本開示の実施形態のパワーモジュール用基板およびパワーモジュールについて図面を参照して説明する。なお、以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際にパワーモジュール用基板およびパワーモジュール等が使用される際の上下を限定するものではない。
図1(a)はパワーモジュールの実施形態の一例を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のB−B線における断面図である。また、図2は図1のA部の一例を拡大して示す断面図である。図3(a)および図3(b)はパワーモジュールの実施形態の他の例を示す断面図である。図4〜図10は、図2と同様の、パワーモジュール用基板10の要部を拡大して示す断面図である。図11はパワーモジュール用基板の製造方法の一例を工程順に示す断面図である。図12および図13はそれぞれパワーモジュール用基板の製造方法の他の一例を工程順に示す断面図である。
パワーモジュール用基板10は、セラミック基板1と、セラミック基板1の表面にセラミック基板1の表面と対向する対向面2aがろう材3を介して接合された金属板2とを備えており、ろう材3における、金属板2と接合している第1接合部3aの外周は対向面2aの外周より内側に位置し、セラミック基板1と接合している第2接合部3bの外周は第1接合部3aの外周より外側に位置している。言い換えれば、金属板2の外縁部において、ろう材3は金属板2とは接合していないが、セラミック基板1とは接合している。そのため金属板2の外縁部においては、金属板2とセラミック基板1との間には、セラミック基板1に接合されたろう材3、およびろう材3と金属板2との間の空間がある。
上記構成のパワーモジュール用基板10においては、金属板2はその外周までセラミック基板1に接合されていないので、外周まで接合されている場合に比較して熱応力が小さくなる。そして、セラミック基板1と金属板2とを接合するろう材3は、金属板2との接合面からセラミック基板1との接合面にかけてフィレットを有しているので、金属板2とセラミック基板1との接合端部に集中する熱応力が分散される。言い換えれば、ろう材3とセラミック基板1との接合端部である第2接合部3bの外周が、ろう材3と金属板2との接合端部である第1接合部3aの外周より外側に位置しているので、セラミック基板1上において、ろう材3とセラミック基板1との間に発生する熱応力が集中する位置(第2
接合部3bの外周)と、ろう材3と金属板2との間に発生する熱応力が集中する位置(第1接合部3aの外周)とが一致せずに離れている。これによって、金属板2がセラミック基板1から剥がれるような挙動が抑えられる。すなわち、ヒートサイクル等の熱応力負荷によって金属板2がセラミック基板1から剥がれる可能性が低減される。
図2に示す例では、金属板2の下面全体がセラミック基板1の表面と対向する対向面2aである。ろう材3における金属板2との接合部である第1接合部3aの外周は対向面2aの外周より内側に位置している。また、ろう材3のセラミック基板1との接合部である第2接合部3bの外周は第1接合部3aの外周より外側に位置している。そして、この第2接合部3bの外周は金属板2の外周より外側に位置している。第1接合部3aが小さいほど金属板2による熱応力は小さくなるが、金属板2とセラミック基板1との接合強度も小さくなってしまう。そのため、金属板2の大きさにもよるが、例えば、金属板2の対向面2aの外周から第1接合部3aの外周までの幅W1は0.02mm〜1.0mm程度の範囲とすることができる。また、第1接合部3aの外周と第2接合部3bの外周とが離れているほど熱応力を分散させることができる。図2に示す例では、第1接合部3aの外周から第2接合部3bの外周までの幅W2、言い換えれば、ろう材3のセラミック基板1とは接合され金属板2とは接合されていない部分の幅W2が、対向面2aの外周から第1接合部3aの外周までの幅W1より大きい。そのため、第2接合部3bの外周は金属板2の外周より外側に位置している。
図4〜図10に示す例は、金属板2の側面が図2に示す例とは異なっている。図2に示す例のパワーモジュール用基板10の金属板2の側面は、セラミック基板1の表面(上面)に対してほぼ垂直で平坦である。これに対して、図4〜図10に示す例の金属板2の側面は、例えば傾斜した面や凹面である。
図5に示す例では、図2に示す例と同様に、金属板2の下面全体がセラミック基板1の表面と対向する対向面2aであり、金属板2の上面と下面(対向面2a)とは同じ大きさである。これに対して、図4および図6〜図10に示す例の金属板2の下面(対向面2a)は、側面の形状が異なるために上面より小さい。金属板2の対向面2aは、側面のセラミック基板1の方を向いた面は含まない。
対向面2aは、金属板2のセラミック基板1と対向する面であって、セラミック基板1の表面とほぼ平行な平面である。この金属板2の対向面2aがろう材3を介してセラミック基板1に接合されており、対向面2aの外縁から内側へW1の距離の部分はろう材3と接合されていない。
