出用コイルには、前記励磁用コイルは巻回されていない、前記(5)の焼入れ深さ評価装置。
(1)鋼材表面の焼入れ深さを非破壊で評価する焼入れ深さ評価方法であって、直流磁界を印加する永久磁石を備え、かつ、前記永久磁石の周囲に交流磁界を印加する手段を備えた測定装置を、前記鋼材表面に対向させて配置し、鋼材に前記交流磁界を印加して、前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を測定する焼入れ深さ評価方法。
(2)前記永久磁石の少なくとも一方の端部の周囲に、前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を検出する検出用コイルを巻回し、かつ、前記永久磁石の周囲又は前記永久磁石及び前記検出用コイルの周囲に前記交流磁界を印加する手段である励磁用コイルを巻回し、前記検出用コイルを、前記鋼材表面に接触しないように対向させて、前記励磁用コイルに電流を流して交流磁界を印加して、前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を測定する、前記(1)の焼入れ深さ評価方法。
(3)前記永久磁石の少なくとも一方の端部の周囲に巻回された検出用コイルには、前記励磁用コイルは巻回されておらず、前記励磁用コイルが巻回されていない部分の前記検出用コイルを、前記鋼材表面に対向させる、前記(2)の焼入れ深さ評価方法。
(4)鋼材表面の焼入れ深さを非破壊で評価する焼入れ深さ評価装置であって、直流磁界を印加する永久磁石と、前記永久磁石の周囲に設けた交流磁界を印加する手段と、前記交流磁界が印加された前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を測定する手段を備えた、焼入れ深さ評価装置。
(5)前記交流磁界が印加された前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を測定する手段が、前記永久磁石の少なくとも一方の端部の周囲に巻回された検出用コイルであり、前記永久磁石の周囲に設けた交流磁界を印加する手段が、前記永久磁石の周囲又は前記永久磁石及び検出用コイルの周囲に巻回された励磁用コイルである、前記(4)の焼入れ深さ評価装置。
(6)前記永久磁石の少なくとも一方の端部の周囲に巻回された検出用コイルには、前記励磁用コイルは巻回されていない、前記(5)の焼入れ深さ評価装置。
本発明は、コンパクトで使い勝手のよい焼入れ深さ評価方法及び焼入れ深さ評価装置を提供することができる。
以下、本発明に係る焼入深さ評価方法の実施形態を説明する。
図1に焼入れ深さ評価装置の実施形態を模式的に示す。
図1に焼入れ深さ評価装置の実施形態を模式的に示す。
焼入れ深さ評価装置1は、永久磁石2、励磁用コイル3および検出用コイル4を備え、検出用コイル4は、永久磁石2の周囲に巻回されている。励磁用コイル3は、永久磁石2及び検出用コイル4の周囲に巻回されている。そして、励磁用コイル4の端子には交流電源5が接続されている。
永久磁石2は測定対象の鋼材(ワーク)7に直流磁界を印加する。なお、7aはワークの表面に形成された焼入れ層である。また、励磁用コイル3は、電源5から交流電流が供給され、励磁のための交流磁場を発生させて測定対象の焼入れ層が形成されたワーク7に磁界が印加される。
測定装置1の励磁用コイル3と検出用コイル4が巻回された永久磁石2の一方の端部(検出用コイル4側)を測定対象物のワーク7の表面に接触しないように対向させて接近させると、励磁用コイル3がつくる交流磁場によりワーク7に磁界が印加される。
測定装置1の励磁用コイル3と検出用コイル4が巻回された永久磁石2の一方の端部(検出用コイル4側)を測定対象物のワーク7の表面に接触しないように対向させて接近させると、励磁用コイル3がつくる交流磁場によりワーク7に磁界が印加される。
