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JP2019031750A - ガラスクロス、プリプレグ、及びプリント配線板 - Google Patents

ガラスクロス、プリプレグ、及びプリント配線板 Download PDF

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JP2019031750A
JP2019031750A JP2017152027A JP2017152027A JP2019031750A JP 2019031750 A JP2019031750 A JP 2019031750A JP 2017152027 A JP2017152027 A JP 2017152027A JP 2017152027 A JP2017152027 A JP 2017152027A JP 2019031750 A JP2019031750 A JP 2019031750A
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glass
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gap
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憲一 中西
Kenichi Nakanishi
憲一 中西
信一郎 立花
Shinichiro Tachibana
信一郎 立花
義宣 権藤
Yoshinobu Gondo
義宣 権藤
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Abstract

【課題】 ガラスクロスにおいて、デラミネーションを抑制することと、ピンホールが発生を抑制することとを共に達成し得るガラスクロス、並びに、該ガラスクロスを用いたプリプレグ及びプリント配線板を提供すること。【解決手段】複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなるガラスクロスであって、下記式により求められるバスケットホール面積係数(K)が、2,000以上15,000以下であり、かつ、隣り合う経糸の隙間、もしくは隣り合う緯糸の隙間の少なくとも一方が40μm以上、あるいは、隣り合う経糸の隙間、及び隣り合う緯糸の隙間が共に36μm以上である、ガラスクロス;K= B /((Ct+Cy)/W) 式(式中、Bは、1m2当たりのバスケットホールの総面積(mm2)であり、Ctは、経糸の織物密度(本/25mm)であり、Cyは、緯糸の織物密度(本/25mm)であり、Wは、1m2当たりのガラスクロスの質量(g/m2)である。)。【選択図】なし

Description

本発明はガラスクロス、プリプレグ、及びプリント配線板に関する。
現在、スマートフォン等の情報端末の高性能化、高速通信化に伴い、使用されるプリント配線板において、高密度化、極薄化とともに、低誘電率化、低誘電正接化が著しく進行している。
このプリント配線板の絶縁材料としては、ガラスクロスをエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂(以下、「マトリックス樹脂」という。)に含浸させて得られるプリプレグを積層して加熱加圧硬化させた積層板が広く使用されている。一般的なガラスクロスとしては、例えば、Eガラスクロスが挙げられる(特許文献1参照)。上記の高速通信基板に使用されるマトリックス樹脂の誘電率は3程度であるのに対し、Eガラスクロスの誘電率は6.7程度であり、積層板とした時の高い誘電率の問題が顕在化してきている。
そのため、Eガラスとは異なるガラス組成のDガラス、NEガラス、Lガラス、シリカガラス(Qガラス)等の低誘電率のガラスクロスが提案されている(例えば、特許文献2)。この低誘率化により、インピーダンスの整合性の観点から導体回路の厚銅化、さらには高密度及び高多層化に伴うスルーホール数、インナービアホール数の増加が起こるため、マトリックス樹脂の導体回路及びスルーホール等の埋め込み性向上が、耐熱性維持に必要である。
同時に伝送速度の高速化に伴い、さらなる高周波化が進み、ガラスクロスの不均一性に起因するSkewと呼ばれる伝送速度の不安定化の改善を目的に高開繊と言われる手法等により、ガラスクロスの粗密、特にガラス糸の無い部分を少なくして面方向の均一化を図っている。
特開2001−329449号公報 特開2006−232952号公報
