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JP2018103392A - 透明ポリイミドフィルム積層体 - Google Patents

透明ポリイミドフィルム積層体 Download PDF

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JP2018103392A
JP2018103392A JP2016249627A JP2016249627A JP2018103392A JP 2018103392 A JP2018103392 A JP 2018103392A JP 2016249627 A JP2016249627 A JP 2016249627A JP 2016249627 A JP2016249627 A JP 2016249627A JP 2018103392 A JP2018103392 A JP 2018103392A
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晃矢子 和地
Ayako Wachi
晃矢子 和地
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】UV耐候性が良く、湿熱環境においてもRGBの色味の差が生じず、良好な画質を維持できる透明ポリイミドフィルム積層体を提供する。【解決手段】上記課題は、膜厚50μm時のイエローインデックス値(YI値)が5以下のポリイミド系フィルムの少なくとも片面に少なくともSiとOを含み構成される層を有する透明フィルムにおいて、前記SiとOを含み構成される層には金属元素をSiに対して、原子比で0.5%以上10%以下含むことを特徴とする透明ポリイミドフィルム積層体により達成される。【選択図】なし

Description

本発明は、透明ポリイミドフィルム積層体に関する。より詳細には、透明ポリイミドフィルム積層体及びこれを前面板として有するタブレットPCやスマートフォン等の表示装置(ディスプレイ)に関する。
車載や屋外などこれまでにないディスプレイの使用環境が広がりつつあり、ディスプレイに使用されるフィルムにも高耐久が求められている。特に最外層(最表層)に用いられるフィルム(カバーフィルムないし前面板)には、傷つき防止、紫外線(UV)耐候性など高度な性能が求められている。
上記の要求に対し、ハードコート層を製膜するのが一般に知られている。しかし、ハードコート層自体アクリル等の有機物から構成されているため、ハードコート層自体のUV劣化により黄変、脆くなるなど耐久性が不十分であった。
かかる課題に対し、特許文献1で透明ポリイミド樹脂フィルム上に酸化ケイ素を主成分とする層(酸化ケイ素層)を積層している構成(フィルム積層体)が報告されている。この方法だと酸化ケイ素層自体は無機物でUVでの劣化がなく、良好にハードコート性を維持することができるというものである。
特表2015−522454号公報
しかしながら、特許文献1に記載の透明ポリイミド樹脂フィルム上に酸化ケイ素を主成分とする層(酸化ケイ素層)を積層したフィルム積層体では、特に湿熱環境に入れた際に光学特性(特に黄色味)の色ムラが生じることが課題となっていた。ディスプレイの最表層(最外層)に前記フィルム積層体を設置した場合に無機膜(酸化ケイ素層)と上記樹脂フィルムとの間に剥離が生じると剥離がある場所とない場所でRGBの色味の差が生じてしまい、画質が劣化するという問題が生じていた。
したがって、本発明は、上記事情を鑑み、UV耐候性が良く、湿熱環境においてもRGBの色味の差が生じず、良好な画質を維持できる、ディスプレイの最外層(前面板)に適用し得る透明PIフィルム積層体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、ポリイミド系フィルム上に、SiとOを含み構成される層(SiO層)を積層した透明ポリイミドフィルム積層体において、前記SiO層に金属元素を適量含ませることによって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、膜厚50μm時のYI値が5以下のポリイミド系フィルムの少なくとも片面に少なくともSiとOを含み構成される層(SiO層)を有する透明フィルムにおいて、前記SiO層には金属元素をSiに対して、原子比で0.5%以上10%以下含む透明PIフィルム積層体である。
本発明では、SiとOを含み構成される層(酸化ケイ素を主成分とする層;SiO層)に金属元素を適量添加することにより、耐熱フィルム(ポリイミド系フィルム)と酸化ケイ素と金属元素とが3次元的にごく安定な緻密層を耐熱フィルムとSiO層との界面に形成する。これにより、表面からの酸素の侵入を強く阻む効果が表れ、その効果が高温高湿下でも変化しないことが確認されている。結果として、UV耐候性が良く、湿熱環境においてもRGBの色味の差が生じず、良好な画質を維持できる透明ポリイミドフィルム積層体を提供できる。
本発明に係る透明PIフィルム積層体を構成する金属元素含有SiO層の形成に用いられる真空プラズマCVD装置の一例を示す模式図である。 本発明に係る透明PIフィルム積層体を構成する金属元素含有SiO層の形成に用いられる真空プラズマCVD装置の他の一例を示す模式図である。
本発明は、膜厚50μm時のイエローインデックス値(YI値)が5以下のポリイミド系フィルムの少なくとも片面に少なくともSiとOを含み構成される層(SiO層)を有する透明フィルムにおいて、前記SiO層は金属元素をSiに対して、原子比で0.5%以上10%以下含むことを特徴とする透明ポリイミドフィルム積層体である。なお、本明細書では、ポリイミドを単に「PI」とも表す。
