以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
実施形態における記録媒体は、用紙、又はプラスチックシート等である。以下では、記録媒体が用紙である場合を例に説明し、記録媒体を単に「用紙」と称する。尚、実施形態の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷等はいずれも同義語とする。
[第1の実施形態]
第1の実施形態の画像形成装置を、図面を参照しながら説明する。以下、タンデム方式といわれる二次転写機構を有する電子写真方式の画像形成装置を例に説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成の一例を示す図である。図1に示されているように、画像形成装置100は、中間転写ユニットと、各色の作像装置20と、露光部21と、二次転写ユニット22と、定着ユニット25とを有する。
中間転写ユニットは、無端ベルトである中間転写ベルト10と、3つの支持ローラ14〜16と、中間転写体クリーニングユニット17とを有する。中間転写ベルト10は支持ローラ14〜16に掛け回され、時計回りに回転する。中間転写体クリーニングユニット17は、第2の支持ローラ15と第3の支持ローラ16の間に設けられ、画像を転写後に中間転写ベルト10の表面に残留する残留トナーを除去する。
作像装置20は、第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15との間に設置される。また、作像装置20は、中間転写ベルト10の搬送方向に、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの順で設置される。
作像装置20は、クリーニングユニットと、帯電ローラ18と、除電器と、現像器と、感光体ドラムとを、色毎に有し、各色の作像を行う。尚、作像装置20は、画像形成装置100に対して脱着が可能であってもよい。
露光部21は、作像装置20の上方に設けられる。露光部21は、画像形成を行うため、各色の感光体ドラム40にレーザ光を照射し、露光する。
二次転写ユニット22は、中間転写ベルト10の下方に設けられ、2つのローラ23と、二次転写ベルト24とを有する。二次転写ベルト24は、無端ベルトであり、2つのローラ23に掛けられ、回転する。ローラ23及び二次転写ベルト24は、中間転写ベルト10を押し上げて、第3支持ローラ16に押し当てるように設置される。二次転写ベルト24は、中間転写ベルト10の上に形成される画像を、用紙Pに転写する。
定着ユニット25は、二次転写ユニット22の側方に設けられ、定着ベルト26と、加圧ローラ27とを有する。トナー画像が転写された用紙Pが定着ユニット25に送られると、定着ユニット25はトナー画像を用紙Pに定着させる。定着ベルト26は無端ベルトであり、定着ベルト26に押し当てるように加圧ローラ27が設置される。
シート反転ユニット28は、二次転写ユニット22及び定着ユニット25の下方に設けられる。シート反転ユニット28は、送られる用紙Pの表面と裏面を反転させる。尚、シート反転ユニット28は、表面に画像形成した後、裏面に画像形成する場合に用いられる。
自動給紙装置(ADF;Auto Document Feeder)400は、操作部に備えられたスタートボタンが押され、かつ給紙台501の上に用紙Pがある場合に、用紙Pをコンタクトガラス502の上に搬送する。一方、給紙台501の上に用紙Pがない場合に、自動給紙装置400は、ユーザによって置かれるコンタクトガラス502の上の用紙Pを読み取るために、画像読み取りユニット500を起動させる。
画像読み取りユニット500は、第1キャリッジ503と、第2キャリッジ504と、結像レンズ505と、CCD(Charge Coupled Device)506と、光源とを有する。画像読み取りユニット500は、コンタクトガラス502の上の用紙Pを読み取るために、第1キャリッジ503及び第2キャリッジ504を駆動する。
第1キャリッジ503が有する光源は、コンタクトガラス502に向かって、光を発する。光源からの光は、コンタクトガラス502の上の用紙Pで反射した後、第1キャリッジ503にある第1ミラーで第2キャリッジ504に向かって反射する。第2キャリッジ504での反射光は、結像レンズ505により、読み取りセンサであるCCD506で結像する。
画像形成装置100は、CCD506から取得されるデータに基づいて、Y、M、C及びK、すなわち、各色の画像データを作成する。
画像形成装置100は、操作部に備えられたスタートボタンが押される場合、PC(Personal Computer)等の外部装置から画像形成の指示がある場合、又はファクシミリの出力指示がある場合には、中間転写ベルト10の回転を開始する。
中間転写ベルト10の回転が開始されると、作像装置20は、作像工程を開始する。トナー画像が転写された用紙Pは、定着ユニット25に送られる。定着ユニット25によりトナー画像が用紙Pに定着され、用紙Pに画像が形成される。
給紙テーブル200は、給紙ローラ42と、給紙ユニット43と、分離ローラ45と、搬送コロユニット48とを有する。また、給紙ユニット43は複数の給紙トレイ44を有し、搬送コロユニット48は搬送ローラ47を有する。
給紙テーブル200は、給紙ローラ42のうち、1つの給紙ローラを選択する。給紙テーブル200は、選択される給紙ローラ42を回転させる。
給紙ユニット43は、複数の給紙トレイ44のうち、1つの給紙トレイを選択し、給紙トレイ44から用紙Pを供給する。供給された用紙Pは、分離ローラ45によって1枚に分離され、搬送路46に搬送される。搬送路46では、搬送ローラ47によって用紙Pが画像形成装置100に搬送される。
画像形成装置100に搬送される用紙Pは、給紙路53を介してレジストローラ49へ搬送され、レジストローラ49に突き当たり停止する。そしてトナー画像が二次転写ユニット22に進入するタイミングで、二次転写ユニット22に送られる。
尚、用紙Pは、手差しトレイ51から送られてもよい。手差しトレイ51から用紙Pが供給される場合、画像形成装置100は、給紙ローラ50を回転させる。給紙ローラ50は、手差しトレイ51上にある複数の用紙から1枚の用紙を分離させ、分離させた用紙Pを給紙路53へ搬送する。給紙路53に搬送された用紙Pは、さらにレジストローラ49へ搬送される。用紙Pがレジストローラ49に搬送された以降の処理は、給紙テーブル200から用紙Pを搬送する場合と同様である。
