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JP2020202020A - 固体電解質電池用添加剤、組成物、二次電池用電極及びその製造方法、二次電池用電池部材、並びに二次電池 - Google Patents

固体電解質電池用添加剤、組成物、二次電池用電極及びその製造方法、二次電池用電池部材、並びに二次電池 Download PDF

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JP2020202020A
JP2020202020A JP2019106009A JP2019106009A JP2020202020A JP 2020202020 A JP2020202020 A JP 2020202020A JP 2019106009 A JP2019106009 A JP 2019106009A JP 2019106009 A JP2019106009 A JP 2019106009A JP 2020202020 A JP2020202020 A JP 2020202020A
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JP2019106009A
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真代 堀川
Masayo Horikawa
真代 堀川
拓也 西村
Takuya Nishimura
拓也 西村
紘揮 三國
Hiroki Mikuni
紘揮 三國
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Abstract

【課題】初期の充放電特性におけるばらつきを抑制することが可能な固体電解質電池用添加剤を提供すること。
【解決手段】式(A)で表されるアニオン成分又はビスオキサレートボラートアニオン成分を有する第1の電解質塩と、第1の電解質塩と異なる電解質塩である第2の電解質塩と、イオン液体又は有機溶媒とを含有し、第2の電解質塩のアニオン成分が、N(SOF) 、N(SOCF 、PF 、BF 、及びClO からなる群より選ばれる少なくとも1種である固体電解質電池用添加剤。
Figure 2020202020

[式(A)中、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子を示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、固体電解質電池用添加剤、組成物、二次電池用電極及びその製造方法、二次電池用電池部材、並びに二次電池に関する。
近年、携帯型電子機器、電気自動車等の普及により、高性能な二次電池が必要とされている。中でもリチウムイオン二次電池は、高いエネルギー密度を有するため、電気自動車用電池、電力貯蔵用電池等の電源として注目されている。具体的には、電気自動車用電池としてのリチウムイオン二次電池は、エンジンを搭載しないゼロエミッション電気自動車、エンジン及び二次電池の両方を搭載したハイブリッド電気自動車、電力系統から直接充電させるプラグイン・ハイブリッド電気自動車等の電気自動車に採用されている。また、電力貯蔵用電池としてのリチウムイオン二次電池は、電力系統が遮断された非常時に、予め貯蔵しておいた電力を供給する定置式電力貯蔵システム等に用いられている。
このような広範な用途に使用するために、より高いエネルギー密度のリチウムイオン二次電池が求められており、その開発がなされている。特に、電気自動車用のリチウムイオン二次電池には、高い入出力特性及び高いエネルギー密度に加えて、高い安全性が要求されるため、安全性を確保するためのより高度な技術が求められる。リチウムイオン二次電池の安全性を向上させる方法として、電解液を固体電解質へ変更する方法等が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2004−107641号公報
二次電池において、電池特性の一つである充放電効率を向上させることが重要となっている。ところで、本発明者らの検討によると、固体電解質を適用した二次電池においては、例えば、初期の充放電特性がそれ以後の充放電特性よりも低くなり、初期の充放電特性におけるばらつきが生じて、本来の性能が得られない場合があることを見出した。
そこで、本発明は、初期の充放電特性におけるばらつきを抑制することが可能な固体電解質電池用添加剤を提供することを主な目的とする。
本発明者らが更に検討したところ、特定の電解質塩を組み合わせた添加剤を、固体電解質を有する二次電池に適用することによって、初期の充放電特性におけるばらつきを抑制することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一側面は、下記式(A)で表されるアニオン成分又は下記式(B)で表されるアニオン成分を有する第1の電解質塩と、第1の電解質塩と異なる電解質塩である第2の電解質塩と、イオン液体又は有機溶媒とを含有する、固体電解質電池用添加剤を提供する。このような固体電解質電池用添加剤によれば、初期の充放電特性におけるばらつきを抑制することが可能となり得る。このような効果が発現する理由は必ずしも定かではないが、当該固体電解質電池用添加剤を用いることによって、初期の充電時において、電極と電解質との界面に良好な被膜が形成され、不均一な反応を防ぐことができるためであると考えられる。固体電解質電池用添加剤は、リチウムイオン二次電池に用いられるものであってよい。
Figure 2020202020

[式(1)中、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子を示す。]
Figure 2020202020
第2の電解質塩のアニオン成分は、N(SOF) 、N(SOCF 、PF 、BF 、及びClO からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
本発明の他の一側面は、ポリマと、上記の固体電解質電池用添加剤とを含有する、組成物を提供する。このような組成物は、固体電解質電池に好適に用いることができ、特に、電解質層又は電極合剤層を製造するために好適に用いることができる。
組成物は、一実施形態において、更に電極活物質を含有していてもよい。このような組成物は、電極合剤層を製造するために好適に用いることができる。
組成物は、一実施形態において、更に酸化物粒子を含有していてもよい。このような組成物は、電解質層を製造するために好適に用いることができる。
本発明の他の一側面は、集電体と、集電体上に設けられた電極合剤層とを備え、電極合剤層が、電極活物質と、上記の固体電解質電池用添加剤とを含有する、二次電池用電極を提供する。
本発明の他の一側面は、集電体と、集電体上に設けられた電極合剤層と、電極合剤層上に設けられた電解質層とをこの順で備え、電極合剤層が、電極活物質を含有し、電解質層が、ポリマと、酸化物粒子とを含有し、電極合剤層又は電解質層の少なくとも一方が、上記の固体電解質電池用添加剤を更に含有する、二次電池用電池部材を提供する。
本発明の他の一側面は、上記の二次電池用電極、又は、上記の二次電池用電池部材を備える、二次電池を提供する。
本発明によれば、初期の充放電特性におけるばらつきを抑制することが可能な固体電解質電池用添加剤が提供される。また、本発明によれば、このような固体電解質電池用添加剤を用いた組成物、電解質シート、二次電池用電極及びその製造方法、二次電池用電池部材、並びに二次電池が提供される。
第1実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。 図1に示した二次電池の電極群を示す分解斜視図である。 (a)は一実施形態に係る二次電池用電池部材(正極部材)を示す模式断面図であり、(b)は他の一実施形態に係る二次電池用電池部材(負極部材)を示す模式断面図である。 第2実施形態に係る二次電池の電極群を示す分解斜視図である。 他の一実施形態に係る二次電池用電池部材(バイポーラ電極部材)を示す模式断面図である。 実施例2−1の1回目及び2回目の充放電曲線を示すグラフである。 比較例2−1の1回目及び2回目の充放電曲線を示すグラフである。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
本明細書における数値及びその範囲は、本発明を制限するものではない。本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書において段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載される数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、「固体電解質」とは、その内部において、イオンを移動させることができる固体状の電解質である。ここで、固体状の電解質には、無機固体電解質及び有機固体電解質の他に、高い粘性を有し、流動性を失うことによって固体状になっているゲル電解質等が含まれる。
