以下、本発明の実施形態について説明する。
〔粘着性組成物〕
本実施形態に係る粘着性組成物は、粘着主剤と、活性エネルギー線硬化性成分とを含有し、当該粘着主剤のガラス転移温度(Tg)は、−25℃以下である。また、本実施形態に係る粘着性組成物は、上記活性エネルギー線硬化性成分として、ポリアルキレングリコール骨格を有する2官能または3官能の(メタ)アクリレートを含有する。なお、粘着主剤のガラス転移温度(Tg)は、粘着主剤である重合体を構成する各モノマーのホモポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)に基づき、FOXの式により算出したものとする。
本実施形態に係る粘着性組成物が上記の構成を有することにより、得られる粘着剤は、段差追従性および耐湿熱白化性に優れる。
具体的には、本実施形態に係る粘着性組成物における粘着主剤のガラス転移温度(Tg)が−25℃以下であることにより、得られる粘着剤は、柔軟性が高いものとなる。また、当該粘着剤は、活性エネルギー線照射前であることにより、未だ硬化しておらず、上記の柔軟性が保持されている。これにより、当該粘着剤は、段差追従性、特に貼合時における段差追従性(初期の段差追従性)が優れたものとなる。
上記の観点から、粘着主剤のガラス転移温度(Tg)は、−30℃以下が好ましく、特に−35℃以下が好ましい。なお、当該ガラス転移温度(Tg)の下限値は特に限定されないが、高温高湿条件下における段差追従性および耐ブリスター性の観点から、−100℃以上が好ましく、特に−60℃以上が好ましく、さらには−40℃以上が好ましい。
また、本実施形態に係る粘着性組成物が含有するポリアルキレングリコール骨格を有する2官能または3官能の(メタ)アクリレートは、優れた親水性を示すとともに、硬化後も柔軟な骨格を有する。このような成分が粘着剤中に存在すると、粘着剤が高温高湿条件下に置かれた場合でも、その高温高湿条件下で粘着剤に浸入した水分が、常温常湿に戻ったときに粘着剤から抜け易くなるものと推定され、その結果、粘着剤の白化が抑制される。したがって、本実施形態に係る粘着性組成物から得られる粘着剤は、耐湿熱白化性にも優れる。
さらに、上記ポリアルキレングリコール骨格を有する2官能または3官能の(メタ)アクリレートは、可塑剤としての作用も発揮するため、当該成分を含有する粘着剤は、貼合時における段差追従性がより優れたものとなる。
さらにまた、本実施形態に係る粘着性組成物から得られる活性エネルギー線硬化性の粘着剤は、被着体に貼付した後、活性エネルギー線を照射することにより、硬化して、所定の硬度および粘着力を発揮する。これにより、高温高湿条件下における段差追従性が優れたものとなる。また、併せて、耐ブリスター性も優れたものとなる。
例えば、本実施形態に係る粘着性組成物から得られる活性エネルギー線硬化性粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着シートを、段差を有する表示体構成部材に貼付したときに、当該粘着剤層は段差に追従し易く、段差近傍に隙間、浮き等が生じることが抑制される。そして、当該段差を有する表示体構成部材(例えばガラス板)と、他の表示体構成部材(例えばプラスチック板)とを上記粘着剤層によって貼合した後、当該粘着剤層を活性エネルギー線照射により硬化させて硬化後粘着剤層とする。このようにして、2つの表示体構成部材を硬化後粘着剤層により貼合してなる構成体が得られる。当該構成体は、高温高湿条件下、例えば、85℃、85%RH条件下に72時間置いた場合でも、段差近傍に気泡、浮き、剥がれ等が発生することが抑制される。また、粘着剤層と表示体構成部材(特にプラスチック板)との界面において気泡、浮き、剥がれ等のブリスターが発生することも抑制される。さらに、上記の高温高湿条件下から取り出した構成体においては、ヘイズ値の上昇、すなわち白化が抑えられる。
なお、本明細書における「段差追従性」には、粘着剤層と被着体との間に異物が存在する場合に、当該異物の周辺に気泡、浮き、剥がれ等が発生することが抑制される、異物埋め込み性の概念も含まれるものとする。
本実施形態に係る粘着性組成物における粘着主剤の種類は、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系、シリコーン系等のいずれであってもよいが、段差追従性および耐湿熱白化性の観点から、アクリル系が好ましい。すなわち、本実施形態に係る粘着性組成物における粘着主剤は、具体的には、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)であることが好ましい。したがって、本実施形態に係る粘着性組成物(以下「粘着性組成物P」という場合がある。)は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、ポリアルキレングリコール骨格を有する2官能または3官能の(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化性成分(C)とを含有することが好ましく、さらに架橋剤(B)を含有することが好ましい。また、粘着性組成物Pは、活性エネルギー線硬化性成分(C)として、ポリアルキレングリコール骨格を有する2官能の(メタ)アクリレート(C1)と、ポリアルキレングリコール骨格を有しない3官能以上の(メタ)アクリレート(C2)とを含有することが特に好ましい。
1.構成成分
(1)(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマーとして、分子内に反応性官能基を有する反応性官能基含有モノマーを含有することが好ましい。この反応性官能基含有モノマーを含有することで、当該反応性官能基含有モノマー由来の反応性官能基を介して、後述する架橋剤(B)と反応し、これにより架橋構造(三次元網目構造)が形成され、所定の凝集力を有する粘着剤が得られる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が、当該重合体を構成するモノマー単位として含有する反応性官能基含有モノマーとしては、分子内に水酸基を有するモノマー(水酸基含有モノマー)、分子内にカルボキシ基を有するモノマー(カルボキシ基含有モノマー)、分子内にアミノ基を有するモノマー(アミノ基含有モノマー)などが好ましく挙げられる。これらの反応性官能基含有モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記反応性官能基含有モノマーの中でも、水酸基含有モノマーおよびカルボキシ基含有モノマーが好ましく、ガラス転移温度(Tg)の観点から水酸基含有モノマーが特に好ましい。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。中でも、架橋剤との反応性およびガラス転移温度(Tg)の観点から、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルまたは(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが好ましく、特にアクリル酸2−ヒドロキシエチルまたはアクリル酸4−ヒドロキシブチルが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、反応性官能基含有モノマーを、下限値として5質量%以上含有することが好ましく、特に8質量%以上含有することが好ましく、さらには12質量%以上含有することが好ましい。特に(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、水酸基含有モノマーを上記の量で含有することが好ましい。これにより、粘着シート1が高温高湿条件下における段差追従性および耐湿熱白化性により優れるとともに、活性エネルギー線硬化性成分(C)との相溶性が良好なものとなり、得られる粘着剤の透明性が向上する。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、反応性官能基含有モノマーを、上限値として35質量%以下含有することが好ましく、特に24質量%以下含有することが好ましい。これにより、反応性官能基含有モノマー以外のモノマーの含有量を十分に確保することが可能となり、得られる粘着剤の粘着性がより優れたものとなる。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)のガラス転移温度(Tg)を好適な値に調整できる観点から、反応性官能基含有モノマーを、20質量%以下含有することがさらに好ましく、18質量%以下含有することが最も好ましい。これにより、得られる粘着シートは、初期の段差追従性および高温高湿条件下における段差追従性により優れたものとなる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、カルボキシ基含有モノマーを含まないことも好ましい。カルボキシ基は酸成分であるため、カルボキシ基含有モノマーを含有しないことにより、粘着剤の貼付対象に、酸により不具合が生じるもの、例えばスズドープ酸化インジウム(ITO)等の透明導電膜や、金属膜、金属メッシュなどが存在する場合にも、酸によるそれらの不具合(腐食、抵抗値変化等)を抑制することができる。
ここで、「カルボキシ基含有モノマーを含まない」とは、カルボキシ基含有モノマーを実質的に含有しないことを意味し、カルボキシ基含有モノマーを全く含有しない他、カルボキシ基による透明導電膜や金属配線等の腐食が生じない程度にカルボキシ基含有モノマーを含有することを許容するものである。具体的には、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)中に、モノマー単位として、カルボキシ基含有モノマーを0.1質量%以下、好ましくは0.01質量%以下、さらに好ましくは0.001質量%以下の量で含有することを許容するものである。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有することが好ましい。これにより、良好な粘着性を発現することができる。アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であってもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、粘着性の観点から、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