また、図4〜図9に示す例では、第2接合部3bの外周は金属板2の外周と同じ位置にある。また、図10に示す例では、第2接合部3bの外周は金属板2の外周より内側にある。このように、ろう材3の第2接合部3bの外周が、金属板2の外周と同じ位置か金属板2の外周より内側に位置しているパワーモジュール用基板10とすることができる。パワーモジュール用基板10がこのような構成であると、隣り合う金属板2を接合するろう材3の外周端部の間の距離が大きくなるので、これらの間で絶縁リークが発生し難くなり、より絶縁信頼性の高いパワーモジュール用基板10となる。また、隣り合う金属板2間の距離を小さくすることができるので、より小型のパワーモジュール用基板10およびパワーモジュール100,101,102とすることができる。
上述したように、第1接合部3aの外周と第2接合部3bの外周とが離れているほど熱応力を分散させることができる。言い換えれば、第1接合部3aの外周から第2接合部3bの外周までの幅W2が大きいほど熱応力を分散させることができるので接合信頼性の高いものとなる。隣接する金属板2間の絶縁信頼性および接合信頼性を共に高くするには、
ろう材3の外周、すなわち第2接合部3bの外周が金属板2の外周と同程度の位置にあるのがよい。
図2および図6〜図10に示す例では、ろう材3の第1接合部3aより外側の外縁部の厚みは、中央部の厚みの半分程度である。これに対して、図4および図5に示す例においては、第1接合部3aの外周から第2接合部3bの外周にかけて徐々にろう材3の厚みが薄くなっている。パワーモジュール用基板10の作製工程におけるろう材ペーストおよびろう材ペーストの塗布状態、加熱条件等によってこのような形態の違いとなる。ろう材3の厚みが第1接合部3aの外周から第2接合部3bの外周にかけて徐々に薄くなる形態であると、この部分において熱応力を緩和することができる。
図5に示す例では、ろう材3は金属板2の外縁部の下面に薄く濡れ広がっている。図5においては、濡れ広がり部分の厚みが小さいので分かり難いが、第1接合部3aの外周と第2接合部3bの外周との中間程度まで濡れ広がっている。ろう材3の厚みが例えば5μm以下程度に薄く濡れ拡がっている部分は熱応力の大きさに対する影響が小さいので、ろう材3と金属板2とが接合している部分ではあるが、本開示においては第1接合部3aとみなさないものとする。後述するパワーモジュール用基板10の製造方法において、金属素板22をセラミック基板1の上面に接合する際の加熱処理時に、ろう材3(ろう材ペースト23)が流れ防止材24の開口内縁から外側に向かって金属素板22の下面を伝って濡れ広がったものである。流れ防止材24の開口内縁の位置で第1接合部3aの外周部(外縁)を設定するので、これより外側に濡れ広がった部分は第1接合部3aとはみなさない。
パワーモジュール100は、図1に示す例のように、上記のようなパワーモジュール用基板10と、このパワーモジュール用基板10に搭載された電子部品11とで基本的に構成されている。電子部品11は、パワーモジュール用基板10の金属板2の上に搭載され、接合材11aで固定されている。このようなパワーモジュール100によれば、上記構成のパワーモジュール用基板10を備えていることから、ヒートサイクル等に対する信頼性が向上したものとなる。
図3は、図1に示す例のパワーモジュール100に対して、電子部品11、金属板2およびセラミック基板1を覆う封止樹脂13等を備えている例である。図3(a)に示す例のパワーモジュール101は、図1に示す例のパワーモジュール100が、上面から下面の外周部にかけて封止樹脂13で覆われて、電子部品11が封止されているものである。図3(b)に示す例のパワーモジュール102は、図1に示す例のパワーモジュール100が、内側空間を有する筐体14の内部空間に配置され、内部空間に封止樹脂13が充填されて電子部品11およびパワーモジュール用基板10が封止されている例である。
このような封止樹脂13もまた、一般的にセラミック基板1よりも大きい熱膨張率を有している。そのため、ヒートサイクル等によって封止樹脂13もまたセラミック基板1から剥がれる可能性がある。上記構成のパワーモジュール用基板10を備えるパワーモジュール101,102では、金属板2の外縁部においてろう材3と金属板2との間の空間に封止樹脂13が入り込むことで封止樹脂13の剥がれが抑えられるので、さらに封止信頼性が向上したものとなる。
図4〜図10における二点鎖線は、金属板2の最外端部に接する、セラミック基板1の表面(上面)に対する垂線を示している。図2に示す例のパワーモジュール用基板10の金属板2の側面は、セラミック基板1の表面(上面)に対してほぼ垂直で平坦である。これに対して、図4〜図10に示す例の金属板2の側面は、金属板2のセラミック基板1とは反対側の面(図4〜図10においては上面)の外周端部(図4〜図10においては側面
の上端部)より内側に位置する部分を有している。図4および図9に示す例では、金属板2の側面は、下端部が金属板2の上面の外周端部(側面の上端部)より内側に位置する、傾斜した平坦な傾斜面である。上端部に対して下端部は図に示す長さLだけ内側に位置している。図5および図6に示す例では、側面は凹面(凹曲面)である。図5に示す例では、金属板2の上端部と下端部の平面方向における位置は同じであり、最外端部は上端および下端である。これに対して、図6に示す例では、金属板2の下端は上端より内側に位置しており、凹面の最も内側の底部は、下端よりも内側に位置している。図7,図8および図10に示す例では、側面の金属板2の上端より少し下が凹面となっている。なお、セラミック基板1の下面に接合されている金属板2においては、セラミック基板1とは反対側の面は下面であるので、側面は下面の外周端部(側面の下端部)より内側に位置する部分を有している。