なお、高周波焼入れ鋼材内の焼入れ層7aと焼入れ層7aの下に存在する焼入れされていない未焼入れ層7bでは磁気特性が変化する。従って、永久磁石2からワーク7に印加された磁界を測定し、変化する磁気特性を評価することで、ワーク7の表面の焼入れ深さを非破壊で評価することができる。また、励磁用コイル3がつくる交流磁場によりワーク7に磁界を印加して、永久磁石2からの磁界を測定するだけの構成であるため、小型化、低コスト化が可能となる。
測定対象物であるワーク7の素材鋼は、焼入れ層7aを形成させることができれば特に限定されない。ワーク7の素材鋼は、例えば、SCM440(C:0.38~0.43%、Si:0.15~0.35%、Mn:0.60~0.90%、P≦0.030%、S≦0.030%、Ni≦0.25%、Cr:0.90~1.20%、Mo:0.15~0.30%)が用いられる。
測定対象物であるワーク7の形状は、例えば、図1に示すような板状で構成されており、素材側である未焼入れ層7bと、表面(図1では上面)側である焼入れ層7aを有している。
測定対象物であるワーク7の形状は、例えば、図1に示すような板状で構成されており、素材側である未焼入れ層7bと、表面(図1では上面)側である焼入れ層7aを有している。
永久磁石2は、例えば、希土類磁石、フェライト磁石を用いることができる。なお、永久磁石2は、磁束密度が高く、強い磁力を持つという観点から、希土類磁石の中でもネオジウム磁石を用いることが好ましい。
ネオジウム磁石2の形状は、特に限定されないが、例えば、円柱状で構成されている。以下、この円柱状ネオジウム磁石2を用いた例で説明する。
ネオジウム磁石2の形状は、特に限定されないが、例えば、円柱状で構成されている。以下、この円柱状ネオジウム磁石2を用いた例で説明する。
励磁用コイル3は、円柱状ネオジウム磁石2の周囲に巻回することができ、かつ、永久磁石の周囲に交流磁界を印加することができれば、素材、形状等は特に限定されない。励磁用コイル3は、例えば、導線で構成されている。
検出用コイル4は、円柱状ネオジウム磁石2の少なくとも一方の端部の周囲に巻回することができ、ワーク7の表面に対向させて配置し、かつ、円柱状ネオジウム磁石2のみからの磁界を測定することができれば、素材、形状等は特に限定されない。検出用コイル4は、例えば、導線で構成されている。
前記円柱状ネオジウム磁石2の少なくとも一方の端部の周囲に巻回された検出用コイル4には、前記励磁用コイル3は巻回されていないことが好ましい。そして、前記励磁用コイル3が巻回されていない部分の前記検出用コイル4を、ワーク7の表面に対向させることが好ましい。
このようにすることで、検出用コイル4により、ワーク7における円柱状ネオジウム磁石2からの磁界を測定しやすくなる。
このようにすることで、検出用コイル4により、ワーク7における円柱状ネオジウム磁石2からの磁界を測定しやすくなる。
ネオジウム磁石2は表面磁化力が0.5T以上であることが好ましい。また、ネオジウム磁石2の形状が円柱状のものである場合、寸法の一例を示すと、高さが40mm、直径が6mmの円柱である。この円柱状ネオジウム磁石2の上端から35mmの部位までに0.5mm径の導線が4層巻回されて励磁用コイル3を形成し、該部位を除く下端部5mmの部位に0.2mm径の導線が4層巻回され検出用コイル4を形成することができる。
ここで、円柱状ネオジウム磁石2の下端とワークの表面との離間距離(リフトオフ)Lは、励磁用コイルによりワークを十分に磁化可能な距離であり、一定の距離を保持する必要がある。離間距離Lは、通常、0.1mm~0.2mm程度であり、この距離を保持するために、励磁用コイル3と検出用コイル4が巻回された円柱状ネオジウム磁石2の下端部に、離間距離を保持するためのプラスチック材などの離間距離保持部材(以下、単に「保持部材」という)を取り付けることで対応してもよい。