しかしながら、面方向の均一化に伴い、マトリックス樹脂がガラスクロスを中心としてバターコート状に塗布され、本来、補完し合う表裏の樹脂層の含浸不足が顕在化するために、積層板としたときにデラミネーション(すなわち、膨れやクラック)が発生するという課題がある。デラミネーションの発生は、複雑な導体回路等への埋め込み性が低いことを表し、プリント配線板の材料としての絶縁信頼性を低下させる。
また、ガラスクロスを用いて樹脂を含浸させプリプレグを作製する際に、一定頻度でピンホールが発生し、プリプレグの品質が低下することがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ガラスクロス中のガラス糸の無い部分と、面方向の均一性とを適正化したガラスクロスにおいて、デラミネーションを抑制することと、ピンホールが発生を抑制することとを共に達成し得るガラスクロス、並びに、該ガラスクロスを用いたプリプレグ及びプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために検討した結果、各種ガラスクロスの質量と織物密度に適したバスケットホールの総面積が所定の範囲であり、かつ、隣り合うガラス糸の隙間が所定の範囲であることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
[1]
複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなるガラスクロスであって、
下記式により求められるバスケットホール面積係数(K)が、2,000以上15,000以下であり、かつ、
隣り合う経糸の隙間、もしくは隣り合う緯糸の隙間の少なくとも一方が40μm以上、あるいは、
隣り合う経糸の隙間、及び隣り合う緯糸の隙間が共に36μm以上である、ガラスクロス;
K= B /((Ct+Cy)/W) 式
(式中、Bは、1m2当たりのバスケットホールの総面積(mm2)であり、
Ctは、経糸の織物密度(本/25mm)であり、
Cyは、緯糸の織物密度(本/25mm)であり、
Wは、1m2当たりのガラスクロスの質量(g/m2)である。)。
[2]
誘電率が、5.5以下である、[1]に記載のガラスクロス。
[3]
[1]又は[2]に記載のガラスクロスと、該ガラスクロスに含浸されたマトリックス樹脂とを含む、プリプレグ。
[4]
[3]に記載のプリプレグを少なくとも1層に備える、プリント配線板。
本発明によれば、デラミネーション及びピンホールの発生を抑制できるプリプレグ及びプリント配線板、又はこれらの積層板等の基板(以下、単に「基板」ともいう)を作製することができるガラスクロスを提供することができる。また、本発明によれば、かかるガラスクロスを用いたプリプレグ及びプリント配線板を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔ガラスクロス〕
本実施形態のガラスクロスは、複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなるガラスクロスである。
また、本実施形態のガラスクロスは、下記式により求められるバスケットホール面積係数(K)が、2,000以上15,000以下であり、かつ、少なくとも隣り合う経糸、もしくは緯糸の隙間が40μm以上であるか、或いは、経糸、緯糸ともに隙間が36μm以上である。
すなわち、本実施形態のガラスクロスは、下記式により求められるバスケットホール面積係数(K)が、2,000以上15,000以下であり、かつ、
隣り合う経糸の隙間、もしくは隣り合う緯糸の隙間の少なくとも一方が40μm以上、或いは、
隣り合う経糸の隙間、及び隣り合う緯糸の隙間が共に36μm以上である。
K= B /((Ct+Cy)/W) 式
(式中、Bは、1m2当たりのバスケットホールの総面積(mm2)であり、
Ctは、経糸の織物密度(本/25mm)であり、
Cyは、緯糸の織物密度(本/25mm)であり、
Wは、1m2当たりのガラスクロスの質量(g/m2)である。)
積層板に使用されるガラスクロスには、通常Eガラス(無アルカリガラス)と呼ばれるガラスが使用されるが、本実施形態のガラスクロスにおいては、特に誘電率が5.5以下のLガラス、NEガラス、Dガラス、シリカガラス、石英ガラス等を使用することが好ましく、これらのガラスを使用することにより低誘電率のガラスクロスが得られ、伝送信号の安定化が達成される。
本実施形態のガラスクロスの誘電率は、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下である。
本実施形態におけるバスケットホールとは、経糸と緯糸に挟まれた隙間を指す。
