図1に示すように、走行支援装置1は、ECU10と、センサ類20と、被制御対象30とを備えている。走行支援装置1は、プリクラッシュセーフティシステム(PCS)であり、例えば、乗用車等の車両に搭載される。
ECU10は、データ取得部11と、領域設定部12と、衝突判定部13と、衝突回避部14とを含む。ECU10は、CPU,ROM,RAM等を含む電子制御ユニットであり、CPUは、予め格納されたプログラムを実行することによって、上記の各部の機能を実現する。ECU10は、センサ類20からの入力信号に基づいて、領域設定部12と、衝突判定部13の機能を実現することによって、衝突判定装置としての機能を実現することができる。
データ取得部11は、センサ類20の検出信号を取得する。センサ類20としては、例えば、カメラセンサ21、レーダセンサ22、ヨーレートセンサ23、車速センサ24等が備えられている。カメラセンサ21、レーダセンサ22は、物体検出センサの一例である。
カメラセンサ21は、例えば移動物までの距離を検出可能なステレオカメラとして構成されており、撮像画像に基づいて画像中の歩行者、路上障害物や他車両等の移動物の形状と移動物までの距離とを認識する。
レーダセンサ22は、移動物をその位置(自車両に対する相対位置)とともに検出する。ヨーレートセンサ23は、車両の旋回角速度を検出する周知のヨーレートセンサとして構成される。
車速センサ24は、車輪の回転速度、つまりは車両の走行速度を検出する。これらのセンサ類20による検出結果は、ECU10によって取得される。なお、カメラセンサ21は、予め設定された所定の周期(例えば100ms)毎に車両の進行方向に位置する移動物の検出を実施する。また、レーダセンサ22は、指向性のある電磁波を移動物に対して発射し、その反射波を受信することによって、移動物の形状や大きさについても検出する。
領域設定部12は、カメラセンサ21、レーダセンサ22からの物体検出データに基づいて遮蔽物を認定し、遮蔽物の位置に基づいて、危険領域を設定する。遮蔽物とは、例えば、自車両の走行方向の路肩に検出される物体であり、具体的には路肩に停止する車両、標識、看板等を例示することができる。
危険領域は、運転者によって視認されにくい領域、すなわち、自車両から見て遮蔽物の陰となる遮蔽物の奥側(自車両の走行方向から遠い側)に設けられることが好ましい。遮蔽物の陰に位置する歩行者等の移動物は、通常の遮蔽物の陰とならない位置の移動物と比較して、カメラセンサ21、レーダセンサ22等の物体検出センサによって検出され難く、運転者からも視認され難い。なお、自車両から見て遮蔽物の陰となる遮蔽物の奥側に加えて、遮蔽物の後方や側方が危険領域に含まれていてもよい。
領域設定部12は、自車両の進行方向の路肩に検知される遮蔽物の特徴点のうち自車両から最も遠い奥側に位置する最奥点を基準として、最奥点から奥側に所定の距離までの領域を危険領域に設定する。
例えば図2に示すように、自車両41の走行方向(x軸の正方向)の左方(y軸の負方向)の路肩に停車する複数の車両42、43を遮蔽物として検出した場合には、危険領域61の奥側(x軸の正方向)の端部を、奥側の車両43の特徴点82(図2に示すx=x2の位置に検出される特徴点)から奥側に所定の距離L1となる位置に設定する。距離L1は、車両43の陰となる前方の領域を含むように適宜調整する。危険領域61の手前側(x軸の負方向)の端部は、手前側の車両42における最も自車両41に近い側(手前側)の特徴点81(位置x=x1)である。また、危険領域61のy方向の範囲は、複数の車両42,43の路中側(右方)の端部を基準として左右方向に所定距離の範囲に設定される。なお、車両42,43の路中側(右方)の端部の位置は、車両42,43について検出される特徴点のうち、最も路中側に位置する特徴点の位置に設定してもよい。上記のように、奥側の車両43の特徴点82を基準として危険領域61を設定することによって、車両43の車陰となる位置から右方向に移動する移動物51を、危険領域61内で検出されるようにすることができる。なお、本明細書では、以下、危険領域の手前側の端部を起点、奥側の端部を終点と称することがある。
