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JP2019178096A - プロスタグランジンe2産生抑制用組成物及びアグリカナーゼ1(adamts−4)産生抑制用組成物 - Google Patents

プロスタグランジンe2産生抑制用組成物及びアグリカナーゼ1(adamts−4)産生抑制用組成物 Download PDF

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JP2019178096A
JP2019178096A JP2018067981A JP2018067981A JP2019178096A JP 2019178096 A JP2019178096 A JP 2019178096A JP 2018067981 A JP2018067981 A JP 2018067981A JP 2018067981 A JP2018067981 A JP 2018067981A JP 2019178096 A JP2019178096 A JP 2019178096A
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かずみ 鍋島
Kazumi Nabeshima
かずみ 鍋島
江里子 三澤
Eriko Misawa
江里子 三澤
美順 田中
Yoshinori Tanaka
美順 田中
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】日常的に安全に摂取でき、プロスタグランジンE2の産生を抑制し得る機能性素材、及びアグリカナーゼ1の産生を抑制し得る機能性素材、並びに、これらを利用した医薬組成物及び飲食品組成物を提供することを目的とする。【解決手段】シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を有効成分とするプロスタグランジンE2産生抑制用組成物である。また、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を有効成分とするアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)産生抑制用組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、プロスタグランジンE2産生抑制用組成物及びアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)産生抑制用組成物に関する。
変形性関節症(Osteoarthritis; OA)は、関節軟骨の変形や破壊により関節に炎症が起こり、痛みや腫れをきたす疾患である。変形性関節症では、関節の変形や運動痛、可動域制限等により、本来の関節の滑らかな動きが障害され、起立や歩行に大きな影響を与えるため、生活の質(Quality of Life; QOL)を著しく低下させる。
変形性関節症は、例えば、体内で炎症や痛み等を引き起こす物質であるプロスタグランジンE2(Prostaglandin E2; 以下、「PGE2」とも記載する。)が関与することが知られている。PGE2はサイトカイン、増殖因子等の存在によって様々な細胞から産生され、様々な生理活性を示す。PGE2は破骨細胞に作用し、その分化や活性化を誘導して骨吸収作用を促進する(非特許文献1)。
また、関節軟骨の主要構成要素であるII型コラーゲンとアグリカンの分解に寄与している蛋白質分解酵素が、変形性関節症における関節軟骨の変形、破壊に関与していることが知られている。このような蛋白質分解酵素として、メタロプロテアーゼ類、とくにマトリックスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase: 以下、「MMP」とも記載する。)及びアグリカナーゼ(a distintegrin and metalloproteinase with thrombospondin-like repeat: 以下、「ADAMTS」とも記載する。)が重要であることが知られている(非特許文献2)。
プロスタグランジンE2の産生を抑制する化合物として、例えばクービ、ハイビスカス等の植物の抽出物が知られている(特許文献1)。また、MMPと、アグリカナーゼのうちアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)及びアグリカナーゼ2(ADAMTS−5)の産生を抑制する化合物として、クスノキ科ゲッケイジュ属の葉の抽出物が知られている(特許文献2)。
ところで、植物ステロールのうち、シクロラノスタン骨格を有する化合物やロフェノール骨格を有する化合物が、MMPの産生を阻害し、MMPの活性により引き起こされる症状を予防又は改善するのに有効であることが知られている(特許文献3)。
しかしながら、これらの化合物のプロスタグランジンE2産生及びアグリカナーゼ産生に対する作用は一切知られていなかった。
日本内科学会雑誌,第87巻,第12号,第58−65頁,1998 Journal of the Society of Japanese Women Scientists,Vol.9,p.46−50,2008
特許第6290353号公報 特開2016−179947号公報 国際公開第2016/084957号
特許文献1、2に開示されているように、プロスタグランジンE2産生抑制及びアグリカナーゼ1産生抑制の作用を示す素材が提案されている中、安全に摂取できる素材の開発が更に求められていた。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、日常的に安全に摂取でき、プロスタグランジンE2の産生を抑制し得る機能性素材、及びアグリカナーゼ1の産生を抑制し得る機能性素材、並びに、これらを利用した医薬組成物及び飲食品組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決する本発明は、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を有効成分とするプロスタグランジンE2産生抑制用組成物である。