用紙Pは、定着ユニット25によって定着工程が実施された後に排出される。排出された用紙Pは、切換爪55によって、排出ローラ56に送られる。排出ローラ56は、用紙Pを排紙トレイ57に送り、排紙する。
切換爪55は、定着ユニット25から排出された用紙Pをシート反転ユニット28に搬送してもよい。シート反転ユニット28は、搬送されてきた用紙Pの表面と裏面を反転させる。反転させられた用紙Pは、表面と同様に裏面に画像形成が行われ、排紙トレイ57に搬送される。以上のようにして画像形成装置100は、用紙Pに画像形成を行う。
次に、本実施形態の画像形成装置100が有する作像装置20について説明する。図2は、本実施形態の作像装置20の構成の一例を説明する図である。図2は、黒色用の作像装置20Kの構成の一例を示している。その他の3色の作像装置20Y、20M、及び20Cは、それぞれ作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる点を除き、黒色用の作像装置20Kとほぼ同じに構成される。そのため、図示と説明を省略し、黒色用の作像装置20Kのみを説明する。
作像装置20Kは、感光体ドラム40と、帯電ローラ18と、現像器29と、クリーニングブレード13と、除電器19とを有する。尚、感光体ドラム40は、特許請求の範囲に記載の「像担持体」の代表的な一例であり、帯電ローラ18は、特許請求の範囲に記載の「帯電部材」の代表的な一例である。
感光体ドラム40は、負帯電性の有機感光体であり、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。感光体ドラム40は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層と、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層と、保護層等の表面層とが順次積層されている。感光体ドラム40の導電性支持体には、例えば体積抵抗が1010Ωcm以下の導電性材料を用いることができる。
帯電ローラ18は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなるローラ部材である。帯電用高圧電源180から帯電ローラ18に、DC電圧にAC電圧を重畳させた帯電バイアスが印加され、帯電ローラ18に対向する感光体ドラム40の表面は帯電する。帯電ローラ18の汚れを除去するクリーニングローラを帯電ローラ18に接触させて設ける構成としてもよい。尚、帯電用高圧電源180は、特許請求の範囲に記載の「電源」の代表的な一例である。
現像器29は、感光体ドラム40に対向する現像ローラ29aを有する。現像ローラ29aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネットと、マグネットの周囲を回転するスリーブとを有する。マグネットによって現像ローラ29a上に複数の磁極が形成され、現像ローラ29a上に現像剤が担持される。
クリーニングブレード13は、感光体ドラム40表面に付着する未転写トナー等の付着物を機械的に掻き取る。クリーニングブレード13は、ウレタンゴム等のゴム材料からなり略板状に形成されたブレード状部材であり、感光体ドラム40表面に所定角度かつ所定圧力で当接する。
除電器19は、トナー像が転写された後に、感光体ドラム40表面の電荷を除去する。
帯電ローラ18で帯電された感光体ドラム40は、画像データに応じて露光部21で露光される。感光体ドラム40表面には静電潜像が形成される。現像器29は、感光体ドラム40表面に形成された静電潜像にトナーを付着させる。これにより感光体ドラム40表面にトナー像が現像される。
転写用高圧電源621で生成された電圧が一次転写ローラ62に印加されることで、感光体ドラム40表面のトナー像は、中間転写ベルト10に転写される。中間転写ベルト10のトナー像は、二次転写ユニット22で媒体に転写され、定着ユニット25で媒体に定着される(図1参照)。感光体ドラム表面の残トナー等は、クリーニングブレード13で除去される。感光体ドラム40表面の電荷は、除電器19により除去される。
カラー印刷の場合、同様の構成が色毎に4つ備えられ、色毎で中間転写ベルト10にトナー像が転写され、その後に二次転写、及び定着プロセスが実行される。
本実施形態では、帯電ローラ18は感光体ドラム40に近接している。即ち、帯電ローラ18は、感光体ドラム40に対し非接触な状態で配置されている。このように、感光体ドラム40と帯電ローラ18との間に微小な空隙(以下、ギャップと称する)を設定する帯電方式は、非接触帯電方式と呼ばれる。この方式によれば、感光体ドラム40と帯電ローラ18を接触させて用いる接触帯電方式に比べ、感光体ドラム40上に残留するトナーや潤滑剤などの異物が帯電ローラ18に付着しづらいため、異物の付着による帯電ムラを抑えることができる等の効果が得られる。但し、本実施形態は、非接触帯電方式に限定されることはなく、接触帯電方式であっても構わない。
ここで、帯電ローラ18から感光体ドラム40に印加される帯電バイアスのAC電圧の歪みについて説明する。図3は、AC電圧波形の歪みを説明する図である。図3において、横軸は時間を表し、縦軸は、帯電バイアスのAC電圧を表す。横軸を挟んで上方が正側、下方が負側である。
破線で示されている理想波形31は、正弦波状に変化するAC電圧波形であり、歪みのない理想的なAC電圧波形である。一方、実線で示されている実波形32は、歪みを有するAC電圧波形である。
AC帯電方式では、帯電ローラ18から感光体ドラム40に放電することで、感光体ドラム40の表面を帯電させる。帯電ローラ18と感光体ドラム40の間で放電が発生すると、急激な負荷変動によりAC電圧波形に歪みが生じ、理想波形31に対して実波形32は振幅が小さくなる。この歪みの大きさは、放電による電荷移動量に依存するところ、放電は正側と負側の両極性で発生するため、AC電圧波形の歪みは、正側および負側の両方で生じる。