このように、金属板2の側面が、金属板2のセラミック基板1とは反対側の面の外周端部より内側に位置する部分を有しているパワーモジュール用基板10とすることができる。このような構成であると、金属板2の側面のセラミック基板1側に封止樹脂13が入り込むこととなり、金属板2の側面で封止樹脂13が押さえられ、また金属板2と封止樹脂13との接合面積が増えるので、封止樹脂13がセラミック基板1から剥がれ難くなり、より封止信頼性の高いパワーモジュール101,102となる。また、金属板2の外縁部の金属板2とろう材3との間の空間に封止樹脂13が入り込まなくてもこのような効果を奏することができる。
図5に示す例のように、金属板2の側面全体が凹面である場合には、金属板2の上面(セラミック基板1とは反対側の面)と側面との間の角(側面の上端の角)および金属板2の下面(対向面2a)と側面との間の角(側面の下端の角)が鋭角になる。隣り合う金属板2同士の間隔が小さいと金属板に大きな電流が印可された場合に、隣り合う金属板2の上端の角の間および下端の角の間で放電が発生して絶縁不良となる可能性がある。これに対して、図6に示す例では、側面の全体が凹面であるが、金属板2の下端は上端より内側に位置しており、下端の角は角度が大きくなって直角に近くなっているので、下端で上記放電が発生する可能性は低減される。図7に示す例では、図6に示す例に対して金属板2の上端よりセラミック基板1側が凹面となっているので、上端の角は鋭角ではない。この場合は、上端の角への電流の集中も抑えられて上端で上記放電が発生する可能性も低減される。さらには、図8に示す例では、図6に示す例に対して上端の角が丸められているので、同様に上端で上記放電が発生する可能性が低減される。また、図10に示す例では、側面の上端部および下端部の角は直角および鈍角である。この場合も上記放電が発生する可能性が低減される。放電が発生する可能性が低減されることから、隣り合う金属板2間の距離を小さくすることができるので、配線導体である金属板2をセラミック基板1上に高密度に配置することができ、より小型のパワーモジュール用基板10とすることができる。これは、図4に示す例のような金属板2の側面が傾斜面である場合にも適用でき、金属板2の側面において上端よりセラミック基板1側を傾斜面としたり、図9に示す例のように上端の角を丸めたりすることができる。
なお、図4〜図10における金属板2の側面は凹面(凹部)や傾斜面を有しているが、図4〜図10における長さLは0.005mm〜0.1mm程度と小さいものであり、金属素板22から金属板2を形成する際に形成されるものである。すなわち、金属素板22の上面からのエッチング加工や打ち抜き加工で形成される程度の小さい傾斜および凹部である。
セラミック基板1は、セラミックス焼結体からなり、金属板2を固定して支持するための基体部分である。また、セラミック基板1は、セラミック基板1の表面に接合された複数の金属板2の間を互いに電気的に絶縁させるための絶縁部材としても機能する。また、
セラミック基板1の上下面間で熱を伝導する伝熱部材としても機能する。セラミック基板1の大きさはパワーモジュール100の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、厚みは0.25mm〜1.0mmで、平面視の大きさは1辺の長さが10mm〜200mmの矩形状とすることができる。
セラミック基板1のセラミックス焼結体としては、公知の材料を用いることができ、例えば、アルミナ(Al2O3)焼結体、窒化アルミニウム(AlN)焼結体および窒化ケイ素(Si3N4)焼結体などを用いることができる。セラミック基板1は、公知の製造方法によって製造することができ、例えば、アルミナなどの原料粉末に焼結助剤を添加し、基板状に成形したのち、焼成することで製造することができる。
金属板2は、例えば銅または銅合金等の金属材料によって形成されている。電気伝導および熱伝導の点では99%以上の純銅を用いるとよく、さらに、金属板2における酸素の含有量が少ない方が、ボンディングワイヤ12と金属板2との接合強度の向上に関して有利である。金属板2の大きさおよび形状もまた、パワーモジュール100の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば。厚みは0.1mm〜4.0mmとすることができる。
図1に示す例のパワーモジュール用基板10においては、セラミック基板1の上面の中央部に接合された金属板2、この金属板2を挟むように配置されて接合された一対の金属板2およびセラミック基板1の下面に接合された金属板2を備えている。この例では、セラミック基板1の上面に接合された金属板2は主として電気回路の配線として機能し、セラミック基板1の下面に接合された金属板2は放熱板として機能する。金属板2の数、形状、配置等はこの例に限られるものではない。