一方、自車両41の走行方向の右方(y軸の正方向)の路肩のように、車両44のみが遮蔽物として検出された場合には、危険領域62の奥側の端部(終点)を、車両44の特徴点83(図2に示すx=x3の位置に検出される特徴点)から所定の距離L1となる位置に設定する。危険領域62の手前側の端部(起点)は、車両44における最も自車両41に近い側(手前側)の特徴点83である。また、危険領域62のy方向の範囲は、車両44の路中側(左方)の端部を基準として左右方向に所定距離の範囲に設定される。車両44の特徴点83を基準として危険領域62を設定することによって、車両44の車陰となる位置から左方向に移動する移動物52を、危険領域62内で検出されるようにすることができる。移動物52よりもさらに奥側位置で左方向に移動する移動物53は、危険領域62外で検出されるようにすることができる。移動物53は、遮蔽物である車両44から比較的離れており、車両44の陰とならない位置で検出されるため、危険領域内で検出する必要がない。
これに対して、遮蔽物である車両42,43について、従来のように、自車両41に最も近い車両42の特徴点81を基準として危険領域を設定する場合には、車両42の特徴点81から距離L0となる位置を左側の危険領域の終点に設定し、車両43の陰となる領域(図2で移動物51が存在する領域)が危険領域となるように、距離L0を適宜調整する。このように調整されたL0を用いて、遮蔽物が車両44のみである右方の路肩についても車両44の特徴点83を基準として危険領域を設定すると、車両44の陰となる範囲よりも奥側で移動する移動物53が危険領域内で検出される。車両44の陰とならない位置で検出される移動物53が、危険領域内で検出されることになる。
上記のとおり、領域設定部12は、自車両41の進行方向の左右の路肩それぞれにおいて検知される遮蔽物(車両42〜44)の特徴点のうち、左方、右方それぞれの路肩において自車両から最も遠い奥側に位置する最奥点(左方では特徴点82、右方では特徴点83)を基準として、最奥点から奥側に距離L1となる領域をそれぞれ危険領域61,62に設定する。このため、検出される遮蔽物の個数に関わらず、危険領域61,62を適切な位置に適切な広さで設定することができる。その結果、遮蔽物の陰となる位置の注意が必要な移動物51,52は危険領域61,62内で検出され、遮蔽物の陰ではない位置の注意が不要な移動物53は危険領域61,62外で検出されるようにすることができる。
衝突判定部13は、カメラセンサ21またはレーダセンサ22によって検出された移動物と自車両との位置関係に関するパラメータ値(相対速度、相対距離、左右方向移動量等)が予め設定された基準条件を満たすか否かによって、検出された移動物が自車両と衝突する可能性があるか否かを判定する。例えば、検出された移動物が自車両の前方(進行方向)で横断すると判定された場合に、移動物と自車両とが衝突する可能性があると判定する。
衝突判定部13は、カメラセンサ21またはレーダセンサ22によって検出された移動物が危険領域内に検出される場合には、危険領域外に検出される場合よりも短い衝突判定時間で、自車両と移動物とが衝突するか否かを判定する。なお、衝突判定時間とは、自車両と移動物とが衝突するか否かの判定を終結するための時間である。例えば、図2に示す移動物51,52は危険領域61,62内で検出されるため、衝突判定時間は通常よりも短い時間に設定される。移動物53は危険領域61,62外で検出されるため、衝突判定時間は通常の長さの時間に設定される。
具体的には、衝突を判定する際に利用する基準条件を緩和することによって衝突判定時間を短く設定する。基準条件とは、移動する移動物の軌跡を求める際に利用する画像数(フレーム数)、移動物の横方向(図2に示すy方向)の移動距離(絶対値)等を表す。
また、基準条件の緩和とは、基準条件が画像数である場合には、画像数を少なくすることを表し、基準条件が移動距離である場合には、この距離の値を小さくすることを表す。このようにすることで、より早期に移動物の衝突判定を終結できる。
衝突判定時間を小さくするために基準条件を変更する際には、自車両に対して移動物が検出された横方向の位置が小さくなるにつれて、基準条件をより緩和する。例えば、図2に示す自車両41のy方向の距離は、自車両41から左方の停止車両42,43までのy方向の距離よりも、右方の停止車両44までの幅y方向の距離の方が近い。この場合には、車両42,43の陰から現れる移動物51よりも、よりy方向の距離が近い車両44の陰から現れる移動物52に対して、より基準条件を緩和して衝突判定時間を短くする。
衝突回避部14は、衝突判定部13によって得られる衝突判定の結果に基づいて被制御対象30を制御する。これによって、自車両と検出された移動物との衝突を抑制し、その被害の緩和を図る。被制御対象30としては、図1に示すように、警報装置31、ブレーキ装置32が挙げられる。それ以外に、ステアリング、シートベルト等を駆動するアクチュエータ等が被制御対象30に含まれていてもよい。