保持部材は、励磁用コイル3と検出用コイル4が巻回された円柱状ネオジウム磁石2の下端部を包囲した状態で円柱状ネオジウム磁石2に固定あるは装着されている。ここで、円柱状ネオジウム磁石2の下端面と測定対象の鋼材(ワーク)7の表面との間には、適正な離間距離(リフトオフ)Lに等しくなるように保持部材の材料が介在している。
保持部材は板状にして、円柱状ネオジウム磁石の下端面に張り付けて固定してもよい。
保持部材は板状にして、円柱状ネオジウム磁石の下端面に張り付けて固定してもよい。
焼入れ深さ測定装置1は、円柱状ネオジウム磁石2の励磁コイルが巻回された部位はおおむね円柱状であるので、この部位を把持して、測定対象の鋼材(ワーク)に離間距離Lを保持した状態で、測定したい個所を測定することができる。
また、焼入れ深さ測定装置1を移動手段に固定させて、図1の上下方向に走査する構成とすることも可能である。あるいは焼入れ深さ測定装置1を定点に固定して、測定対象の鋼材(ワーク)を移動させる構成とすることも可能である。
また、焼入れ深さ測定装置1を移動手段に固定させて、図1の上下方向に走査する構成とすることも可能である。あるいは焼入れ深さ測定装置1を定点に固定して、測定対象の鋼材(ワーク)を移動させる構成とすることも可能である。
次に、検出用コイル4により円柱状ネオジウム磁石2からの磁界を測定し、ワーク7の表面の焼入れ深さを非破壊で評価する方法を説明する。
(1)標準サンプルの作成
(1-a)ワーク7の表面の焼入れ深さを非破壊で評価する製品と同一の素材鋼を準備する。
(1-b)準備した同一の素材鋼に対して、当該製品に行う焼入れと同様の焼入れを行い、焼入れしない素材鋼(焼入れ深さ0mm)及び焼入れ深さが異なる複数の焼入れ鋼材(例:焼入れ深さ1mm、3mm、5mm)のそれぞれのサンプル片を作製する。
(2)標準サンプルの測定
(1)で作製したそれぞれのサンプル片の表面(素材鋼はその表面、焼入れ鋼材は焼入れした表面)に、検出用コイル4を対向させて配置し、励磁用コイルに電流を流して交流磁界をそれぞれのサンプル片に印加して、それぞれのサンプル片における前記円柱状ネオジウム磁石2からの磁界を測定する。
(1)標準サンプルの作成
(1-a)ワーク7の表面の焼入れ深さを非破壊で評価する製品と同一の素材鋼を準備する。
(1-b)準備した同一の素材鋼に対して、当該製品に行う焼入れと同様の焼入れを行い、焼入れしない素材鋼(焼入れ深さ0mm)及び焼入れ深さが異なる複数の焼入れ鋼材(例:焼入れ深さ1mm、3mm、5mm)のそれぞれのサンプル片を作製する。
(2)標準サンプルの測定
(1)で作製したそれぞれのサンプル片の表面(素材鋼はその表面、焼入れ鋼材は焼入れした表面)に、検出用コイル4を対向させて配置し、励磁用コイルに電流を流して交流磁界をそれぞれのサンプル片に印加して、それぞれのサンプル片における前記円柱状ネオジウム磁石2からの磁界を測定する。
(3)磁束密度値の算出及び標準線の作成
測定した磁界からそれぞれのサンプル片における磁束密度値を周知の方法で算出する。次に、焼入れしない素材鋼の磁束密度値を基準としてそれぞれのサンプル片の各焼入れ深さにおける磁束密度値の変化率(以下、単に「変化率」という。)を下記式(1)により算出し、横軸を焼入れ深さX、縦軸を変化率Yとしてプロットし、標準線(最小二乗法による近似曲線)Y=aX+b(a、bは定数)を作成する(図2参照)。
式(1)
(4)作成した標準線から製品の焼入れ深さを算出して評価
製品の表面(焼入れ面)に対して、円柱状ネオジウム磁石2を対向させて配置し、前記交流磁界を印加して、円柱状ネオジウム磁石2の磁界を測定し、また、測定した磁界からその製品における磁束密度値を周知の方法で算出する。
更に、前記焼入れしない素材鋼の磁束密度値を基準として前記算出した磁束密度値の当該製品における変化率(標準線でいうY値)を上記式(1)により算出する。