本発明の透明PIフィルム積層体が、UV耐候性が良く、湿熱環境においても発光色の色味の差が生じず、良好な画質を維持できるのか、詳細な理由は不明であるが、以下のような理由であると考えられる。
本発明の効果が得られる作用メカニズム(発現機構ないし作用機序)としては、SiとOを含み構成される層(SiO層;酸化ケイ素層)中の金属元素とPI系フィルム(基材)を構成する無色透明のPI樹脂との間に結合が形成し、Siが形成する結合と比較して加水分解が起こりにくくなる。そのため、湿熱劣化させた際も基材と酸化ケイ素層の間に強固な密着性が維持され続けることにより、透明PIフィルム積層体を表示装置の前面板に用いた場合でも、表示装置の面内の色味変化の不均一性を抑制することが可能となり、結果として色味変化の耐久性が維持できるものと推定している。この効果は単純な水や酸素の侵入を高度に阻害すれば得られるものではなく、いかに面内を均一に水や酸素の侵入を阻害するかが重要であると考えている。通常の(茶褐色で不透明の)PIの上にポリシラザン等を製膜した際には、PI特有の電荷移動(CT)遷移の形成により(結晶構造が緻密で溶媒に難溶となり)金属元素の浸透が小さく(金属元素がPI及び酸化珪素(SiO)と、PI系フィルムとSiO層との境界領域(界面近傍)に3次元的に緻密な層(混合層)を形成し難く)酸素や水分の通り道の低減の効果は低い(湿熱耐性での密着性が劣化する傾向にある。)といえる。
しかしながら、本発明の要件を満足する無色透明のPI樹脂(で構成されるPI系フィルム)の場合、もともと樹脂のCT遷移が弱められることにより、(結晶構造が緻密化せず溶媒に易溶となり)樹脂を透明化していることから、SiとOを含み構成される層(SiO層;酸化ケイ素層)形成時に金属元素の無色透明のPI樹脂(で構成されるPI系フィルム)内部への金属元素の浸透が強く(金属元素がPI及び酸化珪素(SiO層)とPI系フィルムとSiO層との境界領域(界面近傍)に3次元的に緻密な層(混合層)を形成し易く)、本発明に関わる効果(酸素や水分の通り道の遮断効果が高く、湿熱耐性での密着性向上効果)が強く得られるものと推定している。
特にPI系フィルムがフッ素原子を含有する(PI系フィルムがフッ素系のモノマーを使用している)場合はフッ素原子と(金属元素含有SiO層中の)金属元素の間で強いイオン結合が形成するため、最も効果が表れるものと推定している。
なお、上記の作用メカニズム(発現機構ないし作用機序)は推定によるものであり、本発明は上記作用メカニズムに何ら限定されるものではない。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」および「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
<透明ポリイミド(PI)フィルム積層体>
本発明の透明PIフィルム積層体は、膜厚50μm時のYI値が5以下のPI系フィルムと、前記PI系フィルムの少なくとも片面に、金属元素をSiに対して原子比で0.5〜10%含むSiとOを含み構成される層(金属元素含有SiO層)とを有する。本発明の透明PIフィルム積層体は、他の部材をさらに含むものであってもよい。本発明の透明PIフィルム積層体は、例えば、基材のPI系フィルムと金属元素含有SiO層との間に、金属元素含有SiO層の上に、または金属元素含有SiO層が形成されていない基材のPI系フィルムの他方の面に、他の部材を有していてもよい。ここで、他の部材(層)としては、特に制限されず、従来のディスプレイの最外層に用いられるフィルムに使用される部材(層、膜等)が同様にしてあるいは適宜修飾して使用できる。具体的には、AG(アンチグレア)層、AR(アンチリフレクション)層、防指紋層等が挙げられる。この他にも、ケイ素、炭素、および酸素を含むバリア層、平滑層、アンカーコート層、ブリードアウト防止層、ならびに保護層、吸湿層や帯電防止層の機能化層などが挙げられる。
なお、本発明において、金属元素含有SiO層は、単一層として存在してもあるいは2層以上の積層構造を有していてもよい。
さらに、本発明では、金属元素含有SiO層は、基材のPI系フィルムの少なくとも一方の面(片面)に形成されていればよい。このため、本発明の透明PIフィルム積層体は、基材のPI系フィルムの一方の面に金属元素含有SiO層が形成される形態、および基材のPI系フィルムの両面に金属元素含有SiO層が形成される形態双方を包含する。
[ポリイミド(PI)系フィルム(基材)]
本発明の透明PIフィルム積層体に用いられるPI系フィルムは、膜厚50μm時のイエローインデックス値(YI値)が5以下である、いわば、無色(透明)のフィルムである。これにより、ディスプレイに要求される高レベルの無色(透明)で耐熱性に優れた透明PIフィルム積層体を提供できる。無色(透明)の目安としては、膜厚50μm時のYI値が5以下であればよい。膜厚50μm時のYI値が5を超える場合には、PI系フィルムが黄色化(有色かつ不透明化)するため好ましくない。より透明性に優れる観点からは、前記YI値の要件に加え、更に全光線透過率が80%以上であるものが好ましい。また、前記ポリイミ系ドフィルムがフッ素原子を含有することが好ましい。すなわち、前記ポリイミ系ドフィルムの構成成分であるPIの一部または全部がフッ化PIであることが好ましい。これは、PI系フィルムと金属元素含有SiO層との密着性が改良される観点及び部材の無色、透明性が改良される観点から好ましい。フッ素原子を含有するPI系フィルムを製造する製造方法としては、例えば、前記PI系フィルムの構成成分であるPIが、ジアミンとして2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(2,2’−TFDB)を用い、酸二無水物として2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンジアンヒドリド、又はビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いて重合して合成されたPIであり、前記合成されたPIを用いて、PI系フィルムを製造することが、PI系フィルムと金属元素含有SiO層との密着性が改良される観点及び部材の無色透明性が改良される観点から好ましい。
