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JP2022035700A - 樹脂インク及び電子デバイス - Google Patents

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JP2022035700A
JP2022035700A JP2020140200A JP2020140200A JP2022035700A JP 2022035700 A JP2022035700 A JP 2022035700A JP 2020140200 A JP2020140200 A JP 2020140200A JP 2020140200 A JP2020140200 A JP 2020140200A JP 2022035700 A JP2022035700 A JP 2022035700A
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綾子 吉田
Ayako Yoshida
大介 熊木
Daisuke Kumaki
敏成 千葉
Toshishige Chiba
静士 時任
Shizuo Tokito
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Abstract

Figure 2022035700000001
【課題】大気中での印刷であっても、印刷状態の品質維持を確保することが可能な樹脂インク及びその樹脂インクが印刷された電子デバイスを提供する。
【解決手段】樹脂インクは、樹脂材料を溶媒に混合してインク化した樹脂インクであって、溶媒は、前記溶媒100質量部に対して水を30質量部加えたときの増粘率が50%以下である極性有機溶媒である。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂を溶媒に混合してインク化した樹脂インク、及びその樹脂インクが印刷された電子デバイスに関するものである。
近年、印刷技術を用いた電子デバイスの製造技術は、「プリンテッドエレクトロニクス(Printed electronics)」等と称され、省資源、低電力で環境負荷の少ない電子デバイス製造技術であるとして注目されている。
このような電子デバイスの製造技術は、半導体材料、導電性材料、絶縁性材料或いは他の機能性材料を溶媒に混合してインク化したもの(インク組成物)をフィルム等の基板に印刷して、回路・素子やデバイスを形成する(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2017-197765号公報
印刷法を用いて電子回路を形成する場合、スクリーン印刷やグラビアオフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷等の印刷法が用いられるが、各印刷法において、最適な成膜を行うことが可能なインク組成物の粘度の範囲が決まっている。そのため、インク組成物の粘度は、使用したい印刷法に対して適正な範囲を持つよう調整されている。従って、インク組成物の粘度が大きく変化すると、印刷パターン形状の乱れや印刷された樹脂層の平滑度の低下等が生じ、所望の印刷状態で回路、素子、デバイス等を形成することができなくなる。
電子回路製造において、印刷状態の品質維持は、回路の短絡や電気特性の低下等の不具合を生じさせないために不可欠であり、印刷状態の品質が維持できない場合には、電子デバイスの製造において著しく歩留まりの低下を引き起こすことになる。
発明者らは、インク組成物を構成する特定の溶媒において、吸湿することでインク組成物の粘度が大きく変動することを見出した。特に、発明者らは、樹脂を溶媒に溶解させた高粘度のインク組成物(樹脂インク)において、特定の極性有機溶媒を用いた場合に吸湿の影響により粘度が著しく変動してしまい、印刷状態の品質が損なわれることを見出した。
本発明では、樹脂インクが用いられる工程において、電子回路製造における印刷状態の品質低下を回避するために提案されたものである。すなわち、大気中での印刷であっても、印刷状態の品質維持を確保することが可能な樹脂インク、及びその樹脂インクが印刷された電子デバイスを提供することが、本発明の課題である。
このような課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
すなわち、本発明の樹脂インクは、樹脂材料を溶媒に混合してインク化した樹脂インクであって、前記溶媒は、前記溶媒100質量部に対して水を30質量部加えたときの増粘率が50%以下である極性有機溶媒であることを特徴とする。
好適には、前記溶媒は、水の溶解度が500g/L以下であることを特徴とする。
好適には、前記溶媒は、カルボニル基を有する飽和環式化合物(環骨格中にヘテロ原子として酸素原子を有するものも含む)、又は、カルボニル基を有し鎖状骨格の炭素数が5以上の飽和鎖式化合物(鎖状骨格中にヘテロ原子として酸素原子を有するものを含む)である極性有機溶媒であることを特徴とする。