一般的に、糸の太さの大小を示す番手が大きいガラス糸を使用して高質量のガラスクロスを製造する場合、バスケットホールの面積は小さくなる傾向にある。一方、番手が小さいガラス糸を使用する場合は、バスケットホールの面積が大きくなる傾向にある。また、同じ番手であり、かつ、同じ織物密度の糸を使用したとしても開繊状態(すなわち、糸の扁平の程度)等によってバスケットホールの面積に差が生じ、特に番手が小さいガラス糸を使用した場合はその差が顕著になる。
ガラスクロスの質量、並びに、バスケットホールの面積及び総面積には、ガラス糸の番手と織物の密度とに密接な関係があり、各種ガラスクロスのスタイルにおいて適正なバスケットホール面積を導くことが必要である。経糸及び緯糸の総織物密度をガラスクロスの質量にて除した値によって、バスケットホールの総面積を除して算出したバスケットホール面積係数(K)を、特定範囲に設定することにより、バスケットホールの1つ1つの面積及びバスケットホールの総面積の大小だけでなく、ガラスクロスの質量を決定するガラス糸の番手と織物密度を考慮して、ガラスクロスのバスケットホールの面積を適正化することできる。
さらに、少なくとも隣り合う経糸、もしくは隣り合う緯糸の隙間を40μm以上、或いは隣り合う経糸、隣り合う緯糸ともに隙間を36μm以上とすることにより、バスケットホールの形状をも適正化することができる。
すなわち、バスケットホール面積係数(K)と隣り合う糸同士の隙間を特定範囲に設定することによってガラスクロスのバスケットホールの面積と形状が適正化され、バスケットホール面積係数(K)がプリプレグのピンホール品質と基板のデラミネーション発生の抑制に対し重要であることを見出した。ここでいうバスケットホールの面積とは、ガラスクロスロールを引き出し、任意の位置から100mm×100mmを切り出し、走査型電子顕微鏡でガラスクロスの表面を観察し、全てのバスケットホールの面積を隣り合う糸同士の隙間から測定し、その平均面積を指す。さらにバスケットホールの総面積とは、織物密度から算出される、1m2当たりのバスケットホール数に平均面積を乗じた値を指す。
バスケットホールの総面積は、具体的には実施例に記載の方法によって求めることができる。
バスケットホール面積係数(K)は、2,000以上15,000以下であり、好ましくは3,000以上14,000以下であり、より好ましくは4,000以上14,000以下であり、さらに好ましくは12,500以上13,500以下である。
バスケットホール面積係数(K)が2,000未満の場合、ガラスクロスに樹脂を含浸させてプリプレグを作製した際、構成されるガラス糸と織物密度の関係に対して、1つ1つのバスケットホール面積が小さくなり、ガラスクロスの面方向の均一性は向上するが、ガラスクロスを中心として補完し合う表裏のマトリックス樹脂の含浸が困難となり、得られるプリプレグを使用して積層する際にデラミネーションが発生しやすくなる傾向にある。
また、バスケットホール面積係数(K)が15,000より大きい場合、構成されるガラス糸と織物密度の関係に対して、1つ1つのバスケットホール面積が大きくなり、プリプレグを得る際にピンホールの発生や面方向の不均一性が起こりやすくなる傾向にある。
同時に、少なくとも隣り合う経糸、もしくは緯糸の隙間が40μmより小さい、或いは、隣り合う経糸、隣り合う緯糸ともに隙間が36μmより小さい場合、ガラスクロスを中心として補完し合う表裏のマトリックス樹脂の含浸がさらに困難となり、特に、溶融粘度の低い樹脂を組み合わせて、得られるプリプレグを使用して積層する際にデラミネーションが発生しやすくなる傾向にある。
すなわち、バスケットホール面積係数(K)は、2,000以上15,000以下であり、かつ少なくとも隣り合う経糸、もしくは緯糸の隙間を40μm以上にする、或いは、隣り合う経糸、隣り合う緯糸ともに隙間を36μm以上とすることにより、ガラスクロスからプリプレグ及び積層体を製造する際に、ピンホールが発生しにくく、かつ、デラミネーションが発生しにくくなる傾向にある。ピンホールとは、バスケットホール部分に樹脂が埋まらずに生じた空隙欠陥を指す。通常、バスケットホールの面積を小さくすると、ピンホールは生じにくくなるが、ガラスクロスを中心として補完し合う表裏のマトリックス樹脂の含浸が困難となり、高温多層成型時のデラミネーションが生じ易くなる。
バスケットホール面積係数(K)は、ガラスクロスを構成するガラス糸の織物密度、ガラスクロスの質量、及びバスケットホールの総面積を制御することによって、2,000以上15,000以下に制御することができる。
