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JP2021116329A - 封止用樹脂組成物、電子部品装置、及び電子部品装置の製造方法 - Google Patents

封止用樹脂組成物、電子部品装置、及び電子部品装置の製造方法 Download PDF

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JP2021116329A JP2020009128A JP2020009128A JP2021116329A JP 2021116329 A JP2021116329 A JP 2021116329A JP 2020009128 A JP2020009128 A JP 2020009128A JP 2020009128 A JP2020009128 A JP 2020009128A JP 2021116329 A JP2021116329 A JP 2021116329A
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智博 池田
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Itaru Yamaura
格 山浦
圭一 春日
Keiichi Kasuga
圭一 春日
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Takahiro Saito
貴大 齋藤
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Abstract

【課題】硬化物の成形反りの発生を抑制し、且つ、RDL濡れ性に優れるウエハレベルパッケージ用の封止用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂と、硬化剤と、ガラス転移温度が70℃以下のシリコーンと、を含有し、前記シリコーンの含有量が前記エポキシ樹脂100質量部に対して30質量部以下であるウエハレベルパッケージ用の封止用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、封止用樹脂組成物、電子部品装置、及び電子部品装置の製造方法に関する。
例えば特許文献1には、シリコーン系化合物を含有する封止用エポキシ樹脂成形材料と、当該封止用エポキシ樹脂成形材料を薄型パッケージに適用することが開示されている。
特開2006−241307号公報
ウエハレベルパッケージ(Wafer level package,WLP)は、比較的大きな面積を封止用樹脂組成物で封止する技術である。封止用樹脂組成物で封止する面積が大きくなるほど、成形反りが顕著になる傾向があるので、成形反りの発生を抑制できる封止用樹脂組成物が求められている。
また、封止用樹脂組成物で封止したのちに再配線層(Re Distribution Layer,RDL)を形成する場合、封止用樹脂組成物の硬化物上に、RDLを形成する材料(以下「RDL形成材料」ともいう)を塗布する。そのため、封止用樹脂組成物の硬化物は、RDL形成材料に対する濡れ性(以下「RDL濡れ性」ともいう)に優れることが求められる。
本開示の実施形態は、上記状況のもとになされた。
本開示は、硬化物の成形反りの発生を抑制し、且つ、RDL濡れ性に優れるウエハレベルパッケージ用の封止用樹脂組成物、これを用いて封止された電子部品装置、及びこれを用いて封止する電子部品装置の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1>
エポキシ樹脂と、
硬化剤と、
ガラス転移温度が70℃以下のシリコーンと、
を含有し、
前記シリコーンの含有量が前記エポキシ樹脂100質量部に対して30質量部以下であるウエハレベルパッケージ用の封止用樹脂組成物。
<2>
前記シリコーンの25℃における粘度が1.0×10−2Pa・s〜1.0×10Pa・sである<1>に記載の封止用樹脂組成物。
<3>
前記硬化剤が活性エステル化合物を含む<1>又は<2>に記載の封止用樹脂組成物。
<4>
支持部材と、
前記支持部材上に配置された素子と、
前記素子を封止している<1>〜<3>のいずれか1つに記載の封止用樹脂組成物の硬化物と、
を備える電子部品装置。
<5>
前記硬化物上に配置された再配線層をさらに備える<4>に記載の電子部品装置。
<6>
複数個の素子をウエハ上に配置する工程と、
前記複数個の素子を<1>〜<3>のいずれか1つに記載の封止用樹脂組成物で一括して封止する工程と、
封止された素子ごとに個片化する工程と、
を含む電子部品装置の製造方法。
本開示によれば、硬化物の成形反りの発生を抑制し、且つ、RDL濡れ性に優れるウエハレベルパッケージ用の封止用樹脂組成物、これを用いて封止された電子部品装置、及びこれを用いて封止する電子部品装置の製造方法が提供される。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
以下、本開示を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示を制限するものではない。
<封止用樹脂組成物>
本開示の一実施形態に係る封止用樹脂組成物は、ウエハレベルパッケージ用の封止用樹脂組成物であり、エポキシ樹脂と、硬化剤と、ガラス転移温度が70℃以下のシリコーン(以下「特定シリコーン」ともいう)と、を含有し、前記特定シリコーンの含有量がエポキシ樹脂100質量部に対して30質量部以下である。
前述のように、ウエハレベルパッケージは、比較的大きな面積を封止用樹脂組成物で封止する技術であり、封止用樹脂組成物で封止する面積が大きくなるほど、成形反りが顕著になる傾向がある。
一方で、成形反りを抑制する目的でシリコーンを添加すると、RDL形成材料に対する封止用樹脂組成物の硬化物の濡れ性(すなわちRDL濡れ性)が低くなることがある。特に、シリコーンとしてガラス転移温度が70℃以下のシリコーン(すなわち特定シリコーン)を用いると、成形反りの抑制効果は高いものの、RDL濡れ性は低くなりやすい。その理由は定かではないが、封止用樹脂組成物が硬化する過程で特定シリコーンが表面に染み出し、硬化物の表面に特定シリコーンが露出した状態となることにより、RDL形成材料がはじかれやすくなるためと推測される。そして、RDL濡れ性が低い封止用樹脂組成物の硬化物上に、再配線層(RDL)を形成するためのRDL形成材料を塗布すると、RDL形成材料がはじかれ、外観不良を起こすことがある。
