JP2019038708A - 石英ガラスの成形型及び成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】底部及び側壁部を有し、石英ガラスを成形するための空間を有する成形型であって、前記成形型の底部及び側壁部は、外側から、それぞれC/Cコンポジットからなる第一層、カーボン製クッション材からなる第二層、及び黒鉛製成形断熱材からなる第三層を有し、前記第三層が前記石英ガラスを成形するための空間を形成する。底部及び側壁部を有し、石英ガラスを成形するための空間を有する上記成形型を用いて石英ガラスを成形する方法。
【選択図】図1
Description
石英ガラスの熱膨張係数:0.5×10-6/K
黒鉛(等方性黒鉛材)の熱膨張係数:5×10-6/K
室温:20℃、成形温度:1800℃
熱膨張差:130 ×(5×10-6 − 0.5×10-6)×(1800 - 20)=1mm
(1)成形型の応力緩和
液晶用大型基板の成形体が大型化し、液晶用大型基板の寸法は1000mmを超える大きさとなった。成形サイズの大型化に伴い、従来のクッション材による応力緩和方法では、熱膨張差を吸収出来なくなった。下記に例示するように、成型体の寸法が1000mmのとき、熱膨張差は8mmになる。この熱膨張差(8mm以上)によって(i)成型体の寸法精度が悪くなる、(ii)この熱膨張差を吸収するためクッション材の使用量が増大する、等の課題があった。
石英ガラスの熱膨張係数:0.5×10-6/K
黒鉛(等方性黒鉛材)の熱膨張係数:5×10-6/K
室温:20℃、成形温度:1800℃
熱膨張差:1000 ×(5×10-6 − 0.5×10-6)×(1800-20)=8mm
石英ガラスの熱膨張係数:0.5×10-6
成型断熱材の熱膨張係数:2.5×10-6
室温:20℃、成形温度:1800℃
熱膨張差:270 ×(2.5×10-6 − 0.5×10-6)×(1800-20)=1mm
一般的に、液晶用大型基板の成形型は黒鉛製部品同志を組立てて、長方形の成形型を製作する。液晶用大型基板の成形体の一辺の寸法が1000mmを超えると、石英ガラスと成形型の熱膨張差は、上述のように8mm以上になる。特許文献1に記載の構造を有する成形型において、成形型に取り付けたクッション材が成形途中で収縮すると、成形型の黒鉛製部品同士に隙間ができる。その隙間から溶融したガラスが洩れ出して成形型の黒鉛材に溶着し、成形型を破損するケースがある。
特許文献1に記載の構造を有する成形型に、変形自在のクッション材を設置すると、成形過程で溶融した石英ガラスの液圧を受けてクッション材がつぶれ、成形型を構成する側板が斜めになり、成形体の直角度が悪くなる。特許文献2に記載の構造の成形型の場合は、クッション材を成形型の内側に設置しており、溶融したガラスの液圧分布に沿ってクッション材がつぶれ、この作用により液晶用大型基板の成形体側面は斜めになり、成形体の上面と側面の直角度が悪化(86〜87°)する。成形過程では成形型の側壁部は底板の熱膨張と液圧を受けて外側に移動するが成形型の上枠により拘束され、成形型が維持される。冷却過程に移ると成形型の上枠の収縮が起こり、成形型の側壁部を内側にしぼり込む応力受けて成形型の壁部のクッション材が更に収縮する。この作用によって成形型は底板を支点として側壁部が傾く現象が観察される。また、成形型の内側に設置したクッション材には柔軟性があるため、成形過程のガラスの移動に伴い、クッション材自身の重なりと膨れにより“しわ”が発生し、成形後の成形体表面には凹凸が形成され、成形体の面精度が悪化する。これらの要因により、液晶用大型基板成形体外表面の不良幅が増加し、歩留が低下する。
[1]
底部及び側壁部を有し、石英ガラスを成形するための空間を有する成形型であって、
前記成形型の底部及び側壁部は、外側から、それぞれC/Cコンポジットからなる第一層、カーボン製クッション材からなる第二層、及び黒鉛製成形断熱材からなる第三層を有し、前記第三層が前記石英ガラスを成形するための空間を形成する、前記型。
[2]
前記C/Cコンポジットの熱膨張係数と石英ガラスの熱膨張係数との差が、0〜1.0×10-6/Kの範囲である、[1]に記載の型。
[3]
前記C/Cコンポジットの熱膨張係数と石英ガラスの熱膨張係数との差が、0〜0.5×10-6/Kの範囲である、[1]に記載の型。
[4]
前記黒鉛製成形断熱材は、密度が0.1〜0.5g/cm3の範囲である[1]〜[3]のいずれかに記載の型。
[5]
前記カーボン製クッション材は、カーボン繊維製フェルトである[1]〜[4]のいずれかに記載の型。
