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JP2019023249A - ポリイミドフィルム、フレキシブルプリント基板、led照明装置及びフレキシブルディスプレイ用前面部材 - Google Patents

ポリイミドフィルム、フレキシブルプリント基板、led照明装置及びフレキシブルディスプレイ用前面部材 Download PDF

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JP2019023249A
JP2019023249A JP2015241735A JP2015241735A JP2019023249A JP 2019023249 A JP2019023249 A JP 2019023249A JP 2015241735 A JP2015241735 A JP 2015241735A JP 2015241735 A JP2015241735 A JP 2015241735A JP 2019023249 A JP2019023249 A JP 2019023249A
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Tahei Ikaga
太平 伊香賀
康敏 伊藤
Yasutoshi Ito
康敏 伊藤
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Abstract

【課題】本発明の課題は、電子デバイスと積層したとき温湿度環境変動によるそりの抑制を可能にするポリイミドフィルムを提供することである。また、当該ポリイミドフィルムを備えるフレキシブルプリント基板、LED照明装置及びフレキシブルディスプレイ用前面部材を提供することである。【解決手段】本発明のポリイミドフィルムは、ポリイミドとポリイミド以外の有機化合物とを含有するポリイミドフィルムであって、前記有機化合物が、数平均分子量が300〜10000の範囲内でありカルボニル基を有する有機化合物であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミドフィルム、フレキシブルプリント基板、LED照明装置及びフレキシブルディスプレイ用前面部材に関し、より詳しくは、電子デバイスと積層したとき温湿度環境変動によるそりの抑制を可能にするポリイミドフィルム等に関する。
ポリイミドは折り曲げ性に優れることや、高弾性率であることから透明フレキシブル回路基板(FPC:Flexible Printed Circuits)や有機エレクトロルミネッセンスデバイス(「有機ELデバイス」ともいう。)の部材としての用途が考えられているが、分子内共役や電荷移動錯体の形成により黄褐色に着色してしまい、透明性が要求される分野に用いることが困難であった。
この対策として、例えばポリイミドにフッ素基を導入したり、主鎖に屈曲性を与えたり又は嵩高い側鎖を導入するなどして電荷移動錯体の形成を阻害する方法が提案されている。また、原理的に電荷移動錯体を形成しない半脂環式又は全脂環式のポリイミドを用いることにより透明性を発現させる方法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、このように分子間の相互作用を弱めることによって透明性を増したポリイミドは、一般的に分子鎖間の隙間が多くなることから、飽和含水率が高くなる。その結果、湿度環境が変化すると寸法変動が起こりやすくなり、ポリイミドをフレキシブル回路基板や有機ELデバイスに積層して用いた場合には、温湿度環境変動によって電子デバイスのそりが発生してしまうという問題があった。
特開2000−53767号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、電子デバイスと積層したとき温湿度環境変動によるそりの抑制を可能にするポリイミドフィルムを提供することである。また、当該ポリイミドフィルムを備えるフレキシブルプリント基板、LED照明装置及びフレキシブルディスプレイ用前面部材を提供することである。
本発明に係る上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、ポリイミドが、数平均分子量が特定の範囲内でありカルボニル基を有する有機化合物と共存することにより電子デバイスと積層したとき温湿度環境変動によるそりを抑制できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
1.ポリイミドとポリイミド以外の有機化合物とを含有するポリイミドフィルムであって、前記有機化合物が、数平均分子量が300〜10000の範囲内でありカルボニル基を有する有機化合物であることを特徴とするポリイミドフィルム。
2.前記カルボニル基を有する有機化合物のカルボニル基濃度が、15〜40質量%であることを特徴とする第1項に記載のポリイミドフィルム。
3.前記カルボニル基を有する有機化合物が、エステル系化合物、アクリル系化合物、アミド系化合物及びウレタン系化合物から選らばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする第1項又は第2項に記載のポリイミドフィルム。
4.前記カルボニル基を有する有機化合物の含有量が、前記ポリイミドに対して0.1〜20質量%の範囲内であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載のポリイミドフィルム。
5.全光線透過率が、80%以上であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載のポリイミドフィルム。
6.第1項から第5項までのいずれか一項に記載のポリイミドフィルムを具備していることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
7.第1項から第5項までのいずれか一項に記載のポリイミドフィルムを具備していることを特徴とするLED照明装置。
8.第1項から第5項までのいずれか一項に記載のポリイミドフィルムを具備していることを特徴とするフレキシブルディスプレイ用前面部材。
本発明の上記手段により、電子デバイスと積層したとき温湿度環境変動によるそりの抑制を可能にするポリイミドフィルムを提供することができる。また、当該ポリイミドフィルムを備えるフレキシブルプリント基板、LED照明装置及びフレキシブルディスプレイ用前面部材を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
上記した従来のポリイミドフィルムにおいては、ポリイミド主鎖構造中の極性基であるイミド基は水分子と親和性を有しており、特に透明性の高いポリイミドフィルムは、上記したように分子鎖間の隙間が多くなることから、飽和含水率が高くなると考えられる。このようなポリイミドフィルムに特定範囲内の分子量のカルボニル基を有する有機化合物と共存させることにより、ポリイミドのイミド基と有機化合物のカルボニル基とが、双極子−双極子相互作用を生じ、このため、ポリイミドの分子間の隙間が埋まり、水分子の影響を受けにくくなるものと考えられる。その結果、温湿度環境変動による寸法変動が小さくなり、そりを抑制できるものと考えられる。
本発明のポリイミドフィルムは、ポリイミドとポリイミド以外の有機化合物とを含有するポリイミドフィルムであって、前記有機化合物が、数平均分子量が300〜10000の範囲内でありカルボニル基を有する有機化合物であることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項8までの各請求項に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から前記カルボニル基を有する有機化合物のカルボニル基濃度が、15〜40質量%の範囲内であることが好ましい。また、前記カルボニル基を有する有機化合物が、エステル系化合物、アクリル系化合物、アミド系化合物及びウレタン系化合物から選らばれる少なくとも1種の化合物であることが、ポリイミドフィルムが積層されたとき、高湿度環境下における積層物のそりを減少できることから好ましい。
さらに、本発明においては、前記カルボニル基を有する有機化合物の含有量が、前記ポリイミドに対して0.1〜20質量%の範囲内であることが、前記カルボニル基を有する有機化合物がブリードアウトすることなく、かつ本発明の高い効果が得られるため好ましい。
また、ポリイミドの全光線透過率が、80%以上であることが、好ましい。これは、透明ポリイミドの特徴として前記の様に分子鎖間の隙間が大きいため、前記カルボニル基を有する有機化合物によってその隙間を埋める効果が顕著に得られやすいためであると考えられる。
本発明のポリイミドフィルムは、フレキシブルプリント基板、LED照明装置及びフレキシブルディスプレイ用前面部材に好適に具備され得る。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《本発明のポリイミドフィルムの概要》
本発明のポリイミドフィルムは、ポリイミドとポリイミド以外の有機化合物とを含有するポリイミドフィルムであって、前記有機化合物が、数平均分子量が300〜10000の範囲内でありカルボニル基を有する有機化合物であることを特徴とする。
前記有機化合物の数平均分子量が300より低い場合、カルボニル基を有する有機化合物がポリイミド分子鎖の隙間を埋めることができないため好ましくない。また、数平均分子量が10000より高い場合、ポリイミドとの相溶性が低くなり、前記有機化合物中のカルボニル基とポリイミド中のイミド基の相互作用が小さくなってしまうため好ましくない。有機化合物の数平均分子量が、上記の範囲内であることにより、十分にポリイミドに相溶し、かつ有機化合物のカルボニル基とポリイミドのイミド基と相互作用することができ、その結果水分子とイミド基の相互作用を阻害し、温湿度環境変動による寸法変動が小さくなり、そりを抑制できるものと考えられる。
カルボニル基を有する有機化合物のカルボニル基濃度は、15〜40質量%の範囲内であることが好ましく、20〜30質量%の範囲内であることがより好ましい。15質量%以上であれば、カルボニル基を有する有機化合物とポリイミドの相互作用が十分大きく、そりの発生を抑制する効果が大きくなり、40質量%以内であれば有機化合物が凝集せず、ヘイズが増加しない。
ここで、ポリイミドフィルム中の質量に基づくカルボニル基濃度は、ポリイミドフィルム中のカルボニル基[−C(=O)−]の数から算出することができ、具体的には次の式によって表される値である。
カルボニル基濃度(単位:質量%)=[(N×28)/数平均分子量]×100
ここで、Nはポリイミドフィルムの1分子当りのカルボニル基数の平均であり、28はカルボニル基[−C(=O)−]の式量である。
実際のカルボニル基濃度を算出するにあたり、核磁気共鳴スペクトル(NMR)等でポリイミドフィルムを構成するモノマー組成とカルボニル基数を求めて算出する方法や、カルボニル基の製造に供した原料の量比からカルボニル基数を求めて算出することができる。
数平均分子量はGPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定することができる。
〔1〕ポリイミド
本発明のポリイミドフィルムに用いられるポリイミドは、イミド構造を有する透明耐熱性樹脂(以下、ポリイミド樹脂ともいう。)であり、繰り返し単位にイミド結合を含む透明耐熱性樹脂である。本発明のポリイミドフィルムは、ポリアミド酸又はポリイミドを含有する。ポリアミド酸又はポリイミドは、ジアミン又はその誘導体と酸無水物又はその誘導体とから形成されることが好ましい。
(1.1)式(1.1)又は式(1.2)で表される構造を有するポリイミド樹脂
(1.1.1)酸無水物側の構造
本発明に用いることのできるポリイミド又はポリアミド酸としては、特に、下記式(1.1)で表される繰り返し単位を有するポリイミド(以下、ポリイミド(A)と称する。)又は下記式(1.2)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸(以下、ポリアミド酸(A′)と称する。)が好ましい。
Figure 2019023249
ポリアミド酸(A′)は、上記のとおり、ポリイミド(A)のイミド結合の一部が解離した構造に当たり、ポリアミド酸(A′)の詳細説明はポリイミド(A)に対応させて考えることができるため、以下、代表的にポリイミド(A)について詳細に説明する。
式(1.1)及び式(1.2)中、Rは、芳香族炭化水素環若しくは芳香族複素環、又は、炭素数4〜39の4価の脂肪族炭化水素基若しくは脂環式炭化水素基である。Φは、炭素数2〜39の2価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせからなる基であって、結合基として、−O−、−SO−、−CO−、−CH−、−C(CH−、−OSi(CH−、−CO−及び−S−からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を含有していても良い。
Rで表される芳香族炭化水素環としては、例えば、フルオレン環、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。
また同様に、Rで表される芳香族複素環としては、例えば、シロール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピロール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンズイミダゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、チエノチオフェン環、カルバゾール環、アザカルバゾール環(カルバゾール環を構成する炭素原子の任意の一つ以上が窒素原子で置き換わったものを表す)、ジベンゾシロール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾチオフェン環やジベンゾフラン環を構成する炭素原子の任意の一つ以上が窒素原子で置き換わった環、ベンゾジフラン環、ベンゾジチオフェン環、アクリジン環、ベンゾキノリン環、フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、サイクラジン環、キンドリン環、テペニジン環、キニンドリン環、トリフェノジチアジン環、トリフェノジオキサジン環、フェナントラジン環、アントラジン環、ペリミジン環、ナフトフラン環、ナフトチオフェン環、ナフトジフラン環、ナフトジチオフェン環、アントラフラン環、アントラジフラン環、アントラチオフェン環、アントラジチオフェン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、ジベンゾカルバゾール環、インドロカルバゾール環、ジチエノベンゼン環等が挙げられる。
Rで表される炭素数4〜39の4価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、ブタン−1,1,4,4−トリイル基、オクタン−1,1,8,8−トリイル基、デカン−1,1,10,10−トリイル基等の基が挙げられる。
また、Rで表される炭素数4〜39の4価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブタン−1,2,3,4−テトライル基、シクロペンタン−1,2,4,5−テトライル基、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトライル基、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトライル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトライル基、3,3′,4,4′−ジシクロヘキシルテトライル基、3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2,4,5−テトライル基、3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2,4,5−テトライル基等の基が挙げられる。
Φで表される上記結合基を有する又は有さない炭素数2〜39の2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、下記構造式で表される基が挙げられる。
Figure 2019023249
上記構造式において、nは、繰り返し単位の数を表し、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。また、Xは、炭素数1〜3のアルカンジイル基、つまり、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基であり、メチレン基が好ましい。
Φで表される上記結合基を有する又は有さない炭素数2〜39の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、下記構造式で表される基が挙げられる。
Figure 2019023249
Φで表される上記結合基を有する又は有さない炭素数2〜39の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、下記構造式で表される基が挙げられる。
Figure 2019023249
Φで表される脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基の組み合わせからなる基としては、例えば、下記構造式で示される基が挙げられる。
Figure 2019023249
Φで表される基としては、結合基を有する炭素数2〜39の2価の芳香族炭化水素基、又は該芳香族炭化水素基と脂肪族炭化水素基の組み合わせであることが好ましく、特に、以下の構造式で表される基が好ましい。
Figure 2019023249
本発明に用いられる酸無水物はカルボン酸無水物であり、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸の誘導体であることが好ましく、例えば、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸エステル類、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。なお、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸又はその誘導体のうち、脂環式テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
ここで、誘導体とは、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸に変化しうる化合物であり、例えば、脂肪族テトラカルボン酸二無水物の場合、当該無水物に代えて2つのカルボキシ基を有する化合物、これら2つのカルボキシ基の中の片方又は両方がエステル化されたエステル化物である化合物、又はこれら2つのカルボキシ基の中の片方又は両方がクロル化された酸クロライド等が好適に用いられる。
このようなアシル化合物を用いることにより、高い耐熱性と優れた光学特性とを有し、着色(黄変)の少ないフィルムを得ることができる。
脂肪族テトラカルボン酸としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。脂環式テトラカルボン酸としては、例えば、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸エステル類としては、例えば、上記脂肪族テトラカルボン酸のモノアルキルエステル、ジアルキルエステル、トリアルキルエステル、テトラアルキルエステルが挙げられる。脂環式テトラカルボン酸エステル類としては、例えば、上記脂環式テトラカルボン酸のモノアルキルエステル、ジアルキルエステル、トリアルキルエステル、テトラアルキルエステルが挙げられる。なお、アルキル基部位は、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましい。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。特に好ましくは、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物である。一般に、脂肪族ジアミンを構成成分とするポリイミドは、中間生成物であるポリアミド酸とジアミンが強固な塩を形成するため、高分子量化するためには塩の溶解性が比較的高い溶媒(例えばクレゾール、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等)を用いることが好ましい。ところが、脂肪族ジアミンを構成成分とするポリイミドでも、1,2,4,5−シクロへキサンテトラカルボン酸二無水物を構成成分としている場合には、ポリアミド酸とジアミンの塩は比較的弱い結合で結ばれているので、高分子量化が容易で、フレキシブルなフィルムが得られ易い。
他にも、例えば、4,4′−ビフタル酸無水物、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4′−オキシジフタル酸無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,4′−オキシジフタル酸無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物(ピグメントレッド224)1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物トリシクロ[6.4.0.02,7]ドデカン−1,8:2,7−テトラカルボン酸二無水物等を用いることができる。
また、フルオレン骨格を有する酸無水物又はその誘導体を用いても良い。ポリイミド特有の着色を改善する効果を有する。フルオレン骨格を有する酸無水物としては、例えば、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸二無水物、9,9−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレン酸二無水物等を用いることができる。
芳香族、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸又はその誘導体は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。また、ポリイミドの溶媒可溶性、フィルムのフレキシビリティ、熱圧着性、透明性を損なわない範囲で、他のテトラカルボン酸又はその誘導体(特に二無水物)を併用しても良い。
かかる他のテトラカルボン酸又はその誘導体としては、例えば、ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、4,4−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン等の芳香族系テトラカルボン酸及びこれらの誘導体(特に二無水物);エチレンテトラカルボン酸等の炭素数1〜3の脂肪族テトラカルボン酸及びこれらの誘導体(特に二無水物)等が挙げられる。
前記式(1.1)で表される繰り返し単位は、全ての繰り返し単位に対して好ましくは10〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%、更に好ましくは80〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%である。また、ポリイミド(A)1分子中の式(1.1)の繰り返し単位の個数は、10〜2000、好ましくは20〜200であり、この範囲において、更にガラス転移温度が230〜350℃であることが好ましく、250〜330℃であることがより好ましい。
(1.1.2)ジアミン側の構造
ジアミン又はその誘導体としては、例えば、芳香族ジアミン又はイソシアン酸エステル等が好ましく、芳香族ジアミンが好ましい。
本発明に用いられるジアミン又はその誘導体としては、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン又はこれらの混合物のいずれでも良く、芳香族ジアミンであることがフィルムの白化を抑制できる観点から、好ましい。
なお、本発明において「芳香族ジアミン」とは、アミノ基が芳香族環に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、その他の置換基(例えば、ハロゲン原子、スルホニル基、カルボニル基、酸素原子等。)を含んでいても良い。「脂肪族ジアミン」とは、アミノ基が脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に芳香族炭化水素基、その他の置換基(例えば、ハロゲン原子、スルホニル基、カルボニル基、酸素原子等。)を含んでいても良い。