これに対して、本実施形態の封止用樹脂組成物は、特定シリコーンを含有し、かつ、特定シリコーンの含有量がエポキシ樹脂100質量部に対して30質量部以下である。そのため、封止用樹脂組成物が特定シリコーンを含有していても、硬化する過程で表面への染み出しは起こりにくく、硬化物の成形反りの発生の抑制と優れたRDL濡れ性とが両立できるものと推測される。
ここで、特定シリコーンのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC,Differential Scanning Calorimetry)により得られるDSC曲線から求める温度であり、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」の「ガラス転移温度の求め方」に記載の「補外ガラス転移開始温度」である。
具体的には、例えば、測定装置としてDSC Q200(TA インスツルメント社)を用い、25℃から300℃までの温度範囲を10℃/minの昇温条件において測定を行う。
以下、本実施形態に係る封止用樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂は、分子中にエポキシ基を有するものであればその種類は特に制限されない。
エポキシ樹脂として具体的には、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール化合物及びα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等の脂肪族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものであるノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等);上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂;上記フェノール化合物及びナフトール化合物と、アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものである共重合型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のジグリシジルエーテルであるジフェニルメタン型エポキシ樹脂;アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン系フェノール化合物のジグリシジルエーテルであるスチルベン型エポキシ樹脂;ビスフェノールS等のジグリシジルエーテルである硫黄原子含有エポキシ樹脂;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の多価カルボン酸化合物のグリシジルエステルであるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;アニリン、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したものであるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンとフェノール化合物の共縮合樹脂をエポキシ化したものであるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;分子内のオレフィン結合をエポキシ化したものであるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるパラキシリレン変性エポキシ樹脂;メタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるメタキシリレン変性エポキシ樹脂;テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるテルペン変性エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるジシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルである多環芳香環変性エポキシ樹脂;ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるナフタレン型エポキシ樹脂;ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるアラルキル型エポキシ樹脂;などが挙げられる。さらにはアクリル樹脂のエポキシ化物等もエポキシ樹脂として挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量(分子量/エポキシ基数)は、特に制限されない。成形性、耐リフロー性、電気的信頼性等の各種特性バランスの観点からは、100g/eq〜1000g/eqであることが好ましく、150g/eq〜500g/eqであることがより好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K 7236:2009に準じた方法で測定される値とする。
エポキシ樹脂が固体である場合、エポキシ樹脂の軟化点又は融点は特に制限されない。成形性と耐リフロー性の観点からは40℃〜180℃であることが好ましく、封止用樹脂組成物の調製の際の取扱い性の観点からは50℃〜130℃であることがより好ましい。
エポキシ樹脂の融点又は軟化点は、示差走査熱量測定(DSC)又はJIS K 7234:1986に準じた方法(環球法)で測定される値とする。
封止用樹脂組成物の全量に占めるエポキシ樹脂の質量割合は、強度、流動性、耐熱性、成形性等の観点から0.5質量%〜50質量%であることが好ましく、2質量%〜30質量%であることがより好ましい。
(硬化剤)
本実施形態における封止用樹脂組成物は、硬化剤を含む。硬化剤の種類は特に制限されない。
硬化剤は活性エステル化合物を含むことが好ましい。ここで、活性エステル化合物とは、エポキシ基と反応するエステル基を1分子中に1個以上有し、エポキシ樹脂の硬化作用を有する化合物をいう。
通信のために発信された電波が誘電体において熱変換されることで発生する伝送損失の量は、周波数と比誘電率の平方根と誘電正接との積として表される。つまり伝送信号は周波数に比例して熱に変わりやすいので、伝送損失を抑制するために高周波帯ほど通信部材の材料に低誘電特性が要求される。情報通信分野においては、チャンネル数の増加と伝送される情報量の増加にともなって電波の高周波化が進行している。現在、第5世代移動通信システムの実用化が世界的に進められており、使用する周波帯の候補に約30GHz〜70GHzの範囲の幾つかが挙げられている。今後は無線通信の主流がこれほどの高周波帯での通信になるため、通信部材の材料にはさらなる誘電正接の低さが求められている。
