以下に説明される各実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。また、以下の説明では、複合機1が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口4が設けられている面を前面として前後方向8が定義され、複合機1を前方から視て左右方向9が定義される。上下方向7、前後方向8、および左右方向9は互いに直交している。上下方向7は、鉛直方向でもある。また、水平方向は、鉛直方向に直交する方向である。
[複合機1の全体構造]
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
複合機1は、図1に示されるように、下部に設けられたインクジェット記録方式のプリンタ部2と、その上部に設けられたスキャナ部3(読取装置の一例)とを一体的に備えた多機能装置(MFD;Multi Function Device)であり、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを有する。本発明は、ADF5を具備するスキャナ部3のみを備えていれば足りる。すなわち、スキャン機能を除く他の機能は任意であって、スキャン機能を唯一の機能とするスキャナとして本発明が実施されていてもよい。
コピー機能においては、スキャナ部3により読み取られた画像データがプリンタ部2において記録用紙に記録される。ファクシミリ機能においては、スキャナ部3により読み取られた画像データが電話回線などを通じてファクシミリ送信される。また、受信されたファクシミリデータは、プリンタ部2により記録用紙に記録される。
スキャン機能においては、スキャナ部3により読み取られた原稿12の画像データが当該装置と有線或いは無線で接続されたコンピュータに転送される。また、読み取られた画像データをメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の各種記憶媒体に転送して記憶させることもできる。
[スキャナ部3の構成]
図1~図4において、スキャナ部3は、ADF原稿トレイ33と、ADF排出トレイ34と、搬送路151と、原稿12を搬送する搬送機構16と、第1コンタクトイメージセンサ(読取センサの一例であり、Contact Image Sensor、以下「第1CIS」と称する。)85と、第2コンタクトイメージセンサ(以下「第2CIS」とも称する。)95とを具備する。
図1に示されるように、複合機1の外観は、高さより横幅および奥行きが大きい幅広で薄型の直方体に概ね形成されている。複合機1の下部のプリンタ部2は、プリンタ部2のフレームを構成する筐体10を有する。筐体10の前面を構成する前面パネル11に開口4が形成されている。開口4の内部には、給紙トレイ20および排紙トレイ21が上下2段に設けられている。開口4の上側に、各種コネクタが配置されたコネクタパネル13が設けられている。コネクタパネル13の右端部にスロット部18が配置されている。スロット部18は、各種のメモリカードの装填を可能にして、複合機1の制御部100(図5参照)とメモリカードとを電気的に接続するものである。メモリカードとは、記憶媒体としてフラッシュメモリが内蔵されたカード型の記憶装置のことである。スロット部18には、異なるタイプのメモリカードの装填を可能とするために、スロットタイプの異なる第1カードスロット19および第2カードスロット22が横並びに設けられている。前面パネル11の右端付近には、インクカートリッジが収容されている。
複合機1の前面上部には、プリンタ部2やスキャナ部3を動作させるための操作パネル6が設けられている。操作パネル6は、各種操作ボタン35や液晶ディスプレイ36が適宜設けられ構成されている。複合機1は、操作パネル6において入力された指示に基づいて動作する。複合機1が外部のコンピュータに接続されている場合には、コンピュータからプリンタドライバまたはスキャナドライバを介して送信される指示に基づいても複合機1は動作する。
図2において、スキャナ部3は、FBS(Flatbed Scanner)として機能する支持台15に対して、原稿カバー30が、背面側の蝶番を介して矢印P1方向に開閉自在に取り付けられている。原稿カバー30は、プラテンガラス80(図4参照)を有する支持台15に対して開位置と閉位置とに移動可能である。原稿カバー30は、閉位置においてプラテンガラス80を覆う。原稿カバー30は、ADF5(搬送装置の一例)を一体に備えており、原稿カバー30の開閉に伴ってADF5も移動する。ADF原稿トレイ33、ADF排出トレイ34、搬送路151(図4参照)、搬送機構16、および第2CIS95は、原稿カバー30に位置しており、第1CIS85は、支持台15に位置している。
図4において、支持台15の上面には、プラテンガラス80が設けられている。支持台15に対して原稿カバー30が閉じられると、プラテンガラス80は原稿カバー30に覆われる。原稿カバー30の下面、すなわち、プラテンガラス80と対向する面には弾性板82が設けられている。
弾性板82は、原稿カバー30が閉位置にあるときプラテンガラス80に当接する。弾性板82は、プラテンガラス80上に載置された原稿12を押さえて固定する。弾性板82は、板部材74と、スポンジ部材75とを備える。板部材74は、原稿12から安定した反射光を得るために、全域に渡って白色などの単一色とされている。板部材74は、スポンジ部材75を介して原稿カバー30に取付けられている。弾性板82は、閉位置にあるとき原稿カバー30の最も下部分に位置する。すなわち、スポンジ部材75を備える弾性板82は、原稿カバー30が閉位置にあるとき、第2CIS95よりも下方に位置する。
プラテンガラス80は、例えば透明なガラス板やアクリル板である。プラテンガラス80の左端部には、ADF5を使用して原稿12の画像を読み取る場合の読取領域80Aと、スキャナ部3をFBSとして使用する場合の読取領域80Bとを区画する位置決め部材83が設けられている。位置決め部材83は、プラテンガラス80上に原稿12を載置する場合の位置決め基準である。位置決め部材83の上面には、A4サイズやB5サイズなどの原稿12のサイズに合わせて、載置位置を示す印が付されている。位置決め部材83は、ADF5が用いられる場合には、読取領域80A上を通過する原稿12をADF5内に設けられた搬送路151へ戻すように案内するガイドとして機能する。