[ポリイミド(PI)]
上記PI系フィルムに用いられるPIは、イミド構造を有する透明耐熱性樹脂(以下、PI樹脂ともいう。)であり、繰り返し単位にイミド結合を含む透明耐熱性樹脂である。本発明のPI系フィルムは、ポリアミド酸又はPIを含有する。ポリアミド酸又はPIは、ジアミン又はその誘導体と酸無水物又はその誘導体とから形成されることが好ましい。
(1.1)式(1.1)又は式(1.2)で表される構造を有するPI樹脂
(1.1.1)酸無水物側の構造
本発明に用いることのできるPI又はポリアミド酸としては、特に、下記式(1.1)で表される繰り返し単位を有するPI(以下、PI(A)と称する。)又は下記式(1.2)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸(以下、ポリアミド酸(A’)と称する。)が好ましい。
ポリアミド酸(A’)は、上記のとおり、PI(A)のイミド結合の一部が解離した構造に当たり、ポリアミド酸(A’)の詳細説明はPI(A)に対応させて考えることができるため、以下、代表的にPI(A)について詳細に説明する。
式(1.1)及び式(1.2)中、Rは、芳香族炭化水素環若しくは芳香族複素環、又は、炭素数4〜39の4価の脂肪族炭化水素基若しくは脂環式炭化水素基である。Φは、炭素数2〜39の2価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせからなる基であって、結合基として、−O−、−SO−、−CO−、−CH−、−C(CH−、−OSi(CH−、−CO−及び−S−からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を含有していても良い。
Rで表される芳香族炭化水素環としては、例えば、フルオレン環、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。
また同様に、Rで表される芳香族複素環としては、例えば、シロール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピロール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンズイミダゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、チエノチオフェン環、カルバゾール環、アザカルバゾール環(カルバゾール環を構成する炭素原子の任意の一つ以上が窒素原子で置き換わったものを表す)、ジベンゾシロール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾチオフェン環やジベンゾフラン環を構成する炭素原子の任意の一つ以上が窒素原子で置き換わった環、ベンゾジフラン環、ベンゾジチオフェン環、アクリジン環、ベンゾキノリン環、フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、サイクラジン環、キンドリン環、テペニジン環、キニンドリン環、トリフェノジチアジン環、トリフェノジオキサジン環、フェナントラジン環、アントラジン環、ペリミジン環、ナフトフラン環、ナフトチオフェン環、ナフトジフラン環、ナフトジチオフェン環、アントラフラン環、アントラジフラン環、アントラチオフェン環、アントラジチオフェン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、ジベンゾカルバゾール環、インドロカルバゾール環、ジチエノベンゼン環等が挙げられる。
Rで表される炭素数4〜39の4価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、ブタン−1,1,4,4−トリイル基、オクタン−1,1,8,8−トリイル基、デカン−1,1,10,10−トリイル基等の基が挙げられる。
また、Rで表される炭素数4〜39の4価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブタン−1,2,3,4−テトライル基、シクロペンタン−1,2,4,5−テトライル基、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトライル基、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトライル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトライル基、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトライル基、3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2,4,5−テトライル基、3,6−ジフェニルシクロヘキサン−1,2,4,5−テトライル基等の基が挙げられる。
