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JP2019038121A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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哲也 坪井
Tetsuya Tsuboi
哲也 坪井
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Toyo Tire Corp
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】インナーライナー部材に熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーのフィルムを用いた場合におけるタイヤ成形時のフィルム剥がれを抑制する。【解決手段】実施形態に係る空気入りタイヤの製造方法では、親水基を持つ熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーのフィルムを作製し、前記フィルムに対して当該フィルムの水分率を高める前処理を行い、水分率を高めたフィルムをインナーライナー部材として用いてグリーンタイヤを作製し、グリーンタイヤを加硫成形する。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関するものである。
空気入りタイヤの内面には、タイヤの空気圧を一定に保持するために空気透過抑制層としてインナーライナーが設けられている。かかるインナーライナーは、一般に、ブチルゴムやハロゲン化ブチルゴムなどの気体が透過しにくいゴム層で構成されているが、タイヤの軽量化のため、薄肉化が可能な樹脂製のフィルムの使用が検討されている。
しかしながら、インナーライナー部材として剛性の高い樹脂製のフィルムを用いると、タイヤ成形時にグリーンタイヤ(未加硫タイヤ)からインナーライナー部材が剥がれる、いわゆるフィルム剥がれの問題が生じる。これは、グリーンタイヤの成形時に、成形ドラム径に合わせて作製された円筒状のインナーライナー部材がグリーンタイヤ径まで拡張されるためであり、剛性の高い材料に大きな張力がかかったままになるためである。一般に、低空気透過性(即ち、ガスバリア性)に優れる材料ほど剛性が高いので、上記の成形上の問題からガスバリア性に優れる材料の使用が制限されてしまう。
ところで、特許文献1には、このような樹脂製フィルムをインナーライナー部材に用いた空気入りタイヤにおいて、当該フィルムが吸水することでガスバリア性が低下すること、そのためサイドウォール部に吸湿性充填剤を配合することが記載されている。また、特許文献2には、熱可塑性樹脂フィルムの加水分解や酸化劣化を抑制するために、タイヤ成形時にグリーンタイヤ内部に導入する熱媒体として水分率10%以下の加熱気体を用いることが記載されている。これらの文献には、インナーライナー部材に樹脂製フィルムを用いた場合におけるフィルムと水との関係について言及されているが、タイヤ成形時におけるフィルムの水分率と成形性との関係については言及されていない。
特開2016−196219号公報 特開2002−283808号公報
本発明の実施形態は、以上の点に鑑み、インナーライナー部材に熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーのフィルムを用いた場合におけるタイヤ成形時のフィルム剥がれを抑制することができる空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
実施形態に係る空気入りタイヤの製造方法は、親水基を持つ熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーのフィルムを作製すること、前記フィルムに対して当該フィルムの水分率を高める前処理を行うこと、水分率を高めた前記フィルムをインナーライナー部材として用いてグリーンタイヤを作製すること、及び、前記グリーンタイヤを加硫成形すること、を含むものである。
本実施形態によれば、インナーライナー部材として用いるフィルムの水分率を高めることにより、当該フィルムの応力を一時的に低下させることができ、その状態でグリーンタイヤを成形することにより、タイヤ成形時のフィルム剥がれを抑制することができる。
一実施形態に係る空気入りタイヤの断面図 一実施形態に係る空気入りタイヤの製造工程を説明するための模式図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る空気入りタイヤ1の断面図である。図示するように、空気入りタイヤ1は、リム組みされる左右一対のビード部2,2と、該ビード部2からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部3,3と、該一対のサイドウォール部3,3間に設けられた路面に接地するトレッド部4とから構成される。前記一対のビード部2,2には、それぞれリング状のビードコア5が埋設されている。有機繊維コードを用いたカーカスプライ6が、ビードコア5,5の周りを折り返して係止されて、左右のビード部2,2間にトロイダル状に架け渡して設けられている。また、カーカスプライ6のトレッド部4における外周側には、スチールコードやアラミド繊維などの剛直なタイヤコードを用いた2枚の交差ベルトプライからなるベルト7が設けられている。