図4に示されるように、支持台15の内部には、第1画像読取ユニット32が内蔵されている。スキャナ部3がFBSとして使用される場合には、原稿カバー30が開かれて、プラテンガラス80上に原稿12が載置される。そして、原稿カバー30が閉じられて、原稿12がプラテンガラス80上に固定される。第1画像読取ユニット32がプラテンガラス80の下方を移動しつつプラテンガラス80に載置された原稿12の画像を読み取る。
第1画像読取ユニット32は、第1CIS85と、細長長方体状のCISキャリッジ86とを有している。CISキャリッジ86は、その上側に担持するようにして第1CIS85を搭載している。これにより、第1CIS85がプラテンガラス80の下面に対向される。第1CIS85は、搬送路151における湾曲路157より搬送向き17の上流に位置している。第1CIS85は、搬送路151の下方から原稿12の画像を光学的に読み取る。第1CIS85は、LEDなどの光源を発光させて原稿12に光を照射し、原稿12からの反射光をレンズにより光電変換素子に導き、光電変換素子が反射光強度に応じた電気信号を出力するいわゆる密着型のラインイメージセンサである。第1CIS85は、CISキャリッジ86に搭載されて、プラテンガラス80の下方を往復動される。
図3に示されるように、ケーシング84の左右方向9に渡ってガイドシャフト87が架設されている。第1画像読取ユニット32は、CISキャリッジ86がガイドシャフト87に嵌め合わされることにより、プラテンガラス80の下方をCISキャリッジ86の長手方向に直交する方向(左右方向9)に円滑に移動可能に支持される。ガイドシャフト87に沿ってCISキャリッジ駆動機構88が設けられている。CISキャリッジ駆動機構88は、プーリ間にタイミングベルト89が架設されたものである。CISキャリッジ86は、CISキャリッジ駆動機構88のタイミングベルト89に固定されており、タイミングベルト89の周運動によって往復動される。これにより、スキャナ部3がFBSとして使用される場合に、CISキャリッジ86をプラテンガラス80の下面に平行に移動させることができ、その際に、CISキャリッジ86に搭載された第1CIS85にプラテンガラス80上に載置された原稿12の画像を読み取らせることができる。
図1および図2に示されるように、スキャナ部3の上部の原稿カバー30には、ADF原稿トレイ33(原稿トレイの一例)およびADF排出トレイ34(排出トレイの一例)が上下二段に構成されている。ADF原稿トレイ33には、複合機1の前後方向8に隔てられて一対のADF原稿ガイド93が、前後方向8へスライド移動可能に設けられている。ADF原稿ガイド93は、ADF原稿トレイ33から起立して、ADF原稿トレイ33に載置される原稿12の幅方向の位置を規制する。
ADF原稿ガイド93は、ラック・ピニオンなどの周知の連動機構により、いずれか一方のADF原稿ガイド93をスライド移動させると、他方のADF原稿ガイド93も連動して相反する方向へスライド移動される。
一対のADF原稿ガイド93には、ADF原稿トレイ33の上方向に隔てられてADF排出トレイ34が一体的に形成されている。ADF排出トレイ34は、ADF原稿ガイド93の頂部から内側に向けて迫り出すように延設された庇状の平板として構成される。ADF排出トレイ34は、上下方向7において、後述する上側排出シュート部158や中間排出シュート部179よりも下方に位置する。
ADF5から排紙された原稿12は、その両側をADF排出トレイ34に担持されて、ADF原稿トレイ33上の原稿と分離した状態で保持される。ADF排出トレイ34は、排紙方向の長さが原稿12の長さより短いので、原稿12の排紙方向先端側は、ADF排出トレイ34から垂れ下がるようにして、ADF原稿トレイ33上に保持される。
図4に示されるように、ADF5の筐体は、原稿カバー30と一体に成形されたADF本体152と、ADF本体に対して回動可能に設けられたADFカバー153とによって構成される。このADFカバー153は、主にADF5の筐体の上面を形成している。ADFカバー153は、ADF本体152に対してADF本体152の側方(図4の左側)に設けられた不図示の回動軸を中心として図中の矢印P2方向に回動される。これにより、ADF5の内部の一部が露出される。
ADFカバー153は、ADF本体152に対して回動されることにより、図4に示す閉姿勢と、開姿勢とに姿勢変化する。ADF5を使用する際には、ADFカバー153は閉姿勢である。ADFカバー153は、閉姿勢においてADF本体152に係止される。
ADF5の内部には、搬送路151において、ADF原稿トレイ33からADF排出トレイ34へと向かう搬送向き17に原稿12を搬送する搬送機構16が設けられている。搬送機構16は、吸入ローラ164および吸入ニップ片165、分離ローラ166および分離ニップ片167、レジストローラ(以下、「Rローラ」とも称す)168およびピンチローラ169、ならびに搬送ローラ171およびピンチローラ172(ニップ部材の一例)を有する。
搬送路151は、断面視で横向き略U字形状に形成されており、傾斜路159、湾曲路157、上側排出路160(第1排出路の一例)および下側排出路161(第2排出路の一例)に区分される。搬送路151は、ADF本体152やADFカバー153によって構成される。
ADF原稿トレイ33から搬送路151に連続するようにして、吸入シュート部154が形成されている。ADF5の吸入シュート部154は、ADF原稿トレイ33上の空間と連続するように形成されている。吸入シュート部154は、上面を原稿12のガイド面とし、上下方向7に所定幅の通路として構成されている。ADF原稿トレイ33に載置された原稿12において下方を向く面を第1面51とし、上方を向く面を第2面52とすると、画像が読み取られる原稿12は、第1面51を下向きにした状態で、搬送向き17における先端を吸入シュート部154に挿入するようにして、ADF原稿トレイ33上に載置される。
吸入シュート部154には、複数のローラ体等で構成されるシート供給機構が設けられている。シート供給機構は、吸入ローラ164およびこれに圧接される吸入ニップ片165と、分離ローラ166およびこれに圧接される分離ニップ片167とを有する。なお、各ローラやニップ片の構成はシート供給機構の単なる一例であり、ローラの数や配置を変更したり、各ニップ片に代えてピンチローラを用いたりする等、その他の公知のシート供給機構に変更できることは勿論である。