バスケットホールの総面積及び隣り合う糸同士の隙間を制御する方法としては、例えば、整経、製織、脱糊、処理、及び開繊の工程において、張力と加工条件とを管理する方法が挙げられる。
張力と加工条件とを管理する方法として、具体的には、ガラスクロスを構成する全ての経糸の張力をモニタリングし、張力が管理値から外れる経糸を除去する方法、整経時の糊付着量、製織時の回転数、脱糊時の昇温速度、開繊工程の水圧を一定にする方法等が挙げられる。
経糸の張力を一定範囲にすることで、経糸の集束状態を制御でき、糸幅を一定に保つことができる。また、整経時の糊付着量を一定にすることで、開繊工程での開繊効果を制御でき、経糸及び緯糸の糸幅を一定に保つことができる。また、製織時の回転数を一定にすることで、緯糸の張力を制御でき、開繊工程での開繊効果を制御でき、緯糸の糸幅を一定に保つことができる。また、脱糊時の昇温速度を一定の範囲にすることで、脱糊工程後の残留糊量を制御でき、開繊工程での開繊効果を制御でき、経糸及び緯糸の糸幅を一定に保つことができる。また、開繊工程の水圧を一定にすることで、開繊効果を制御でき、経糸及び緯糸の糸幅を一定に保つことができる。
これらの張力と加工条件を管理することで、バスケットホールの総面積及び隣り合う糸同士の隙間を制御することができる。
バスケットホールの総面積は、開繊工程での水圧を強くすることによって、小さくなるように制御される。開繊工程での水圧は、織物密度やガラスクロスの質量に応じて適宜調整すればよく、例えば、ガラスクロスの質量が小さい場合には、水圧を小さくすればよい。
ガラスクロスの質量(目付けともいう)は、ガラス糸を構成するフィラメントの数を調整することにより制御することができ、フィラメント数が大きいほど、ガラスクロスの質量も大きくなる。
ガラスクロスの質量は、バスケットホール面積係数(K)が2,000以上15,000以下となるよう調整すればよいが、通常5〜200g/m2であり、好ましくは10〜150g/m2であり、より好ましくは15〜100g/m2である。
ガラスクロスの質量は、具体的には実施例に記載の方法により求めることができる。
織物密度は、バスケットホール面積係数(K)が2,000以上15,000以下となるよう、適宜好適な織物密度のガラス糸を選択すればよい。織物密度は、通常5〜100本/25mmであり、好ましくは20〜80本/25mmであり、より好ましくは40〜70本/25mmである。
織物密度は、具体的には実施例に記載の方法により求めることができる。
本実施形態におけるガラスフィラメントの平均フィラメント径は、好ましくは3.0〜9.0μmである。また、本実施形態におけるガラス糸のフィラメント数は、好ましくは20〜400本である。さらにまた、ガラスクロスの厚さは、好ましくは7〜200μmである。
ガラスクロスの織り構造については、特に限定されないが、例えば、平織り、ななこ織り、朱子織り、綾織り、等の織り構造が挙げられる。さらに異種のガラス糸を用いた混織構造でもよい。このなかでも、平織り構造が好ましい。
ガラスクロスを構成するガラス糸(ガラスフィラメントを含む)は、好ましくはシランカップリング剤により表面処理される。シランカップリング剤としては、例えば、下記の一般式(1)で示されるシランカップリング剤を使用することが好ましい。
X(R)3-nSiYn ・・・(1)
式(1)中、Xはアミノ基及び不飽和二重結合基のうち少なくとも1つを有する有機官能基であり、Yは、各々独立して、アルコキシ基であり、nは1以上3以下の整数であり、Rは、メチル基、エチル基及びフェニル基からなる群より選ばれる基である。
Xは、アミノ基及び不飽和二重結合基のうち少なくとも3つ以上を有する有機官能基であることがより好ましく、Xは、アミノ基及び不飽和二重結合基のうち少なくとも4つ以上を有する有機官能基であることがさらに好ましい。
上記のアルコキシ基としては、何れの形態も使用できるが、ガラスクロスへの安定処理化のためには、炭素数5以下のアルコキシ基が好ましい。
具体的に使用できるシランカップリング剤としては、例えば、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ジ(ビニルベンジル)アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ジ(ビニルベンジル)アミノエチル)−N−γ−(N−ビニルベンジル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリ同エトキシシラン及びその塩酸塩、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の公知の単体、又はこれらの混合物が挙げられる。