最後に、前記作成した標準線Y=aX+b(a、bは定数)のYに当該算出した製品における変化率を入力し、Xを算出することで、当該製品における焼入れ深さを算出して評価することができる。
測定した磁界からそれぞれのサンプル片における磁束密度値を周知の方法で算出する。次に、焼入れしない素材鋼の磁束密度値を基準としてそれぞれのサンプル片の各焼入れ深さにおける磁束密度値の変化率(以下、単に「変化率」という。)を下記式(1)により算出し、横軸を焼入れ深さX、縦軸を変化率Yとしてプロットし、標準線(最小二乗法による近似曲線)Y=aX+b(a、bは定数)を作成する(図2参照)。
式(1)
製品の表面(焼入れ面)に対して、円柱状ネオジウム磁石2を対向させて配置し、前記交流磁界を印加して、円柱状ネオジウム磁石2の磁界を測定し、また、測定した磁界からその製品における磁束密度値を周知の方法で算出する。
更に、前記焼入れしない素材鋼の磁束密度値を基準として前記算出した磁束密度値の当該製品における変化率(標準線でいうY値)を上記式(1)により算出する。
最後に、前記作成した標準線Y=aX+b(a、bは定数)のYに当該算出した製品における変化率を入力し、Xを算出することで、当該製品における焼入れ深さを算出して評価することができる。
(予備実験)
素材鋼としてSCM440(C:0.38~0.43%、Si:0.15~0.35%、Mn:0.60~0.90%、P≦0.030%、S≦0.030%、Ni≦0.25%、Cr:0.90~1.20%、Mo:0.15~0.30%)を用いて、下記条件にて高周波誘導加熱による焼入れを行い、焼入れ深さ3.0mmの焼入れ層を形成した。
[焼入れ条件]
・熱処理条件 最高到達温度:950℃、時間:5秒
・周波数 25kHZ
前記焼入れ条件により焼入れ層を形成した焼入れ鋼材と焼入れ層を形成していない素材鋼における初磁化曲線と比透磁率を測定した。
素材鋼としてSCM440(C:0.38~0.43%、Si:0.15~0.35%、Mn:0.60~0.90%、P≦0.030%、S≦0.030%、Ni≦0.25%、Cr:0.90~1.20%、Mo:0.15~0.30%)を用いて、下記条件にて高周波誘導加熱による焼入れを行い、焼入れ深さ3.0mmの焼入れ層を形成した。
[焼入れ条件]
・熱処理条件 最高到達温度:950℃、時間:5秒
・周波数 25kHZ
前記焼入れ条件により焼入れ層を形成した焼入れ鋼材と焼入れ層を形成していない素材鋼における初磁化曲線と比透磁率を測定した。
図3に、本予備実験における焼入れ層と焼入れ層を形成していない層(未焼入れ層)の(a)初磁化曲線と(b)比透磁率のグラフを示す。
図3(a)に示した初磁化曲線と図3(b)に示した比透磁率のグラフから、焼入れの有無によって透磁率が低下することが分かる。詳しくは、未焼入れ層に比べて、焼入れ層の最大比透磁率が大きく減少しており、磁気特性が低下していることが確認できる。
以上から高周波焼入れ鋼材内の焼入れ層と未焼入れ層では磁気特性が変化することが確認できる。
図3(a)に示した初磁化曲線と図3(b)に示した比透磁率のグラフから、焼入れの有無によって透磁率が低下することが分かる。詳しくは、未焼入れ層に比べて、焼入れ層の最大比透磁率が大きく減少しており、磁気特性が低下していることが確認できる。
以上から高周波焼入れ鋼材内の焼入れ層と未焼入れ層では磁気特性が変化することが確認できる。
(実施例)
素材鋼としてSCM440(C:0.38~0.43%、Si:0.15~0.35%、Mn:0.60~0.90%、P≦0.030%、S≦0.030%、Ni≦0.25%、Cr:0.90~1.20%、Mo:0.15~0.30%)を用いて、上記条件にて高周波誘導加熱による焼入れを行い、焼入れ深さ1mm、3mm、5mmの焼入れ層を形成した。
次に、永久磁石と高周波焼入れ鋼材間に配置した検出用コイルに得られる磁界の大きさを、焼入れ深さ0mm(上記焼入れを行っていない素材鋼を使用)、1mm、3mm、5mmの時でどのように変化するかについて測定を行った。なお、本測定では5回計測し、その平均値で評価した。
