JP2019116914A - 摺動部材およびその利用 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸・軸受構造の大型化が容易であり、さらに、摺接粒子を固定する基材の機械的特性が向上した摺動部材を提供する。【解決手段】摺動部材の基体(10a)と、上記摺動部材基部の表面に固定された複合材(12)と、を備え、上記複合材(12)は、上記被摺動部材に摺接する特定量の摺接粒子(12b)と、当該摺接粒子(12b)を上記摺動部材基部に固定する複合材基材(12a)と、を含む焼結体であり、上記摺接粒子(12b)は、上記複合材基材(12a)の表面から突出している。【選択図】図1
Description
本発明は、摺動部材およびその利用、特に、ポンプに好適に利用できる摺動部材に関する。
排水ポンプの一種として、先行待機運転ポンプが知られている。先行待機運転ポンプは、例えばゲリラ豪雨のような急激な水量の増加に対応すべく、予め無水状態で全速運転(先行待機運転)することや、気水混合状態での排水を行うことが可能となっている。このような先行待機運転ポンプに適用できる摺動部材が、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1には、摺動部材基部および摺接粒子を備えたポンプ用軸・軸受構造が開示されている。当該摺接粒子は、摺動部材基部の表面に散在して固定されるとともに、摺動部材基部の表面から突出しており、被摺動部材に摺接することが記載されている。
しかしながら、上述のような従来技術では、数十μmから数百μmの粒径の摺接粒子を摺動部材基部に固定した後、加工によって軸・軸受構造を製造するため、軸・軸受構造の大型化に伴い製造設備も大型化することが懸念されていた。また、摺動部材にかかる負荷が増大するため、摺接粒子を固定する基材の機械的特性の点で課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、その目的は、軸・軸受構造の大型化に対応でき、さらに、摺接粒子を固定する基材の機械的特性が向上した摺動部材を提供することにある。
本願発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、被摺動部材に摺接する摺接粒子と、当該摺接粒子を上記摺動部材基部に固定する複合材基材とを含む複合材を摺動部材基部に固定することによって、軸・軸受構造の大型化に容易に対応でき、さらに、摺接粒子を固定する基材の機械的特性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本願発明は、以下の発明を包含する。
〔1〕被摺動部材に対して相対的に摺動する摺動部材であって、
上記摺動部材は、
摺動部材基部と、
上記摺動部材基部の表面に固定された複合材と、を備え、
上記複合材は、上記被摺動部材に摺接する摺接粒子と、当該摺接粒子を上記摺動部材基部に固定する複合材基材と、を含み、上記複合材100体積%に対して上記摺接粒子を20体積%以上80体積%以下含有する焼結体であり、
上記摺接粒子は、上記複合材基材の表面から突出することにより上記被摺動部材に摺接することを特徴とする摺動部材。
〔2〕上記複合材基材が、セラミックスおよびサーメットから選ばれる1種以上を含むことを特徴とする〔1〕に記載の摺動部材。
〔3〕上記摺接粒子の硬さが、上記複合材基材の硬さよりも大きいことを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の摺動部材。
〔4〕上記複合材基材が、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、酸化物ガラス、炭化ホウ素、ジルコニア、酸化ケイ素、WC系セラミックス、炭化チタン、二ホウ化チタン、炭化タングステンを含むサーメットおよびチタン化合物を含むサーメットからなる群より選ばれる1種以上の材料を含むことを特徴とする〔3〕に記載の摺動部材。
〔5〕上記摺接粒子が、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンドライクカーボン、ガラス状カーボン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、炭化タングステンおよび炭化モリブデンからなる群より選ばれる1種以上を含むことを特徴とする〔3〕または〔4〕に記載の摺動部材。
〔6〕上記摺接粒子の平均粒子径が、10μm以上250μm以下であることを特徴とする〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の摺動部材。
〔7〕上記複合材の厚さが、3mm以上5mm以下であることを特徴とする〔1〕から〔6〕のいずれかに記載の摺動部材。
〔8〕上記セラミックスが、共有結合性結晶およびイオン結合性結晶から選ばれる1種以上から構成されることを特徴とする、〔2〕に記載の摺動部材。
〔9〕〔1〕から〔8〕のいずれかに記載の摺動部材を備えることを特徴とするポンプ。
〔1〕被摺動部材に対して相対的に摺動する摺動部材であって、
上記摺動部材は、
摺動部材基部と、
上記摺動部材基部の表面に固定された複合材と、を備え、
上記複合材は、上記被摺動部材に摺接する摺接粒子と、当該摺接粒子を上記摺動部材基部に固定する複合材基材と、を含み、上記複合材100体積%に対して上記摺接粒子を20体積%以上80体積%以下含有する焼結体であり、
上記摺接粒子は、上記複合材基材の表面から突出することにより上記被摺動部材に摺接することを特徴とする摺動部材。