吸入ローラ164は、吸入シュート部154の用紙幅方向(前後方向8)の中央付近に回転可能に設けられている。図には示されていないが、吸入ローラ164は、ローラ軸のキーに嵌合するキー溝を有するが、このキー溝の周方向の幅がキーの幅に対して充分に長い。したがって、吸入ローラ164は、ローラ軸に対して約1周程度の空転が可能である。
分離ローラ166は、吸入ローラ164から記録用紙の搬送向き17の下流へ隔てられた位置に回転可能に設けられている。吸入ローラ164および分離ローラ166は、LFモータ110(図5参照)からの駆動力が伝達されて回転駆動される。
吸入ニップ片165は、吸入ローラ164の対向位置に、吸入ローラ164と接離する方向へ上下動可能に設けられている。吸入ニップ片165は、不図示のバネ部材により下方へ付勢されており、原稿12をニップしない状態で吸入ローラ164に接触されている。
分離ニップ片167は、分離ローラ166の対向位置に、分離ローラ166と接離する方向へ上下動可能に設けられている。分離ニップ片167は、不図示のバネ部材により下方へ付勢されており、原稿12をニップしない状態で分離ローラ166のローラ面に圧接されている。
搬送路151は、ADF原稿トレイ33とADF排出トレイ34とを繋いでおり、下方から上方へ向かって湾曲している。より具体的には、搬送路151は、図4に示されるように、傾斜路159、湾曲路157、上側排出路160および下側排出路161を有する。搬送路151は、吸入シュート部154から、傾斜路159、湾曲路157、上側排出路160を経て、上側排出シュート部158へ連続する横向き略U字形状と、湾曲路157から、下側排出路161を経て、下側排出シュート部178へ連続する横向き略U字形状とのいずれかに形成される。
搬送路151の傾斜路159は、吸入シュート部154の出口付近から読取領域80Aの出口付近までの所定幅の通路として緩やかに傾斜されて連続的に形成されている。吸入シュート部154から送り出された原稿12は強く湾曲されることなく傾斜路159を円滑に案内される。
傾斜路159には、搬送向き17の上流から下流に向かって、Rローラ168およびピンチローラ169、原稿センサ116、位置決め部材83、第2画像読取ユニット94、原稿ガイド173、ならびに第1画像読取ユニット32が配置されている。
ピンチローラ169は、傾斜路159の幅方向(前後方向8)に軸方向を一致させて設けられている。ピンチローラ169は、ローラ面の一部を傾斜路159に露出するようにして、回転可能に設けられている。
傾斜路159を挟んでピンチローラ169に対向する位置にRローラ168が設けられている。Rローラ168は、傾斜路159の幅方向(前後方向8)に軸方向を一致させて設けられている。Rローラ168はADF本体152に回転可能に支持されており、そのローラ面の一部が傾斜路159に露出されている。
ピンチローラ169は不図示のコイルバネなどの弾性部材によってRローラ168側へ付勢された状態で支持されており、傾斜路159において、ピンチローラ169のローラ面がRローラ168のローラ面に圧接されている。Rローラ168は、不図示の駆動伝達機構を介してLFモータ110(図5参照)と連結されており、LFモータ110からの駆動力が伝達されて回転駆動される。Rローラ168の外径は、ピンチローラ169の外径よりも十分に大きい。
傾斜路159において、Rローラ168およびピンチローラ169の下流には原稿センサ116が位置する。原稿センサ116は、Rローラ168およびピンチローラ169によって送られた原稿12の先端および後端を示す検知信号を出力する。
傾斜路159において、原稿センサ116の下流に第2画像読取ユニット94が位置する。第2画像読取ユニット94は、第2CIS95と、プラテン96と、原稿支持部材97とを有している。第2画像読取ユニット94は、原稿12の第2面52を読み取る。
第2CIS95は、プラテン96の上面に対向して配置されている。第2CIS95は、搬送路151における第1CIS85よりも搬送向き17の上流に位置している。第2CIS95は、原稿12の画像を搬送路151の上方から光学的に読み取る。第2CIS95は、直方体形状であり、プラテン96の上面に載置されている。
プラテン96は、傾斜路159よりも上方に位置する。プラテン96は所定の厚みを有する板状である。プラテン96の下面は、傾斜路159を搬送される原稿12に対して平行になる。プラテン96は、読取面120と、上流端121と、下流端122とを有している。
読取面120は、搬送向き17に沿う。読取面120は、傾斜路159を搬送される原稿12の第2面52に対して平行である。
上流端121は、第2CIS95の搬送向き17における上流側の端である。また、下流端122は、第2CIS95の搬送向き17における下流側の端である。上流端121は、搬送向き17において下流端122よりも上方に位置している。
原稿支持部材97は、搬送向き17の上流側の端部を軸(前後方向8に沿っている。)にして回動可能に支持されている。原稿支持部材97は、プラテン96と接離する方向へ回動可能に設けられている。原稿支持部材97は、不図示のバネ部材により読取面120に向かって付勢されている。外力が付与されていない状態において、原稿支持部材97は、搬送路151を挟んで第2CIS95の読取面120と対向する位置にある。
傾斜路159においては、第2画像読取ユニット94の搬送向き17の下流に位置決め部材83が位置する。位置決め部材83の左端部(搬送向き17の下流端部)は、搬送向き17へ向かって下方に傾斜する傾斜面である。位置決め部材83は、第2画像読取ユニット94を通過した原稿12を、プラテンガラス80と原稿ガイド173との間へ案内する。
傾斜路159において、位置決め部材83の搬送向き17の下流に第1画像読取ユニット32が位置する。第1画像読取ユニット32は、原稿12の第1面51を読み取る。なお、第1画像読取ユニット32は、ADF5による画像読取りにおいて、位置決め部材83の搬送向き17の下流に位置していればよい。
