JP2023039214A - クルパック紙及び紙加工品 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、伸張性が高く、トレイ状に成形した場合でも、その4隅に破れ及びしわが発生しにくいクルパック紙に関する。
<1>パルプを含有する紙基材を有するクルパック紙であって、
ISO/DIS 1924-3に準拠して測定される、該クルパック紙の縦方向の比引張りこわさが、1.5kN・m/g~6.0kN・m/gであり、該クルパック紙の横方向の比引張りこわさが、2.0kN・m/g~6.0kN・m/gであり、前記縦方向の比引張こわさと、前記横方向の比引張こわさと、の比(縦方向/横方向)が1.1以下であり、JIS P 8113:2006に準拠して測定される、該クルパック紙の縦方向の破断伸度が、5.0%~10.0%であり、該クルパック紙の横方向の破断伸度が、6.0%~10.0%であることを特徴とするクルパック紙。
<2>前記縦方向の比引張こわさと、前記横方向の比引張こわさと、の比(縦方向/横方向)が0.7~1.0である<1>に記載のクルパック紙。
<3>JIS Z0203に準拠して測定される繊維配向比が1.0~2.0である<1>又は<2>に記載のクルパック紙。
<4>前記紙基材の坪量が、50g/m2~100g/m2である<1>~<3>のいずれかに記載のクルパック紙。
<5>前記クルパック紙が、前記紙基材の少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂層を有する<1>~<4>のいずれかに記載のクルパック紙。
<6><1>~<5>のいずれかに記載のクルパック紙の成形体である紙加工品。
縦方向とは紙基材における抄紙方向(MD)であり、繊維が配向する方向と同じである。また、横方向とは抄紙方向に対して垂直方向(CD)である。
比引張りこわさが上記下限未満であると、成形時に応力がかかりすぎてしまうため、しわや破れが発生しやすくなる。一方、比引張りこわさが上記上限を超えると、成形に必要な圧力が高くなりすぎるため、成形しにくくなり、無理に成形しようとするとしわや破れが発生しやすい。
処理によるニップ圧による密度の調整、パルプの種類などにより制御することができる。比引張りこわさを大きくするには、クルパック処理前後の速度差を小さくする、カレンダー処理によりニップ圧を高めることで密度を大きくする、パルプの繊維長を大きくするなどの方法が挙げられる。一方、比引張りこわさを小さくするには、クルパック処理前後の速度差を大きくする、カレンダー処理によりニップ圧を低くすることで密度を小さくする、パルプの繊維長を小さくするなどの方法が挙げられる。
クルパック紙の横方向の比引張りこわさは、好ましくは2.0kN・m/g~5.0k
N・m/gであり、より好ましくは2.3kN・m/g~4.0kN・m/gである。
破断伸度が上記下限未満であると、成形の際の紙の伸びが足りず成形しにくくなる。また、無理に成形を試みると破れが発生する。一方、破断伸度が上記上限を超えると、伸びが大きいため成形は可能であるが、紙が動きやすくなり、しわが発生しやすく、さらにそこから破れが発生しやすくなる。
クルパック紙の横方向の破断伸度は、好ましくは7.0%以上であり、より好ましくは7.5%以上である。横方向の破断伸度の上限は、好ましくは9.5%以下であり、より好ましくは8.5%以下である。
であることがより好ましく、70μm~150μmであることがさらに好ましく、100μm~140μmであることがさらにより好ましい。
紙基材を構成するパルプとしては、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の広葉樹クラフトパルプ;針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等の針葉樹クラフトパルプ;砕木パルプ(GP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミメカニカルパルプ(CMP)、ケミグランドパルプ(CGP)等の機械パルプ;古紙パルプ;ケナフ、バガス、竹、コットン等の非木材繊維パルプ;合成パルプ等が挙げられる。これらのパルプは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
紙基材を製造する方法としては、パルプを含有する紙料を抄紙し、抄紙の際にクルパッ
ク処理を行う方法が挙げられる。なお、紙料は、必要に応じて添加剤をさらに含有してもよい。添加剤としては、例えば前術した添加剤が挙げられる。紙料は、パルプスラリーに必要に応じて添加剤を添加することにより調製できる。パルプスラリーは、パルプを水の存在下で叩解することにより得られる。パルプの叩解方法、叩解装置はとくに限定されず、公知の叩解方法、叩解装置を採用しうる。
抄紙速度は特に制限されないが、例えば、好ましくは200~1000m/分、より好ましくは300~800m/分、さらに好ましくは400~700m/分の範囲で制御すればよい。クルパック処理時のニップロールとブランケット間のニップ圧も特に制限されない。例えば、好ましくは5kN/m~50kN/m、より好ましくは10kN/m~25kN/mの範囲で適宜制御すればよい。
