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JP2019148031A - 三次元形状成形体及びその製造方法 - Google Patents

三次元形状成形体及びその製造方法 Download PDF

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JP2019148031A
JP2019148031A JP2018033327A JP2018033327A JP2019148031A JP 2019148031 A JP2019148031 A JP 2019148031A JP 2018033327 A JP2018033327 A JP 2018033327A JP 2018033327 A JP2018033327 A JP 2018033327A JP 2019148031 A JP2019148031 A JP 2019148031A
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憲司 井前
Kenji Imae
憲司 井前
義彦 井前
Yoshihiko IMAE
義彦 井前
恭希 桝永
Yuki Masunaga
恭希 桝永
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IMAE KOGYO KK
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Abstract

【課題】 生産性の要求を満足できるように、5分未満で三次元形状を付与でき、且つ高温断熱用途に適用可能な断熱体を含む三次元形状成形体を製造することができる方法、及び当該方法により製造される三次元形状成形体を提供する。
【解決手段】 無機繊維群で構成される板状体から三次元形状の成形体を製造する方法であって、前記板状体の片面に、コロイダルシリカを塗布・塗工・噴霧又は含浸する工程;及び前記板状体の片面が凹部となるように加熱・加圧する工程を含む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、無機繊維群を三次元形状に成形した三次元形状成形体の製造方法及び当該方法により製造される三次元形状成形体に関する。
バイクや自動車のマニホールドをはじめ、高温下での触媒反応系となる構造体では、(高温での)反応効率を維持するために、当該構造体の断熱効率が重要である。また、排気ガスの排出口に近いマフラー近辺では、エンジン音やさらにはその共振音を吸音するための吸音材が取り付けられる。
一般に、かかる構造体の断熱は、耐熱性に優れたガラス繊維を主体としたマットやフェルト、あるいは可撓性を有するブランケット等の板状体からなる断熱材を、断熱を要する構造体に巻き付けることで行っている。自動車の排気システムの吸音に関しても、一般に耐熱性を要することから、耐熱性に優れた無機繊維を主体としたマットやフェルト、あるいは可撓性を有するブランケット等の板状体やシートを、吸音対象となる構造体に巻き付け装着することで対応している。
しかしながら、これらの巻き付け作業は手間がかかるため、近年、断熱体や吸音材の取付け作業性の向上、また保温効率や密着性をよくするために、取付け対象となる構造体の外形形状にあうように成形した成形体を用いることが、生産現場では望まれている。かかる要求に応じて、マット、ブランケット等の板状体を成形あるいは無機繊維群を直接成形する方法が提案されている。
特許4728506号公報(特許文献1)には、「ガラス繊維を所望の圧縮形状に圧縮するとともに軟化点より10〜100℃だけ低い温度に保持することによりガラス繊維同士の接触点を融着させた後、前記ガラス繊維を冷却することにより前記融着を固化させて前記圧縮形状を保持させるガラス繊維成形品の成形方法」が提案されている。
上記方法は、ガラス繊維の集合体(綿状又はフェルト状)を加熱加圧することで、ガラス繊維同士を融着させて、成形する方法である。
かかる融着成形は、使用するガラス繊維の種類、成形時の温度にもよるが、ガラス繊維の少なくとも表面が溶融する必要があることから、例えば、780℃で30分間(第1実施形態)、780〜810℃で15分間(第2実施形態)のように、ガラスが溶融できる高温で且つ融着時間として10分以上を要する。700℃以上の高温を15分以上も保持することは、生産現場において、高コストで且つ生産性の向上の支障となり、受容困難である。
特許5715538号公報(特許文献2)では、吸音材の製造方法として、「無機繊維を集合させるとともに、該無機繊維の一部繊維間に、糖類とポリイソシアネートとを含むバインダーを付着させるステップと、前記バインダーが付着した無機繊維を、前記糖類が前記ポリイソシアネートで架橋される架橋温度に加熱して、該架橋されたバインダーにより一部繊維間を結合するステップと、前記バインダーにより結合された無機繊維を、前記バインダーが炭化する温度に加熱して、前記バインダーの一部又は全部を炭化させるステップを含む無機繊維集合体の製造方法」が提案されている。
上記方法は、バインダーとして、糖類及びポリイソシアネートの組み合わせを使用し、バインダーの架橋により繊維同士を結合させて、付与した形状を保持している。