原稿ガイド173は、原稿カバー30(図2参照)の第1画像読取ユニット32に対向する位置に設けられている。原稿ガイド173は、読取領域80Aに対向する水平部分と、当該水平部分の両端から上流側および下流側の上方に延びる傾斜部分とを有している。原稿ガイド173は、ADF本体152に固定されたバネ部材によって読取領域80Aへ付勢されている。前後方向8における原稿ガイド173の水平部分の両端部には凸部が形成されている。凸部が読取領域80Aに当接することにより、原稿ガイド173の水平部分と読取領域80Aとの上下方向7の間に原稿12が通過可能な隙間が形成される。
搬送路151の湾曲路157は、読取領域80Aの出口付近から始まり、上方へ向かって延びつつ図4の左方向から右方向に大きく反っている。湾曲路157の搬送向き17の下流端は、上側排出路160および下側排出路161と連続する。湾曲路157は、搬送ローラ171を内側の搬送ガイド面とし、ADF本体152およびADFカバー153を外側搬送ガイド面として形成されている。
湾曲路157には、搬送ローラ171とピンチローラ172とが設けられている。搬送ローラ171は湾曲路157の湾曲内側に位置しており、ピンチローラ172は湾曲路157の湾曲外側に位置している。搬送ローラ171およびピンチローラ172は、ローラ面の一部が湾曲路157に露出している。
ピンチローラ172は、不図示のコイルバネなどの弾性部材によって搬送ローラ171側へ付勢されている。これにより、湾曲路157において、ピンチローラ172のローラ面が搬送ローラ171のローラ面に圧接され、搬送ローラ171およびピンチローラ172の当接部分に、原稿12を挟むためのニップが形成される。搬送ローラ171は、不図示の駆動伝達機構を介してLFモータ110(図5参照)と連結されており、LFモータ110からの駆動力が伝達されて回転駆動される。
図4において、スキャナ部3は、上側排出シュート部158、下側排出シュート部178、バネ片190、中間排出シュート部179、およびフラップ180を備える。図4では、1つのバネ片190だけが示されている。中間排出シュート部179は、第1支持部材の一例である。下側排出シュート部178は、第2支持部材の一例である。フラップ180は、案内部材の一例である。
上側排出シュート部158は、ADF本体152と一体であり、ADF本体152の前壁152Aおよび後壁152B(図2参照)の間で左右に延びるガイド部材である。上側排出シュート部158の下端は、湾曲路157の下流端および上側排出路160の各上側を形成する。上側排出シュート部158の下端は、左右方向9において、ピンチローラ172の直ぐ下流において、バネ片190の上り傾斜面に向けて下向きに突出する第1突出部材158Aをなしている。上側排出シュート部158の下端は、第1突出部材158Aの右端からフラップ180の右端までの範囲内では、上方へと膨らむように湾曲しつつ右方に延びる湾曲部158Bをなしている。上側排出シュート部158の下端は、フラップ180の右端から、上側排出シュート部158の右端までの範囲内では、概ね真直ぐに右方へと延びている。
下側排出シュート部178は、ADF本体152の前壁152Aおよび後壁152Bの間で左右に延びるガイド部材である。下側排出シュート部178は、上下方向7において上側排出シュート部158より下方であって、ADF排出トレイ34と概ね同じ位置に配置される。この位置で、下側排出シュート部178の上端は、左右方向9において搬送ローラ171の右端からADF排出トレイ34の右端の間の範囲内で、概ね水平に拡がっている。下側排出シュート部178は、上端により主として下側排出路161の下側を形成する。下側排出シュート部178において原稿12が搬送される搬送向き17における寸法(即ち、下側排出シュート部178の左右寸法)は、原稿12の同向きにおける寸法より短い。搬送向き17は、搬送向きの一例であり、右向きである。
各バネ片190は、可撓性を有するシート材で作製される。シート材の材料としては、厚さ0.2mm~1.0mm程度の合成樹脂(ポリエチレンテレフタレート等)がある。バネ片190は、正面視でギリシャ文字のΛのような形状であり、ニップN1の出口から第1突出部材158Aに向かって右斜め上方に延びる上り傾斜面を有する。各バネ片190は、第1突出部材158Aより右方の位置で下方へと屈曲して下側排出シュート部178に至る。即ち、各バネ片190は、上向きに突出する第2突出部材の一例である。
中間排出シュート部179は、上下方向7において上側排出シュート部158と下側排出シュート部178の間に位置する。中間排出シュート部179は、左右方向9において各バネ片190の上端から右方に離れた位置から、ADFカバー153の右端までの範囲を占める。この位置で、中間排出シュート部179は、ADF本体152の前壁152Aおよび後壁152Bの間で概ね水平に拡がっている。中間排出シュート部179は、上端により上側排出路160の下側を形成し、下端により下側排出路161の上側を形成する。
[フラップ180]
フラップ180は、上下方向7において上側排出シュート部158の湾曲部158Bと、下側排出シュート部178との間に位置し、左右方向9において各バネ片190と中間排出シュート部179の左端との間に位置する。フラップ180は、中間排出シュート部179の左端に沿って前後方向8に延びる回転軸A23から左方に延びている。フラップ180の延出端は、回転軸A23の周方向に、第1位置P51(図6(A)参照)および第2位置P52(図6(B)参照)の間で揺動可能である。図6(A)に示すように、第1位置P51では、フラップ180は、上側排出路160の上流端を開放し且つ下側排出路161の上流端を閉塞して、湾曲路157から上側排出路160へと原稿12が搬送されるように、これらを連通する。一方、図6(B)において、フラップ180は、上側排出路160の上流端を閉塞し且つ下側排出路161の上流端を開放して、湾曲路157から下側排出路161へと原稿12が搬送されるように、これらを連通する。
[スキャナ部3の駆動制御]
図5は、複合機1の制御部100およびその周辺デバイスの構成を示している。制御部100は、スキャナ部3のみでなくプリンタ部2も含む複合機1の全体動作を統括して制御するものであるが、本実施形態の説明においては、図5においてプリンタ部2の構成要素は省略されている。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)104を主とするマイクロコンピュータとして構成されており、バス105を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)106に接続されている。