クルパック処理の前後の速度差は、特に制限されず、坪量やパルプの材料に応じて、所望の比引張りこわさや破断伸度が得られるように制御すればよい。好ましくは-45.0m/分~-10.0m/分、より好ましくは-40.0m/分~-15.0m/分である。ここでのマイナス「-」はクルパック処理後の速度が遅いことを示す。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネート等のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブテン、ポリブタジエン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート;ポリウレタン;ポリアミド;ポリアクリロニトリル;ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記の材料の他、樹脂として、バイオマス樹脂や生分解性樹脂を用いてもよい。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエチレン(PE)は、大きくは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のように区分される。これらの中では、押し出しラミネート性および発泡性に優れることから、低密度ポリエチレン(LDPE)が好ましい。
<比引張りこわさ>
クルパック紙の縦方向及び横方向の比引張りこわさは、ISO/DIS 1924-3に準拠して測定する。具体的には、以下の通りである。試験片長さを150mm、試験片幅15mmのサンプルを、縦方向横方向それぞれ準備し、23±5℃、50±10%Rh環境下に1日調湿する。その後、その環境下にて、引張試験機(型式RTC-1210A、株式会社エーアンドディ製)を用いて、チャック間距離100mmとなるようサンプルをセットし、100mm/minの速度にて試験を行う。
クルパック紙の縦方向及び横方向の破断伸度は、JIS P 8113:2006(紙および板紙引張特性の試験方法)に準拠して測定する。
具体的には、調温及び調湿処理として、23±5℃、50±10%の環境下に1日静置したクルパック紙を、幅15mm、長さ150mmに切り出したサンプルを準備する。引張試験機(型式RTC-1210A、株式会社エーアンドディ製)にて、チャック間距離を100mmとなるようサンプルを装着し、20mm/minの速度で引張試験を行い、MD(縦方向)、CD(横方向)それぞれの破断伸度を測定する。
紙基材の繊維配向比は、JIS Z0203に準拠して測定する。
具体的には、200mm角にカットしたサンプルを準備し、調温及び調湿処理として、23±5℃、50±10%の環境下に1日静置した紙基材を、繊維配向特性評価装置(型式SST-2500、野村商事株式会社製)を用いて測定する。
紙基材の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定する。
なお、クルパック紙が紙基材に加えて樹脂層を有する場合には、公知の方法及び下記の手順で樹脂層の材料、厚さ及び密度などを特定したうえで、紙基材の坪量を算出しうる。具体的には、所定の大きさにカットした、樹脂層が設けられた紙基材の重量を測定(全重量)し、その後、樹脂層付きの紙基材をセルラーゼなどの酵素につけ、紙基材を完全に溶解させたことを確認する。その後、樹脂層のみの重量(樹脂層重量)を測定し、全重量から樹脂層重量を差し引くことで紙基材のみの重量を算出し、紙基材の坪量を測定する。
紙基材の厚さ(紙厚)は、JIS P 8118:2014に準拠して測定する。なお、クルパック紙が紙基材に加えて樹脂層を有する場合には、クルパック紙の断面の電子顕微鏡(SEM)の観察像から、紙基材層、および熱可塑性樹脂層のそれぞれについて、厚みを測定する。
紙基材の密度は、上述した測定方法により得られた厚さ及び坪量から算出する。
木材をパルプ化(蒸解)したNUKP(針葉樹未晒クラフトパルプ)とLUKP(広葉樹未晒クラフトパルプ)を30:70の比率(質量比)で使用し、叩解時のスラリー濃度12質量%にて、CSF(カナダ標準ろ水度)が600mLとなるまで叩解して、パルプを調製した。
上記パルプを使用し、固形分換算でパルプ100質量部に対し、合成サイズ剤(荒川化学工業株式会社製、SPS400)0.15質量部、硫酸バンド1.2質量部、歩留まり剤としてポリアクリルアミド樹脂(星光PMC株式会社製、DS4433)0.65質量部、及び高分子凝集剤(歩留まり剤)として非イオン性ポリアクリルアミド(アライドコロイド製、パーコール47)0.035質量部を添加し、紙料を調製した。
上記の紙料を用いて伸縮装置(クルパック製)を備えた湿式抄紙機(ベルフォームIII型、三菱重工業株式会社製)にて、抄紙速度600m/分、クルパック処理前後の速度差を-35.0m/分、クルパック処理時のニップロールとブランケット間のニップ圧15kN/m、J/W比1.00にて抄紙し、紙の表面にクレープが付与された坪量80g/m2の紙基材を得た。得られた紙基材を実施例1のクルパック紙とした。
叩解時のスラリー濃度を10質量%とした点、CSFが550mLとなるまで叩解した点、抄紙の際のJ/W比を1.05にした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件でクルパック紙を得た。
叩解時のスラリー濃度を8質量%とした点、CSFが450mLとなるまで叩解した点、抄紙の際のJ/W比を1.10にした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件でクルパック紙を得た。
叩解時のスラリー濃度を5質量%とした点、CSFが400mLとなるまで叩解した点、抄紙の際のクルパック処理前後の速度差を-20.0m/分とした点、抄紙の際のJ/W比を1.20にした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件でクルパック紙を得た。
叩解時のスラリー濃度を5質量%とした点、CSFが400mLとなるまで叩解した点、抄紙の際のJ/W比を1.20にした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件でクルパック紙を得た。