カーカスプライ6の内側にはタイヤ内面の全体にわたってインナーライナー8が設けられている。本実施形態では、インナーライナー8を形成するインナーライナー部材として、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーからなる低空気透過性フィルムが用いられている。インナーライナー8は、図1中の拡大図に示すように、タイヤ内面側のゴム層であるカーカスプライ6の内面に貼り合わされている。
一実施形態に係る空気入りタイヤ1を製造するに際し、本実施形態では、インナーライナー8を形成するインナーライナー部材として、親水基を持つ熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーのフィルムを作製する。
親水基としては、例えば、アミド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基などが挙げられる。
親水基を持つ熱可塑性樹脂としては、例えば、アミド基を持つものとして、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66共重合体、ナイロン6/66/610共重合体、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体などの脂肪族ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)が挙げられる。また、ヒドロキシル基を持つものとして、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)などが挙げられる。これらはそれぞれ単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
親水基を持つ熱可塑性エラストマーとしては、上記の親水基を持つ熱可塑性樹脂とゴムをブレンドしてなる、熱可塑性樹脂を連続相(マトリックス相)としゴムを分散相(ドメイン相)とした構造のものを用いてもよい。また、熱可塑性の凍結相あるいは結晶相を形成するハードセグメント(硬質セグメント)とゴム弾性を示すソフトセグメント(軟質セグメント)とからなり、かつ親水基を持つブロック共重合体を用いてもよい。あるいはまた、このような親水基を持つブロック共重合体に対してゴムや樹脂をブレンドしたものも、親水基を持つ熱可塑性エラストマーとして用いることができる。親水基を持つブロック共重合体としては、例えば、ポリアミドをハードセグメントとするポリアミド系エラストマーが挙げられる。
また、親水基を持つ熱可塑性樹脂又はブロック共重合体とブレンドするゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)などのジエン系ゴム及びその水素添加ゴム; エチレンプロピレンゴム(EPDM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム、マレイン酸変性エチレンブチレンゴム、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM)などのオレフィン系ゴム; ハロゲン化ブチルゴム(例えば、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR))、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンなどの含ハロゲンゴム等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
一実施形態において、親水基を持つ熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーのフィルムとしては、脂肪族ポリアミド樹脂を含むフィルムであることが好ましい。より好ましくは、脂肪族ポリアミド樹脂を連続相としゴムを分散相とした構造を持つものである。
一実施形態において、親水基を持つ熱可塑性樹脂(例えば脂肪族ポリアミド樹脂)とゴムを架橋剤とともに溶融混練して動的架橋物を作製し、該動的架橋物から上記フィルムを作製してもよい。該溶融混練により、ゴムが動的架橋(TPV)されて、熱可塑性樹脂を連続相とし、ゴムの架橋物を分散相とする動的架橋物が得られる。なお、架橋剤としては、例えば、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、フェノール系樹脂等を用いることができる。