ROM102には、複合機1の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。EEPROM104には、上記プログラムに従った処理に用いられる各種データが格納されている。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域またはデータやプログラムの展開領域として使用される。
CPU101は、制御部100を構成する周辺デバイス、或いは制御部100により制御される被制御機器を統括的に制御するものである。CPU101によって、ROM102に格納されたプログラムや、RAM103またはEEPROM104に格納されたデータが読み出され、上記プログラムに従った演算が行われる。
ASIC106は、CPU101からの指令に従い、スキャナ部3のキャリッジモータ(「CRモータ」とも称す)108およびADF5のLF搬送モータ(「LFモータ」とも称す)110それぞれに通電する相励磁信号等を生成して、信号をCRモータ108のCR駆動回路107およびLFモータ110のR駆動回路109に付与する。CR駆動回路107およびR駆動回路109を介して駆動信号がCRモータ108およびLFモータ110に通電されることにより、CRモータ108およびLFモータ110の回転制御が行われる。
CR駆動回路107は、スキャナ部3のCISキャリッジ86に接続されたCRモータ108を駆動させるものである。CR駆動回路107は、ASIC106からの出力信号を受けて、CRモータ108を回転するための電気信号を生成する。電気信号を受けたCRモータ108が回転し、CRモータ108の回転力が周知の走査機構を介して、CISキャリッジ86へ伝達されることによりCISキャリッジ86が移動される。
R駆動回路109は、ADF5の吸入ローラ164、分離ローラ166、Rローラ168および搬送ローラ171に接続されたLFモータ110を駆動させるものである。R駆動回路109は、ASIC106からの出力信号を受けて、LFモータ110を回転するための電気信号を生成する。電気信号を受けたLFモータ110が回転し、LFモータ110の回転力がギアや駆動軸等で構成される周知の駆動機構を介して、吸入ローラ164、分離ローラ166、Rローラ168および搬送ローラ171へ伝達される。
ASIC106には、スキャナ部3において原稿12の画像読取りを行う第1CIS85および第2CIS95が接続されている。ASIC106は、CPU101の指令に基づいて、光源から光を照射するための電気信号や光電変換素子から画像データを出力するためのタイミング信号を第1CIS85に付与する。第1CIS85および第2CIS95は、これら信号を受けて、所定のタイミングで原稿12に光を照射し、光電変換素子により変換された画像データを出力する。
ASIC106には、複合機1に所望の指令を入力する操作ボタン35を制御するパネルゲートアレイ(パネルG/A)111が接続されている。パネルゲートアレイ111は、操作パネル6の操作ボタン35の押下を検出して、所定のコード信号を出力する。このキーコードは、複数の操作ボタン35に対応して割り当てられている。CPU101は、パネルゲートアレイ111から所定のキーコードを受信すると、所定のキー処理テーブルに従って、実行すべき制御処理を行う。キー処理テーブルは、キーコードと制御処理とを対応させてテーブル化したものであり、例えば、ROM102に記憶されている。
ASIC106には、液晶ディスプレイ(LCD)36の画面表示を制御するLCDコントローラ112が接続されている。LCDコントローラ112は、CPU101の指令に基づいて、液晶ディスプレイ36にプリンタ部2またはスキャナ部3の動作に関する情報を画面に表示させる。
ASIC106には、各種小型メモリカードが挿入されるスロット部18、コンピュータとパラレルケーブルまたはUSBケーブルを介してデータの送受信を行うためのパラレルインタフェース113およびUSBコネクタ14が接続されている。
ASIC106には、ADF5内の搬送路151(図4参照)において原稿12の先端および後端を検出するための原稿センサ116が接続されている。
ASIC106には、アクチュエータ182が接続されている。アクチュエータ182は、モータや電磁ソレノイド等により、フラップ180を、第1位置P51および第2位置P52に移動させるための動力を発生する。
[スキャナ部3による片面読取処理]
以下、図7を参照して、スキャナ部3による片面読取処理について説明する。
ユーザは、複数枚の原稿12をADF原稿トレイ33に載置する。各原稿12には、片面にのみ画像が記録されているとする。ADF原稿トレイ33に、各原稿12は、画像の記録面が第1面51となるように載置される。次に、ユーザは、片面読取処理を開始させるために、操作パネル6を操作する。このユーザ操作に応じて、スキャナ部3は、図7の片面読取処理を開始する。
図7のS101で、制御部100は、CRモータ108を駆動して、CISキャリッジ駆動機構88により第1画像読取ユニット32を読取領域80A(図4参照)に移動させる。S101で、制御部100はさらに、内部に有する枚数カウンタを初期化する。枚数カウンタは、原稿センサ116を通過した原稿12の枚数を示す枚数カウント値をカウントする。
S102で、制御部100は、アクチュエータ182を駆動して、フラップ180を第1位置P51(図6(A)参照)に移動させる。S101,S102の実行順は入れ替わってもよい。
S103で、制御部100は、LFモータ110を駆動して、原稿12の搬送を開始させる。即ち、制御部100は、吸入ローラ164、分離ローラ166、Rローラ168および搬送ローラ171を回転させ始める。吸入ローラ164は、ADF原稿トレイ33により支持される原稿12を、吸入ニップ片165とともにニップし、傾斜路159の下流へと送る。分離ローラ166は、吸入ローラ164から送り込まれた原稿12を分離ニップ片167とともにニップし、ニップした原稿12のうち最下層の一枚を傾斜路159の下流へと送る。Rローラ168は、ピンチローラ169とともに原稿12をニップし、傾斜路159の下流へと送る。これにより、吸入ローラ164、分離ローラ166およびRローラ168は、ADF原稿トレイ33において最も下の原稿12から1枚ずつ順に傾斜路159で搬送させる。
S104で、制御部100は、原稿センサ116から検知信号を周期的に取得することを開始する。