上記の中でも、粘着力を効率的に付与する観点から、アルキル基の炭素数が2〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましく、アルキル基の炭素数が5〜10のアクリル酸アルキルエステルが特に好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルおよび(メタ)アクリル酸イソオクチルが好ましく挙げられ、アクリル酸2−エチルヘキシルおよびアクリル酸イソオクチルがより好ましく挙げられ、ガラス転移温度(Tg)の観点から、アクリル酸2−エチルヘキシルが特に好ましく挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、粘着性を付与する観点から、当該重合体を構成するモノマー単位として、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを40質量%以上含有することが好ましく、特に50質量%以上含有することが好ましく、さらには55質量%以上含有することが好ましい。また、他の成分の配合量を確保する観点から、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを90質量%以下含有することが好ましく、85質量%以下含有することがより好ましく、特に75質量%以下含有することが好ましく、さらには65質量%以下含有することが好ましい。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、脂環式構造を有するモノマー(脂環式構造含有モノマー)を含有することが好ましい。脂環式構造含有モノマーを含有することにより、その嵩高い官能基により(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)間の距離を広げ、活性エネルギー線硬化前の粘着剤の柔軟性をより高くし易く、それによって貼合時における段差追従性(初期の段差追従性)をより優れたものにすることができる。さらに、活性エネルギー線硬化後の粘着剤(以下「硬化後粘着剤」という場合がある。)においても柔軟性を発揮し易く、高温高湿条件下における段差追従性をより優れたものにすることができる。また、前述した柔軟性により、被着体界面への追従性にも優れることから、気泡の発生を抑え、耐ブリスター性にも優れるものとなる。
脂環式構造の炭素環は、飽和構造のものであってもよいし、不飽和結合を有するものであってもよい。また、脂環式構造は、単環の脂環式構造であってもよいし、二環、三環等の多環の脂環式構造であってもよい。脂環式構造の炭素数は、5〜20であることが好ましく、特に6〜15であることが好ましく、さらには7〜12であることが好ましい。
脂環式構造としては、例えば、シクロヘキシル骨格、ジシクロペンタジエン骨格、アダマンタン骨格、イソボルニル骨格、シクロアルカン骨格(シクロヘプタン骨格、シクロオクタン骨格、シクロノナン骨格、シクロデカン骨格、シクロウンデカン骨格、シクロドデカン骨格等)、シクロアルケン骨格(シクロヘプテン骨格、シクロオクテン骨格等)、ノルボルネン骨格、ノルボルナジエン骨格、多環式骨格(キュバン骨格、バスケタン骨格、ハウサン骨格等)、スピロ骨格などを含むものが好ましく挙げられる。中でも、段差追従性をさらに優れたものとする観点から、アダマンタン骨格およびイソボルニル骨格を含むものが好ましい。
上記脂環式構造含有モノマーとしては、上記の骨格を含む(メタ)アクリル酸エステルモノマーが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸イソボルニルが好ましく、特にアクリル酸イソボルニルが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、得られる硬化後粘着剤の柔軟性をより高くする観点から、当該重合体を構成するモノマー単位として、脂環式構造含有モノマーを3質量%以上含有することが好ましく、8質量%以上含有することがさらに好ましく、12質量%以上含有することが特に好ましい。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、他の成分の配合量を確保する観点から、脂環式構造含有モノマーの含有量を30質量%以下とすることが好ましく、22質量%以下とすることがさらに好ましく、18質量%以下とすることが特に好ましい。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、窒素原子含有モノマーを含有することが好ましい。窒素原子含有モノマーを含有することにより、ガラス等の被着体への密着性を向上させることができる。窒素原子含有モノマーとしては、アミノ基を有するモノマー、アミド基を有するモノマー、窒素含有複素環を有するモノマーなどが挙げられ、中でも、窒素含有複素環を有するモノマーが好ましい。また、構成される粘着剤の高次構造中で上記窒素原子含有モノマー由来部分の自由度を高める観点から、当該窒素原子含有モノマーは、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を形成するための重合に使用される1つの重合性基以外に反応性不飽和二重結合基を含有しないことが好ましい。
窒素含有複素環を有するモノマーとしては、例えば、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルアジリジン、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピラジン、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルフタルイミド等が挙げられ、中でも、より優れた粘着力を発揮するN−(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましく、特にN−アクリロイルモルホリンが好ましい。
なお、窒素原子含有モノマーとして、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等を使用することもできる。
以上の窒素原子含有モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、ガラス等の被着体への密着性を向上させる観点から、当該重合体を構成するモノマー単位として、窒素原子含有モノマーを1質量%以上含有することが好ましく、4質量%以上含有することがより好ましく、8質量%以上含有することが特に好ましい。また、窒素原子含有モノマーの含有量は、他の成分の配合量を確保する観点から、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、12質量%以下であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、溶液重合法によって得られた溶液重合物であることが好ましい。溶液重合物であることにより高分子量のポリマーが得やすく、高温高湿条件下における段差追従性により優れた粘着剤が得られる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合態様は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重量平均分子量は、下限値として20万以上であることが好ましく、特に30万以上であることが好ましく、さらには40万以上であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重量平均分子量の下限値が上記であると、得られる粘着剤の高温高湿条件下における段差追従性がより優れたものとなる。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重量平均分子量は、上限値として90万以下であることが好ましく、特に85万以下であることが好ましく、さらには80万以下であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重量平均分子量の上限値が上記であると、得られる粘着剤の初期の段差追従性がより優れたものとなる。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
なお、粘着性組成物Pにおいて、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る粘着性組成物P中における(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、特に75質量%以上であることが好ましく、さらには80質量%以上であることが好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の含有量は、99質量%以下であることが好ましく、特に97質量%以下であることが好ましく、さらには95質量%以下であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の含有量が上記範囲にあることにより、活性エネルギー線硬化性成分(C)の含有量も好適な範囲となり、段差追従性および耐湿熱白化性がより優れたものとなる。
(2)架橋剤(B)
架橋剤(B)は、粘着性組成物Pの加熱により(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を架橋し、三次元網目構造の架橋構造を良好に形成することが可能となる。これにより、所定の凝集力を有する粘着剤が得られ、高温高湿条件下における段差追従性および耐ブリスター性がより優れたものとなる。
上記架橋剤(B)としては、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が有する反応性官能基と反応するものであればよく、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アミン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、アンモニウム塩系架橋剤等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が構成モノマー単位として水酸基含有モノマーを含有する場合には、架橋剤(B)としては、水酸基との反応性に優れたイソシアネート系架橋剤を使用することが好ましい。なお、架橋剤(B)は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