ろう材3は、例えばチタン、ハフニウムおよびジルコニウムのうち少なくとも1種の活性金属材料を含む、銀−銅(Ag−Cu)系の活性ろう材である。Ag−Cu系ろう材としては、例えばB−Ag8(JIS Z 3261−1985)を用いることができる。
ろう材3が、金属板2とは金属板2の外周より内側で接合され、セラミック基板1とは金属板2の外周より内側で接合されたパワーモジュール用基板10は、例えば以下のようにして作製することができる。図11は、パワーモジュール用基板10の製造方法の一例を工程順に示す断面図である。この例では、簡易的に、セラミック基板1の上面に金属板2が1つだけ接合されている構成のパワーモジュール用基板10を作製する例を示している。
まず、図11(a)に示すように、セラミック基板1上にろう材ペースト23を塗布する。図11はセラミック基板1の上面だけに1つの金属板2が接合されている簡易的なパワーモジュール用基板10を作製する例を示しているが、パワーモジュール用基板10における金属板2の数および配置に対応するようにろう材ペースト23を塗布する。ろう材ペースト23の平面視の形状、大きさおよび配置は、金属板2の形状、大きさおよび配置と同じである。これにより、ろう材3の第2接合部3bの外周の位置を各金属板2の外周の位置と同じにすることができる。ろう材ペースト23は、上記ろう材3(活性ろう材)となる粉末に溶剤やバインダー等を加えて混錬することで作製することができる。
次に、図11(b)に示すように、ろう材ペースト23の外縁部と重なるように流れ防止材24の膜を形成する。流れ防止材24の形状は、パワーモジュール用基板10におけるろう材3の金属板2に接合する部分(第1接合部3a)の形状の開口を有する枠状である。流れ防止材24は、後述する接合工程において消失せず、金属板2のセラミック基板1への接合後には容易に除去できるものである。例えば、接合工程における加熱で焼結し
ないセラミック粉末(例えば、TiO2,Al2O3等)のペーストである。セラミック基板1の上面に、流れ防止材24のペーストをスクリーン印刷等で所定形状に塗布して乾燥させることで流れ防止材24の膜を形成することができる。
次に、図11(c)に示すように、ろう材ペースト23の上にセラミック基板1と同程度の大きさの金属素板22を載置する。このとき金属素板22を押さえて流れ防止材24の開口内においてろう材ペースト23と金属素板22とが接するようにする。このとき、流れ防止材24の一部はろう材ペースト23に埋め込まれて、ろう材ペースト23の外縁部の厚みが薄くなる。流れ防止材24の開口内にろう材ペースト23を塗布して、ろう材ペースト23と流れ防止材24との間に段差をなくして、ろう材ペースト23と金属素板22とが接するようにしてもよい。
次に、例えば、真空状態で830℃程度の加熱処理をすることによって金属素板22をセラミック基板1の上面に接合する。このとき、流れ防止材24とろう材ペースト23とが重なっている部分では、ろう材3はセラミック基板1だけに接合され、金属素板22の下面には接合されない。
次に、図11(d)に示すように、金属素板22の上面にエッチングマスク25を形成する。エッチングマスク25は、金属板2の形状、大きさおよび配置に対応する位置に設ける。また、エッチングマスク25は、フィルム状のレジスト材を金属素板22の上面に貼り付ける、あるいは液状のレジスト材を金属素板22の上面に塗布するなどして、フォトリソ法によって金属板2に対応する部分以外を除去して形成することができる。液状の樹脂を金属板2の形状に印刷してエッチングマスク25を形成することもできる。
次に、図11(e)に示すように、金属素板22のエッチングマスク25で覆われていない部分をエッチングによって除去し、所定形状の金属板2を形成する。このとき、エッチング条件によって、金属板2の側面の形状を設定することができる。オーバーエッチングによって、金属板2の側面を凹面等にすることができる。
そして、図11(f)に示すように、エッチングマスク25および流れ防止材24を除去することでパワーモジュール用基板10となる。流れ防止材24が除去されると、金属板2の外縁部では、ろう材3はセラミック基板1とは接合され、金属板2の下面とは接合されず、ろう材3と金属板2の下面との間に空間が形成される。そして、ろう材3のセラミック基板1との接合部である第2接合部3bの外周は、ろう材3と金属板2との接合部である第1接合部3aの外周より外側に位置するものとなる。流れ防止材24はセラミック粉末の凝集体のようなものであるので、ブラスト等で容易に除去することが可能である。例えば、エッチングマスク25を除去した後にこのブラスト処理を行なうことで、金属板2の上面と側面の間の角(上端の角)を丸めることもできる。
図11に示す例では、ろう材ペースト23は、金属板2の形状、大きさおよび配置に対応するように塗布している例である。これに対して、図12に示す例は、図12(a)のように金属板2よりも大きくろう材ペースト23を塗布して、図12(f)のように金属素板22を接合した後にろう材3の不要部分を除去する例である。図12はセラミック基板1上に2つの金属板2が接合されているパワーモジュール用基板10を作製する例を示している。