また、前記課題を解決する本発明は、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を有効成分とするアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)産生抑制用組成物である。
さらに、前記組成物において、シクロラノスタン化合物は9,19−シクロラノスタン−3−オール及び24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オールからなる群から選択される1又は複数の化合物であり、並びに、ロフェノール化合物は4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールからなる群から選択される1又は複数の化合物である。
前記組成物が医薬組成物又は飲食品組成物であることが好ましい。
本発明によれば、日常的に安全に摂取でき、プロスタグランジンE2の産生を抑制し得る機能性素材、及びアグリカナーゼ1の産生を抑制し得る機能性素材、並びに、これらを利用した医薬組成物及び飲食品組成物を提供することができる。
次に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
本発明の組成物は、シクロラノスタン化合物(化合物1)及びロフェノール化合物(化合物2)からなる群から選択される化合物を有効成分として含有する。
[シクロラノスタン化合物]
シクロラノスタン化合物(シクロラノスタン骨格を有する化合物)は、以下の一般式(1)で表される。
Figure 2019178096
一般式(1)において、R1は炭素原子数6〜8の、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、2重結合を1つ又は2つ含むアルケニル基、又はこれらのアルキル基及びアルケニル基の水素原子の1つ又は2つがヒドロキシル基及び/若しくはカルボニル基で置換された置換アルキル基又は置換アルケニル基であり、R2、R3は各々独立に水素原子又はメチル基であり、R4は環を構成する炭素原子とともにC=Oを形成するか、又は下記式の何れかである。
Figure 2019178096
前記一般式(1)において、R1は、下記式で表される基の何れかであることが好ましい。
Figure 2019178096
好ましいシクロラノスタン化合物としては、9,19−シクロラノスタン−3−オール及び24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オールが挙げられる。各化合物は、それぞれ、以下の式(2)及び(3)で表される構造を有する。
Figure 2019178096
Figure 2019178096
シクロラノスタン化合物は、公知の製造方法に準じて化学的に製造することができる。例えば、式(3)で表される24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール(慣用名:24−メチレンシクロアルタノール)は、特開昭57−018617号公報に開示される方法にて製造することが可能である。また、シクロラノスタン化合物は、特開2003−277269号公報に開示される方法にて、γ−オリザノールからのシクロアルテノールフェルレート(式(4))の加水分解物を出発物質として製造することが可能である。
Figure 2019178096
また、シクロラノスタン化合物は、ユリ科、マメ科、イネ科、ナス科及びバショウ科等の植物に含まれていることが知られている(〔フィトケミストリー(Phytochemistry)、米国、1977年、第16巻、第140〜141ページ〕、〔ハンドブック・オブ・フィトケミカル・コンスティチュエンツ・オブ・GRAS・ハーブ・アンド・アザー・エコノミック・プランツ(Handbook of phytochemical constituents of GRAS herbs and other economic plants)、1992年、米国、シーアールシープレス〕、又は〔ハーゲルズ・ハントブーフ・デア・ファルマツォイティシェン・プラクシス(Hager's Handbuch derPharmazeutischen Praxis)、第2〜6巻、1969〜1979年、ドイツ、シュプリンガー・フェアラークベルリン〕参照)。よって、これらの植物より、有機溶媒抽出法又は熱水抽出法等の方法を用いて抽出することも可能である。
また、シクロラノスタン化合物は、微生物等を利用して生物学的に製造してもよい。あるいは、微生物由来の酵素を用いて製造しても良い。
前記のようにして製造した化合物は、例えば、マススペクトル(MS)法、及び核磁気共鳴スペクトル(NMR)法等によって、その分子量や構造等を決定又は確認することができる。
また、シクロラノスタン化合物は、医薬に許容される塩であってもよい。医薬に許容可能な塩として、金属塩(無機塩)と有機塩との両方が含まれ、それらのリストは「レミントン・ファーマシューティカル・サイエンシーズ(Remington's Pharmaceutical Sciences)、第17版、1985年、第1418頁」に掲載されているものが例示される。
具体的には塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩、及び硫酸塩等の無機酸塩や、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩、サリチル酸塩、及びステアリン酸塩等の有機酸塩が非限定的に含まれる。
また、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の金属の塩、リジン等のアミノ酸との塩とすることもできる。また、前記化合物若しくはその医薬上許容される塩の水和物等の溶媒和物も使用できる。
[ロフェノール化合物]
ロフェノール化合物(ロフェノール骨格を有する化合物)は、以下の一般式(5)で表される。
Figure 2019178096