衝突回避部14は、例えば、衝突危険性があると判定された場合に、警報装置31を制御して運転者や対象物である歩行者、自転車等に対して報知を実行し、ブレーキ装置32を制御して自車両を減速または停止させる。これによって、衝突回避部14は、自車両と移動物との衝突回避を図る。
図3〜図5に示すフローチャートに基づいて、ECU10によって実行される衝突回避処理について説明する。衝突回避処理は、予め設定された所定周期(例えば約50ms)毎に起動される処理である。
図3に示すように、まず、カメラセンサ21やレーダセンサ22によって検出された物体について、物体検出データを取得する(ステップS101)。この処理では、検出された最新の物体の位置の情報を取得する。
続いて、検出された物体の認識を行う(ステップS102)。この処理では、カメラセンサ21にて得られた画像データについてマッチング処理等を行って得られる物体の形状等に応じて物体の種別(車両、歩行者、自転車、バイク等)を認識し、ECU10のRAM等に記録された物体情報と今回認識した物体情報とを対応付ける。記憶された物体情報は、予めRAMに記憶されたものであってもよいし、前回以前の処理で取得した物体情報が記憶されたものであってもよい。
次に、衝突判定処理を実施する(ステップS103)。衝突判定処理は、自車両の進行方向において移動物が横断するか否かを推定する処理である。
衝突判定処理では、図4に示すように、まず、車速を取得する(ステップS201)。自車両の車速と、レーダセンサ22にて物体を検出する際の物体の位置履歴(相対的な移動軌跡)から、検出された物体の自車両に対する相対速度を求めることができる。
続いて、自車両の前方左右の2か所に遮蔽物検出領域を設定する(ステップS202)。この処理では、例えば図2に示すように、自車両41の進行方向(前方、x軸の正方向)において、自車両41が走行する車線の左方の路肩と右方の路肩のそれぞれについて、左右で分離された遮蔽物検出領域71,72を設定する。遮蔽物検出領域71,72は、カメラセンサ21とレーダセンサ22の双方が物体を検出可能であり、その検出結果に基づいて物体認識が可能となる領域に設定される。
この遮蔽物検出領域の位置または大きさは、自車両の走行速度または停止車両42〜44(遮蔽物)との相対速度に応じて設定される。例えば、走行速度または相対速度が20km/hである場合、遮蔽物検出領域71,72の位置を自車両41から5mの位置から15mの位置(大きさは奥行き10m)とし、走行速度または相対速度が大きくなるにつれて、遮蔽物検出領域71,72の位置を自車両41から遠く、遮蔽物検出領域71,72の大きさ(奥行き)を大きく設定する。
続いて、遮蔽物検出領域71,72において、遮蔽物としての停止車両をカメラセンサ21とレーダセンサ22の双方で認識したか否かを判定する(ステップS203)。ここで、停止車両とは、実際に停止している車両のみに限られず、停止と認められる程度の低速度で移動する車両を含む。左方の遮蔽物検出領域71,72において遮蔽物を認識していなければ(ステップS203:NO)、ステップS207の処理に移行する。
左右の遮蔽物検出領域71,72において遮蔽物を認識していれば(ステップS203:YES)、遮蔽物の検出データ数が所定値X以上であることを条件として、ステップS206の処理に移行する。
次に、自車両41の進行方向の左方または右方に危険領域61,62を設定する(ステップS206)。ここで危険領域61,62は、遮蔽物(停止車両)よりも奥側の遮蔽物によって視界が遮蔽されると推定される領域を含むように設定される。
危険領域61については、停止車両42の認識された特徴点81の位置が起点に設定され、停止車両43の認識された特徴点82の位置を基準に距離L1だけ奥行き方向に移動した位置が終点に設定される。特徴点82は、遮蔽物検出領域71内で検出された最奥側の遮蔽物の最奥の特徴点であり、遮蔽物検出領域71内における最奥点である。
危険領域62については、停止車両44の認識された特徴点83の位置が起点に設定され、特徴点83を基準に距離L1だけ奥行き方向に移動した位置が終点に設定される。特徴点83は、遮蔽物検出領域72内で検出された最奥側の遮蔽物の最奥の特徴点であり、遮蔽物検出領域72内における最奥点である。