〔2〕上記複合材基材が、セラミックスおよびサーメットから選ばれる1種以上を含むことを特徴とする〔1〕に記載の摺動部材。
〔3〕上記摺接粒子の硬さが、上記複合材基材の硬さよりも大きいことを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の摺動部材。
〔4〕上記複合材基材が、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、酸化物ガラス、炭化ホウ素、ジルコニア、酸化ケイ素、WC系セラミックス、炭化チタン、二ホウ化チタン、炭化タングステンを含むサーメットおよびチタン化合物を含むサーメットからなる群より選ばれる1種以上の材料を含むことを特徴とする〔3〕に記載の摺動部材。
〔5〕上記摺接粒子が、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンドライクカーボン、ガラス状カーボン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、炭化タングステンおよび炭化モリブデンからなる群より選ばれる1種以上を含むことを特徴とする〔3〕または〔4〕に記載の摺動部材。
〔6〕上記摺接粒子の平均粒子径が、10μm以上250μm以下であることを特徴とする〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の摺動部材。
〔7〕上記複合材の厚さが、3mm以上5mm以下であることを特徴とする〔1〕から〔6〕のいずれかに記載の摺動部材。
〔8〕上記セラミックスが、共有結合性結晶およびイオン結合性結晶から選ばれる1種以上から構成されることを特徴とする、〔2〕に記載の摺動部材。
〔9〕〔1〕から〔8〕のいずれかに記載の摺動部材を備えることを特徴とするポンプ。
本発明の一態様によれば、軸・軸受構造の大型化が容易である。
本発明の一態様によれば、複合材基材と摺接粒子とは焼結されているため、摺接粒子を固定する基材の機械的特性を向上させる。さらに、摺接粒子は、耐剥離性に優れる。
本発明の一態様によれば、摺動部材基部の摩耗を抑制し、ポンプの運転を安定的に継続することができるという効果を奏する。
また、摺動部材基部の所望の箇所に複合材を形成することができる。
〔1.摺動部材〕
本発明の一実施形態に係る摺動部材は、被摺動部材に対して相対的に摺動する摺動部材であって、上記摺動部材は、摺動部材基部と、上記摺動部材基部の表面に固定された複合材と、を備え、上記複合材は、上記被摺動部材に摺接する摺接粒子と、当該摺接粒子を上記摺動部材基部に固定する複合材基材と、を含み、上記複合材100体積%に対して上記摺接粒子を20体積%以上80体積%以下含有する焼結体であり、上記摺接粒子は、上記複合材基材の表面から突出することにより上記被摺動部材に摺接することを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る摺動部材は、被摺動部材に対して相対的に摺動する摺動部材であって、上記摺動部材は、摺動部材基部と、上記摺動部材基部の表面に固定された複合材と、を備え、上記複合材は、上記被摺動部材に摺接する摺接粒子と、当該摺接粒子を上記摺動部材基部に固定する複合材基材と、を含み、上記複合材100体積%に対して上記摺接粒子を20体積%以上80体積%以下含有する焼結体であり、上記摺接粒子は、上記複合材基材の表面から突出することにより上記被摺動部材に摺接することを特徴とする。
上記構成によれば、複合材基材と摺接粒子とは焼結されているため、摺接粒子は、複合材基材に強固に固定される。それゆえ、摺接粒子は耐剥離性に優れる。
また、上記構成によれば、複合材が焼結体であり、例えばペレット状に形成することができるため、摺動部材基部の所望の箇所に複合材を形成することができる。それゆえ、摺接粒子を摺動部材に配置する上で、設計の自由度が高く、大型化への対応が容易である。
上記構成によれば、複合材基材の硬度が高く、珪砂の硬度と同等以上であるため、スラリー液に含まれる珪砂等に対する耐摩耗性に優れる。
<摺動部材の構成>
まず、被摺動部材に対して相対的に摺動する摺動部材として、スラリー液を排出可能なポンプに用いられる回転機構における軸・軸受構造の軸部材について説明する。尚、本実施の形態では、摺動部材としての軸部材について説明するが、本発明の摺動部材は必ずしもこれに限らない。例えば、軸部材に対して相対的に摺動する軸・軸受構造における軸受部材にも適用することができる。
まず、被摺動部材に対して相対的に摺動する摺動部材として、スラリー液を排出可能なポンプに用いられる回転機構における軸・軸受構造の軸部材について説明する。尚、本実施の形態では、摺動部材としての軸部材について説明するが、本発明の摺動部材は必ずしもこれに限らない。例えば、軸部材に対して相対的に摺動する軸・軸受構造における軸受部材にも適用することができる。
軸・軸受構造1Aにおける、本実施の形態の摺動部材としての軸部材10の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施の形態における軸・軸受構造1Aの、軸方向に垂直な断面を示す断面概略図である。
図1に示すように、軸・軸受構造1Aは、摺動部材としての軸部材10と、被摺動部材としての軸受部材11とからなっている。軸部材10は、円筒形状の軸スリーブである。尚、軸部材10は、軸スリーブに限定されるものではなく、軸であってもよい。一方、軸受部材11は、内部に軸部材10が収容される円筒形状を有しており、軸部材10を軸支する。