一般式(5)中、R1は炭素原子数5〜16の、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、又は2重結合を1つ又は2つ含むアルケニル基である。尚、これらのアルキル基又はアルケニル基は、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基及び/若しくはカルボニル基で置換された、置換アルキル基又は置換アルケニル基であってもよい。R2、R3は各々独立に水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、又は置換アルキル基であり、R4は環を構成する炭素原子とともにC=Oを形成するか、又は−OH、−OCOCH3の何れかである。尚、前記炭素原子数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基等が好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記一般式(5)において、R1は、下記式で表される基の何れかであることが好ましい。
Figure 2019178096
好ましいロフェノール化合物としては、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールが挙げられる。各化合物は、それぞれ、以下の式(6)〜(8)で表される構造を有する。
Figure 2019178096
Figure 2019178096
Figure 2019178096
ロフェノール化合物は、シクロラノスタン化合物と同様に、植物に含まれていることが公知であり、植物を原料として公知のロフェノールの製造方法に準じて製造することができる(例えば、特許第3905913号公報参照)。さらに、ロフェノール化合物は、例えばVitali Matyash et al., PLOS BIOLOGY, Volume 2, Issue 10, e280, 2004に記載されたサプリメントデータに準じて合成することも可能である。
前記のようにして製造した化合物は、例えば、マススペクトル(MS)法、及び核磁気共鳴スペクトル(NMR)法等によって、その分子量や構造等を決定又は確認することができる。
また、ロフェノール化合物は、医薬に許容される塩であってもよい。このような塩としては、シクロラノスタン化合物の場合と同様の塩が挙げられる。
[本発明の組成物]
本発明の組成物は、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物からなる群から選択される化合物を、有効成分として含有する。該化合物は、1種でも、複数種でもよい。
化合物1又は化合物2を単独で用いる場合としては、化合物1(主に、9,19−シクロラノスタン−3−オール若しくは24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール)、又は化合物2(主に、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、若しくは4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール)の何れかであることが好ましい。
中でも化合物1としては、9,19−シクロラノスタン−3−オールが特に好ましく、化合物2としては、4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール特に好ましい。
また、化合物1又は化合物2各々においても、1種の化合物を用いてもよいし、複数の化合物を混合して用いてもよい。
本発明の組成物は、好ましくは、9,19−シクロラノスタン−3−オール若しくは24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールからなる群から選択される化合物を有効成分として含有する。
本発明の組成物は、好ましくはシクロラノスタン化合物から選択される化合物、及びロフェノール化合物から選択される化合物の両者を組み合わせて含有することが可能である。シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物は、それぞれ1種でも、複数種でもよい。
この場合において、シクロラノスタン化合物とロフェノール化合物の質量比の範囲は、好ましくは以下の通りである。
シクロラノスタン化合物:ロフェノール化合物=5:1〜1:5
該特定の質量比の範囲は、天然のアロエベラ中に含まれる、シクロラノスタン化合物(特に、9,19−シクロラノスタン−3−オール及び24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール)と、ロフェノール化合物(特に、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール)の質量比にほぼ相当する。
本発明の組成物におけるシクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物から選ばれる化合物の含有量は、対象疾患、投与対象等に応じて適宜選択することができるが、総量で、好ましくは少なくとも0.0001質量%、より好ましくは少なくとも0.001質量%、さらに好ましくは少なくとも0.005質量、特に好ましくは少なくとも0.01質量%である。また本発明の医薬組成物における当該量の上限は特に制限されないが、総量で、90質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下が例示される。
本発明の組成物は、医薬組成物、飲食品組成物等の態様で用いることができる。
本発明の組成物を医薬組成物として用いる形態では、経口的、又は非経口的にヒトを含む哺乳動物に投与することができる。
前記化合物が有効成分として機能し、プロスタグランジンE2の産生を抑制する。また、前記化合物が有効成分として機能し、アグリカナーゼ1(ADAMTS−4)の産生を抑制する。そのため、本発明の組成物は、プロスタグランンジンE2及び/又はアグリカナーゼ1の活性に起因する症状の予防、改善、治療作用を有する。
プロスタグランジンE2の活性に起因する症状としては、例えば変形性関節症、軟骨の破壊、軟骨の損傷がある。