[固体電解質電池用添加剤]
一実施形態の固体電解質電池用添加剤は、第1の電解質塩と、第2の電解質塩と、イオン液体又は有機溶媒とを含有する。固体電解質電池用添加剤は、リチウムイオン二次電池に用いられるものであってよい。第2の電解質塩は、充放電特性に影響を与える成分であり、第1の電解質塩は、第2の電解質塩を用いることによって生じる効果を効率よく発現させるために用いられる成分であり得る。
第1の電解質塩は、下記式(A)で表されるアニオン成分又は下記式(B)で表されるアニオン成分を有する。式(B)で表されるアニオン成分は、ビスオキサレートボラートアニオン(以下、[BOB]の略称を用いる場合がある。)である。
Figure 2020202020
式(A)中、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子を示す。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。Rの両方は、フッ素原子であってよく、式(A)で表されるアニオン成分は、ジフルオロ(オキサレート)ボラートアニオン(以下、[DFOB]の略称を用いる場合がある。)であってよい。
Figure 2020202020
第1の電解質塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよく、リチウム塩であってもよい。
第1の電解質塩としては、例えば、Li[DFOB]、Na[DFOB]、Ca[DFOB]、Mg[DFOB]、Li[BOB]、Na[BOB]、Ca[BOB]、Mg[BOB]等が挙げられる。第1の電解質塩は、Li[DFOB]又はLi[BOB]であってよい。
第2の電解質塩は、第1の電解質塩と異なる電解質塩である。第2の電解質塩のアニオン成分としては、例えば、ハロゲン化物イオン(I、Cl、Br等)、SCN、BF 、BF(CF、BF(C、PF 、ClO 、SbF 、N(SOF) 、N(SOCF 、N(SO 、BPh 、B(C 、C(FSO 、C(CFSO 、CFCOO、CFSO、CSO等が挙げられる。これらの中でも、第2の電解質塩のアニオン成分は、N(SOF) 、N(SOCF 、PF 、BF 、及びClO からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
なお、以下では下記の略称を用いる場合がある。
[FSI]:N(SOF) 、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン
[TFSI]:N(SOCF 、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン
[f3C]:C(FSO 、トリス(フルオロスルホニル)カルボアニオン
第2の電解質塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
第2の電解質塩としてのリチウム塩は、LiPF、LiBF、Li[FSI]、Li[TFSI]、Li[f3C]、LiClO、LiCFBF、LiCBF、LiCBF、LiCBF、Li[C(SOCF]、LiCFSO、LiCFCOO、及びLiRCOO(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
第2の電解質塩としてのナトリウム塩は、NaPF、NaBF、Na[FSI]、Na[TFSI]、Na[f3C]、NaClO、NaCFBF、NaCBF、NaCBF、NaCBF、Na[C(SOCF]、NaCFSO、NaCFCOO、及びNaRCOO(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
第2の電解質塩としてのカルシウム塩は、Ca(PF、Ca(BF、Ca[FSI]、Ca[TFSI]、Ca[f3C]、Ca(ClO、Ca(CFBF、Ca(CBF、Ca(CBF、Ca(CBF、Ca[C(SOCF、Ca(CFSO、Ca(CFCOO)、及びCa(RCOO)(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
第2の電解質塩としてのマグネシウム塩は、Mg(PF、Mg(BF、Mg[FSI]、Mg[TFSI]、Mg[f3C]、Mg(ClO、Mg(CFBF、Mg(CBF、Mg(CBF、Mg(CBF、Mg[C(SOCF、Mg(CFSO、Mg(CFCOO)、及びMg(RCOO)(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
第2の電解質塩は、リチウム塩であってよい。第2の電解質塩は、好ましくはLiPF、LiBF、Li[FSI]、Li[TFSI]、Li[f3C]、LiClO、LiCFBF、LiCBF、LiCBF、LiCBF、Li[C(SOCF]、LiCFSO、LiCFCOO、及びLiRCOO(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種、より好ましくはLi[FSI]、Li[TFSI]、LiPF、LiBF、及びLiClOからなる群より選ばれる少なくとも1種、更に好ましくはLi[TFSI]又はLi[FSI]である。
イオン液体は、以下のアニオン成分及びカチオン成分を含有する。なお、本明細書におけるイオン液体は、−20℃以上で液状の物質である。イオン液体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イオン液体のアニオン成分は、特に限定されないが、Cl、Br、I等のハロゲンのアニオン、BF 、[FSI]、[TFSI]等の無機アニオン、B(C 、CHSO 、CFSO 、N(CSO 、N(SOCF 、N(SOCFCF 等の有機アニオンなどであってよい。イオン液体のアニオン成分は、好ましくは、B(C 、CHSO 、N(CSO 、CFSO 、[FSI]、[TFSI]、及びN(SOCFCF からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、比較的低粘度でイオン伝導度を更に向上させるとともに、充放電特性も更に向上させる観点から、より好ましくは、N(CSO 、CFSO 、[FSI]、[TFSI]、及びN(SOCFCF からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、更に好ましくは[FSI]又は[TFSI]を含有する。
イオン液体のカチオン成分は、特に限定されないが、好ましくは鎖状四級オニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びイミダゾリウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
鎖状四級オニウムカチオンは、例えば、下記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 2020202020

[式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数が1〜20の鎖状アルキル基、又はR−O−(CH−で表される鎖状アルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を示し、nは1〜4の整数を表す)を示し、Xは、窒素原子又はリン原子を表す。R〜Rで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5である。]
ピペリジニウムカチオンは、例えば、下記一般式(3)で表される、窒素を含有する六員環環状化合物である。
Figure 2020202020

[式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜20のアルキル基、又はR−O−(CH−で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を示し、nは1〜4の整数を表す)を表す。R及びRで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5である。]
ピロリジニウムカチオンは、例えば、下記一般式(4)で表される五員環環状化合物である。
Figure 2020202020

[式(4)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜20のアルキル基、又はR−O−(CH−で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を示し、nは1〜4の整数を表す)を表す。R及びRで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5である。]
ピリジニウムカチオンは、例えば、下記一般式(5)で示される化合物である。