従来、エポキシ樹脂の硬化剤としては一般的にフェノール硬化剤、アミン硬化剤等が使用されているが、エポキシ樹脂とフェノール硬化剤又はアミン硬化剤との反応においては2級水酸基が発生する。これに対して、エポキシ樹脂と活性エステル化合物との反応においては2級水酸基のかわりにエステル基が生じる。エステル基は2級水酸基に比べて極性が低い故、硬化剤として活性エステル化合物を含有する封止用樹脂組成物は、硬化剤として2級水酸基を発生させる硬化剤のみを含有する封止用樹脂組成物に比べて、硬化物の誘電正接を低く抑えることができる。
また、硬化物中の極性基は硬化物の吸水性を高めるところ、硬化剤として活性エステル化合物を用いることによって硬化物の極性基濃度を抑えることができ、硬化物の吸水性を抑制することができる。そして、硬化物の吸水性を抑制すること、つまりは極性分子であるHOの含有量を抑制することにより、硬化物の誘電正接をさらに低く抑えることができる。
活性エステル化合物は、エポキシ基と反応するエステル基を分子中に1個以上有する化合物であればその種類は特に制限されない。活性エステル化合物としては、フェノールエステル化合物、チオフェノールエステル化合物、N−ヒドロキシアミンエステル化合物、複素環ヒドロキシ化合物のエステル化物等が挙げられる。
活性エステル化合物としては、例えば、脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸の少なくとも1種と脂肪族ヒドロキシ化合物及び芳香族ヒドロキシ化合物の少なくとも1種とから得られるエステル化合物が挙げられる。脂肪族化合物を重縮合の成分とするエステル化合物は、脂肪族鎖を有することによりエポキシ樹脂との相溶性に優れる傾向にある。芳香族化合物を重縮合の成分とするエステル化合物は、芳香環を有することにより耐熱性に優れる傾向にある。
活性エステル化合物の具体例としては、芳香族カルボン酸とフェノール性水酸基との縮合反応にて得られる芳香族エステルが挙げられる。中でも、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルプロパン、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン酸等の芳香環の水素原子の2〜4個をカルボキシ基で置換した芳香族カルボン酸成分と、前記した芳香環の水素原子の1個を水酸基で置換した1価フェノールと、前記した芳香環の水素原子の2〜4個を水酸基で置換した多価フェノールとの混合物を原材料として、芳香族カルボン酸とフェノール性水酸基との縮合反応にて得られる芳香族エステルが好ましい。すなわち、上記芳香族カルボン酸成分由来の構造単位と上記1価フェノール由来の構造単位と上記多価フェノール由来の構造単位とを有する芳香族エステルが好ましい。
活性エステル化合物の具体例としては、特開2012−246367号公報に記載されている、脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール化合物が結節された分子構造を有するフェノール樹脂と、芳香族ジカルボン酸又はそのハライドと、芳香族モノヒドロキシ化合物と、を反応させて得られる構造を有する活性エステル樹脂が挙げられる。当該活性エステル樹脂としては、下記の構造式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021116329
構造式(1)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはベンゼン環、ナフタレン環、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたベンゼン環若しくはナフタレン環、又はビフェニル基であり、Yはベンゼン環、ナフタレン環、又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されたベンゼン環若しくはナフタレン環であり、kは0又は1であり、nは繰り返し数の平均を表し0.25〜1.5である。
構造式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記の例示化合物(1−1)〜(1−10)が挙げられる。構造式中のt−Buは、tert−ブチル基である。
Figure 2021116329
Figure 2021116329
活性エステル化合物の別の具体例としては、特開2014−114352号公報に記載されている、下記の構造式(2)で表される化合物及び下記の構造式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021116329
構造式(2)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基であり、Zはベンゾイル基、ナフトイル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたベンゾイル基又はナフトイル基、及び炭素数2〜6のアシル基からなる群から選ばれるエステル形成構造部位(z1)、又は水素原子(z2)であり、Zのうち少なくとも1個はエステル形成構造部位(z1)である。
構造式(3)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基であり、Zはベンゾイル基、ナフトイル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたベンゾイル基又はナフトイル基、及び炭素数2〜6のアシル基からなる群から選ばれるエステル形成構造部位(z1)、又は水素原子(z2)であり、Zのうち少なくとも1個はエステル形成構造部位(z1)である。
構造式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記の例示化合物(2−1)〜(2−6)が挙げられる。
Figure 2021116329
構造式(3)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記の例示化合物(3−1)〜(3−6)が挙げられる。
Figure 2021116329
活性エステル化合物としては、市販品を用いてもよい。活性エステル化合物の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC−8000−65T」(DIC株式会社製);芳香族構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416−70BK」、「EXB−8」、「EXB−9425」(DIC株式会社製);フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱ケミカル株式会社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱ケミカル株式会社製);等が挙げられる。