[6]
前記カーボン製クッション材は、かさ密度が0.07〜0.12g/cm3の範囲であり、厚みが1〜10mmの範囲である、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造型。
[7]
前記第三層の底部は、2以上の部材からなり、各部材の間に隙間を有する[1]〜[6]のいずれかに記載の製造型。
[8]
底部及び側壁部を有し、石英ガラスを成形するための空間を有する成形型を用いて石英ガラスを成形する方法であって、前記成形型は、[1]〜[7]のいずれかに記載の成形型である、前記方法。
[9]
石英ガラスを成形するための前記空間に石英ガラスインゴットを収納し、石英ガラスの融点以上の温度に昇温し、溶融した石英ガラスインゴットの側面が、前記空間を形成する第三層の前記空間側表面に接触するまで温度を保持し、その後、冷却して、平面形状が前記空間の平面形状に略等しい石英ガラス成形体を得る、[8]に記載の方法。
[10]
前記石英ガラス成形体の少なくとも一方の辺の長さが1000mm以上である[8]又は[9]に記載の方法。
[11]
前記石英ガラス成形体の両方の辺の長さが1000mm以上である[8]又は[9]に記載の方法。
本発明の石英ガラス成形型は、底部及び側壁部を有し、石英ガラスを成形するための空間を有する成形型を用いて石英ガラス成形用型であって、
前記成形型の底部及び側壁部は、外側から、それぞれC/Cコンポジットからなる第一層、カーボン製クッション材からなる第二層、及び黒鉛製成形断熱材からなる第三層を有し、前記第三層が前記石英ガラスを成形するための空間を形成する型である。
本発明の石英ガラス成形方法は、底部及び側壁部を有し、石英ガラスを成形するための空間を有する成形型を用いて石英ガラスを成形する方法であって、前記成形型が、上記本発明の成形型である方法である。
底部10及び側壁部20を有し、側壁部20は4方に設けられ、1つの底部10及び4つの側壁部20により、石英ガラスを成形するための空間Sを形成する。石英ガラスを成形するための空間Sの平面形状は方形であり、好ましくは長方形である。4つの側壁部20はその底部付近が底部10の上面に設けられた4本の溝14にそれぞれ組み込まれて固定され、成形型が組み立てられている。
第一層11及び21は、C/Cコンポジットからなる。C/Cコンポジットの熱膨張係数は1×10-6/K以下である。層状構造のC/Cコンポジットは垂直方向(厚み方向)と平行方向(主表面の面内の方向)では熱膨張係数が異なり(C/Cコンポジットの熱膨張係数は、例えば、垂直方向:〜8×10-6/K、平行方向:<1×10-6/K)、成形型の寸法精度が要求される部分はC/Cコンポジットを平行方向において成形型の部品を製作することが好ましい。
第二層12及び22は、第一層と第三層の両者の熱膨張差を緩和させる目的で設けられ、カーボン製クッション材からなる。さらに、クッション性と柔軟性の乏しい第一層と第三層の隙間をシールする働きも有する。成形時の石英ガラス成形体のサイズに起因する熱膨張及び収縮の程度に応じ、かつ所望の寸法精度を考慮して、カーボン製クッション材のかさ密度及び厚みは決定することができる。第二層12のクッション材と第二層22のクッション材とは、同じ材質や厚みであっても、異なる材質や厚みであっても良い。特に、第二層22のクッション材の厚さは熱膨張差を吸収できる範囲で、極力薄いことが、成形精度等の観点から望ましい。カーボン製クッション材は、例えば、カーボン繊維製フェルトであることが好ましく、カーボン製クッション材は、かさ密度が0.07〜0.12g/cm3の範囲であり、厚みが1〜10mmの範囲であることが好ましい。密度は、より好ましくは0.08〜0.10g/cm3の範囲であり、厚みはより好ましくは2〜7mmの範囲である。
第三層13及び23は、石英ガラス成形体と接触し、成形体表面の面精度を決める部材である。そのため、第三層13及び23に用いる成形断熱材は平滑面とガラスの液圧により変形しない強度を有すること、さらには剥離性を有することが好ましい。また、底部10に設けた第三層13は、成形の際、ガラスの液圧による加重を受けることから、収縮変形値が小さい材料であることが望ましい。黒鉛製成形断熱材は、通気性と強度のバランスという観点から、密度が0.1〜0.5g/cm3の範囲であることが好ましい。特に第三層13に用いる黒鉛製成形断熱材は、収縮変形値が小さい材料であることが好ましいことから、密度が0.13〜0.16g/cm3の範囲であることが好ましい。