Figure 2020202020

[式(5)中、R〜R13は、それぞれ独立に、炭素数が1〜20のアルキル基、R−O−(CH−で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を示し、nは1〜4の整数を表す)、又は水素原子を表す。R〜R13で表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5である。]
イミダゾリウムカチオンは、例えば、下記一般式(6)で示される化合物である。
Figure 2020202020

[式(6)中、R14〜R18は、それぞれ独立に、炭素数が1〜20のアルキル基、R−O−(CH−で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を示し、nは1〜4の整数を表す)、又は水素原子を表す。R14〜R18で表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5である。]
有機溶媒は、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、クロロエチレンカーボネート、クロロプロピレンカーボネート等のカーボネート(炭酸エステル)であってよい。有機溶媒は、カーボネート以外の有機溶媒であってもよく、例えば、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、テトラヒドロフラン、1,2−ジエトキシエタン等であってもよい。有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体電解質電池用添加剤は、第1の電解質塩のイオン液体又は有機溶媒に対する溶解性が低いことから、例えば、第2の電解質塩とイオン液体又は有機溶媒と混合して、第2の電解質塩溶液を調製する工程と、第2の電解質塩溶液に対して、第1の電解質塩を添加する工程とを備える製造方法によって得ることができる。
イオン液体又は有機溶媒の単位体積当たりの第2の電解質塩の濃度は、二次電池の充放電特性をより向上させる観点から、0.5mol/L以上、0.7mol/L以上、又は1.0mol/L以上であってよく、二次電池の高速充放電特性を向上させる観点から、2.0mol/L以下、1.8mol/L以下、又は1.6mol/L以下であってよい。
第1の電解質塩の含有量は、第2の電解質塩を用いることによって生じる効果をより効率よく発現させる観点から、第2の電解質塩及びイオン液体又は有機溶媒の全量(第2の電解質塩溶液の全量)を基準として、0.01質量%以上、0.05質量%以上、又は0.1質量%以上であってよい。第1の電解質塩の含有量は、固体電解質電池用添加剤の粘度増大を抑制する観点から、第2の電解質塩及びイオン液体又は有機溶媒の全量(第2の電解質塩溶液の全量)を基準として、5質量%以下、3質量%以下、又は0.7質量%以下であってよい。
[組成物]
一実施形態の組成物は、ポリマと、上記の固体電解質電池用添加剤とを含有する。すなわち、組成物は、ポリマと、第1の電解質塩と、第2の電解質塩と、イオン液体又は有機溶媒とを含有する。このような組成物は、固体電解質電池に好適に用いることができ、特に、電解質層又は電極合剤層を製造するために好適に用いることができる。
ポリマは、バインダ(結着剤)として役割を担うものである。ポリマは、好ましくは、四フッ化エチレン及びフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる第1の構造単位を有する。
ポリマを構成する構造単位の中には、上述の第1の構造単位と、ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸、マレイン酸、エチルメタクリレート、及びメチルメタクリレートからなる群より選ばれる第2の構造単位とが含まれていてもよい。すなわち、第1の構造単位及び第2の構造単位は、1種のポリマに含まれてコポリマを構成していてもよく、それぞれ別のポリマに含まれて、第1の構造単位を有する第1のポリマと、第2の構造単位を有する第2のポリマとの少なくとも2種のポリマを構成していてもよい。
ポリマは、具体的には、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマなどであってよい。
ポリマの含有量は、組成物全量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、又は10質量%以上であってよい。ポリマの含有量は、組成物全量を基準として、60質量%以下、50質量%以下、又は40質量%以下であってよい。
固体電解質電池用添加剤の含有量は、組成物全量を基準として、3質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、又は20質量%以上であってよい。固体電解質電池用添加剤の含有量は、組成物全量を基準として、99質量%以下、90質量%以下、又は80質量%以下であってよい。
組成物は、一実施形態において、更に電極活物質を含有していてもよい。電極活物質を含有する組成物は、電極合剤層を製造するために好適に用いることができる。電極活物質は、正極活物質又は負極活物質である。電極活物質を含有する組成物は、導電剤等を更に含有してもよい。
正極活物質は、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属リン酸塩等のリチウム遷移金属化合物であってよい。
リチウム遷移金属酸化物は、例えば、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等であってよい。リチウム遷移金属酸化物は、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等に含有されるMn、Ni、Co等の遷移金属の一部を、1種若しくは2種以上の他の遷移金属、又はMg、Al等の金属元素(典型元素)で置換したリチウム遷移金属酸化物であってもよい。すなわち、リチウム遷移金属酸化物は、LiM又はLiM (Mは少なくとも1種の遷移金属を含む)で表される化合物であってよい。リチウム遷移金属酸化物は、具体的には、Li(Co1/3Ni1/3Mn1/3)O、LiNi1/2Mn1/2、LiNi1/2Mn3/2等であってよい。
リチウム遷移金属酸化物は、エネルギー密度を更に向上させる観点から、好ましくは下記式(1)で表される化合物である。
LiNiCo 2+e (1)
[式(1)中、Mは、Al、Mn、Mg及びCaからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、a、b、c、d及びeは、それぞれ0.2≦a≦1.2、0.5≦b≦0.9、0.1≦c≦0.4、0≦d≦0.2、−0.2≦e≦0.2、かつb+c+d=1を満たす数である。]
リチウム遷移金属リン酸塩は、LiFePO、LiMnPO、LiMn 1−xPO(0.3≦x≦1、MはFe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg、及びZrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である)等であってよい。
負極活物質は、黒鉛、非晶質炭素等の炭素材料、スズ、シリコン等を含む金属材料、チタン酸リチウム(LiTi12)、金属リチウムなどであってよい。
組成物が電極活物質を含有する組成物である場合、ポリマの含有量は、電極活物質を含有する組成物全量を基準として、1質量%以上、5質量%以上、又は10質量%以上であってよい。ポリマの含有量は、電極活物質を含有する組成物全量を基準として、40質量%以下、30質量%以下、又は20質量%以下であってよい。
組成物が電極活物質を含有する組成物である場合、固体電解質電池用添加剤の含有量は、電極活物質を含有する組成物全量を基準として、3質量%以上、5質量%以上、又は10質量%以上であってよい。固体電解質電池用添加剤の含有量は、電極活物質を含有する組成物全量を基準として、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下であってよい。
組成物が電極活物質を含有する組成物である場合、電極活物質の含有量は、電極活物質を含有する組成物全量を基準として、10質量%以上、20質量%以上、又は30質量%以上であってよい。電極活物質の含有量は、組成物全量を基準として、99質量%以下、90質量%以下、又は80質量%以下であってよい。
導電剤は、特に限定されないが、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、炭素繊維等の炭素材料などであってよい。導電剤は、上述した炭素材料の2種以上の混合物であってもよい。