活性エステル化合物は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
活性エステル化合物のエステル当量は、特に制限されない。成形性、耐リフロー性、電気的信頼性等の各種特性バランスの観点からは、150g/eq〜400g/eqが好ましく、170g/eq〜300g/eqがより好ましく、200g/eq〜250g/eqがさらに好ましい。
活性エステル化合物のエステル当量は、JIS K 0070:1992に準じた方法により測定される値とする。
エポキシ樹脂と活性エステル化合物との当量比(エステル基/エポキシ基)は、硬化物の誘電正接を低く抑える観点からは、0.9以上が好ましく、0.95以上がより好ましく、0.97以上がさらに好ましい。
エポキシ樹脂と活性エステル化合物との当量比(エステル基/エポキシ基)は、活性エステル化合物の未反応分を少なく抑える観点からは、1.1以下が好ましく、1.05以下がより好ましく、1.03以下がさらに好ましい。
硬化剤は、活性エステル化合物以外のその他の硬化剤を含んでもよい。この場合、その他の硬化剤の種類は特に制限されず、封止用樹脂組成物の所望の特性等に応じて選択できる。その他の硬化剤としては、フェノール硬化剤、アミン硬化剤、酸無水物硬化剤、ポリメルカプタン硬化剤、ポリアミノアミド硬化剤、イソシアネート硬化剤、ブロックイソシアネート硬化剤等が挙げられる。
フェノール硬化剤として具体的には、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の多価フェノール化合物;フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール化合物及びα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル等と、から合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂、メタキシリレン変性フェノール樹脂;メラミン変性フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジシクロペンタジエンと、から共重合により合成されるジシクロペンタジエン型フェノール樹脂及びジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂;ビフェニル型フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂;これら2種以上を共重合して得たフェノール樹脂などが挙げられる。これらのフェノール硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の硬化剤の官能基当量(フェノール硬化剤の場合は水酸基当量)は、特に制限されない。成形性、耐リフロー性、電気的信頼性等の各種特性バランスの観点からは、70g/eq〜1000g/eqであることが好ましく、80g/eq〜500g/eqであることがより好ましい。
その他の硬化剤の官能基当量(フェノール硬化剤の場合は水酸基当量)は、JIS K 0070:1992に準じた方法により測定される値とする。
硬化剤の軟化点又は融点は、特に制限されない。成形性と耐リフロー性の観点からは、40℃〜180℃であることが好ましく、封止用樹脂組成物の製造時における取扱い性の観点からは、50℃〜130℃であることがより好ましい。
硬化剤の融点又は軟化点は、エポキシ樹脂の融点又は軟化点と同様にして測定される値とする。
エポキシ樹脂とすべての硬化剤(活性エステル化合物及びその他の硬化剤)との当量比、すなわちエポキシ樹脂中の官能基数に対する硬化剤中の官能基数の比(硬化剤中の官能基数/エポキシ樹脂中の官能基数)は、特に制限されない。それぞれの未反応分を少なく抑える観点からは、0.5〜2.0の範囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.3の範囲に設定されることがより好ましい。成形性と耐リフロー性の観点からは、0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
活性エステル化合物及びその他の硬化剤の合計量に占める活性エステル化合物の質量割合は、硬化物の誘電正接を低く抑える観点から、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂、活性エステル化合物及びその他の硬化剤の合計量に占めるエポキシ樹脂及び活性エステル化合物の合計質量割合は、硬化物の誘電正接を低く抑える観点から、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
(特定シリコーン)
特定シリコーンは、ガラス転移温度が70℃以下のシリコーンであれば特に限定されるものではない。特定シリコーンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
特定シリコーンのガラス転移温度は、70℃以下であり、硬化物の成形反りの発生を抑制する観点から、50℃以下であることがより好ましく、Tgが30℃以下であることが更に好ましい。
特定シリコーンとしては、例えば、ポリエーテル基が導入されたポリエーテル変性シリコーン、エポキシ基が導入されたエポキシ変性シリコーン、ポリエーテル基及びエポキシ基が導入されたエポキシ・ポリエーテル変性シリコーン、アクリロイル基が導入されたアクリル変性シリコーン、メタクリロイル基が導入されたメタクリル変性シリコーン、ポリカプロラクトン基が導入されたポリカプロラクトン変性シリコーン等が挙げられる。
特定シリコーンとしては、これらの中でも、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーン、アクリル変性シリコーンが好ましく、RDL濡れ性の観点から極性の低いエポキシ・ポリエーテル変性シリコーンがより好ましい。
また、特定シリコーンは、側鎖変性型シリコーンであってもよく、末端変性型シリコーンであってもよい。特定シリコーンは、これらの中でも側鎖変性型シリコーンが好ましい。
特定シリコーンの一例として、上記の通り、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンは、シロキサン結合による主骨格を持つ高分子化合物であるシリコーンにポリエーテル基及びエポキシ基が導入された化合物であれば特に限定されるものではない。
エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンは、側鎖変性型エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンであってもよく、末端変性型エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンであってもよく、側鎖及び末端変性型エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンであってもよい。エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンの主骨格としては、ポリジメチルシロキサンが好ましい。ポリエーテル基としては、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの一方又は双方が重合したポリエーテル基が好ましい。
エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンは、ポリエーテル基(好ましくはエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの一方又は双方が重合したポリエーテル基)及びエポキシ基がそれぞれシリコーン(好ましくはポリジメチルシロキサン)の側鎖に存在する側鎖変性型エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンであることが好ましい。当該エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンの市販品としては、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「SIM768E」が挙げられる。
特定シリコーンの他の一例として、上記の通り、ポリカプロラクトン変性シリコーンが挙げられる。ポリカプロラクトン変性シリコーンは、シロキサン結合による主骨格を持つ高分子化合物であるシリコーンにカプロラクトンを反応させた化合物であれば特に限定されるものではない。
ポリカプロラクトン変性シリコーンは、側鎖変性型ポリカプロラクトン変性シリコーンでもよく、片末端変性型ポリカプロラクトン変性シリコーンでもよく、両末端変性型ポリカプロラクトン変性シリコーンでもよく、両末端変性型ポリカプロラクトン変性シリコーンが好ましい。ポリカプロラクトン変性シリコーンの主骨格としては、ポリジメチルシロキサンが好ましい。ポリジメチルシロキサンの両末端変性型であるポリカプロラクトン変性シリコーンの市販品としては、例えば、Gelest社製「DBL−C32」が挙げられる。
特定シリコーンの25℃における粘度は特に制限されない。特定シリコーンの粘度(25℃)は、封止用樹脂組成物の硬化物の成形反りの発生を抑制する観点から、1.0×10−2Pa・s〜1.0×10Pa・sが好ましく、1.0×10−2Pa・s〜8.0×10Pa・sがより好ましく、1.0Pa・s〜8.0×10Pa・sが更に好ましく、1.0Pa・s〜4.0×10Pa・sが特に好ましく、1.0Pa・s〜1.0×10Pa・sが極めて好ましく、1.0Pa・s〜4.0Pa・sが最も好ましい。
また、ガラス転移温度が40℃以上70℃以下である特定シリコーンの100℃における粘度は、封止用樹脂組成物の硬化物の成形反りの発生を抑制する観点から、1.0×10−2Pa・s〜1.0×10Pa・sが好ましく、1.0Pa・s〜1.0×10Pa・sがより好ましく、1.0Pa・s〜5.0×10Pa・sがさらに好ましい。
特定シリコーンの25℃における粘度及び100℃における粘度は、JIS Z 8803:2011に準じた方法で測定される値とする。具体的には、例えば、測定装置としてKINEXUS (スペクトリス株式会社、品名「KT4」)を用い、温度25℃又は100℃、周波数1Hz、ひずみ1%の条件で測定する。
特定シリコーンの含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して30質量部以下であり、硬化物の成形反りの発生の抑制と優れたRDL濡れ性とを両立する観点から、8質量部〜30質量部が好ましく、8質量部〜20質量部がより好ましく、10質量部〜15質量部がさらに好ましい。
特に、特定シリコーンとしてガラス転移温度が40℃以上70℃以下であるシリコーンを用いる場合、特定シリコーンの含有量は、封止用樹脂組成物の流動性を得る観点からも、エポキシ樹脂100質量部に対して30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、8質量部〜20質量部であることがさらに好ましい。
(硬化促進剤)
封止用樹脂組成物は、必要に応じて硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤の種類は特に制限されず、エポキシ樹脂又は硬化剤の種類、封止用樹脂組成物の所望の特性等に応じて選択できる。
硬化促進剤としては、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)等のジアザビシクロアルケン、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等の環状アミジン化合物;前記環状アミジン化合物の誘導体;前記環状アミジン化合物又はその誘導体のフェノールノボラック塩;これらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどの、π結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;DBUのテトラフェニルボレート塩、DBNのテトラフェニルボレート塩、2−エチル−4−メチルイミダゾールのテトラフェニルボレート塩、N−メチルモルホリンのテトラフェニルボレート塩等の環状アミジニウム化合物;ピリジン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン化合物;前記三級アミン化合物の誘導体;酢酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、リン酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、安息香酸テトラ−n−ヘキシルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム等のアンモニウム塩化合物;トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の三級ホスフィン;前記三級ホスフィンと有機ボロン類との錯体等のホスフィン化合物;前記三級ホスフィン又は前記ホスフィン化合物に