感光体ドラム40の表面には、1次転写時に残存する電荷や、非接触AC帯電方式における感光体ドラム40と帯電ローラ18との間のギャップ変動等により、正側の放電の電荷移動量と負側の放電の電荷移動量に差が生じる場合がある。例えば、感光体ドラム40の表面電位が正側に帯電されている場合、後の帯電プロセスでは、正側の放電よりも負側の放電の方が起こりやすくなり、その分、負側の放電における電荷移動量が大きくなる。その結果、図3に示すように、AC電圧波形の負側の歪み量33が正側の歪み量34よりも大きくなる。
図4は、正側の放電の電荷移動量と負側の放電の電荷移動量に差が生じた場合のAC電圧波形と電流波形を示す図である。横軸は時間を表す。横軸を挟んで上方が正側、下方が負側である。AC電圧の理想波形31及び実波形32とともに、一点鎖線の電流波形35が示されている。図4に示されるように、AC電圧波形の負側の歪み量33は、正側の歪み量34より大きい。また電流波形35の負側の歪み量は正側の歪み量より大きい(負側の電流値の絶対値37は正側の電流値の絶対値36より小さい)。このようなAC電圧波形及び電流波形の正側と負側の歪みの差は、感光体ドラム40や帯電ローラ18の特性やばらつき、経時変化等によっても異なる。
図5は、AC電圧が印加された場合の感光体ドラム40の表面電位を示す図である。横軸方向は時間を表し、太い破線で示されている目標電位70を挟んで上方が正側、下方が負側を表しており、AC電圧の理想波形31、AC電圧の実波形32、及び電流波形35が示されている。目標電位70は、歪みがない場合の感光体ドラム40の表面電位を示し、太い実線で示されている電位71は、歪みがある場合の感光体ドラム40の表面電位を示す。
図5において、理想波形31では、AC電圧の波形の歪み量が正側と負側で等しいため、感光体ドラム40の表面電位は目標電位70に一致する。これに対し、実波形32では、AC電圧の波形の歪み量が正側と負側で異なり、正側に対して負側の振幅が小さいため、感光体ドラム40の表面電位は、目標電位70に対し正方向にずれる。正側と負側の歪み量の差が時間変動すると、これに伴い、感光体ドラム40の表面電位は時間変動する。図6は、感光体ドラム40の表面電位の時間変動を示す図である。二点鎖線で示されている領域73において、正側と負側の歪み量の差に伴い、感光体ドラム40の表面電位が正方向に変動している。
帯電バイアス印加時の負荷の変動により、AC電圧の正側と負側の歪み量の差が変動し、これに応じて感光体ドラム40の表面電位が変動する。表面電位が正方向にずれるほど形成される画像は薄くなり、表面電位が負方向にずれるほど形成される画像は濃くなる。このように、表面電位の変動で、形成される画像に濃淡ムラ等の品質劣化が生じる場合がある。
非接触AC帯電方式の場合、例えば、感光体ドラム40、及び帯電ローラ18の偏心等によるギャップ変動で負荷が変動し、AC電圧の正側と負側の歪み量の差が変動する。これに伴う感光体ドラム40の表面電位の変動で、形成される画像に濃淡ムラ等の品質劣化が生じる場合がある。
図7は、本実施形態のAC電圧の波形の歪み抑制方法の概念を説明する図である。図3と同様に、図7の横軸は時間を表し、縦軸は、帯電バイアスのAC電圧を表す。横軸を挟んで上方が正側、下方が負側である。図7では、理想波形31と実波形32が示され、実波形32の負側の歪み量33と正側の歪み量34との間に差が生じている。換言すると、AC電圧の負側のピーク値の絶対値は、正側のピーク値の絶対値より小さくなっている。
本実施形態では、AC電圧の正側のピーク値の絶対値と負側のピーク値の絶対値とを比較し、絶対値が大きい方のピーク値の絶対値を、小さい方のピーク値の絶対値に一致させるように補正する。図7の例では、負のピーク値の絶対値が小さいため、正側のピーク値の絶対値と負側のピーク値の絶対値が一致するように、正側の出力電圧が太い矢印で示される方向に補正される。このような補正の詳細は、別途、図9〜図12を用いて説明する。
図8は、本実施形態の帯電用高圧電源180のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。帯電用高圧電源180は、制御マイコン(マイクロコンピュータ;Micro Computer)300と、AC電圧生成回路181と、高圧DC生成回路182と、高圧ACトランス183と、AC電圧検出回路184と、ピーク検出回路185とを有する。制御マイコン300は、プリンタコントローラ350に電気的に接続し、プリンタコントローラ350からAC周波数信号と、AC電圧信号と、DC電圧信号とを受信する。また制御マイコン300は、AC電圧検出回路184が検出するAC電圧に応じた電流値を、プリンタコントローラ350に送信する。
AC電圧生成回路181は、制御マイコン300から入力されるパルス幅変調されたPWM(Pulse Width Modulation)信号に基づいてAC電圧を生成し、高圧ACトランス183に出力する。AC電圧生成回路181は、例えば、ハーフブリッジ回路、又はフルブリッジ回路等で構成される。AC電圧生成回路181は、特許請求の範囲に記載の「AC電圧生成手段」の一例である。
高圧DC生成回路182は、制御マイコン300から入力されるDC電圧を所定の変圧比で昇圧し、高圧ACトランス183に出力する。
高圧ACトランス183は、AC電圧生成回路181から入力されるAC電圧を所定の変圧比で昇圧する。また高圧ACトランス183は、高圧DC生成回路182から入力されたDC電圧に、昇圧されたAC電圧を重畳させた帯電バイアスを、帯電ローラ18に印加する。
AC電圧検出回路184は、高圧ACトランス183から帯電ローラ18に印加される帯電バイアスのAC電圧を検出する。検出されたAC電圧を示す信号は入力I/F305を介して制御マイコン300に入力される。検出されたAC電圧に応じた電流値を示す信号が、プリンタコントローラ350にフィードバックされ、所望の放電電流を得るための制御に用いられる。
ピーク検出回路185は、正ピーク検出回路186と、負ピーク検出回路187とを有する。高圧ACトランス183が帯電ローラ18に印加する帯電バイアスから、分圧回路とコンデンサ等によりDC成分が除去され、帯電バイアスのAC電圧のみがピーク検出回路185に入力される。正ピーク検出回路186は、入力されたAC電圧の正側のピーク値を検出し、制御マイコン300に出力する。負ピーク検出回路187は、入力されたAC電圧の負側のピーク値を検出し、制御マイコン300に出力する。