まず、図12(a)に示すように、セラミック基板1上にろう材ペースト23を塗布する。図12(a)では、ろう材ペースト23は、セラミック基板1の上面の全面に塗布しているが、セラミック基板1上に接合される金属板2の全てと重なる位置に塗布すればよいので、セラミック基板の表面の外縁部には塗布しなくてもよい。
次に、図12(b)に示すように、金属板2の外縁部と重なる位置に、流れ防止材24の膜を形成する。流れ防止材24の形状は、パワーモジュール用基板10におけるろう材3の金属板2に接合する部分(第1接合部3a)の形状の開口を有する枠状である。図12(b)では、ろう材ペースト23の全面を覆い、金属板2(と接合する第1接合部3a)に対応する開口を複数有する流れ防止材24の膜を形成している。複数の金属板2の数および配置に対応するように複数の位置に流れ防止材24の膜をそれぞれ形成してもよい。
次に、図12(c)に示すように、ろう材ペースト23の上にセラミック基板1と同程度の大きさの金属素板22を載置する。このとき金属素板22を押さえて流れ防止材24の開口内においてろう材ペースト23と金属素板22とが接するようにする。このとき、流れ防止材24の一部はろう材ペースト23に埋め込まれて、ろう材ペースト23の外縁部の厚みが薄くなる。上述したように、流れ防止材24の開口内にろう材ペースト23を塗布してもよい。
次に、例えば、真空状態で830℃程度の加熱処理をすることによって金属素板22をセラミック基板1の上面に接合する。このとき、流れ防止材24とろう材ペースト23とが重なっている部分では、ろう材3はセラミック基板1だけに接合され、金属素板22の下面には接合されない。
次に、図12(d)に示すように、金属素板22の上面にエッチングマスク25を形成する。エッチングマスク25は、金属板2の形状、大きさおよび配置に対応する位置に設ける。また、エッチングマスク25は、フィルム状のレジスト材を金属素板22の上面に貼り付ける、あるいは液状のレジスト材を金属素板22の上面に塗布するなどして、フォトリソ法によって金属板2に対応する部分以外を除去して形成することができる。液状の樹脂を金属板2の形状に印刷してエッチングマスク25を形成することもできる。
次に、図12(e)に示すように、金属素板22のエッチングマスク25で覆われていない部分をエッチングによって除去し、所定形状の金属板2を形成する。このとき、エッチング条件によって、金属板2の側面の形状を設定することができる。オーバーエッチングによって、金属板2の側面を凹面等にすることができる。
ついで、流れ防止材24を除去して、ろう材3の不要な部分を除去する。流れ防止材24はセラミック粉末の凝集体のようなものであるので、ブラスト等で容易に除去することが可能である。流れ防止材24が除去されると、金属板2の外縁部では、ろう材3はセラミック基板1とは接合され、金属板2の下面とは接合されず、ろう材3と金属板2の下面との間に空間が形成される。ろう材3は、隣接する金属板2間では接続された状態で、また金属板2から大きく外側へはみ出した状態である。ろう材3の、金属板2間の部分および金属板2からはみ出した部分をエッチングやブラストで除去することで第2接合部3bの外周縁が形成される。金属板2がエッチングマスクとしてエッチング等を行なうと、図12(f)に示す例のように、金属板2の外周と第2接合部3bの外周とがほぼ同じ位置となる。エッチング条件によってろう材3の第2接合部3bの外周の位置を調整することができる。また、金属板2の外周に沿ってろう材3の上にエッチングマスクを形成することで、金属板2から外側へはみ出し、第2接合部3bの外周が金属板2の外周より外側に位置するろう材3を精度よく形成することができる。
そして、図12(f)に示すように、エッチングマスク25を除去することでパワーモジュール用基板10となる。エッチングマスク25を除去した後にさらにブラスト処理を行なうことで、金属板2の上面と側面の間の角(上端の角)を丸めることもできる。
図11および図12に示す例では、セラミック基板1と同程度の大きさの金属素板22を接合した後にエッチングによって金属板2の大きさに加工している。これに対して、図13に示す例では、図13(b)のように金属素板22にプレス加工を施してあらかじめ所定形状の金属板2としたものを、セラミック基板1に接合することもできる。
まず、図13(a)に示すように、セラミック基板1を準備するとともに、図13(b)に示すように、プレス加工によって金属素板22から金属板2を作製する。プレス加工以外に、切削加工等の機械加工やエッチング加工等の化学加工によって金属板2を作製することもできる。このときの加工によって、金属板2の側面を所定形状に加工することができる。
次に、図13(c)に示すように、セラミック基板1上にろう材ペースト23を塗布する。金属板2の数および配置に対応するようにろう材ペースト23を塗布する。ろう材ペースト23の平面視の形状、大きさおよび配置は、金属板2の形状、大きさおよび配置と同じである。これにより、ろう材3の第2接合部3bの外周の位置を各金属板2の外周の位置と同じにすることができる。ろう材ペースト23は、上記ろう材3(活性ろう材)となる粉末に溶剤やバインダー等を加えて混錬することで作製することができる。