シランカップリング剤の分子量は、好ましくは100〜600であり、より好ましくは150〜500であり、さらに好ましくは200〜450である。
このなかでも、分子量が異なる2種類以上のシランカップリング剤を用いることが好ましい。分子量が異なる2種類以上のシランカップリング剤を用いてガラス糸表面を処理することにより、ガラス表面での処理剤密度が高くなり、マトリックス樹脂との反応性がさらに向上する傾向にある。
ガラスクロスの強熱減量値は、好ましくは0.10質量%以上1.20質量%以下であり、より好ましくは0.11質量%以上1.10質量%以下であり、さらに好ましくは0.12質量%以上1.00質量%以下である。
強熱減量値が0.10質量%以上1.2質量%以下であることにより、従来よりもプリプレグの搬送性(ハンドリング性)を改善できる。また、樹脂とガラスクロスが界面ではがれやすくなることに由来する基板の絶縁信頼性の低下を抑制でき、また、メッキ液がガラスクロスに染み込むことに由来する基板の絶縁信頼性の低下を抑制できる傾向にある。
ここでいう「強熱減量値」とは、JIS R 3420に記載されている方法に従って測定することができる。すなわち、まずガラスクロスを110℃の乾燥機の中に入れ、60分間乾燥する。乾燥後、ガラスクロスをデシケータに移し、20分間置き、室温まで放冷する。放冷後、ガラスクロスを0.1mg以下の単位で量る。次に、ガラスクロスをマッフル炉で625℃、20分間加熱する。マッフル炉で加熱後、ガラスクロスをデシケータに移し、20分間置き、室温まで放冷する。放冷後、ガラスクロスを0.1mg以下の単位で量る。以上の測定方法で求める強熱減量値により、ガラスクロスのシランカップリング剤処理量を定義する。
〔ガラスクロスの製造方法〕
本実施形態のガラスクロスの製造方法は、特に限定されないが、例えば、シランカップリング剤の濃度が0.1〜3.0wt%である処理液によってほぼ完全にガラスフィラメントの表面をシランカップリング剤で覆う被覆工程と、加熱乾燥によりシランカップリング剤をガラスフィラメントの表面に固着させる固着工程と、ガラスクロスのガラス糸を開繊する開繊工程と、を有する方法が好適に挙げられる。
シランカップリング剤を溶解又は分散させる溶媒としては、水、又は有機溶媒の何れも使用できるが、安全性、地球環境保護の観点から、水を主溶媒とすることが好ましい。水を主溶媒とした処理液を得る方法としては、シランカップリング剤を直接水に投入する方法、シランカップリング剤を水溶性有機溶媒に溶解させて有機溶媒溶液とした後に該有機溶媒溶液を水に投入する方法、の何れかの方法が好ましい。シランカップリング剤の処理液中での水分散性、安定性を向上させるために、界面活性剤を併用することも可能である。
処理液をガラスクロスに塗布する方法としては、(ア)処理液をバスに溜め、ガラスクロスを浸漬、通過させる方法(以下、「浸漬法」という。)、(イ)ロールコーター、ダイコーター、またはグラビアコーター等で処理液をガラスクロスに直接塗布する方法、等が可能である。上記(ア)の浸漬法にて塗布する場合は、ガラスクロスの処理液への浸漬時間を0.5秒以上、1分以下に選定することが好ましい。
また、ガラスクロスに処理液を塗布した後、溶媒を加熱乾燥させる方法としては、熱風、電磁波等公知の方法が挙げられる。
加熱乾燥温度は、シランカップリング剤とガラスとの反応が十分に行われるように、好ましくは90℃以上であり、より好ましくは100℃以上である。また、加熱乾燥温度は、シランカップリング剤が有する有機官能基の劣化を防ぐために、好ましくは300℃以下であり、より好ましくは200℃以下である。
また、開繊工程の開繊方法としては、特に限定されないが、例えば、ガラスクロスを、スプレー水(高圧水開繊)、バイブロウォッシャー、超音波水、マングル等で開繊加工する方法が挙げられる。バスケットホールの総面積を一定の範囲に保つためには、スプレー水により開繊工程を行うことが好ましい。
スプレー水で開繊する場合、水圧は適宜設定すればよく、ガラスクロスに存在するバスケットホールの総面積を調整するために、水圧は一定にすることが好ましい。ここで、水圧を一定にするとは、開繊を実施するために設定したスプレーの水圧と、実際の水圧の最大値、最小値との差を小さくすることを指す。開繊工程前後においても、加熱乾燥させる工程を有していてもよい。
〔プリプレグ〕
本実施形態のプリプレグは、上記ガラスクロスと、該ガラスクロスに含侵されたマトリックス樹脂と、を有する。これにより、ピンホール品質に優れ、基板のデラミネーションの発生が抑制されたプリプレグを提供することができる。
マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の何れも使用可能である。熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、a)エポキシ基を有する化合物と、エポキシ基と反応するアミノ基、フェノール基、酸無水物基、ヒドラジド基、イソシアネート基、シアネート基、及び水酸基等の少なくとも1つを有する化合物と、を、無触媒で、又は、イミダゾール化合物、3級アミン化合物、尿素化合物、燐化合物等の反応触媒能を持つ触媒を添加して、反応させて硬化させるエポキシ樹脂;b)アリル基、メタクリル基、及びアクリル基の少なくとも1つを有する化合物を、熱分解型触媒、または光分解型触媒を反応開始剤として使用して、硬化させるラジカル重合型硬化樹脂;c)シアネート基を有する化合物と、マレイミド基を有する化合物と、を反応させて硬化させるマレイミドトリアジン樹脂;d)マレイミド化合物と、アミン化合物と、を反応させて硬化させる熱硬化性ポリイミド樹脂;e)ベンゾオキサジン環を有する化合物を加熱重合により架橋硬化させるベンゾオキサジン樹脂等が例示される。
また、熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、不溶性ポリイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂等が例示される。また、熱硬化性樹脂と、熱可塑性樹脂を併用してもよい。
〔プリント配線板〕
本実施形態のプリント配線板は、上記プリプレグを有する。これにより、高品質であり、デラミネーションの発生が抑制されたプリント配線板を提供することができる。
次に、本発明を実施例、比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ガラスクロス(ガラスフィラメントの平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数100本、経糸の織物密度65本/25mm、緯糸の織物密度67本/25mm、質量26g/m2)を、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次に、水圧を5.0±0.1kg/cm2の水圧に調整したスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して、強熱減量値0.6%の製品を得た。
(実施例2)
ガラスクロス(ガラスフィラメントの平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数200本、経糸の織物密度52.5本/25mm、緯糸の織物密度52.5本/25mm、質量41.5g/m2)を、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次に、水圧を5.0±0.1kg/cm2の水圧に調整したスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して強熱減量値0.4%の製品を得た。
(比較例1)
ガラスクロス(ガラスフィラメントの平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数100本、経糸の織物密度55本/25mm、緯糸の織物密度55本/25mm、質量22g/m2)を、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次に、水圧を5.0±0.3kg/cm2の水圧に調整したスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して強熱減量値0.6%の製品を得た。
(比較例2)
ガラスクロス(ガラスフィラメントの平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数200本、経糸の織物密度52.5本/25mm、緯糸の織物密度52.5本/25mm、質量41.5g/m2)を、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次に、水圧を10.0±0.1kg/cm2の水圧に調整したスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して強熱減量値0.6%の製品を得た。
<ガラスクロスのバスケットホールの評価方法>