導電剤の含有量は、電極活物質を含有する組成物全量を基準として、0.1質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であってよい。導電剤の含有量は、電極活物質を含有する組成物全量を基準として、15質量%以下、10質量%以下、又は8質量%以下であってよい。
組成物は、他の一実施形態において、更に酸化物粒子を含有していてもよい。酸化物粒子を含有する組成物は、電解質層を製造するために好適に用いることができる。
酸化物粒子は、例えば、Li、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rb、Sr、Y、Nb、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Ta、Hf、W、Ir、Tl、Pb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物粒子である。酸化物粒子は、具体的には、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化インジウム、酸化鉛等であってよい。
酸化物粒子は、希土類金属の酸化物であってもよい。酸化物粒子は、具体的には、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユウロビウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム等であってよい。酸化物粒子は、イオン伝導性を更に向上させる観点から、好ましくは、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、又は酸化アルミニウムである。
酸化物粒子の平均粒子径は、好ましくは0.005μm以上であり、より好ましくは0.01μm以上であり、更に好ましくは0.05μm以上である。酸化物粒子の平均粒子径は、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは3μm以下であり、更に好ましくは1μm以下である。酸化物粒子の平均粒子径は、好ましくは0.005〜5μm、0.01〜3μm、又は0.05〜1μmである。酸化物粒子の平均粒子径は、レーザー回折法により測定され、体積累積粒度分布曲線を小粒径側から描いた場合に、体積累積が50%となる粒子径に対応する。
組成物が酸化物粒子を含有する組成物である場合、ポリマの含有量は、酸化物粒子を含有する組成物全量を基準として、3質量%以上、5質量%以上、又は10質量%以上であってよい。ポリマの含有量は、酸化物粒子を含有する組成物全量を基準として、60質量%以下、50質量%以下、又は40質量%以下であってよい。
組成物が酸化物粒子を含有する組成物である場合、固体電解質電池用添加剤の含有量は、酸化物粒子を含有する組成物全量を基準として、40質量%以上、50質量%以上、又は60質量%以上であってよい。固体電解質電池用添加剤の含有量は、酸化物粒子を含有する組成物全量を基準として、99質量%以下、95質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
酸化物粒子の含有量は、酸化物粒子を含有する組成物全量を基準として、0.1質量%以上、1質量%以上、又は5質量%以上であってよい。酸化物粒子の含有量は、酸化物粒子を含有する組成物全量を基準として、40質量%以下、30質量%以下、又は20質量%以下であってよい。
酸化物粒子を含有する組成物は、セルロース繊維を更に含有していてもよい。
セルロース繊維は、例えば、針葉樹木材パルプ、広葉樹木材パルプ、エスパルトパルプ、マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、コットンパルプ等の天然セルロース繊維;これらの天然セルロース繊維を有機溶剤で紡糸して得られるリヨセル等の再生セルロース繊維などであってよい。組成物がセルロース繊維を含有することによって、得られる電解質層に強度を付与することができる。
セルロース繊維の含有量は、酸化物粒子を含有する組成物全量を基準として、0.1質量%以上、0.5質量%以上、又は1質量%以上であってよい。セルロース繊維の含有量は、酸化物粒子を含有する組成物全量を基準として、20質量%以下、15質量%以下、又は10質量%以下であってよい。
組成物は、分散媒を更に含有していてもよい。組成物は、当該組成物を分散媒に分散させてスラリ(例えば、電極合剤層を製造するための電極合剤スラリ、電解質層を製造するための電解質スラリ等)として用いることができる。
分散媒は、組成物を構成する各成分を分散できるものであれば特に制限されず、例えば、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルエチレンウレア、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ブチルカルビトールアセテート、トルエン、シクロヘキサン、スルホラン、水、炭酸エチレン(EC)、炭酸エチルメチル(EMC)、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン等であってよい。
分散媒の含有量は、組成物を構成する固形分全量100質量部を基準として、10質量部以上、20質量部以上、30質量部以上、又は40質量部以上であってよく、90質量部以下、70質量部以下、60質量部以下、又は50質量部以下であってよい。
[二次電池:第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。図1に示すように、二次電池1は、正極、負極、及び電解質層から構成される電極群2と、電極群2を収容する袋状の電池外装体3とを備えている。正極及び負極には、それぞれ正極集電タブ4及び負極集電タブ5が設けられている。正極集電タブ4及び負極集電タブ5は、それぞれ正極及び負極が二次電池1の外部と電気的に接続可能なように、電池外装体3の内部から外部へ突き出している。
電池外装体3は、例えばラミネートフィルムで形成されていてよい。ラミネートフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の樹脂フィルムと、アルミニウム、銅、ステンレス鋼等の金属箔と、ポリプロピレン等のシーラント層とがこの順で積層された積層フィルムであってよい。
図2は、図1に示した二次電池の電極群を示す分解斜視図である。図2に示すように、電極群2Aは、正極6、電解質層7、及び負極8をこの順に備える。正極6は、第1の集電体9と、第1の集電体9上に設けられた正極合剤層10とを備えている。正極6の第1の集電体9には、正極集電タブ4が設けられている。負極8は、第2の集電体11と、第2の集電体11上に設けられた負極合剤層12とを備えている。負極8の第2の集電体11には、負極集電タブ5が設けられている。なお、本明細書においては、正極6及び負極8をまとめて二次電池用電極と呼ぶ。正極合剤層10及び負極合剤層12をまとめて電極合剤層と呼ぶ。正極合剤中間層及び負極合剤中間層をまとめて電極合剤中間層と呼ぶ。同様に、後述する正極活物質及び負極活物質をまとめて電極活物質と呼ぶ。
一実施形態において、電極群2Aには、第1の集電体9と、正極合剤層10と、電解質層7とをこの順に備える第1の電池部材(正極部材)が含まれていると見ることができる。図3(a)は、一実施形態に係る二次電池用電池部材(正極部材)を示す模式断面図、すなわち第1の電池部材(正極部材)を示す模式断面図である。図3(a)に示すように、第1の電池部材13は、第1の集電体9と、第1の集電体9上に設けられた正極合剤層10と、正極合剤層10上に設けられた電解質層7とをこの順に備える正極部材である。正極合剤層10は、正極活物質を含有する。電解質層7は、ポリマと、酸化物粒子とを含有する。正極合剤層10又は電解質層7の少なくとも一方は、上記の固体電解質電池用添加剤を含有する。
第1の集電体9は、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属、又はそれらの合金であってよい。第1の集電体9は、軽量で高い重量エネルギー密度を有するため、好ましくはアルミニウム又はその合金である。
正極合剤層10は、一実施形態において、正極活物質と、上記の固体電解質電池用添加剤とを含有する。すなわち、正極合剤層10は、正極活物質と、第1の電解質塩と、第2の電解質塩と、イオン液体又は有機溶媒とを含有する。正極合剤層10は、ポリマを更に含有していてもよい。正極合剤層10は、有機溶媒を含有している場合、有機溶媒をゲル化可能なポリマを更に含有していてもよい。正極合剤層10は、上記の固体電解質電池用添加剤の構成成分(第1の電解質塩、第2の電解質塩、イオン液体又は有機溶媒)に加えて、当該構成分以外の電解質塩、イオン液体、有機溶媒等の成分を更に含有していてもよい。
正極活物質は、組成物で例示したものと同様のものを使用することができる。正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上であってよい。正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、99質量%以下であってよい。