アグリカナーゼ1(ADAMTS−4)の活性に起因する症状としては、例えば変形性関節症、軟骨の破壊、軟骨の損傷がある。
本発明の医薬組成物の製剤形態は特に限定されず、治療目的、用法に応じて適宜選択できる。
具体的には、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、貼付剤、点眼剤、点鼻剤等を例示できる。
本発明の医薬組成物の投与時期は特に限定されず、対象となる疾患に応じて、適宜選択することが可能である。また、投与量は製剤形態、用法、患者の年齢、性別、その他の条件、症状の程度等に応じて決定されることが好ましい。
本発明の医薬組成物の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患の程度、その他の条件等により適宜選択される。通常、有効成分の量に換算して、好ましくは0.001〜50mg/日、より好ましくは、0.01〜10mg/日の範囲を目安とする。
従って、本発明の医薬組成物の好ましい形態の一つは、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物からなる群から選択される化合物を、総量で、好ましくは0.001〜50mg/日、より好ましくは0.01〜10mg/日投与されるように用いられる医薬組成物である。
本発明の医薬組成物は、医薬組成物に汎用される添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、界面活性剤、注射剤用溶剤等が挙げられる。また、本発明の医薬組成物は、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物のプロスタグランジンE2産生抑制効果及びアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)産生抑制効果を損なわない限り、予防や治療の対象となる疾患や症状に応じた有効成分、例えば、変形性関節症、軟骨の破壊、軟骨の損傷の予防、改善、治療作用を有する他の成分を含有していてもよい。
本発明の医薬組成物は、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物から選ばれる化合物を有効成分として医薬組成物用担体に配合することで製造することができる。本発明の医薬組成物は、例えば、前記化合物を、前記の添加剤と共に製剤化することで製造することができる。
また、本発明の医薬組成物は、前記化合物を含む公知の植物等を原料として、熱水や各種溶媒を用いた抽出、超臨界抽出、亜臨界抽出することにより得た抽出物を、前記の添加剤と共に製剤化することで製造することもできる。
特に、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物を前記特定の質量比の範囲で含む本発明の医薬組成物は、各化合物を前記質量比の範囲で混合することで製造することができる。また、このような医薬組成物は、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物が含まれている公知の植物等を原料として、各種溶媒を用いた抽出、超臨界抽出、亜臨界抽出等の方法にて製造することも可能である。
本発明の医薬組成物は、例えば、アロエベラの葉皮を含まない葉肉(透明ゲル)部分を凍結乾燥又は熱風乾燥して調製した粉末アロエベラ葉肉を、超臨界抽出することによって製造することができる。
この場合、抽出溶媒としては、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物の抽出効率を向上させる観点からは、超臨界プロパン、超臨界エチレン、超臨界1,1,1,2−テトラフルオロエタン等を使用することも可能であるが、安全性を向上させる観点からは、炭酸ガスを使用することが好ましい。また、抽出温度としては、28℃〜120℃の温度範囲で適宜選択することも可能であるが、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物の抽出効率を向上させ、かつ緩下作用を有するアントラキノン系化合物(例えば、アロエエモジン)の抽出量を少なくする観点からは、50〜69℃の範囲が好ましく、50〜59℃の範囲がさらに好ましい。また、圧力としては、5.5〜60MPaの範囲で適宜選択することが可能であるが、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物の抽出効率を向上させ、かつアントラキノン系化合物の含有量を少なくする観点からは、15〜60MPaの範囲が好ましく、15〜24MPaの範囲がさらに好ましい。また、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物の抽出効率を向上させる観点からは、エタノール等のエントレーナーを使用することも可能であるが、アントラキノン系化合物の抽出量を少なくする観点からは、エントレーナーを使用しないことが好ましい。
本発明の医薬組成物は、単独で使用しても良いが、公知の前記疾患の予防、改善、治療剤と併用して使用することも可能である。併用することによって、前記疾患の予防、改善、治療効果を高めることができる。併用する前記疾患の予防、改善、治療剤は、本発明の医薬組成物の成分として含有させても良いし、本発明の医薬組成物と別に製剤化し、本発明の医薬組成物と組み合わせて配置し、使用時に併用するタイプのキットとしても良い。
本発明の医薬組成物は、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物からなる群から選択される化合物により、優れたプロスタグランジンE2産生抑制効果及び/又はアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)産生抑制効果を発揮する。
(本発明の飲食品組成物)
本発明の組成物を飲食品組成物として用いる形態(「本発明の飲食品組成物」という。)では、プロスタグランジンE2及び/又はアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)の活性に起因する症状の予防、改善のために用いることができる。