好適には、前記樹脂材料がフッ素系樹脂であることを特徴とする。
本発明の電子デバイスは、本発明の樹脂インクが印刷されてなる。
本発明によれば、大気中での印刷であっても、印刷状態の品質維持を確保することが可能な樹脂インク及びその樹脂インクが印刷された電子デバイスを提供することができる。
実験2の結果(フッ素樹脂インクの印刷工程での粘度変化)を示す図である。 実験3の結果(ポリビニルフェノールインクの吸湿による粘度変化)を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(樹脂インク)
本実施形態の樹脂インクは、樹脂材料を溶媒に混合(溶解又は分散)してインク化したペースト状の組成物(インク組成物)であり、主に、印刷装置を用いた電子回路の製造において、基板に所望の回路パターン等の各種のパターンを印刷するためのインクとして用いられる。このような樹脂インクには、極性基を有する樹脂材料と、その樹脂材料との相溶性(又は混和性)に優れた極性有機溶媒とが含まれるものがある。
(極性有機溶媒)
極性有機溶媒は、例えば、カルボニル基、エステル基、ヒドロキシ基、リン酸基、スルフィニル基、アミノ基、アミド基等の極性基の1種又は2種以上を有する環式又は鎖式(直鎖又は分岐鎖)の化合物をいう。
極性有機溶媒の例として、カルボニル基を有する飽和環式化合物(環骨格中にヘテロ原子として酸素原子を有するものも含む)(下記化合物1~5)、窒素原子を有する飽和環式化合物(下記化合物6~8)、カルボニル基を有する不飽和環式化合物(下記化合物9~24)、カルボニル基を有する飽和鎖式化合物(鎖状骨格中にヘテロ原子として酸素原子を有するものを含む)(下記化合物25~51)、窒素原子を有する鎖式化合物(下記化合物52)、リン酸基を有する鎖式化合物(下記化合物53)、スルフィニル基を有する鎖式化合物(下記化合物54)等が挙げられる。
このような極性有機溶媒の内、本実施形態の樹脂インク中の極性有機溶媒としては、印刷工程での吸湿によりその粘度が大きく変化してしまうことを抑制するために、吸湿しても増粘しない、又は、吸湿し難い極性有機溶媒である。吸湿の度合いは、環境や大気への暴露量(印刷作業時間)等に影響されるため、過剰量の水分と混合しても増粘率が低い溶媒を選定する必要がある。具体的には、極性有機溶媒100質量部に対して水を30質量部加えたときの増粘率が50%以下である極性有機溶媒を用いるようにする。なお、本実施形態において「増粘率」とは、溶媒の粘度に対する吸湿による粘度変化の割合をいう。例えば、溶媒のみの粘度をDaとし、その溶媒が水を吸収(吸湿)した後の粘度をDbとしたとき、その溶媒の吸湿による増粘率は、Db÷Da×100-100(%)である。
本実施形態において、樹脂インクの溶媒として用いられる極性有機溶媒としては、カルボニル基を有する飽和環式化合物(環骨格中にヘテロ原子として酸素原子を有するものも含む)(例えば化合物1~5)、カルボニル基を有し鎖状骨格の炭素数が5以上の飽和鎖式化合物(鎖状骨格中にヘテロ原子として酸素原子を有するものを含む)(例えば化合物26~51)、リン酸基を有する鎖式化合物(例えば化合物53)等が挙げられる。
[化合物1]シクロヘキサノン
[化合物2]シクロヘプタノン
[化合物3]3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン
[化合物4]γ-ブチロラクトン
[化合物5]プロピレンカルボナート
[化合物6]NMP(1-メチル-2-ピロリドン)
[化合物7]1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン
[化合物8]N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン
[化合物9]イソホロン
[化合物10]2-メトキシ-4-メチルフェノール
[化合物11]サリチル酸メチル(メチルサリチレート)
[化合物12]2'-ヒドロキシアセトフェノン
[化合物13]ベンズアルデヒド
[化合物14]p-トルアルデヒド
[化合物15]アセトフェノン
[化合物16]4'-メチルアセトフェノン
[化合物17]4-エチルベンズアルデヒド
[化合物18]4'-エチルアセトフェノン
[化合物19]安息香酸メチル(メチルベンゾエート)
[化合物20]安息香酸エチル(エチルベンゾエート)
[化合物21]メチルp-トルエート
[化合物22]プロピルベンゾエート
[化合物23]エチルp-トルエート
[化合物24]ブチルベンゾエート
[化合物25]MEK(2-ブタノン)
[化合物26]2-ペンタノン
[化合物27]2-ヘキサノン
[化合物28]2-ヘプタノン
[化合物29]2-オクタノン
[化合物30]2-ノナノン
[化合物31]2-デカノン