正側のピーク値、及び負側のピーク値を示す信号は、それぞれ入力I/F306を介して制御マイコン300に入力される。正側のピーク値、及び負側のピーク値を示す信号をA/D(Analog/Digital)変換回路等でデジタル信号に変換してから制御マイコン300に入力させてもよい。ピーク検出回路185は、特許請求の範囲に記載の「ピーク検出手段」の一例である。
制御マイコン300は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、入力I/F(Inter/Face)304〜306と、出力I/F307とを有する。これらはシステムバス308を介して相互に電気的に接続されている。制御マイコン300は、特許請求の範囲に記載の「制御手段」の一例である。
CPU301は、制御マイコン300の動作を統括的に制御する。CPU301は、RAM303をワークエリア(作業領域)として、ROM302に格納されたプログラムを実行することで、制御マイコン300全体の動作を制御し、後述する各種機能を実現する。
プリンタコントローラ350は、画像形成装置100の動作を制御するコントローラである。プリンタコントローラ350は、帯電用高圧電源180を制御するためのAC周波数を示す信号、AC電圧値を示す信号、及びDC電圧値を示す信号を制御マイコン300に送信する。これらの信号は、入力I/F304を介して制御マイコン300に入力される。またプリンタコントローラ350は、AC電圧検出回路184が検出するAC電圧に応じた電流値を示す信号を、制御マイコン300から出力I/F307を介して受信する。
制御マイコン300は、図8に示されているハードウェア構成によって、次に説明する機能構成を実現することができる。
図9は、本実施形態の制御マイコン300の構成要素の一例を機能ブロックで示す図である。尚、図9に図示される制御マイコン300の各機能ブロックは概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。各機能ブロックの全部又は一部を、任意の単位で機能的又は物理的に分散・結合して構成することが可能である。制御マイコン300の各機能ブロックにて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、上述のCPU301にて実行されるプログラムにて実現され、或いはワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
図9に示されているように、制御マイコン300は、AC電圧信号受信部310と、DC電圧信号受信部311と、AC周波数信号受信部312と、AC電圧受信部313と、電流送信部314と、DC出力演算部315と、比較部316と、補正部317と、制御信号有無判定部320とを有する。
AC電圧信号受信部310は、プリンタコントローラ350からAC電圧値を示す信号を受信し、振幅算出部318とPWM信号生成部319に出力する。DC電圧信号受信部311は、プリンタコントローラ350からDC電圧値を示す信号を受信し、DC出力演算部315に出力する。AC周波数信号受信部312は、プリンタコントローラ350からAC周波数を示す信号を受信し、PWM信号生成部319に出力する。
AC電圧受信部313は、AC電圧検出回路184からAC電圧値を示す信号を受信し、電流送信部314は、受信したAC電圧に応じた電流値を示す信号をプリンタコントローラ350に送信する。
DC出力演算部315は、DC電圧信号受信部311から入力されたDC電圧値を示す信号に対し、所望の演算等を実施した後、DC電圧を高圧DC生成回路182に出力する。
制御信号有無判定部320は、プリンタコントローラ350から制御マイコン300に入力される、AC周波数を示す信号、AC電圧値を示す信号、及びDC電圧値を示す信号の制御信号の有無を判定する。
比較部316は、正ピーク検出回路186の検出するAC電圧の正側のピーク値を示す信号を入力する。また比較部316は、負ピーク検出回路187の検出するAC電圧の負側のピーク値を示す信号を入力する。正側のピーク値を示す信号と負側のピーク値を示す信号がアナログ信号として入力される場合、比較部316は、これらをデジタル信号にA/D変換する。比較部316は、正側のピーク値の絶対値と負側のピーク値の絶対値を比較し、大小の比較結果、正側のピーク値を示す信号、及び負側のピーク値を示す信号を補正部317に出力する。比較部316は、特許請求の範囲に記載の「比較手段」の一例である。
補正部317は、振幅算出部318と、PWM信号生成部319とを有する。振幅算出部318は、入力される正側のピーク値の絶対値と負側のピーク値の絶対値の大小の比較結果と、正側のピーク値を示す信号と、負側のピーク値を示す信号とに基づき、正弦波の正側の振幅値と負側の振幅値を算出する。正側のピーク値の絶対値が負側のピーク値の絶対値より小さい場合は、負側の振幅値は正側の振幅値に一致するように算出される。一方、負側のピーク値の絶対値が正側のピーク値の絶対値より小さい場合は、正側の振幅値は負側の振幅値に一致するように算出される。振幅算出部318は、算出した正側、及び負側の振幅値をPWM信号生成部319に出力する。尚、この場合の「一致」では、一般にノイズと認められる程度の誤差は許容される。この点は以下においても同様である。補正部317は、特許請求の範囲に記載の「補正手段」の一例である。
PWM信号生成部319は、入力された正側、及び負側の振幅値で正弦波信号を生成し、この正弦波信号とキャリヤ信号とを入力にコンパレータ回路と同様に作用するコンパレータ処理を実行する。PWM信号生成部319はコンパレータ処理により正弦波信号を時分割し、時分割したそれぞれの期間で正弦波信号の電圧に応じてパルス幅が変調されたパルス幅変調信号、即ちPWM信号を生成する。PWM信号生成部319は、生成したPWM信号をAC電圧生成回路181に出力し、AC電圧生成回路181はPWM信号に基づきAC電圧を生成する。
ここで、図10は、コンパレータ回路によるPWM信号の生成処理を説明する図である。図10に示されているように、正弦波信号402とキャリヤ信号403は、コンパレータ回路401に入力する。キャリヤ信号403の波形は、ノコギリ波、又は三角波等である。コンパレータ回路401は、2つの入力信号を時分割して期間毎で両者の電圧値を比較し、大きい方の電圧値を出力する。この結果、期間毎でパルス幅が変調されたPWM信号が生成される。