本発明の飲食品組成物は、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物から選ばれる化合物を、有効成分として含有する。該化合物は、1種でも、複数種でもよい。
本発明において、「飲食品組成物」には、人間が摂取する飲食品の他、人間以外の動物が摂取する飼料も含まれる。
本発明の飲食品組成物は、好ましくはシクロラノスタン化合物から選ばれる化合物、及びロフェノール化合物から選ばれる化合物の両者を組み合わせて含有する。シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物は、それぞれ1種でも、複数種でもよい。
この場合において、シクロラノスタン化合物とロフェノール化合物の質量比の範囲は、好ましくは以下の通りである。
シクロラノスタン化合物:ロフェノール化合物=5:1〜1:5
本発明の飲食品組成物におけるシクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物からなる群から選択される化合物の量は、飲食品の形態によって適宜設定されるが、総量で、好ましくは少なくとも0.0001質量%、より好ましくは少なくとも0.001質量%、さらに好ましくは少なくとも0.005質量、特に好ましくは少なくとも0.01質量%である。また本発明の飲食品組成物における当該量の上限は特に制限されないが、総量で、90質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下が例示される。
また、本発明の飲食品組成物における前記化合物の量は、飲食品の形態に応じて、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物からなる群から選択される化合物を、総量で、好ましくは0.001〜50mg/日、より好ましくは0.01〜10mg/日の範囲で摂取するのに適した量とすることもできる。従って、本発明の飲食品組成物の好ましい形態の一つは、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物から選ばれる化合物を、総量で、好ましくは0.001〜50mg/日、より好ましくは0.01〜10mg/日摂取するように用いられる飲食品組成物である。
本発明の飲食品組成物は、好ましくは、さらに乳化剤を含む。このような乳化剤としては、食用として利用できるものであれば特に制限されない。例えば、日本において、食品添加剤として認可されているような、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン類等を使用することが好ましい。
さらに乳化剤を含有する飲食品組成物は、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物の分散性が高いため、効果の安定性に優れる。
前記飲食品組成物は、好ましくは保健機能食品である。「保健機能食品」とは、疾患の予防効果、又は疾患の発生リスクの低減効果が、直接的又は間接的に表示された食品、及び事業者の責任で科学的根拠を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品を意味する。例えば、現在、日本において、特定保健用食品、機能性表示食品、健康補助食品等の態様で販売される食品が挙げられる。
また、保健機能食品の形態としては、顆粒状、タブレット状又は液状のサプリメントであることも、摂取者が有効成分の摂取量を把握し易いという点で好ましい。
また、このような保健機能食品には、「プロスタグランジンE2産生抑制のため」、「アグリカナーゼ1(ADAMTS−4)産生抑制のため」の用途の表示が付された形態とすることも好ましい。すなわち、本発明の飲食品組成物は、例えば、「プロスタグランジンE2産生抑制のため」、「アグリカナーゼ1(ADAMTS−4)産生抑制のため」、「変形性関節症の予防、改善のため」の用途が付された、化合物1及び化合物2からなる群から選択される化合物を有効成分として含有する、プロスタグランジンE2及び/又はアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)の活性により引き起こされる症状の予防又は改善のための飲食品組成物として販売することが好ましい。
前記「表示」は、需要者に対して前記用途を知らしめる機能を有する全ての表示を含む。すなわち、前記用途を想起・類推させうるような表示であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、すべて前記「表示」に該当する。
また、前記「表示が付された」とは、前記表示と、飲食品(製品)を関連付けて認識させようとする表示行為が存在していることをいう。
表示行為は、需要者が前記用途を直接的に認識できるものであることが好ましい。具体的には、本発明の飲食品組成物に係る商品又は商品の包装への前記用途の記載行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類(電磁的方法により提供されるものを含む)への前記用途の記載行為が例示できる。
一方、表示される内容(表示内容)としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示)であることが好ましい。
例えば、健康食品、機能性飲食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、医薬用部外品等の表示を例示することができる。特に、消費者庁によって認可される表示、例えば、特定保健用食品制度、これに類似する制度にて認可される表示を例示できる。後者の例としては、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク低減表示等を例示することができ、詳細にいえば、健康増進法施行規則(平成15年4月30日日本国厚生労働省令第86号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)、及びこれに類する表示が、典型的な例として列挙することが可能である。