[化合物32]ノナナール
[化合物33]酢酸2-エトキシエチル
[化合物34]エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
[化合物35]ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
[化合物36]ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート
[化合物37]プロピルヘキサノエート
[化合物38]プロピルn-オクタノエート
[化合物39]エチルn-オクタノエート
[化合物40]メチルデカノエート
[化合物41]2-エチルヘキシルアセテート
[化合物42]3,4-ヘキサンジオン
[化合物43]ジエチルオキサレート
[化合物44]ジブチルオキサレート
[化合物45]アセチルアセトン
[化合物46]メチルアセトアセテート
[化合物47]ジエチルマロネート
[化合物48]アセトニルアセトン
[化合物49]エチレングリコールジアセタート
[化合物50]1,2-ジアセトキシプロパン
[化合物51]2,6-ジメチル-4-ヘプタノン
[化合物52]テトラメチル尿素
[化合物53]リン酸トリメチル
[化合物54]DMSO(ジメチルスルホキシド)
樹脂濃度が高く粘度の高いインクでは、吸湿による粘度変化が起こり易くなるため、水を加えた際の増粘率がより小さい溶媒を選択することが好ましい。
(樹脂材料)
樹脂インク中に含まれる樹脂材料としては、例えば、フッ素系樹脂(ポリフッ化ビニリデントリフルオライド(PVDF‐TrFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等)、ポリビニルフェノール(PVP)樹脂等の絶縁性樹脂等の極性基を有する樹脂材料を1種又は2種以上含むものが挙げられる。
樹脂インク(インク組成物)における樹脂材料の重量比率は、要求される粘度や目標膜厚により変わるため、特に最適な値はないが、樹脂濃度が高く粘度の高いインクでは、吸湿による粘度変化が起こり易くなるため、水を加えた際の増粘率がより小さい溶媒を選択することが好ましい。
(その他の材料)
極性有機溶媒に混合させるその他の材料としては、例えば、導電性粒子(例えば、銅、亜鉛、クロム、白金、金、銀、アルミニウム、パラジウム、鉄、コバルト、ニッケル、或いはこれらの金属酸化物、カーボン材料等の1種又は2種以上の材料からなる粒子)、添加剤(例えば、湿潤剤、分散剤、消泡剤、接着促進剤、腐食防止剤、安定剤、界面活性剤等の1種又は2種以上からなるもの)等が更に含まれるようにしてもよい。
(基板)
樹脂インクにより、回路パターン等の各種のパターンが印刷される被印刷物の基板(基材)としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂からなるフレキシブル基板、セラミックス(アルミナ、窒化アルミニウム等)、ガラス、紙等が挙げられる。
(電子デバイス)
本実施形態の樹脂インクは、基板(基材)上に所望の回路パターン等の各種のパターンを印刷する際に用いられる。このような樹脂インク(パターン)が印刷された電子デバイスとしては、例えば半導体、電子ディスプレイ、電子回路(プリント回路等)、センサ等が挙げられる。このパターンの印刷は、例えばスクリーン印刷法、インクジェット印刷法、凸版反転印刷法、グラビアオフセット印刷法、オフセット印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ダイコート法、スリットコート法、ロールコート法、ディップコート法等の方法で行われる。
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
(実験1:溶媒に対する含水による粘度変化)
構造が異なる極性基を有する極性有機溶媒について、その溶媒に対する含水による粘度変化の影響を調査した。
樹脂インクの溶媒の候補として、15種類の極性有機溶媒を選定した([表1]及び[表2]に示す番号[1]~[15]の極性有機溶媒)。番号[1]~[15]の各極性有機溶媒について、極性有機溶媒のみの粘度をD、極性有機溶媒100質量部に対し、30質量部の超純水をその極性有機溶媒に混合した後の粘度をDとし、DとDとから計算されるその極性有機溶媒の増粘率(D÷D×100-100)(%)を算出した。
粘度D、粘度Dは、ブルックフィールド社製の回転式粘度計(DV-3T:LV)を用いて測定した。スピンドルは、コーンプレート型スピンドル(CPA-40)を使用した。温度を25℃に保ち、スピンドルを50rpmで回転させたときの粘度D、粘度Dを測定した。
また、参考として、溶媒便覧等の文献に記載されている、水に対する溶解度を併せて示した。この実験1の結果を[表1]及び[表2]に示す。
Figure 2022035700000002
Figure 2022035700000003