芳香族ジアミンの例としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、ベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、オクタフルオロベンジジン、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,6−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2−メチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(2−メチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(2−メチル−4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(2−メチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(4−(2−メチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(4−(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチル−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−メチル−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(3−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(3−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)4−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)アダマンタン、1,1−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)アダマンタン、1,1−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)アダマンタン、1,4−フェニレンジアミン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3−アミノベンジルアミン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ビス(2−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−エチレンジアニリン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)等が挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ポリプロピレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−イソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−アミノ−イソプロピル)ベンゼン、イソフォロンジアミン、ノルボルナンジアミン、シロキサンジアミン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,2−ビス(4,4′−ジアミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4′−ジアミノメチルシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
また、ポリイミド特有の着色を改善する目的でフルオレン骨格を有するジアミン又はその誘導体を用いても良い。例えば、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−3−メチルフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−3−エチルフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレンなどを用いることができる。
また、下記式で表されるトリアジン母核を有するジアミン化合物を好ましく用いることができる。
Figure 2019023249
トリアジン母核を有する上記式のジアミン化合物において、Rは水素原子又は炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基またはアリール基を表し、Rは炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基またはアリール基を示し、RとRは異なっていても良く、同じであっても良い。
とRの炭素数1〜12のアルキル基またはアリール基としては、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、フェニル、ベンジル、ナフチル、メチルフェニル、ビフェニルなどが挙げられる。
トリアジンの2つのNH基に接続するアミノアニリノ基は、4−アミノアニリノ又は3−アミノアニリノであり、同じであっても異なっていても良いが、4−アミノアニリノが好ましい。
トリアジン母核を有する上記式で示されるジアミン化合物としては、具体的には、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−アニリノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−アニリノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ベンジルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−ベンジルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ナフチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ビフェニルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ジフェニルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−ジフェニルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ジベンジルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ジナフチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−N−メチルアニリノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−N−メチルナフチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−エチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−エチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ジエチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−アミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−アミノ−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
ジアミン誘導体であるイソシアン酸エステルとしては、例えば、上記芳香族又は脂肪族ジアミンとホスゲンを反応させて得られるジイソシアネートが挙げられる。
また、他のジアミン誘導体としては、ジアミノジシラン類も挙げられ、例えば上記芳香族又は脂肪族ジアミンとクロロトリメチルシランを反応させて得られるトリメチルシリル化した芳香族又は脂肪族ジアミンが挙げられる。
以上のジアミン及びその誘導体は任意に混合して用いても良いが、それらの中におけるジアミンの量が50〜100モル%となることが好ましく、80〜100モル%となることがより好ましい。
(1.1.3)ポリアミド酸の合成法及びイミド化
(1.1.3.1)ポリアミド酸の合成
ポリアミド酸は、適当な溶媒中で、前記テトラカルボン酸類の少なくとも1種類と、前記ジアミン類の少なくとも1種類を重合反応させることにより得られる。
また、ポリアミド酸エステルは、前記テトラカルボン酸二無水物を、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコールを用いて開環することによりジエステル化し、得られたジエステルを適当な溶媒中で前記ジアミン化合物と反応させることにより得ることができる。更に、ポリアミド酸エステルは、上記のように得られたポリアミド酸のカルボン酸基を、上記のようなアルコールと反応させることによりエステル化することによっても得ることができる。
前記テトラカルボン酸二無水物と、前記ジアミン化合物との反応は、従来知られている条件で行うことができる。テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の添加順序や添加方法には特に限定はない。例えば、溶媒にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを順に投入し、適切な温度で撹拌することにより、ポリアミド酸を得ることができる。
ジアミン化合物の量は、テトラカルボン酸二無水物1モルに対して、通常0.8モル以上、好ましくは1モル以上である。一方、通常1.2モル以下、好ましくは1.1モル以下である。ジアミン化合物の量をこのような範囲とすることにより、得られるポリアミド酸の収率が向上し得る。
溶媒中のテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の濃度は、反応条件やポリアミド酸溶液の粘度に応じて適宜設定する。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との合計の質量は、特段の制限はないが、全溶液量に対し、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上であり、一方、通常70質量%以下、好ましくは30質量%以下である。反応基質の量をこのような範囲とすることにより、低コストで収率良くポリアミド酸を得ることができる。
反応温度は、特段の制限はないが、通常0℃以上、好ましくは20℃以上であり、一方、通常100℃以下、好ましくは80℃以下である。反応時間は、特段の制限はないが、通常1時間以上、好ましくは2時間以上であり、一方、通常100時間以下、好ましくは24時間以下である。このような条件で反応を行うことにより、低コストで収率良くポリアミド酸を得ることができる。
この反応で用いられる重合溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン等の炭化水素系溶媒;四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン及びフルオロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン及びメトキシベンゼン等のエーテル系溶媒;アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン等の非プロトン系極性溶媒;ピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン及びイソキノリン等の複素環系溶媒;フェノール及びクレゾールのようなフェノール系溶媒、等が挙げられるが、特に限定されるものではない。重合溶媒としては、1種のみを用いることもできるし、2種類以上の溶媒を混合して用いることもできる。
ポリアミド酸の末端基は、重合反応時のテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物のいずれか一方を過剰に用いることによって、酸無水物基とアミノ基を任意に選ぶことができる。
末端基を酸無水物末端とした場合には、その後の処理を行わず酸無水物末端のままでも良く、加水分解させてジカルボン酸としても良い。また、炭素数が4以下のアルコールを用いてエステルとしても良い。更に、単官能のアミン化合物及び/又はイソシアネート化合物を用いて末端を封止しても良い。ここで用いるアミン化合物及び/又はイソシアネート化合物としては、単官能の第一級アミン化合物及び/又はイソシアネート化合物であれば、特に制限はなく用いることができる。例えば、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、トリメチルアニリン、エチルアニリン、ジエチルアニリン、トリエチルアニリン、アミノフェノール、メトキシアニリン、アミノ安息香酸、ビフェニルアミン、ナフチルアミン、シクロヘキシルアミン、フェニルイソシアナート、キシリレンイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、メチルフェニルイソシアネート、トリフルオロメチルフェニルイソシアネート等を挙げることができる。
また、末端基をアミン末端とした場合には、単官能の酸無水物によって、末端アミノ基を封止することで、アミノ基が末端に残ることを回避できる。ここで用いる酸無水物としては、加水分解した際にジカルボン酸又はトリカルボン酸となる単官能の酸無水物であれば、特に制限なく用いることができる。例えば、マレイン酸無水物、メチルマレイン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物、コハク酸無水物、ノルボルネンジカルボン酸無水物、4−(フェニルエチニル)フタル酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、フタル酸無水物、メチルフタル酸無水物、ジメチルフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ナフタレンジカルボン酸無水物、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、4−オキサトリシクロ[5.2.2.02,6]ウンデカン−3,5−ジオン、オクタヒドロ−1,3−ジオキソイソベンゾフラン−5−カルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ジメチルシクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等を挙げることができる。
(1.1.3.2)イミド化法
ここで、ポリイミドは、ポリアミド酸溶液を加熱してポリアミド酸をイミド化させる方
法(熱イミド化法)、又は、ポリアミド酸溶液に閉環触媒(イミド化触媒)を添加してポ
リアミド酸をイミド化させる方法(化学イミド化法)により得ることができる。
《フィルムのイミド化処理》
ポリアミド酸を用いて流延膜を形成した場合、得られたフィルムに対してイミド化処理を施すことでポリイミドフィルムを製造することができる。
本発明のポリアミック酸流延膜は、段階的に加熱することが好ましい。例えば、加熱処理によって溶媒を除去するとともにイミド化(脱水閉環)することによって好適にポリイミドを得ることができる。
加熱処理条件は、特に限定されないが、50℃〜150℃、150℃〜250℃の温度範囲で乾燥した後、更に300℃〜400℃、好ましくは350℃〜400℃の温度で加熱処理することが好ましい。これはイミド化反応率に合わせてポリアミド酸及びポリイミドのガラス転移温度に合わせた温度で加熱することによりイミド化が促進させるためである。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法においては、閉環触媒を含有しないポリアミド酸の溶液を流延してフィルムに成形し、支持体上で加熱乾燥した後、支持体よりフィルムを剥離し、更に高温下で乾燥熱処理することによりイミド化する(熱イミド化法)を用いることができる。なお、この方法の場合には、ポリアミド酸溶液に脱水剤を含有させることでイミド化の反応速度を向上させることができるが、脱水剤を含有させないことが好ましい。脱水剤を含有させないことで、残留脱水剤によるポリイミドフィルムの耐久性の低下を抑制することができる。
熱イミド化法においては、例えば赤外線ヒーターを用いることにより熱処理を行うことができる。赤外線ヒーターとしては、例えば、フィラメントを内管が囲むように形成されたヒーター本体が外管によって覆われ、ヒーター本体と外管との間に冷却流体が流通可能に構成されたものが用いられる。フィラメントは、700〜1200℃に通電加熱され、波長が3μm付近にピークを持つ赤外線を放射する。内管及び外管は、石英ガラスやホウケイ酸クラウンガラス等で作製されており、3.5μm以下の波長の赤外線を通過し、3.5μmを超える波長の赤外線を吸収するフィルターとして機能する。このような赤外線ヒーターは、フィラメントから波長が3μm付近にピークを持つ赤外線が放射されると、そのうち3.5μm以下の波長の赤外線を内管や外管を通過してフィルムに照射する。この波長の赤外線が照射されることにより、フィルム内の混合溶媒を効率的に蒸発させることができるとともに、フィルム内のポリアミド酸をイミド化することができる。なお、内管や外管は、3.5μmを超える波長の赤外線を吸収するが、流路を流れる冷却流体によって冷却されるため、フィルムから蒸発する混合溶媒の着火点未満の温度に維持することが可能である。
または、閉環触媒及び脱水剤を含有させたポリアミド酸の溶液を流延してフィルム状に成形し、支持体上でイミド化を一部進行させてフィルムとした後、支持体よりフィルムを剥離し、加熱乾燥/イミド化し、熱処理を行う(化学イミド化法)を用いることもできる閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチレンジアミン等の脂肪族第3級アミン及びイソキノリン、ピリジン、ピコリン等の複素環式第3級アミン等が挙げられるが、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも1種のアミンを使用することが好ましい。ポリアミド酸に対する閉環触媒の含有量は、閉環触媒の含有量(モル)/ポリアミド酸の含有量(モル)が、0.5〜8.0となる範囲が好ましい。
なお、この方法の場合、ポリアミド酸溶液に脱水剤を含有させることでイミド化を低温で進行させることができるためポリイミドフィルムの耐久性の低下を抑制することができる。
また、ポリアミド酸溶液を加熱してポリアミド酸をイミド化させる方法(熱イミド化法)、又は、ポリアミド酸溶液に閉環触媒(イミド化触媒)を添加してポリアミド酸をイミド化させる方法(化学イミド化法)については、上述の流延膜上に限らず、例えば、酸無水物とジアミンからポリアミド酸を重合する反応釜をそのまま継続して反応釜中でイミド化させてもよい。
反応釜中での熱イミド化法においては、上記重合溶媒中のポリアミド酸を、例えば80〜300℃の温度範囲で0.1〜200時間加熱処理してイミド化を進行させる。また、上記温度範囲を150〜200℃とすることが好ましく、150℃以上とすることにより、イミド化を確実に進行させて完了させることができ、一方、200℃以下とすることにより、溶媒や未反応原材料の酸化、溶剤溶媒の揮発による樹脂濃度の上昇を防止することができる。
更に、熱イミド化法においては、イミド化反応により生成する水を効率良く除去するために、上記重合溶媒に共沸溶媒を加えることができる。共沸溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素や、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等を用いることができる。共沸溶媒を使用する場合は、その添加量は、全有機溶媒量中の1〜30質量%程度、好ましくは5〜20質量%である。
一方、化学イミド化法においては、上記重合溶媒中のポリアミド酸に対し、公知の閉環触媒を添加してイミド化を進行させる。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチレンジアミン等の脂肪族第3級アミン及びイソキノリン、ピリジン、ピコリン等の複素環式第3級アミン等が挙げられるが、これ以外にも例えば、置換若しくは非置換の含窒素複素環化合物、含窒素複素環化合物のN−オキシド化合物、置換若しくは非置換のアミノ酸化合物、ヒドロキシ基を有する芳香族炭化水素化合物又は芳香族複素環状化合物が挙げられ、特に1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、5−メチルベンズイミダゾール等の低級アルキルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、イソキノリン、3,5−ジメチルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、4−n−プロピルピリジン等の置換ピリジン、p−トルエンスルホン酸等を好適に使用することができる。閉環触媒の添加量は、ポリアミド酸のアミド酸単位に対して0.01〜2倍当量、特に0.02〜1倍当量程度であることが好ましい。閉環触媒を使用することによって、得られるポリイミドの物性、特に伸びや破断抵抗が向上する場合がある。
また、上記熱イミド化法又は化学イミド化法においては、ポリアミド酸溶液中に脱水剤を添加しても良く、そのような脱水剤としては、例えば、無水酢酸等の脂肪族酸無水物、フタル酸無水物等の芳香族酸無水物等が挙げられ、これらを単独又は混合して使用することができる。また、脱水剤を用いると、低温で反応を進めることができ好ましい。なお、ポリアミド酸溶液に対し脱水剤を添加するのみでもポリアミド酸をイミド化させることが可能ではあるが、反応速度が遅いため、上記したように加熱又は閉環触媒の添加によりイミド化させることが好ましい。
このように反応釜中でイミド化させたポリイミド溶液は、ポリイミド溶液と比較して経時による加水分解による分子量低下が置き難いので有利である。
また、あらかじめイミド化反応が進んでいるため例えば、イミド化率100%のポリイミドの場合は、流延膜上でのイミド化が不要となり乾燥温度を下げることができる。
また、閉環したポリイミドを、貧溶媒などを用いて再沈殿、精製して固体にしてから溶媒に溶解し流延乾燥して製膜を行っても良い。
この方法によれば、重合溶剤と流延する溶剤とを異なる種類とすることが可能となり、それぞれに最適な溶剤を選択することで、ポリイミドフィルムの性能をより引き出すことが可能になる。
例えば、ポリアミド酸を高分子量化させるためにジメチルアセドアミドを用いて重合、閉環し、メタノールを用いて固体化、乾燥したのちにジクロロメタンで添加剤を入れた溶液化してから流延、乾燥することで、高分子量化と低温乾燥が可能となる。
また、溶剤としてジクロロメタンを使う場合、他の溶剤と組み合わせて使用することができる。テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、γブチロラクトン、エタノール、メタノール、ブタノール、イロプロパノールなど、適宜補助溶剤を使用することもできる。
また、ポリアミド酸は、流延時においてイミド化されていても良く、流延時のイミド化率としては10〜100%であることが好ましい。ここで、イミド化率としては、1H−NMRスペクトルからカルボキシ基残量を測定し、イミド化率を求めることができる。

本発明のポリイミドフィルムの製造方法では、上記のいずれの閉環方法を採用しても良いが、反応釜中での熱イミド化したポリイミド溶液を支持体上に流延する方法が、ポリイミド溶液中に残留物が少ない、また製膜温度を低温化できるという観点からより好ましい方法といえる。
(1.1.4)その他のポリイミド
上記したポリイミドの他に、リン、ケイ素、イオウなどの原子を含むポリイミドを用いることもできる。
例えば、リンを含むポリイミドとしては、特開2011−74209号公報の段落[0010]−[0021]及び特開2011−074177号公報の段落[0011]−[0025]にそれぞれ記載のポリイミドを用いることができる。
ケイ素を含むポリイミドとしては、特開2013−028796号公報の段落[0030]−[0045]に記載の、ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドを用いることができる。
イオウを含むポリイミドとしては、特開2010−189322号公報の段落[0009]−[0025]、特開2008−274234号公報の段落[0012]−[0025]及び特開2008−274229号公報の段落[0012]−[0023]にそれぞれ記載の、ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドを用いることができる。
その他にも、特開2009−256590号公報の段落[0008]−[0012]、特開2009−256589号公報の段落[0008]−[0012]に記載の脂環式ポリイミドなどを好ましく用いることができる。
(1.2)ポリアミドイミド
用いられるポリアミドイミドは、酸成分として、トリカルボン酸又はテトラカルボン酸、ジカルボン酸、アミン成分としてジアミンを構成単位として含むポリアミドイミドである。
用いられるポリアミドイミドは、酸成分として、
a)トリカルボン酸;ジフェニルエーテル−3,3′,4′−トリカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3′,4′−トリカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3′,4′−トリカルボン酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸などのトリカルボン酸等の一無水物、エステル化物などの単独、又は2種以上の混合物。
b)テトラカルボン酸;ジフェニルスルホン−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸一無水物、二無水物、エステル化物などの単独、又は2種以上の混合物。
c)ジカルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサン−4,4′−ジカルボン酸のジカルボン酸、及びこれらの一無水物やエステル化物。
アミン成分としては、
d)アミン成分