前記用途を表す文言は、「プロスタグランジン産生抑制のため」、「アグリカナーゼ1(ADAMTS−4)産生抑制のため」、「変形性関節症の予防、改善のため」という文言に限られるものでなく、それ以外の文言であっても、プロスタグランジンE2及び/又はアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)により起こる症状を予防、改善する作用又は効果を表現する文言であれば、本発明の範囲に包含されることは言うまでもない。
また、本発明の飲食品組成物は、前記用途の表示に加え、前記有効成分の表示、さらには、前記用途と前記有効成分の関連性を示す表示を含むことも好ましい。
本発明の飲食品組成物の形態としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果汁飲料、乳酸菌飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調製用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の氷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、乳飲料、発酵乳、バター等の乳製品;惣菜;パン類;その他、経腸栄養食品、流動食、育児用ミルク、スポーツ飲料が挙げられる。
本発明の飲食品組成物は、シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物から選ばれる化合物を、有効成分として配合することで製造することができる。本発明の飲食品組成物は、例えば、前記化合物を、飲食品原料に混合して、加工することで製造することができる。
また、本発明の飲食品組成物は、前記化合物を含む公知の植物等を原料として、熱水や各種溶媒を用いた抽出、超臨界抽出、亜臨界抽出することにより得た抽出物を、飲食品原料と共に加工することで製造することもできる。抽出物を得る具体的な方法については、「本発明の医薬組成物」の項で例示したとおりである。
また、本発明の飲食品組成物の形態を、顆粒状、タブレット状又は液状のサプリメントとする場合には、有効成分である前記化合物を、例えば、ラクチュロース、マルチトール、及びラクチトール等の糖類、及びそれ以外の糖類、例えばデキストリン、デンプン等;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類等と共に、製剤化することも好ましい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[製造例1]
(シクロラノスタン化合物(化合物1)の製造)
γ−オリザノール(オリザ油化社製)8.0gに蒸留水250ml、水酸化ナトリウム50g、イソプロパノール150ml、エタノール150ml、メタノール150mlを加え、マントルヒーターを用いて2時間加熱還流を行った。反応後に、反応液を1300mlの水に添加し、生じた白色の析出物を吸引ろ過し、固形物を得た。残存するアルカリを洗浄するために、得られた残渣を1000mlの水の中に懸濁させた後、再び吸引ろ過を行った。この操作を2回繰り返し、最終的な残渣を凍結減圧乾燥させることによりオリザノール加水分解物5.91gを得た。当該加水分解物はHPLCにて精製を行い、2435mgのシクロアルテノール、及び1543mgの24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール(化合物1)を得た。
次に、得られたシクロアルテノールを用いて、9,19−シクロラノスタン−3−オール(化合物1)の合成を行った。
シクロアルテノールを302mg、イソプロパノールを150ml、及び粉末状の5%パラジウム担持炭素触媒1.0gを仕込み、これをオートクレーブ内で密閉して、窒素ガスで置換した後、水素ガス3kg/cm2の圧力をかけながら導入した。攪拌しながら加熱していき、50℃になったところで、水素の圧力を5kg/cm2とし、吸収された水素を補うことで圧力を保ちながら6時間反応させた。反応液について、ろ過により触媒を除去し、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム100%)により精製を行い、9,19−シクロラノスタン−3−オール275mgを得た。
[製造例2]
(ロフェノール化合物(化合物2)の製造)
アロエベラの葉肉(透明ゲル部分)100kgを、ホモジナイザーを用いて液状化し、ここに100Lの酢酸エチル/ブタノール(3:1)混合液を添加して攪拌した。一晩放置した後、酢酸エチル/ブタノール混合液と水層を分液して、酢酸エチル/ブタノール混合液を回収した。この酢酸エチル/ブタノール混合液を減圧下で濃縮した。回収された酢酸エチル/ブタノール混合液抽出物の質量は、13.5gであった。
シリカゲル60(メルク社製)を400g充填したカラムに、当該抽出物13gを1mlのクロロホルム/メタノール(1:1)混合液に溶解させた溶液を通液し、カラムに吸着させた後、クロロホルム/メタノール混合液(クロロホルム:メタノール=100:1、25:1、10:1、5:1及び1:1の各混合比)を使用して、メタノール濃度を段階的に上昇させるステップワイズグラジエント法により溶出し、前記混合液の混合比毎に溶出液を分画した。これらのフラクションのうち、クロロホルム:メタノール=25:1で溶出してきたフラクションに本発明のロフェノール化合物が存在することを、順相及び逆相薄層クロマトグラフィー(メルク社製、シリカゲル60F254及びRP−18F2543)にて確認した。
このフラクションの溶媒を除去した後、1mlのクロロホルム/メタノール(1:1)混合液に溶解し、シリカゲル60を100g充填したカラムに通液し、カラムに吸着させた後、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)混合液1100mlで溶出した。溶出フラクションを、順に300ml(フラクションA)、 300ml(フラクションB)、500ml(フラクションC)ずつ分取した。