上記熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーには、充填剤や相溶化剤、接着剤、可塑剤などの各種添加剤を配合することができる。熱可塑性エラストマーを構成するゴムについても同様である。これらを混合する際には、例えば、二軸押出機、スクリュー押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどの各種混練機を用いて行うことができる。
上記フィルムの空気透過係数は、特に限定しないが、タイヤの軽量化効果を高めるために、80℃での空気透過係数が5×1013fm/Pa・s以下であることが好ましい。空気透過係数は、より好ましくは4×1013fm/Pa・s以下である。下限は特に限定されないが、事実上は0.5×1013fm/Pa・s以上である。
一実施形態において、上記フィルムは、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーを用いたインフレーション成形により、図2(A)に示すように円筒状に成形してもよい。すなわち、上述した親水基を持つ熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー(好ましくは動的架橋物)を溶融し、得られた溶融物を、リングダイなどのインフレーション用ダイを取り付けた押出機を用いて円筒状に押出成形することにより、インナーライナー部材としての円筒状フィルム10を作製してもよい。なお、Tダイ押出法により成形されたフィルムを用いて、押出成形後にフィルムの端部を接合して円筒状にすることで、円筒状フィルムを作製してもよい。これらのフィルムには、タイヤ本体のゴム層に接着するための接着層は必ずしも設けなくてもよい。
上記フィルムの厚みは、特に限定されず、例えば0.02〜1.0mmでもよく、0.05〜1.0mmでもよく、0.05〜0.5mmでもよい。
上記のようにしてフィルムを作製した後、本実施形態では、該フィルムに対してその水分率を高める前処理を行う。
フィルムの水分率を高めることにより、当該フィルムの応力を一時的に低下させることができる。その理由は、これにより限定されることを意図するものではないが、次のように考えられる。すなわち、フィルムを構成するポリマーの親水基に水分子が水素結合し、更に水分子を周辺に引きつけ、水分子−水分子の水素結合を形成する。これらの水分子は親水基を中心に周辺のポリマー鎖の間隔を押し広げる。これにより、新たに親水基−親水基間の水素結合が切断されて水分子との水素結合が形成される。このようにポリマー鎖間での水素結合消失により運動性が増加するので、可塑化効果が発現し、応力が低下すると考えられる。
水分率を高める前処理方法としては、フィルムを水に浸けるなどして液体としての水を直接付与する方法でもよく、あるいはフィルムを加湿雰囲気に曝す方法でもよい。好ましくは、後者の方法であり、フィルム表面に水滴が残存する可能性を抑えることができる。すなわち、好ましい一実施形態において、前処理は、図2(B)に示すように、フィルム10を加湿雰囲気中に置いて当該フィルム10の水分率を高める処理である。具体的には、温度及び相対湿度が管理された加湿雰囲気を有する恒温恒湿槽又は恒温恒湿室内に、フィルムを所定時間入れて加湿雰囲気に曝す。
加湿条件は、フィルムの水分率を上昇できるように湿度が高められた雰囲気であれば特に限定されない。フィルムの成形後からグリーンタイヤ成形時までの通常の環境である標準条件に対して加湿された条件であればよく、例えば、温度:20〜95℃、相対湿度:60〜98%RH、処理時間:5〜48時間からフィルムの水分率を上昇可能な条件を適宜設定すればよい。
一実施形態において、前処理ではフィルムの水分率を1.0質量%以上にすることが好ましい。フィルムの応力は水分率が高いほど低くなるので、タイヤの成形性の観点からは水分率をできるだけ高くすることが好ましく、水分率はより好ましくは1.05質量%以上であり、1.1質量%以上でもよい。水分率の上限は、特に限定されないが、前処理時間が長すぎると生産性が損なわれるため、水分率は3.0質量%以下であることが好ましい。ここで、水分率はカールフィッシャー水分測定装置を用いて計測される値である。
一実施形態において、前処理ではフィルムの水分率を高めて当該フィルムの10%引張応力を3.5MPa以下にすることが好ましい。10%引張応力が3.5MPa以下であることにより、タイヤ成形時のフィルム剥がれをより確実に抑制することができる。10%引張応力の下限は特に限定されず、例えば2.0MPa以上でもよい。ここで、10%モジュラスは、JIS K6251の引張試験に準じて測定される、23℃での10%伸び時における引張応力である(ダンベル状3号形で打ち抜き)。
上記のようにしてフィルムの水分率を調整した後、その高い水分率のまま、フィルムをインナーライナー部材として用いてグリーンタイヤを作製する。グリーンタイヤの成形方法自体は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