走査型電子顕微鏡により、ガラスクロスの任意の位置の100mm×100mmを観察し、すべてのバスケットホールの面積を隣り合う糸同士の隙間から計測し、その平均値を算出し、バスケットホールの平均面積を求めた。
さらに、1m2当たりのバスケットホール数を織物密度から算出し、バスケットホールの平均面積に乗じて、バスケットホールの総面積を求めた。
<ガラスクロスのフィラメント径の評価方法>
ガラスクロスの任意の位置のガラス糸束30本の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、その平均値を算出し、平均フィラメント径を求めた。
<ガラスクロスの織物密度の評価方法>
JIS R 3420の7.9に準じて、織物分解鏡を用いて、25mm当たりの経糸及び緯糸の糸本数を測定し、それぞれの方向ごとに測定された3回の測定値の平均値を織物密度として求めた。
<ガラスクロスの質量の評価方法>
JIS R 3420の7.2に準じて、面積100cm2の正方形の型板を用いてカッターにて試験片を採取し、0.1mg以下の感量を備えたはかりにて試験片の質量を量る。測定した質量と面積から、1m当たりの質量(g/m2)を算出し、ガラスクロスの質量を求めた。
<プリプレグの作製方法とプリプレグのピンホール品質の評価方法>
上記の実施例及び比較例で得たガラスクロスに、ポリフェニレンエーテル樹脂ワニス(変性ポリフェニレンエーテル樹脂30質量部、トリアリルイソシアヌレート10質量部、トルエン50質量部、触媒0.1質量部の混合物)を含浸させ、120℃で2分間乾燥後プリプレグを得た。作製したプリプレグの任意の500mm×500mmを、携帯型顕微鏡で観察し、ピンホール個数を求めた。ピンホール個数が少ないほど、高品質であることを表す。
<多層基板の作製方法>
内層コア基板として厚さ35μm銅箔の0.4mm厚両面板を作成し、常法に従い、その両面の銅箔上に配線パターンを作成して、内層コア基板を得た。上述のようにして得られたプリプレグを該コア基板の両層に1枚ずつ積層し、さらに上下に厚さ12μmの銅箔を重ね、200℃、40kg/cm2で60分間加熱加圧して多層基板を得た。
<多層基板のデラミネーション性の評価方法>
上記のようにして基板を作製し、表面の銅箔をエッチング液にて除去後、温度121℃、湿度100%(2気圧)下に1週間暴露し、取り出し後、288℃のハンダ浴に20秒浸漬し、基板上の膨れやクラックの有無を目視確認した。表1中、基板上の膨れやクラックが見られないものを○とし、基板上の膨れやクラックが見られたものを×として示した。
<基板の誘電率の評価方法>
上記のようにして作成したプリプレグを使用して樹脂含量が60体積%となるように基板を作製し、銅箔を除去して誘電率評価のための試料を得た。得られた試料の周波数1GHzにおける誘電率を、インピーダンスアナライザー(Agilent Technologies社製)を用いて測定した。得られた基板誘電率からガラスクロスの体積分率、及びマトリックス樹脂誘電率2.5をもとにガラスクロスの誘電率を算出した。
実施例と比較例で作製したガラスクロスの評価結果を表1にまとめた。
実施例のガラスクロスは、低誘電率で、デラミネーションを抑制することができ、ピンホール品質に優れていることが分かった。
本発明のガラスクロスは、電子及び電気分野で使用されるプリント配線板に用いられる基材として産業上の利用可能性を有する。

Claims (4)

  1. 複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなるガラスクロスであって、
    下記式により求められるバスケットホール面積係数(K)が、2,000以上15,000以下であり、かつ、
    隣り合う経糸の隙間、もしくは隣り合う緯糸の隙間の少なくとも一方が40μm以上、あるいは、
    隣り合う経糸の隙間、及び隣り合う緯糸の隙間が共に36μm以上である、ガラスクロス;
    K= B /((Ct+Cy)/W) 式
    (式中、Bは、1m2当たりのバスケットホールの総面積(mm2)であり、
    Ctは、経糸の織物密度(本/25mm)であり、
    Cyは、緯糸の織物密度(本/25mm)であり、
    Wは、1m2当たりのガラスクロスの質量(g/m2)である。)。
  2. 誘電率が、5.5以下である、請求項1に記載のガラスクロス。
  3. 請求項1又は2に記載のガラスクロスと、該ガラスクロスに含浸されたマトリックス樹脂とを含む、プリプレグ。
  4. 請求項3に記載のプリプレグを少なくとも1層に備える、プリント配線板。
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