本発明の化合物2であるロフェノール化合物が、フラクションAに濃縮されたことを、順相及び逆相薄層クロマトグラフィーにて確認し、さらに、コスモシールC18(ナカライテスク社製)を装着したHPLCを用いて、クロロホルム/ヘキサン(85:15)混合液にて分離し、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールを、それぞれ1.3mg、1.2mg、1mg得た。各々の化合物の構造は質量(MS)分析及びNMRにて確認した。
[実施例1]
(1)目的
実施例1は、1L−1βによるプロスタグランジンE2(PGE2)の産生量増加に対する、シクロラノスタン化合物又はロフェノール化合物を添加した場合のPGE2の産生量の変化に与える影響を検討した。
(2)試料の調製
実施例1では製造例1で製造したシクロラノスタン化合物(9,19−シクロラノスタン−3−オール;試験試料1)、及び製造例2で製造したロフェノール化合物(4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール;試験試料2)を用いた。なお、対照試料としてジメチルスルホキシド(DMSO)を用いた。
(3)試験方法
(a)HCH細胞培養及びHCH細胞が含まれるアルギン酸ビーズの作製
凍結されたヒト膝軟骨細胞(Human Chondrocytes; HCH)(Promocell社製、#C−12710)を解凍し、増殖培地(Promocell社製、#C−27101)にて37℃、CO濃度5%の条件にて増殖させ、4週間経過後のものを実施例1に用いた。1バイアル中の凍結HCH細胞の数は5×10cells程度であったが、4週間経過後の1バイアル中のHCH細胞の数は約1×10cells程度であった。
なお、HCH細胞数は、HCH細胞をトリパンブルー(gibco社製、Trypan Blue Stain(0.4%))にて染色し、血球計算版にて測定した。
アルギン酸三次元培養キット(PGリサーチ社製、#ABC−KIT)のプロトコールに従い、アルギン酸ビーズ1球中に約1×10cellsのHCH細胞が含まれるアルギン酸ビーズを作製した。
(b)培養上清の回収
48個のウェルを有する48ウェルプレートに、前記(a)にて作製したHCH細胞が含まれるアルギン酸ビーズを5球/増殖培地0.5ml/1ウェルとなるように添加して37℃、5%COの条件下で培養した。3日間培養後、基本培地(Promocell社製、#C−27111)0.5ml/1ウェルに培地交換を行い、無血清条件下にて馴化させた。1日間馴化後、培地を除去し、試験試料1(9,19−シクロラノスタン−3−オール)、試験試料2(4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール)をそれぞれDMSOに溶解し、試験試料1、2の最終濃度が2μg/ml及び0.2μg/ml、並びにDMSOの最終濃度が0.1%となるようにウェルに添加し、48時間培養した。試験試料1を使用した試験を試験群1とし、試験試料2を使用した試験を試験群2とした。
その後、基本培地にて1ng/μlに調製した1L−1β(PEPROTECH社製、#2001−00B)を5μl/1ウェル添加し、HCH細胞に炎症を惹起させた。1L−1βの最終濃度は0.1ng/μlであった。
1L−1β添加した後、18時間経過後に培養上清を回収した。
なお、コントロールとして対照試料(DMSO)を最終濃度が0.1%となるように添加して1L−1βを添加しないもの(対照群1)、対照試料(DMSO)を最終濃度が0.1%となるように添加し、さらに1L−1βを最終濃度が0.1ng/μlとなるように添加したもの(対照群2)の2種類を作製した。
(c)プロスタグランジンE2濃度の測定
回収した培養上清中のプロスタグランジンE2濃度は、PGE2 ELISA Kit(Enzo社製、ADI−900−001)を用いて測定した。
(4)試験結果
実施例1の結果を表1に示す。表1のPGE2濃度は、検出キットに基づくELISA法により測定された実測値である。また、表中のp値は、t検定による有意確率(##:p<0.01 vs 対照群1、:p<0.05 vs 対照群2)を示す。
Figure 2019178096
表1に示されるように、1L−1βを添加して炎症を惹起させた対照群2、試験群1、2では、1L−1βを添加しない対照群1と比べてPGE2濃度が増加した。
試験群1、2では、試料の最終濃度が2μg/ml及び0.2μg/mlのいずれにおいても、対照群2と比較してPGE2濃度が顕著に減少した。特に、試料の最終濃度が2μg/mlである場合はプロスタグランジンE2産生を有意に抑制していた。
以上より、9,19−シクロラノスタン−3−オール及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールはプロスタグランジンE2の産生を抑制する作用を有することが明らかとなった。
[実施例2]
(1)目的
実施例2は、1L−1βによるアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)遺伝子の発現量増加に対する、シクロラノスタン化合物又はロフェノール化合物を添加した場合のアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)の発現量の変化に与える影響を検討した。
(2)試料の調製
実施例2では、実施例1と同様、製造例1で製造したシクロラノスタン化合物(9,19−シクロラノスタン−3−オール;試験試料1)及び製造例2で製造したロフェノール化合物(4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール;試験試料2)を用いた。なお、対照試料としてジメチルスルホキシド(DMSO)を用いた。
(3)試験方法
(a)HCH細胞培養及びHCH細胞が含まれるアルギン酸ビーズの作製
前記実施例1と同様の方法により細胞培養及びHCH細胞が含まれるアルギン酸ビーズの作製を行った。
(b)遺伝子発現解析用の細胞の回収