3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジエチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジエトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジアミノベンズアニリド、4,4′−ジアミノベンズアニリド、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、3,4′−ジアミノベンゾフェノン、2,6−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、2,2′−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジアミン、シクロヘキサン−1,4−ジアミン、ジアミノシロキサン、又はこれらに対応するジイソシアネート単独、又は2種以上の混合物が挙げられる。
特に、酸成分として、無水トリメリット酸(TMA)、3,3,4′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、及び3,3,4′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、イソシアネート成分として1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、を含む原料で重合されたポリアミドイミド樹脂であることが好ましい。
ポリアミドイミドのイミド結合とアミド結合のモル比は、99/1〜60/40モル比が好ましく、より好ましくは99/1〜75/25であり、さらにより好ましくは90/10〜80/20である。イミド結合とアミド結合のモル比が、60/40以上では、耐熱性、耐湿信頼性、耐熱信頼性が向上する。また、99/1以下であると、弾性率が低くなり、耐折特性、屈曲特性が向上する傾向にある。
(1.2.1)式(2)で表される構造を必須成分とするポリアミドイミド
一つの好ましい実施態様は、式(2)で表される構造を必須成分とし、更に、式(3)、式(4)及び式(5)で表される群より選ばれる少なくとも1種の構造を、繰り返し単位として分子鎖中に含有するポリアミドイミド樹脂である。
Figure 2019023249
Figure 2019023249
(Xは、酸素原子、CO、SO、又は、結合を表し、nは0又は1を表す。)
Figure 2019023249
(Yは、酸素原子、CO、又はOOC−R−COOを表し、nは0又は1を、Rは二価の有機基を表す。)
Figure 2019023249
ここで、式(3)中、Xは、SO、又は、結合(ビフェニル結合)、又は、n=0が好ましく、更に好ましくは、結合(ビフェニル結合)、又はn=0の場合である。式(4)中、Yは、ベンゾフェノン型(CO)、又は、結合型(ビフェニル結合)が好ましい。
一つの好ましい実施態様は式(2)が無水トリメリット酸と1,5−ナフタレンジイソシアネートからの繰り返し単位、式(3)がテレフタル酸と1,5−ナフタレンジイソシアネートからの繰り返し単位、式(4)がビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び/又は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と1,5−ナフタレンジイソシアネートからの繰り返し単位で、その含有比が式(2)/{式(3)+式(4)+式(5)}=1/99〜40/60モル比で、かつ、式(3)/式(4)=10/90〜90/10モル比が好ましい。
イミド化率は高いほど好ましく上限は100%である。上記ポリアミドイミド樹脂は、通常の方法で合成することができる。例えば、イソシアネート法、アミン法(酸クロリド法、低温溶液重合法、室温溶液重合法等)などであるが、本発明で用いるポリアミドイミド樹脂は有機溶媒に可溶なものが好ましく、前記通り、ピール強度(接着強度)の信頼性確保などの理由から、イソシアネート法による製造が好ましい。また、工業的にも、重合時の溶液がそのまま塗布できるため好ましい。
(1.2.2)式(6)又は(7)で表される構造を有するポリアミドイミド
好ましいポリアミドイミド樹脂として、下記式(6)を構成単位として含む化合物を好ましく用いることができる。以下式(6)で表される構造を有する化合物について説明する。
Figure 2019023249
(式中、Rはアリール基、シクロアルカン基であり、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンを含んでもよい。)
(ポリアミドイミド樹脂のジアミン成分)
また、ジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジアミノベンズアニリド、4,4′−ジアミノベンズアニリド、4,4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′−ジアミノベンゾフエノン、3,4′−ジアミノベンゾフエノン、2,6−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、P−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2′−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、4−メチル−1,3−フェニレンジアミン、3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジエチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジエトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン(トランス/シス混合物)、1,3−ジアミノシクロヘキサン、ジシクロへキシルメタン−4,4′―ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、イソホロンジアミン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕へプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕へプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、4,4′−メチレンビス(2−メチルシクロへキシルアミン)、4,4′−メチレンビス(2−エチルシクロへキシルアミン)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジメチルシクロへキシルアミン)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジエチルシクロへキシルアミン)、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミンなどの単独、若しくは、2種以上の混合物、又は、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、若しくは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
好ましくは、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、ジシクロへキシルメタン−4,4′−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、4−メチル−1,3−フェニレンジアミンなどの単独、若しくは、2種以上の混合物、又は、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、若しくは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
より好ましくは、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、ジシクロへキシルメタン−4,4′―ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4−メチル−1,3−フェニレンジアミンなどの単独、若しくは、2種以上の混合物、又は、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、若しくは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
さらに好ましくは、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、ジシクロへキシルメタン−4,4′−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、4−メチル−1,3−フェニレンジアミンなどの単独、若しくは、2種以上の混合物、又は、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、若しくは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
(好ましい酸成分、ジアミン成分の組み合わせ)
上記酸成分、ジアミン成分の中でも、フィルム化するプロセスでの耐熱性、耐溶媒性、及び耐久性、並びに、製造されるポリアミドイミドフィルムの耐熱性、表面平滑性、及び透明性から、以下の成分が好ましく用いられる。
酸成分として、シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を用いることができる。シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を酸成分とするポリアミドイミド樹脂を用いることができる。
ジアミン成分として、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル及び4−メチル−1,3−フェニレンジアミンからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種の化合物、又は、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアネートビフェニル(o−トリジンジイソシアネート)、及び4−メチル−1,3−フェニレンジイソシアネート(トリレンジイソシアネート)からなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種の化合物を用いることができる。
また、好ましいポリアミドイミド樹脂として、下記式(7)で表される構造を構成単位として含む化合物を用いることができる。
Figure 2019023249
(式中、R、Rはそれぞれ水素、炭素数1〜3のアルキル基又はアリール基であり、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンを含んでもよい。)
なお、全酸成分を100モル%とした場合、例示した酸成分は50モル%以上100%以下含まれるのがよく、より好ましくは70モル%以上100%以下含まれるのがよい。また、全ジアミン成分を100モル%とした場合、例示したジアミン成分は50モル%以上100%以下含まれるのがよく、より好ましくは70モル%以上100%以下含まれるがよい。これらの範囲であれば、フィルム化するプロセスでの耐熱性、耐久性がよく、得られるポリアミドイミドフィルムの耐熱性、表面平滑性、及び透明性が特に良くなる。
用いられるポリアミドイミド樹脂の分子量は、N−メチル−2−ピロリドン中(ポリマー濃度0.5g/cm)、30℃での対数粘度にして0.3から2.5cm/gに相当する分子量を有するものが好ましく、より好ましくは0.5から2.0cm/gに相当する分子量を有するものである。対数粘度が0.3cm/g以上であればフィルム等の成型物にしたとき、機械的特性が十分となる。また、2.0cm/g以下であると溶液粘度が高くなり過ぎず、成形加工が容易となる。
(1.3)ポリエーテルイミド
用いられるポリエーテルイミドは、その構造単位に芳香核結合及びイミド結合を含む熱可塑性樹脂であり、特に制限されるものでなく、具体的には、下記式(8)又は下記式(9)で表される構造の繰り返し単位を有するポリエーテルイミドであることが好ましい。
Figure 2019023249
上記式(8)で表される構造の繰り返し単位を有するポリエーテルイミドは、ゼネラルエレクトリック社製の商品名「Ultem 1000」(ガラス転移温度:216℃)、「Ultem 1010」(ガラス転移温度:216℃)、上記式(9)で表される構造の繰り返し単位を有するポリエーテルイミドは、「Ultem CRS5001」(ガラス転移温度Tg226℃)、が挙げられ、そのほかの具体例として、三井化学株式会社製の商品名「オーラムPL500AM」(ガラス転移温度258℃)などが挙げられる。
当該ポリエーテルイミドの製造方法は特に限定されるものではないが、通常、上記式(8)で表される構造を有する非晶性ポリエーテルイミドは、4,4′−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物とm−フェニレンジアミンとの重縮合物として、また上記構造式(9)で表される構造を有するポリエーテルイミドは、4,4′−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重縮合物として公知の方法によって合成される。
また、ポリエーテルイミドには、本発明の主旨を超えない範囲でアミド基、エステル基、スルホニル基など共重合可能なほかの単量体単位を含むものであってもよい。なお、ポリエーテルイミドは、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(1.4)ポリエステルイミド
イミド構造を有する透明耐熱性樹脂は、式(10)で表されるポリエステルイミド構造を構成単位中に含有することが好ましい。
Figure 2019023249
(式(10)中、Rは特定の構造を有する2価の基を示す。Rは2価の鎖式脂肪族基、2価の環式脂肪族基又は2価の芳香族基を示す。)
式(10)中、Rは、それぞれ、式(11)、式(12)又は式(13)で表される構造を有する2価の基を表す。
(式(11)で表される構造を有する2価の基)
Figure 2019023249
式(11)中、Rは、それぞれ2価の、鎖式脂肪族基、環式脂肪族基又は芳香族基を示し、複数個のRは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。これらの鎖式脂肪族基、環式脂肪族基又は芳香族基を、単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
mは1以上の正の整数であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましい。また、mの上限は特に限定されないが、好ましくは25以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは10以下である。25を超える場合では耐熱性が低下する傾向にある。
前記鎖式脂肪族基、環式脂肪族基又は芳香族基は、「2価のヒドロキシ基を有する鎖式脂肪族化合物」、「2価のヒドロキシ基を有する環式脂肪族化合物」又は「2価のヒドロキシ基を有する芳香族化合物」等のジオールから誘導される残基であることが望ましい。また、前記ジオールと炭酸エステル類やホスゲン等から重合され得る「ポリカーボネートジオール」から誘導される残基であってもよい。
「2価のヒドロキシ基を有する鎖式脂肪族化合物」としては、二つのヒドロキシ基を有する分岐状、又は直鎖状のジオールを用いることができる。たとえば、アルキレンジオール、ポリオキシアルキレンジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。「2価のヒドロキシ基を有する鎖式脂肪族化合物」として使用できる二つのヒドロキシ基を有する分岐状又は直鎖状のジオールを以下に挙げる。
アルキレンジオールとして、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンジオールとして、例えば、ジメチロールプロピオン酸(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸)、ジメチロールブタン酸(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、テトラメチレングリコールとネオペンチルグリコールとのランダム共重合体等が挙げられる。好ましくは、ポリオキシテトラメチレングリコールがよい。
ポリエステルジオールとしては、例えば、以下に例示される多価アルコールと多塩基酸とを反応させて得られる、ポリエステルジオール等が挙げられる。
ポリエステルジオールに用いる「多価アルコール成分」としては、任意の各種多価アルコールが使用可能である。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンメタノール、ネオペンチルヒドロキシピパリン酸エステル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物、水添加ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物、1,9−ノナンジオール、2−メチルオクタンジオール、1,10−ドデカンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロデカンメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール等を使用できる。
ポリエステルジオールに用いる「多塩基酸成分」としては、任意の各種多塩基酸を使用することができる。例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、2,2′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸などの脂肪族や脂環族二塩基酸が使用できる。
ポリエステルジオールの市販品として、具体的には、ODX−688(DIC(株)製脂肪族ポリエステルジオール:アジピン酸/ネオペンチルグリコール/1,6−ヘキサンジオール、数平均分子量約2000)、Vylon(登録商標)220(東洋紡(株)製ポリエステルジオール、数平均分子量約2000)などを挙げることができる。
ポリカプロラクトンジオールとして、例えば、γ−ブチルラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類を開環付加反応させて得られるポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
上述の「2価のヒドロキシ基を有する鎖式脂肪族化合物」を、単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
「2価のヒドロキシ基を有する環式脂肪族化合物」又は「2価のヒドロキシ基を有する芳香族化合物」としては、「芳香環やシクロヘキサン環に二つのヒドロキシ基を有する化合物」、「2個のフェノール若しくは脂環式アルコールが2価の官能基で結合された化合物」、「ビフェニル構造の両方の核にヒドロキシ基を一つずつ有する化合物」、「ナフタレン骨格に二つのヒドロキシ基を有する化合物」などが用いられる。
「芳香環やシクロヘキサン環に二つのヒドロキシ基を有する化合物」として、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、2−フェニルヒドロキノン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,3−アダマンタンジオール、ジシクロペンタジエンの2水和物、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸等のカルボキシ基含有ジオール等が使用できる。
「2個のフェノール」、又は、「脂環式アルコールが2価の官能基で結合された化合物」の例としては、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−(9−フルオレニリデン)ジフェノール、4,4′−ジヒドロキシジシクロヘキシルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジシクロヘキシルスルホン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等が使用できる。
また、「ビフェニル構造の両方の核にヒドロキシ基を一つずつ有する化合物」の例として、4,4′−ビフェノール、3,4′−ビフェノール、2,2′−ビフェノール、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ビフェノールなどが使用できる。
「ナフタレン骨格に二つのヒドロキシ基を有する化合物」の例としては2,6−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、1,8−ナフタレンジオール等が使用できる。
前記ジオールの数平均分子量は、100以上30000以下であることが好ましく、より好ましくは150以上20000以下であり、さらに好ましくは200以上10000以下である。数平均分子量が100未満では、低吸湿性、柔軟性が十分発揮できず、又、30000より大きいと、「ジオール」の組成、構造、後に説明するジアミン成分(又はイソシアネート成分)の組成、構造によっては、相分離し、機械的特性、無色透明性を十分発揮できない場合がある。
ポリカーボネートジオールとしては、その骨格中上述した複数種のアルキレン基を有するポリカーボネートジオール(共重合ポリカーボネートジオール)であってもよい。例えば、2−メチル−1,8−オクタンジオールと1,9−ノナンジオールの組み合わせ、3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールの組み合わせ、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールの組み合わせなどにより合成され得る共重合ポリカーボネートジオールなどを挙げることができる。好ましくは、2−メチル−1,8−オクタンジオールと1,9−ノナンジオールの組み合わせより合成され得る共重合ポリカーボネートジオールである。これらのポリカーボネートジオールを2種以上併用することもできる。
使用できるポリカーボネートジオールの市販品として(株)クラレ製クラレポリオールCシリーズ、旭化成ケミカルズ(株)デュラノール(登録商標)シリーズなどが挙げられる。例えば、クラレポリオールC−1015N、クラレポリオールC−1065N((株)クラレ製カーボネートジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール/1,9−ノナンジオール、数平均分子量約1000)、クラレポリオールC−2015N、クラレポリオールC2065N((株)クラレ製カーボネートジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール/1,9−ノナンジオール、数平均分子量約2000)、クラレポリオールC−1050、クラレポリオールC−1090((株)クラレ製カーボネートジオール:3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール、数平均分子量約1000)、クラレポリオールC−2050、クラレポリオールC−2090((株)クラレ製カーボネートジオール:3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール、数平均分子量約2000)、DURANOL(登録商標)−T5650E(旭化成ケミカルズ(株)製ポリカーボネートジオール:1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール、数平均分子量約500)、DURANOL(登録商標)−T5651(旭化成ケミカルズ(株)製ポリカーボネートジオール:1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール、数平均分子量約1000)、DURANOL(登録商標)−T5652(旭化成ケミカルズ(株)製ポリカーボネートジオール:1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール、数平均分子量約2000)などを挙げることができる。好ましくは、クラレポリオールC−1015N等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールの製造方法としては、原料ジオールと炭酸エステル類とのエステル交換、原料ジオールとホスゲンとの脱塩化水素反応を挙げることができる。原料である炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート;ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート;及びエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのアルキレンカーボネートが挙げられる。
(式(12)で表される構造を有する2価の基)
式(12)で示される構造を有する2価の基について説明する。
Figure 2019023249
式(12)中、Rは、直結、アルキレン基(−C2n−)、パーフルオロアルキレン基(−C2n−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−S(=O)−)、スルフィニル基(−SO−)、スルフェニル基(−S−)、カーボネート基(−OCOO−)、又はフルオレニリデン基を示す。nは1以上の正の整数である。nの上限は特に限定されないが、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下である。X〜Xは、それぞれが同じであっても、異なっていても良く、それぞれ水素、ハロゲン又はアルキル基を示す。