距離L1は、自車両の走行速度または移動物との相対速度に応じて設定されてもよい。危険領域61,62についても、遮蔽物検出領域71,72と同様に、自車両の走行速度または移動物との相対速度が大きくなるにつれて、より大きく設定されてもよい。
なお、ステップS203〜S206では、左方の遮蔽物検出領域71に停止車両が認識された場合に、自車両41の走行方向の左方に危険領域61を設定し、右方の遮蔽物検出領域72に停止車両が認識された場合に、自車両の走行方向の右方に危険領域62を設定することになる。また、危険領域61,62に存在する移動物51,52は、少なくとも一部が停止車両42,44の陰に隠れた状態、または停止車両42,44の陰から現れた状態を表す遮蔽状態であるといえる。
なお、一度設定された危険領域61,62は、この危険領域61,62の真横を自車両41が通過するまでの間、設定された状態が継続される。危険領域61,62が設定されたときの自車両41の位置から、危険領域61,62の奥行方向の終点の位置までの距離を物体抽出対象距離とすると、この物体抽出対象距離だけ自車両41が移動するまで、危険領域61,62が設定された状態が継続される。
次に、カメラセンサ21およびレーダセンサ22の検出範囲において移動物を検出したか否かを判定する(ステップS207)。移動物を検出していなければ(ステップS207:NO)、衝突判定処理を終了し、図3に示す作動判定処理(ステップS104)に移行する。移動物の検出は、カメラセンサ21、レーダセンサ22による物体検出が可能な全範囲で実施される。
カメラセンサ21およびレーダセンサ22の検出範囲において移動物を検出した場合には(ステップS207:YES)、危険領域61,62内における検出であるか否かを判定する(ステップS208)。危険領域61,62内における検出である場合(ステップS208:YES)には、危険モードの衝突判定を実行する(ステップS209)。すなわち、衝突判定時間を短縮して衝突判定を実行する。
より具体的には、衝突を判定する際に利用する基準条件を緩和することによって衝突判定を終結するまでの衝突判定時間を短く設定する。例えば、移動物の軌跡を求める際に利用する画像数を少なくする。より具体的には、移動物の移動量を求める際に用いる画像データのフレーム数を少なく(例えば、5フレームを3フレームに)する。また、例えば、移動物の横方向(車両の進行方向に対し略直行する方向)の移動距離を小さくする。具体的には、例えば図2においては、自車両41と、遮蔽物である車両42〜44または移動物51,52とのy方向の距離が小さいほど衝突判定時間をより短縮することが好ましい。
危険領域61,62内における検出ではない場合(ステップS208:NO)には、通常モードの衝突判定を実行する(ステップS210)。すなわち、衝突判定時間を短縮しないで衝突判定を実行する。
ステップS209,S210の衝突判定処理では、移動物と自車両との位置関係に関するパラメータ値(相対速度、相対距離、横方向移動量等)が予め設定された基準条件を満たすか否かによって、移動物が自車両の前を横断する否かを判定する。ステップS209,S210のいずれかの衝突判定処理を実行した後、衝突判定処理を終了し、図3に示す作動判定処理(ステップS104)に移行する。
作動判定処理(ステップS104)では、推定された移動物の進路、移動物までの距離、移動物との相対速度等に基づいて、被制御対象30を作動させるタイミングであるか否かを判定し、被制御対象30を作動させるタイミングであれば作動指示を生成する。生成された作動指示は、RAMに記録される。
作動判定処理においては、図5に示すように、移動物の挙動や相対速度に基づいて、自車両と移動物とが衝突するまでの時間を表す衝突時間(TTC:Time−to−collision)を演算する(ステップS301)。
そして、自車両と移動物とが衝突する確率を表す衝突確率を演算する(ステップS302)。ここで、衝突確率は、ステップS103で得られた衝突判定結果、衝突時間、移動物の速度や自車両の速度、或いは相対速度、位置関係等に応じて多数の補正係数を算出し、これらの補正係数を用いた演算を実施することによって導出される。
続いて、衝突確率が閾値Y以上であることを条件として(ステップS303:YES)、衝突回避制御指令が作成される(ステップS304)。例えば、RAMにおいて、ブレーキ装置32を作動させるフラグを立てる。ステップS304の後、ステップS305に移行する。また、衝突確率が閾値未満の場合には(ステップS303:NO)、作動判定処理を終了し、図3に示すステップS105に移行する。