糖類の架橋反応による成形は、実施例では、230℃、1分間で実施している。1分という短時間は、生産現場で求められている要求に十分応え得るものであり、加熱温度の点からも、高コスト化を招かずに済むという利点がある。しかしながら、バインダーとして有機物を使用していることから、250℃以上の高温反応系の断熱材として用いると、バインダーが徐々に焼失し始め、600℃以上ではバインダーが焼失してしまう。
250℃以上の高温反応系の断熱材として用いることができる、ガラス繊維の熱成形方法として、米国特許7896943号(特許文献3)に、Al2を含んだシリカ系ガラス繊維の集合体(バインダーレス)を、型枠にセットし、華氏400度(204.4℃)〜華氏1300度(704.4℃)で6分間成形して、繊維を加熱硬化させ、円錐状成形体を製造する方法が提案されている。ここで用いられているAl2を含んだシリカ系ガラス繊維は、華氏2000度(約1000℃)までの耐熱性を有し、バインダーレスであることから、高温断熱用途に適用可能な成形体を提供できる。一方、加熱時間については、加熱温度にもよるが、1112F(600℃)で1分間、700F(371℃)で3分間では、所望形状を保持した成形体は得られなかったことが開示されている(表1)。
特許4728506号公報 特許5715538号公報 米国特許7896943号公報
以上のように、有機バインダーを使用して、ガラス繊維集合体を成形する方法によれば、1分間という短時間での成形が可能であるが、得られる成形体の耐熱性は有機バインダーに依存するため、600℃以上の断熱用途には適用できない。
一方、バインダーレスの方法、例えば、ガラス繊維同士の融着を利用した融着成形の方法は成形に時間がかかり、生産性の点で満足できない。
特許文献3で提案しているような、特殊なガラス繊維を使用した熱成形の方法によれば、ガラス繊維本来の高温耐熱性を損なうことなく、成形時間の短縮を図ることが可能となったが、5分間以下での成形は達成できていない。
しかしながら、生産現場においては、生産性の観点から、成形時間は5分未満にとどめることが望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生産性の要求を満足できるように、5分未満で三次元形状を付与でき、且つ高温断熱用途に適用可能な断熱体を含む三次元形状成形体を製造することができる方法、及び当該方法により製造される三次元形状成形体を提供することにある。
本発明の無機繊維群の三次元形状成形体の製造方法は、無機繊維群で構成される板状体から三次元形状の成形体を製造する方法であって、前記板状体の片面に、コロイダルシリカを塗布・塗工・噴霧又は含浸する工程;及び前記板状体の片面が凹部となるように加熱・加圧する工程を含む。
前記コロイダルシリカは、平均粒子径1〜120nmのコロイド粒子として、水系分散媒中に分散している懸濁液であることが好ましい。この場合、平均粒子径4〜18nmの略球状コロイド粒子が、水系分散媒中に分散している懸濁液であってもよいし、平均粒子径4〜18nmの略球状コロイド粒子が、鎖状又は分岐状に凝集した粒子として、水系分散媒中に分散していてもよい。
前記無機繊維は、ヒドロキシル基を有するシリカ系無機繊維であることが好ましい。
前記加圧の圧力は、前記板状体の厚みが、加圧前後で厚みが5%以上で50%未満減少する圧力で、前記片面をプレスすることにより行われることが好ましく、また前記加熱の温度は、100〜500℃であることが好ましい。
かかる条件で、前記加熱・加圧工程は、加熱・加圧時間が5分未満とすることが可能である。
前記板状体としては、無機繊維群をニードルパンチしたマットが好適に用いられる。
本発明は、上記製造方法で作成される三次元形状成形体も包含する。
よって、本発明の三次元形状成形体は、無機繊維が絡み合って三次元形状に成形されている成形体であって、前記三次元形状の凹側面の少なくとも一部に、シリカ硬化物が侵入していて、且つ凸側表面にはシリカ硬化物が存在していない三次元形状成形体である。
上記三次元形状としては、取付け箇所の形状に適合する凹部を有する形状が好適に採用され得る。
本発明の製造方法によれば、ガラス軟化点、溶融点よりも低い温度で且つ短時間で、取付け部位に適した三次元形状の成形体を製造することができる。そして、製造された三次元形状の成形体は、作業現場において取り付けるだけでよいので、作業性に優れ、生産性の向上に役立つ。また、本発明の三次元形状成形体は有機系バインダーを用いていないので、構成材料である無機繊維本来の耐熱性に基づく優れた耐熱性を有し、断熱材や高温部の吸音材や緩衝材としても好適に用いることができる。
成形材料として用いる、無機繊維群で構成された板状体の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態の製造方法を説明するための構成模式図である。 本発明の一実施形態の製造方法で製造された三次元形状成形体の構成を示す断面模式図である。 実施例で採用した評価方法を説明するための構成模式図である。 本実施例で製造したトレイ型成形体No.1の凹部表面から撮像した顕微鏡写真(倍率:500倍)である。 参考例2として製造したトレイ型成形体の凹部表面から撮像した顕微鏡写真(倍率500倍)である。