本実施形態のPWM信号生成部319は、このようなコンパレータ回路によるPWM信号の生成処理を、ソフトウェア上で実行する。
具体例として、例えば、AC電圧の正側、及び負側の振幅値がともに100を示す制御信号に基づき帯電バイアスが生成され、帯電ローラ18に印加されて、放電の負荷により、正側のピーク値が90、負側のピーク値が80に歪んだ場合を考える。この100、90、及び80の単位は任意であるが、例えばパーセント等である。
このような例の場合、比較部316は、ピーク検出回路185で検出された正側、及び負側のピーク値を比較し、負側のピーク値の絶対値が小さいと判定する。比較部316は、正側のピーク値90を示す信号と、負側のピーク値80を示す信号と、負側のピーク値の絶対値が小さいという比較結果を示す信号とを、補正部317に出力する。
補正部317において、振幅算出部318は、正側のピーク値の絶対値が負側のピーク値の絶対値に一致するように、制御信号が示す振幅値を補正して正側の振幅値を算出する。この例の場合、正側の振幅値は、歪んだ結果が80になるように、80/90×100として算出される。一方、負側の振幅値は補正されず、制御信号の示す振幅値に応じて100のままである。振幅算出部318は、このようにして算出した正側の振幅値と負側の振幅値をPWM信号生成部319に出力する。
PWM信号生成部319は、入力された正側の振幅値と負側の振幅値に基づき、正弦波信号を生成する。図11は、本実施形態のPWM信号生成部319で実行される処理の一例を説明する図である。332は生成された正弦波信号を示し、333はキャリヤ信号を示す。正弦波信号332において、334は正側の振幅値に基づく正側のピークを示し、335は負側の振幅値に基づく負側のピークを示す。正弦波信号332における黒色線部は正側の電圧波形を示し、灰色線部は負側の電圧波形を示す。
正弦波信号332とキャリヤ信号333は、コンパレータ331に入力され、PWM信号が生成されて出力される。生成されたPWM信号に基づきAC電圧生成回路181はAC電圧を生成し、高圧ACトランス183は帯電ローラ18に帯電バイアスを印加する。印加時の放電の負荷によりAC電圧波形は歪み、結果的にAC電圧の正側のピーク値の絶対値が80で、負側のピーク値の絶対値が80の帯電バイアスが、帯電ローラ18に印加される。このようにピーク値の絶対値が小さい負側に一致するように、正側のピーク値の絶対値を補正することで、印加される帯電バイアスで正側と負側のピーク値の絶対値を等しくすることができる。その結果、感光体ドラム40では表面電位が変動せず、目標電位が安定して得られる。
尚、本実施形態では、上記のように、絶対値が大きい方のピーク値の絶対値を小さい方のピーク値の絶対値に一致するように補正が行われるため、放電電流が小さくなって適正な放電電流が得られなくなる場合がある。このような場合は、AC電圧検出回路184が検出したAC電圧に応じた電流値を利用して帯電バイアスが制御される。
AC電圧検出回路184が検出したAC電圧に応じた電流値を示す信号は、出力I/F307を介してプリンタコントローラ350にフィードバックされる。プリンタコントローラ350は、フィードバックされた電流値を示す信号に基づき、適正な放電電流量が得られるような帯電バイアスのAC電圧値、又はDC電圧値を算出し、算出結果を制御マイコン300に出力する。入力I/F304を介して入力されたAC電圧値、又はDC電圧値を示す信号に基づいて、帯電バイアスが生成され、帯電ローラ18に印加される。これにより所望の放電電流を得ることができる。
また本実施形態では、PWM信号生成部319の機能をソフトウェアで実現する例を示したが、高速処理が要求される場合は、コンパレータ電気回路を用いる等、PWM信号生成部319の機能をハードウェアで実現してもよい。
図12は、本実施形態の帯電用高圧電源180で帯電ローラ18に帯電バイアスを印加するための処理の一例を示すフローチャートである。
先ず、プリンタコントローラ350から帯電用高圧電源180の有する制御マイコン300に、AC電圧値を示す信号と、DC電圧値を示す信号と、AC周波数を示す信号とが、制御信号として入力される(ステップS121)。AC電圧値を示す信号は、AC電圧信号受信部310を介して振幅算出部318とPWM信号生成部319に入力される。DC電圧値を示す信号は、DC電圧信号受信部311を介してDC出力演算部315に入力される。AC周波数を示す信号は、AC周波数信号受信部312を介してPWM信号生成部319に入力される。
次に、PWM信号生成部319は、入力されたAC周波数を示す信号に応じた周波数のキャリヤ信号を生成する(ステップS122)。
次に、PWM信号生成部319は、入力されたAC電圧値を示す信号、及びAC周波数を示す信号に応じた振幅と周波数の正弦波信号を生成する(ステップS123)。
次に、PWM信号生成部319は、キャリヤ信号と正弦波信号を入力信号としてコンパレータ処理を実行し、パルス幅変調されたPWM信号を生成し、AC電圧生成回路181に出力する(ステップS124)。
次に、AC電圧生成回路181は、入力されたPWM信号に基づき、AC電圧を生成し、高圧ACトランス183に出力する(ステップS125)。
一方、DC出力演算部315は、入力されたDC電圧値を示す信号に対し、所望の演算等を実施した後、DC電圧を高圧DC生成回路182に出力する。高圧DC生成回路は入力されたDC電圧を所定の変圧比で昇圧し、高圧ACトランス183に出力する。
次に、高圧ACトランス183は、入力されたAC電圧を所定の変圧比で昇圧した後、入力されたDC電圧に重畳させて帯電バイアスを生成し、帯電ローラ18に印加する(ステップS126)。また分圧回路とコンデンサ等により、帯電バイアスからDC成分が除去され、帯電バイアスのAC電圧のみが抽出される。抽出されたAC電圧を示す信号は、ピーク検出回路185に入力される。
次に、ピーク検出回路185において、正ピーク検出回路186は、入力されたAC電圧から正側のピーク値を検出し、正側のピーク値を示す信号を比較部316に出力する。また負ピーク検出回路187は、入力されたAC電圧値から負側のピーク値を検出し、負側のピーク値を示す信号を比較部316に出力する(ステップS127)。