ステップS305では、実際に被制御対象30を作動させるか否かを最終的に判断する。具体的には、ステップS304で衝突回避制御指令が作成されてRAMに記録された後、ドライバにより衝突回避操作が実施されており(ステップS305)、かつ移動物との衝突までに比較的余裕がある場合(ステップS306)には、ドライバ自身が衝突回避を実施したものとして、ブレーキ装置32の作動を禁止する(ステップS308)。つまり、調停処理では、衝突を回避できるときにはドライバの操作を優先し、ブレーキ装置32について作動をキャンセルする場合があることを示す。衝突回避操作が実施されていない場合や、衝突回避操作が実施されても衝突回避が不可能と判断された場合には、ステップS307に進み、実際に被制御対象30を作動させることが決定される。
ステップS307,S308の後、図3に示す衝突回避制御処理を実施する(ステップS105)。ステップS105では、RAMに記憶された作動指示(フラグ)に基づいて、ブレーキ装置32に対応する作動指令を送信する。これによって、自車両と移動物との衝突回避を図ることができる。
上記の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
領域設定部12は、自車両41の進行方向の路肩に検知される遮蔽物の特徴点のうち自車両から最も遠い奥側に位置する最奥点を基準として、最奥点から奥側に所定の距離L1までの領域を危険領域61,62に設定する。最奥点を基準とするため、検出される遮蔽物の個数(例えば、停車車両が1台か2台以上か)に関わらず、危険領域61,62を適切な位置に適切な広さで設定することができる。その結果、遮蔽物の陰となる位置の注意が必要な移動物51,52は危険領域61,62内で検出され、遮蔽物の陰ではない位置の注意が不要な移動物53は危険領域61,62外で検出されるようにすることができる。注意が不要な移動物53を検出したにもかかわらず衝突判定時間が短くなることを抑制することができる。
また、領域設定部12は、遮蔽物を検出したことを示す検出信号の入力回数が所定の閾値X以上であることを条件として、危険領域を設定する。または、領域設定部12は、遮蔽物を検出したことを示す検出信号が2以上の物体検出センサ(カメラセンサ21、レーダセンサ22)からそれぞれ入力されたことを条件として、危険領域を設定する。このため、遮蔽物を誤検出して、不必要に危険領域を設定することを回避することができる。
また、ECU10によれば、移動物が遮蔽状態である場合、この移動物との衝突判定を終結するまでの衝突判定時間を短くすることができるので、より早期に衝突するか否かを判定できる。一方で、遮蔽状態でない場合には、遮蔽状態の場合よりも長い時間を掛けて衝突を判定するので誤判定を抑制することができる。
また、ECU10は、自車両の走行速度または遮蔽物との相対速度に応じて遮蔽物検出領域71,72の位置または大きさを設定する。このため、自車両の走行速度または遮蔽物との相対速度に応じて注意すべき領域の広さが変化することを考慮して遮蔽物検出領域71,72の位置または大きさを設定することができる。よって、安全性を向上させることができる。
また、ECU10は、自車両の走行速度または移動物との相対速度に応じて危険領域61,62の位置または大きさを設定する。このため、自車両の走行速度または移動物との相対速度に応じて移動物に対して早期に対処すべき領域の広さが変化することを考慮して危険領域61,62の位置または大きさを設定することができる。よって、安全性を向上させることができる。
また、上記実施形態では、カメラセンサ21によって得られた画像の画像処理を行う範囲やレーダセンサ22による走査を行う範囲を特定していないため、走査を行う範囲を例えば全領域など任意の範囲として設定すればよいが、これに限定されない。例えば、特に、移動物の抽出を行う範囲を遮蔽物検出領域および危険領域に限定してもよい。もしくは、物体検出センサの検出可能範囲よりも狭い領域に移動物検出領域を別途設定してもよい。このようにすれば、移動物の抽出を行う際の処理負荷を軽減することができる。
また、本実施形態においては、物体検出センサとしてカメラセンサ21とレーダセンサ22とを併用することで移動物の認識精度を向上させる構成としているが、カメラセンサ21およびレーダセンサ22の何れか一方を備えた構成であっても本発明を実現することができる。
また、ECU10は、車両に限らず、建物や街路樹等についても、歩行者や自転車等の移動物を遮蔽しうる遮蔽物として設定してもよい。