次に、図13(d)に示すように、ろう材ペースト23の外縁部と重なるように流れ防止材24の膜を形成する。流れ防止材24の形状は、パワーモジュール用基板10におけるろう材3の金属板2に接合する部分(第1接合部3a)の形状の開口を有する枠状である。図13(d)では、ろう材ペースト23の全面を覆い、金属板2(と接合する第1接合部3a)に対応する開口を複数有する流れ防止材24の膜を形成している。複数の金属板2の数および配置に対応するように複数の位置に流れ防止材24の膜をそれぞれ形成してもよい。
次に、図13(e)に示すように、ろう材ペースト23の上に金属板2を載置する。このとき金属板2を押さえて流れ防止材24の開口内においてろう材ペースト23と金属素板22とが接するようにする。このとき、流れ防止材24の一部はろう材ペースト23に埋め込まれて、ろう材ペースト23の外縁部の厚みが薄くなる。流れ防止材24の開口内にろう材ペースト23を塗布して、ろう材ペースト23と流れ防止材24との間に段差をなくして、ろう材ペースト23と金属素板22とが接するようにしてもよい。
次に、例えば、真空状態で830℃程度の加熱処理をすることによって金属板2をセラミック基板1の上面に接合する。このとき、流れ防止材24とろう材ペースト23とが重なっている部分では、ろう材3はセラミック基板1だけに接合され、金属板2の下面には接合されない。
そして、図13(f)に示すように、流れ防止材24を除去することでパワーモジュール用基板10となる。流れ防止材24が除去されると、金属板2の外縁部では、ろう材3はセラミック基板1とは接合され、金属板2の下面とは接合されず、ろう材3と金属板2の下面との間に空間が形成される。そして、ろう材3のセラミック基板1との接合部である第2接合部3bの外周は、ろう材3と金属板2との接合部である第1接合部3aの外周より外側に位置するものとなる。流れ防止材24はセラミック粉末の凝集体のようなものであるので、ブラスト等で容易に除去することが可能である。例えば、金属板2をセラミック基板1の上面に接合した後にこのブラスト処理を行なうことで、金属板2の上面と側面の間の角(上端の角)を丸めることもできる。
また、セラミック基板1の代わりにより大型のセラミック基板の上に大型の金属素板2
2を接合してエッチング加工し、複数のパワーモジュール用基板10が一体となった多数個取りパワーモジュール用基板を作製し、これを分割することで複数のパワーモジュール用基板10を作製することもできる。多数個取りパワーモジュール基板は、多数個取りの各々のパワーモジュール用基板10(領域)の配置の位置精度が高いために、分割せずに多数個取りパワーモジュール用基板で電子部品11を実装することも容易にできる。これによって、実装工程の生産性を高めることもでき、パワーモジュール100の生産性を効果的に高めることもできる。
また、ろう材3は活性金属材料を含まないものでもよい。この場合には、セラミック基板1の上面の所定部位にろう付け用の下地金属層(図示せず)を設けておけばよい。下地金属層は、例えば銀、銅、インジウム、亜鉛、錫、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、オスミウム、レニウムおよびタングステン等から選択される金属を含む金属材料のメタライズ層としてセラミック基板1の表面の所定位置に形成することができる。上記製造方法において、金属板2の平面視の大きさおよび形状と同程度の大きさおよび形状の下地金属層を設けたセラミック基板1を準備し、活性金属を含まないろう材ペースト23を塗布することで下地金属層を有する同様のパワーモジュール用基板10を作製することができる。
金属板2およびろう材3の露出面には、金属皮膜(図示せず)を設けることができる。この金属皮膜は、電子部品11の接合材11aによる金属板2への接合性を高めるための皮膜である。そのため、パワーモジュール100,101,102において電子部品11が搭載される領域に部分的に設けることもできる。この場合は、金属板2の搭載領域に凹部を設け、金属皮膜を凹部の底面に設けることができる。
金属皮膜は、例えばめっき法によってセラミック基板1に接合された金属板2の上面に形成することができる。金属皮膜を部分的に設ける場合は、めっき工程において、金属板2の上面における金属皮膜を形成する領域以外を樹脂材料等からなる被覆材(レジスト膜)でカバーしておけば、金属皮膜を金属板2の上面の一部にのみ設けることができる。
金属皮膜の表面は、例えば、銀層または金層からなるものとすることができる。このような金属皮膜が配置されていると、金属板2の上面の電子部品11が搭載される部分の酸化等を抑制することができる。そのため、接合材11aを介して電子部品11を金属板2の表面(上面)に接合して搭載することが容易であり、電気的な接続信頼性の向上についても有利である。金属皮膜は表面が銀または金であればよいので、銀層または金層の単層であってもよいし、最表層を銀層または金層とする複数層で構成されていてもよい。