軸受部材11は、例えば、硬質のセラミックスまたは超硬合金等からなり、珪砂の硬度と同等以上であるため、スラリー液に含まれる珪砂等に対する耐摩耗性に優れる。さらに、硬質のセラミックスである、共有結合性またはイオン結合性のセラミックスは、スラリー液中にまれに含まれる金属くず等の金属成分との親和性が小さいため、軸受部材11へのスラリー液に含まれる金属くず等の金属成分の付着を防ぎやすい。なお、軸受部材11の表面に、摩擦係数を低く、もしくは耐摩耗性を向上するための膜を形成するような加工がされていても良い。
軸部材10は、図1に示すように、少なくとも、円筒形状の基体10aと、基体10aの表面上に固定された複合材12とを備える。複合材12は、少なくとも、複合材基材12aと摺接粒子12bとを備える。上記摺接粒子12bは、上記複合材基材12aの表面から突出している。また、摺接粒子12bは、複合材基材12aの外表面上に散在している。そのため、複合材12の表面には、摺接粒子12bが存在せず、複合材基材が露出している領域(以下、複合材基材露出部)13が形成される。さらに、複合材12は基体10aの表面に固定されている。すなわち、複合材12は、軸部材10の凹部10bに嵌めこまれている。そのため、軸部材10の表面には、複合材12が存在せず、基体が露出している領域(以下、基体露出部)14が形成される。尚、図1においては、基体10aの表面に固定された複合材12のうち、一部のみを図示している。また、図1においては、複合材12の外表面上に散在する摺接粒子12bのうち、一部のみを図示している。また、図1においては、複合材12中に埋没した摺接粒子12bの原料粒子の図示を省略している。
基体10aは、例えば、SUS304等の一般的に用いられる材質によって形成されていてもよい。基体10aの表面の硬さはHv400kg/mm2以上であることが好ましい。排出される水に含まれるスラリー液に含まれる珪砂等の硬さがHv1000kg/mm2程度である。そのため、スラリー液に含まれる珪砂等による基体10aの損傷を軽減することができるという理由から、その値に近い硬度を有することが、好ましいと考えられてきた。しかし、本発明の一実施形態では、摺接粒子12bが固定された複合材の厚さが好ましい範囲として3mm以上であるため、基体10aの損傷が摺接粒子12bの耐剥離性及び摺動性に与える影響は小さい。そのため、本発明の一実施形態では、基体10aの表面の硬さはHv400kg/mm2以上であってもよい。また、基体10aの表面粗さRaは、1.0μm以下であることが好ましい。
本発明の一実施形態において、摺動部材基部は、その表面に固定される複合材12を有する。軸部材10の表面の垂直方向から見たときの、複合材12が占める面積の割合である面密度は、特に限定されない。すなわち、複合材12は、摺動部材基部の表面上に散在して配置されてもよく、摺動部材基部の表面のうち、負荷のかかりやすい領域(例えば軸端部)に多く配置されてもよい。図2は、基体の表面の垂直方向から見たときに、摺動部材基部の表面上に散在して複合材が配置されている軸部材の一実施形態を示す模式図である。また、図3は、基体の表面の垂直方向から見たときに、摺動部材基部の表面のうち、負荷がかかりやすい領域に多く配置されている軸部材の一実施形態を示す模式図である。
本発明の一実施形態において、複合材12は、複合材基材12aおよび当該複合材100体積%に対して20体積%以上80体積%以下の摺接粒子12bを含む焼結体である。複合材基材12aと摺接粒子12bとは焼結されているため、摺接粒子12bは、耐剥離性に優れる。すなわち、本発明の一実施形態に係る摺動部材を有する軸・軸受構造は、長時間運転を行っても摺接粒子12bが剥離しにくいため、長時間にわたって安定に摺動することができる。
複合材100体積%に対する摺接粒子12bの含有率は、20体積%以上80体積%以下であり、30体積%以上70体積%以下が好ましく、40体積%以上60体積%以下がより好ましい。本発明では、摺接粒子12bは複合材基材12aの表面から突出しているため、優れた摺動性を示す摺動部材を得ることができる。
複合材12の厚さは、摺接粒子12bが被摺動部材に摺接する限りにおいて、特に限定されないが、3mm以上5mm以下であることが好ましい。上記構成によれば、基体10aとは別々に複合材12を製造することができるため、複合材12の製造がしやすい。さらに、製造した複合材12を基体10aに必要数配置して固定すればよく、摺動部材の製造が容易である。なお、複合材12の厚さとは、摺接粒子12bの端部から複合材12の底面までの高さを意図する。図4中、a1は、摺接面15から複合材12の底面までの複合材12における最大の高さを示し、a2は、摺接面15から複合材12の底面までの複合材12における最小の高さを示す。複合材12における、a1の測定値とa2の測定値との平均値を複合材12の厚さと定義する。
複合材12の底面から複合材基材露出部13までの平均高さは、摺接粒子12bが被摺動部材に摺接する限りにおいて、特に限定されない。複合材12の底面から複合材基材露出部13までの平均高さは、凹部10bの深さと同じであってもよく、凹部10bの深さよりも大きくてもよく、小さくてもよい。複合材12の底面から複合材基材露出部13までの平均高さは、凹部10bの深さと同じであること、すなわち、複合材基材露出部13が、基体10aの表面と同一円周上にあることが好ましい。図4中、b1は、複合材12の底面から複合材基材露出部13までの最大の高さを示し、b2は、複合材12の底面から複合材基材露出部13までの最小の高さを示す。複合材12における、b1の測定値とb2の測定値との平均値を複合材12の底面から複合材基材露出部13までの平均高さと定義する。