S105で、制御部100は、検知信号に基づいて、傾斜路159で搬送される原稿12における搬送向き17の先端を検出する。S105で、制御部100はさらに、先頭検出から第1時間経過後に、第1画像読取ユニット32に読取処理を開始させて、第1画像読取ユニット32から画像データを取得し始める。
S106で、制御部100は、検知信号に基づいて傾斜路159で搬送される原稿12における搬送向き17の後端を検出する。S106で、制御部100はさらに、枚数カウント値を1だけ増加させる。S106で、制御部100はさらに、後端検出から第1時間経過後に、第1画像読取ユニット32に読取処理を一時停止させる。これにより、制御部100は、1枚の原稿12の下面に記録された画像を示す画像データをRAM等に記憶する。
S107で、制御部100は、片面読取処理を終了するか否かを判定する。制御部100は、ADF原稿トレイ33に設けられた原稿センサ(図示せず)の出力信号に基づき、ADF原稿トレイ33に原稿12が残っているか否かを判定する。制御部100は、原稿12が残っていない場合、S107でYesと判定し、片面読取処理を終了する。制御部100は、原稿12が残っている場合にはS107でNoと判定し、S108を実行する。
S108で、制御部100は、枚数カウント値が枚数閾値Nth以上か否かを判定する。枚数閾値Nthは、例えば20枚程度に定められる。制御部100は、枚数閾値Nth以上でないと判定したことに応じて(S108でNo)、S105を実行する。制御部100は、枚数閾値Nth以上であると判定したことに応じて(S108でYes)、S109を実行する。
S109で、制御部100は、アクチュエータ182を駆動して、フラップ180を第1位置P51から第2位置P52(図6参照)に移動させる。ここで、制御部100は、フラップ180の第2位置P52への移動中、LFモータ110への制御信号の出力を停止してもよい。
[片面読取処理における原稿12の搬送]
以下、最初に読取処理の対象となる原稿12を、単に「1枚目」とも称する。2回目以降に読取処理の対象となる原稿12を、単に「2枚目」以降とも称する。
上記読取処理より、1枚目は、搬送向き17における先頭から読取領域80Aを通過した後、湾曲路157内で搬送される。その後、1枚目は先頭から搬送ローラ171とピンチローラ172との間に送り込まれる。搬送ローラ171は、ピンチローラ172とともに1枚目をニップして湾曲路157の下流へと送る。これにより、1枚目の先頭は、ニップN1から右斜め上方に送り出された後、第1突出部材158Aに当接する。その結果、1枚目の先頭の向きは、右斜め下方へと向きを変える。その後、1枚目の先頭は、ニップN1から延びる各バネ片190の上り傾斜面に当接し、上り傾斜面に沿って湾曲路157内で搬送される。この時、各バネ片190は、1枚目から受ける荷重により弾性変形し、下方へ姿勢変化する。また、各バネ片190は、1枚目を下方から支持している。フラップ180は第1位置P51にあるので、1枚目は、各バネ片190の上端を通過した後、上側排出路160内で右方に向かって搬送され、ADF排出トレイ34に排出される。
読取領域80Aを通過した1枚目の後端は、湾曲路157内で搬送された後、ニップN1から送り出される。1枚目の後端は、ニップN1から抜け出て直ぐに、各バネ片190上で停止する。各バネ片190には、1枚目の後端付近の自重による荷重だけが加わる。1枚目の後端付近には、図8(A)に示されるように、第1突出部材158Aの下端が上方から当接し、第1突出部材158Aより搬送向き17の下流の位置で各バネ片190の上端が下方から当接する。この時、各バネ片190は、原稿12から受ける荷重により下方へと弾性変形する。その結果、原稿12の後端は、バネ片190の上り傾斜面から若干上方に離間する。換言すると、制御部100は、中間排出シュート部179の搬送向き17における下流端よりも原稿12の先端が同向きの下流に位置し、且つ中間排出シュート部179の搬送向き17の上流端よりも原稿12の後端が同向きの上流に位置するように、搬送ローラ171等により原稿12を搬送する。この点については、2枚目からNth枚目に関しても同様である。また、ADF排出トレイ34は、中間排出シュート部179より右方で且つ中間排出シュート部179より下方に位置する。そのため、1枚目の先端寄りの部分に相対的に大きな荷重が加わるため、1枚目の後端は、バネ片190の上り傾斜面から若干上方に離間する。
1枚目は、後端がバネ片190で停止した時、中間排出シュート部179に支持されるともに(図8(A)参照)、ADF排出トレイ34によっても支持される。この時、1枚目の先端がADF排出トレイ34の搬送向き17における下流端を超えて、ADF排出トレイ34からADF原稿トレイ33へと垂れ下がるようにして、1枚目は、ADF原稿トレイ33上に保持される。この点については、2枚目からNth枚目までに関しても同様である。
2枚目からNth枚目までの各先頭がニップN1から送り出される時、中間排出シュート部179には1枚以上の原稿12が支持されている。また、中間排出シュート部179上の原稿12の後端は、バネ片190の上り傾斜面から離間する。したがって、2枚目からNth枚目の各々が各バネ片190の上り傾斜面に沿って搬送されると、各々の先頭は、各バネ片190の上端に既に支持されている原稿12の後端よりも下方に潜り込む。2枚目からNth枚目の各々は、中間排出シュート部179上の最下層の原稿12の下方で、上側排出路160内で右方に向かって搬送され、ADF排出トレイ34に排出される。
S108でYesと判定したことに応じて、フラップ180は、第1位置P51から第2位置P52へと移動する。この移動により、フラップ180は、1枚目からNth枚目の後端に下方から上向きの力を加える。また、上側排出シュート部158の湾曲部158Bは、フラップ180の上面と形状が整合するように上方へと膨らむように湾曲している。これにより、フラップ180が第2位置P52に移動したことに応じて、バネ片190の上端に位置する原稿12を上方に持ち上げ、その結果、これら原稿12の後端が第1突出部材158Aとバネ片190との間から抜ける。その後、フラップ180は、フラップ180と湾曲部158Bとの間に、中間排出シュート部179上で支持される原稿12の後端付近を挟んで支持する。