〔三次元形状成形体の製造方法〕
無機繊維群で構成される板状体から三次元形状の成形体を製造する方法であって、
前記板状体の片面に、コロイダルシリカを塗布・塗工・噴霧又は含浸する工程;及び
前記板状体の片面が凹部となるように加熱・加圧する工程
を含む。
<無機繊維群で構成される板状体>
はじめに成形材料として用いる板状体について説明する。
成形材料として用いられる板状体は、無機繊維群の板状体である。具体的には、長繊維又は短繊維の集合体を板状に成形したもので、不織布、マット、フェルトなどが挙げられる。これらのうち、ニードルパンチにより繊維を絡ませて、所定厚みの板状体を安定化させたマット(ニードルマット)が好ましく用いられる。
板状体を構成する無機繊維は、1種類に限定されず、2種類以上の無機繊維の組み合わせであってもよい。
板状体の構成繊維に用いられる無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維などを用いることができ、用途に応じて適宜選択できる。
これらのうち、耐熱性に優れ、また加圧成形によるスプリングバック(弾性復帰)が少ないという点で、ガラス繊維、セラミック繊維が好ましく用いられる。
特に、ヒドロキシル基を有するシリカ繊維、好ましくは、0.1〜20%Al、80〜99.9%SiOを含有するシリカ繊維が好ましい。かかるシリカ繊維は、バインダーとして使用するコロイダルシリカとの親和性の点からも優れている。
上記ヒドロキシル基を有するシリカ系無機繊維とは、熱成形可能なガラス繊維で、SiOを81重量%以上有し、SiO−のネットワークの一部にSi(OH)が存在しているものである。かかるヒドロキシル基は、出発ガラス物質からフィラメント又はステープルファイバーを製造する過程において、出発ガラス物質中に含まれていた金属又は金属酸化物イオン(例えばAl3+、TiO2+またはTi4+、およびZrO2+またはZr4+)のプロトン置換により、残ったものと考えられる。シリカ繊維に含まれるヒドロキシル基は、600〜800℃程度で、下記(1)式のように縮合反応して、新たなシロキサン結合(Si−O−Si結合)を形成するとともに、HOを放出することができる。
このようなヒドロキシル基を有するシリカ系無機繊維の組成の具体例としては、AlO1.5・18〔(SiO0.6(SiO1.5OH)0.4〕で表される組成が挙げられる。市販のものを用いてもよく、例えば、belChem Fiber Materials GmbH社のBELCOTEX(登録商標)などを用いることができる。
BELCOTEX(登録商標)繊維は、一般にアルミナによって変性されたケイ酸から作成され、標準タイプのステープル繊維プレヤーンでは、約550テックスの平均繊度を有する。BELCOTEX(登録商標)繊維は、アモルファスであり、一般的には、約94.5質量パーセントのシリカ、約4.5質量パーセントのアルミナ、0.5質量パーセント未満の酸化物、および0.5質量パーセント未満の他の成分を含有する。平均径約9μmで径のばらつきは少なく、融点1500℃〜1550℃で、1100℃までの耐熱性がある。
BELCOTEX以外のヒドロキシル基を有するシリカ繊維、ヒドロキシル基を有しないシリカ繊維、他の無機繊維など、使用目的、使用部位に応じて、適宜選択して用いることができる。
無機繊維の繊維径は、径6〜13μm、好ましくは7〜10μm程度である。無機繊維の長さは、板状体の種類(フェルト、不織布、ブランケット、シートなど)にもよるが、一般に、長さ1〜50mm、好ましくは3〜30mmのステープルファイバー、または30〜200mm程度、好ましくは50〜150mm程度のフィラメントが用いられる。フィラメント、ステープルファイバーのいずれにおいても、労働安全衛生法施行令の安全基準をクリアし、特定化学物質障害予防規則による規制の対象とはならないように、ショットを実質的に含んでいないことが好ましい。
板状体がニードルマットの場合、ニードルパンチによるマット形成性の点から、繊維長さは、30〜130mmであることが好ましく、より好ましくは45〜100mmである。
成形に供する板状体としては、厚み3〜25mm程度、好ましくは3〜12mm、より好ましくは4〜10mmである。本発明の製造方法では、加圧成形を行うことから、薄すぎる板状体は、最終的に得られる成形体がうすくなりすぎて、所望の断熱性能を確保できないおそれがあり、また十分な強度が得られにくくなる。一方、分厚すぎると、成形時間が長くなり、また、バインダー量との関係から、成形体の形状保持が困難となる傾向がある。
また、成形体に供する板状体の密度は、80kg/m〜180kg/m、より好ましくは90kg/m〜160kg/mである。
密度が高くなりすぎると、加圧成形が困難となる。一方、密度が低くなりすぎると、成形後の形状保持性が低下し、最終成形体としての強度が不十分となる。また、断熱性も低下する傾向にある。
<コロイダルシリカ>
本発明の製造方法で使用するコロイダルシリカとは、水和によって表面にOH基を有する二酸化ケイ素(SiO)の凝集塊がコロイド粒子となって、分散媒中に分散している懸濁液をいう。