Φで表される上記結合基を有する又は有さない炭素数2〜39の2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、下記構造式で表される基が挙げられる。
上記構造式において、nは、繰り返し単位の数を表し、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。また、Xは、炭素数1〜3のアルカンジイル基、つまり、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基であり、メチレン基が好ましい。
Φで表される上記結合基を有する又は有さない炭素数2〜39の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、下記構造式で表される基が挙げられる。
Φで表される上記結合基を有する又は有さない炭素数2〜39の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、下記構造式で表される基が挙げられる。
Φで表される脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基の組み合わせからなる基としては、例えば、下記構造式で表される基が挙げられる。
Φで表される基としては、結合基を有する炭素数2〜39の2価の芳香族炭化水素基、又は該芳香族炭化水素基と脂肪族炭化水素基の組み合わせであることが好ましく、特に、以下の構造式で表される基が好ましい。
本発明に用いられる酸無水物はカルボン酸無水物であり、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸の誘導体であることが好ましく、例えば、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸エステル類、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。なお、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸又はその誘導体のうち、脂環式テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
ここで、誘導体とは、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸に変化しうる化合物であり、例えば、脂肪族テトラカルボン酸二無水物の場合、当該無水物に代えて二つのカルボキシ基を有する化合物、これら二つのカルボキシ基の中の片方又は両方がエステル化されたエステル化物である化合物、又はこれら二つのカルボキシ基の中の片方又は両方がクロル化された酸クロライド等が好適に用いられる。
このようなアシル化合物を用いることにより、高い耐熱性と優れた光学特性とを有し、着色(黄変)の少ないフィルムを得ることができる。
脂肪族テトラカルボン酸としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。脂環式テトラカルボン酸としては、例えば、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸エステル類としては、例えば、上記脂肪族テトラカルボン酸のモノアルキルエステル、ジアルキルエステル、トリアルキルエステル、テトラアルキルエステルが挙げられる。脂環式テトラカルボン酸エステル類としては、例えば、上記脂環式テトラカルボン酸のモノアルキルエステル、ジアルキルエステル、トリアルキルエステル、テトラアルキルエステルが挙げられる。なお、アルキル基部位は、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましい。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。特に好ましくは、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物である。一般に、脂肪族ジアミンを構成成分とするPIは、中間生成物であるポリアミド酸とジアミンが強固な塩を形成するため、高分子量化するためには塩の溶解性が比較的高い溶媒(例えばクレゾール、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等)を用いることが好ましい。ところが、脂肪族ジアミンを構成成分とするPIでも、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物を構成成分としている場合には、ポリアミド酸とジアミンの塩は比較的弱い結合で結ばれているので、高分子量化が容易で、フレキシブルなフィルムが得られやすい。
他にも、例えば、4,4’−ビフタル酸無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,4’−オキシジフタル酸無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物(ピグメントレッド224)1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物トリシクロ[6.4.0.02,7]ドデカン−1,8:2,7−テトラカルボン酸二無水物等を用いることができる。