Nth+1枚目は、各バネ片190の上り傾斜面に当接するまでは、Nth枚目までと同様に搬送路151内で搬送される。しかし、フラップ180が第2位置P52に位置するため、Nth+1枚目は、各バネ片190の上端を乗り越えた後、下側排出路161内で右方に向かって搬送されて、ADF排出トレイ34に排出され、ADF排出トレイ34に既に支持されているNth枚の原稿12の下方に潜り込んだ後、右方へとさらに搬送される。即ち、制御部100は、下側排出シュート部178の搬送向き17における下流端よりも原稿12の先端が同向きの下流に位置し、且つ下側排出シュート部178の搬送向き17の上流端よりも原稿12の後端が同向きの上流に位置するように、搬送ローラ171等により原稿12を搬送する。この時、Nth+1枚目の先端がADF排出トレイ34の搬送向き17における下流端を超えて、ADF排出トレイ34からADF原稿トレイ33へと垂れ下がるようにして、Nth+1枚目は、ADF原稿トレイ33上に保持される。つまり、中間排出シュート部179上で支持されるNth枚の原稿12の先端側と、下側排出シュート部178上で支持されるNth+1枚目の原稿12の先端側とは、ともにADF原稿トレイ33上に支持される。この点については、Nth+2枚目から最後までに関しても同様である。
Nth+1枚目の後端は、ニップN1から抜け出たことに応じて、第1突出部材158Aの最下端と当接し停止する。また、Nth+1枚目において後端より若干先端寄りの部分は、バネ片190の上端で停止するため、各バネ片190には、実質上、Nth+1枚目の後端付近から荷重を受ける。Nth+1枚目の後端は、図8(B)に示されるように、各バネ片190から受ける上向きの付勢力により上方へ持ち上げられる。下側排出シュート部178は、各バネ片190の上端より下方に位置するため、Nth+1枚目の後端は、各バネ片190から左斜め上方へと延びやすくなる。
Nth+2枚目から最後までの各先頭がニップN1から送り出される時、下側排出シュート部178には1枚以上の原稿12が支持されている。また、下側排出シュート部178の上の原稿12の後端は、バネ片190の上り傾斜面から離間する。そのため、Nth+2枚目から最後までの各々は、各バネ片190の上り傾斜面に当接し上り傾斜面に沿って搬送された後、各バネ片190の上端に既に支持されている原稿12の後端よりも下方に潜り込む。Nth+2枚目から最後までの各々は、他の原稿12と同様に、下側排出シュート部178の最下層の原稿12の下方で、下側排出路161内で右方に搬送される。
上記より、ADF排出トレイ34において、複数の原稿12は、上から順番に、所謂フェイスアップで読取処理順に積載される。フェイスアップは、原稿12における画像の記録面が上向きになることである。片面読取処理の終了後、ユーザは、ADF排出トレイ34の複数の原稿12を引き抜く。
[両面読取処理]
ADF原稿トレイ33に、両面に画像が記録された複数の原稿12が載置される場合、ユーザは、原稿12の両面を対象とする両面読取処理を開始させるために、操作パネル6を操作する。このユーザ操作に応じて、スキャナ部3は、両面読取処理を開始する。この場合、制御部100は、S105でさらに、原稿12の先端を検出した後、第1時間より短い第2時間経過後に、第2画像読取ユニット94にも読取処理を開始させて、第2画像読取ユニット94から画像データを取得し始める。制御部100は、S106で、原稿12の後端を検出した後、第2時間経過後に、第2画像読取ユニット94による読取処理を終了させる。
[画像データ等の用途]
S106でRAM等に記憶された画像データは、前述の通り、様々な用途(FAX送信等)に用いることができる。
[実施形態の作用・効果]
本実施形態によれば、フラップ180が第1位置P51にあるとき、現在搬送されている原稿12の先端を潜り込ませる先の原稿12が中間排出シュート部179により支持される。フラップ180が第2位置P52にあるとき、現在搬送されている原稿12の先端を潜り込ませる先の原稿12が下側排出シュート部178に支持される。中間排出シュート部179に支持されている複数枚の原稿12の先端と、下側排出シュート部178に支持されている複数枚の原稿12の先端は、中間排出シュート部179の下流端および下側排出シュート部178の下流端よりもさらに下流側まで搬送される。このように、搬送ローラ171等により連続して搬送されたADF原稿トレイ33上の複数枚の原稿12における後端側が中間排出シュート部179および下側排出シュート部178に分かれて支持されるので、原稿12の先端を潜り込ませるときに、原稿12の先端に加わる先の原稿12による荷重を低減できる。その結果、現在搬送されている原稿12が既に搬送された原稿12の下方へ潜り込めずに、座屈することが抑制される。
また、搬送済みの複数枚の原稿12の先端側が概ね同じ位置にあるので、中間排出シュート部179および下側排出シュート部178に支持された各原稿12を纏めて取り出し易い。即ち、原稿12の回収性が向上する。
湾曲路157で搬送された原稿12の後端は、バネ片190に支持される。続いて、搬送ローラ171およびピンチローラ172により搬送路151を搬送される原稿12の先端は、フラップ180により湾曲路157から下側排出路161へと案内されて、下側排出シュート部178により支持される原稿12の後端から下方へ潜り込む。フラップ180が第2位置P52であるときに、中間排出シュート部179に支持された原稿12の後端付近がフラップ180と湾曲部158Bとの間に挟まれるので、下側排出シュート部178へ搬送される原稿12の先端が、中間排出シュート部179に支持された原稿12の後端に当接することが抑制される。
[第1変形例]
第1変形例は、実施形態と比較すると、図9に示すように、中間排出シュート部179が排出ローラ187をさらに備える点で相違する。それゆえ、以下では、実施形態との共通部分の説明を控え、相違点について説明する。
図9において、中間排出シュート部179には、中間排出シュート部179を上下に貫通し且つ前後に延びる貫通孔187Aが形成される。排出ローラ187は、貫通孔187A内に位置して、前後方向8に延びる回転軸A28の周方向に回転可能である。