式(12)で表される構造を有する2価の基の具体例としては、特に限定されないが、ジフェニルエーテル骨格、ジフェニルスルホン骨格、9−フルオレニリデンジフェノール骨格、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物骨格又はビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格等が挙げられる。
前記骨格は、式(12)の両方のベンゼン環に各1個のヒドロキシ基を有する化合物から誘導される残基であることが好ましい。式(12)で表される構造を有する2価の基の原料としては、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−(9−フルオレニリデン)ジフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、4,4′−ビフェノール、3,4′−ビフェノール、2,2′−ビフェノール、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ビフェノール、2,6−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール又は1,8−ナフタレンジオール等が使用できる。
好ましくは、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−(9−フルオレニリデン)ジフェノール又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物がよい。さらに好ましくは、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物である。
これらの化合物を単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの原料を用いることで、式(10)のR位に、前記ジフェニルエーテル骨格等を導入することができる。
(式(13)で表される構造を有する2価の基)
Figure 2019023249
式(13)中、Rは、直結、アルキレン基(−C2n−)、パーフルオロアルキレン基(−C2n−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−S(=O)−)、スルフィニル基(−SO−)、スルフェニル基(−S−)、カーボネート基(−OCOO−)、又はフルオレニリデン基を示す。nは1以上の正の整数である。nの上限は特に限定されないが、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下である。X′〜X′は、それぞれが同じであっても、異なっていても良く、それぞれ水素、ハロゲン又はアルキル基を示す。
式(13)で表される構造を有する2価の基の具体例としては、特に限定されないが、ジシクロヘキシルエーテル骨格、ジシクロヘキシルスルホン骨格、水添ビスフェノールA骨格、水添ビスフェノールF骨格、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物骨格又は水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物骨格等が挙げられる。
前記骨格は、式(13)の両方のシクロヘキサン環に各1個のヒドロキシ基を有する化合物から誘導される残基であることが好ましい。式(13)で示される構造を有する2価の基の原料としては、4,4′−ジヒドロキシジシクロヘキシルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジシクロヘキシルスルホン、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物又は水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等が使用できる。
好ましくは、4,4′−ジヒドロキシジシクロヘキシルエーテル又は4,4′−ジヒドロキシジシクロヘキシルスルホンがよい。
これらの化合物を単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの原料を用いることで、式(10)のR位に、前記ジシクロヘキシルエーテル骨格等を導入することができる。
式(10)の構造は、一例を挙げるならば、シクロヘキサントリカルボン酸無水物のハロゲン化物とジオール類とを反応させエステル基含有テトラカルボン酸二無水物を得、次いで、そのエステル基含有テトラカルボン酸二無水物とジアミン又はジイソシアネート等とを縮合反応(ポリイミド化)させて得ることができる。
(式(14)で表される構造を有する2価の基)
ポリエステルイミド樹脂は、さらに、式(14)で表される構造を構成単位中に含有するのがよい。
Figure 2019023249
式(10)のR及び式(14)のR′について説明する。R及びR′はそれぞれ独立して、2価の鎖式脂肪族基、2価の環式脂肪族基又は2価の芳香族基であれば特に限定されない。これらの「2価の鎖式脂肪族基」、「2価の環式脂肪族基」、「2価の芳香族基」を、単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
好ましくは、Rは下記式(15)で示される構造を有する2価の基であり、R′は下記式(16)で表される構造を有する2価の基である。
(式(15)で表される構造を有する2価の基)
式(10)におけるRとしては、耐熱性、柔軟性、低吸湿性のバランス等から、式(15)で示される構造を有する2価の基であることが好ましい。
Figure 2019023249
式(15)中、Rは、直結、アルキレン基(−C2n−)、パーフルオロアルキレン基(−C2n−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−S(=O)−)、スルフィニル基(−SO−)又はスルフェニル基(−S−)を示す。nは1以上10以下の正の整数であることが好ましく、より好ましくは1以上5以下、さらに好ましくは1以上3以下である。X〜X16は、同じであっても、異なっていても良く、それぞれ水素、ハロゲン又はアルキル基を示す。
(式(16)で表される構造を有する2価の基)
式(16)におけるR′としては、耐熱性、柔軟性、低吸湿性のバランス等から、式(16)で表される構造を有する2価の基であることが好ましい。
Figure 2019023249
式(16)中、R′は、直結、アルキレン基(−C2n−)、パーフルオロアルキレン基(−C2n−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−S(=O)−)、スルフィニル基(−SO−)又はスルフェニル基(−S−)を示す。nは1以上10以下の正の整数であることが好ましく、より好ましくは1以上5以下、さらに好ましくは1以上3以下である。X′〜X16′は、同じであっても、異なっていても良く、それぞれ水素、ハロゲン又はアルキル基を示す。
式(10)及び式(14)において、「2価の鎖式脂肪族基」、「2価の環式脂肪族基」又は「2価の芳香族基」を式(10)のR位及び式(14)のR′位に導入するためには、それぞれ対応するジアミン成分又はジイソシアネート成分を用いることが好ましい。すわわち、「芳香族ジアミン又はそれに対応する芳香族ジイソシアネート」、「環式脂肪族ジアミン又はそれに対応する環式脂肪族ジイソシアネート」、「鎖式脂肪族ジアミン又はそれに対応する鎖式脂肪族ジイソシアネート」を適宜選択することによって、耐熱性、柔軟性、低吸湿性に優れたポリエステルイミド樹脂を得ることができる。
式(10)のR及び式(14)のR′のジアミン成分又はそれに対応するジイソシアネート成分は同一であっても異なっていてもよい。後述する好ましい製造方法に基づくならば、同一あるのが好ましい。
及びR′を基本骨格とするジアミン成分又はそれに対応するジイソシアネート成分について説明する。
「芳香族ジアミン又はそれに対応する芳香族ジイソシアネート」としては、具体的には、ジアミン化合物として例示すると、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、2,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノベンズアニリド、P−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、ベンジジン、3,3′−ジヒドロキシベンジジン、3,3′−ジメトキシベンジジン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジエチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジエトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、o−トリジン、m−トリジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジアミノターフェニル等が挙げられる。また、これらは、2種類以上併用することもできる。
また、「環式脂肪族ジアミン又はそれに対応する環式脂肪族ジイソシアネート」としては、ジアミン化合物として例示すると、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン(トランス/シス混合物)、1,3−ジアミノシクロヘキサン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン) (トタンス体、シス体、トランス/シス混合物)、イソホロンジアミン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、4,4′−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、4,4′−メチレンビス(2−エチルシクロヘキシルアミン)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジメチルシクロヘキシルアミン)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジエチルシクロヘキシルアミン)、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。また、これらは、2種類以上併用することもできる。
「鎖式脂肪族ジアミン又はそれに対応する鎖式脂肪族ジイソシアネート」としては、ジアミン化合物として例示すると、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン等が挙げられる。また、これらは、2種類以上併用することもできる。
耐熱性、柔軟性、低吸湿性のバランス等から、式(10)中のR及び式(14)中のR′のジアミン成分又はそれに対応するジイソシアネート成分として好ましい成分は、ジアミン化合物として例示すると、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジアミン、o−トリジン、ジアミノターフェニル、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン等から誘導される残基である。より好ましくは、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジアミン、o−トリジンであり、さらに好ましいのは、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、o−トリジンである。最も好ましくは4,4′−ジアミノジフェニルメタン、o−トリジンから誘導される残基である。
〔2〕カルボニル基を有する有機化合物
本発明のポリイミドフィルムは、ポリイミドとポリイミド以外の数平均分子量が300〜10000の範囲内でありカルボニル基を有する有機化合物とを含有する。
このようなカルボニル基を有する有機化合物としては、エステル系化合物、アクリル系化合物、アミド系化合物及びウレタン系化合物から選らばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
カルボニル基を有する有機化合物の添加量はポリイミドに対して0.1〜20質量%であることが好ましい。また、ポリイミドの全光線透過率が80%以上の透明ポリイミドである場合、得られる効果がより顕著となる。以下述べるカルボニル基を有する有機化合物から数平均分子量が300〜10000の範囲内のものを本発明のポリイミドフィルムに用いることができる。
(2.1)エステル系化合物
エステル系化合物は有機酸又は無機酸のオキソ酸とアルコール又はフェノールのようなヒドロキシ基を含む化合物との縮合反応で得られる化合物である。これらの中では、カルボン酸とアルコールの縮合反応で得られるカルボン酸エステルであることが好ましい。
カルボン酸エステルを構成するカルボン酸は脂肪族カルボン酸でもよいし、環を形成してもよく、芳香族カルボン酸でもよい。エステルを構成するカルボン酸は、置換基を有してもよい。
カルボン酸エステルを構成するアルコールとしては、脂肪族アルコール、脂環族アルコール、芳香族アルコール等を用いることができる。
エステル系化合物は、ジカルボン酸とジオールを重縮合して得られるポリエステルを主成分として含むポリエステル系樹脂であっても良い。ジカルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸又はこれらの誘導体等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ジオールとしては、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオール等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下、好ましい構造について述べる。エステル系化合物の中で好ましい構造は、糖エステル、重縮合エステル、多価アルコールエステル、セルロースアシレートがあげられる。
(2.1.1)糖エステル
本発明に係るカルボニル基を有する有機化合物として糖エステルを好ましく用いることができる。本発明に用いられる糖エステルとしては、ピラノース環又はフラノース環の少なくとも1種を1個以上12個以下有しその構造のOH基の全て若しくは一部をエステル化した糖エステルであることが好ましい。
本発明に用いられる糖エステルとは、フラノース環又はピラノース環の少なくともいずれかを含む化合物であり、単糖であっても、糖構造が2〜12個連結した多糖であってもよい。そして、糖エステルは、糖構造が有するOH基の少なくとも一つがエステル化された化合物が好ましい。本発明に係る糖エステルにおいては、平均エステル置換度が、4.0〜8.0の範囲内であることが好ましく、5.0〜7.5の範囲内であることがより好ましい。
本発明に用いられる糖エステルとしては、特に制限はないが、下記一般式(B)で表される糖エステルを挙げることができる。
一般式(B)
(HO)−G−(O−C(=O)−R
上記一般式(B)において、Gは、単糖類又は二糖類の残基を表し、Rは、脂肪族基又は芳香族基を表し、mは、単糖類又は二糖類の残基に直接結合しているヒドロキシ基の数の合計であり、nは、単糖類又は二糖類の残基に直接結合している−(O−C(=O)−R)基の数の合計であり、3≦m+n≦8であり、n≠0である。
一般式(B)で表される構造を有する糖エステルは、ヒドロキシ基の数(m)、−(O−C(=O)−R)基の数(n)が固定された単一種の化合物として単離することは困難であり、式中のm、nの異なる成分が数種類混合された化合物となることが知られている。したがって、ヒドロキシ基の数(m)、−(O−C(=O)−R)基の数(n)が各々変化した混合物としての性能が重要であり、本発明のポリイミドフィルムの場合、平均エステル置換度が、5.0〜7.5の範囲内である糖エステルが好ましい。
上記一般式(B)において、Gは単糖類又は二糖類の残基を表す。単糖類の具体例としては、例えばアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソースなどが挙げられる。
以下に、一般式(B)で表される糖エステルの単糖類残基を有する化合物の具体例を示すが、本発明はこれら例示する化合物に限定されるものではない。
Figure 2019023249
また、二糖類残基の具体例としては、例えば、トレハロース、スクロース、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、イソトレハロース等が挙げられる。
以下に、一般式(B)で表される糖エステルの二糖類残基を有する化合物の具体例を示すが、本発明はこれら例示する化合物に限定されるものではない。
Figure 2019023249
一般式(B)において、Rは、脂肪族基又は芳香族基を表す。ここで、脂肪族基及び芳香族基は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい。
また、一般式(B)において、mは、単糖類又は二糖類の残基に直接結合しているヒドロキシ基の数の合計であり、nは、単糖類又は二糖類の残基に直接結合している−(O−C(=O)−R)基の数の合計である。そして、3≦m+n≦8であることが必要であり、4≦m+n≦8であることが好ましい。また、n≠0である。なお、nが2以上である場合、−(O−C(=O)−R)基は互いに同じでもよいし異なっていてもよい。
の定義における脂肪族基は、直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよく、炭素数1〜25のものが好ましく、1〜20のものがより好ましく、2〜15のものが特に好ましい。脂肪族基の具体例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、アミル、iso−アミル、tert−アミル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、ビシクロオクチル、アダマンチル、n−デシル、tert−オクチル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ジデシル等の各基が挙げられる。
また、Rの定義における芳香族基は、芳香族炭化水素基でもよいし、芳香族複素環基でもよく、より好ましくは芳香族炭化水素基である。芳香族炭化水素基としては、炭素数が6〜24のものが好ましく、6〜12のものがさらに好ましい。芳香族炭化水素基の具体例としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、ターフェニル等の各環が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環が特に好ましい。芳香族複素環基としては、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子のうち少なくとも一つを含む環が好ましい。複素環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデン等の各環が挙げられる。芳香族複素環基としては、ピリジン環、トリアジン環、キノリン環が特に好ましい。
次に、一般式(B)で表される糖エステルの好ましい例を下記に示すが、本発明はこれらの例示する化合物に限定されるものではない。
糖エステルは一つの分子中に二つ以上の異なった置換基を含有していても良く、芳香族置換基と脂肪族置換基を1分子内に含有、異なる二つ以上の芳香族置換基を1分子内に含有、異なる二つ以上の脂肪族置換基を1分子内に含有することができる。
また、2種類以上の糖エステルを混合して含有することも好ましい。芳香族置換基を含有する糖エステルと、脂肪族置換基を含有する糖エステルを同時に含有することも好ましい。
Figure 2019023249
Figure 2019023249
〈合成例:一般式(B)で表される糖エステルの合成例〉
以下に、本発明に好適に用いることのできる糖エステルの合成の一例を示す。
Figure 2019023249
撹拌装置、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた四頭コルベンに、ショ糖を34.2g(0.1モル)、無水安息香酸を180.8g(0.8モル)、ピリジンを379.7g(4.8モル)、それぞれ仕込み、撹拌下で窒素ガス導入管から窒素ガスをバブリングさせながら昇温し、70℃で5時間エステル化反応を行った。次に、コルベン内を4×10Pa以下に減圧し、60℃で過剰のピリジンを留去した後に、コルベン内を1.3×10Pa以下に減圧し、120℃まで昇温させ、無水安息香酸、生成した安息香酸の大部分を留去した。そして、次にトルエンを1L、0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液を300g添加し、50℃で30分間撹拌した後、静置して、トルエン層を分取した。最後に、分取したトルエン層に水を100g添加し、常温で30分間水洗した後、トルエン層を分取し、減圧下(4×10Pa以下)、60℃でトルエンを留去させ、化合物A−1、A−2、A−3、A−4及びA−5の混合物を得た。得られた混合物をHPLC及びLC−MASSで解析したところ、A−1が7質量%、A−2が58質量%、A−3が23質量%、A−4が9質量%、A−5が3質量%で、糖エステルの平均エステル置換度が、6.57であった。なお、得られた混合物の一部をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、それぞれ純度100%のA−1、A−2、A−3、A−4及びA−5を得た。
(2.1.2)重縮合エステル
本発明のポリイミドフィルムにおいては、本発明に係るカルボニル基を有する有機化合物として、下記一般式(C)で表される構造を有する重縮合エステルを用いることが、温湿度環境変動に対する寸法安定性の観点から好ましい。
一般式(C)
−(G−A)−G−B
上記一般式(C)において、B及びBは、それぞれ独立に脂肪族又は芳香族モノカルボン酸残基、若しくはヒドロキシ基を表す。Gは、炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、炭素数6〜12のアリールグリコール残基又は炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。Aは、炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。nは1以上の整数を表す。
本発明において、重縮合エステルは、ジカルボン酸とジオールを反応させて得られる繰り返し単位を含む重縮合エステルであり、Aは重縮合エステル中のカルボン酸残基を表し、Gはアルコール残基を表す。
重縮合エステルを構成するジカルボン酸は、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸又は脂環式ジカルボン酸であり、好ましくは芳香族ジカルボン酸である。ジカルボン酸は、1種類であっても、2種類以上の混合物であってもよい。特に芳香族、脂肪族を混合させることが好ましい。
重縮合エステルを構成するジオールは、芳香族ジオール、脂肪族ジオール又は脂環式ジオールであり、好ましくは脂肪族ジオールであり、より好ましくは炭素数1〜4のジオールである。ジオールは、1種類であっても、2種類以上の混合物であってもよい。
中でも、少なくとも芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と、炭素数1〜8のジオールとを反応させて得られる繰り返し単位を含むことが好ましく、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸とを含むジカルボン酸と、炭素数1〜8のジオールとを反応させて得られる繰り返し単位を含むことがより好ましい。
重縮合エステルの分子の両末端は、封止されていても、封止されていなくてもよい。
一般式(C)のAを構成するアルキレンジカルボン酸の具体例としては、1,2−エタンジカルボン酸(コハク酸)、1,3−プロパンジカルボン酸(グルタル酸)、1,4−ブタンジカルボン酸(アジピン酸)、1,5−ペンタンジカルボン酸(ピメリン酸)、1,8−オクタンジカルボン酸(セバシン酸)などから誘導される2価の基が含まれる。Aを構成するアルケニレンジカルボン酸の具体例としては、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。Aを構成するアリールジカルボン酸の具体例としては、1,2−ベンゼンジカルボン酸(フタル酸)、1,3−ベンゼンジカルボン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
Aは、1種類であっても、2種類以上が組み合わされてもよい。中でも、Aは、炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸と炭素原子数8〜12のアリールジカルボン酸との組み合わせが好ましい。
一般式(C)中のGは、炭素原子数2〜12のアルキレングリコールから誘導される2価の基、炭素原子数6〜12のアリールグリコールから誘導される2価の基、又は炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコールから誘導される2価の基を表す。
における炭素原子数2〜12のアルキレングリコールから誘導される2価の基の例には、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、及び1,12−オクタデカンジオール等から誘導される2価の基が含まれる。
における炭素原子数6〜12のアリールグリコールから誘導される2価の基の例には、1,2−ジヒドロキシベンゼン(カテコール)、1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)などから誘導される2価の基が含まれる。Gにおける炭素原子数が4〜12のオキシアルキレングリコールから誘導される2価の基の例には、ジエチレングルコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどから誘導される2価の基が含まれる。