素材鋼としてSCM440(C:0.38~0.43%、Si:0.15~0.35%、Mn:0.60~0.90%、P≦0.030%、S≦0.030%、Ni≦0.25%、Cr:0.90~1.20%、Mo:0.15~0.30%)を用いて、上記条件にて高周波誘導加熱による焼入れを行い、焼入れ深さ1mm、3mm、5mmの焼入れ層を形成した。
次に、永久磁石と高周波焼入れ鋼材間に配置した検出用コイルに得られる磁界の大きさを、焼入れ深さ0mm(上記焼入れを行っていない素材鋼を使用)、1mm、3mm、5mmの時でどのように変化するかについて測定を行った。なお、本測定では5回計測し、その平均値で評価した。
図1に示す実施形態に係る焼入れ深さ評価装置で検討を行った。
図4は、本実施形態に係る焼入れ深さ評価方法における測定結果を示すグラフである。
図4は、未焼入れ鋼材を測定した際の検出用コイルに得られる磁束密度値を基準とした各焼入れ深さにおける変化率を示している。また、図4の縦軸は焼入れ深さ0mmを基準として比較した変化率、横軸は焼入れ深さを示している。ここでの変化率は上述した式(1)で算出している。
図4から本評価で焼入れ深さが深くなると変化率は下がり傾向であることが確認された。
図4は、本実施形態に係る焼入れ深さ評価方法における測定結果を示すグラフである。
図4は、未焼入れ鋼材を測定した際の検出用コイルに得られる磁束密度値を基準とした各焼入れ深さにおける変化率を示している。また、図4の縦軸は焼入れ深さ0mmを基準として比較した変化率、横軸は焼入れ深さを示している。ここでの変化率は上述した式(1)で算出している。
図4から本評価で焼入れ深さが深くなると変化率は下がり傾向であることが確認された。
図5から図9は三次元有限要素法磁界解析における磁束ベクトル分布に関連する図である。
詳しくは、図5は、図1で、どの領域の磁束ベクトル分布を測定するのかを説明する概念図である。図6は、焼入れ深さ0mmのときの磁束ベクトル分布図である。図7は、焼入れ深さ1mmのときの磁束ベクトル分布図である。図8は、焼入れ深さ3mmのときの磁束ベクトル分布図である。図9は、焼入れ深さ5mmのときの磁束ベクトル分布図である。
詳しくは、図5は、図1で、どの領域の磁束ベクトル分布を測定するのかを説明する概念図である。図6は、焼入れ深さ0mmのときの磁束ベクトル分布図である。図7は、焼入れ深さ1mmのときの磁束ベクトル分布図である。図8は、焼入れ深さ3mmのときの磁束ベクトル分布図である。図9は、焼入れ深さ5mmのときの磁束ベクトル分布図である。
図6から図9より、未焼入れ層と焼入れ層では透磁率が異なるので、磁束が焼入れ硬化層から未焼入れ層へ流れているのが分かる。この時にホール素子部分にあたるところの平均磁界値は焼入れ深さ0mmのときでは、0.98426[T]、1mmのときでは、0.98304[T]、3mmのときでは、0.98150[T]、5mmのときでは、0.98068[T]であり、焼入れ深さが深くなるにしたがって、磁束密度値が低下していることが確認できる。
本実施形態の焼入れ深さ評価方法は、永久磁石の磁界を測定することで、ワーク(鋼材)の焼入れ深さを評価することができる。
従って、小型化、低コスト化が可能な焼入れ深さ評価方法を提供することができる。
従って、小型化、低コスト化が可能な焼入れ深さ評価方法を提供することができる。
1:焼入れ深さ評価装置
2:永久磁石(ネオジウム磁石)
3:励磁用コイル
4:検出用コイル
5:交流電源
7:鋼材(ワーク)
7a:焼入れ層
7b:未焼入れ層
2:永久磁石(ネオジウム磁石)
3:励磁用コイル
4:検出用コイル
5:交流電源
7:鋼材(ワーク)
7a:焼入れ層
7b:未焼入れ層
Claims (6)
- 鋼材表面の焼入れ深さを非破壊で評価する焼入れ深さ評価方法であって、