固体電解質電池用添加剤におけるイオン液体又は有機溶媒の単位体積当たりの第2の電解質塩の濃度及び第1の電解質塩の含有量は、固体電解質電池用添加剤に記載のものと同様であってよい。固体電解質電池用添加剤の含有量は、正極合剤層全量を基準として、3質量%以上、5質量%以上、又は10質量%以上であってよい。固体電解質電池用添加剤の含有量は、正極合剤層全量を基準として、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下であってよい。
ポリマは、組成物で例示したものと同様のものを使用することができる。ポリマの含有量は、正極合剤層全量を基準として、3質量%以上であってよく、50質量%以下又は40質量%以下であってよい。ポリマの含有量は、正極合剤層全量を基準として、3〜50質量%又は3〜40質量%であってもよい。
正極合剤層10は、有機溶媒を含有している場合、有機溶媒をゲル化可能なポリマを更に含有していてもよい。本明細書において、有機溶媒をゲル化可能なポリマ(有機溶媒ゲル化ポリマ)とは、有機溶媒の流動性を大きく低下させることができるポリマを意味し、具体的には、以下の流動性の評価において、位置Aと位置Bとの間の距離が1cm未満となるポリマを意味する。
まず、ガラスバイアル瓶(アズワン株式会社製、ラボランスクリュー管瓶No.4、13.5mL、底面の直径:約2cm、高さ:約4cmの円筒形)内に有機溶媒と有機溶媒ゲル化ポリマとの混合物(有機溶媒/有機溶媒ゲル化ポリマ=90/10(質量比))5gを投入して蓋をする。続いて、有機溶媒ゲル化ポリマのガラス転移温度以上の温度で有機溶媒ゲル化ポリマを溶融させた後、ガラスバイアル瓶の底面側を下に、蓋側を上にした状態で、25℃で20時間静置する。この静置後のガラスバイアル瓶中の有機溶媒と有機溶媒ゲル化ポリマとの混合物の最上面(ガラスバイアル瓶の底面から最も離れた面)の位置を位置Aとする。その後、ガラスバイアル瓶の天地を逆転させた状態(ガラスバイアル瓶の底面側を上に、蓋側を下にした状態)で、25℃で10分間静置する。この静置後のガラスバイアル瓶中の有機溶媒と有機溶媒ゲル化ポリマとの混合物の最下面(ガラスバイアル瓶の底面から最も離れた面)の位置を位置Bとする。このようにして求めた位置Aと位置Bとの間の距離に基づいて、流動性を評価する。
有機溶媒ゲル化ポリマは、例えば、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)等であってよい。有機溶媒ゲル化ポリマは、モノマ又はオリゴマの状態で有機溶媒に混合し、重合させることによっても得ることができる。重合は、必要に応じて重合開始剤を用いて熱又は光照射によって行うことができる。
有機溶媒ゲル化ポリマの含有量は、正極合剤層全量を基準として、0.01質量%以上、0.1質量%以上、又は1質量%以上であってよく、20質量%以下、10質量%以下、又は5質量%以下であってよい。
正極合剤層10は、導電剤等を更に含有してもよい。導電剤は、組成物で例示したものと同様のものを使用することができる。導電剤の含有量は、正極合剤層全量を基準として、0.1質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であってよく、15質量%以下、10質量%以下、又は8質量%以下であってよい。
正極合剤層10は、上記の固体電解質電池用添加剤の構成成分(第1の電解質塩、第2の電解質塩、イオン液体又は有機溶媒)に加えて、当該構成分以外の電解質塩、イオン液体、有機溶媒等の成分を更に含有していてもよい。このような電解質塩は、上記の第1の電解質塩及び第2の電解質塩で例示したもの中から選ばれる1種以上を使用することができる。同様に、このようなイオン液体又は有機溶媒は、上記の固体電解質電池用添加剤で例示したものを使用することができる。
正極合剤層10の厚さは、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってよい。正極合剤層の厚さは、100μm以下、80μm以下、又は70μm以下であってよい。
正極合剤層10は、他の一実施形態において、正極活物質と、電解質塩と、イオン液体又は有機溶媒とを含有する。すなわち、正極合剤層10は、上記の固体電解質電池用添加剤に代えて、上記の固体電解質電池用添加剤の構成成分以外の電解質塩及びイオン液体又は有機溶媒を含有するものであってよい。正極合剤層10は、ポリマを更に含有していてもよい。正極合剤層10は、有機溶媒を含有している場合、有機溶媒をゲル化可能なポリマを更に含有していてもよい。正極活物質、イオン液体又は有機溶媒、ポリマ、及びゲル化可能なポリマの種類及び含有量は、上記と同様であってよい。
電解質塩は、固体電解質電池用添加剤で例示したもの(第1の電解質塩及び第2の電解質塩)と同様のものを使用することができる。電解質塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。電解質塩は、好ましくは、イミド系リチウム塩、イミド系ナトリウム塩、イミド系カルシウム塩、及びイミド系マグネシウム塩からなる群より選ばれる1種である。
イミド系リチウム塩としては、例えば、Li[TFSI]、Li[FSI]等が挙げられる。イミド系ナトリウム塩としては、例えば、Na[TFSI]、Na[FSI]等が挙げられる。イミド系カルシウム塩としては、例えば、Ca[TFSI]、Ca[FSI]等が挙げられる。イミド系マグネシウム塩としては、例えば、Mg[TFSI]、Mg[FSI]等が挙げられる。イミド系リチウム塩は、Li[TFSI]又はLi[FSI]であってよい。
正極合剤層10におけるイオン液体又は有機溶媒の単位体積あたりの電解質塩の濃度は、充放電特性を更に向上させる観点から、好ましくは0.5mol/L以上、より好ましくは0.7mol/L以上、更に好ましくは0.8mol/L以上であり、また、好ましくは2.0mol/L以下、より好ましくは1.8mol/L以下、更に好ましくは1.5mol/L以下である。
電解質層7は、一実施形態において、ポリマと、酸化物粒子と、上記の固体電解質電池用添加剤とを含有する。すなわち、電解質層7は、ポリマと、酸化物粒子と、第1の電解質塩と、第2の電解質塩と、イオン液体又は有機溶媒とを含有する。電解質層7は、セルロース繊維を更に含有していてもよい。
ポリマは、組成物で例示したものと同様のものを使用することができる。ポリマの含有量は、電解質層全量を基準として、3質量%以上であってよく、50質量%以下又は40質量%以下であってよい。ポリマの含有量は、電解質層全量を基準として、3〜50質量%又は3〜40質量%であってもよい。
酸化物粒子は、組成物で例示したものと同様のものを使用することができる。酸化物粒子の含有量は、電解質層全量を基準として、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、又は20質量%以上であってよく、60質量%以下、50質量%以下、又は40質量%以下であってよい。
固体電解質電池用添加剤におけるイオン液体又は有機溶媒の単位体積当たりの第2の電解質塩の濃度及び第1の電解質塩の含有量は、固体電解質電池用添加剤に記載のものと同様であってよい。固体電解質電池用添加剤の含有量は、電解質層全量を基準として、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、又は25質量%以上であってよい。固体電解質電池用添加剤の含有量は、電解質層全量を基準として、80質量%以下、70質量%以下、又は60質量%以下であってよい。
セルロース繊維は、組成物で例示したものと同様のものを使用することができる。セルロース繊維の含有量は、電解質層全量を基準として、0.1質量%以上、0.5質量%以上、又は1質量%以上であってよい。セルロース繊維の含有量は、電解質層全量を基準として、60質量%以下、50質量%以下、又は40質量%以下であってよい。
電解質層7は、他の一実施形態において、ポリマと、酸化物粒子と、電解質塩と、イオン液体又は有機溶媒とを含有する。すなわち、電解質層7は、上記の固体電解質電池用添加剤に代えて、上記の固体電解質電池用添加剤の構成成分以外の電解質塩及びイオン液体又は有機溶媒を含有するものであってよい。電解質層7は、セルロース繊維を更に含有していてもよい。
ポリマは、組成物で例示したものと同様のものを使用することができる。ポリマの含有量は、電解質層全量を基準として、3質量%以上であってよく、50質量%以下又は40質量%以下であってよい。ポリマの含有量は、電解質層全量を基準として、3〜50質量%又は3〜40質量%であってもよい。
酸化物粒子は、組成物で例示したものと同様のものを使用することができる。酸化物粒子の含有量は、電解質層全量を基準として、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、又は20質量%以上であってよく、60質量%以下、50質量%以下、又は40質量%以下であってよい。