は、1種類であっても、2種類以上が組み合わされてもよい。中でも、Gは、炭素原子数2〜12のアルキレングリコールから誘導される2価の基が好ましく、2〜5がさらに好ましく、2〜4が最も好ましい。
一般式(C)におけるB及びBは、各々芳香環含有モノカルボン酸又は脂肪族モノカルボン酸から誘導される1価の基、若しくはヒドロキシ基である。
芳香環含有モノカルボン酸から誘導される1価の基における芳香環含有モノカルボン酸は、分子内に芳香環を含有するカルボン酸であり、芳香環がカルボキシ基と直接結合したものだけでなく、芳香環がアルキレン基などを介してカルボキシ基と結合したものも含む。芳香環含有モノカルボン酸から誘導される1価の基の例には、安息香酸、パラターシャリブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸、フェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸などから誘導される1価の基が含まれる。中でも安息香酸、パラトルイル酸が好ましい。
脂肪族モノカルボン酸から誘導される1価の基の例には、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、カプリル酸、カプロン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸などから誘導される1価の基が含まれる。中でも、アルキル部分の炭素原子数が1〜3であるアルキルモノカルボン酸から誘導される1価の基が好ましく、アセチル基(酢酸から誘導される1価の基)がより好ましい。
以下一般式(C)で表される構造を有する重縮合エステルの例を示す。
Figure 2019023249
Figure 2019023249
Figure 2019023249
以下、上記説明した重縮合エステルの具体的な合成例について記載する。
〈重縮合エステルP1〉
エチレングリコール180g、無水フタル酸278g、アジピン酸91g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応のエチレングリコールを減圧留去することにより、重縮合エステルP1を得た。酸価0.20、数平均分子量450であった。
〈重縮合エステルP2〉
1,2−プロピレングリコール251g、無水フタル酸103g、アジピン酸244g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、下記重縮合エステルP2を得た。酸価0.10、数平均分子量450であった。
Figure 2019023249
〈重縮合エステルP3〉
1,4−ブタンジオール330g、無水フタル酸244g、アジピン酸103g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応の1,4−ブタンジオールを減圧留去することにより、重縮合エステルP3を得た。酸価0.50、数平均分子量2000であった。
〈重縮合エステルP4〉
1,2−プロピレングリコール251g、テレフタル酸354g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、重縮合エステルP4を得た。酸価0.10、数平均分子量400であった。
〈重縮合エステルP5〉
1,2−プロピレングリコール251g、テレフタル酸354g、p−トロイル酸680g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、下記重縮合エステルP5を得た。酸価0.30、数平均分子量400であった。
Figure 2019023249
〈重縮合エステルP6〉
180gの1,2−プロピレングリコール、292gのアジピン酸、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中200℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、重縮合エステルP6を得た。酸価0.10、数平均分子量400であった。
〈重縮合エステルP7〉
180gの1,2−プロピレングリコール、無水フタル酸244g、アジピン酸103g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中200℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、重縮合エステルP7を得た。酸価0.10、数平均分子量320であった。
〈重縮合エステルP8〉
エチレングリコール251g、無水フタル酸244g、コハク酸120g、酢酸150g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中200℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応のエチレングリコールを減圧留去することにより、重縮合エステルP8を得た。酸価0.50、数平均分子量1200であった。
〈重縮合エステルP9〉
上記重縮合エステルP2と同様の製造方法で、反応条件を変化させて、酸価0.10、数平均分子量315の重縮合エステルP9を得た。
(2.1.3)多価アルコールエステル
本発明のポリイミドフィルムにおいては、本発明に係るカルボニル基を有する有機化合物として多価アルコールエステルを含有することも好ましい。
多価アルコールエステルは2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなる化合物であり、分子内に芳香環又はシクロアルキル環を有することが好ましい。好ましくは2〜20価の脂肪族多価アルコールエステルである。
本発明に好ましく用いられる多価アルコールは次の一般式(D)で表される。
一般式(D)
11−(OH)
ただし、R11はn価の有機基、nは2以上の正の整数、OH基はアルコール性、及び/又はフェノール性ヒドロキシ基を表す。
好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。
特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。
好ましいモノカルボン酸の例としては以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖又は側鎖を有する脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数は1〜20であることが更に好ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有させるとセルロースアセテートとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、又はそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基、メトキシ基又はエトキシ基などのアルコキシ基を1〜3個を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、又はそれらの誘導体を挙げることができる。特に安息香酸が好ましい。
多価アルコールエステルの数平均分子量は特に制限はないが、300〜1500の範囲であることが好ましく、350〜750の範囲であることが更に好ましい。分子量が大きい方が
揮発し難くなるため好ましく、透湿性、セルロースアシレートとの相溶性の点では小さい方が好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は、全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
以下に、多価アルコールエステルの具体的化合物を例示する。
Figure 2019023249
Figure 2019023249
Figure 2019023249
Figure 2019023249
(2.1.3.1)グリコール酸のエステル類
また、本発明においては、多価アルコールエステル類の1種として、グリコール酸のエステル類(グリコレート化合物)を用いることができる。
本発明に適用可能なグリコレート化合物としては、特に限定されないが、アルキルフタリルアルキルグリコレート類が好ましく用いることができる。
アルキルフタリルアルキルグリコレート類としては、例えば、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等が挙げられ、好ましくはエチフタリルエチルグリコレートである。
本発明に用いられる多価アルコールエステルは、従来公知の一般的な合成方法に従って合成することができる。
(2.1.4)セルロースアシレート
本発明に係るカルボニル基を有する有機化合物としてセルロースアシレートを好ましく用いることができる。特に好適な好ましく用いられるセルロースアシレートとしては、アシル基の置換度が2.50〜2.98の範囲のものが挙げられ、アシル基がアセチル基、プロピオニル基及びブチリル基から選ばれる少なくとも一つのものである。具体的にはセルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレート等を挙げることができ、本発明においては、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートが好ましい。アセチル基の置換度が1.40以上であることが好ましい。セルロースアシレートの原料となるセルロースは特に限定はなく、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを用いることができる。これらを混合して使用してもよい。綿花リンターから合成されたセルロースアシレートの比率が60質量%以上であることが好ましく、85質量%以上がさらに好ましく、100質量%であることが最も好ましい。セルロースアシレートの合成方法は、特に限定はないが、例えば、特開平10−45804号公報に記載の方法で合成することができる。アシル基の置換度の測定方法は、ASTM−D817−96により測定することができる。
(2.2)アクリル系化合物
アクリル系化合物は、分子内にアクリル基又はメタクリル基を有する化合物をいう。このようなアクリル系化合物としては、特に制限されないが、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル)が用いられているオリゴマーであることが好ましい。または、分子内にアクリル基又はメタクリル基を有する化合物との共重合体であっても構わない。
他の共重合性モノマー成分としては、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルなどの非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸アリールエステルなどの芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;エチレンなどのオレフィン系モノマー;塩化ビニル;イソシアネート基含有モノマー等が挙げられる。
以下、好ましい構造について述べる。
下記一般式(E)で表され、数平均分子量(Mn)が300〜10000の範囲内であるアクリル樹脂化合物は、本発明に係るカルボニル基を有する有機化合物として好ましい。
一般式(E)
−[CH−C(−R)(−CO)]−[CH−C(−R)(−CO−OH)−]
(式中、R、R、はH又はCH、R、RはCH又はC又はC、m、nは繰り返し単位を表す)
一般式(E)で表される化合物は、下記エチレン性不飽和モノマーXaの一種、及び下記エチレン性不飽和モノマーXbの一種とを共重合して得られたポリマーであることが好ましい。
−(Xa)−(Xb)− (m、nは繰り返し単位を表す)
一般式(E)で表される化合物を構成するモノマー単位としてのモノマーを下記に挙げるがこれに限定されない。
エチレン性不飽和モノマーXaは、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、アクリル酸(2−エトキシエチル)等、又は上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたものを挙げることができる。中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル(i−、n−)であることが好ましい。
エチレン性不飽和モノマーXbは、アクリル酸又はメタクリル酸エステルが好ましく、例えば、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、又はこれらアクリル酸をメタクリル酸に置き換えたものを挙げることができ、好ましくは、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)及びメタクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)である。
Xa、Xbのモル組成比m:nは99:1〜65:35の範囲が好ましく、更に好ましくは95:5〜75:25の範囲である。
Xaのモル組成比が多いとポリイミドとの相溶性が良化するが、フィルムの耐熱性が低下する。Xbのモル組成比が多いと上記相溶性が悪くなる。また、Xbのモル組成比が上記範囲を超えると製膜時にヘイズが出る傾向があり、これらの最適化を図りXa、Xbのモル組成比を決めることが好ましい。
一般式(E)で表される化合物を合成するには、通常の重合では分子量のコントロールが難しく、分子量を余り大きくしない方法でできるだけ分子量を揃えることのできる方法を用いることが望ましい。かかる重合方法としては、クメンペルオキシドやt−ブチルヒドロペルオキシドのような過酸化物重合開始剤を使用する方法、重合開始剤を通常の重合より多量に使用する方法、重合開始剤の他にメルカプト化合物や四塩化炭素等の連鎖移動剤を使用する方法、重合開始剤の他にベンゾキノンやジニトロベンゼンのような重合停止剤を使用する方法、更に特開2000−128911号公報又は同2000−344823号公報にあるような一つのチオール基と2級のヒドロキシ基とを有する化合物、又は、該化合物と有機金属化合物を併用した重合触媒を用いて塊状重合する方法等を挙げることができ、いずれも本発明において好ましく用いられるが、特に、分子中にチオール基と2級のヒドロキシ基とを有する化合物を連鎖移動剤として使用する重合方法が好ましい。
この場合、一般式(E)で表される化合物の末端には、重合触媒及び連鎖移動剤に起因するヒドロキシ基、チオエーテルを有することとなる。この末端残基により、一般式(E)で表される化合物と脂環式構造を有する重合体樹脂との相溶性を調整することができる。
また、重合温度は通常室温から130℃、好ましくは50〜100℃で行われるが、この温度又は重合反応時間を調整することで分子量のコントロールが可能である。
また、一般式(E)で表される化合物のヒドロキシ価は30〜150[mgKOH/g]であることが好ましい。
(ヒドロキシ価の測定方法)
この測定は、JIS K 0070(1992)に準ずる。このヒドロキシ価は、試料1gをアセチル化させたとき、ヒドロキシ基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数と定義される。具体的には試料Xg(約1g)をフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬(無水酢酸20mlにピリジンを加えて400mlにしたもの)20mlを正確に加える。フラスコの口に空気冷却管を装着し、95〜100℃のグリセリン浴にて加熱する。
1時間30分後、冷却し、空気冷却管から精製水1mlを加え、無水酢酸を酢酸に分解する。次に電位差滴定装置を用いて0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液で滴定を行い、得られた滴定曲線の変曲点を終点とする。更に空試験として、試料を入れないで滴定し、滴定曲線の変曲点を求める。
ヒドロキシ価は、次の式によって算出する。
ヒドロキシ価={(B−C)×f×28.05/X}+D
(式中、Bは空試験に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、Cは滴定に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、fは0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター、Dは酸価、また、28.05は水酸化カリウムの1mol量56.11の1/2を表す)
(2.3)アミド系化合物
アミド系化合物は分子内にアミド結合を有する化合物である。このような化合物としては、脂環族アミド系化合物、芳香族アミド系化合物、脂環族アミド系化合物等をあげることができる。
(2.4)ウレタン系化合物
ウレタン系化合物は分子内にウレタン結合を有する化合物である。ウレタン系化合物として、イソシアネートとポリオールモノマーが縮合しウレタン結合を有するポリウレタンを使用することができる。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリルポリオール及びポリカーボネートポリオールなどの高分子ポリオール化合物が挙げられる。また、高分子ポリオール化合物としては、末端をヒドロキシ基としたウレタンプレポリマーを用いることができる。
イソシアネート化合物としては、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、へキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。高分子イソシアネート化合物として、分子末端にイソシアネート基を持ったポリマー化合物が挙げられる。また、必要に応じて鎖延長剤として短鎖のポリオールやポリアミンを用いることができる。
また、ウレタン樹脂としてポリエステルとp,p’−ジフェニルメタンジイソシアナートとを反応させて合成したウレタン樹脂を本発明に係るカルボニル基を有する有機化合物として用いることができる。ポリイミドフィルムに添加すると引き裂き強度が更に高くなり、ブリードアウトも更に抑えることができ、また透明度を高めることもできる。さらに透湿性を抑えることもできる。
(2.5)その他のカルボニル基を有する化合物
本発明に係るカルボニル基を有する有機化合物として下記一般式(A1)で表される構造の化合物を用いることが好ましい。下記一般式(A1)で表される構造を有する化合物はポリイミドとともに用いることにより、そりの変動を抑える本発明の効果に加えて、例えば、偏光板を液晶表示装置に用いたとき、環境の温湿度変動による位相差の変動の発生を抑え、コントラスト低下や色むらの発生を抑制することができる。さらに、位相差上昇剤としても機能することができる。
(一般式(A1)で表される構造を有する化合物)
Figure 2019023249
上記一般式(A1)において、A、A及びBは、それぞれ独立に、アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチヘキシル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等)、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表す。この中で、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環が好ましく、特に、5員若しくは6員の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環であることが好ましい。
、L、L及びLは、それぞれ独立に、単結合又は、2価の連結基を表し、2個以下の原子を介して、5員若しくは6員の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環が連結されている。
及びTは、それぞれ独立に、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,3−トリアゾール環又は1,2,4−トリアゾール環を表すことが好ましい。
そして、A、A、L、L、L3、、T又はTは、カルボニル基を少なくとも有している。カルボニル基は、一般式(A1)で表される構造を有する化合物に、2〜4個の範囲内で含まれることが好ましい。カルボニル基は、A、A、B、T又はT上の置換基に有していても良いし、又はL、L、L又はLにカルボニル基のいずれに含まれていても良いが、L、L、L又はLに少なくとも含まれることが好ましい。
5員若しくは6員の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環の構造に制限はないが、例えば、ベンゼン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、フラン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、イソオキサジアゾール環、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、イソチアジアゾール環等が挙げられる。
、A及びBで表される5員若しくは6員の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環は、置換基を有していてもよく、当該置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等)、アルケニル基(ビニル基、アリル基等)、シクロアルケニル基(2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル基等)、アルキニル基(エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素環基(フェニル基、p−トリル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(2−ピロール基、2−フリル基、2−チエニル基、ピロール基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、ピラゾリノン基、ピリジル基、ピリジノン基、2−ピリミジニル基、トリアジン基、ピラゾール基、1,2,3−トリアゾール基、1,2,4−トリアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、1,2,4−オキサジアゾール基、1,3,4−オキサジアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、1,2,4−チオジアゾール基、1,3,4−チアジアゾール基等)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルデヒド基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等)、アシルオキシ基(ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等)、アミノ基(アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等)、アシルアミノ基(ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等)、メルカプト基、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等)、スルファモイル基(N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N′−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等)、スルホ基、アシル基(アセチル基、ピバロイルベンゾイル基等)、カルバモイル基(カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等)等の各基が挙げられる。
前記一般式(A1)において、A、A及びBは、ベンゼン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,3−トリアゾール環又は1,2,4−トリアゾール環を表すことが、光学特性の変動効果に優れ、かつ耐久性に優れたポリイミドフィルムが得られるために好ましい。
前記一般式(A1)において、T及びTは、それぞれ独立に、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,3−トリアゾール環又は1,2,4−トリアゾール環を表すことが好ましい。これらの中で、ピラゾール環、トリアゾール環又はイミダゾール環であることが、温湿度環境変動に対する位相差の変動抑制効果に特に優れ、かつ耐久性に優れた樹脂組成物が得られるために好ましく、ピラゾール環であることが特に好ましい。T及びTで表されるピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環又は1,2,4−トリアゾール環、イミダゾール環は、互変異性体であってもよい。ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,3−トリアゾール環又は1,2,4−トリアゾール環の具体的な構造を下記に示す。
Figure 2019023249