直流磁界を印加する永久磁石を備え、かつ、前記永久磁石の周囲に交流磁界を印加する手段を備えた測定装置を、前記鋼材表面に対向させて配置し、
鋼材に前記交流磁界を印加して、前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を測定する焼入れ深さ評価方法。 - 前記永久磁石の少なくとも一方の端部の周囲に、前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を検出する検出用コイルを巻回し、かつ、前記永久磁石の周囲又は前記永久磁石及び前記検出用コイルの周囲に前記交流磁界を印加する手段である励磁用コイルを巻回し、
前記検出用コイルを、前記鋼材表面に接触しないように対向させて、前記励磁用コイルに電流を流して交流磁界を印加して、前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を測定する、請求項1に記載の焼入れ深さ評価方法。 - 前記永久磁石の少なくとも一方の端部の周囲に巻回された検出用コイルには、前記励磁用コイルは巻回されておらず、前記励磁用コイルが巻回されていない部分の前記検出用コイルを、前記鋼材表面に対向させる、請求項2に記載の焼入れ深さ評価方法。
- 鋼材表面の焼入れ深さを非破壊で評価する焼入れ深さ評価装置であって、直流磁界を印加する永久磁石と、前記永久磁石の周囲に設けた交流磁界を印加する手段と、前記交流磁界が印加された前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を測定する手段を備えた、焼入れ深さ評価装置。
- 前記交流磁界が印加された前記鋼材における前記永久磁石からの磁界を測定する手段が、前記永久磁石の少なくとも一方の端部の周囲に巻回された検出用コイルであり、前記永久磁石の周囲に設けた交流磁界を印加する手段が、前記永久磁石の周囲又は前記永久磁石及び検出用コイルの周囲に巻回された励磁用コイルである、請求項4に記載の焼入れ深さ評価装置。
- 前記永久磁石の少なくとも一方の端部の周囲に巻回された検出用コイルには、前記励磁用コイルは巻回されていない、請求項5に記載の焼入れ深さ評価装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2022121634A JP2024018348A (ja) | 2022-07-29 | 2022-07-29 | 焼入れ深さ評価方法および焼入れ深さ評価装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2022121634A JP2024018348A (ja) | 2022-07-29 | 2022-07-29 | 焼入れ深さ評価方法および焼入れ深さ評価装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2024018348A true JP2024018348A (ja) | 2024-02-08 |
Family
ID=89807598
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2022121634A Pending JP2024018348A (ja) | 2022-07-29 | 2022-07-29 | 焼入れ深さ評価方法および焼入れ深さ評価装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2024018348A (ja) |
-
2022
- 2022-07-29 JP JP2022121634A patent/JP2024018348A/ja active Pending
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