成形型:1000mm
黒鉛・黒鉛複合材料の熱膨張係数(C/C):0.8×10-6/K
黒鉛製成形断熱材 :2.5×10-6/K
黒鉛・黒鉛複合材料(C/Cコンポジット)の熱膨張
1000 ×(0.8×10-6)×(1800-20)=1.4mm
黒鉛製成型断熱材
1000 ×(2.5×10-6)×(1800-20)=4.5mm
熱膨張差 4.5 - 1.4 =3.1mm
よって、黒鉛・黒鉛複合材料(C/C)の成形型の内寸法に対して成形断熱材は熱膨張差分を短くすることが望ましい。
石英ガラスの熱膨張係数 :0.5×10-6/K
C/Cコンポジットの熱膨張係数:0.8×10-6/K
黒鉛製成形断熱材 :2.5×10-6/K
室温:20℃、成形温度 :1800℃
1000 ×(0.5×10-6)×(1800-20)=0.9mm
C/Cコンポジットの熱膨張
1000 ×(0.8×10-6)×(1800-20)=1.4mm
熱膨張差 1.4 - 0.9 =0.5mm
(黒鉛(CIP)成形型の場合:8mm)
本発明の方法においては、成形型の石英ガラスを成形するための空間に石英ガラスインゴットを収納する。石英ガラスインゴットは、既知の方法で製造されるものであることができ、その形状にも特に制限はない。成形型に収納した石英ガラスインゴットを石英ガラスの融点以上の温度に昇温する。昇温条件や昇温する温度は、特に制限はない。石英ガラスの融点以上の所定の温度(例えば、1800〜1900℃)に昇温すると石英ガラスインゴットは溶融し、溶融した石英ガラスの側面が、成形空間を形成する第三層の空間側表面に接触し、所望の基板形状又は基板近似形状となるまで保持する。
特許文献4(特開2012-106869号公報)のように円柱状の合成石英ガラス塊は原料のSiCl4及び、燃焼用の水素と酸素をバーナーに供給し、火炎加水分解反応によりSiO2微粒子を生成し、生成した微粒子を堆積と同時に透明ガラス化する、いわゆる直接法により石英ガラスインゴットを製造した。
次にインゴット外表面の不良部分を取り除き、成形型に仕込み、液晶用大型基板の成型体を製作した。
・特許文献1に記載の方法で、G7の850×1400mmの液晶用大型基板を製作した。
成形条件
仕込みインゴット :560kg
温度×時間 :1800℃ × 3h(窒素雰囲気)
成形型 :縦900 × 横1450 × 高さ1000 mm
成形型の材質 :黒鉛製(等方性黒鉛)
剥離材 :黒鉛質繊維布
クッション材の厚さ:10mm /辺(カーボン繊維製フェルト)
・剥離材は特許文献2の実施例を参考にした。
・図5に示すように、成形型の4辺にクッション材(4)を入れて成形試験を実施した。しかし、成形型の上枠(1)が成型後に折損し、成形型の側板も倒れて破損した。
・成形体もクラックが入り、G7液晶用大型基板の取得ができなかった。
比較例2では、クッション材の厚さを25mm増して、比較例1と同様の試験を行った。
成形条件
仕込みインゴット :560kg
温度×時間 :1800℃ × 3h(窒素雰囲気)
成形型 :縦900 × 横1450 × 高さ1000 mm
成形型の材質 :黒鉛製(等方性黒鉛)
剥離材 :黒鉛質繊維布
クッション材の厚さ:25mm /辺(カーボン繊維製フェルト)
・成型体の寸法は縦:875 mm(平均値)、横:1425 mm(平均値)、厚さ:190 mm(最小値)。成型体を側面から観察すると台形状に成形され、台形の上底と下底の寸法差が約10〜15mmあった。
・これは、図5に示すように、石英ガラスの溶融時に成形型の側面を押し、クッション材が潰れ、冷却過程では上枠が熱収縮により成形型の内側に応力が働き、側板は斜めになった。
成型体の厚さ:190mm クラック:55mm 有効長さ:135mm 製品歩留:63%
となった。
・更に、成型体側面の寸法が台形状であるため、粗加工の切断工程が必要である。
・このように、特許文献1に記載の成形方法(特許番号1865417号)では、1000mm以上の液晶用大型基板の製造には適さないことが判明した。
1:上枠(黒鉛製)
2:仕込みインゴット(石英ガラス)
3:側板(黒鉛製)
4:クッション材(カーボン繊維製フェルト)
5:底板(黒鉛製)
6:成型体(石英ガラス)
・本発明の成形型において、液晶用大型基板のサイズがG7の850×1400mmの成形体を製作し、効果を確認した。図3に成形の説明図を示す。
・成形条件
仕込みインゴット :560kg
温度×時間 :1800℃ × 3h(窒素雰囲気)
成形型 :縦900 × 横1450 × 高さ1000 mm