イソシアネート系架橋剤は、少なくともポリイソシアネート化合物を含むものである。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などが挙げられる。中でも水酸基との反応性の観点から、トリメチロールプロパン変性の芳香族ポリイソシアネート、特にトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートおよびトリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネートが好ましい。
粘着性組成物P中における架橋剤(B)の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、特に0.05質量部以上であることが好ましく、さらには0.1質量部以上であることが好ましい。また、当該含有量は、1.0質量部以下であることが好ましく、特に0.8質量部以下であることが好ましく、さらには0.5質量部以下であることが好ましい。架橋剤(B)の含有量が上記であると、所定の架橋構造が形成され、得られる粘着剤の高温高湿条件下における段差追従性がより優れたものとなる。
(3)活性エネルギー線硬化性成分(C)
本実施形態における粘着性組成物Pは、ポリアルキレングリコール骨格を有する2官能または3官能の(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化性成分(C)を含有する。粘着性組成物Pを架橋してなる粘着剤において、活性エネルギー線硬化性成分(C)は未反応のまま存在する。当該粘着剤に対して活性エネルギー線を照射すると、粘着剤中の活性エネルギー線硬化性成分(C)は、不飽和二重結合の開裂により重合し、それにより粘着剤が硬化する。
本実施形態における粘着性組成物Pは、活性エネルギー線硬化性成分(C)として、ポリアルキレングリコール骨格を有する2官能の(メタ)アクリレートのみを含有してもよいし、ポリアルキレングリコール骨格を有する3官能の(メタ)アクリレートのみを含有してもよいし、ポリアルキレングリコール骨格を有する2官能の(メタ)アクリレートと、ポリアルキレングリコール骨格を有する3官能の(メタ)アクリレートとを含有してもよいし、ポリアルキレングリコール骨格を有する2官能の(メタ)アクリレートおよび/またはポリアルキレングリコール骨格を有する3官能の(メタ)アクリレートと、ポリアルキレングリコール骨格を有しない(メタ)アクリレートとを含有してもよい。ポリアルキレングリコール骨格を有しない(メタ)アクリレートは、単官能のものであってもよいし、2官能のものであってもよいし、3官能以上のものであってもよい。上記形態の中でも、ポリアルキレングリコール骨格を有する2官能の(メタ)アクリレート(C1)と、ポリアルキレングリコール骨格を有しない3官能以上の(メタ)アクリレート(C2)とを含有することが特に好ましい。
活性エネルギー線硬化性成分(C)として、ポリアルキレングリコール骨格を有する2官能の(メタ)アクリレート(C1)と、ポリアルキレングリコール骨格を有しない3官能以上の(メタ)アクリレート(C2)とを含有する粘着性組成物Pを架橋してなる粘着剤に対して活性エネルギー線を照射すると、C1成分同士およびC2成分同士が重合し、またはC1成分およびC2成分が重合する。
上記のようにポリアルキレングリコール骨格を有する2官能の(メタ)アクリレート(C1)と、ポリアルキレングリコール骨格を有しない3官能以上の(メタ)アクリレート(C2)とを含有すると、硬化後の粘着剤は、ポリアルキレングリコール骨格を有する2官能の(メタ)アクリレート(C1)由来の柔軟性を発現する構造と、ポリアルキレングリコール骨格を有しない3官能以上の(メタ)アクリレート(C2)由来の比較的堅硬な構造とを併せ持った架橋構造を有するものとなる。これにより、適度な柔軟性および凝集力を両立した硬化後粘着剤を得ることができ、高温高湿条件下での段差追従性をより優れたものにすることができ、さらには耐ブリスター性をより優れたものにすることができる。
(3−1)(メタ)アクリレート(C1)
本実施形態における(メタ)アクリレート(C1)は、ポリアルキレングリコール骨格を有する2官能の(メタ)アクリレートである。ポリアルキレングリコール骨格のポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のホモポリマーや、エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体等のコポリマーが挙げられる。これらの中でも、耐湿熱白化性の観点から、ポリエチレングリコールが好ましい。
ポリアルキレングリコール骨格の重量平均分子量は、100以上であることが好ましく、特に150以上であることが好ましく、さらには200以上であることが好ましい。また、ポリアルキレングリコール骨格の重量平均分子量は、5000以下であることが好ましく、特に4000以下であることが好ましく、さらには3000以下であることが好ましく、得られる粘着剤の光学特性の観点からは1000未満であることが好ましく、800以下であることが特に好ましく、500以下が最も好ましい。ポリアルキレングリコール骨格の重量平均分子量が上記の範囲にあることにより、耐湿熱白化性および段差追従性がより優れたものとなる。また、他の成分(特にアクリル酸エステル共重合体(A))との相溶性に優れ、粘着剤の光学特性(ヘイズ値)を良好なものにすることができる。
(メタ)アクリレート(C1)としては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリイソブチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記の中でも、耐湿熱白化性および段差追従性の観点から、ポリエチレングリコールジアクリレートまたはポリエチレングリコールジメタクリレートが好ましく、さらに耐ブリスター性の観点からはポリエチレングリコールジメタクリレートが特に好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着性組成物P中における(メタ)アクリレート(C1)(およびポリアルキレングリコール骨格を有する3官能の(メタ)アクリレート)の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、2質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることが特に好ましく、6質量部以上であることがさらに好ましい。また、上記含有量は、15質量部以下であることが好ましく、12質量部以下であることが特に好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。(メタ)アクリレート(C1)の含有量が上記範囲にあることにより、硬化後粘着剤の耐湿熱白化性および段差追従性がより優れたものとなる。
(3−2)(メタ)アクリレート(C2)
本実施形態における(メタ)アクリレート(C2)は、ポリアルキレングリコール骨格を有しない3官能以上の(メタ)アクリレートである。すなわち、(メタ)アクリレート(C2)中における不飽和二重結合の数は、3つ以上である。不飽和二重結合の数の上限は特に限定されないが、通常は9つ以下であることが好ましく、特に6つ以下であることが好ましく、さらには4つ以下であることが好ましい。
(メタ)アクリレート(C2)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート等の3官能型;ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能型;プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の5官能型;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能型などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)との相溶性の観点から、(メタ)アクリレート(C2)は、分子量1000未満のものが好ましい。
上記の中でも、硬化後粘着剤の高温高湿条件下における段差追従性および耐ブリスター性の観点から、3官能の(メタ)アクリレートが好ましく、特に、分子内にイソシアヌレート構造を有する3官能の(メタ)アクリレートが好ましい。具体的には、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートが好ましく、特に、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートが好ましい。
粘着性組成物P中における(メタ)アクリレート(C2)の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることが特に好ましく、3質量部以上であることがさらに好ましい。また、上記含有量は、15質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることが特に好ましく、8質量部以下であることがさらに好ましい。(メタ)アクリレート(C2)の含有量が上記範囲にあることにより、硬化後粘着剤の段差追従性および耐ブリスター性がより優れたものとなる。
また、粘着性組成物P中における(メタ)アクリレート(C1)の含有量と(メタ)アクリレート(C2)との質量比は、1:0.01〜1:5であることが好ましく、1:0.05〜1:4であることがより好ましく、特に1:0.1〜1:3であることが好ましく、さらには1:0.2〜1:0.9であることが好ましく、1:0.4〜1:0.7であることが最も好ましい。上記質量比が上記の範囲内にあることにより、耐湿熱白化性および段差追従性をより優れたものにすることができる。