、無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどの、π結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;前記三級ホスフィン又は前記ホスフィン化合物と4−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、2−ブロモフェノール、4−クロロフェノール、3−クロロフェノール、2−クロロフェノール、4−ヨウ化フェノール、3−ヨウ化フェノール、2−ヨウ化フェノール、4−ブロモ−2−メチルフェノール、4−ブロモ−3−メチルフェノール、4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール、4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノール、4−ブロモ−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−クロロ−1−ナフトール、1−ブロモ−2−ナフトール、6−ブロモ−2−ナフトール、4−ブロモ−4’−ヒドロキシビフェニル等のハロゲン化フェノール化合物とを反応させた後に、脱ハロゲン化水素の工程を経て得られる、分子内分極を有する化合物;テトラフェニルホスホニウム等のテトラ置換ホスホニウム、テトラ−p−トリルボレート等のホウ素原子に結合したフェニル基がないテトラ置換ホスホニウム及びテトラ置換ボレート;テトラフェニルホスホニウムとフェノール化合物との塩;テトラアルキルホスホニウムと芳香族カルボン酸無水物の部分加水分解物との塩などが挙げられる。
封止用樹脂組成物が硬化促進剤を含む場合、その量は、樹脂成分100質量部(エポキシ樹脂と硬化剤の合計量)に対して0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、1質量部〜15質量部であることがより好ましい。硬化促進剤の量が樹脂成分100質量部に対して0.1質量部以上であると、短時間で良好に硬化する傾向にある。硬化促進剤の量が樹脂成分100質量部に対して30質量部以下であると、硬化速度が速すぎず良好な成形品が得られる傾向にある。
(無機充填材)
封止用樹脂組成物は、必要に応じて無機充填材を含んでもよい。無機充填材の種類は、特に制限されない。具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカ等の無機材料が挙げられる。難燃効果を有する無機充填材を用いてもよい。難燃効果を有する無機充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムと亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水酸化物、硼酸亜鉛などが挙げられる。
無機充填材の中でも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカ等のシリカが好ましく、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。無機充填材は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機充填材の形態としては粉末、粉末を球形化したビーズ、繊維等が挙げられる。
無機充填材が粒子状である場合、その平均粒径は、特に制限されない。例えば、平均粒径が0.2μm〜100μmであることが好ましく、0.5μm〜50μmであることがより好ましい。平均粒径が0.2μm以上であると、封止用樹脂組成物の粘度の上昇がより抑制される傾向にある。平均粒径が100μm以下であると、充填性がより向上する傾向にある。無機充填材の平均粒径は、レーザー散乱回折法粒度分布測定装置により、体積平均粒径(D50)として求める。
封止用樹脂組成物に含まれる無機充填材の含有率は、封止用樹脂組成物の硬化物の弾性率を制御する観点から、封止用樹脂組成物全体の60体積%〜82体積%であることが好ましく、62体積%〜80体積%であることがより好ましく、65体積%〜80体積%であることが更に好ましく、65体積%〜78体積%であることが更に好ましい。
封止用樹脂組成物における無機充填材の体積割合は、下記の方法により求めることができる。
封止用樹脂組成物の硬化物の薄片試料を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮像する。SEM画像において任意の面積Sを特定し、面積Sに含まれる無機充填材の総面積Aを求める。無機充填材の総面積Aを面積Sで除算した値を百分率(%)に換算し、この値を封止用樹脂組成物に占める無機充填材の体積割合とする。
面積Sは、無機充填材の大きさに対して十分大きい面積とする。例えば、無機充填材が100個以上含まれる大きさとする。面積Sは、複数個の切断面の合計でもよい。
無機充填材は、封止用樹脂組成物の硬化時の重力方向において存在割合に偏りが生じることがある。その場合、SEMにて撮像する際、硬化物の重力方向全体を撮像し、硬化物の重力方向全体が含まれる面積Sを特定する。
[各種添加剤]
封止用樹脂組成物は、上述の成分に加えて、以下に例示するカップリング剤、イオン交換体、離型剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤を含んでもよい。封止用樹脂組成物は、以下に例示する添加剤以外にも必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を含んでもよい。
(カップリング剤)
封止用樹脂組成物は、カップリング剤を含んでもよい。樹脂成分と無機充填材との接着性を高める観点からは、封止用樹脂組成物はカップリング剤を含むことが好ましい。カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、ジシラザン等のシラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウム/ジルコニウム系化合物などの公知のカップリング剤が挙げられる。
封止用樹脂組成物がカップリング剤を含む場合、カップリング剤の量は、無機充填材100質量部に対して0.05質量部〜5質量部であることが好ましく、0.1質量部〜2.5質量部であることがより好ましい。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して0.05質量部以上であると、フレームとの接着性がより向上する傾向にある。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して5質量部以下であると、パッケージの成形性がより向上する傾向にある。