金属皮膜を複数層で構成する場合には、金属板2と接合性のよい下地層を設けることができるので、金属皮膜の金属板2への接合強度を向上させることができる。金属皮膜を複数層で構成する場合の例としては、例えば、金属板2側から、ニッケル/パラジウム/銀(Ni/Pd/Ag)、ニッケル/パラジウム/金(Ni/Pd/Au)等があげられる。ニッケル層は、金属皮膜の金属板2に対する接合強度を向上させる機能を有している。ニッケル層は、銅等の被めっき材(金属板2)に対する密着強度が高い性質を有している。そのため、ニッケル層によって金属皮膜が金属板2の上面に強固に被着されている。パラジウム層は、ニッケル層のニッケル成分が銀層または金層に拡散することを抑制する機能を有している。また、パラジウム層は、例えば接合材11aとしてはんだを用いる場合には、はんだを介して金属皮膜上に電子部品11を搭載するときのはんだ濡れ性を向上させる機能も有している。この場合、例えば銀層または金層の一部がはんだ中に溶解したとしても、パラジウム層にはんだが容易に濡れる。そのため、はんだの濡れ性を向上させることができる。
また、金属皮膜が銀層または金層およびそのすぐ下側に配置されたニッケル層を含む場合、すなわち金属皮膜が、セラミック基板1の上面に順次被着されたニッケル層および銀層または金層のみからなる場合には、金属板2から金属皮膜への銅等の金属の拡散を抑制することができることから、金属皮膜の銀層または金層の厚みを抑制することができ、パワーモジュール用基板10のコストを低減することができる。
接合材11aとして銀ナノペーストを用いる場合には、金属皮膜の表面を銀層とすることができる。このようにすることで、銀ナノ粒子と金属皮膜とが結合しやすくなるので、銀ナノペーストによる電子部品11の金属板2への接合性が高いものとなる。
金属皮膜が部分的に設けられる場合の金属板2の表面の凹部は、平面視の寸法が搭載される電子部品11の寸法より一回り大きく、金属皮膜と同程度の大きさである。凹部の深さは、例えば2μm〜20μmである。凹部は、金属板2の表面に、ブラスト加工等の機械的加工あるいは化学エッチング等の化学的加工を施すことによって形成することができる。いずれの場合でも、例えば、金属皮膜を形成する位置に開口を設けた被覆材(マスク)を金属板2の上に設けて、開口から露出した部分のみを加工することで凹部を形成することができる。そのため、上述した被覆材を用いためっき法による金属皮膜の形成の前に凹部の形成を行なうことで、効率よく凹部と金属皮膜の形成ができる。
また、セラミック基板1の下面に接合された金属板2の表面にもニッケルなどのめっき層を設けてもよい。これにより、金属板2の表面の酸化を抑制することができる。また、金属板2をはんだ等の伝熱性接合材で放熱体に接合する場合には、はんだ濡れ性を向上させることができ、放熱体への熱伝導性を向上させることができる。
上記のようなパワーモジュール用基板10に電子部品11を搭載することで、図1に示す例のようなパワーモジュール100となる。パワーモジュール100は、例えば、自動車などに用いられ、ECU(engine control unit)およびパワーアシストハンドル、モ
ータドライブなどの各種制御ユニットに使用される。パワーモジュール100は、このような車載の制御ユニットに限られるものではなく、例えば、その他の各種インバータ制御回路、電力制御回路、パワーコンディショナー等に用いられる。
図1に示す例のパワーモジュール100においては、セラミック基板1の表面(上面)の中央部に接合された金属板2の上に、1つの電子部品11が搭載されている。電子部品11が搭載された金属板2を挟むように配置されて接合された金属板2と電子部品11とはボンディングワイヤ12によって電気的に接続されている。この外側の金属板2は、外部の電気回路と接続するための端子として機能する。また、電子部品11で発生した熱は、セラミック基板1の上面に接合された金属板2およびセラミック基板1を介してセラミック基板1の下面に接合された金属板2に伝わり、さらに外部へ放熱することができる。つまり、セラミック基板1の下面に接合された金属板2は放熱板として機能する。電子部品11の数、大きさおよび搭載位置等については、図1に示す例に限られるものではない。
電子部品11は、例えばパワー半導体であり、上記のような各種制御ユニットにおいて、電力制御のために用いられる。例えばSiを用いたMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor−Field Effect Transistor)やIGBTといったトランジスタ、あるいはSiCやGaNを用いたパワー素子があげられる。
電子部品11は、接合材11aによってパワーモジュール用基板10の金属板2に接合されて固定される。接合材11aは、例えば、はんだまたは銀ナノペーストを用いることができる。金属板2の表面に部分的に金属皮膜を設ける場合は、平面視での電子部品11
の大きさが金属皮膜の大きさより小さいと、電子部品11の側面から金属皮膜の上面にかけて接合材11aのフィレットが形成されるので、電子部品11の金属板2(金属皮膜)への接合強度を高めることができる。また、金属皮膜の表面は接合材11aによって覆わ
れて露出しないので、後述する封止樹脂13の接合性が向上する。
ボンディングワイヤ12は、電子部品11の端子電極(不図示)と金属板2とを電気的に接続する、接続部材である。ボンディングワイヤ12としては、例えば、銅もしくはアルミニウム製のものを用いることができる。