さらに、粘着性組成物P中における活性エネルギー線硬化性成分(C)の含有量((メタ)アクリレート(C1)および(メタ)アクリレート(C2)の合計量)は、耐湿熱白化性および段差追従性をより優れたものにする観点から、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、下限値として1質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましく、7質量部以上であることが特に好ましく、9質量部以上であることがさらに好ましく、10質量部以上であることが最も好ましい。一方、上記含有量は、粘着力および(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)との相溶性の観点から、上限値として30質量部以下であることが好ましく、25質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが特に好ましく、13質量部以下であることがさらに好ましい。
(4)光重合開始剤(D)
粘着性組成物Pから得られる活性エネルギー線硬化性の粘着剤を硬化させるのに使用する活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、粘着性組成物Pは、さらに光重合開始剤(D)を含有することが好ましい。このように光重合開始剤(D)を含有することにより、活性エネルギー線硬化性成分(C)を効率良く重合させることができ、また重合硬化時間および活性エネルギー線の照射量を少なくすることができる。
このような光重合開始剤(D)としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の中でも、紫外線吸収剤を含有するプラスチック板越しに紫外線照射した場合でも、開裂し易く、粘着剤を確実に硬化させ易い、フォスフィンオキサイド系の光重合開始剤が好ましい。具体的には、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が好ましい。
粘着性組成物P中における光重合開始剤(D)の含有量は、活性エネルギー線硬化性成分(C)100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、特に3質量部以上であることが好ましく、さらには6質量部以上であることが好ましい。また、光重合開始剤(D)の含有量は、30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、特に10質量部以下であることが好ましく、さらには8質量部以下であることが好ましく、7質量部以下であることが最も好ましい。
(5)シランカップリング剤(E)
粘着性組成物Pは、さらにシランカップリング剤(E)を含有することが好ましい。これにより、被着体がプラスチック板であっても、ガラス部材であっても、当該被着体との密着性が向上し、段差追従性および耐ブリスター性がより優れたものとなる。
シランカップリング剤(E)としては、分子内にアルコキシシリル基を少なくとも1個有する有機ケイ素化合物であって、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)との相溶性がよく、光透過性を有するものが好ましい。
かかるシランカップリング剤(E)としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基含有ケイ素化合物、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン等のメルカプト基含有ケイ素化合物、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、あるいはこれらの少なくとも1つと、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有ケイ素化合物との縮合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着性組成物P中におけるシランカップリング剤(E)の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、特に0.05質量部以上であることが好ましく、さらには0.1質量部以上であることが好ましい。また、当該含有量は、2質量部以下であることが好ましく、特に1質量部以下であることが好ましく、さらには0.5質量部以下であることが好ましい。
(6)各種添加剤
粘着性組成物Pには、所望により、アクリル系粘着剤に通常使用されている各種添加剤、例えば紫外線吸収剤、帯電防止剤、粘着付与剤、酸化防止剤、光安定剤、軟化剤、充填剤、屈折率調整剤、防錆剤などを添加することができる。なお、後述の重合溶媒や希釈溶媒は、粘着性組成物Pを構成する添加剤に含まれないものとする。
2.粘着性組成物の製造
粘着性組成物Pは、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を製造し、得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、架橋剤(B)と、活性エネルギー線硬化性成分(C)((メタ)アクリレート(C1)および(メタ)アクリレート(C2))とを混合するとともに、所望により、光重合開始剤(D)、シランカップリング剤(E)および添加剤を加えることで製造することができる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、重合体を構成するモノマーの混合物を通常のラジカル重合法で重合することにより製造することができる。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合は、所望により重合開始剤を使用して、溶液重合法により行うことが好ましい。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、無溶剤にて重合してもよい。重合溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、アゾ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。アゾ系化合物としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等が挙げられる。
なお、上記重合工程において、2−メルカプトエタノール等の連鎖移動剤を配合することにより、得られる重合体の重量平均分子量を調節することができる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が得られたら、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の溶液に、架橋剤(B)、活性エネルギー線硬化性成分(C)((メタ)アクリレート(C1)および(メタ)アクリレート(C2))、ならびに所望により光重合開始剤(D)、シランカップリング剤(E)、添加剤を添加し、十分に混合することにより、溶剤で希釈された粘着性組成物P(塗布溶液)を得ることができる。なお、上記各成分のいずれかにおいて、固体状のものを用いる場合、あるいは、希釈されていない状態で他の成分と混合した際に析出を生じる場合には、その成分を単独で予め希釈溶媒に溶解もしくは希釈してから、その他の成分と混合してもよい。
上記希釈溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤などが用いられる。
このようにして調製された塗布溶液の濃度・粘度としては、コーティング可能な範囲であればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。例えば、粘着性組成物Pの濃度が10〜60質量%となるように希釈する。なお、塗布溶液を得るに際して、希釈溶剤等の添加は必要条件ではなく、粘着性組成物Pがコーティング可能な粘度等であれば、希釈溶剤を添加しなくてもよい。この場合、粘着性組成物Pは、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合溶媒をそのまま希釈溶剤とする塗布溶液となる。
〔粘着剤〕
本実施形態に係る粘着剤は、前述した実施形態に係る粘着性組成物から得られ、好ましくは前述した粘着性組成物Pを架橋(熱架橋)することにより得られる。本実施形態に係る粘着剤中における(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、架橋剤(B)によって架橋されて架橋構造を形成しており、一方、活性エネルギー線硬化性成分(C)は、硬化することなく、そのまま粘着中に存在する。したがって、本実施形態に係る粘着剤は、活性エネルギー線の照射によって硬化する性質を有する活性エネルギー線硬化性粘着剤である。
粘着性組成物Pの架橋は、通常は加熱処理により行うことができる。なお、この加熱処理は、所望の対象物に塗布した粘着性組成物Pの塗膜から希釈溶剤等を揮発させる際の乾燥処理で兼ねることもできる。
加熱処理の加熱温度は、50〜150℃であることが好ましく、特に70〜120℃であることが好ましい。また、加熱時間は、10秒〜10分であることが好ましく、特に50秒〜5分であることが好ましい。
加熱処理後、必要に応じて、常温(例えば、23℃、50%RH)で1〜2週間程度の養生期間を設けてもよい。この養生期間が必要な場合は、養生期間経過後、養生期間が不要な場合には、加熱処理終了後、粘着剤が形成される。
上記の加熱処理(及び養生)により、架橋剤(B)を介して(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が良好に架橋される。なお、活性エネルギー線硬化性成分(C)は、未反応のまま粘着剤中に含まれる。
〔粘着シート〕
本発明の一実施形態に係る粘着シートは、少なくとも粘着剤層を備えており、好ましくは、当該粘着剤層の片面または両面に剥離シートを積層してなる。
本実施形態に係る粘着シートは、一の部材と、他の部材とを貼合するために好ましく用いられ、特に、一の部材および他の部材の少なくとも一方が、少なくとも粘着剤層側の面に段差を有するものの場合に好ましく用いられ、さらには、少なくとも一方の部材が、高温高湿条件下でアウトガスを発生したり水蒸気を透過するものの場合に好ましく用いられる。上記部材としては、硬質体が好ましく挙げられる。また、上記部材としては、表示体構成部材が好ましく挙げられ、したがって、本実施形態に係る粘着シートは、光学用途に好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。
本実施形態に係る粘着シートの一例としての具体的構成を図1に示す。