複合材基材12aは、セラミックスおよびサーメットから選ばれる1種以上を含むことが好ましい。上記構成によると、複合材基材12aの硬度をより高くすることができるため、スラリー液に含まれる珪砂等に対する複合材基材12aの耐摩耗性を向上させることができる。上記セラミックスは、例えば、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、酸化物ガラス、炭化ホウ素、ジルコニア、酸化ケイ素、WC系セラミックス、炭化チタンおよび二ホウ化チタンが挙げられる。また、サーメットは、炭化タングステンを含むサーメットおよびチタン化合物を含むサーメットが挙げられる。なお、WC系セラミックスとは、炭化タングステンを含むセラミックスを意図し、例えば、WC−TaC−TiC系セラミックス(炭化タングステン、炭化タンタルおよび炭化チタンの焼結体)等が挙げられる。また、チタン化合物を含むサーメットとは、炭化チタン、二ホウ化チタンおよび窒化チタン等のチタン化合物と、コバルトおよびニッケル等のバインダー金属との複合金属材料を意図する。
上記構成によると、複合材基材12aの硬度をより高くすることができるため、スラリー液に含まれる珪砂等に対する複合材基材12aの耐摩耗性を向上させることができる。
さらに、上記セラミックスは、共有結合性結晶およびイオン結合性結晶から選ばれる1種以上から構成されることが好ましい。共有結合性結晶とは、共有結合している化合物からなる結晶を意図し、例えば、窒化ケイ素および炭化ケイ素等が挙げられる。また、イオン結合性結晶とは、イオン結合している化合物からなる結晶を意図し、例えば、アルミナ、ジルコニア等が挙げられる。複合材基材12aがこれらの材料から構成されることで、スラリー液に含まれる金属くず等の金属成分の、複合材基材露出部13への結合をさらに抑制しやすい。
さらに、複合材基材12aは、金属間化合物等を含んでいてもよい。金属間化合物とは、2種類以上の金属からなる化合物であり、元の金属と異なる特有の結晶構造を有し、かつ電子状態が大きく異なる元素同士が規則的に配列している化合物を意図する。複合材基材12aが金属間化合物を含むと、通常の金属と比較して硬度が大きいため、スラリー液に含まれる珪砂等に対する複合材基材12aの耐摩耗性を向上させることができる。また、複合材基材12aが金属間化合物を含むと、複合材基材12aの機械的特性を向上させることができる。
摺接粒子12bの硬さは、複合材基材12aの硬さよりも大きいことが好ましい。複合材基材12aおよび摺接粒子12bが上記構成であれば、ポンプの運転時にスラリー液に含まれる珪砂等による摩耗等があっても、摺接粒子12bが複合材基材12aの表面から突出している構造を維持しやすい。複合材基材12aの硬さおよび摺接粒子12bの硬さは、Hv(ビッカース硬さ)を用いて比較する。例えば、ダイヤモンドはHv6000kg/mm2、窒化ケイ素はHv1500kg/mm2、炭化ケイ素はHv2300kg/mm2、アルミナはHv1600kg/mm2であり、ジルコニアはHv1300kg/mm2、WC系セラミックスはHv2000kg/mm2、炭化チタンはHv2200kg/mm2、二ホウ化チタンはHv2400kg/mm2である。そのため、摺接粒子12bがダイヤモンドであるときは、複合材基材12aはダイヤモンドよりも軟らかい材料、例えば、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナまたはジルコニア等であることが好ましい。
また、摺接粒子12bの硬さは、珪砂の硬さ以上であることが好ましい。スラリー液の主成分である珪砂の硬さがHv1000kg/mm2程度であるので、その値に近い硬度、あるいはそれ以上の硬度を有することにより、上記珪砂による摺接粒子12bの損傷を軽減または抑制することができる。例えば、摺接粒子12bは、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンドライクカーボン(Diamond-like Carbon、以下「DLC」と称する)、ガラス状カーボン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、炭化タングステンおよび炭化モリブデンからなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましい。これらは単結晶粒子であってもよく、焼結体であってもよい。すなわち、上記ダイヤモンドには、ダイヤモンドの単結晶粒子、ダイヤモンド焼結体を粉砕した粒子も含まれる。また、上記DLCには、バインダーを使用してDLC粉末を造粒したものや、DLC粉末の焼結体を粉砕した粒子も含まれる。
上記構成によれば、珪砂による摺接粒子12bの摩耗をより抑制することができる。また、上記各粒子の摩擦係数が低いため、上記各粒子のうちの少なくとも1種以上を摺接粒子12bとして含む摺動部材は、被摺動部材との間に水等の潤滑剤が存在しない無潤滑条件下においても円滑に摺動することができる。さらに、上記各粒子の摩擦係数が低いことにより、摺接粒子12bと被摺動部材との間の摩擦による熱の発生が抑えられ、摺動部材の耐久性が向上する。
摺接粒子12bの平均粒子径は、10μm以上250μm以下であることが好ましい。より好ましくは20μm以上200μm以下であり、さらに好ましくは20μm以上100μm以下である。平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置:株式会社島津製作所、SALD−2100により計測される値である。