分散媒は、水、有機溶媒(例えば、イソプロパノール等の低級アルコール、酢酸エチルなどのエステル類;エチレングリコールモノプロエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、シクロヘキサノンなどのシクロアルカン、トルエンなどの芳香族化合物など)、水と低級アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)の混合液などを用いることが可能であるが、作業環境の点から、水、水と低級アルコールの混合液といった水系分散媒が好ましく用いられる。
前記コロイド粒子は、二酸化ケイ素がシロキサン結合(Si―O―Si−)を形成して高分子化したものであり、粒子表面にSiOH基及びOH-イオンが存在することで、アルカリイオンにより電気二重層が形成され、粒子間の反発により安定化されている。
このような分散質としてのコロイド粒子は、加熱により分散媒が蒸発し、粒子表面に存在していたSiOH基が新たなシロキサン結合を形成することで、コロイド粒子同士が一体化(コロイド粒子表面の融着)し、バインダーとしての機能を発揮できる。
コロイダルシリカにおける二酸化ケイ素の含有率、即ち懸濁液中の固形分率は、5〜60質量%程度、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%程度である。
二酸化ケイ素の含有率、すなわち固形分率が低くなりすぎると、成形体の形状保持に必要な二酸化ケイ素量を確保するための塗布量が増大することになる。このことは、加熱成形時の分散媒である水の蒸発に要するエネルギー量、ひいては加熱時間を長くする必要があり、生産性向上の点から不利だからである。また、板状体への塗工量が不十分な場合、最終的に得られる成形体の強度が不十分となるからである。
一方、二酸化ケイ素の含有率(固形分率)が高くなりすぎると、成形後に成形体表面に残存する二酸化ケイ素粉末が増大する傾向にある。成形体表面に残存した二酸化ケイ素粉末は、粉塵の原因となり、取扱い作業性低下の原因となる。また、成形前の懸濁液又は分散液の状態として、分散質であるコロイド粒子の安定性が低下して、ゲル化しやすくなる。また、板状体への適用方法として、噴霧法の適用が困難となるために、塗布法、塗工法を適用することになるが、この場合も塗工作業性が低下し、また、板状体内部にまで二酸化ケイ素が含浸されにくくなり、結果として、成形体形状を保持するというバインダー機能を十分に発揮できないおそれがある。
懸濁液中のコロイド粒子のサイズ(平均粒子径)は、特に限定しないが、1〜200nmであり、好ましくは2〜100nm、より好ましくは3〜50nm、さらに好ましくは4〜25nm、特に好ましくは4〜18nmである。粒子径が大きくなると、含有率が同じ場合に相対的に粒子数が減少するためか、得られる成形体の強度が低下する傾向にある。また、成形体としての形状保持性も低下する傾向にある。
ここでいう平均粒子径は、コロイド粒子としての平均一次粒子径をいい、動的光散乱法やシアーズ法、BET法、レーザー回折散乱法等により、球相当径として求めることができる。測定方法は、コロイダルシリカの大きさにより適宜選定すればよい。たとえば数十nm以下の微小な粒子はBET法またはレーザー回折散乱法を用いることが好ましい。動的光散乱法による粒子径の測定は、市販の粒度分布測定装置を使用して行なうことができる。シアーズ法とは、Analytical Chemistry,vol.28,P.1981―1983,1956に記載された方法であって、コロイダルシリカの平均粒子径の測定に適用される分析手法である。
懸濁液中のコロイド粒子は、球状粒子が個々に分散している状態だけでなく、微小粒子が凝集した凝集体として存在している場合であってもよい。凝集の態様としては、例えば、微小粒子が伸長して鎖状の状態、数珠状に会合した状態となっていてもよい。
ここで、鎖状、数珠状の凝集体の場合、微小シリカ粒子が伸長方向に会合して細長い鎖状の二次粒子を形成している場合であってもよいし、会合粒子一部のシラノール基同士が縮合結合して伸長した二次粒子であってもよい。また、細長く伸長した形状において、直線状に限らず、分岐状、部分的網目状であってもよい。
鎖状、糸状や数珠状に粒子の場合、平均粒子径は、球として仮定した場合の粒子径(二次粒子径)が上記範囲内の場合が含まれる。このような二次粒子径は、動的光散乱法で測定できる。尚、二次粒子を構成するコロイド一次粒子(球状粒子)としての平均粒子径は、4〜18nmであることが好ましい。
コロイド粒子が凝集又は会合している場合、硬質塗膜が形成されやすく、付与した三次元形状の保持の点からも優れる傾向にある。一方、平均粒子径が増大、あるいは鎖状、数珠状に会合、凝集している場合、鎖状や数珠状の凝集粒子の一部が板状体の内部にまで含浸されずに表層に残存しやすいためか、成形体表面に残存する割合が高くなる傾向にあり、三次元形状成形体表面に粉末化して残存する量が増大する傾向にある。成形体表面の残存粉末量の増大は、粉塵の原因となることから、取扱い・作業性の観点からは、粒径が小さく、個々に球状粒子が分散している懸濁液(コロイダルシリカ)が好ましい。