次に、比較部316は、正ピーク検出回路186から入力された正側のピーク値と、負ピーク検出回路187から入力された負側のピーク値とを比較し、両者の絶対値が等しいかを判定する(ステップS128)。両者の絶対値が等しい場合は(ステップS128、Yes)、比較部316は、その旨を示す信号と、正側のピーク値を示す信号と、負側のピーク値を示す信号とを補正部317に出力する。補正部317において、振幅算出部318は、制御信号が示す振幅値を補正せず、正側の振幅値と負側の振幅値を算出する。その後、ステップS132に移る。
両者の絶対値が等しくない場合は(ステップS128、No)、比較部316は負側のピーク値の絶対値が正側のピーク値の絶対値より小さいかを判定する(ステップS129)。
負側のピーク値の絶対値が正側のピーク値の絶対値より小さい場合は(ステップS129、Yes)、比較部316は、その旨を示す信号と、正側のピーク値を示す信号と、負側のピーク値を示す信号とを補正部317に出力する。補正部317において、振幅算出部318は、絶対値が小さい負側のピーク値の絶対値に、正側のピーク値の絶対値が一致するように、制御信号が示す振幅値を補正して正側の振幅値を算出する(ステップS130)。負側の振幅値は補正されず、制御信号が示す振幅値のままとなる。
負側のピーク値の絶対値が正側のピーク値の絶対値より大きい場合は(ステップS129、No)、比較部316は、その旨を示す信号と、正側のピーク値を示す信号と、負側のピーク値を示す信号とを補正部317に出力する。補正部317において、振幅算出部318は、絶対値が小さい正側のピーク値の絶対値に、負側のピーク値の絶対値が一致するように、制御信号が示す振幅値を補正して負側の振幅値を算出する(ステップS131)。正側の振幅値は補正されず、制御信号が示す振幅値のままである。
次に、制御信号有無判定部320は、プリンタコントローラ350から帯電用高圧電源180に入力する制御信号の有無を判定する(ステップS132)。制御信号がある場合は(ステップS132、Yes)、ステップS123に戻り、振幅算出部318が算出した正の振幅値、及び負の振幅値に基づいてステップS123以降の処理が継続される。一方、制御信号がない場合は(ステップS132、No)、処理は終了する。
このようにして、帯電用高圧電源180は、AC電圧の波形の歪みを抑制して帯電ローラ18に帯電バイアスを印加することができる。
以上説明してきたように、本実施形態によれば、帯電バイアスのAC成分の正側のピーク値、及び負側のピーク値が検出される。正側のピーク値の絶対値が小さい場合は、負側のピーク値の絶対値が正側のピーク値の絶対値に一致するように、帯電バイアスのAC電圧が補正される。負側のピーク値の絶対値が小さい場合は、正側のピーク値の絶対値が負側のピーク値の絶対値に一致するように、帯電バイアスのAC電圧が補正される。
これにより、AC電圧の正側、及び負側のピーク値が等しい帯電バイアスを生成することができ、感光体ドラム40等の像担持体の表面電位を安定させることができる。パルス幅を補正しないため、電源の出力容量の制限を受けず、出力容量の大きい電源を用いることなく、像担持体の表面電位を安定させることができる。
尚、本実施形態では比較部316はピーク検出回路185で検出された正側のピーク値の絶対値と負側のピーク値の絶対値とを比較し、比較結果に基づき、処理を実行する例を示したが、ピーク値に代えて実効値を用いてもよい。つまり正側の実効値と負側の実効値とを比較し、比較結果に基づき、処理を実行してもよい。尚、実効値とは、各瞬間の値の2乗を1周期間で平均し、平方根を求めたものである。例えば、実効値は、AC電圧の振幅値の1/√2(倍)として算出される。実効値を用いることで、ピーク値を用いる場合と比較して、例えば、突発的なノイズ等の影響を受けにくくなるため、補正の精度を向上させることができる。これ以外の効果は、ピーク値を用いる場合と同様である。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の画像形成装置の一例を説明する。尚、第1の実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
本実施形態では、AC電圧の波形の歪みの画質への影響を抑制するために、所定の条件下で、PWM信号のパルス幅を制御してAC電圧の歪みを補正するPWM制御を行う。
図13は、本実施形態のPWM制御によるAC電圧の歪み抑制方法の概念を説明する図である。図3等と同様に、図13の横軸は時間を表し、縦軸は、帯電バイアスのAC電圧を表す。横軸を挟んで上方が正側、下方が負側である。図13では理想波形31と実波形32が示され、実波形32の負側の歪み量33と正側の歪み量34との間に差が生じている。
PWM制御では、理想波形31に近付けるように実波形32が補正される。例えば太い矢印で示されるように、正側で理想波形のピーク値に近付けるように実波形32の正側のピーク値が補正され、また負側で理想波形の電圧のピーク値に近付けるように実波形32の負側のピーク値が補正される。
図14は、本実施形態のPWM制御を説明する図である。PWM制御は、パルス波のデューティ比を変化させて電力を変調制御する方式である。図14において、横軸は時間を示し、時間領域81〜90は時分割された時間領域を示す。パルス波81pは時間領域81で印加されるパルス波を示す。同様に、パルス波82p〜90pは時間領域82〜90のそれぞれに対応して印加されるパルス波を示す。電圧のオンを示すパルス幅が長いほど出力電圧は高くなる。デューティ比でパルス幅の長さを変化させることで、正弦波状の電圧波形のAC電圧が生成される。
図14に示される例では、時間領域83〜87において、AC電圧の理想波形31に対して実波形32が歪んでいる。パルス波83p〜87pのデューティ比をそれぞれ上げ、時間領域83〜87における出力電圧を上げることで、実波形32の歪みをなくし、実波形32を理想波形31に近付けるように補正することができる。これにより、AC電圧の波形の正側、負側でのピーク値の絶対値が等しくなり、感光体ドラム40への放電電流が等しくなるため、感光体ドラム40の表面電位を安定させることができる。