図3(a)に示す例のパワーモジュール101は、図1に示す例のパワーモジュール100が、上面から下面の外周部にかけて封止樹脂13で覆われて、電子部品11が封止されているものである。金属板2の表面に部分的に金属皮膜を設ける場合は、封止樹脂13は、不活性な銀層または金層である金属皮膜が形成されていない金属板2の上面等に接合されるので、封止樹脂13による電子部品11の封止の信頼性を効果的に向上させることができる。また、封止樹脂13は、セラミック基板1の下面に接合された金属板2の主面(下面)は覆っていない。そのため、放熱板として機能する金属板2を外部の放熱体等に直接に熱的に接続することができるので、放熱性に優れたパワーモジュール101とすることができる。また、端子として機能する金属板2は、セラミック基板1からはみ出す長さであり、封止樹脂13からもはみ出している。これによって、端子として機能する金属板2と外部の電気回路との電気的に接続が容易に可能となっている。
封止樹脂13には、熱伝導性、絶縁性、耐環境性および封止性の点から、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を使用することができる。
図3(b)に示す例のパワーモジュール102は、図1に示す例のパワーモジュール100が、内側空間を有する筐体14の内部空間に配置され、内部空間に封止樹脂13が充填されて電子部品11およびパワーモジュール用基板10が封止されている例である。
筐体14は、枠体15と、この枠体15の一方の開口を塞ぐ放熱板16とで構成されており、枠体15と放熱板16とで囲まれた空間が内側空間となる。また、内側空間から筐体14の枠体15を貫通して外部へ導出されたリード端子17を備えている。そして、リード端子17の内部空間内の端部とパワーモジュール用基板10の金属板2とがボンディングワイヤ12で接続されている。これにより、電子部品11と外部の電気回路とが電気的に接続可能となっている。
枠体15は、樹脂材料、金属材料またはこれらの混合材料からなり、放熱板16により一方の開口が塞がれてパワーモジュール用基板10を収納する内側空間を形成している。枠体15に用いられる材料としては、放熱性、耐熱性、耐環境性および軽量性の点から、銅、アルミニウムなどの金属材料またはポリブチルテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイト(PPS)などの樹脂材料を使用することができる。これらの中でも、入手しやすさの点から、PBT樹脂を用いることが望ましい。また、PBT樹脂には、ガラス繊維を添加して繊維強化樹脂とすることが、機械的強度が増大するので好ましい。
リード端子17は、内側空間から枠体15を貫通して外部へ導出するように取り付けられている、導電性の端子である。このリード端子17の内側空間側の端部はパワーモジュール用基板10の金属板2と電気的に接続され、外部側の端部は外部の電気回路(図示せず)または電源装置(図示せず)などと電気的に接続される。このリード端子17は、導電性端子に用いられる各種の金属材料は、例えばCuおよびCu合金、AlおよびAl合金、FeおよびFe合金、ステンレススチール(SUS)等を用いることができる。
放熱板16は、動作時に電子部品11で生じた熱を、パワーモジュール102の外部に放熱するためのものである。この放熱板16には、Al、Cu、Cu−Wなどの高熱伝導性材料を使用することができる。特に、AlはFeなどの一般的な構造材料としての金属材料と比べて熱伝導性が高く、電子部品11で生じた熱をより効率的にパワーモジュール102の外部に放熱できるので、電子部品11を安定して正常に動作させることが可能となる。また、AlはCuあるいはCu−Wなどの他の高熱伝導性材料と比較して、入手しやすく安価であることから、パワーモジュール102の低コスト化にも有利になる点で優れている。
放熱板16とパワーモジュール用基板10の金属板2とは、不図示の伝熱性接合材で熱的に接続されている。伝熱性接合材としては、ろう材を用いて熱的に接続するとともに機械的に強固に接合してもよく、グリスなどで熱的に接続し、機械的には比較的弱く接合してもよく、さらに後述のように封止樹脂13によって接合してもよい。
封止樹脂13は、内側空間に充填され、パワーモジュール用基板10に搭載された電子部品11を封止して保護するものである。パワーモジュール用基板10と放熱板16との機械的な接合と内側空間の封止とを同じ封止樹脂13で行なってもよい。この場合、パワーモジュール用基板10と放熱板16との機械的な強固な接合と樹脂封止とを同一工程で行うことができる。
パワーモジュール102は、さらに放熱特性を向上させるために、放熱板16の、パワーモジュール用基板10が接合されている側とは反対側の露出した面に、伝熱性接合材19を介して冷却器18を接合してもよい。この伝熱性接合材19は上記した、放熱板16とパワーモジュール用基板10の金属板2とを接続する伝熱性接合材と同様のものを用いることができる。図3(b)に示す例では、冷却器18は金属等のブロック体に水等の冷媒を通過させる流路を設けたものを示しているが、これ以外の、例えば冷却フィンであってもよい。このような冷却器18は、図1または図3(a)に示す例のパワーモジュール100,101にも適用することができ、パワーモジュール用基板10の金属板2に接続すればよい。この場合は、平板状のもの、すなわち図3(b)に示す放熱板16だけを冷却器18として適用することもできる。