電解質塩は、固体電解質電池用添加剤で例示したもの(第1の電解質塩及び第2の電解質塩)と同様のものを使用することができる。電解質塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。電解質塩は、好ましくは、イミド系リチウム塩、イミド系ナトリウム塩、イミド系カルシウム塩、及びイミド系マグネシウム塩からなる群より選ばれる1種である。
イミド系リチウム塩としては、例えば、Li[TFSI]、Li[FSI]等が挙げられる。イミド系ナトリウム塩としては、例えば、Na[TFSI]、Na[FSI]等が挙げられる。イミド系カルシウム塩としては、例えば、Ca[TFSI]、Ca[FSI]等が挙げられる。イミド系マグネシウム塩としては、例えば、Mg[TFSI]、Mg[FSI]等が挙げられる。イミド系リチウム塩は、Li[TFSI]又はLi[FSI]であってよい。
イオン液体の単位体積あたりの電解質塩の濃度は、充放電特性を更に向上させる観点から、好ましくは0.5mol/L以上、より好ましくは0.7mol/L以上、更に好ましくは0.8mol/L以上であり、また、好ましくは2.0mol/L以下、より好ましくは1.8mol/L以下、更に好ましくは1.5mol/L以下である。
イオン液体又は有機溶媒は、固体電解質電池用添加剤で例示したものと同様のものを使用することができる。イオン液体又は有機溶媒の含有量は、電解質層全量を基準として、25質量%以上、30質量%以上、又は40質量%以上であってよい。イオン液体又は有機溶媒の含有量は、電解質層全量を基準として、80質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、又は60質量%以下であってよい。
セルロース繊維は、組成物で例示したものと同様のものを使用することができる。セルロース繊維の含有量は、電解質層全量を基準として、0.05質量%以上、0.1質量%以上、又は0.5質量%以上であってよい。セルロース繊維の含有量は、電解質層全量を基準として、20質量%以下、10質量%以下、又は5質量%以下であってよい。
他の一実施形態において、電極群2Aには、第2の集電体11と、負極合剤層12と、電解質層7とをこの順に備える第2の電池部材(負極部材)が含まれていると見ることもできる。図3(b)は、他の一実施形態に係る二次電池用電池部材(負極部材)を示す模式断面図、すなわち第2の電池部材(負極部材)を示す模式断面図である。図3(b)に示すように、第2の電池部材14は、第2の集電体11と、第2の集電体11上に設けられた負極合剤層12と、負極合剤層12上に設けられた電解質層7とをこの順に備える負極部材である。負極合剤層12は、負極活物質を含有する。電解質層7は、ポリマと、酸化物粒子とを含有する。負極合剤層12又は電解質層7の少なくとも一方は、上記の固体電解質電池用添加剤を含有する。電解質層7は、上述した第1の電池部材13における電解質層7と同様であるので、以下では説明を省略する。
第2の集電体11は、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属、それらの合金などであってよい。第2の集電体11は、軽量で高い重量エネルギー密度を有するため、好ましくはアルミニウム及びその合金である。第2の集電体11は、薄膜への加工のし易さ及びコストの観点から、好ましくは銅である。
負極合剤層12は、一実施形態において、負極活物質と、上記の固体電解質電池用添加剤とを含有する。すなわち、負極合剤層12は、負極活物質と、第1の電解質塩と、第2の電解質塩と、イオン液体又は有機溶媒とを含有する。負極合剤層12は、ポリマを更に含有していてもよい。負極合剤層12は、有機溶媒を含有している場合、有機溶媒をゲル化可能なポリマを更に含有していてもよい。負極合剤層12は、上記の固体電解質電池用添加剤の構成成分(第1の電解質塩、第2の電解質塩、イオン液体又は有機溶媒)に加えて、当該構成分以外の電解質塩、イオン液体、有機溶媒等の成分を更に含有していてもよい。
負極活物質は、組成物で例示したものと同様のものを使用することができる。負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、60質量%以上、65質量%以上、又は70質量%以上であってよい。負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、99質量%以下、95質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
固体電解質電池用添加剤におけるイオン液体又は有機溶媒の単位体積当たりの第2の電解質塩の濃度及び第1の電解質塩の含有量は、固体電解質電池用添加剤に記載のものと同様であってよい。固体電解質電池用添加剤の含有量は、負極合剤層全量を基準として、3質量%以上、5質量%以上、又は10質量%以上であってよい。固体電解質電池用添加剤の含有量は、負極合剤層全量を基準として、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下であってよい。
負極合剤層12に含有される有機溶媒をゲル化可能なポリマ(有機溶媒ゲル化ポリマ)は、上述した正極合剤層10に含有される有機溶媒をゲル化可能なポリマと同様のものであってよい。有機溶媒ゲル化ポリマの含有量は、負極合剤層全量を基準として、0.01質量%以上、0.1質量%以上、又は1質量%以上であってよく、20質量%以下、10質量%以下、又は5質量%以下であってよい。
負極合剤層12は、導電剤等を更に含有してもよい。導電剤は、組成物で例示したものと同様のものを使用することができる。導電剤の含有量は、負極合剤層全量を基準として、0.1質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であってよく、15質量%以下、10質量%以下、又は8質量%以下であってよい。
負極合剤層12は、上記の固体電解質電池用添加剤の構成成分(第1の電解質塩、第2の電解質塩、イオン液体又は有機溶媒)に加えて、当該構成分以外の電解質塩、イオン液体、有機溶媒等の成分を更に含有していてもよい。このような電解質塩は、上記の第1の電解質塩及び第2の電解質塩で例示したもの中から選ばれる1種以上を使用することができる。同様に、このようなイオン液体又は有機溶媒は、上記の固体電解質電池用添加剤で例示したものを使用することができる。
負極合剤層12の厚さは、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってよい。負極合剤層の厚さは、60μm以下、55μm以下、又は50μm以下であってよい。
負極合剤層12は、他の一実施形態において、負極活物質と、電解質塩と、イオン液体又は有機溶媒とを含有する。すなわち、負極合剤層12は、上記の固体電解質電池用添加剤に代えて、上記の固体電解質電池用添加剤の構成成分以外の電解質塩及びイオン液体又は有機溶媒を含有するものであってよい。負極合剤層12は、ポリマを更に含有していてもよい。負極合剤層12は、有機溶媒を含有している場合、有機溶媒をゲル化可能なポリマを更に含有していてもよい。負極活物質、イオン液体又は有機溶媒、ポリマ、及びゲル化可能なポリマの種類及び含有量は、上記と同様であってよい。
電解質塩は、固体電解質電池用添加剤で例示したもの(第1の電解質塩及び第2の電解質塩)と同様のものを使用することができる。電解質塩の種類及びイオン液体又は有機溶媒の単位体積あたりの電解質塩の濃度は、正極合剤層10の他の一実施形態と同様であってよい。
続いて、上述した二次電池1の製造方法について説明する。第1実施形態に係る二次電池1の製造方法は、第1の集電体9上に正極合剤層10を形成して正極6を得る第1の工程と、第2の集電体11上に負極合剤層12を形成して負極8を得る第2工程と、正極6と負極8との間に電解質層7を設ける第3の工程とを有する。なお、二次電池1は、正極6、電解質層7、及び負極8をこの順に備える電極群2を備えるものであるが、正極6、電解質層7、又は負極8のいずれかが上記の固体電解質電池用添加剤を更に含有するもであってよい。以下では、上記の固体電解質電池用添加剤を含有する正極6及び負極8と、上記の固体電解質電池用添加剤を含有しない電解質層7とを備える二次電池1の製造方法について主に説明する。
第1の工程において、正極は、一実施形態において、正極集電体上に、正極活物質を含む正極合剤中間層を形成する工程と、正極合剤中間層に対して、上記の固体電解質電池用添加剤を添加して、正極合剤層を形成する工程とを備える方法によって得ることができる。
正極合剤中間層は、例えば、正極活物質を含み、必要に応じて、ポリマ、導電剤、電解質塩、イオン液体等を含む材料を分散媒に分散させた正極合剤中間層形成用スラリを作製し、正極合剤中間層形成用スラリを正極集電体に塗布乾燥することによって得ることができる。分散媒は、組成物で例示したものと同様のものを使用することができる。