(イオン交換体)
封止用樹脂組成物は、イオン交換体を含んでもよい。封止用樹脂組成物は、封止される素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、イオン交換体を含むことが好ましい。イオン交換体は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハイドロタルサイト化合物、並びにマグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、及びビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の含水酸化物等が挙げられる。イオン交換体は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、下記一般式(A)で表されるハイドロタルサイトが好ましい。
Mg(1−X)Al(OH)(COX/2・mHO ……(A)
(0<X≦0.5、mは正の数)
封止用樹脂組成物がイオン交換体を含む場合、その含有量は、ハロゲンイオン等のイオンを捕捉するのに充分な量であれば特に制限はない。例えば、樹脂成分100質量部(エポキシ樹脂と硬化剤の合計量)に対して0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、1質量部〜10質量部であることがより好ましい。
(離型剤)
封止用樹脂組成物は、成形時における金型との良好な離型性を得る観点から、離型剤を含んでもよい。離型剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
封止用樹脂組成物が離型剤を含む場合、その量は樹脂成分100質量部(エポキシ樹脂と硬化剤の合計量)に対して0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.1質量部〜5質量部がより好ましい。離型剤の量が樹脂成分100質量部に対して0.01質量部以上であると、離型性が充分に得られる傾向にある。10質量部以下であると、より良好な接着性が得られる傾向にある。
(難燃剤)
封止用樹脂組成物は、難燃剤を含んでもよい。難燃剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む有機又は無機の化合物、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
封止用樹脂組成物が難燃剤を含む場合、その量は、所望の難燃効果を得るのに充分な量であれば特に制限されない。例えば、樹脂成分100質量部(エポキシ樹脂と硬化剤の合計量)に対して1質量部〜30質量部であることが好ましく、2質量部〜20質量部であることがより好ましい。
(着色剤)
封止用樹脂組成物は、着色剤を含んでもよい。着色剤としてはカーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公知の着色剤を挙げることができる。
着色剤の含有量は、目的等に応じて適宜選択できる。着色剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(封止用樹脂組成物の調製方法)
封止用樹脂組成物の調製方法は、特に制限されない。一般的な手法としては、所定の配合量の成分をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。より具体的には、例えば、上述した成分の所定量を均一に攪拌及び混合し、予め70℃〜140℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルーダー等で混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。
封止用樹脂組成物は、常温常圧下(例えば、25℃、大気圧下)において固体であることが好ましい。封止用樹脂組成物が固体である場合の形状は特に制限されず、粉状、粒状、タブレット状等が挙げられる。封止用樹脂組成物がタブレット状である場合の寸法及び質量は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び質量となるようにすることが取り扱い性の観点から好ましい。
<電子部品装置>
本開示の一実施形態に係る電子部品装置は、ウエハレベルパッケージ(Wafer level package,WLP)によって製造されたものである。即ち、本実施形態の電子部品装置は、ウエハ上に、複数個の素子(半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子など)を搭載したのち、複数個の素子を封止用樹脂組成物で一括して封止し、封止された素子ごとに個片化されたものである。WLPは、FOWLP(Fan Out Wafer Level Package)でもよく、FIWLP(Fan In Wafer Level Package.WLCSP(Wafer level Chip Size Package)とも呼ばれる。)でもよい。
本実施形態の電子部品装置は、支持部材と、前記支持部材上に配置された素子と、前記素子を封止している本開示の封止用樹脂組成物の硬化物と、を備える。本実施形態の電子部品装置は、前記硬化物上に配置された再配線層をさらに備えるものであってもよい。
<電子部品装置の製造方法>
本開示の一実施形態に係る電子部品装置の製造方法は、複数個の素子をウエハ上に配置する工程と、前記複数個の素子を本開示の封止用樹脂組成物で一括して封止する工程と、封止された素子ごとに個片化する工程と、を含む。即ち、本実施形態の電子部品装置の製造方法は、ウエハレベルパッケージングを含む製造方法である。本実施形態の電子部品装置の製造方法は、封止する工程により形成された封止用樹脂組成物の硬化物上に再配線層を形成する工程をさらに含んでもよい。その場合、個片化する工程は、例えば、再配線層を形成する工程を経た後に行われる。
上記各工程を実施する方法は特に制限されず、一般的な手法により行うことができる。また、電子部品装置の製造に使用するウエハ及び素子の種類は特に制限されず、電子部品装置の製造に一般的に用いられるウエハ及び素子を使用できる。
WLPに用いられるウエハの素材は、通常は半導体材料の結晶であり、シリコンの単結晶が一般的である。ウエハの大きさは、特に制限されず、例えば直径6インチ〜12インチであり、好ましくは直径10インチ〜12インチである。
本開示の封止用樹脂組成物を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法、インジェクション成形法、圧縮成形法等が挙げられる。これらの中では、低圧トランスファ成形法が一般的である。