叩解時のスラリー濃度を5質量%とした点、CSFが400mLとなるまで叩解した点、抄紙の際のJ/W比を1.50にした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件でクルパック紙を得た。
叩解時のスラリー濃度を8質量%とした点、CSFが450mLとなるまで叩解した点、抄紙の際のJ/W比を1.10にした点、製造した紙基材の片面に、乾燥後の塗工厚が20μmとなるようLDPEを溶融押出コーティングした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件でクルパック紙を得た。
叩解時のスラリー濃度を8質量%とした点、CSFが450mLとなるまで叩解した点、抄紙の際のJ/W比を1.10にした点、製造した紙基材の両面に、乾燥後の塗工厚が10μmとなるようLDPEを溶融押出コーティングした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件でクルパック紙を得た。
叩解時のスラリー濃度を10質量%とした点、CSFが650mLとなるまで叩解した点、抄紙の際のJ/W比を1.10にした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件でクルパック紙を得た。
叩解時のスラリー濃度を8質量%とした点、CSFが550mLとなるまで叩解した点、抄紙の際のクルパック処理前後の速度差を-15.0m/分とした点、抄紙の際のJ/W比を1.10にした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件でクルパック紙を得た。
叩解時のスラリー濃度を8質量%とした点、CSFが330mLとなるまで叩解した点、抄紙の際のクルパック処理前後の速度差を-35.0m/分とした点、抄紙の際のJ/W比を1.10にした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件でクルパック紙を得た。
叩解時のスラリー濃度を2質量%とした点、CSFが450mLとなるまで叩解した点、抄紙の際のクルパック処理前後の速度差を-35.0m/分とした点、抄紙の際のJ/W比を1.10にした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件でクルパック紙を得た。
叩解時のスラリー濃度を2質量%とした点、CSFが350mLとなるまで叩解した点、抄紙の際のクルパック処理前後の速度差を-15.0m/分とした点、抄紙の際のJ/W比を1.10にした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件でクルパック紙を得た。
叩解時のスラリー濃度を2質量%とした点、CSFが300mLとなるまで叩解した点、クルパック処理を加えなかった点、抄紙の際のJ/W比を1.10にした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件で紙基材を得た。
叩解時のスラリー濃度を10質量%とした点、CSFが500mLとなるまで叩解した点、抄紙の際のクルパック処理前後の速度差を-48.0m/分とした点、抄紙の際のJ/W比を1.10にした点、を変更した以外は、実施例1と同様の条件でクルパック紙を得た。
得られた実施例および比較例のクルパック紙又は紙基材を切り出して、縦方向(MD)が長辺となるA4のブランクシート3を得た。ブランクシート3を、成形用金型(1及び2)とプレス成形機(FVT400、株式会社脇坂エンジニアリング製)を用いて、プレス圧力35kgf/cm2、プレス温度150℃、プレス時間5秒の条件で、図1のようにプレスし、図2のようなトレイ形状に成形した。得られたトレイについて、4隅成形部の皺や破れの有無を以下の基準で評価した。図1示すようにトレイの開口部のテーパ部を成形部4(図中破線)として評価した。数値が大きいほど良好であることを示す。
4:4隅成形部に、破れや皴は生じない。
3:4隅成形部に破れは生じないが、皴が生じる。
2:4隅成形部の1~3ヶ所に破れが生じる。
1:4隅成形部の全てに破れが生じる。
3:ブランクシート
4:4隅成形部
Claims (6)
- パルプを含有する紙基材を有するクルパック紙であって、
ISO/DIS 1924-3に準拠して測定される、該クルパック紙の縦方向の比引張りこわさが、1.5kN・m/g~6.0kN・m/gであり、該クルパック紙の横方向の比引張りこわさが、2.0kN・m/g~6.0kN・m/gであり、前記縦方向の比引張こわさと、前記横方向の比引張こわさと、の比(縦方向/横方向)が1.1以下であり、
JIS P 8113:2006に準拠して測定される、該クルパック紙の縦方向の破断伸度が、5.0%~10.0%であり、該クルパック紙の横方向の破断伸度が、6.0%~10.0%である
ことを特徴とするクルパック紙。 - 前記縦方向の比引張こわさと、前記横方向の比引張こわさと、の比(縦方向/横方向)が0.7~1.0である
請求項1に記載のクルパック紙。 - JIS Z0203に準拠して測定される繊維配向比が1.0~2.0である請求項1又は2に記載のクルパック紙。
- 前記紙基材の坪量が、50g/m2~100g/m2である請求項1~3のいずれか一項に記載のクルパック紙。
- 前記クルパック紙が、前記紙基材の少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂層を有する請求項1~4のいずれか一項に記載のクルパック紙。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載のクルパック紙の成形体である紙加工品。
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