式中、※は一般式(A1)におけるL、L、L又はLとの結合位置を表す。Rは水素原子又は非芳香族置換基を表す。Rで表される非芳香族置換基としては、前記一般式(A1)におけるAが有してもよい置換基のうちの非芳香族置換基と同様の基を挙げることができる。Rで表される置換基が芳香族基を有する置換基の場合、AとT又はBとTがねじれやすくなり、A、B及びTがポリイミドフィルムとの相互作用を形成できなくなるため、光学的特性の変動を抑制することが難しい。光学的特性の変動抑制効果を高めるためには、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアシル基であることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
前記一般式(A1)において、T及びTは置換基を有してもよく、当該置換基としては、前記一般式(A1)におけるA及びAが有してもよい置換基と同様の基を挙げることができる。
前記一般式(A1)において、L、L、L及びLは、それぞれ独立に、単結合又は、2価の連結基を表し、2個以下の原子を介して、5員若しくは6員の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環が連結されている。2個以下の原子を介してとは、連結基を構成する原子のうち連結される置換基間に存在する最小の原子数を表す。連結原子数2個以下の2価の連結基としては、特に制限はないが、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、O、(C=O)、NR、S、(O=S=O)からなる群より選ばれる2価の連結基であるか、それらを2個組み合わせた連結基を表す。Rは、水素原子又は置換基を表す。Rで表される置換基の例には、アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等)、芳香族炭化水素環基(フェニル基、p−トリル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基等)、シアノ基等が含まれる。L、L、L及びLで表される2価の連結基は置換基を有してもよく、置換基としては特に制限はないが、例えば、前記一般式(A1)におけるA及びAが有してもよい置換基と同様の基を挙げることができる。
前記一般式(A1)において、L、L、L及びLは、前記一般式(A1)で表される構造を有する化合物の平面性が高くなることで、水を吸着する樹脂との相互作用が強くなり、光学的特性の変動が抑制されるため、単結合又は、O、(C=O)−O、O−(C=O)、(C=O)−NR又はNR−(C=O)であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
カルボニル基がL、L、L又はLに含まれる場合は、L、L、L及びLが有する置換基にカルボニル基が含まれていても良いが、L、L、L又はLが、(C=O)、(C=O)−O、O−(C=O)、(C=O)−NR又はNR−(C=O)であることが好ましい。
前記一般式(A1)において、nは0〜5の整数を表す。nが2以上の整数を表すとき、前記一般式(A1)における複数のA、T、L、Lは同じであってもよく、異なっていてもよい。nが大きい程、前記一般式(A1)で表される構造を有する化合物と水を吸着する樹脂との相互作用が強くなることで光学的特性の変動抑制効果が優れ、nが小さいほど、水を吸着する樹脂との相溶性が優れる。このため、nは1〜3の整数であることが好ましく、1〜2の整数であることがより好ましい。
〈一般式(A2)で表される構造を有する化合物〉
一般式(A1)で表される構造を有する化合物は、一般式(A2)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2019023249
(式中、A、A、T、T、L、L、L及びLは、それぞれ前記一般式(A1)におけるA、A、T、T、L、L、L及びLと同義である。A及びTは、それぞれ一般式(A1)におけるA及びTと同様の基を表す。L及びLは、前記一般式(A1)におけるLと同様の基を表す。A、A、A、L、L、L、L、L、L、T、T又はTは、カルボニル基を少なくとも有している。mは0〜4の整数を表す。)
mが小さい方がポリイミドとの相溶性に優れるため、mは0〜2の整数であることが好ましく、0〜1の整数であることがより好ましい。
<一般式(A1.1)で表される構造を有する化合物>
一般式(A1)で表される構造を有する化合物は、下記一般式(A1.1)で表される構造を有するトリアゾール化合物であることが好ましい。
Figure 2019023249
(式中、A、B、L及びLは、上記一般式(A1)におけるA、B、L及びLと同様の基を表す。kは、1〜4の整数を表す。Tは、1,2,4−トリアゾール環を表す。A、L、L、T又はBは、カルボニル基を少なくとも有している。)
さらに、上記一般式(A1.1)で表される構造を有するトリアゾール化合物は、下記一般式(A1.2)で表される構造を有するトリアゾール化合物であることが好ましい。
Figure 2019023249
(式中、Zは、下記一般式(A1.2a)の構造を表す。qは、2〜3の整数を表す。少なくとも二つのZは、ベンゼン環に置換された少なくとも一つのZのベンゼン環上の結合位置に対してお互いにオルト位又はメタ位に結合する。)。
Figure 2019023249
(式中、R10は水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を表す。pは1〜5の整数を表す。*はベンゼン環との結合位置を表す。Tは1,2,4−トリアゾール環を表す。R10又はT上にはカルボニル基を有する置換基を少なくとも有する。)
前記一般式(A1)、(A2)、(A1.1)又は(A1.2)で表される構造を有する化合物は、水和物、溶媒和物若しくは塩を形成してもよい。なお、本発明において、水和物は有機溶媒を含んでいてもよく、また溶媒和物は水を含んでいてもよい。即ち、「水和物」及び「溶媒和物」には、水と有機溶媒のいずれも含む混合溶媒和物が含まれる。塩としては、無機又は有機酸で形成された酸付加塩が含まれる。無機酸の例として、ハロゲン化水素酸(塩酸、臭化水素酸など)、硫酸、リン酸などが含まれ、またこれらに限定されない。また、有機酸の例には、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、クエン酸、安息香酸、アルキルスルホン酸(メタンスルホン酸など)、アリルスルホン酸(ベンゼンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸など)などが挙げられ、またこれらに限定されない。これらのうち好ましくは、塩酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩である。
塩の例としては、親化合物に存在する酸性部分が、金属イオン(例えばアルカリ金属塩、例えばナトリウム又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム又はマグネシウム塩、アンモニウム塩アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又はアルミニウムイオンなど)により置換されるか、又は有機塩基(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペリジン、など)と調整されたときに形成される塩が挙げられ、またこれらに限定されない。これらのうち好ましくはナトリウム塩、カリウム塩である。
溶媒和物が含む溶媒の例には、一般的な有機溶媒のいずれも含まれる。具体的には、アルコール(例、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、t−ブタノール)、エステル(例、酢酸エチル)、炭化水素(例、トルエン、ヘキサン、ヘプタン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン)、ニトリル(例、アセトニトリル)、ケトン(アセトン)などが挙げられる。好ましくは、アルコール(例、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、t−ブタノール)の溶媒和物である。これらの溶媒は、前記化合物の合成時に用いられる反応溶媒であっても、合成後の晶析精製の際に用いられる溶媒であってもよく、又はこれらの混合であってもよい。
また、2種類以上の溶媒を同時に含んでもよいし、水と溶媒を含む形(例えば、水とアルコール(例えば、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど)など)であってもよい。
なお、前記一般式(A1)、(A2)、(A1.1)又は(A1.2)で表される構造を有する化合物を、水や溶媒、塩を含まない形態で添加しても、本発明における樹脂組成物又はポリイミドフィルム中において、水和物、溶媒和物又は塩を形成してもよい。
前記一般式(A1)、(A2)、(A1.1)又は(A1.2)で表される構造を有する化合物の分子量は特に制限はないが、小さいほど樹脂との相溶性に優れ、大きいほど環境湿度の変化に対する光学値の変動抑制効果が高いため、150〜2000であることが好ましく、200〜1500であることがより好ましく、300〜1000であることがより好ましい。
また、一般式(A1)で表される構造を有する化合物は、下記一般式(A3)で表される構造を有する化合物であることがより好ましい。
Figure 2019023249
(式中Aはピラゾール環を表し、Ar及びArは、それぞれ芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、置換基を有してもよい。Rは水素原子、アルキル基、アシル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、又はアリールオキシカルボニル基を表し、qは1〜2の整数を表し、n及びmは1〜3の整数を表す。A、Ar又はArは、少なくともカルボニル基を有する置換基を有している。)
Ar及びArで表される芳香族炭化水素環又は芳香族複素環は、それぞれ一般式(A1)で挙げた5員若しくは6員の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環であることが好ましい。また、Ar及びArの置換基としては、前記一般式(A1)で表される構造を有する化合物で示したのと同様な置換基が挙げられる。
の具体例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等)、アシル基(アセチル基、ピバロイルベンゾイル基等)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)等が挙げられる。
qは1〜2の整数を表し、n及びmは1〜3の整数を表す。
以下に、5員若しくは6員の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を有する化合物の具体例を例示する。中でも前記一般式(A1)、(A2)、(A1.1)、(A1.2)で表される構造を有する化合物、又は一般式(A3)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。本発明で用いることができる前記5員若しくは6員の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を有する化合物は、以下の具体例によって何ら限定されることはない。なお、前述のように、以下の具体例は互変異性体であってもよく、水和物、溶媒和物又は塩を形成していてもよい。
Figure 2019023249
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Figure 2019023249
Figure 2019023249
次に、前記一般式(A1)で表される構造を有する化合物の合成方法について説明する。
前記一般式(A1)で表される構造を有する化合物は、公知の方法で合成することができる。前記一般式(A1)で表される構造を有する化合物において、1,2,4−トリアゾール環を有する化合物は、いかなる原料を用いても構わないが、ニトリル誘導体又はイミノエーテル誘導体と、ヒドラジド誘導体を反応させる方法が好ましい。反応に用いる溶媒としては、原料と反応しないと溶媒であれば、いかなる溶媒でも構わないが、エステル系(例えば、酢酸エチル、酢酸メチル等)、アミド系(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、エーテル系(エチレングリコールジメチルエーテル等)、アルコール系(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等)、芳香族炭化水素系(例えば、トルエン、キシレン等)、水を挙げられることができる。使用する溶媒として、好ましくは、アルコール系溶媒である。また、これらの溶媒は、混合して用いても良い。
溶媒の使用量は、特に制限はないが、使用するヒドラジド誘導体の質量に対して、0.5〜30倍量の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは、1.0〜25倍量であり、特に好ましくは、3.0〜20倍量の範囲内である。
ニトリル誘導体とヒドラジド誘導体を反応させる場合、触媒を使用しなくても構わないが、反応を加速させるために触媒を使用する方が好ましい。使用する触媒としては、酸を用いても良く、塩基を用いても良い。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等が挙げられ、好ましくは塩酸である。酸は、水に希釈して添加しても良く、ガスを系中に吹き込む方法で添加しても良い。塩基としては、無機塩基(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)及び有機塩基(ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、カリウムエチラート、ナトリウムブチラート、カリウムブチラート、ジイソプロピルエチルアミン、N,N′−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N−メチルモルホリン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、ピリジン等)のいずれを用いて良く、無機塩基としては、炭酸カリウムが好ましく、有機塩基としては、ナトリウムエチラート、ナトリウムエチラート、ナトリウムブチラートが好ましい。無機塩基は、粉体のまま添加しても良く、溶媒に分散させた状態で添加しても良い。また、有機塩基は、溶媒に溶解した状態(例えば、ナトリウムメチラートの28%メタノール溶液等)で添加しても良い。
触媒の使用量は、反応が進行する量であれば特に制限はないが、形成されるトリアゾール環に対して1.0〜5.0倍モルの範囲内が好ましく、更に1.05〜3.0倍モルの範囲内が好ましい。
イミノエーテル誘導体とヒドラジド誘導体を反応させる場合は、触媒を用いる必要がなく、溶媒中で加熱することにより目的物を得ることができる。
反応に用いる原料、溶媒及び触媒の添加方法は、特に制限がなく、触媒を最後に添加しても良く、溶媒を最後に添加しても良い。また、ニトリル誘導体を溶媒に分散若しくは溶解させ、触媒を添加した後、ヒドラジド誘導体を添加する方法も好ましい。
反応中の溶液温度は、反応が進行する温度であればいかなる温度でも構わないが、好ましくは、0〜150℃の範囲内であり、更に好ましくは、20〜140℃の範囲内である。また、生成する水を除去しながら、反応を行っても良い。
反応溶液の処理方法は、いかなる手段を用いても良いが、塩基を触媒として用いた場合は、反応溶液に酸を加えて中和する方法が好ましい。中和に用いる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸又は酢酸等が挙げられるが、特に好ましくは酢酸である。中和に使用する酸の量は、反応溶液のpHが4〜9になる範囲であれば特に制限はないが、使用する塩基に対して、0.1〜3倍モルが好ましく、特に好ましくは、0.2〜1.5倍モルの範囲内である。
反応溶液の処理方法として、適当な有機溶媒を用いて抽出する場合、抽出後に有機溶媒を水で洗浄した後、濃縮する方法が好ましい。ここでいう適当な有機溶媒とは、酢酸エチル、トルエン、ジクロロメタン、エーテル等非水溶性の溶媒、又は、前記非水溶性の溶媒とテトラヒドロフラン又はアルコール系溶媒との混合溶媒のことであり、好ましくは酢酸エチルである。
一般式(A1)で表される構造を有する化合物を晶析させる場合、特に制限はないが、中和した反応溶液に水を追加して晶析させる方法、若しくは、一般式(A1)で表される構造を有する化合物が溶解した水溶液を中和して晶析させる方法が好ましい。
その他に、好ましい化合物として、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート等を挙げることができる。
〔3〕その他の添加剤
(3.1)マット剤
本発明のポリイミドフィルムには、取扱性を向上させるため、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子などのマット剤を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さくできるため、好ましい。
微粒子の1次平均粒子径としては、20nm以下が好ましく、更に好ましくは、5〜16nmであり、特に好ましくは、5〜12nmである。
これらの微粒子は0.1〜5μmの粒径の2次粒子を形成してポリイミドに含まれることが好ましく、好ましい平均粒径は0.1〜2μmであり、更に好ましくは0.2〜0.6μmである。これにより、フィルム表面に高さ0.1〜1.0μm程度の凹凸を形成し、これによってフィルム表面に適切な滑り性を与えることができる。
本発明に用いられる微粒子の1次平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、粒子径を測定しその平均値をもって、1次平均粒子径とする。
(3.2)紫外線吸収剤
本発明のポリイミドフィルムは、紫外線吸収剤を含有することが耐光性を向上する観点から好ましい。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐光性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が、0.1〜30%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜20%の範囲、更に好ましくは2〜10%の範囲である。
本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤であり、特に好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤である。
例えば、5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン等があり、また、チヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン928等のチヌビン類があり、これらはいずれもBASFジャパン(株)製の市販品であり好ましく使用できる。この中ではハロゲンフリーのものが好ましい。
このほか、1,3,5−トリアジン環を有する化合物等の円盤状化合物も紫外線吸収剤として好ましく用いられる。
本発明のポリイミドフィルムは、紫外線吸収剤を2種以上含有することが好ましい。
また、紫外線吸収剤としては高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることができ、特に特開平6−148430号記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。また、紫外線吸収剤は、ハロゲン基を有していないことが好ましい。
紫外線吸収剤の添加方法は、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやメチレンクロライド、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の有機溶媒又はこれらの混合溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。
無機粉体のように有機溶媒に溶解しないものは、有機溶媒とポリイミドフィルム中にディゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、ポリイミドフィルムの乾燥膜厚が15〜50μmの場合は、ポリイミドフィルムに対して0.5〜10質量%の範囲が好ましく、0.6〜4質量%の範囲が更に好ましい。
(3.3)酸化防止剤
酸化防止剤は劣化防止剤ともいわれる。高湿高温の状態に電子デバイスなどが置かれた場合には、ポリイミドフィルムの劣化が起こる場合がある。
酸化防止剤は、例えば、ポリイミドフィルム中の残留溶媒量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等によりポリイミドフィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、本発明のポリイミドフィルム中に含有させるのが好ましい。
このような酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート等を挙げることができる。
特に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また、例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
これらの化合物の添加量は、ポリイミドフィルムに対して質量割合で1ppm〜1.0%の範囲が好ましく、10〜1000ppmの範囲が更に好ましい。
(3.4)位相差制御剤
液晶表示装置等の画像表示装置の表示品質の向上のため、ポリイミドフィルム中に位相差制御剤を添加するか、配向膜を形成して液晶層を設け、偏光板保護フィルムと液晶層由来の位相差を複合化することにより、ポリイミドフィルムに光学補償能を付与することができる。
位相差制御剤としては、欧州特許911656A2号明細書に記載されているような、2以上の芳香族環を有する芳香族化合物、特開2006−2025号公報に記載の棒状化合物等が挙げられる。また、2種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。この芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む芳香族性ヘテロ環であることが好ましい。芳香族性ヘテロ環は、一般に不飽和ヘテロ環である。なかでも、特開2006−2026号公報に記載の1,3,5−トリアジン環が好ましい。
なお、一般式(A1)で表される構造を有する化合物は、位相差制御剤としても機能する。このため、一般式(A1)で表される構造を有する化合物は、一つの化合物で位相差制御と温湿度環境変動に対する光学値変動抑制の両方の機能を付与することができる。
これらの位相差制御剤の添加量は、ポリイミドフィルム系樹脂100質量%に対して、0.5〜20質量%の範囲内であることが好ましく、1〜10質量%の範囲内であることがより好ましい。
(3.5)剥離促進剤
ポリイミドフィルムの剥離抵抗を小さくする添加剤としては界面活性剤に効果の顕著なものが多く、好ましい剥離剤としてはリン酸エステル系の界面活性剤、カルボン酸又はカルボン酸塩系の界面活性剤、スルホン酸又はスルホン酸塩系の界面活性剤、硫酸エステル系の界面活性剤が効果的である。また上記界面活性剤の炭化水素鎖に結合している水素原子の一部をフッ素原子に置換したフッ素系界面活性剤も有効である。以下に剥離剤を例示する。
RZ−1 C17O−P(=O)−(OH)
RZ−2 C1225O−P(=O)−(OK)
RZ−3 C1225OCHCHO−P(=O)−(OK)
RZ−4 C1531(OCHCHO−P(=O)−(OK)
RZ−5 {C1225O(CHCHO)−P(=O)−OH
RZ−6 {C1835(OCHCHO}−P(=O)−ONH
RZ−7 (t−C−C−OCHCHO−P(=O)−(OK)
RZ−8 (iso−C19−C−O−(CHCHO)−P(=O)−
(OK)(OH)
RZ−9 C1225SONa
RZ−10 C1225OSONa
RZ−11 C1733COOH
RZ−12 C1733COOH・N(CHCHOH)
RZ−13 iso−C17−C−O−(CHCHO)−(CH
SONa
RZ−14 (iso−C19−C−O−(CHCHO)−(CH
SONa
RZ−15 トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸ナトリウム
RZ−16 トリ−t−ブチルナフタレンスルフォン酸ナトリウム
RZ−17 C1733CON(CH)CHCHSONa
RZ−18 C1225−CSO・NH
剥離促進剤の添加量は環状ポリイミドに対して0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%が更に好ましく、0.1〜0.5質量%が最も好ましい。
なお、本発明のポリイミドフィルムに含有される添加剤は、上記微粒子に限られるものではない。
〔4〕ポリイミドフィルムの製造方法
上記ポリイミドフィルムの製造方法の具体例について以下説明する。
ポリイミドフィルムの製造方法としては、上述のポリアミド酸又はポリイミドを、溶媒に溶解してドープを調製する工程(ドープ調製工程)、前記ドープを支持体上に流延して流延膜を形成する工程(流延工程)、支持体上で流延膜から溶媒を蒸発させる工程(溶媒蒸発工程)、流延膜を支持体から剥離する工程(剥離工程)、得られたフィルムを乾燥させる工程(第1乾燥工程)、フィルムを延伸する工程(延伸工程)、延伸後のフィルムを更に乾燥させる工程(第2乾燥工程)、得られたポリイミドフィルムを巻き取る工程(巻取り工程)、更に必要であればフィルムを加熱処理してイミド化させる工程(加熱工程)等を有することが好ましい。
以下、各工程について具体的に説明する。
(4.1)ドープ調製工程