また、分散質としてのコロイド粒子が大きくなりすぎると、無機繊維群で構成される板状体内部にまで含浸されにくくなるためか、結果として形状保持に必要なバインダーとしての機能が低下する傾向にある。かかる観点からコロイダルシリカの平均粒子径(一次粒子径)は、小さい方が好ましい。
コロイド粒子の安定性は、一般にpHの影響を受けやすい。ゲル化防止の点から、アルカリ性、具体的にはNaイオンで安定化されていることが好ましい。
懸濁液は、通常コロイド粒子が陰イオンに帯電していることから、当該コロイド粒子の安定化のためにカチオンとなる金属イオンが含有されている。懸濁液の液性(pH)は、コロイド粒子の安定化と関係するが、通常、Naイオンで安定化された場合は、アルカリ性(pH8〜11)である。しかしながら、安定化のための強アルカリイオン量を低減して中性〜酸性(pH4〜7)程度であってよい。
懸濁液の20℃における比重は、通常、シリカ含有率に依存し、シリカ含有率が上記範囲の場合、1.10〜1.40程度であり、好ましくは1.12〜1.25程度である。
さらに、25℃における粘度は、300mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは100mPa・s以下である。
一般に、高粘度になると、ゲル化しやすくなり、また板状体への適用方法として、後述するように、噴霧方法を適用することが困難となる。作業性、生産性の点から80mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは60mPa・s以下である。
なお、本発明で使用するコロイダルシリカ、すなわち二酸化ケイ素のコロイド状懸濁液には、コロイダルシリカの製造方法に由来して、シリカゾル中に、若干量(500〜300ppm程度)のカルシウム、マグネシウム、Sr、Ba、Zn、Pb、Cu、Fe、Ni、Co、Mn等の2価の金属、Al、Fe。Cr、Ti、Y等の3価の金属などが含まれていてもよい。
<成形方法>
本発明の無機繊維群の三次元形状成形体の製造方法は、
無機繊維群で構成される板状体から三次元形状の成形体を製造する方法であって、
前記板状体の片面に、コロイダルシリカを塗布・塗工・噴霧又は含浸する工程;及び
前記板状体の片面が凹部となるように加熱・加圧する工程
を含む。
以下、各工程について説明する。
成形により形成される成形体の形状としては、トレイ状、半球状、パイプ状、断面半円形状、裁頭型円錐状などが挙げられるが、これらの以外の形状であってもよい。
(1)コロイダルシリカの適用工程
上記適用工程は、繊維の集合体(繊維群)で構成される板状体の片面に、コロイダルシリカとしての二酸化ケイ素の懸濁液を塗布、塗工、噴霧、又は片面接触させるにより行う工程である。これらのいずれを採用するかは、使用するコロイダルシリカの懸濁液の粘度、固形分率に応じて、適宜選択できる。
塗布、塗工は、はけ塗り、ドクターブレード、グラビアコーター等のロールコーター法;スキージを用いるスクリーン印刷;エアスプレーガン、エアレスハンドスプレー、圧送式自動エアースプレー等を用いるスプレー塗布;片面のみコロイダルシリカ懸濁液と接触させる接触法などにより行うことができる。
これらのうち、作業性、生産性の点から、スプレー方式で行うことが好ましい。例えば、図1に示すように、無機繊維2の集合体(無機繊維群)で構成される板状体1の片面上から、コロイダルシリカ(懸濁液)3をスプレーする方法が挙げられる。
懸濁液の二酸化ケイ素含有量(固形分率)が10〜50質量%程度の場合、あるいは粘度が300mPa・s以下の場合には、噴霧法が作業効率の点から有利である。
コロイダルシリカの塗布量は、使用する懸濁液の固形分率に応じて適宜選択される。従って、塗布量は、板状体の面積あたり固形分量として、100〜600g/m程度であり、好ましくは100〜400g/m、より好ましくは100〜300g/m程度である。
塗布量(固形分量)が多くなりすぎると、成形体内部にコロイダルシリカが含浸されにくくなるため、成形体の一面(適用面)にシリカ膜が形成されやすくなる。硬質なシリカ膜は無機繊維の集合体に比べて可撓性・クッション性に劣るため、取付け作業性に劣る傾向にある。また、板状体内部に含浸されやすい微小粒径のコロイダルシリカを用いた場合であっても、塗工量が多くなりすぎると、板状体表面に残存するシリカ量が増大し、結果として、成形体表面にシリカ粉末が残存しやすくなる。かかるシリカ粉末は粉塵の原因となるため、取扱い性、作業性低下の要因となる。
一方、濃度(固形分含有率)が低くなりすぎると、所定の塗工量を達成するための懸濁液量が増大するために、乾燥に時間がかかり、加熱硬化時間が長くなり、生産性の低下の原因となる。生産性の観点から塗工量を減らすと、バインダーとして機能すべきシリカ量が減少することになるので、三次元形状保持が困難となる。
(2)加熱・加圧工程
コロイダルシリカが適用された板状体の加熱・加圧は、通常、所定温度に加熱された金型にセットして行う。この際、コロイダルシリカが適用された面1aが、目的の三次元形状において凹側面となるようにセットする。
例えば、図2に示すように、雌型11と雄型12の一対の金型を用いる場合、雄型12の凸面とコロイダルシリカ適用面1aが対向するようにセットする。