図1に示すように、一実施形態に係る粘着シート1は、2枚の剥離シート12a,12bと、それら2枚の剥離シート12a,12bの剥離面と接するように当該2枚の剥離シート12a,12bに挟持された活性エネルギー線硬化性の粘着剤層11とから構成される。なお、本明細書における剥離シートの剥離面とは、剥離シートにおいて剥離性を有する面をいい、剥離処理を施した面および剥離処理を施さなくても剥離性を示す面のいずれをも含むものである。
1.各部材
1−1.粘着剤層
粘着剤層11を構成する粘着剤は、前述した実施形態に係る粘着剤である。すなわち、好ましくは前述した粘着性組成物Pを架橋(熱架橋)することにより得られた粘着剤である。
粘着剤層11の厚さ(JIS K7130に準じて測定した値)は、下限値として15μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましく、特に50μm以上であることが好ましい。また、粘着剤層11の厚さは、上限値として400μm以下であることが好ましく、350μm以下であることがより好ましく、特に300μm以下であることが好ましく、さらには250μm以下であることが好ましく、100μm以下であることが最も好ましい。粘着剤層11の厚さが上記の範囲にあると、段差追従性および耐湿熱白化性がより優れたものとなる。
1−2.剥離シート
剥離シート12a,12bは、粘着シート1の使用時まで活性エネルギー線硬化性の粘着剤層11を保護するものであり、粘着シート1(粘着剤層11)を使用するときに剥離される。本実施形態に係る粘着シート1において、剥離シート12a,12bの一方または両方は必ずしも必要なものではない。
剥離シート12a,12bとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。また、これらの架橋フィルムも用いられる。さらに、これらの積層フィルムであってもよい。
上記剥離シート12a,12bの剥離面(特に粘着剤層11と接する面)には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の剥離剤が挙げられる。なお、剥離シート12a,12bのうち、一方の剥離シートを剥離力の大きい重剥離型剥離シートとし、他方の剥離シートを剥離力の小さい軽剥離型剥離シートとすることが好ましい。
剥離シート12a,12bの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
2.粘着シートの製造
粘着シート1の一製造例としては、一方の剥離シート12a(または12b)の剥離面に、上記粘着性組成物Pの塗布溶液を塗布し、加熱処理を行って粘着性組成物Pを熱架橋し、塗布層を形成した後、その塗布層に他方の剥離シート12b(または12a)の剥離面を重ね合わせる。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記塗布層が活性エネルギー線硬化性の粘着剤層11となる。これにより、上記粘着シート1が得られる。加熱処理および養生の条件については、前述した通りである。
粘着シート1の他の製造例としては、一方の剥離シート12aの剥離面に、上記粘着性組成物Pの塗布溶液を塗布し、加熱処理を行って粘着性組成物Pを熱架橋し、塗布層を形成して、塗布層付きの剥離シート12aを得る。また、他方の剥離シート12bの剥離面に、上記粘着性組成物Pの塗布溶液を塗布し、加熱処理を行って粘着性組成物Pを熱架橋し、塗布層を形成して、塗布層付きの剥離シート12bを得る。そして、塗布層付きの剥離シート12aと塗布層付きの剥離シート12bとを、両塗布層が互いに接触するように貼り合わせる。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記の積層された塗布層が活性エネルギー線硬化性の粘着剤層11となる。これにより、上記粘着シート1が得られる。この製造例によれば、粘着剤層11が厚い場合であっても、安定して製造することが可能となる。
上記粘着性組成物Pの塗布溶液を塗布する方法としては、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を利用することができる。
3.物性
(1)ゲル分率
粘着剤層11を構成する活性エネルギー線硬化性の粘着剤(活性エネルギー線照射前)のゲル分率は、下限値として30%以上であることが好ましく、特に35%以上であることが好ましく、さらには40%以上であることが好ましい。上記粘着剤のゲル分率の下限値が上記であると、当該粘着剤は所定の凝集力を有することとなり、粘着シート1を裁断加工等する際に刃に粘着剤が付着したり、保管時等に粘着剤層11から粘着剤が染み出すことが効果的に抑制される。また、上記粘着剤のゲル分率は、上限値として80%以下であることが好ましく、特に70%以下であることが好ましく、さらには65%以下であることが好ましい。上記粘着剤のゲル分率の上限値が上記であると、粘着剤が硬くなり過ぎず、初期の段差追従性が優れたものとなる。また、活性エネルギー線照射後の硬化後粘着剤が硬くなり過ぎず、硬化後粘着剤層の高温高湿条件下における段差追従性がより優れたものとなる。この活性エネルギー線硬化性の粘着剤のゲル分率の測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
上記活性エネルギー線硬化性の粘着剤の活性エネルギー線照射による硬化に伴うゲル分率の上昇は、5ポイント以上であることが好ましく、特に7ポイント以上であることが好ましく、さらには10ポイント以上であることが好ましい。このようにゲル分率が上昇することにより、得られる硬化後粘着剤層は、高温高湿条件下での段差追従性により優れたものとなる。なお、当該ゲル分率の上昇の上限は特に制約されるものではないが、硬化後粘着剤層が硬くなり過ぎるのを防止する観点から、ゲル分率の上昇は45ポイント以下であることが好ましく、特に40ポイント以下であることが好ましく、さらには35ポイント以下であることが好ましい。
(2)初期の段差追従率
貼合時における段差追従性に関して、粘着剤層11は、下記の式で示される初期の段差追従率(%)が、30%以上であることが好ましく、特に40%以上であることが好ましく、さらには50%以上であることが好ましい。これにより、貼合時における段差追従性(初期の段差追従性)が優れているということができる。なお、初期の段差追従率の上限値としては、特に限定されないが、通常、80%以下であることが好ましく、特に70%以下であることが好ましい。
初期の段差追従率(%)={(気泡、浮き、剥がれ等が無く埋められた状態が維持された段差の高さ(μm))/(粘着剤層の厚み)}×100
なお、初期の段差追従率の試験方法は、後述する試験例に示す通りである。
〔構成体〕
本発明の一実施形態に係る構成体は、一の表示体構成部材と、他の表示体構成部材と、一の表示体構成部材と他の表示体構成部材とを互いに貼合する硬化後粘着剤層とを備えた構成体である。本実施形態に係る構成体は、表示体を構成する一部材であってもよいし、表示体そのものであってもよい。
一の表示体構成部材および他の表示体構成部材の少なくとも一方は、少なくとも粘着剤層側の面に段差を有することが好ましい。また、一の表示体構成部材および他の表示体構成部材の少なくとも一方は、高温高湿条件下でアウトガスを発生したり水蒸気を透過する部材、例えばプラスチック板を備えた部材であることが好ましい。さらには、一の表示体構成部材および他の表示体構成部材の一方がプラスチック板を備えており、他方がガラス板を備えていることが好ましい。
上記硬化後粘着剤層は、前述した実施形態に係る粘着シートの粘着剤層を活性エネルギー線硬化させてなる硬化後粘着剤層である。
本実施形態に係る構成体の一例としての具体的構成を図2に示す。
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る構成体2は、第1の表示体構成部材21(一の表示体構成部材)と、第2の表示体構成部材22(他の表示体構成部材)と、それらの間に位置し、第1の表示体構成部材21および第2の表示体構成部材22を互いに貼合する硬化後粘着剤層11’とを備えて構成される。本実施形態に係る構成体2では、第1の表示体構成部材21は、硬化後粘着剤層11’側の面に段差を有しており、具体的には、印刷層3による段差を有しているが、これに限定されるものではない。
上記構成体2が有する硬化後粘着剤層11’は、前述した粘着シート1の粘着剤層11を、活性エネルギー線照射により硬化させたものである。この硬化後粘着剤層11’を構成する硬化後粘着剤は、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と架橋剤(B)とから構成される架橋構造を有するとともに、活性エネルギー線硬化性成分(C)(好ましくは(メタ)アクリレート(C1)および(メタ)アクリレート(C2))の硬化物(重合物)を含有し、場合によって、光重合開始剤(D)、シランカップリング剤(E)および添加剤をさらに含有する。ここで、活性エネルギー線照射された(メタ)アクリレート(C1)および(メタ)アクリレート(C2)は、それぞれ又は互いに重合し、網目がある程度粗になった三次元網目構造を形成するとともに、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と架橋剤(B)とから構成される架橋構造に絡み付き、高次構造を形成しているものと推定される。かかる構造によって、特に優れた段差追従性および耐ブリスター性が発揮される。また、ポリアルキレングリコール骨格を有する2官能の(メタ)アクリレート(C1)に由来する成分は、優れた親水性を示すとともに、硬化後も柔軟な骨格を有する。これにより、硬化後粘着剤層11’は、耐湿熱白化性にも優れる。
なお、上記硬化後粘着剤層11’を構成する硬化後粘着剤に含まれる光重合開始剤(D)は、粘着性組成物Pに含まれていた光重合開始剤(D)が、活性エネルギー線照射によっても開裂せずに残存したものである。したがって、その含有量は多くなく、通常、粘着剤中にて0.00001質量%以上、0.1質量%以下であり、好ましくは、0.0001質量%以上、0.01質量%以下である。
硬化後粘着剤層11’の厚さは、基本的には粘着シート1の粘着剤層11の厚さと同じである。