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、少なくともポリイミドと水素結合性化合物を低沸点溶媒に溶解してドープを調製し、当該ドープを用いて溶液流延製膜方法によって製膜することが好ましい。
低沸点溶媒は、沸点80℃以下の低沸点溶媒を主溶媒として用いることが好ましい。ここで「主溶媒として用いる」とは、混合溶媒であれば、溶媒全体量に対して55質量%以上を用いることをいい、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上用いることである。もちろん単独使用であれば100質量%となる。
低沸点溶媒は、ポリイミド、水素結合性化合物及びその他の添加剤を同時に溶解するものであれば良く、例えば、塩素系溶媒としては、ジクロロメタン、非塩素系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等を挙げることができる。
中でも沸点80℃以下の低沸点溶媒としては、上記溶媒の中で、ジクロロメタン(40℃)、酢酸エチル(77℃)、メチルエチルケトン(79℃)、テトラヒドロフラン(66℃)、アセトン(56.5℃)、及び1,3−ジオキソラン(75℃)の中から選択される少なくとも1種を主溶媒として含有することが好ましい(括弧内はそれぞれ沸点を表す。)。
また、混合溶媒の場合に含有される溶媒としては、本発明に係るポリイミド及びカルボニル基を有する有機化合物を溶解し得るものであれば、本発明の効果を阻害しない範囲で用いることができ、上記したもの以外の溶媒として、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルカプロラクタム、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、ジメチルスルホキシド、m−クレゾール、フェノール、p−クロルフェノール、2−クロル−4−ヒドロキシトルエン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジオキサン、γ−ブチロラクトン、ジオキソラン、シクロペンタノン、イプシロンカプロラクタム、クロロホルム等が使用可能であり、2種以上を併用しても良い。また、これらの溶媒と併せて、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の貧溶媒を、本発明に係るポリイミド及びカルボニル基を有する有機化合物が析出しない程度に使用しても良い。
また、アルコール系溶媒を用いることもできる。当該アルコール系溶媒が、メタノール、エタノール及びブタノールから選択されることが、剥離性を改善し、高速度流延を可能にする観点から好ましい。中でもメタノール又はエタノールを用いることが好ましい。ドープ中のアルコールの比率が高くなるとウェブがゲル化し、金属支持体からの剥離が容易になる。
ポリイミド、カルボニル基を有する有機化合物、その他の添加剤の溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、又は特開平9−95538号公報に記載の冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の高圧で行う方法等、種々の溶解方法を用いることができる。
調製したドープは、送液ポンプ等により濾過器に導いて濾過する。例えば、ドープの主たる溶媒がジクロロメタンの場合、当該ジクロロメタンの1気圧における沸点+5℃以上の温度で当該ドープを濾過することにより、ドープ中のゲル状異物を取り除くことができる。好ましい温度範囲は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃の範囲内であることが更に好ましい。
また、多くの場合、主ドープには返材が10〜50質量%の範囲内程度含まれることがある。返材とは、何らかの理由で原料として再利用される部分のことをいい、例えばポリイミドフィルムを細かく粉砕した物で、ポリイミドフィルムを製膜するときに発生する、フィルムの両サイド部分を切り落とした物や、擦り傷などでフィルムの規定値を越えたポリイミドフィルム原反等が使用される。
また、ドープ調製に用いられる樹脂の原料としては、あらかじめポリイミド及びその他の化合物などをペレット化したものも、好ましく用いることができる。
(4.2)流延膜形成工程
調製したドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通してダイスに送液し、無限に移送する無端の支持体、例えば、ステンレスベルト又は回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、ダイスからドープを流延する。
流延(キャスト)における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、支持体としては、ステンレススティールベルト又は鋳物で表面をめっき仕上げしたドラム、又はステンレスベルト若しくはステンレス鋼ベルト等の金属支持体が好ましく用いられる。キャストの幅は1〜4mの範囲、好ましくは1.5〜3mの範囲、更に好ましくは2〜2.8mの範囲とすることができる。なお、支持体は、金属製でなくとも良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、ナイロン6フィルム、ナイロン6,6フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレン等のベルト等を用いることができる。フレキシブル基板としてポリイミドを用いる場合、ポリイミドを流延した金属支持体ごとポリイミドを巻き取っても良い。
金属支持体の走行速度は特に制限されないが、通常は5m/分以上であり、好ましくは10〜180m/分、特に好ましくは80〜150m/分の範囲内である。金属支持体の走行速度は、高速であるほど、同伴ガスが発生しやすくなり、外乱による膜厚ムラの発生が顕著になる。
金属支持体の走行速度は、金属支持体外表面の移動速度である。
金属支持体の表面温度は、温度が高い方が流延膜の乾燥速度を速くできるため好ましいが、余り高すぎると流延膜が発泡したり、平面性が劣化したりする場合があるため使用する溶媒の沸点に対して―50〜―10℃の温度の範囲内で行うことが好ましい。
ダイスは、幅方向に対する垂直断面において、吐出口に向かうに従い次第に細くなる形状を有している。ダイスは通常、具体的には、下部の走行方向で下流側と上流側とにテーパー面を有し、当該テーパー面の間に吐出口がスリット形状で形成されている。ダイスは金属からなるものが好ましく使用され、具体例として、例えば、ステンレス、チタン等が挙げられる。本発明において、厚さが異なるフィルムを製造するとき、スリット間隙の異なるダイスに変更する必要はない。
ダイの口金部分のスリット形状を調整でき、膜厚を均一にしやすい加圧ダイを用いることが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があり、いずれも好ましく用いられる。厚さが異なるフィルムを連続的に製造する場合であっても、ダイスの吐出量は略一定の値に維持されるので、加圧ダイを用いる場合、押し出し圧力、せん断速度等の条件もまた略一定の値に維持される。また、製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して積層しても良い。
(4.3)溶媒蒸発工程
溶媒蒸発工程は、金属支持体上で行われ、流延膜を金属支持体上で加熱し、溶媒を蒸発させる予備乾燥工程である。
溶媒を蒸発させるには、例えば、乾燥機により流延膜側及び金属支持体裏側から加熱風を吹き付ける方法、金属支持体の裏面から加熱液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等を挙げることができる。それらを適宜選択して組み合わせる方法も好ましい。金属支持体の表面温度は全体が同じであっても良いし、位置によって異なっていても良い。加熱風の温度は10〜220℃の範囲内が好ましい。
溶媒蒸発工程においては、流延膜の剥離性及び剥離後の搬送性の観点から、残留溶媒量が10〜150質量%の範囲内になるまで、流延膜を乾燥することが好ましい。
本発明において、残留溶媒量は下記の式で表すことができる。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mは流延膜(フィルム)の所定の時点での質量、NはMのものを200℃で3時間乾燥させた時の質量である。特に、溶媒蒸発工程において達成された残留溶媒量を算出するときのMは剥離工程直前の流延膜の質量である。
(4.4)剥離工程
金属支持体上で溶媒が蒸発した流延膜を、剥離位置で剥離する。
金属支持体と流延膜とを剥離する際の剥離張力は、通常、60〜400N/mの範囲内であるが、剥離の際に皺が入りやすい場合、190N/m以下の張力で剥離することが好ましい。
本発明においては、当該金属支持体上の剥離位置における温度を−50〜60℃の範囲内とするのが好ましく、10〜40℃の範囲内がより好ましく、15〜40℃の範囲内とするのが最も好ましい。
剥離されたフィルムは、延伸工程に直接送られても良いし、所望の残留溶媒量を達成するように第1乾燥工程に送られた後に延伸工程に送られても良い。本発明においては、延伸工程での安定搬送の観点から、剥離工程後、フィルムは、第1乾燥工程及び延伸工程に順次送られることが好ましい。
(4.5)第1乾燥工程
第1乾燥工程は、フィルムを加熱し、溶媒を更に蒸発させる乾燥工程である。乾燥手段は特に制限されず、例えば、熱風、赤外線、加熱ローラー、マイクロ波等を用いることができる。簡便さの観点からは、千鳥状に配置したローラーでフィルムを搬送しながら、熱風等で乾燥を行うことが好ましい。乾燥温度は、残留溶媒量及び搬送における伸縮率等を考慮して、30〜200℃の範囲が好ましい。
(4.6)延伸工程
金属支持体から剥離されたフィルムを延伸することで、フィルムの膜厚や平坦性、配向性等を制御することができる。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法においては、長手方向及び/又は幅手方向に延伸することが好ましい。
延伸操作は多段階に分割して実施しても良い。また、二軸延伸を行う場合には同時二軸延伸を行っても良いし、段階的に実施しても良い。この場合、段階的とは、例えば、延伸方向の異なる延伸を順次行うことも可能であるし、同一方向の延伸を多段階に分割し、かつ異なる方向の延伸をそのいずれかの段階に加えることも可能である。
すなわち、例えば、次のような延伸ステップも可能である:
・長手方向に延伸→幅手方向に延伸→長手方向に延伸→長手方向に延伸
・幅手方向に延伸→幅手方向に延伸→長手方向に延伸→長手方向に延伸
また、同時二軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を、張力を緩和して収縮する場合も含まれる。
延伸開始時の残留溶媒量は0.1〜200質量%の範囲内であることが好ましい。
当該残留溶媒量は、0.1質量%未満であれば、延伸による平面性向上の効果が得られず、200%を超えると、フィルム強度が低いため、延伸し難い。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法においては、延伸後の膜厚が所望の範囲になるように長手方向及び/又は幅手方向に、好ましくは幅手方向に延伸しても良い。フィルムのガラス転移温度(Tg)に対して、(Tg−200)〜(Tg+100)℃の温度範囲で延伸することが好ましい。上記温度範囲で延伸すると、延伸応力を低下できるのでヘイズが低くなる。また、破断の発生を抑制し、平面性、フィルム自身の着色性に優れたポリイミドフィルムが得られる。延伸温度は、(TgL−150)〜(TgH+50)℃の範囲で行うことがより好ましい。
本発明に係るポリイミドフィルムの製造方法では、支持体から剥離された自己支持性を有するフィルムを、延伸ローラーで走行速度を規制することにより長手方向に延伸することができる。
幅手方向に延伸するには、例えば、特開昭62−46625号公報に示されているような乾燥全処理又は一部の処理を幅方向にクリップ又はピンでフィルムの幅両端を幅保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式と呼ばれる。)、中でも、クリップを用いるテンター方式が好ましく用いられる。
長手方向に延伸されたフィルム又は未延伸のフィルムは、クリップに幅方向両端部を把持された状態にてテンターへ導入され、テンタークリップとともに走行しながら、幅方向へ延伸されることが好ましい。
幅手方向への延伸に際し、フィルム幅手方向に50〜1000%/minの範囲内の延伸速度で延伸することが、フィルムの平面性を向上する観点から、好ましい。
延伸速度は50%/min以上であれば、平面性が向上し、またフィルムを高速で処理することができるため、生産適性の観点で好ましく、1000%/min以内であれば、フィルムが破断することなく処理することができ、好ましい。
より好ましい延伸速度は、100〜500%/minの範囲内である。延伸速度は下記式によって定義される。
延伸速度(%/min)=[(d/d)−1]×100(%)/t
(上記式において、dは延伸後の樹脂フィルムの延伸方向の幅寸法であり、dは延伸前の樹脂フィルムの延伸方向の幅寸法であり、tは延伸に要する時間(min)である。)
延伸工程では、通常、延伸した後、保持・緩和が行われる。すなわち、本工程は、フィルムを延伸する延伸段階、フィルムを延伸状態で保持する保持段階及びフィルムを延伸した方向に緩和する緩和段階をこれらの順序で行うことが好ましい。保持段階では、延伸段階で達成された延伸倍率での延伸を、延伸段階における延伸温度で保持する。緩和段階では、延伸段階における延伸を保持段階で保持した後、延伸のための張力を解除することによって、延伸を緩和する。緩和段階は、延伸段階における延伸温度以下で行えば良い。
(4.7)第2乾燥工程
次いで、延伸後のフィルムを加熱して乾燥させる。熱風等によりフィルムを加熱する場合、使用済みの熱風(溶媒を含んだエアーや濡れ込みエアー)を排気できるノズルを設置して、使用済み熱風の混入を防ぐ手段も好ましく用いられる。熱風温度は、40〜350℃の範囲がより好ましい。また、乾燥時間は5秒〜30分程度が好ましく、10秒〜15分がより好ましい。
また、加熱乾燥手段は熱風に制限されず、例えば、赤外線、加熱ローラー、マイクロ波等を用いることができる。簡便さの観点からは、千鳥状に配置したローラーでフィルムを搬送しながら、熱風等で乾燥を行うことが好ましい。乾燥温度は残留溶媒量、搬送における伸縮率等を考慮して、40〜350℃の範囲がより好ましい。
第2乾燥工程においては、残留溶媒量が0.5質量%以下になるまで、フィルムを乾燥することが好ましい。
(4.8)巻取り工程
巻取り工程は、得られたフィルムを巻き取って室温まで冷却する工程である。巻取り機は、一般的に使用されているもので良く、例えば、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の巻取り方法で巻き取ることができる。
フィルムの厚さは特に制限されず、例えば、1〜200μm、特に1〜100μmの範囲内であることが好ましい。
巻取り工程においては、延伸搬送したときにテンタークリップ等で挟み込んだフィルムの両端をスリット加工しても良い。スリットしたフィルム端部は、1〜30mm幅の範囲内に細かく断裁された後、溶媒に溶解させて返材として再利用することが好ましい。
成形されたフィルムのうち返材として再利用される部分の比は、10〜90質量%が好ましく、より好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは30〜70質量%の範囲内である。
製膜工程の途中又は最終的に発生する返材の量により投入量は若干変わるが、通常、ドープ中の全固形分に対する返材の混合率は10〜50質量%程度であり、好ましくは、15〜40質量%程度の範囲内である。返材の混合率は、できるだけ一定量とすることが生産安定上好ましい。
上述した溶媒蒸発工程から巻取り工程までの各工程は、空気雰囲気下で行っても良いし、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行っても良い。また、各工程、特に乾燥工程や延伸工程は、雰囲気における溶媒の爆発限界濃度を考慮して行う。
(4.9)加熱工程
上記巻取り工程後に、ポリマー鎖分子内及びポリマー鎖分子間でのイミド化を進行させて機械的特性を向上させるべく、上記第2乾燥工程で乾燥したフィルムを更に熱処理する加熱工程を行う。
また、ポリイミド(イミド化率100%)を用いてドープを調製した場合や、上記第2乾燥工程を行うことによりフィルムのイミド化率が100%となった場合であっても、フィルムの残留応力を緩和させる目的で、加熱工程を行う。
なお、上記第2乾燥工程が、加熱工程を兼ねるものであっても良い。
加熱手段は、例えば、熱風、電気ヒーター、マイクロ波等の公知の手段を用いて行われる。電気ヒーターとしては、上記した赤外線ヒーターを用いることができる。
加熱処理条件は、200〜450℃の温度範囲内で、30秒〜1時間の範囲で適宜行うのが好ましい。これにより、ポリイミドフィルムの寸法安定性を向上させることができる。加熱工程において、フィルムを急激に加熱すると表面欠点が増加する等の不具合が生じるため、加熱方法は適宜選択することが好ましい。また、加熱工程は、低酸素雰囲気下で行うことが好ましい。
第二乾燥工程及び加熱工程における加熱温度は450℃を超えると、加熱に必要なエネルギーが非常に大きくなることから製造コストが高くなり、更に、環境負荷が増大するため、当該加熱温度は450℃以下にすることが好適である。
なお、巻取り工程後であって、加熱工程の前又は後に、ポリイミドフィルムの幅方向端部をスリットする工程や、ポリイミドフィルムが帯電していた場合にはこれを除電する工程等を更に行うものとしても良い。
〔5〕ポリイミドフィルムの物性
(5.1)フィルム長、幅及び膜厚
本発明のポリイミドフィルムは、長尺であることが好ましく、具体的には、100〜10000m程度の範囲内の長さであることが好ましく、ロール状に巻き取られる。また、本発明のポリイミドフィルムの幅は1m以上であることが好ましく、更に好ましくは1.4m以上であり、特に1.4〜4mであることが好ましい。
フィルムの膜厚は、フレキシブルプリント基板としての強度と透明性の観点から、1〜200μmの範囲内であることが好ましい。膜厚が1μm以上であれば、一定以上のフィルム強度を発現させることができる。膜厚が200μm以下であれば、フィルム基板としてフレキシブルである。特に、1〜100μmの範囲内であることが好ましい。
(5.2)全光線透過率
本発明のポリイミドフィルムは、厚さ55μmのサンプルを作製し、全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。全光線透過率を80%以上とすることにより、光学用途のフィルムとして、種々な電子デバイスに適用の幅が広がるという利点がある。
フィルム試料の全光線透過率は、23℃・55RHの空調室で24時間調湿した試料をJIS K−7375に従って、測定することができる。
(5.3)(ヘイズ)
ヘイズ(全ヘイズ)は、JIS K−7136に準拠して、ヘーズメーター、例えば、NDH−2000(日本電色工業株式会社製)を用いて測定することができる。ヘイズは1%未満であることが好ましい。
《用途》
本発明のポリイミドは、電子デバイスと積層したとき温湿度環境変動によるそりの抑制を可能にすることができる。適用される電子デバイスは特に限定されないが、例えば、有機ELデバイス、液晶表示デバイス(LCD)、有機光電変換デバイス、プリント基板、薄膜トランジスター、タッチパネル、偏光板、位相差フィルム等を挙げることができる。本発明の効果がより効率的に得られるという観点から、フレキシブルプリント基板、LED照明装置及びフレキシブルディスプレイ用前面部材に好ましく用いられる。
《フレキシブルプリント基板》
本発明のフレキシブルプリント基板は、本発明のポリイミドフィルムをベースフィルムとし、これに接着剤を介して金属箔を圧着することによって得られる。ここで用いられる接着剤としては、例えば、アクリル系、ポリイミド系及びエポキシ系接着剤等が挙げられる。
また、接着剤を介してポリイミドフィルムと熱圧着される金属箔は、コスト低減の観点から銅箔であることが好ましいが、アルミニウム、金、銀、ニッケル、スズ等、他の金属箔でも良い。
《LED照明装置》
本発明のLED照明装置としては、本発明のポリイミドフィルムを用いたLED用基板をもちいていれば、特に制限されるものではなく、例えば、両面基板やアルミ板との複合基板が挙げられる。LEDの高輝度化に伴い、より放熱性が要求される場合には、アルミ板と複合化することにより放熱性を向上させることが可能である。有機材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス照明装置に適用することもできる。
《フレキシブルディスプレイ用前面部材》
本発明のフレキシブルディスプレイ用前面部材は、本発明のポリイミドフィルムを用いてなるものであれば、特に制限されるものではない。本発明のフレキシブルディスプレイ用前面部材が搭載されるフレキシブルディスプレイとしては、例えば、基板上に発光層等の有機機能層が積層されてなる有機ELデバイス、ガスバリアーフィルム、フィルムカラーフィルター、片面又は両面に偏光板保護フィルムを備える偏光板、フィルム型タッチセンサー等がこの順に積層されて構成される。本発明のフレキシブルディスプレイ用前面部材は、例えば、上記のように構成されるフレキシブルディスプレイのフィルム型タッチセンサー上に積層される。
なお、本発明のポリイミドフィルムは、上記フレキシブルディスプレイを構成する有機ELデバイスの基板に用いられても良いし、上記フレキシブルディスプレイを構成する偏光板の偏光板保護フィルムに用いられても良い。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
〔実施例1〕
以下の実施例に用いた化合物の構造を以下に列挙する。
Figure 2019023249
Figure 2019023249
カルボニル基を有する有機化合物8:
一般式(A1)で表される構造を有する化合物、例示化合物3
カルボニル基を有する有機化合物9:
セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量Mn10000)
カルボニル基を有する有機化合物10:
糖エステル:例示化合物A−1
カルボニル基を有する有機化合物11
ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
Figure 2019023249
なお、上記の化合物の市販品の入手先は以下のとおりである。
酸無水物1:ダイキン工業社製
酸無水物2:マナック株式会社製
酸無水物3:株式会社ダイセル製
酸無水物4:東京化成工業株式会社
酸無水物5:三菱化学株式会社製
ジアミン1:ダイキン工業社製
ジアミン2:三井化学ファイン株式会社製
ジアミン3:和歌山精化株式会社製
ジアミン4:三井化学ファイン株式会社製
ジアミン5:東京化成工業株式会社製
ジアミン6:和歌山精化株式会社製
ジアミン7:和歌山精化株式会社製
カルボニル基を有する有機化合物2:綜研化学製
カルボニル基を有する有機化合物6:和光純薬製
また、カルボニル基を有する有機化合物1、5及び9については以下のようにして調製した。
〈カルボニル基を有する有機化合物1の調製〉
1,2−プロピレングリコール251g、テレフタル酸354g、p−トロイル酸680g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、カルボニル基を有する有機化合物(構造1)を得た。酸価0.30、数平均分子量は400であった。
表1及び表2で示したカルボニル基を有する有機化合物1の、その他の分子量のカルボニル基を有する有機化合物の調製は、上記反応において、反応時間と反応温度を調整して得た。
〈カルボニル基を有する有機化合物5の調製〉
酢酸パラジウム2.5マイクロモル、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン3.0マイクロモル、硫酸12.5マイクロモル、1,4−ベンゾキノン25マイクロモル及びイソプロパノール250ミリリットルを、窒素置換したステンレス製500ml容のオートクレーブに投入した。オートクレーブを密閉後、25℃、2.0MPaで3回窒素置換を行った。
内容物を撹拌しながら加温し、内温が90℃に達した時点で一酸化炭素とエチレンの等モル混合気体を15.0MPaになるまで加えた。その後、エチレンと一酸化炭素の等モル混合気体を連続的に供給して内圧と内温を保ちながら、4時間撹拌を続けた。冷却後、オートクレーブ内気体をパージし、内容物を取り出した。反応溶液を濾過し、水で3回、イソプロパノールで3回洗浄後、減圧乾燥し、重合体31.6gを得た。
13C−NMR及びIRの測定結果から、この重合体は、一酸化炭素由来の繰り返し単位とエチレン由来の繰り返し単位からなるポリケトンであることが確かめられた。このポリケトンを解析した結果、数平均分子量は910であった。
〈カルボニル基を有する有機化合物9の調製〉
<セルロースアセテートプロピオネートの調製>
カルボニル基を有する有機化合物5である、セルロースアセテートプロピオネートについては、特開平10−45804号公報を参考にして以下のように調製した。