但し、デューティ比は最大で100%であるため、100%を超えるデューティ比でないと補正できないような大きな歪みがある場合は、デューティ比の調整だけでは、歪みを補正することができない。つまり、デューティ比が100%より小さいパルス波のみで所望のPWM信号を生成できない。このような場合の対応策として、帯電用高圧電源180の出力容量を大きくすることが考えられる。即ち、放電により負荷電流が大きくなっても、電圧波形が歪まないような出力容量を有する帯電用高圧電源180を使用することである。しかし出力容量が大きい帯電用高圧電源は高価であるため、画像形成装置100を構成する部品コストが増大する。
本実施形態では、デューティ比が100%より小さいパルス波のみで所望のPWM信号を生成できる場合は、PWM制御によりAC電圧の歪みを補正し、デューティ比が100%より小さいパルス波のみでは所望のPWM信号を生成できない場合は、第1の実施形態で説明した方法により、AC電圧の歪みを補正する。
図15は、本実施形態の制御マイコン300aの構成要素の一例を機能ブロックで示す図である。制御マイコン300aは、PWM制御部321と、デューティ比判定部322と、温度入力部323と、温度判定部324とを有する。PWM制御部321は、AC成分抽出回路188と電気的に接続し、デューティ比判定部322は、AC電圧生成回路181と電気的に接続し、温度入力部323は、温度センサ189と電気的に接続する。
AC成分抽出回路188は、高圧ACトランス183が帯電ローラ18に印加する帯電バイアスからDC成分を除去し、AC成分の電圧のみを抽出する。AC成分抽出回路188は、例えば分圧回路とコンデンサ等により構成される。AC成分抽出回路188は、特許請求の範囲に記載の「AC成分抽出手段」の一例である。
PWM制御部321は、AC成分抽出回路188からAC成分の電圧を入力する。PWM制御部321は、入力されたAC成分の電圧を時分割して、時分割したそれぞれの期間においてAC成分の電圧を変換処理した電圧値と理想電圧値とを比較する。比較の結果、変換処理した電圧値と理想電圧値とが異なるAC電圧歪み発生期間において、変換処理した電圧値と理想電圧値との差分を求める。
求めた差分に基づいてAC電圧歪み発生期間の次の期間におけるPWM信号のデューティ比を調整したPWM信号を生成し、PWM信号とデューティ比をデューティ比判定部322に出力する。PWM制御部321によるPWM制御の詳細は、特許第4444556号公報を参照されたい。尚、PWM制御部321は、特許請求の範囲に記載の「PWM制御手段」の一例である。
デューティ比判定部322は、デューティ比が100%より小さいパルス波のみで所望のPWM信号を生成できる場合は、入力されたPWM信号をAC電圧生成回路181に出力する。一方で、デューティ比が100%より小さいパルス波のみでは所望のPWM信号を生成できない場合は、PWM制御を実施しないことを示す信号を比較部316aに送信する。デューティ比判定部322は、特許請求の範囲に記載の「デューティ比判定手段」の一例である。
温度入力部323は、画像形成装置の内部、又は外部に設けられた温度センサ189が検出した温度データを入力し、温度判定部324に出力する。温度センサ189は、特許請求の範囲に記載の「温度検出手段」の一例である。
温度判定部324は、入力された温度データが予め規定した閾値以下の場合は、PWM制御を実施しないことを示す信号を比較部316aに送信する。画像形成装置の内部、又は外部の温度が低下すると、帯電用高圧電源180の周辺の温度が低くなり、帯電用高圧電源180による電圧の出力効率の低下や感光体ドラム40等の負荷のインピーダンスが変化して、本実施形態を実施しても状態が良化しない場合が増加する。そのため、本実施形態では、入力された温度データが予め規定した閾値以下の場合は、PWM制御を実施しないこととしている。尚、温度判定部324は、特許請求の範囲に記載の「温度判定手段」の一例である。
温度の閾値は予め規定され、ROM302やRAM303に記憶されている。温度判定部324は、ROM302やRAM303を参照して温度の閾値を取得することができる。温度センサ189を画像形成装置の内部に設けた場合と、外部に設けた場合で、閾値を異ならせてもよい。
尚、温度によらずデューティ比のみに基づいて、PWM制御の実施可否を判定してもよい。
比較部316aは、PWM制御を実施しないことを示す信号を受信した場合、第1の実施形態で説明した処理を実行する。比較部316aの出力に基づいて、補正部317等が行う処理、又は動作は、第1の実施形態で説明した処理、又は動作と同様である。
以上説明したように、本実施形態によれば、デューティ比が100%より小さいパルス波のみで所望のPWM信号を生成できる場合は、PWM制御によりAC電圧の歪みを補正し、デューティ比が100%より小さいパルス波のみでは所望のPWM信号を生成できない場合は、第1の実施形態で説明した方法により、AC電圧の歪みを補正する。
これにより、デューティ比が100%より小さいパルス波のみでは所望のPWM信号を生成できない場合に、出力容量の大きい帯電用高圧電源180を用いることなく、感光体ドラム40の表面電位を安定させることができる。また、画像形成装置の内部、又は外部に設けられた温度センサ189の出力に基づき、PWM制御の実施可否を判定することで、帯電用高圧電源180の周辺温度が低くなった場合に、出力容量の大きい帯電用高圧電源180を用いることなく、感光体ドラム40の表面電位を安定させることができる。
尚、上記では帯電バイアスのAC成分を抽出するためにAC成分抽出回路188を備える構成を示したが、ピーク検出回路185によりAC成分の抽出を行わせてもよい。この場合は、AC成分抽出回路188は不要となる。
また上記以外の効果は、第1の実施形態で説明したものと同様である。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態の画像形成装置の一例を説明する。尚、第1〜2の実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図16は、AC電圧波形の形状の歪みを説明する図である。図3等と同様に、横軸は時間を示し、理想波形31と実波形32が示されている。第1〜2の実施形態では、AC電圧波形の歪みにより、正側のピーク値と負側のピーク値が異なる場合を説明したが、図16では、実波形32の波形形状が左右で非対称になるような歪みの一例を示している。AC電圧波形の形状が左右で非対称になると、ピーク値の絶対値を一致させるだけでは正側と負側で、電圧波形の形状が対称にならず、帯電された感光体ドラム40の表面電位に傾き成分等が含まれる場合がある。