通常、複合材12の作製工程には、摺接粒子12bの先端を加工する工程が含まれる。本明細書における「摺接粒子の平均粒子径」とは、上記加工を行う前の摺接粒子12bの平均粒子径を意図する。なお、複合材は、摺接粒子12bと同一材料の粒子であって、摺接粒子12bよりも平均粒子径の小さい粒子を備えていてもよい。該粒子は、例えば、軸部材10を製造する際に、摺接粒子12bの原材料となる粉体の粒度分布に起因して不可避的に備えられる粒子である。
複合材基材露出部13の表面から摺接粒子12bの先端までの平均高さ(つまり、複合材基材露出部13の表面から摺接面15までの高さ、以下、「突出高さ」と称する)は、0.8μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましい。なお、突出高さにおける摺接粒子12bの先端とは、上述の加工を行った後の摺接粒子12bの先端を意図する。
また、突出高さは、摺接粒子の平均粒子径の40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。すなわち、例えば、摺接粒子の平均粒子径が150μmであれば、突出高さは、60μm以下であることが好ましく、45μm以下であることがより好ましい。突出高さが上記構成であれば、摺接粒子12bの固定強度が大きくなりやすい。
各摺接粒子12bの先端、つまり、軸受部材11側の端部は、軸部材10の軸方向から見たときに、軸部材10の軸を中心とした同一円周上にあることが好ましい。すなわち、各摺接粒子12bの先端によって、図1に示すように、軸部材10の軸を中心とした円周面である摺接面15が形成されることが好ましい。該摺接面15は、軸部材10が回転するときに、被摺動部材である軸受部材11と摺接する。
上記構成によれば、軸部材10が回転する際に、軸受部材11と摺接するのは摺接粒子12bのみとなる。したがって、軸部材10は、摩擦係数が低く、摩擦による熱の発生が抑えられたものとなるため、耐久性がより向上したものとなる。
複合材12の表面の垂直方向から見たときの、摺接粒子12bが占める面積の割合である面密度は、20%以上70%以下であることが好ましく、40%以上60%以下であることがより好ましい。上記構成であれば、各摺接粒子に加わる負荷を適度に保ちやすくなる。
本発明の一実施形態において、複合材12を摺動部材に固定する方法は特に限定されないが、複合材12をろう付け、圧入、冷やしばめ、焼きばめ等により摺動部材の凹部10bに固定する方法が挙げられる。
本発明の一実施形態において、複合材12を摺動部材に固定する手順は特に限定されないが、例えば、複合材12を先に製造した後、当該複合材12を摺動部材に予め形成されている凹部10bに固定する方法が挙げられる。
図5は、本発明の一実施形態において、摺動部材に予め形成されている凹部に複合材を固定する過程を、軸方向に垂直な方向から見た模式図である。
上記方法であれば、複合材12を摺動部材により強く固定することができ、製造がしやすい。また、摺動部材基部の任意の箇所に複合材12を固定することができる。
摺動部材としての軸部材10に複合材12を固定する方法としては、他にも複合材12を先に製造した後、熱間静水圧加圧等により当該複合材12を摺動部材に固定する方法も挙げられる。
複合材12を摺動部材に固定した後、さらに、摺接粒子12bの粒子先端が、同一円周上にあるように加工してもよい。すなわち、基体10aの回転中心軸から、最外にある粒子先端までの距離を等しくすることにより、摺接粒子12bの粒子先端が同一円周上にあるようにする。
本実施の一実施形態における、複合材12の作製方法について以下に説明する。複合材12は、複合材基材12aと摺接粒子12bとを含む焼結体である。そのため、複合材基材12aと摺接粒子12bとを焼結できる限りにおいて、その作製方法は特に限定されない。例えば、複合材12の作製方法は、以下の(i)〜(iii)の工程を含む。
(i)複合材基材と摺接粒子との混合粉末を得る工程、
(ii)(i)で得られた混合粉末を型に充填し、焼結する工程、および
(iii)(ii)で得られた焼結体の表面を加工し、摺接粒子が突出する構造を形成する工程。
(ii)(i)で得られた混合粉末を型に充填し、焼結する工程、および
(iii)(ii)で得られた焼結体の表面を加工し、摺接粒子が突出する構造を形成する工程。
工程(i)において、混合粉末100体積%に対する、摺接粒子の体積分率は、20体積%以上80体積%以下であることが好ましく、30体積%以上70体積%以下であることがより好ましい。また、混合粉末100体積%に対する、複合材基材の体積分率は、摺接粒子の体積分率を差し引いた残部であることが好ましい。すなわち、混合粉末100体積%に対する、複合材基材の体積分率は、20体積%以上80体積%以下であることが好ましく、30体積%以上70体積%以下であることがより好ましい。
工程(ii)において、焼結方法としては、放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering)(以下、SPSと称する)、熱間静水圧加圧(以下、HIPと称する)等が挙げられる。
SPS法での焼結条件は、焼結時の圧力が5MPa以上30MPa以下であることが好ましく、10MPa以上20MPa以下であることがより好ましい。また、焼結時の最高加熱温度は1000℃以上1850℃以下であることが好ましく、1200℃以上1600℃以下であることがより好ましい。さらに、最高加熱温度の保持時間は10分以上60分以下であることが好ましく、10分以上30分以下であることがより好ましい。最高加熱温度の保持時間が上記好ましい範囲内であれば、ダイヤモンドの変質を極力抑えることができる。また、ダイヤモンド以外のその他の材料においても、生産性向上のため、最高加熱温度の保持時間が上記範囲であることが好ましい。