[表1]及び[表2]に示すように、番号[4](化合物6)、番号[8](化合物8)、番号[9](化合物25)、番号[10](化合物52)の極性有機溶媒では、増粘率が50%を超えたことから、極性有機溶媒100質量部に対して30質量部の水を混合することによる状態変化が大きいことが確認された。
また、番号[4](化合物6)、番号[8](化合物8)、番号[10](化合物52)は、アミノ基、アミン基等の窒素原子を含有する構造であり、このような構造の化合物で増粘率が大きいことがわかった。
番号[3](化合物4)、番号[14](化合物35)、番号[15](化合物53)の極性有機溶媒は、水との親和性(水に対する溶解度(g/L))が高いにもかかわらず、増粘率が50%以下であり、樹脂インクの溶媒として適用可能であることがわかった。
番号[5](化合物9)、番号[6](化合物19)、番号[7](化合物11)の極性有機溶媒は、水を混合したときに極性有機溶媒の層と、水の層とに分離してしまい、正確に粘度D、増粘率を測定することができなかったが、粘度Dは粘度Dとほぼ同等の値であり、粘度の大きな増加は観測されなかった。
以上の実験1の結果から、番号[1](化合物1)、番号[2](化合物3)、及び、番号[3](化合物4)(カルボニル基を有する飽和環式化合物(環骨格中にヘテロ原子として酸素原子を有するものも含む))の極性有機溶媒と、番号[11](化合物33)、番号[12](化合物46)、番号[13](化合物47)、番号[14](化合物35)(カルボニル基を有し鎖状骨格の炭素数が5以上の鎖飽和鎖式化合物(鎖状骨格中にヘテロ原子として酸素原子を有するもの))の極性有機溶媒と、番号[15](化合物53)(リン酸基を有する鎖式化合物)の極性有機溶媒とが、樹脂インクの溶媒として好適であることがわかる。
(実験2:フッ素樹脂インクの印刷工程での粘度変化)
実験1で確認した2種類の極性有機溶媒(番号[2](化合物3)、及び、番号[4](化合物6))を、それぞれ、フッ素樹脂であるポリフッ化ビニリデントリフルオライド(PVDF-TrFE)共重合体と混合し、フッ素樹脂インクとしてPVDF-TrFインクを調整し、その調整したPVDF-TrFインクを用いた印刷前後で、PVDF-TrFインクの粘度変化が生じるかどうかを確認した。
具体的には、フッ素樹脂であるポリフッ化ビニリデントリフルオライド(PVDF-TrFE)共重合体の粉末を、番号[2](化合物3)、番号[4](化合物6)の各極性有機溶媒と混合し、樹脂濃度が18wt%であるPVDF-TrFEインク(フッ素樹脂インク)を2種類調整した。
印刷装置として、セリア社製のスクリーン印刷装置SSA-PC250E-IPを用いた。この印刷装置において、印刷エリアが100mm×100mmであり版枠サイズが320mm×320mmであるマスク(版)を用い、スキージの移動速度を10mm/sとしてスクリーン印刷を行った。
調整した2種類のPVDF-TrFEインクについて、スクリーン印刷を行う前の初期状態の粘度をそれぞれ測定した。
次に、調整した2種類のPVDF-TrFEインクをそれぞれスクリーン印刷装置に充填し、10枚の被印刷物であるPEN基板に対してスクリーン印刷を連続で行い(すなわち10回の印刷)、その後、マスク(版)に残ったPVDF-TrFEインクを回収し、その粘度を測定した。印刷に要した時間は、1枚の被印刷物につき3分程度要することから、10枚の被印刷物で30分~40分程度要し、その間、PVDF-TrFEインクは、この印刷工程での作業雰囲気中の大気に暴露された(吸湿可能な)状態にあった。なお、この作業雰囲気の温度及び湿度は、温度25℃、湿度(相対湿度)50%RHであった。
このように、2種類のPVDF-TrFEインクの粘度について、初期状態の粘度と、10回の印刷後の粘度とを測定することで、10回の印刷動作中における大気中の水分を吸湿したことによるPVDF-TrFEインクの粘度の変化を調査した。粘度の測定では、ブルックフィールド社製の回転式粘度計(DV-2T:HV)を用いた。この実験2の結果を図1に示す。
この図1は、ロータの回転数(rpm)に対する粘度(mPa・s)を示している。この図1において、破線aは、番号[2](化合物3)の極性有機溶媒を用いたPVDF-TrFEインクにおける、印刷前(初期状態)での回転数(rpm)に対する粘度(mPa・s)を示し、実線aは、番号[2](化合物3)の極性有機溶媒を用いたPVDF-TrFEインクにおける、10回印刷後の状態での回転数(rpm)に対する粘度(mPa・s)を示している。
また、破線bは、番号[4](化合物6)の極性有機溶媒を用いたPVDF-TrFEインクにおける、印刷前(初期状態)での回転数(rpm)に対する粘度(mPa・s)を示し、実線bは、番号[4](化合物6)の極性有機溶媒を用いたPVDF-TrFEインクにおける、10回印刷後の状態での回転数(rpm)に対する粘度(mPa・s)を示している。