硬化後粘着剤層11’を構成する硬化後粘着剤のゲル分率は、50%以上であることが好ましく、55%以上であることがより好ましく、特に60%以上であることが好ましく、さらには62%以上であることが好ましく、さらにまた64%以上であることが好ましく、67%以上であることが最も好ましい。また、硬化後粘着剤のゲル分率は、95%以下であることが好ましく、特に90%以下であることが好ましく、さらには88%以下であることが好ましく、69%以下であることが最も好ましい。硬化後粘着剤のゲル分率が上記の範囲にあると、硬化後粘着剤層11’の高温高湿条件下における段差追従性および耐ブリスター性がより優れたものとなる。この硬化後粘着剤のゲル分率の測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
硬化後粘着剤層11’のヘイズ値は、15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、特に6%以下であることが好ましく、さらには2%以下であることが好ましく、1%以下であることが最も好ましい。硬化後粘着剤層11’のヘイズ値が上記であると、透明性が高く、光学用途(表示体用)として好適である。なお、本明細書におけるヘイズ値は、JIS K7136:2000に準じて測定した値とする。
構成体2としては、例えば、液晶(LCD)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ、電子ペーパー等の表示体の一部を構成する部材であってもよいし、当該表示体そのものであってもよい。なお、当該表示体は、タッチパネルであってもよい。
第1の表示体構成部材21は、具体的には、プラスチック板、またはプラスチック板を含む積層体などからなる保護パネルであることが好ましい。
ここで、プラスチック板は、通常、高温条件下、例えば、85℃の条件下に置かれた場合に内部の低沸点成分が気化し、プラスチック板と硬化後粘着剤層11’との界面に、気泡、浮き、剥がれ等のブリスターが生じるおそれが出てくる。しかしながら、本実施形態に係る構成体2が、そのようなプラスチック板を備えているとしても、硬化後粘着剤層11’が前述した実施形態に係る粘着シート1に由来するものであることにより、ブリスターの発生を良好に抑制することができる。
プラスチック板としては、特に限定されることなく、例えば、ポリカーボネート樹脂(PC)板、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)板等のアクリル樹脂板、ポリカーボネート樹脂板にポリメタクリル酸メチル樹脂層等のアクリル樹脂層を積層したプラスチック板などが挙げられる。なお、上記のポリカーボネート樹脂板は、それを構成する材料として、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂を含有してもよく、また、上記のアクリル樹脂板は、それを構成する材料として、アクリル樹脂以外の樹脂を含有してもよい。
プラスチック板の厚さは、特に限定されないが、通常は0.2〜5mmであり、好ましくは0.4〜3mmであり、特に好ましくは0.6〜2.5mmであり、さらに好ましくは1〜2.1mmである。
上記プラスチック板の片面または両面には、各種の機能層(透明導電膜、金属層、シリカ層、ハードコート層、防眩層等)が設けられていてもよいし、光学部材が積層されていてもよい。また、透明導電膜および金属層は、パターニングされていてもよい。
上記光学部材としては、例えば、飛散防止フィルム、偏光板(偏光フィルム)、偏光子、位相差板(位相差フィルム)、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム、コントラスト向上フィルム、液晶ポリマーフィルム、拡散フィルム、半透過反射フィルム、透明導電性フィルム等が挙げられる。飛散防止フィルムとしては、基材フィルムの片面にハードコート層が形成されてなるハードコートフィルム等が例示される。
第2の表示体構成部材22は、具体的には、ガラス板、またはガラス板を含む積層体などからなる光学部材であることが好ましい。かかる光学部材としては、例えば、液晶(LCD)モジュール、発光ダイオード(LED)モジュール、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)モジュール等の表示体モジュールや、表示体モジュールの一部としての光学部材、または表示体モジュールを含む積層体が挙げられる。
上記ガラス板としては、特に限定されることなく、例えば、化学強化ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、ソーダライムガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、アルミノケイ酸ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス等が挙げられる。ガラス板の厚さは、特に限定されないが、通常は0.1〜10mmであり、好ましくは0.2〜5mmであり、より好ましくは0.8〜2mmである。
第2の表示体構成部材22を構成するガラス板の片面または両面には、各種の機能層(透明導電膜、金属層、シリカ層、ハードコート層、防眩層等)が設けられていてもよいし、光学部材が積層されていてもよい。また、透明導電膜および金属層は、パターニングされていてもよい。光学部材としては、前述したものが例示される。
第1の表示体構成部材21が保護パネルである場合、印刷層3は、第1の表示体構成部材21における硬化後粘着剤層11’側に、額縁状に形成されることが一般的である。
印刷層3を構成する材料は特に限定されることなく、印刷用の公知の材料が使用される。印刷層3の厚さ、すなわち段差の高さは、通常3〜150μm程度である。本実施形態における硬化後粘着剤層11’であれば、このような印刷層3に対しても十分な追従性を示し、高温高湿条件下でも印刷層3との界面に気泡、浮き、剥がれ等が発生しないものとすることができる。
上記構成体2を製造するには、一例として、粘着シート1の一方の剥離シート12aを剥離して、粘着シート1の露出した粘着剤層11を、第1の表示体構成部材21の印刷層3が存在する側の面に貼合する。このとき、粘着剤層11は、初期の段差追従性に優れるため、印刷層3による段差近傍に隙間や浮きが生じることが抑制される。
次いで、粘着シート1の粘着剤層11から他方の剥離シート12bを剥離して、粘着シート1の露出した粘着剤層11と第2の表示体構成部材22とを貼合して積層体を得る。また、他の例として、第1の表示体構成部材21および第2の表示体構成部材22の貼合順序を入れ替えてもよい。
その後、上記積層体中の粘着剤層11に対して活性エネルギー線を照射する。これにより、粘着剤層11中のエネルギー線硬化性成分(C)((メタ)アクリレート(C1)および(メタ)アクリレート(C2))が重合し、粘着剤層11が硬化して硬化後粘着剤層11’となる。粘着剤層11に対するエネルギー線の照射は、通常、第1の表示体構成部材21または第2の表示体構成部材22のいずれか一方越しに行い、好ましくは、保護パネルとしての第1の表示体構成部材21越しに行う。
ここで、活性エネルギー線とは、電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものをいい、具体的には、紫外線や電子線などが挙げられる。活性エネルギー線の中でも、取扱いが容易な紫外線が特に好ましい。
紫外線の照射は、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプ等によって行うことができ、紫外線の照射量は、照度が50〜1000mW/cm2程度であることが好ましい。また、光量は、50〜10000mJ/cm2であることが好ましく、80〜5000mJ/cm2であることがより好ましく、300〜2000mJ/cm2であることが特に好ましい。一方、電子線の照射は、電子線加速器等によって行うことができ、電子線の照射量は、10〜1000krad程度が好ましい。
硬化後粘着剤層11’のソーダライムガラスに対する粘着力は、下限値として5N/25mm以上であることが好ましく、10N/25mm以上であることがより好ましい。粘着力の下限値が上記であると、耐ブリスター性がより優れたものとなる。そして、高温高湿条件下での段差追従性および耐ブリスター性の観点から、特に20N/25mm以上であることが好ましく、さらには35N/25mm以上であることが好ましく、46N/25mm以上であることが最も好ましい。
一方、上記粘着力の上限値は、特に限定されないが、通常、80N/25mm以下であることが好ましく、70N/25mm以下であることがより好ましく、60N/25mm以下であることが特に好ましい。なお、上記粘着力は、基本的にはJIS Z0237:2009に準じた180度引き剥がし法により測定した粘着力をいい、具体的な試験方法は、後述する試験例に示す通りである。
上記構成体2においては、硬化後粘着剤層11’が高温高湿条件下でも段差追従性に優れるため、構成体2が高温高湿条件下(例えば、85℃、85%RH、72時間)に置かれた場合でも、段差近傍に気泡、浮き、剥がれ等が発生することが抑制される。
高温高湿条件下における段差追従性に関して、硬化後粘着剤層11’は、下記の式で示される耐久後の段差追従率(%)が、10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、特に25%以上であることが好ましく、さらには30%以上であることが好ましく、40%以上であることが最も好ましい。これにより、高温高湿条件下における段差追従性が優れているということができる。なお、耐久後の段差追従率の上限値としては、特に限定されないが、通常、80%以下であることが好ましく、特に70%以下であることが好ましい。
耐久後の段差追従率(%)={(所定耐久試験後、気泡、浮き、剥がれ等が無く埋められた状態が維持された段差の高さ(μm))/(粘着剤層の厚み)}×100
なお、耐久後の段差追従率の試験方法は、後述する試験例に示す通りである。
また、上記構成体2においては、硬化後粘着剤層11’が耐湿熱白化性に優れるため、構成体2が高温高湿条件下(例えば、85℃、85%RH、72時間)に置かれた後、常温常湿の条件下に取り出されても、硬化後粘着剤層11’の白化が抑制される。