加熱固化により形成されるシリカ硬化物は、無機繊維群に比べて伸縮性・可撓性に乏しい。トレイ、半球状、パイプ状といった三次元形状成形体は、いずれも、外周側の面が、成形による伸び率が大きくなることから、形状によっては、伸び率に追随できず、表層に形成されたシリカ硬化物層にひび割れが生じる場合がある。
板状体が原反ロールからの所定裁断物の場合、帯状体の長手方向に対応する方向(例えば板状体の縦方向)と帯状体の幅方向(例えば、板状体の横方向)とで、伸び率が異なる場合がある。かかる場合、金型へのセットは、成形体の形状との関係で伸び率が大きい側を帯状体の長手方向に対応する側にセットすることが好ましい。
板状体に対する三次元形状付与は、図2に示すように、雄型に該当するプレスを用いるプレス成形法が一般的に行われる。しかしながら、板状体を雌型と熱盤の間にクランプし、型側から空気を吹き込んでシートを熱盤に接触させ、軟化させ、次にこの空気の吹込みを止め、熱盤の方から圧縮空気を吹き込み、雌型の成形面に押し付ける熱成形法(圧空成形)、シートを型の上方に懸垂した枠にクランプし、加熱軟化させ、続いてシートと型の間を真空にしてシートを型に密着させ、そのまま冷却して立体的な形に成形する真空成形法などを利用することもできる。
いずれの方法であっても、凹凸ある三次元形状において、伸縮度が小さくて済む、成形体の凹部(金型の凸面)がコロイダルシリカ塗布面となるように、加圧する。
加圧力は、板状体の厚み減少率、すなわち初期の板状体の厚みT1(図1参照)に対する最終成形体の厚みT2(図3参照)とした場合の厚み減少量(T1−T2)が50%未満、好ましくは5〜45%程度となる圧力、より好ましくは10〜40%程度となる圧力である。
厚み減少率が大きいということは、板状体の圧縮率が大きくなることを意味する。圧縮率が大きくなりすぎると、板状体を構成している無機繊維の弾性回復が生じやすくなり、結果として成形体の形状保持性が低下することになる。また、断熱性の観点からは、分厚い方が断熱性に優れる傾向にある。
一方、厚み減少率が低すぎる場合、すなわち圧縮率が小さすぎると、コロイダルシリカの板状体内部への含浸深さとの関係から、繊維が固定化される割合が低くなり、結果として形状保持性が不十分となる傾向にある。
加熱温度は、100〜500℃、好ましくは150〜500℃、より好ましくは150〜400℃である。
加熱温度は、コロイダルシリカ(二酸化ケイ素の懸濁液)に含まれる分散媒(通常、水)を短時間で蒸発させるのに必要十分な温度であり、加熱時間との関係で適宜選択すればよい。高温にすることにより加熱時間を短縮できる。600℃以上の高温を選択した場合、コロイダルシリカの水酸基が反応してシロキサン結合を形成できる。しかしながら、成形現場における生産コストの点からは、生産性の低下を招来することのない範囲で、加熱温度は低い方が好ましい。一方、不織布やニードルマットのように、板状体の作製に有機系バインダーが用いられている場合には、有機系バインダーが焼失する温度以上に加熱することが好ましい。かかる有機系バインダーが残存すると、例えば断熱材のように高温用途で使用する成形体において、有機バインダーの劣化等により成形体が焦げ色に着色するおそれがある。一方、板状体の構成繊維としてヒドロキシル基を有するシリカ繊維を用いた場合、500℃以上に加熱すると、繊維が硬質化して、取扱い作業者の皮膚表面に物理的な刺激を与え、痒み等を感じるようになり、作業性、取扱い性低下の原因となる。以上の観点から、加熱温度は、上記範囲とすることが好ましい。
加圧・加熱時間は、使用するコロイダルシリカの種類(コロイド粒子の平均粒子径、形状)、懸濁液のシリカ含有率、塗布量、懸濁液の粘度などに依存する。
本発明で使用するコロイダルシリカの懸濁液を、上記条件で用いることにより、5分以内で加熱硬化させることが可能であり、さらに3分以内、1分とすることもできる。加熱硬化が不十分な場合、繊維の弾性復元力により、加圧成形された形状を保持できない。一方、生産性の観点から、5分以上の加熱・加圧は好ましくない。
<無機繊維群の三次元形状成形体>
本発明の三次元形状成形体は、上記本発明の製造方法により製造される。したがって、具体的には以下の構成を有する。
板状体を構成する無機繊維が絡み合って三次元形状に成形されている成形体であって、具体的形状としては、トレイ状、半球状、パイプ状、断面半円形状、裁頭型円錐状などが挙げられる。かかる三次元形状において、凹側面または内周側面の少なくとも一部が、コロイダルシリカの硬化物、すなわちシロキサン結合で融着した二酸化ケイ素により繊維同士が融着されている。
前記二酸化ケイ素同士が架橋を形成していてもよい。またコロイダルシリカ中の水酸基同士が架橋反応してシロキサン結合を形成していてもよい。さらに、コロイダルシリカ粒子の一部がシリカ系無機繊維の一部と結合を形成していてもよい。かかる場合、シリカ粒子が安定的に成形体内部に保持されることになり、粉塵・作業性低下の原因となるシリカ粉末の減少に寄与できる。
前記成形体の厚みは、成形材料として用いた繊維の板状体の初期厚みにもよるが、通常、3〜15mmであることが好ましく、より好ましくは4〜8mmである。構成繊維が長いと繊維の弾性復帰により、付与した形状が再び元の形状に戻ろうとする傾向が大きくなる。一方、繊維長が短い場合、三次元形状の保持性は優れるが、三次元形状成形体の使用目的である吸音材、断熱材として、吸音性、断熱性が不十分となる。