次いで、正極合剤中間層に対して、上記の固体電解質電池用添加剤を滴下、塗布、印刷等によって、正極合剤層を得ることができる。固体電解質電池用添加剤におけるイオン液体又は有機溶媒の単位体積当たりの第2の電解質塩の濃度及び第1の電解質塩の含有量は、固体電解質電池用添加剤に記載のものと同様であってよい。固体電解質電池用添加剤の添加量は、正極活物質全量に対して、1〜30質量%又は3〜20質量%であってよい。
正極は、他の一実施形態において、ポリマと、上記の固体電解質電池用添加剤と、正極活物質とを含有する組成物を、分散媒に分散させてスラリ状の正極合剤スラリを調製した後、得られた正極合剤スラリを第1の集電体9の主面上に塗布して乾燥させることによっても得ることができる。分散媒は、好ましくはN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤である。正極合剤スラリを第1の集電体9に塗布する方法は、例えば、アプリケータを用いて塗布する方法、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等、公知の塗布方法である。第1の集電体9上に塗布された正極合剤スラリを乾燥させる方法は、特に制限されず、通常用いられる方法で行うことができる。
第2の工程において、負極は、上述した第1の工程と同様の方法で得ることができる。すなわち、負極は、一実施形態において、負極集電体上に、負極活物質を含む負極合剤中間層を形成する工程と、負極合剤中間層に対して、上記の固体電解質電池用添加剤を添加して、負極合剤層を形成する工程とを備える方法によって得ることができる。この場合、固体電解質電池用添加剤の添加量は、負極活物質全量に対して、1〜30質量%又は3〜20質量%であってよい。負極は、他の一実施形態において、ポリマと、上記の固体電解質電池用添加剤と、負極活物質とを含有する組成物を、分散媒に分散させてスラリ状の負極合剤スラリを調製した後、得られた負極合剤スラリを第2の集電体11の主面上に塗布して乾燥させることによっても得ることができる。
電解質層7がポリマと、酸化物粒子と、イオン液体と、電解質塩とを含有する場合、当該電解質層7は、電解質層7に用いる材料(ポリマ、酸化物粒子、電解質塩、イオン液体等)を混練した後、ポリテトラフルオロエチレン等のシート状に形成された樹脂ではさみ、ロールを用いてプレスすることによってシート状の電解質層として得ることができる。この場合、第3の工程では、正極6、電解質層7、及び負極8を、例えば、ラミネートによって積層することによって二次電池1を得ることができる。このとき、電解質層7が、正極合剤層10の第1の集電体9と反対側の面と負極合剤層12の第2の集電体11と反対側の面とに接するように、すなわち、第1の集電体9、正極合剤層10、電解質層7、負極合剤層12、及び第2の集電体11がこの順で配置されるように積層する。
電解質層7がポリマと、酸化物粒子と、上記固体電解質電池用添加剤とを含有する場合、電解質層7に用いる材料(ポリマ、酸化物粒子、固体電解質電池用添加剤等)を混練する以外は、上記電解質層7の同様の方法によって、電解質層7は得ることができる。この場合も、第3の工程では、正極6、電解質層7、及び負極8を、例えば、ラミネートによって積層することによって二次電池1を得ることができる。
第3の工程では、他の一実施形態において、電解質層7は、正極合剤層10の第1の集電体9と反対側の面上、及び、負極合剤層12の第2の集電体11と反対側の面上の少なくとも一方に形成される。
電解質層7を正極合剤層10の第1の集電体9と反対側の面上に形成する方法としては、例えば、上述したシート状の電解質層をラミネートによって積層する方法、電解質層に用いる材料を分散媒に分散させてスラリ状の電解質スラリを調製した後、得られた電解質スラリを塗布して乾燥させる方法が挙げられる。電解質層7と正極合剤層10の密着性を更に向上させるため、電解質層7を形成した後、加熱処理、又は、プレス処理等の加圧処理が実施されていてもよい。これらの方法によって、第1の集電体9、正極合剤層10、及び電解質層7をこの順に備える第1の電池部材13(すなわち、正極部材)を製造することができる。なお、第1の電池部材13の電解質層7は、上記固体電解質電池用添加剤を含有していても含有していてなくてもよい。その後、第1の電池部材13の電解質層7と、負極8の負極合剤層12とが接するように積層することによって、二次電池1を得ることができる。
電解質層7を負極8の負極合剤層12側の面上に形成する方法は、上述の電解質層7を正極合剤層10の第1の集電体9と反対側の面上に形成する方法と同様であってよい。これらの方法によって、第2の集電体11、負極合剤層12、及び電解質層7をこの順に備える第2の電池部材14(すなわち、負極部材)を製造することができる。その後、第2の電池部材14の電解質層7と、正極6の正極合剤層10とが接するように積層することによって、二次電池1を得ることができる。
一実施形態では、電解質層7を、上述した方法によって正極合剤層10の第1の集電体9と反対側の面上、及び、負極合剤層12の第2の集電体11と反対側の面上の両方に形成して、第1の電池部材13及び第2の電池部材14を得た後、両電池部材を、それぞれの電解質層7同士が接するように積層することによっても、二次電池1を得ることができる。
[二次電池:第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る二次電池について説明する。図4は、第2実施形態に係る二次電池の電極群を示す分解斜視図である。図4では、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図4に示すように、第2実施形態における二次電池が第1実施形態における二次電池と異なる点は、電極群2Bが、バイポーラ電極15を更に備えている点である。すなわち、電極群2Bは、正極6と、第1の電解質層7と、バイポーラ電極15と、第2の電解質層7と、負極8とをこの順に備えている。
バイポーラ電極15は、第3の集電体16と、第3の集電体16の負極8側の面に設けられた正極合剤層10と、第3の集電体16の正極6側の面に設けられた負極合剤層12とを備えている。
第2実施形態の二次電池において、電極群2Bには、第1の電解質層7と、バイポーラ電極15と、第2の電解質層7とをこの順に備える第3の電池部材(バイポーラ電極部材)が含まれていると見ることができる。図5は、第3の電池部材(バイポーラ電極部材)を示す模式断面図である。図5に示すように、第3の電池部材17は、第3の集電体16と、第3の集電体16の一方の面上に設けられた正極合剤層10と、正極合剤層10上における第3の集電体16と反対側に設けられた第2の電解質層7と、第3の集電体16の他方の面上に設けられた負極合剤層12と、負極合剤層12上における第3の集電体16と反対側に設けられた第1の電解質層7とを備えている。
第3の集電体16は、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、チタン等の金属単体、アルミニウムと銅又はステンレス鋼と銅を圧延接合してなるクラッド材などで形成されている。
第1の電解質層7と第2の電解質層7とは、互いに同種であっても異種であってもよく、好ましくは、互いに同種である。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[固体電解質電池用添加剤の調製]
(実施例1−1)
Li[FSI](第2の電解質塩)及び[EMI][FSI](1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、イオン液体)を用意し、濃度が1.5mol/Lとなるように混合し撹拌することによって、第2の電解質塩溶液を調製した。調製した第2の電解質塩溶液全量に対して、0.5質量%のLi[DFOB](第1の電解質塩)を添加することによって、実施例1−1の添加剤を得た。
(比較例1−1)
Li[FSI](第2の電解質塩)及び[EMI][FSI](イオン液体)を用意し、濃度が1.5mol/Lとなるように混合し撹拌することによって、電解質塩溶液を調製した。調製した電解質塩溶液を比較例1−1の添加剤として用いた。
(比較例1−2)
Li[DFOB](第1の電解質塩)及び[EMI][FSI](イオン液体)を用意し、濃度が1.0mol/Lとなるように混合し撹拌することによって、電解質塩溶液を調製した。調製した電解質塩溶液を比較例1−2の添加剤として用いた。なお、比較例1−2の添加剤は、撹拌時において、無色透明液体であったが、静置後にゾル化した。また、濃度が1.5mol/Lとなるように混合した場合、Li[DFOB]は[EMI][FSI]に不溶であった。
[二次電池の作製]
(実施例2−1)
<正極の作製>