上記の白化の程度は、ヘイズ値により定量的に評価することもできる。具体的には、厚さ0.7mmの無アルカリガラス板と、硬化後粘着剤層11’と、厚さ2mmのポリカーボネート板とをその順で積層してなる積層体を、85℃、85%RHの条件(湿熱条件)下にて72時間保管し、その後23℃、50%RHの常温常湿下に取り出す。当該積層体における湿熱条件後のヘイズ値(%)(JIS K7136:2000に準じて測定した値。以下同じ)から湿熱条件前のヘイズ値(%)を差し引いた値(湿熱条件後のヘイズ値上昇)により評価することができる。湿熱条件後のヘイズ値上昇は、3ポイント以下であることが好ましく、特に2.5ポイント以下であることが好ましく、さらには2ポイント以下であることが好ましい。これにより、耐湿熱白化性が優れているということができる。
さらに、上記構成体2においては、硬化後粘着剤層11’が耐ブリスター性にも優れるため、構成体2が高温高湿条件下(例えば、85℃、85%RH、72時間)に置かれ、第1の表示体構成部材21および/または第2の表示体構成部材22からからアウトガスが発生した場合でも、硬化後粘着剤層11’と表示体構成部材21,22との界面において気泡、浮き、剥がれ等のブリスターが発生することが抑制される。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、粘着シート1における剥離シート12a,12bのいずれか一方は省略されてもよい。また、第1の表示体構成部材21は、印刷層3以外の段差を有するものであってもよいし、段差を有していなくてもよい。さらには、第1の表示体構成部材21のみならず、第2の表示体構成部材22も硬化後粘着剤層11’側に段差を有するものであってもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
1.(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の調製
アクリル酸2−エチルヘキシル60質量部、アクリル酸イソボルニル15質量部、N−アクリロイルモルホリン10質量部、およびアクリル酸2−ヒドロキシエチル15質量部を溶液重合法により共重合させて、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を調製した。この(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の分子量を後述する方法で測定したところ、重量平均分子量(Mw)60万であった。
2.粘着性組成物の調製
上記工程1で得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、架橋剤(B)としてのトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(トーヨーケム社製,製品名「BHS8515」)0.2質量部と、(メタ)アクリレート(C1)としてのポリエチレングリコール#400ジメタクリレート(新中村化学社製,製品名「NKエステル A−9G」,ポリエチレングリコールの重量平均分子量:400)7質量部と、(メタ)アクリレート(C2)としてのε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(新中村化学社製,製品名「NKエステル A−9300−1CL」)4質量部と、光重合開始剤(D)としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンとの1:1(質量比)混合物(BASF社製,製品名「OMNIRAD 500」)0.7質量部と、シランカップリング剤(E)としてのN−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3質量部とを混合し、十分に撹拌して、メチルエチルケトンで希釈することにより、粘着性組成物の塗布溶液を得た。
ここで、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を100質量部(固形分換算値)とした場合の粘着性組成物の各配合(固形分換算値)を表1に示す。なお、表1に記載の略号等の詳細は以下の通りである。
[(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)]
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
BA:アクリル酸n−ブチル
IBXA:アクリル酸イソボルニル
ACMO:N−アクリロイルモルホリン
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
4HBA:アクリル酸4−ヒドロキシブチル
[(メタ)アクリレート(C1)]
C1−1:ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート(新中村化学社製,製品名「NKエステル A−9G」,ポリエチレングリコールの重量平均分子量:400)
C1−2:ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(新中村化学社製,製品名「NKエステル A−400」,ポリエチレングリコールの重量平均分子量:400)
C1−3:ポリエチレングリコール#600ジアクリレート(新中村化学社製,製品名「NKエステル A−600」,ポリエチレングリコールの重量平均分子量:600)
PEG1000:重量平均分子量が1000のポリエチレングリコール(富士フィルム和光純薬社製,製品名「ポリ(エチレングリコール)1000」)(PEG1000は(メタ)アクリレート(C1)には該当しないが、便宜的に(メタ)アクリレート(C1)の欄に記載する。)
[光重合開始剤(D)]
D1:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンとの1:1(質量比)混合物(BASF社製,製品名「OMNIRAD 500」)
D2:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド
3.粘着シートの製造
上記工程2で得られた粘着性組成物の塗布溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した重剥離型剥離シート(リンテック社製,製品名「SP−PET752150」)の剥離処理面に、ナイフコーターで塗布したのち、80℃で1分間、次いで110℃で1分間加熱処理して塗布層を形成した。得られた塗布層付きの重剥離型剥離シートにおける塗布層側の面と、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した軽剥離型剥離シート(リンテック社製,製品名「SP−PET381130」)の剥離処理面を貼合し、23℃、50%RHの条件下で7日間養生することにより、重剥離型剥離シート/活性エネルギー線硬化性の粘着剤層(厚さ:50μm)/軽剥離型剥離シートの構成からなる粘着シートを作製した。
なお、上記粘着剤層の厚さは、JIS K7130に準拠し、定圧厚さ測定器(テクロック社製,製品名「PG−02」)を使用して測定した値である。
〔実施例2〜6,比較例1〜5〕
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を構成する各モノマーの種類および割合、(メタ)アクリレート(C1)の種類および配合量、(メタ)アクリレート(C2)の配合量、ならびに光重合開始剤(D)の種類および配合量を表1に示すように変更する以外、実施例1と同様にして粘着シートを製造した。
ここで、前述した重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定(GPC測定)したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<測定条件>
・測定装置:東ソー社製,HLC−8320
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK gel superH−H
TSK gel superHM−H
TSK gel superH2000
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
〔試験例1〕
実施例および比較例で調製した(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)のガラス転移温度(Tg;℃)を、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を構成する各モノマーのホモポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)に基づき、FOXの式により算出した。結果を表1に示す。
〔試験例2〕(ゲル分率の測定)
実施例および比較例で得られた粘着シートを80mm×80mmのサイズに裁断して、その粘着剤層をポリエステル製メッシュ(メッシュサイズ200)に包み、その質量を精密天秤にて秤量し、上記メッシュ単独の質量を差し引くことにより、粘着剤のみの質量を算出した。このときの質量をM1とする。
次に、上記ポリエステル製メッシュに包まれた粘着剤を、室温下(23℃)で酢酸エチルに72時間浸漬させた。その後粘着剤を取り出し、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、24時間風乾させ、さらに80℃のオーブン中にて12時間乾燥させた。乾燥後、その質量を精密天秤にて秤量し、上記メッシュ単独の質量を差し引くことにより、粘着剤のみの質量を算出した。このときの質量をM2とする。ゲル分率(%)は、(M2/M1)×100で表される。これにより、粘着剤(活性エネルギー線硬化性粘着剤)のゲル分率(活性エネルギー線(UV)照射前)を導出した。結果を表2に示す。
一方、実施例1で得られた粘着シートは、軽剥離型剥離シート越しに、下記の条件で活性エネルギー線を照射し、粘着剤層を硬化させて硬化後粘着剤層とした。また、実施例2〜6および比較例1〜4で得られた粘着シートは、軽剥離型剥離シート上に、プラスチック板(三菱ガス化学社製,製品名「ユーピロン・シート MR58U」,厚さ:1mm,紫外線吸収剤含有)を重ね置いた。そして、当該プラスチック板越しに、下記の条件で活性エネルギー線を照射し、粘着剤層を硬化させて硬化後粘着剤層とした。得られた硬化後粘着剤層の粘着剤(硬化後粘着剤)について、上記と同様にしてゲル分率(活性エネルギー線(UV)照射後)を導出した。結果を表2に示す。
<活性エネルギー線照射条件>
・高圧水銀ランプ使用
・照度200mW/cm2,光量1000mJ/cm2
・UV照度・光量計はアイグラフィックス社製「UVPF−A1」を使用
〔試験例3〕(ヘイズ値の測定)