例えば、図2(C)に示すように、一次成形ドラム12の周りに、インナーライナー部材として円筒状のフィルム10をセットし、その周りにカーカスプライ14を巻き付け、カーカスプライ14の幅方向両端部の外周面にビード部材16を装着するとともに、サイドウォールゴム18を所定位置に配設し、またビード部材16を巻き込むようにカーカスプライ14の両端部を折り返して、グリーンケース20を作製する。次いで、図2(D)に示すようにグリーンケース20を二次成形ドラム22に移載して、シェーピングを行う。シェーピングは、グリーンケース20の径方向外側に、円筒状のベルト24とその外周面に積層されたトレッドゴム26とからなるトレッドリング28を配置しておき、二次成形ドラム22の左右一対のドラム部22A,22Aを互いに近づく方向に移動させながら、グリーンケース20内に気体等の流体を供給してグリーンケース20をトロイド状に膨張させて(即ち、軸方向中央部を径方向外側に拡張させて)、トレッドリング28に接合一体化させる。これにより、図2(E)に示すような断面形状を持つグリーンタイヤ30を成形することができる。
得られたグリーンタイヤは、常法に従い、モールド内で加硫成形することにより、空気入りタイヤを製造することができる。
本実施形態によれば、インナーライナー部材として用いるフィルムの水分率を高めることにより、当該フィルムの応力を一時的に低下させることができ、グリーンタイヤの成形時にトロイド状に拡張されるフィルムに柔軟性を付与することができる。そのため、成形時におけるフィルム剥がれを抑制することができる。
グリーンタイヤの成形時に高められた水分率は、その後の加硫成形工程での熱により元の水分率の低い状態に戻る。上記フィルムのガスバリア性は水分率の増加により低下(即ち、悪化)するが、このように加硫成形後には水分率の低い状態に戻るので、ガスバリア性も元の高い状態に戻る。そのため、インナーライナー部材としてフィルムの材料自体は同じものでありながら(つまりガスバリア性は同じ性能を持たせつつ)、成形時に水分率を調整して一時的に柔軟化させることで成形性を向上することができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤは、乗用車用空気入りタイヤに限定されるものではなく、トラックやバスなどの重荷重用タイヤを含む各種の自動車用タイヤにも適用することができ、また、自転車を含む二輪車用タイヤなど、各種の空気入りタイヤに適用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[実施例1〜3、比較例1〜8]
下記表1に示す配合(質量部)に従い、2軸混練機(プラスチック工学研究所製)にて溶融混練することにより動的架橋物のペレットを得た。
表1中の詳細は以下の通りである。
・ナイロン樹脂:ナイロン6/66共重合体、DSM社製「ノバミッド2020」
・ブチルゴム:エクソンモービルケミカル製「IIR268」
・相溶化剤:エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、住友化学(株)製「ボンドファーストBF−E」
・可塑剤:大八化学工業(株)製「DOS」
・架橋剤:アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業(株)製「タッキロール201」
・接着剤:レゾルシン系ホルムアルデヒド縮合体、田岡化学工業(株)製「スミカノール620」
得られたペレットを、インフレーション成型機を用いて、厚み0.2mm、直径360mmの円筒状フィルムに押出成形した。インフレーション成形時の成形温度は240℃である。
得られた円筒状フィルムについて、空気透過係数を測定した。また、円筒状フィルムに対して表1に示す通りの前処理を実施し、前処理後のフィルムの水分率を測定し、また、前処理したフィルムについて引張試験を実施して10%引張応力を測定した。表1中の前処理の条件は以下の通りである。
・標準:加湿させない標準条件、即ち通常の物性測定条件に相当するものとして、円筒状フィルムを20℃、50%RHの雰囲気下に15時間放置した。
・乾燥:円筒状フィルムを70℃のオーブンにて15時間乾燥させた。
・加湿:加湿雰囲気に相当するものとして、円筒状フィルムを25℃、80%RHに設定した恒温恒湿槽内に15時間放置した。
空気透過係数、水分率及び10%引張応力の測定方法は以下の通りである。
・空気透過係数:JIS K7126−1「プラスチック−フィルム及びシート−ガス透過度試験方法−第1部:差圧法」に準じて、試験気体:空気、試験温度:80℃にて、空気透過係数を測定し、比較例4の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほど、ガスバリア性に優れる。
・水分率:JIS K7251 B 法(水分気化法)に準じて、カールフィッシャー水分計(Metrohm社製「852Titrando」)を用いて計測した。設定温度は170℃とし、サンプル量は0.5gとした。
・10%引張応力:JIS K6251の引張試験に準じて測定した。ダンベル形状は3号形(但し、厚みは200μm)とし、測定温度23℃において、500mm/分の速度でフィルムの押出方向に引っ張った際の10%伸びた状態の応力の中央値を求めた。この値が小さいほど、柔軟性に優れる。