また、成形体の密度は100〜300kg/mであることが好ましく、より好ましくは130〜270kg/mである。密度が低いということは、成形体における繊維密度が低いことを意味し、断熱性能の低下の原因となりやすい。一方、成形体の密度を高くするということは、繊維の圧縮率を過大にすることを意味し、300kg/mを超えると繊維の弾性復帰が起きやすく、ひいては成形体の三次元形状の保持性が低下する。
以上のような構成を有する三次元形状成形体は、成形体の厚み、密度、構成材料としての繊維の種類にもよるが、繊維群の絡み合いにより形成される空隙が振動低減、断熱効果を発揮できるため、吸音材、断熱材、緩衝材として利用することができる。
特に、構成繊維として、水酸基を有するシリカ系繊維を用いた場合、600℃以上の高温で架橋反応することにより生成される水が蒸発熱として熱エネルギーを消耗することにより、優れた断熱効果を発揮し得る。具体的には、600℃以上、1000℃程度の断熱性を有する。成形体の構成繊維として、このようなヒドロキシル基を有するシリカ系繊維の三次元形状成形体の場合、シリカ系繊維及びバインダーとして使用したシリカに基づき、600℃以上、さらには800℃〜1000℃程度の耐熱性を有するので、自動車の排気部、特にマニホールド付近に取り付ける吸音・断熱材として使用することもできる。このような断熱材の利用は、エンジン停止時の温度低下を抑制し、高温の触媒反応の反応効率、ひいてはエンジン効率を向上させることができる。また、従来は、断熱シートを巻き付け装着していたが、取付け部の形状に沿った凹部を有する三次元形状に成形することで、取付け作業性の向上にもつながる。
〔三次元形状成形体の製造〕
(1)使用した材料
(1−1)ニードルマット
Frenzelit社のテクニカルニードルマット(isoTHERM(登録商標)BCT)を用いた。
このニードルマットは、belChem社のbelCotex(登録商標)110(組成はAlO1.5・18〔(SiO20.6(SiO1.5OH)0.4〕、繊維径9μmの繊維群をニードルパンチ法でマット状にしたもので、マットの厚みは公称6mmである。
(1−2)コロイダルシリカ
表1に示すような平均粒子径及び形状を有するコロイダルシリカ(いずれも日産化学工業株式会社のNaタイプのスノーテックス(登録商標)を用いた。いずれもナトリウムイオンで分散液を安定化させた懸濁液である。
鎖状コロイダルシリカとは、一次粒子径9〜15nmのシリカ粒子が糸状に凝集したものである。数珠状のコロイダルシリカとは、一次粒子径18〜25nmのシリカ粒子が数珠状に凝集したものである。表中に示すこれらの平均粒子径は、動的光散乱法で測定される二次コロイド粒子の平均粒子径である。
(2)三次元形状成形体No.1〜7製造
縦×横×厚みが300mm×300mm×6mmのニードルマットの片面に、コロイダルシリカを噴霧した。噴霧量は、懸濁液として666g/m(固形分量で133〜320g/m)である。
次いで、図2に示すように、300℃にセットされた凹型金型上に、コロイダルシリカが付着した側を、型枠の上面側となるようにセットし、上面側に取り付けた300℃にセットした熱プレス12で、300℃、元の厚み(T1)100%としたときの厚み減少率35%にまで(加圧後の厚み(T2)が65%となる圧縮率に該当)プレスした状態で、1分間保持した後、凸型(熱プレス)を解除して、図3に示すようなトレイを作成した。成形直後の三次元形状成形体4の側壁間距離(d1)は150mm、側壁の水平面に対する傾斜角度α=70度であった。
作成したトレイについて、形状保持性及び取扱い性を後述する方法で評価した。結果を併せて表1に示す。
(3)参考例1、2
コロイダルシリカを使用せず、板状体単独を、300℃で、加圧後の厚みが65%(厚み減少率35%)となる圧力で、1分間(参考例1)又は5分間(参考例2)で保持し、図3に示すトレイ型成形体を作製した。
作成したトレイについて、形状保持性及び取扱い性を評価した。結果を併せて表1に示す。
〔評価方法及び評価結果〕
<形状保持性>
作成したトレイ型の成形体を、図4に示すように、底面を固定した状態で、成形体4の側壁に、荷重(w)をかけたガイドローラを当て、荷重(W)の大きさにしたがって側壁を傾斜させた(図4中、側壁が傾斜した成形体4’で示されている)。荷重に対応するベアリングローラ(直径32mm、成形体底面からの高さ34mm)の移動量(x)を測定し、移動量xを、荷重に基づく変位量x(単位:mm)として、以下の基準で評価した。なお、測定は3個の成形体について行い、その平均値に基づき、評価した。
10gあたりの変位量が1mm未満:最良(◎)
10gあたりの変位量が1mm〜2mm未満:良好(○)
10gあたりの変異量が2mm〜5mm:問題なし(△)
10gあたりの変異量が3mm超:不良(×)
<取扱い性>
成形体のバインダー塗工側の面を目視で観察し、粉塵原因となる粉末の発生具合を目視で観察した。また、成形体のバインダー塗工側の面を手で触り、手に粉末が付着する度合いを観察した。