実施例1で得られた粘着シートは、軽剥離型剥離シート越しに、試験例2と同様の条件で紫外線を照射し、粘着剤層を硬化させて硬化後粘着剤層とした。また、実施例2〜6および比較例1〜4で得られた粘着シートは、軽剥離型剥離シート上に、プラスチック板(三菱ガス化学社製,製品名「ユーピロン・シート MR58U」,厚さ:1mm,紫外線吸収剤含有)を重ね置いた。そして、当該プラスチック板越しに、試験例2と同様の条件で活性エネルギー線を照射し、粘着剤層を硬化させて硬化後粘着剤層とした。得られた硬化後粘着剤層について、ヘイズメーター(日本電色工業社製,NDH2000)を用いて、JIS K7361:2000に準じてヘイズ値(%)を測定した。なお、比較例5の粘着シートにおいては、活性エネルギー線を照射していない粘着剤層について、ヘイズ値を測定した。結果を表2に示す。
〔試験例4〕(粘着力の測定)
実施例および比較例で得られた粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を、易接着層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製,製品名「PET A4300」,厚さ:100μm)の易接着層に貼合し、重剥離型剥離シート/粘着剤層/PETフィルムの積層体を得た。得られた積層体を25mm幅、100mm長に裁断した。
23℃、50%RHの環境下にて、上記積層体から重剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層をソーダライムガラス(日本板硝子社製)に貼付し、栗原製作所社製オートクレーブにて0.5MPa、50℃で、20分加圧した。そして、23℃、50%RHの条件下で24時間放置した。
次に、実施例1は、上記重剥離型剥離シート越しに、試験例2と同様の条件で活性エネルギー線を照射し、粘着剤層を硬化させて硬化後粘着剤層とした。また、実施例2〜6および比較例1〜4は、上記重剥離型剥離シート上に、プラスチック板(三菱ガス化学社製,製品名「ユーピロン・シート MR58U」,厚さ:1mm,紫外線吸収剤含有)を重ね置いた。そして、当該プラスチック板越しに、試験例2と同様の条件で活性エネルギー線を照射し、粘着剤層を硬化させて硬化後粘着剤層とした。比較例5は、活性エネルギー線を照射しない状態とした。
次いで、引張試験機(オリエンテック社製,テンシロン)を用い、剥離速度300mm/min、剥離角度180度の条件で、PETフィルム/粘着剤層からなるサンプルをソーダライムガラスから剥離し、粘着力(N/25mm)を測定した。ここに記載した以外の条件はJIS Z0237:2009に準拠して、測定を行った。結果を表2に示す。
〔試験例5〕(段差追従率の測定)
ガラス板(NSGプレシジョン社製,製品名「コーニングガラス イーグルXG」,縦90mm×横50mm×厚み0.5mm)の表面に、紫外線硬化型インク(帝国インキ社製,製品名「POS−911墨」)を所定の厚さで額縁状(外形:縦90mm×横50mm,幅5mm)にスクリーン印刷した。次いで、紫外線を照射(80W/cm2,メタルハライドランプ2灯,ランプ高さ15cm,ベルトスピード10〜15m/分)して、印刷した上記紫外線硬化型インクを硬化させ、印刷による段差(段差の高さ:10μm、12.5μm、15μm、20μm、25μm、40μm、60μm、100μm、125μmのいずれか1つ)を有する段差付ガラス板を作製した。
実施例および比較例で得られた粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥がし、露出した粘着剤層を、易接着層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製,製品名「PET A4300」,厚さ:100μm)の易接着層に貼合した。次いで、重剥離型剥離シートを剥がして粘着剤層を表出させ、ラミネーター(フジプラ社製,製品名「LPD3214」)を用いて、粘着剤層が額縁状の印刷全面を覆うように各段差付ガラス板にラミネートした。その後、50℃、0.5MPaの条件下で20分間オートクレーブ処理し、常圧、23℃、50%RHにて24時間放置した。
この段階で、初期の段差追従性を評価した。段差追従性は、粘着剤層により印刷段差が完全に埋められているか否かで判断し、印刷段差と粘着剤層との界面で気泡、浮き、剥がれなどが観察された場合は、印刷段差に追従できなかったと判断される。初期の段差追従性は、下記の式で示される初期の段差追従率(%)として評価した。結果を表2に示す。
初期の段差追従率(%)={(気泡、浮き、剥がれ等が無く埋められた状態が維持された段差の高さ(μm))/(粘着剤層の厚み)}×100
次に、実施例1は、上記PETフィルム越しに、試験例2と同様の条件で活性エネルギー線を照射し、粘着剤層を硬化させて硬化後粘着剤層とした。また、実施例2〜6および比較例1〜4は、上記PETフィルム上に、プラスチック板(三菱ガス化学社製,製品名「ユーピロン・シート MR58U」,厚さ:1mm,紫外線吸収剤含有)を重ね置いた。そして、当該プラスチック板越しに、試験例2と同様の条件で活性エネルギー線を照射し、粘着剤層を硬化させて硬化後粘着剤層とした。比較例5は、活性エネルギー線を照射しない状態とした。
次いで、85℃、85%RHの高温高湿条件下にて72時間保管し(耐久試験)、その後、上記と同様にして段差追従性(耐久後の段差追従性)を評価した。耐久後の段差追従性は、下記の式で示される耐久後の段差追従率(%)として評価した。結果を表2に示す。
耐久後の段差追従率(%)={(耐久試験後、気泡、浮き、剥がれ等が無く埋められた状態が維持された段差の高さ(μm))/(硬化後粘着剤層の厚み)}×100
〔試験例6〕(耐ブリスター性の評価)
実施例および比較例で得られた粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥がし、露出した粘着剤層を、以下のプラスチック板に貼合して、粘着剤層付きプラスチック板を得た。
(1)ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)板(三菱ガス化学社製,製品名「ユーピロン・シート MR−200」,厚さ:0.7mm,紫外線吸収剤非含有)
(2)ポリカーボネート樹脂(PC)板にポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)層を積層したプラスチック板(三菱ガス化学社製,製品名「ユーピロン・シート MR58U」,厚さ:0.7mm,紫外線吸収剤含有)(粘着剤層はポリカーボネート樹脂板側の面に貼合)
(3)ポリカーボネート樹脂(PC)板にポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)層を積層したプラスチック板(三菱ガス化学社製,製品名「ユーピロン・シート HMRS53T」,厚さ:2mm,紫外線吸収剤含有)(粘着剤層はポリカーボネート樹脂板側の面に貼合)
上記で得られた粘着剤層付きプラスチック板から重剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を介して、当該プラスチック板を70mm×150mmの大きさのソーダライムガラス板(日本板硝子社製,厚さ:0.7mm)に貼付した。そして、50℃、0.5MPaの条件下で20分間オートクレーブ処理し、常圧、23℃、50%RHにて24時間放置した。
次に、上記粘着剤層に対して、実施例1はソーダライムガラス板越しに、実施例2〜6および比較例1〜4はプラスチック板越しに、試験例2と同様の条件で活性エネルギー線を照射し、粘着剤層を硬化させて硬化後粘着剤層とした。このようにして、硬化後粘着剤層によりプラスチック板とガラス板とを貼合した構成体(70mm×150mm)を得た。この構成体を、それぞれ10サンプルずつ用意した。
各サンプルについて、85℃、85%RHの高温高湿条件下にて72時間保管した。そして、硬化後粘着剤層と被着体(プラスチック板,ガラス板)との界面における状態を目視により確認し、以下の基準により耐ブリスター性を評価した。なお、比較例5は、活性エネルギー線を照射しない以外、上記と同様にして耐ブリスター性を評価した。結果を表2に示す。
◎…10サンプル中10サンプル全てにおいて、気泡や浮き・剥がれがなかった。
〇…10サンプル中9〜7サンプルにおいて、気泡や浮き・剥がれがなかった。
△…10サンプル中6〜1サンプルにおいて、気泡や浮き・剥がれがなかった。
×…10サンプル全てにおいて、浮き・剥がれが発生した。
〔試験例7〕(耐湿熱白化性の評価)
実施例および比較例で得られた粘着シートの粘着剤層を、厚さ0.7mmの無アルカリガラス板(コーニング社製)と、ポリカーボネート樹脂(PC)板にポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)層を積層したプラスチック板(三菱ガス化学社製,製品名「ユーピロン・シート HMRS53T」,厚さ:2mm,紫外線吸収剤含有)とで挟み、積層体を得た。
得られた積層体を、50℃、0.5MPaの条件下で30分間オートクレーブ処理した後、常圧、23℃、50%RHにて24時間放置した。その後、当該積層体の粘着剤層に対して、実施例1は上記無アルカリガラス板越しに、実施例2〜6および比較例1〜4は上記プラスチック板越しに、試験例2と同様の条件で活性エネルギー線を照射し、粘着剤層を硬化させて硬化後粘着剤層とした。なお、比較例5については、活性エネルギー線を照射しない状態とした。この積層体(サンプル)について、ヘイズメーター(日本電色工業社製,製品名「NDH2000」)を用いて、JIS K7136:2000に準じてヘイズ値(%)を測定した。
次に、上記積層体を、85℃、85%RHの湿熱条件下にて72時間保管した後、23℃、50%RHの常温常湿にて24時間放置した。当該積層体について、ヘイズメーター(日本電色工業社製,製品名「NDH2000」)を用いて、JIS K7136:2000に準じてヘイズ値(%)を測定した。
上記の結果に基づき、湿熱条件後のヘイズ値から湿熱条件前のヘイズ値を差し引いて、湿熱条件後のヘイズ値上昇(ポイント)を算出した。結果を表2に示す。なお、比較例5の粘着シートについては、粘着剤層の相分離によりムラがあった(表中の記号※)。
表2から分かるように、実施例で得られた粘着シートを使用して形成される硬化後粘着剤層は、段差追従性および耐湿熱白化性に優れており、さらには耐ブリスター性および光学特性にも優れていた。