前処理後に得られた円筒状フィルムをインナーライナー部材として用いて空気入りタイヤを作製した。その際、グリーンタイヤ成形後におけるフィルム(即ち、インナーライナー部材)の剥がれ状態を観察し、フィルム剥がれがなく良好なものを「○」、部分的にフィルム剥がれが発生したものを「△」、大部分でフィルム剥がれが発生したものを「×」と表示した。
Figure 2019038121
結果は、表1に示す通りである。比較例4がコントロールであり、前処理を標準条件としてタイヤを成形したところ、水分率が0.65質量%と低いため、10%引張応力が3.9MPaと高く、部分的にフィルム剥がれが発生した。比較例1では、成形性を考慮してフィルム材料中のゴム比率を高くしたところ、フィルム剥がれは改善されたが、ガスバリア性が悪化した。比較例2では、成形性を考慮してフィルム材料に可塑剤を添加したところ、同様に、フィルム剥がれは改善されたが、ガスバリア性が悪化した。
比較例3,4及び実施例1は、フィルムの材料が共通し、前処理条件を変更したものであり、標準条件の比較例4に対し、比較例3では乾燥により水分率が低くなって10%引張応力が上昇し、成形性が悪化した。これに対し、加湿条件の実施例1では、水分率が上昇して10%引張応力が低下し、フィルム剥がれが改善された。
比較例5,6及び実施例2は、フィルムの材料が共通し、前処理条件を変更したものである。比較例7,8及び実施例3は、フィルムの材料が共通し、前処理条件を変更したものである。これらは、比較例4に対して樹脂比率を高めたものである。標準条件の比較例6,8では、比較例4に対して、ガスバリア性は向上したが、10%引張応力が高くなり、成形性が悪化した。比較例5,7では乾燥により更に10%応力が高くなった。これに対し、加湿条件の実施例2,3では、樹脂比率増加によりガスバリア性が高いものでありながら、水分率の上昇により10%引張応力が低下し、フィルム剥がれが改善された。
なお、比較例3及び実施例1の空気透過係数は、タイヤとしては比較例4と同じ値であるため、測定は省略している。同様に、比較例5及び実施例2は比較例6と、比較例7及び実施例3は比較例8と、タイヤとしての空気透過係数はそれぞれ同じ値である。
実施例1〜3及び比較例3〜8の結果により、フィルムに対して加湿条件の前処理を行うことにより、水分率を1.0質量%以上かつ10%引張応力を3.9MPa以下に調整することができ、ガスバリア性を損なうことなく、フィルム剥がれを改善することができた。
このように本実施形態であると、加湿条件の前処理を行うことにより、フィルム材料の変更を伴うことなく、一時的に応力を下げて成形性を向上することができ、ガスバリア性と成形性を両立することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…空気入りタイヤ、8…インナーライナー、10…円筒状フィルム、30…グリーンタイヤ

Claims (7)

  1. 親水基を持つ熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーのフィルムを作製すること、
    前記フィルムに対して当該フィルムの水分率を高める前処理を行うこと、
    水分率を高めた前記フィルムをインナーライナー部材として用いてグリーンタイヤを作製すること、及び、
    前記グリーンタイヤを加硫成形すること、
    を含む空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記前処理は、前記フィルムを加湿雰囲気中に置いて当該フィルムの水分率を高める処理である、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記フィルムが脂肪族ポリアミド樹脂を含むフィルムである、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 熱可塑性樹脂とゴムを架橋剤とともに混練して動的架橋物を作製し、前記動的架橋物から前記フィルムを作製する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記前処理において前記フィルムの水分率を1.0質量%以上にする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記前処理において前記フィルムの水分率を高めて当該フィルムの10%引張応力を3.5MPa以下にする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 前記フィルムを、前記熱可塑性樹脂又は前記熱可塑性エラストマーを用いたインフレーション成形により円筒状に成形する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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