層状型リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物(正極活物質)92.5質量部と、アセチレンブラック(導電剤、製品名:HS−100、平均粒径48nm、デンカ株式会社製)2.5質量部と、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ(ポリマ、PVDF−HFP)溶液(固形分12質量%)5質量部とを、分散媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)適量に分散させて正極合剤スラリを調製した。この正極合剤スラリを正極集電体(厚さ20μmのアルミニウム箔)上に塗工量125g/mで塗工し、80℃で12時間加熱して乾燥させ、プレスすることによって、合剤密度2.7g/cmの正極合剤中間層を形成した。これを幅30mm、長さ45mmに切断してから、正極集電タブを取り付けた。その後、形成した正極合剤中間層に対して、実施例1−1の添加剤を添加し、正極を作製した。なお、添加剤は、正極活物質全量に対して、15質量%添加した。
<電解質層の作製>
フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンのコポリマ(ポリマ、PVDF−HFP)溶液(固形分12質量%)34質量部と、SiO粒子(酸化物粒子、製品名:AEROSIL RX50、日本アエロジル株式会社製、比表面積:35m/g、平均一次粒径:約40nm)23質量部と、Li[TFSI](電解質塩)、及び[EMI][TFSI](イオン液体)の1.5mol/Lのイオン液体溶液43質量部と、セルロース繊維(平均長さ50μm、平均繊維径0.1μm)1質量部とを、分散媒である1−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させ、電解質スラリを調製した。得られた電解質スラリをポリエチレンテレフタレート製の基材(製品名:ルミラーS、東レ株式会社製)上にアプリケータを用いて塗布した。塗布した電解質スラリを80℃で1時間加熱乾燥することによって、分散媒を揮発させて、電解質シートを得た。得られた電解質シートにおける電解質層の厚さは、20μmであった。電解質シートを幅40mm、長さ55mmに切断して、電解質層として用いた。
<負極の作製>
黒鉛(負極活物質、日立化成株式会社製)92質量部と、アセチレンブラック(導電剤、製品名:HS−100、平均粒径48nm、デンカ株式会社製)3質量部と、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンのコポリマ(ポリマ、PVDF−HFP)溶液(固形分12質量%)5質量部とを、分散媒であるNMP適量に分散させて負極合剤スラリを調製した。この負極合剤スラリを集電体(厚さ10μmの銅箔)上に塗工量60g/mで塗工し、80℃で12時間加熱して乾燥させ、プレスすることによって、合剤密度1.8g/cmの負極合剤中間層を形成させた。これを幅31mm、長さ46mmに切断してから、負極集電タブを取り付けた。その後、形成した負極合剤中間層に、実施例1−1の添加剤をし、負極を作製した。なお、添加剤は、負極活物質全量に対して、20質量%添加した。
<二次電池の作製>
作製した負極上に、電解質層を積層した。次いで、電解質層上に正極を配置することによって電極群を作製した。この電極群を、図1に示すように、アルミニウム製のラミネートフィルムで構成された電池外装体内に収容した。この電池外装体内に、上記の正極集電タブと負極集電タブとを外部に取り出すようにして電池容器の開口部を封口し、実施例2−1の二次電池を得た。なお、アルミニウム製のラミネートフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム/アルミニウム箔/シーラント層(ポリプロピレン等)の積層体である。
(比較例2−1)
実施例1−1の添加剤を比較例1−1の添加剤に変更した以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−1の二次電池を作製した。
(比較例2−2)
実施例1−1の添加剤を比較例1−2の添加剤に変更した以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−2の二次電池を作製した。
[二次電池の評価]
<放電特性の評価>
得られた実施例2−1及び比較例2−1、2−2の二次電池について、25℃での充電容量及び放電容量を、以下の充放電条件下で充放電装置(東洋システム株式会社製)を用いて測定した。終止電圧4.2V、0.1Cで定電流定電圧(CCCV)充電を行った後、0.1Cで終止電圧2.7Vまで定電流(CC)放電するサイクルを1サイクル行い、1回目の充電容量及び1回目の放電容量を求めた。なお、Cとは「電流値(A)/電池容量(Ah)」を意味する。1回目の充電容量及び1回目の放電容量から、1回目の充電容量に対する1回目の放電容量の比率(1回目の放電容量/1回目の充電容量)を算出し、これを1回目の充放電効率(%)とした。結果を表1に示す。なお、比較例2−2の二次電池においては、上記充放電条件下で充放電することができなかった。次いで、1回目の充放電効率を求めることが可能であった実施例2−1及び比較例2−1の二次電池について、同様の充放電条件下で充電及び放電のサイクルを再度行い、2回目の充電容量及び2回目の放電容量を求めた。2回目の充電容量及び2回目の放電容量から、2回目の充電容量に対する2回目の放電容量の比率(2回目の放電容量/2回目の充電容量)を算出し、これを2回目の充放電効率(%)とした。結果を表1に示す。
Figure 2020202020
図6は、実施例2−1の1回目及び2回目の充放電曲線を示すグラフであり、図7は、比較例2−1の1回目及び2回目の充放電曲線を示すグラフである。実施例2−1では、図6に示すとおり、1回目と2回目との充放電曲線がほぼ重なり、表1に示すとおり、1回目と2回目との充放電効率が同等であった。これに対して、比較例2−1では、図7に示すとおり、1回目と2回目との充放電曲線が重なっておらず、表1に示すとおり、1回目の充放電効率が、2回目の充放電効率に比べて、低くなっていた。これらの結果から、本発明の固体電解質電池用添加剤が、初期の充放電特性におけるばらつきを抑制することが可能であることが確認された。
1…二次電池、2,2A,2B…電極群、3…電池外装体、4…正極集電タブ、5…負極集電タブ、6…正極、7…電解質層、8…負極、9…第1の集電体、10…正極合剤層、11…第2の集電体、12…負極合剤層、13…第1の電池部材、14…第2の電池部材、15…バイポーラ電極、16…第3の集電体、17…第3の電池部材。

Claims (10)

  1. 下記式(A)で表されるアニオン成分又は下記式(B)で表されるアニオン成分を有する第1の電解質塩と、
    前記第1の電解質塩と異なる電解質塩である第2の電解質塩と、
    イオン液体又は有機溶媒と、
    を含有する、固体電解質電池用添加剤。
    Figure 2020202020

    [式(1)中、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子を示す。]
    Figure 2020202020
  2. 前記第2の電解質塩のアニオン成分が、N(SOF) 、N(SOCF 、PF 、BF 、及びClO からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の固体電解質電池用添加剤。
  3. ポリマと、
    請求項1又は2に記載の固体電解質電池用添加剤と、
    を含有する、組成物。
  4. 電極活物質を更に含有する、請求項3に記載の組成物。
  5. 酸化物粒子を更に含有する、請求項3に記載の組成物。
  6. シート状である、請求項5に記載の組成物。
  7. 集電体と、
    前記集電体上に設けられた電極合剤層と、
    を備え、
    前記電極合剤層が、電極活物質と、請求項1又は2に記載の固体電解質電池用添加剤とを含有する、二次電池用電極。
  8. 集電体と、前記集電体上に設けられた電極合剤層とを備える二次電池用電極の製造方法であって、
    前記集電体上に、電極活物質を含む電極合剤中間層を形成する工程と、
    前記電極合剤中間層に対して、請求項1又は2に記載の固体電解質電池用添加剤を添加して、電極合剤層を形成する工程と、
    を備える、二次電池用電極の製造方法。
  9. 集電体と、
    前記集電体上に設けられた電極合剤層と、
    前記電極合剤層上に設けられた電解質層と、
    をこの順で備え、
    前記電極合剤層が、電極活物質を含有し、
    前記電解質層が、ポリマと、酸化物粒子とを含有し、
    前記電極合剤層又は前記電解質層の少なくとも一方が、請求項1又は2に記載の固体電解質電池用添加剤を更に含有する、二次電池用電池部材。
  10. 請求項7に記載の二次電池用電極、又は、請求項9に記載の二次電池用電池部材を備える、二次電池。
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