第一層 :C/Cコンポジット
第二層 :カーボン繊維製フェルト
第三層 :黒鉛製成型断熱材
・成型体は、
上面:縦:851 mm、横:1401 mm 下面:縦853 mm、横:1403 mm
厚さ:200mm を製造した。
・成型体の品質は、
成形体の寸法差(最大-最小):2mm 成型体の面精度(標準偏差):0.5〜07、
角度:89〜90度、
成型体のクラック:なし
品質良好な成型体が得られた。
30:型枠(上枠) (C/Cコンポジット)
21:第一層 側壁部 (C/Cコンポジット)
11:第一層 底部 (C/Cコンポジット)
12:第二層 (カーボン繊維製フェルト)
13:第三層 (成型断熱材)
40:仕込みインゴット (石英ガラス)
50:成型体 (石英ガラス)
a)製品の短辺と長辺の長さ
b)有効長さ=成型体最小厚さ−不良厚さ
c)石英ガラスの密度
・第三層の黒鉛製成型断熱材は一体型を使用することが望ましいが、黒鉛製成型断熱材は大きさに制約があるため、分割して成形型に取り付ける場合がある。
・実施例2では、第三層の黒鉛製成形断熱材を13a及び13bに2分割し、成形型に設置した。図4に成形型の説明図を示す。
仕込みインゴット :560 kg
温度×時間 :1800℃ × 3h(窒素雰囲気)
成形型 :縦900 × 横1450 × 高さ1000 mm
材質
第一層 :C/Cコンポジット
第二層 :カーボン繊維製フェルト
第三層 :黒鉛製成型断熱材(2分割)突合せの隙間:5mm
・成型体を観察すると成型体の底面には凸形状(幅3〜4mm ×長さ 約500mm)の“ばり”が観察されたが、成型体には進行性のクラックはなかった。
・この“ばり”は2分割の成形断熱材を突き合わせた隙間に、溶融した石英ガラスが漏れ込むことで生成し、成形断熱材の下側にある第二層のフェルトによりガラスの流出が止まる。第二層のフェルトのシール性の効果を確認した。
・成形断熱材の隙間は狭い程ガラスの漏れが抑制されて望ましく、ガラスの漏れ防止のためには、10mm未満とすることが好ましい。
11:第一層
12:第二層
13:第三層
14:溝
20:側壁部
21:第一層
22:第二層
23:第三層
30:型枠
40:仕込みインゴット(石英ガラス)
50:成形体
S:成形用空間
Claims (11)
- 底部及び側壁部を有し、石英ガラスを成形するための空間を有する成形型であって、
前記成形型の底部及び側壁部は、外側から、それぞれC/Cコンポジットからなる第一層、カーボン製クッション材からなる第二層、及び黒鉛製成形断熱材からなる第三層を有し、前記第三層が前記石英ガラスを成形するための空間を形成する、前記型。 - 前記C/Cコンポジットの熱膨張係数と石英ガラスの熱膨張係数との差が、0〜1.0×10-6/Kの範囲である、請求項1に記載の型。
- 前記C/Cコンポジットの熱膨張係数と石英ガラスの熱膨張係数との差が、0〜0.5×10-6/Kの範囲である、請求項1に記載の型。
- 前記黒鉛製成形断熱材は、密度が0.1〜0.5g/cm3の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の型。
- 前記カーボン製クッション材は、カーボン繊維製フェルトである請求項1〜4のいずれかに記載の型。
- 前記カーボン製クッション材は、かさ密度が0.07〜0.12g/cm3の範囲であり、厚みが1〜10mmの範囲である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造型。
- 前記第三層の底部は、2以上の部材からなり、各部材の間に隙間を有する請求項1〜6のいずれかに記載の製造型。
- 底部及び側壁部を有し、石英ガラスを成形するための空間を有する成形型を用いて石英ガラスを成形する方法であって、前記成形型は、請求項1〜7のいずれかに記載の成形型である、前記方法。
- 石英ガラスを成形するための前記空間に石英ガラスインゴットを収納し、石英ガラスの融点以上の温度に昇温し、溶融した石英ガラスインゴットの側面が、前記空間を形成する第三層の前記空間側表面に接触するまで温度を保持し、その後、冷却して、平面形状が前記空間の平面形状に略等しい石英ガラス成形体を得る、請求項8に記載の方法。
- 前記石英ガラス成形体の少なくとも一方の辺の長さが1000mm以上である請求項8又は9に記載の方法。
- 前記石英ガラス成形体の両方の辺の長さが1000mm以上である請求項8又は9に記載の方法。
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