オートクレーブにトルエン50部と2−ブタノール50部を入れ、セルロース60部を分散させた。65℃に昇温したのち、35%過酸化水素水4.2部を滴下し、同温度で7時間低分子量化処理を行った。低分子量化したセルロース299gに酢酸907gとプロピオン酸203gを加え、54℃で30分間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却した無水酢酸318g、無水プロピオン酸739g、硫酸10.6g及びプロピオン酸6.3gを加えてエステル化を行なった。エステル化における最高温度は40℃に調節した。エステル化反応を150分間行なった後、反応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶液を20分間かけて添加して過剰の無水物を加水分解した。反応液の温度を60℃に保ち、酢酸886gと水295gを加えた。1時間後、酢酸マグネシウム17.0gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。得られたセルロースアセテートプロピオネートは、数平均分子量が10000であった。また、アセチル基置換度2.18、プロピオニル器置換度0.73、総置換度は、2.91であった。
(数平均分子量の測定)
カルボニル基を有する有機化合物の数平均分子量の測定はGPC分析(東ソー社製 HLC−8220、溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン換算)より求めた。
《ポリイミドフィルム1の作製》
〈ポリイミドAの調製〉
乾燥窒素ガス導入管、冷却器、トルエンを満たしたDean−Stark凝集器、撹拌機を備えた4口フラスコに、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物(酸無水物1)(ダイキン工業社製)25.59g(57.6mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド(134g)に加え、窒素気流下、室温で撹拌した。
それに4,4′−ジアミノ−2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(ジアミン1)(ダイキン工業社製)19.2g(60mmol)を加え、80℃で6時間加熱撹拌した。その後、外温を190℃まで加熱して、イミド化に伴って発生する水をトルエンと共に共沸留去した。6時間加熱、還流、撹拌を続けたところ、水の発生は認められなくなった。引き続きトルエンを留去しながら7時間加熱し、さらにトルエン留去後にメタノールを投入して再沈殿し、固形分を乾燥後に8質量%のジクロロメタン溶液にしてポリイミド溶液を調製した。
〈ドープの調製〉
下記組成の主ドープを調製した。まず、加圧溶解タンクにジクロロメタン(沸点40℃)を添加した。溶媒の入った加圧溶解タンクに、上記調製したポリイミドA及び残りの成分を撹拌しながら投入した。これを加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープを調製した。
〈主ドープの組成〉
ジクロロメタン 350質量部
ポリイミドA 100質量部
カルボニル基を有する有機化合物1(n=0) 10質量部
マット剤(アエロジル R812、日本アエロジル(株)製) 0.5質量部
〈流延工程〉
次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度30℃、1500mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は30℃に制御した。
〈剥離工程〉
ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が75%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力180N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。
〈延伸工程〉
剥離したポリイミドフィルムを、200℃の熱をかけながらクリップ式テンターを用いて幅方向に1.50倍延伸した。延伸開始時の残留溶媒量は20質量%であった。
〈乾燥工程〉
延伸したフィルムを、搬送張力100N/m、乾燥時間15分間として、残留溶媒量が0.1質量%未満となる乾燥温度で乾燥させ、乾燥膜厚62μmのフィルムを得た。得られたフィルムを巻き取って、ポリイミドフィルム1を得た。
《ポリイミドフィルム2〜14、16〜23、27〜29、33及び34の作製》
上記ポリイミドフィルム1の作製において、酸無水物、ジアミン、溶媒、カルボニル基を有する有機化合物とその量を表1及び表2で表されるように変更した以外は同様にして、ポリイミドフィルム2〜14、16〜23、27〜29、33及び34を作製した。なお、カルボニル基を有する有機化合物において、オリゴマーの数平均分子量の調整は、反応温度及び反応時間を調節して行った。また、ポリイミドフィルム2〜14、16〜23、27〜29、33及び34の作製において、酸無水物とジアミンは、それぞれポリイミドフィルム1と同モルを用いた。
《ポリイミドフィルム15の作製》
乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)190.6Kg中に、ジアミン3を41.05kg(0.1キロモル)溶解し、20℃で撹拌しながら精製した粉末状の酸無水物5 29.4kg(0.1キロモル)を少量ずつ添加し、1時間撹拌し続けて、透明なポリアミド酸溶液を得た。
次いで、カルボニル基を有する有機化合物1を前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり8質量%添加し、十分攪拌した後、ワニス状ポリアミド酸溶液を得た。
このワニス状ポリアミド酸溶液に無水酢酸(分子量102.09)とβ−ピコリンを、ポリアミド酸溶液に対しそれぞれ17質量%、17質量%の割合で混合、攪拌した。得られた混合物を、T型スリットダイより回転する75℃のステンレス製ドラム上にキャストしたのち、ゲルフィルムをドラムから引き剥がし、両端を把持し、加熱炉にて200℃×2時間処理し、幅2.2m、厚さ60μmのポリイミドフィルム15を得た。
《ポリイミドフィルム24〜26及び30〜32の作製》
上記ポリイミドフィルム15の作製において、酸無水物、ジアミン、溶媒、カルボニル基を有する有機化合物とその量を表1及び表2で表されるように変更した以外は同様にして、ポリイミドフィルム24〜26及び30〜32を作製した。
なお、カルボニル基を有する有機化合物において、オリゴマーの数平均分子量の調整は、反応温度及び反応時間を調節して行った。また、ポリイミドフィルム15、24〜26及び30〜32の作製において、酸無水物とジアミンは、それぞれポリイミド15と同モルを用いた。なお、表1及び表2においてカルボニル基を有する有機化合物の構造の欄が「−」の場合は、カルボニル基を有する有機化合物を使用しなかったことを表す。
〈カルボニル基濃度〉
カルボニル基の製造に供した原料の量比からカルボニル基数を求めて算出して表1及び表2に示した。
《ポリイミドフィルム1〜32の評価》
上記のようにして得られたポリイミドフィルム1〜32について全光線透過率とヘイズ及び有機ELデバイスを作製し高湿下でのそりを評価した。
〈全光線透過率〉
ポリイミドフィルムの全光線透過率は、23℃・55%RHの空調室で24時間調湿した試料1枚をJIS K−7375に従って、(株)日立ハイテクノロジーズの分光光度計U−3300を用いて可視光領域(400〜700nmの範囲)の透過率を測定し、平均値を求め、以下の評価基準で評価した。
◎:85%以上
○:80%以上85%未満
×:80%未満
〈ヘイズ〉
各ポリイミドフィルム1〜32のヘイズ(全ヘイズ)を、JIS K−7136に準拠して、ヘーズメーターNDH−2000(日本電色工業株式会社製)にて測定し、以下の基準で評価した。ヘーズメーターの光源は、5V9Wのハロゲン球とし、受光部は、シリコンフォトセル(比視感度フィルター付き)とした。ヘイズの測定は、23℃・55%RHの条件下にて行った。
◎:ヘイズが0.5%未満
○:ヘイズが0.5%以上1%未満
×:ヘイズが1%以上
〈高湿下でのそり〉
上記のようにして作製したポリイミドフィルム1〜32を用いて有機ELデバイスを作製し、高温高湿下でのそりの評価を行った。
透明基板として上記ポリイミドフィルム1〜32を用いて、その上にクロムからなる反射電極、反射電極上に金属電極(陽極)としてITO(スズドープ酸化インジウム)を用いて金属電極を形成し、有機発光層として、陽極上に正孔輸送層としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)をスパッタリング法で厚さ80nmで形成し、次いで正孔輸送層上にシャドーマスクを用いて、RGBそれぞれの発光層R、G、Bを100nmの層厚で形成した。赤色発光層Rとしては、ホストとしてトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq)と発光性化合物[4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran](DCM)とを共蒸着(質量比99:1)して100nmの厚さで形成した。緑色発光層Gとしては、ホストとしてAlqと、発光性化合物クマリン6(3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン)とを共蒸着(質量比99:1)して100nmの厚さで形成した。青色発光層Bとしては、ホストとしてBAlqと発光性化合物Peryleneとを共蒸着(質量比90:10)して厚さ100nmで形成した。
更に、有機発光層上に電子が効率的に注入できるような仕事関数の低い第1の陰極としてカルシウムを真空蒸着法により4nmの厚さで成膜し、第1の陰極上に第2の陰極としてアルミニウムを2nmの厚さで形成した。ここで、第2の陰極として用いたアルミニウムは、その上に透明導電膜をスパッタリング法により成膜する際に、第1の陰極であるカルシウムが化学的変質を起こすことを防ぐ役割がある。次に、陰極上にスパッタリング法によって透明導電膜を80nmの厚さで成膜し透明電極とした。ここで透明導電膜としてはITOを用いた。更に、透明電極上にCVD法によって窒化ケイ素を200nm成膜することで、絶縁層とし、20cm×20cm有機EL素子ユニットを作製した。
次に、ガスバリアーフィルムとして、厚さ20μmのガスバリアー層付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、このガスバリアーフィルムの片面に、熱硬化型の液状接着剤(エポキシ系樹脂)を厚さ25μmで付与した封止ユニットを作製した。
次に、90℃で0.1MPaの減圧条件下で、透明基板〜絶縁層まで形成した有機EL素子ユニットと封止ユニットとを積層して圧力をかけて5分間保持した。続いて、積層体を大気圧環境に戻し、更に90℃で30分間加熱して接着剤を硬化させて、有機EL表示デバイスを作製した。
作製した有機EL表示デバイスを恒温恒湿器(エスペック社製PL−4)を用いて60℃・80%RHで24時間処理した後のそり量を測定した。そり量は、有機EL表示デバイスの透明基板側を下にして平面ガラス上に置き、定規を用いて四隅のそりを測定し、その平均値を以下の基準に従って評価した。なお、耐久試験前の有機EL表示デバイスのそりは0mmであった。
◎:5mm未満のそりが発生している
○:5mm以上10mm未満のそりが発生している
×:10mm以上のそりが発生している
ポリイミドフィルムの全光線透過率と有機EL表示デバイスの高湿下でのそりの結果を表1及び表2に示す。なおカルボニル基を有する有機化合物の分子量はオリゴマーの場合、数平均分子量を示している。
Figure 2019023249
Figure 2019023249
表1及び表2に示されるように、本発明のポリイミドフィルムを用いて作製した有機EL表示デバイスはそりが抑制されていることが分かる。
これに対し、比較例のポリイミドフィルムは、分子量が300〜10000の範囲内のカルボニル基を有する有機化合物を含有しておらず、有機EL表示デバイスのそりが抑制されていない。
〔実施例2〕
上記作製したポリイミドフィルム1〜34を用いて以下のようにしてフレキシブルプリント基板を作製した。
ポリイミドフィルムの片面に、巻き出し機、スパッタリング装置、巻取り機から構成されるスパッタリング設備を用いて直流スパッタリング法により、平均厚さ230Åの20質量%Crのクロム−ニッケル合金層を金属薄膜として形成した。更に、同様にして、金属薄膜の上に平均厚さ1000Åの銅薄膜を形成した。
次に、銅薄膜の上に電気銅めっき法により、厚さ9μmの銅層を設けて金属化ポリイミドフィルムを得た。用いた銅めっき浴は、銅濃度23g/Lの硫酸銅めっき浴であり、めっき時の浴温は27℃とした。また、めっき槽は、複数のめっき槽を連結させた複数構造槽とし、巻き出し機と巻取り機とにより片面に金属層が設けられたポリイミドフィルムが連続的に各槽に浸漬されるように搬送しながら電気めっきを行った。搬送速度は、75m/hとし、めっき槽の平均陰極電流密度を1.0〜2.5A/dmに調整して銅めっきを施した。
次に、この金属被覆ポリイミドフィルムを用いて配線間隔30μm、全配線幅が15000μmのCOF(Chip on film)をサブトラクティブ法で作製した。これにICチップを搭載し、ICチップ表面の電極と配線のリード部とをワイヤボンディング装置を用いて400℃にて0.5秒間のボンディング処理条件でワイヤボンディングを施した。
上記作製したフレキシブルプリント基板を用いて、恒温恒湿器(エスペック社製PL−4)の内を60℃・80%RHに設定して、24時間処理しその後のそりの発生の大きさを観察した。その結果、本願発明のポリイミドフィルムを用いたフレキシブルプリント基板はそりが小さく良好であった。
〔実施例3〕
次いで、特開2014−22508号公報記載のLED照明装置の作製方法を参考にして、上記作製したフレキシブルプリント基板を用いて、LED照明装置に実装した。
上記作製した各LED照明装置を、室温(約25℃)で、2.5mA/cmの定電流条件下で発光させ、発光開始直後の正面発光の輝度(cd/m)を、分光放射輝度計C154S−2000(コニカミノルタ社製)を用いて測定したところ、本発明のポリイミドフィルムを実装したLED照明装置は、いずれも正面輝度が1000(cd/m)以上であった。
以上から、本発明の構成のポリイミドフィルムは透明度が高く、それを実装したLED照明装置は正面輝度に優れることが分かった。
〔実施例4〕
実施例1で作製したポリイミドフィルムを用いて有機EL表示装置を作製し、評価した。
(1)ハードコート層付きポリイミドフィルムの作製
実施例1で作製したポリイミドフィルム1〜32の片面上に、下記ハードコート層を設けてハードコート層付きポリイミドフィルムを作製した。
(ハードコート層の形成)
下記ハードコート層組成物を孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層形成用塗布液を調製し、ダイコーターによりポリイミドフィルム上に塗布し、70℃で乾燥した。次いで、処理空間内の酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、紫外線ランプを用いて照度300mW/cm、照射量0.3J/cmの条件下で塗布層を硬化させた。更に、加熱処理ゾーンにおいて、130℃で5分間、搬送力300N/mで加熱処理し、ドライ層厚7μmのハードコート層を形成した。
(ハードコート層組成物)
下記材料を撹拌、混合してハードコート層組成物とした。
ペンタエリスリトールトリアクリレート 20.0質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50.0質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 30.0質量部
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 30.0質量部
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5.0質量部
フッ素−シロキサングラフトポリマーI(35質量%) 5.0質量部
シーホスターKEP−50(粉体のシリカ粒子、平均粒径0.47〜0.61μm、日
本触媒(株)製) 24.3質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20質量部
酢酸メチル 40質量部
メチルエチルケトン 60質量部
(フッ素−シロキサングラフトポリマーIの調製)
以下、フッ素−シロキサングラフトポリマーIの調製に用いた素材の市販品名を示す。ラジカル重合性フッ素樹脂(FA):セフラルコートCF−803(ヒドロキシ(水酸基)価60、数平均分子量15000;セントラル硝子(株)製)
片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B):サイラプレーンFM−0721(数平均分子量5000;JNC(株)製)
ラジカル重合開始剤:パーブチルO(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート;日本油脂(株)製)
硬化剤:スミジュールN3200(ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型プレポリマー;住化バイエルウレタン(株)製)
まず、次のようにしてラジカル重合性フッ素樹脂(FA)を調製した。
機械式撹拌装置、温度計、コンデンサー及び乾燥窒素ガス導入口を備えたガラス製反応器に、セフラルコートCF−803(1554質量部)、キシレン(233質量部)、及び2−イソシアナトエチルメタクリレート(6.3質量部)を入れ、乾燥窒素雰囲気下で80℃に加熱した。80℃で2時間反応し、サンプリング物の赤外吸収スペクトルによりイソシアネートの吸収が消失したことを確認した後、反応混合物を取り出し、ウレタン結合を介して50質量%のラジカル重合性フッ素樹脂(FA)を得た。
次いで、機械式撹拌装置、温度計、コンデンサー及び乾燥窒素ガス導入口を備えたガラス製反応器に、上記合成したラジカル重合性フッ素樹脂(FA)(26.1質量部)、キシレン(19.5質量部)、酢酸n−ブチル(16.3質量部)、メチルメタクリレート(2.4質量部)、n−ブチルメタクリレート(1.8質量部)、ラウリルメタクリレート(1.8質量部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(1.8質量部)、FM−0721(5.2質量部)、及びパーブチルO(0.1質量部)を入れ、窒素雰囲気中で90℃まで加熱した後、90℃で2時間保持した。パーブチルO(0.1部)を追加し、更に90℃で5時間保持することによって、重量平均分子量が171000である35質量%フッ素−シロキサングラフトポリマーIの溶液を得た。
(2)円偏光板の作製
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥して偏光子を得た。
次いで、特開2013−101229号公報の段落[0277]−[0287]に記載の方法で、λ/4位相差フィルムを作製した。
次いで、下記工程1〜5に従って、偏光子とλ/4位相差フィルムと保護フィルム(コニカミノルタタック KC4UY(コニカミノルタ(株)製))とをロールtoロール方式で貼り合わせて、円偏光板を作製した。なお、保護フィルムが偏光子の裏面側(視認側)に配置されるように貼り合わせた。
工程1:λ/4位相差フィルム及び延伸した保護フィルムを、60℃の2モル/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬した後、水洗して乾燥し、それぞれ偏光子と貼合する側の面をケン化した。
工程2:上記作製した偏光子を、固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸漬した。
工程3:工程2で偏光子に付着した過剰の接着剤を軽く拭き取り、これを工程1で処理したλ/4位相差フィルムの上に載せて配置した。
工程4:工程3で積層したλ/4位相差フィルム及び偏光子と、保護フィルムとを圧力20〜30N/cm、搬送スピードは約2m/分で貼合した。
工程5:80℃の乾燥機中で工程4で作製した偏光子とλ/4位相差フィルムと保護フィルムとを貼り合わせた試料を2分間乾燥し、円偏光板を作製した。
(3)有機EL表示デバイスの作製
透明基板として実施例1で作製したポリイミドフィルム1〜34を用い、その上にクロムからなる反射電極を形成し、更に当該反射電極上にITO(スズドープ酸化インジウム)からなる陽極を形成した。
陽極上にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)を用いてスパッタリング法で厚さ80nmの正孔輸送層を形成した。次いで、シャドーマスクを用いて、正孔輸送層上にそれぞれ層厚100nmの赤色発光層R、緑色発光層G及び青色発光層Bを形成した。赤色発光層Rは、ホストとしてトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq)と、発光性化合物として4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran(DCM)とを共蒸着(質量比99:1)して形成した。緑色発光層Gは、ホストとしてAlqと、発光性化合物としてクマリン6(3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン)とを共蒸着(質量比99:1)して形成した。青色発光層Bとしては、ホストとしてBAlqと、発光性化合物としてPeryleneとを共蒸着(質量比90:10)して形成した。このようにして、正孔輸送層、赤色発光層R、緑色発光層G及び青色発光層Bからなる有機発光層を形成した。
更に、有機発光層上に、真空蒸着法によりカルシウムを4nmの厚さで成膜して第1の陰極を形成した。次に、第1の陰極上に、アルミニウムを2nmの厚さで成膜して第2の陰極を形成した。第2の陰極に用いたアルミニウムは、その上に形成される透明導電膜をスパッタリング法により成膜する際に、第1の陰極であるカルシウムが化学的変質をすることを防ぐ役割がある。
次に、第1及び第2の陰極上に、スパッタリング法によりITOを80nmの厚さで成膜し透明電極を形成した。更に、透明電極上にCVD法によって窒化ケイ素を200nmの厚さで成膜して絶縁膜を形成した。このようにして有機EL素子を作製した。
次に、厚さ20μmのガスバリアー層付きポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、熱硬化型の液状接着剤(エポキシ系樹脂)を厚さ25μmで付与して、封止ユニットを作製した。
次に、90℃で0.1MPaの減圧条件下で、透明基板〜絶縁膜まで形成した有機EL素子と封止ユニットとを重ねて押圧し、5分間保持した。続いて、その積層体を大気圧環境にて90℃で30分間加熱して接着剤を硬化させ、有機EL表示デバイスを作製した。
上記作製した有機EL表示デバイスの発光面積は1296mm×784mmであった。また、この有機EL表示デバイスに6Vの直流電圧を印加した際の正面輝度は1200cd/mであった。正面輝度の測定は、コニカミノルタ(株)製分光放射輝度計CS−1000を用いて、2度視野角正面輝度を、発光面からの法線に分光放射輝度計の光軸が一致するようにして、可視光波長430〜480nmの範囲を測定し、積分強度をとった。
(4)有機EL表示装置の作製
作製した有機EL表示デバイスに、上記作製した円偏光板を積層し、更にその上に前面部材として、上記作製したハードコート層付きポリイミドフィルムをハードコート層が最表層となるように接着層を介して積層し、有機EL表示装置を作製した。
(5)有機EL表示装置の評価
作製した有機EL表示装置をヒートショック試験機(日立アプライアンス(株)製、EC−35EXH)を用いて、60℃・80%RHで10分間保持した後、60℃・45%RHに変化させて10分間保持し、再び60℃・80%RHに変化させる操作を1サイクルとして、これを150サイクル繰り返す耐久試験を行った。当該耐久試験後の有機EL表示装置を平面ガラス上に置き、定規を用いてそのそりを測定した。その結果、本発明のポリイミドフィルムを用いた有機EL表示装置はそりもなく平面性に優れていたが、比較例の有機EL表示装置は、そりが発生しており歪みが見られた。

Claims (8)

  1. ポリイミドとポリイミド以外の有機化合物とを含有するポリイミドフィルムであって、前記有機化合物が、数平均分子量が300〜10000の範囲内でありカルボニル基を有する有機化合物であることを特徴とするポリイミドフィルム。
  2. 前記カルボニル基を有する有機化合物のカルボニル基濃度が、15〜40質量%であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドフィルム。
  3. 前記カルボニル基を有する有機化合物が、エステル系化合物、アクリル系化合物、アミド系化合物、ウレタン系化合物及びカルボン酸から選らばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリイミドフィルム。
  4. 前記カルボニル基を有する有機化合物の含有量が、前記ポリイミドに対して2〜15質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のポリイミドフィルム。
  5. 全光線透過率が、80%以上であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のポリイミドフィルム。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のポリイミドフィルムを具備していることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
  7. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のポリイミドフィルムを具備していることを特徴とするLED照明装置。
  8. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のポリイミドフィルムを具備していることを特徴とするフレキシブルディスプレイ用前面部材。
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