粉末の発生が多く、手でさわったときに粉末が目立つ程度に付着している場合を「△」、粉末の発生が認められたものの、手でさわったときに手に付着する粉末量は問題となる程度の量でない場合を「○」、粉末が全く認められない場合を「◎」とした。
No.1,2、5の比較からわかるように、コロイダル粒子の平均粒子径が大きくなるにしたがい、形状保持性が低下した。
また、鎖状に凝集したコロイド粒子の場合、球状の粒子が単独で分散したコロイダルシリカよりも形状保持性が高い傾向にあった(No.6)。しかしながら、凝集タイプのコロイダルシリカの場合、成形体表面に残存する粉末量が多くなり、手でさわっても粉末が手に付着し、取扱い性に劣っていた(No.6,7)。
なお、バインダーを使用しない場合、1分間の加熱・加圧では、トレイ形状に作成しても、当該形状を保持することが困難であった。加熱・加圧時間を5分間にした場合、トレイ形状を保持しているが、保持力はコロイダルシリカを用いた場合と比べて劣っていた。
得られた三次元形状成形体No.1及び参考例2について、凹部表面を顕微鏡観察(倍率:500倍)で観察し、撮像した。撮像した顕微鏡写真をそれぞれ図5、図6に示す。図6(参考例2)と比べて、図5(No.1)では、繊維がところどころで架橋していることが認められ、コロイダルシリカが繊維同士を結びつける役割をしていることが確認できた。さらに、図5で、コロイダルシリカの架橋がコロイダルシリカを適用した表層部分では密に観察できたが、内部では架橋がほとんど認められなかった。
(4)参考例3
コロイダルシリカに代えて、イソシアネート(大榮産業のブロックポリイソシアネート「Blonate」(登録商標))を使用し、固形分量でニードルマット重量に対し30%を板状体の片面に噴霧した後、No.1と同様の条件で加熱・加圧成形した。雄型の凸部表面に成形体表面が付着し、成形体の雄型からの離型が困難であった。雄型の凸部から成形体をはがしたところ、凸部表面に繊維の一部がこびりついていた。
本発明の三次元形状成形体の製造方法は、取付け箇所に適合する三次元形状を有する成形体を、5分未満という短時間で製造することができるので、成形体の製造現場、成形体のユーザ(成形体の取付け現場)の双方にとって、生産性の向上に役立つ。また、成形体の構成要素である無機繊維本来の耐熱性を保持しているので、高温保持の用途に用いる断熱材、吸音材、緩衝材などとしても有用である。
1 板状体
1a コロイダルシリカ適用面
2 無機繊維
3 コロイダルシリカ
4 三次元形状成形体
11 雌型
12 雄型


Claims (12)

  1. 無機繊維群で構成される板状体から三次元形状の成形体を製造する方法であって、
    前記板状体の片面に、コロイダルシリカを塗布・塗工・噴霧又は含浸する工程;及び
    前記板状体の片面が凹部となるように加熱・加圧する工程
    を含む、無機繊維群の三次元形状成形体の製造方法。
  2. 前記コロイダルシリカは、平均粒子径1〜120nmのコロイド粒子として、水系分散媒中に分散している懸濁液である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記コロイダルシリカは、平均粒子径4〜18nmの略球状コロイド粒子が、水系分散媒中に分散している懸濁液である請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記コロイダルシリカは、平均粒子径4〜18nmの略球状コロイド粒子が、鎖状又は分岐状に凝集した粒子として、水系分散媒中に分散している請求項2の製造方法。
  5. 前記無機繊維は、ヒドロキシル基を有するシリカ系無機繊維である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記加圧の圧力は、前記板状体の厚みが、加圧前後で厚みが5%以上で50%未満減少する圧力で、前記片面をプレスすることにより行われる請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記加熱の温度は、100〜500℃である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記加熱・加圧工程は、加熱・加圧時間が5分未満である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記板状体は、無機繊維群をニードルパンチしたマットである請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 無機繊維が絡み合って三次元形状に成形されている成形体であって、
    前記三次元形状の凹側面の少なくとも一部に、シリカ硬化物が侵入していて、且つ凸側表面にはシリカ硬化物が存在していない三次元形状成形体。
  11. 前記無機繊維は、繊維径6〜13μmのシリカ系無機繊維である請求項8に記載の三次元形状成形体。
  12. 前記三次元形状成形体は、取付け箇所の形状に適合する凹部を有する成形体である請求項8又は9に記載の三次元形状成形体。




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