12個のウェルを有する12ウェルプレートに、前記(a)にて作製したHCH細胞が含まれるアルギン酸ビーズを20球/増殖培地2ml/1ウェルとなるように添加して(n=3)、37℃、5%COの条件で培養した。3日間培養後、基本培地(Promocell社製、#C−27111)2ml/1ウェルに培地交換を行い、無血清条件下にて馴化させた。1日間の馴化後、培地を除去し、前記調製した試験試料1(9,19−シクロラノスタン−3−オール)、試験試料2(4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール)をそれぞれDMSOに溶解し、試験試料1、2の最終濃度が2μg/ml及び0.2μg/ml、並びにDMSOの最終濃度が0.1%となるようにウェルに添加し、48時間培養した。試験試料1を使用した試験を試験群1とし、試験試料2を使用した試験を試験群2とした。
その後、基本培地にて1ng/μlに調製したIL−1β(PEPROTECH社製、#2001−00B)を20μl/1ウェル添加し、HCH細胞に炎症を惹起させた。1L−1βの最終濃度は0.1ng/μlであった。
1L−1βを添加した後、4時間経過後に培養上清を除去した。さらに各ウェルにクエン酸ナトリウムを添加してアルギン酸を溶解させ、遠心分離(300g、10分間)を行い、細胞を回収した。
なお、コントロールとして対照試料(DMSO)を最終濃度が0.1%となるように添加して1L−1βを添加しないもの(対照群1)、対照試料(DMSO)を最終濃度が0.1%となるように添加し、さらに1L−1βを最終濃度が0.1ng/μlとなるように添加したもの(対照群2)の2種類を作製した。
(c)ADAMTS−4遺伝子の発現量の評価
前記回収した細胞からRNAを抽出、精製し、リアルタイムPCRにてADAMTS−4遺伝子の発現量を評価した。RNAの抽出は、TRIZOL Reagentキット(Thermo Fisher SCIENTIFIC社製、15596-018)を用いて行った。
PCRの反応液はSYBR Green Real−Time PCR Master Mixes(Thermo Fisher SCIENTIFIC社製、#A25742)を用いた。PCR装置は7500 Fast Real-Time PCR System(Applied Biosystems社製、型番4377354)を用いた。増幅条件は95℃にて3秒保持し、その後60℃にて30秒間保持するサイクルを1サイクルとし、これを40サイクル行った。
PCRのプライマーは以下のものを使用した。
<プライマーの配列>
ADAMTS−4遺伝子増幅用のプライマーは以下の配列を有するものを用いた。
ADAMTS−4(フォワード):GGTCAAGGTCCCATGTGCAAC
ADAMTS−4(リバース):GAATGCGGCCATCTTGTCATC
ハウスキーピンク遺伝子として以下の配列を有するものを用いた。
HPRT1(フォワード):GGCAGTATAATCCAAAGATGGTCAA
HPRT1(リバース):GTCAAGGGCATATCCTACAACAAAC
(4)試験結果
実施例2の結果を表2に示す。表2の「相対ADAMTS−4遺伝子発現量」とは、対照試料1のADAMTS−4遺伝子発現量を「1」とした場合の各試料のADAMTS−4遺伝子発現量を意味する。表2のp値は、t検定による有意確率(##:p<0.01 vs 対照群1、:p<0.05 vs 対照群2)を示す。
Figure 2019178096
表2に示されるように、1L−1βを添加して炎症を惹起させた対照群2、試験群1、2では、1L−1βを添加しない対照群1と比べてADAMTS−4遺伝子発現量が増加した。
一方、試験群1、2では、試料の最終濃度が2μg/ml及び0.2μg/mlのいずれにおいても、対照群2と比較してADAMTS−4遺伝子発現量が顕著に減少した。特に、試料の最終濃度が2μg/mlである場合はアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)遺伝子発現を有意に抑制していた。
以上より、9,19−シクロラノスタン−3−オール及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールはADAMTS−4遺伝子発現の抑制作用を有する、すなわちアグリカナーゼ1の産生抑制作用を有することが明らかとなった。
本発明は、プロスタグランジンE2産生抑制、及びアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)産生抑制、並びにプロスタグランンジンE2及びアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)の活性に起因する症状の予防、改善、治療に利用できる。

Claims (5)

  1. シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を有効成分とするプロスタグランジンE2産生抑制用組成物。
  2. シクロラノスタン化合物及びロフェノール化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を有効成分とするアグリカナーゼ1(ADAMTS−4)産生抑制用組成物。
  3. シクロラノスタン化合物が9,19−シクロラノスタン−3−オール及び24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オールからなる群から選択される1又は複数の化合物である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. ロフェノール化合物が4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールからなる群から選択される1又は複数の化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記組成物が医薬組成物又は飲食品組成物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
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