図1の破線a及び実線aに示すように、実験1の水との混合において増粘の変化が小さい番号[2](化合物3)の極性有機溶媒を用いたPVDF-TrFEインクでは、初期状態の粘度(破線a)に比較して、10回の印刷後の粘度(実線a)は、ほとんど変化しなかった。
一方、図1の破線b及び実線bに示すように、実験1の水との混合において増粘の変化が大きい番号[4](化合物6)の極性有機溶媒を用いたPVDF-TrFEインクでは、初期状態の粘度(破線b)に比較して、10回の印刷後の粘度(実線b)は、2倍以上に変化した。
このように、非吸湿性の極性有機溶媒(番号[2](化合物3))を用いたPVDF-TrFEインクよりも、吸湿性の極性有機溶媒(番号[4](化合物6))を用いたPVDF-TrFEインクの方が、印刷工程での増粘が大きかった。これにより、印刷工程での作業雰囲気中の大気により、PVDF-TrFEインクが吸湿して増粘したことがわかる。
(実験3:ポリビニルフェノールインクの吸湿による粘度変化)
実験1で確認した2種類の極性有機溶媒(番号[2](化合物3)、及び、番号[4](化合物6))を、それぞれ、絶縁性樹脂であるポリビニルフェノール(PVP)に混合し、絶縁性樹脂インクとしてPVPインクを調整し、吸湿による絶縁性樹脂インクの粘度変化が生じるかどうかを確認した。
具体的には、絶縁性樹脂であるPVPの粉末を、番号[2](化合物3)、番号[4](化合物6)の各極性有機溶媒に混合し、樹脂濃度が10wt%であるPVPインク(絶縁性樹脂インク)を2種類調整した。
調整した2種類のPVPインクについて、それぞれ超純水を加える前の粘度を測定した。
次に、調整した2種類のPVPインクについて、それぞれPVPインク100質量部に対して5質量部の超純水を加えた状態とし、その状態の粘度を測定した。
このように、2種類のPVPインクの粘度について、水(超純水)添加前の粘度と、水(超純水)添加後の粘度とを測定することで、印刷動作中における吸湿によるPVPインクの粘度の変化を調査した。この実験3の結果を図2に示す。
この図2においても、ロータの回転数(rpm)に対する粘度(mPa・s)を示している。この図2において、破線cは、番号[2](化合物3)の極性有機溶媒を用いたPVPインクにおける、水添加前での回転数(rpm)に対する粘度(mPa・s)を示し、実線cは、番号[2](化合物3)の極性有機溶媒を用いたPVPインクにおける、水添加後での回転数(rpm)に対する粘度(mPa・s)を示している。
また、破線dは、番号[4](化合物6)の極性有機溶媒を用いたPVPインクにおける、水添加前での回転数(rpm)に対する粘度(mPa・s)を示し、実線dは、番号[4](化合物6)の極性有機溶媒を用いたPVPインクにおける、水添加後の状態での回転数(rpm)に対する粘度(mPa・s)を示している。
図2の破線c及び実線cに示すように、番号[2](化合物3)の極性有機溶媒を用いたPVPインクでは、水を添加する前(破線c)と、水を添加した後(実線c)とで粘度の変化はほとんど見られなかった。
一方、図2の破線d及び実線dに示すように、番号[4](化合物6)の極性有機溶媒を用いたPVPインクでは、水を添加する前(破線d)と比較して、水を添加した後(実線d)には大きく増粘し、インクの状態が変化することが確認された。
このように、非吸湿性の極性有機溶媒(番号[2](化合物3))を用いたPVPインクよりも、吸湿性の極性有機溶媒(番号[4](化合物6))を用いたPVPインクの方が、増粘が大きかった。これにより、PVPインクにおいても、吸湿により増粘することがわかった。

Claims (5)

  1. 樹脂材料を溶媒に混合してインク化した樹脂インクであって、
    前記溶媒は、前記溶媒100質量部に対して水を30質量部加えたときの増粘率が50%以下である極性有機溶媒であることを特徴とする樹脂インク。
  2. 前記溶媒は、水の溶解度が500g/L以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂インク。
  3. 前記溶媒は、カルボニル基を有する飽和環式化合物(環骨格中にヘテロ原子として酸素原子を有するものも含む)、又は、カルボニル基を有し鎖状骨格の炭素数が5以上の飽和鎖式化合物(鎖状骨格中にヘテロ原子として酸素原子を有するものを含む)である極性有機溶媒であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂インク。
  4. 前記樹脂材料がフッ素系樹脂であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂インク。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂インクが印刷された電子デバイス。
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