また、物体検出センサによって検出される自車両に対して最も奥側の遮蔽物について複数の特徴点が存在する場合には、自車両から最も遠い奥側に位置する特徴点を基準として、危険領域の終点(奥側の端部)の位置を決定することが好ましい。検出される遮蔽物が1つのみの場合にも同様に、複数の特徴点のうち、自車両から最も遠い奥側に位置する特徴点を基準として危険領域の終点の位置を決定することが好ましい。
また、作動判定処理で行う各処理は、衝突判定処理において衝突すると判定された場合にのみ実行されるものであってもよい。もしくは、衝突判定処理において衝突しないと判定された場合であっても、作動判定処理の各処理を適宜実行してもよい。
(他の実施形態)
・危険領域は、自車両の進行方向における自車両からの距離によって規定される所定の範囲内で設定されるものであってもよい。例えば、図6に示す危険領域63のように、自車両41の進行方向の路肩に検知される最奥の遮蔽物(車両45)の最奥点(x=x4に位置する特徴点84)から奥側に所定の距離L1となる位置が、自車両41から所定の距離L2となる位置(x=xbに位置する点)を終点とする範囲に対して奥側に位置する場合には、危険領域63の奥側の終点をx=xbに設定してもよい。ここで、距離L2は、例えば、自車両41から十分に遠く、車両46の車陰から移動物54が横断を開始しても、衝突の危険性が無いと推定される距離に設定される。進行方向の路肩に多数の停止車両が停車している場合に、自車両からの距離L2を用いて危険領域63の終点を定めることによって、より適切に衝突判定および衝突回避の各処理を実行することができ、ECU10の処理負担を軽減するとともに誤作動を抑制できる。
・自車両から見て遮蔽物の陰とならない領域(例えば、遮蔽物の後方や側方)は、危険領域に含めなくてもよい。例えば、図7に示す危険領域64のように、自車両41に対して手前側の車両42の特徴点85(x=x1となる位置の特徴点)に対して奥側のx=xaとなる位置を起点としてもよい。この場合、危険領域64の終点は、奥側の車両43の特徴点86から距離L1の位置に設定してもよい。図7では、移動物55は危険領域64内で検出されるが、車両42の横に立っている歩行者57は危険領域64外で検出される。停止車両の横に立っている歩行者57は、車両42に乗り込むためにその位置に立っているだけで右方に移動しないことが多い。すなわち、歩行者57が自車両41の前方を横断する見込みは低く、危急性は低いため、短い衝突判定時間で衝突判定を行う必要がない。危険領域64のように、領域の起点を奥側にオフセットすることによって、不必要に衝突判定時間を短くすることを抑制することができる。なお、奥側の車両43についても、同様に、特徴点86から、奥側に所定距離(例えば、x=xa〜x1までの距離と同程度の距離)の範囲を危険領域から除外してもよい。すなわち、複数の車両が進行方向に複数台だけ停車している場合には、各車両の所定の特徴点を基準に、車両のドア付近等を危険領域から除外するようにしてもよい。
・また、例えば、図8に示すように、遮蔽物である車両42と車両45とが、自車両41の進行方向(x方向)に所定距離L3以上離れて停車している場合に、車両42と車両45との間に危険領域から除外された領域が存在していてもよい。自車両41の進行方向について右方には、危険領域65,66が存在しており、危険領域65と危険領域66との間(x=x5〜x6の範囲)は、危険領域から除外されている。危険領域65は、自車両41から見て手前側の車両42の特徴点87(x=x1となる位置)を起点とし、特徴点85から距離L1の位置(x=x5となる位置)を終点とする。危険領域66は、自車両41から見て奥側の車両45の特徴点88(x=x6となる位置)を起点とし、特徴点88から距離L1の位置を終点とする。距離L1は車両の奥側の車陰になる位置に応じて設定され、位置x=x5〜x6の領域の移動物56は、車両42の車陰に位置していない。すなわち、移動物56は、運転者によって視認され易く、物体検出センサによっても検出され易いため、短い衝突判定時間で衝突判定を行う必要がない。危険領域65と危険領域66との間に危険領域外となる領域を設定することによって、車両45のすぐ手前(x軸の負方向)の車陰とならない位置の移動物56が危険領域外で検出されるようにすることができる。遮蔽物同士の距離が近い場合には、危険領域65,66のように、車両42と車両45との間に危険領域が設定されていない領域を設けることによって、不必要に衝突判定時間を短くすることを抑制することができる。