回転軸A28は、フラップ180および中間排出シュート部179の前方や後方に設けられたリンク部材188により、フラップ180の回転軸A23と繋がっている。リンク部材188は、電磁ソレノイド等からなるアクチューエータ182により、上下方向7における下位置P71および上位置P72に位置することが可能である。下位置P71は、フラップ180が第1位置P51(図6参照)に位置する際のリンク部材188の上下位置である。上位置P72は、フラップ180が第2位置P52(図6参照)に位置する際のリンク部材188の上下位置である。
制御部100(図5参照)は、S109(図7参照)で、アクチュエータ182によりリンク部材188を下位置P71から上位置P72へと移動させる。これに連動して、フラップ180の回転軸A23,A28が回転し、その結果、フラップ180は、第1位置P51から第2位置P52へと移動し、排出ローラ187は、中間排出シュート部179上の原稿12を搬送向き17へと搬送するように回転する。
[第2変形例]
第2変形例は、実施形態と比較すると、図10(A)に示すように、中間排出シュート部179が排出ローラ191をさらに備える点で相違する。それゆえ、以下では、実施形態との共通部分の説明を控え、相違点について説明する。
図10(A)において、中間排出シュート部179には、中間排出シュート部179を上下に貫通し且つ前後に延びる貫通孔191Aが形成される。排出ローラ191は、貫通孔191A内に位置して、前後方向8に延びる回転軸A31の周方向に回転可能である。
制御部100は、S109(図7参照)で、フラップ180を第1位置P51から第2位置P52へと移動させている最中、LFモータ110の動力を、例えばクラッチ192を介して排出ローラ191に伝達するよう制御する。LFモータ110およびクラッチ192は、連動機構の一例である。この制御により、排出ローラ191は、フラップ180が第1位置P51から第2位置P52に移動することに連動して、図10(A)において時計回り(回転向きの一例)に回転する。これにより、中間排出シュート部179により支持される原稿12は、搬送向き17に搬送される。
第2変形例によれば、フラップ180が移動すると、中間排出シュート部179に支持された原稿12が排出ローラ191によって搬送向き17へ搬送される。これにより、下側排出シュート部178へと搬送される原稿12の先端が、中間排出シュート部179に支持される原稿12の後端に当接することが抑制される。
[第3変形例]
図10(B)に示すように、上下距離Z11(第1距離の一例)を、第1位置P51にあるフラップ180の上面(原稿案内面の一例)における最も上の位置P61と、第1突出部材158Aの最下端の位置P62との上下方向7における距離とする。左右距離X11(第2距離の一例)を、位置P61と、位置P62との左右方向9における距離である。上下距離Z11を左右距離X11よりも短くすることで、第1突出部材158Aの真下に位置する原稿12の後端付近が、原稿12の腰によって、第1突出部材158Aより搬送向き17へと抜け出ることが抑制される。
図10(B)に示すように、左右距離X12(第3距離の一例)を、ニップN1と、第1突出部材158Aの最下端の位置P62との左右方向9における距離とする。上下距離Z12(第4距離の一例)を、上側排出シュート部158において、中間排出シュート部179と対向する部分(第1下面の一例)と、上側排出シュート部158においてフラップ180との間に原稿12を挟み込む上端の位置との上下方向7における距離とする。左右距離X12を上下距離Z12より短くすることで、原稿12の回収性が向上する。具体的には、図8(A)のようにニップN1を通過して、バネ片190に支持されて停止している原稿12の後端は、図8(B)のようにフラップ180が第1位置P51から第2位置P52へと揺動すると、フラップ180および上側排出シュート部158の間に挟まれる。つまり、左右距離X12が上下距離Z12より短い場合、フラップ180および上側排出シュート部158の間に挟まれた原稿12の後端は、上側排出シュート部158の最下端より搬送向き17の下流へと確実に移動する。これにより、フラップ180が第2位置P52にある状態で、後続の原稿12が先行の原稿12の後端に突き当たることなく下側排出路161に搬送され、原稿12の回収性が向上する。
[第4変形例]
図4において、ADF排出トレイ34は、上側排出路160より搬送向き17の下流に位置する。ADF排出トレイ34の下流端は、搬送済の原稿12の先端よりも、搬送向き17の上流に位置する。図11(A)に示すように、ADF排出トレイ34の各上面は、延出端に近づくほど上下方向7における位置が低くなっている。なお、図11(A)は、図2の線Xa-Xaに沿うADF排出トレイ34の縦断面を右方から見たときの模式図である。図11(B)は、図2の線Xb-Xbに沿うADF原稿トレイ33の縦断面を右方から見たときの模式図である。ADF排出トレイ34は、第4支持部材の一例である。
ADF原稿トレイ33には、下側排出路161より搬送向き17の下流に位置する。ADF排出トレイ34の下流端は、搬送済の原稿12の先端よりも、搬送向き17の上流に位置する。図11(B)に示すように、ADF原稿トレイ33の上面において、ADF排出トレイ34より搬送向き17の下流側の部分は、左右方向9からの平面視でADF原稿トレイ33の前後中心に近づくほど上下方向7における位置が低くなっている。ADF原稿トレイ33は、原稿トレイの一例である。
第4変形例によれば、ADF原稿トレイ33に位置する原稿12(搬送済の原稿12やこれから搬送される原稿12)の搬送向き17の先端側の腰が強くなり、原稿12の座屈が抑制される。
また、中間排出シュート部179の搬送向き17における下流端がカバー153の同向きにおける下流端より左方へ突出すればするほど、中間排出シュート部179で支持される原稿12の先端寄りの部分が下側排出シュート部178上で支持される原稿12に加える荷重を減らすことができる。図11(C)に示すように、中間排出シュート部179の上面は、左右方向9からの平面視で中間排出シュート部179の前後中心に近づくほど上下方向7における位置が低くなっている。これによれば、中間排出シュート部179上に位置する原稿12の腰が強くなり、原稿12の座屈が抑制される。中間排出シュート部179は、第3支持部材の一例である。
[その他の変形例]
実施形態では、搬送路151はUターンパスであった。しかし、これに限らず、搬送路151はストレートパスであってもよい。
原稿12の回収性を向上させるため、フラップ180の上面に、前後方向8に延びる回転軸の周方向に回転する樹脂製のローラが設けられてもよい。