焼結体の作製過程において、例えば、ダイヤモンドは1500℃に加熱した時、4500MPa以上に加圧しないと熱力学的に平衡な状態にならない。ここで、SPS法は、材料を高圧に加圧すること、プラズマ形成等によって粒子間の接合を促進すること、及び高温に迅速に加熱すること、を同時に行うという利点を有する。SPS法を用いることにより、高温高圧短時間で焼結を行うことができるため、摺接粒子がダイヤモンドである場合でも、好適に複合材を作製することができる。
HIP法での焼結条件は、焼結時の圧力が100MPa以上200MPa以下であることが好ましく、100MPa以上150MPa以下であることがより好ましい。また、焼結時の最高加熱温度は1000℃以上1850℃以下であることが好ましく、1200℃以上1600℃以下であることがより好ましい。さらに、最高加熱温度の保持時間は10分以上60分以下であることが好ましく、10分以上30分以下であることがより好ましい。
焼結体の作製過程において、例えば、ダイヤモンドを他の材料で被覆すること、および加熱温度を下げることにより、圧力を下げてもダイヤモンドを保ったまま焼結体を作製できる。そのため、HIP法を用いることにより、摺接粒子がダイヤモンドである場合でも、好適に複合材を作製することができる。
工程(iii)における表面を加工する方法は、例えば、ダイヤモンドおよび炭化珪素等の砥石で焼結体の表面を削る方法、放電加工する方法、研磨機を用いて研磨する方法等を用いることができる。当業者においては、本実施の一実施形態における複合材基材12aおよび摺接粒子12bのような高硬度な材料を研削する方法として、適当なものを選択すればよい。
なお、工程(iii)は、複合材12を摺動部材に固定した後に行ってもよい。
〔2.ポンプ〕
本発明の一実施形態に係るポンプは、以上説明した摺動部材を備える。それゆえ、摺動部材基部の摩耗を抑制し、ポンプの運転を安定的に継続することができる。
本発明の一実施形態に係るポンプは、以上説明した摺動部材を備える。それゆえ、摺動部材基部の摩耗を抑制し、ポンプの運転を安定的に継続することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下の成分を用いて、後述のように焼結体を作製した。
・ダイヤモンド粒子(平均粒子径40μm、製品名:IMS-E400/500、トーメイダイヤ株式会社製)
・ダイヤモンド粒子(平均粒子径76μm、製品名:TMS-E200/230、トーメイダイヤ株式会社製)
・アルミナ粒子(平均粒子径0.2μm、製品名:TM-5D、大明化学工業株式会社製)
・Si−AL−Ca−Mg系酸化物ガラス粉末(平均粒子径13μm、製品名:CF0055、日本フリット株式会社製)
・窒化ケイ素焼結体粉砕粒子(平均粒子径100μm、製品名:KN-101粉砕粉、(株)クボタ社製、以下、「窒化ケイ素粒子」とも称する)
・炭化ケイ素粒子(平均粒子径3μm、製品名:CP#4000、信越電気製錬株式会社製)
・ケイ素粒子(平均粒子径25μm、製品名:No350、山石金属株式会社製)
<製造例1>
平均粒子径40μmのダイヤモンド粒子と平均粒子径0.2μmのアルミナ粒子とを体積比30:70で乾式混合した。その後、得られた混合粉末を内径φ20mmの黒鉛型に粉末充填した後、SPS装置(製品名:SPS-1030、住友石炭鉱業株式会社製)を用いて15MPa1200℃10分の条件で加圧焼結を行った。黒鉛型から取り出しφ20mm×高さ5mmの焼結体を得た。得られた焼結体の表面をダイヤモンド砥石を用いて研磨した後、炭化ケイ素砥石を用いて、得られた焼結体の表面を研磨することによって、表面にダイヤモンド粒子が突出した複合材を作製した。なお、炭化ケイ素はダイヤモンドより柔らかくアルミナより硬い。そのため、炭化ケイ素砥石を用いて焼結体の表面を研磨すると、アルミナ粒子のみが研磨され、その結果、ダイヤモンド粒子が突出した複合体を作製することができる。
・ダイヤモンド粒子(平均粒子径40μm、製品名:IMS-E400/500、トーメイダイヤ株式会社製)
・ダイヤモンド粒子(平均粒子径76μm、製品名:TMS-E200/230、トーメイダイヤ株式会社製)
・アルミナ粒子(平均粒子径0.2μm、製品名:TM-5D、大明化学工業株式会社製)
・Si−AL−Ca−Mg系酸化物ガラス粉末(平均粒子径13μm、製品名:CF0055、日本フリット株式会社製)
・窒化ケイ素焼結体粉砕粒子(平均粒子径100μm、製品名:KN-101粉砕粉、(株)クボタ社製、以下、「窒化ケイ素粒子」とも称する)
・炭化ケイ素粒子(平均粒子径3μm、製品名:CP#4000、信越電気製錬株式会社製)
・ケイ素粒子(平均粒子径25μm、製品名:No350、山石金属株式会社製)
<製造例1>
平均粒子径40μmのダイヤモンド粒子と平均粒子径0.2μmのアルミナ粒子とを体積比30:70で乾式混合した。その後、得られた混合粉末を内径φ20mmの黒鉛型に粉末充填した後、SPS装置(製品名:SPS-1030、住友石炭鉱業株式会社製)を用いて15MPa1200℃10分の条件で加圧焼結を行った。黒鉛型から取り出しφ20mm×高さ5mmの焼結体を得た。得られた焼結体の表面をダイヤモンド砥石を用いて研磨した後、炭化ケイ素砥石を用いて、得られた焼結体の表面を研磨することによって、表面にダイヤモンド粒子が突出した複合材を作製した。なお、炭化ケイ素はダイヤモンドより柔らかくアルミナより硬い。そのため、炭化ケイ素砥石を用いて焼結体の表面を研磨すると、アルミナ粒子のみが研磨され、その結果、ダイヤモンド粒子が突出した複合体を作製することができる。