本実施形態では、帯電バイアスから抽出したAC成分の電圧から電圧波形データを生成し、この電圧波形データに基づいてPWM信号を生成することで、ピーク値の歪みだけでなく、実波形32の波形形状が左右で非対称になるような歪みの影響も除去する。
図17は、本実施形態の制御マイコン300bの構成要素の一例を機能ブロックで示す図である。制御マイコン300bは、波形生成部325を有し、波形生成部325はAC成分抽出回路188と電気的に接続している。
波形生成部325は、AC成分抽出回路188からAC成分の電圧値を入力し、A/D変換して電圧波形のデジタルデータを取得する。また波形生成部325は、比較部316からAC電圧の正側のピーク値の絶対値と負側のピーク値の絶対値の大小の比較結果を受け取る。
正側のピーク値の絶対値が小さい場合は、波形生成部325は、取得した電圧波形のデジタルデータのうち、正側のデータを用いて電圧波形データを生成する。例えば、正側のデータに−1を乗じて符号を変換したものを負側のデータとし、これを、取得した電圧波形のデジタルデータの負側のデータと入れ替えて、電圧波形データを生成する。
一方、負側のピーク値の絶対値が小さい場合は、波形生成部325は、取得した電圧波形のデジタルデータのうち、負側のデータを用いて電圧波形データを生成する。例えば、負側のデータに−1を乗じて符号を変換したものを正側のデータとし、これを、取得した電圧波形のデジタルデータの正側のデータと入れ替えて、電圧波形データを生成する。
このように生成された電圧波形データはPWM信号生成部319に入力され、キャリヤ信号とコンパレータ処理されることで、PWM信号が生成される。電圧波形データの振幅と周波数は、AC電圧信号受信部310、及びAC周波数信号受信部312を介してプリンタコントローラ350から入力される制御信号に基づき、適宜調整される。
本実施形態によれば、AC電圧の正側と負側で、ピーク値だけでなく波形形状の対称性も合わせる。これにより、帯電された感光体ドラム40の表面電位の傾き成分等を除去し、均一で安定した表面電位を得ることができる。
尚、これ以外の効果は、第1〜2の実施形態で説明したものと同様である。また第2の実施形態で説明したように、PWM制御と組み合わせてもよい。例えば、デューティ比が100%より小さいパルス波のみでPWM信号を生成できる場合は、PWM制御によりAC電圧の歪みを補正し、デューティ比が100%より小さいパルス波のみでは所望のPWM信号を生成できない場合は、本実施形態で説明した方法により、AC電圧の歪みを補正する。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態の画像形成装置の一例を説明する。尚、第1〜3の実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
本実施形態では、正側のピーク値の絶対値に対応付けられた正側の電圧波形と、負側のピーク値の絶対値に対応付けられた負側の電圧波形を予め実験等で取得し、記憶部に記憶しておく。そして検出されたAC電圧の正側、又は負側のピーク値に応じ、記憶部を参照して正側、又は負側の電圧波形を取得し、電圧波形データを生成する。
これを用いてAC電圧波形を生成することで、ピーク値の歪みだけでなく、実波形32の波形形状が左右で非対称になるような歪みの影響も除去する。第3の実施形態では、正側、又は負側の電圧波形をAC成分抽出回路188により抽出したのに対し、本実施形態では、正側、又は負側の電圧波形を記憶部から取得する点が第3の実施形態との相違点である。
図18は、本実施形態の制御マイコン300cの構成要素の一例を機能ブロックで示す図である。制御マイコン300cは、波形生成部325cと、記憶部326とを有する。記憶部326は、ROM302やRAM303により実現される。記憶部326は、特許請求の範囲に記載の「記憶部」の一例である。
波形生成部325cは、比較部316からAC電圧の正側のピーク値の絶対値と負側のピーク値の絶対値の大小の比較結果を受け取る。
正側のピーク値の絶対値が小さい場合は、波形生成部325cは、記憶部326を参照して、正側のピーク値に基づく正側の電圧波形を取得し、これに基づき電圧波形データを生成する。例えば、記憶部326を参照して取得した正側の電圧波形に−1を乗じて符号を変換したものを負側の電圧波形とし、これを正側の電圧波形と合体させて電圧波形データを生成する。
一方、負側のピーク値の絶対値が小さい場合は、波形生成部325cは、記憶部326を参照して、負側のピーク値に基づく負側の電圧波形を取得し、これに基づき電圧波形データを生成する。例えば、記憶部326を参照して取得した負側の電圧波形に−1を乗じて符号を変換したものを正側の電圧波形とし、これを負側の電圧波形と合体させて電圧波形データを生成する。
このように生成された電圧波形データはPWM信号生成部319に入力され、キャリヤ信号とコンパレータ処理されて、PWM信号が生成される。電圧波形データの振幅と周波数は、AC電圧信号受信部310、及びAC周波数信号受信部312を介してプリンタコントローラ350から入力される制御信号に基づき、適宜調整される。
本実施形態によれば、AC電圧の正側と負側で、ピーク値だけでなく波形形状の対称性も合わせる。これにより、帯電された感光体ドラム40の表面電位の傾き成分等を除去し、均一で安定した表面電位を得ることができる。
尚、これ以外の効果は、第1〜3の実施形態で説明したものと同様である。また第2の実施形態で説明したように、PWM制御と組み合わせてもよい。例えば、デューティ比が100%より小さいパルス波のみでPWM信号を生成できる場合は、PWM制御によりAC電圧の歪みを補正し、デューティ比が100%より小さいパルス波のみでは所望のPWM信号を生成できない場合は、本実施形態で説明した方法により、AC電圧の歪みを補正する。
以上、実施形態に係る画像形成装置、及び画像形成方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。