また、再配線層を形成する方法としては、例えば、RDL形成材料を封止用樹脂組成物上に塗布し、スピンコートすることにより、再配線層を形成する方法が挙げられる。
RDL形成材料としては、例えば、HD−7110(日立化成製)、HD−8820(日立化成製)BL−301(旭化成製)が挙げられる。
以下、上記実施形態を実施例により具体的に説明するが、上記実施形態の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<封止用樹脂組成物の調製>
下記に示す成分を表1に示す配合割合(質量部)で混合し、実施例と比較例の封止用樹脂組成物を調製した。この封止用樹脂組成物は、常温常圧下において固体であった。
・エポキシ樹脂1:ビフェニル型エポキシ樹脂、エポキシ当量186g/eq(三菱ケミカル株式会社、品名「YX−4000」)
・エポキシ樹脂2:トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、エポキシ当量167g/eq(三菱ケミカル株式会社、品名「1032H60」)
・硬化剤1:活性エステル化合物(DIC株式会社、品名「EXB−8」)
・硬化剤2:フェノール硬化剤、フェノールアラルキル樹脂、水酸基当量175g/eq(明和化成株式会社、品名「MEH7800SS」)
・離型剤1:モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン株式会社、品名「HW−E」)
・カップリング剤1:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社、品名「KBM−503」)
・カップリング剤3:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社、品名「KBM−573」)
・硬化促進剤1:トリフェニルホスフィン/1,4−ベンゾキノン付加物
・着色剤1:カーボンブラック(三菱ケミカル株式会社、品名「MA600」)
・無機充填材1:溶融シリカ(平均粒径4.5μm)
・無機充填材2:溶融シリカ(平均粒径0.6μm)
・特定シリコーン1:末端変性型ポリエーテル変性シリコーン、Tg:60℃、粘度(25℃):8.0×10Pa・s、粘度(100℃):30Pa・s
・特定シリコーン2:側鎖変性型エポキシ・ポリエーテル変性シリコーン、Tg:25℃以下、粘度(25℃):1.5Pa・s
・特定シリコーン3:側鎖変性型エポキシ・ポリエーテル変性シリコーン、Tg:25℃以下、粘度(25℃):4.5Pa・s(信越化学工業株式会社、品名「KF−1002」)
・特定シリコーン4:側鎖変性型エポキシ・ポリエーテル変性シリコーン、Tg25℃以下、粘度(25℃):0.35Pa・s(信越化学工業株式会社、品名「X−22−4741」)
・特定シリコーン5:末端変性型アクリル変性シリコーン、Tg25℃以下、粘度(25℃):0.3Pa・s(シルテック社、品名「Silmer ACR Di−50」)
<封止用樹脂組成物の性能評価>
(比誘電率及び誘電正接)
封止用樹脂組成物を真空ハンドプレス機に仕込み、金型温度175℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間600秒の条件で成形し、後硬化を180℃で6時間行い、板状の硬化物(縦12.5mm、横25mm、厚さ0.2mm)を得た。この板状の硬化物を試験片として、誘電率測定装置(アジレント・テクノロジー社、品名「ネットワークアナライザN5227A」)を用いて、温度25±3℃下、約60GHzでの比誘電率と誘電正接を測定した。結果を表1に示す。
(成形反り)
直径12インチのシリコンウエハ上に厚さ200μmの樹脂硬化物が積層した積層体を、コンプレッション成形にて成形するための金型及び離型フィルムを用意した。この金型、離型フィルム、直径12インチのシリコンウエハ、及び封止用樹脂組成物を用いて、金型温度175℃、成形圧力7MPa、硬化時間300秒の条件で、シリコンウエハ上に封止用樹脂組成物の硬化物が積層した積層体を成形した。
この積層体について、シャドウモアレ測定装置(Akrometrix社製、TherMoireAXP)を用いて成型反りを測定した。2.0mm以下が許容範囲(○)である。
(RDL濡れ性)
RDL形成材料として、HD−7110(日立化成製)を用いた。
直径10cm、厚み3mmの円板状に成型した封止用樹脂組成物の硬化物の表面を#3000で研磨し、110℃、1時間乾燥した。その封止用樹脂組成物の硬化物上にRDL形成材料をスピンコートにより塗布し、200℃、1時間で乾燥した後、下記基準によりRDL濡れ性を評価した。結果を表1に示す。
−評価基準−
A(〇):不良箇所が5箇所以下
B(△):不良箇所が6箇所以上20箇所以下
C(×):不良箇所が21箇所以上
Figure 2021116329
実施例の封止用樹脂組成物は、比較例の封止用樹脂組成物に比べて、硬化物の成形反り発生の抑制と、優れたRDL濡れ性と、が両立されていた。

Claims (7)

  1. エポキシ樹脂と、
    硬化剤と、
    ガラス転移温度が70℃以下のシリコーンと、
    を含有し、
    前記シリコーンの含有量が前記エポキシ樹脂100質量部に対して30質量部以下であるウエハレベルパッケージ用の封止用樹脂組成物。
  2. 前記シリコーンの25℃における粘度が1.0×10−2Pa・s〜1.0×10Pa・sである請求項1に記載の封止用樹脂組成物。
  3. 前記硬化剤が活性エステル化合物を含む請求項1又は請求項2に記載の封止用樹脂組成物。
  4. 支持部材と、
    前記支持部材上に配置された素子と、
    前記素子を封止している請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物と、
    を備える電子部品装置。
  5. 前記硬化物上に配置された再配線層をさらに備える請求項4に記載の電子部品装置。
  6. 複数個の素子をウエハ上に配置する工程と、
    前記複数個の素子を請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物で一括して封止する工程と、
    封止された素子ごとに個片化する工程と、
    を含む電子部品装置の製造方法。
  7. 前記封止する工程により形成された前記封止用樹脂組成物の硬化物上に再配線層を形成する工程をさらに含み、
    前記個片化する工程が、前記再配線層を形成する工程を経た後に行われる請求項6に記載の電子部品装置の製造方法。
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