<製造例2>
平均粒子径76μmのダイヤモンドと平均粒子径10μmのアルミナと平均粒子径13μmのSi−AL−Ca−Mg系酸化物ガラス粉末とをそれぞれ体積比30:49:21で乾式混合したこと、15MPa1000℃10分の条件で加圧焼結を行ったこと以外は製造例1と同様にして複合材を得た。
平均粒子径76μmのダイヤモンドと平均粒子径10μmのアルミナと平均粒子径13μmのSi−AL−Ca−Mg系酸化物ガラス粉末とをそれぞれ体積比30:49:21で乾式混合したこと、15MPa1000℃10分の条件で加圧焼結を行ったこと以外は製造例1と同様にして複合材を得た。
<製造例3>
平均粒子径100μmの窒化ケイ素粒子と平均粒子径13μmのSi−AL−Ca−Mg系酸化物ガラス粉末とを体積比30:70で乾式混合した。その後、得られた混合粉末を内径φ20mmの黒鉛型に粉末充填した後、SPS装置を用いて15MPa1000℃10分の条件で加圧焼結を行った。黒鉛型から取り出しφ20mm×高さ5mmの焼結体を得た。得られた焼結体の表面を、ダイヤモンド砥石を用いて研磨した後、得られた焼結体の表面を、アルミナ砥石を用いて研磨することによって、表面に窒化ケイ素粒子が突出した複合材を作製した。窒化ケイ素より、酸化物ガラスが柔らかいので、アルミナ砥石による加工で窒化ケイ素粒子が突き出した複合材を作製することができる。
平均粒子径100μmの窒化ケイ素粒子と平均粒子径13μmのSi−AL−Ca−Mg系酸化物ガラス粉末とを体積比30:70で乾式混合した。その後、得られた混合粉末を内径φ20mmの黒鉛型に粉末充填した後、SPS装置を用いて15MPa1000℃10分の条件で加圧焼結を行った。黒鉛型から取り出しφ20mm×高さ5mmの焼結体を得た。得られた焼結体の表面を、ダイヤモンド砥石を用いて研磨した後、得られた焼結体の表面を、アルミナ砥石を用いて研磨することによって、表面に窒化ケイ素粒子が突出した複合材を作製した。窒化ケイ素より、酸化物ガラスが柔らかいので、アルミナ砥石による加工で窒化ケイ素粒子が突き出した複合材を作製することができる。
<製造例4>
平均粒子径40μmのダイヤモンド粒子と平均粒子径5μmの炭化ケイ素粒子と平均粒子径25μmの粒子径のケイ素粒子とをそれぞれ体積比45:6:49で乾式混合した。その後、得られた混合粉末を乾式プレスにより内径φ20mmに成形し、ガラスカプセルに真空封入した後、熱間静水圧加圧装置(神戸製鋼株式会社製、以下、HIP装置とも称する)にて100MPa1450℃の条件で焼結を行った。黒鉛型から取り出しφ20mm×高さ5mmの焼結体を得た。得られた焼結体の表面を、ダイヤモンド砥石を用いて研磨した後、炭化ケイ素砥石を用いて得られた焼結体の表面を研磨することによって、表面にダイヤモンド粒子が突出した複合材を作製した。
平均粒子径40μmのダイヤモンド粒子と平均粒子径5μmの炭化ケイ素粒子と平均粒子径25μmの粒子径のケイ素粒子とをそれぞれ体積比45:6:49で乾式混合した。その後、得られた混合粉末を乾式プレスにより内径φ20mmに成形し、ガラスカプセルに真空封入した後、熱間静水圧加圧装置(神戸製鋼株式会社製、以下、HIP装置とも称する)にて100MPa1450℃の条件で焼結を行った。黒鉛型から取り出しφ20mm×高さ5mmの焼結体を得た。得られた焼結体の表面を、ダイヤモンド砥石を用いて研磨した後、炭化ケイ素砥石を用いて得られた焼結体の表面を研磨することによって、表面にダイヤモンド粒子が突出した複合材を作製した。
<比較製造例1>
製造例1において、炭化ケイ素砥石による突出し加工を実施しなかったこと以外は製造例1と同様にして、複合材を得た。
製造例1において、炭化ケイ素砥石による突出し加工を実施しなかったこと以外は製造例1と同様にして、複合材を得た。
<比較製造例2>
φ20mm×高さ5mmのSUS304に、平均粒子径40μmのダイヤモンドをNi−Pメッキにより電着固定した後、当該ダイヤモンドを研磨することにより、突出し高さが10μmの複合材を得た。ダイヤモンドとSUS304との体積比は30:70であった。
φ20mm×高さ5mmのSUS304に、平均粒子径40μmのダイヤモンドをNi−Pメッキにより電着固定した後、当該ダイヤモンドを研磨することにより、突出し高さが10μmの複合材を得た。ダイヤモンドとSUS304との体積比は30:70であった。
〔実施例1〜4、比較例1〕
<摩擦摩耗試験>
実施例1〜4として、製造例1〜4で得た複合材について、比較例1として、比較製造例1で得た複合材について、それぞれφ140mm/φ106mm×高さ6mmの窒化ケイ素リングと組み合わせ、試験体を作製した。18×12×6mmt(試験面18×12の面)の窒化ケイ素ブロックを、面圧2kg/cm2、周速2m/secの条件で回転する試験体上に押し付けることにより、1時間摩擦係数を測定した。1時間測定した摩擦係数の平均値を表1に示す。
<摩擦摩耗試験>
実施例1〜4として、製造例1〜4で得た複合材について、比較例1として、比較製造例1で得た複合材について、それぞれφ140mm/φ106mm×高さ6mmの窒化ケイ素リングと組み合わせ、試験体を作製した。18×12×6mmt(試験面18×12の面)の窒化ケイ素ブロックを、面圧2kg/cm2、周速2m/secの条件で回転する試験体上に押し付けることにより、1時間摩擦係数を測定した。1時間測定した摩擦係数の平均値を表1に示す。
実施例1〜4と比較例1との比較より、摺接粒子を突出させることで、ダイヤモンドの体積分率が低い場合でも、摩擦を低減させることができることがわかった。
〔実施例5、比較例2〕
<スラリー摩耗試験>
スラリー液は、平均粒子径5μmの珪砂と、平均粒子径30μmの珪砂とを、重量比50:50で混合して得た珪砂を、水に3000ppmとなるように加え、撹拌することによって調製した。珪砂の平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置:株式会社島津製作所、SALD−2100により計測される値である。1Lポットに当該スラリー液1Lと、製造例1で得た焼結体とを添加した混合物を用いる試験区(実施例5)、および、1Lポットに当該スラリー液1Lと、比較製造例2で得た複合材とを添加した混合物を用いる試験区(比較例2)とを作製し、上記混合物をそれぞれ回転数100rpm(3m/分)で撹拌した後、複合材におけるダイヤモンドの突出しの変化を観察した。
<スラリー摩耗試験>
スラリー液は、平均粒子径5μmの珪砂と、平均粒子径30μmの珪砂とを、重量比50:50で混合して得た珪砂を、水に3000ppmとなるように加え、撹拌することによって調製した。珪砂の平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置:株式会社島津製作所、SALD−2100により計測される値である。1Lポットに当該スラリー液1Lと、製造例1で得た焼結体とを添加した混合物を用いる試験区(実施例5)、および、1Lポットに当該スラリー液1Lと、比較製造例2で得た複合材とを添加した混合物を用いる試験区(比較例2)とを作製し、上記混合物をそれぞれ回転数100rpm(3m/分)で撹拌した後、複合材におけるダイヤモンドの突出しの変化を観察した。
実施例5と比較例2との比較により、摺接粒子と複合材基材とを焼結することにより、スラリー液に含まれる粒子に対する摺動部材基部の耐摩耗性が向上したことがわかった。
本発明は、ポンプ、例えば先行待機運転ポンプに好適に利用することができる。
1A 軸・軸受構造
10 軸部材
10a 基体
10b 凹部
11 軸受部材
12 複合材
12a 複合材基材
12b 摺接粒子
13 複合材基材露出部
14 基体露出部
15 摺接面
10 軸部材
10a 基体
10b 凹部
11 軸受部材
12 複合材
12a 複合材基材
12b 摺接粒子
13 複合材基材露出部
14 基体露出部
15 摺接面
Claims (9)
- 被摺動部材に対して相対的に摺動する摺動部材であって、
上記摺動部材は、
摺動部材基部と、
上記摺動部材基部の表面に固定された複合材と、を備え、
上記複合材は、上記被摺動部材に摺接する摺接粒子と、当該摺接粒子を上記摺動部材基部に固定する複合材基材と、を含み、上記複合材100体積%に対して上記摺接粒子を20体積%以上80体積%以下含有する焼結体であり、
上記摺接粒子は、上記複合材基材の表面から突出することにより上記被摺動部材に摺接することを特徴とする摺動部材。 - 上記複合材基材が、セラミックスおよびサーメットから選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。
- 上記摺接粒子の硬さが、上記複合材基材の硬さよりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部材。
- 上記複合材基材が、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、酸化物ガラス、炭化ホウ素、ジルコニア、酸化ケイ素、WC系セラミックス、炭化チタン、二ホウ化チタン、炭化タングステンを含むサーメットおよびチタン化合物を含むサーメットからなる群より選ばれる1種以上の材料を含むことを特徴とする請求項3に記載の摺動部材。
- 上記摺接粒子が、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンドライクカーボン、ガラス状カーボン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、炭化タングステンおよび炭化モリブデンからなる群より選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項3または4に記載の摺動部材。
- 上記摺接粒子の平均粒子径が、10μm以上250μm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の摺動部材。
- 上記複合材の厚さが、3mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の摺動部材。
- 上記セラミックスが、共有結合性結晶およびイオン結合性結晶から選ばれる1種以上から構成されることを特徴とする、請求項2に記載の摺動部材。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の摺動部材を備えることを特徴とするポンプ。
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- 2017-12-26 JP JP2017250096A patent/JP2019116914A/ja active Pending
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