また、フルオレン骨格を有する酸無水物又はその誘導体を用いても良い。PI特有の着色を改善する効果を有する。フルオレン骨格を有する酸無水物としては、例えば、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸二無水物、9,9−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレン酸二無水物等を用いることができる。
芳香族、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸又はその誘導体は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。また、PIの溶媒可溶性、フィルムのフレキシビリティ、熱圧着性、透明性を損なわない範囲で、他のテトラカルボン酸又はその誘導体(特に二無水物)を併用しても良い。
かかる他のテトラカルボン酸又はその誘導体としては、例えば、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、4,4−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン等の芳香族系テトラカルボン酸及びこれらの誘導体(特に二無水物);エチレンテトラカルボン酸等の炭素数1〜3の脂肪族テトラカルボン酸及びこれらの誘導体(特に二無水物)等が挙げられる。
酸二無水物としては、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンジアンヒドリド又はビフェニルテトラカルボン酸二無水物であることが、透明性に優れる点、及び熱収縮による熱矯正をしやすい観点で好ましい。
前記式(1.1)で表される繰り返し単位は、全ての繰り返し単位に対して好ましくは10〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%、更に好ましくは80〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%である。また、PI(A)1分子中の式(1.1)の繰り返し単位の個数は、好ましくは10〜2000、より好ましくは20〜200であり、この範囲において、更にガラス転移温度が230〜350℃であることが好ましく、250〜330℃であることがより好ましい。
(1.1.2)ジアミン側の構造
ジアミン又はその誘導体としては、例えば、芳香族ジアミン又はイソシアン酸エステル等が好ましく、芳香族ジアミンが好ましい。
本発明に用いられるジアミン又はその誘導体としては、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン又はこれらの混合物のいずれでも良く、芳香族ジアミンであることがフィルムの白化を抑制できる観点から、好ましい。
なお、本発明において「芳香族ジアミン」とは、アミノ基が芳香族環に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、その他の置換基(例えば、ハロゲン原子、スルホニル基、カルボニル基、酸素原子等。)を含んでいても良い。「脂肪族ジアミン」とは、アミノ基が脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に芳香族炭化水素基、その他の置換基(例えば、ハロゲン原子、スルホニル基、カルボニル基、酸素原子等。)を含んでいても良い。
芳香族ジアミンの例としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、ベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、オクタフルオロベンジジン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,6−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2−メチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(2−メチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2−メチル−4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(2−メチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(4−(2−メチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(4−(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチル−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−メチル−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(3−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(3−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)4−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)アダマンタン、1,1−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)アダマンタン、1,1−ビス(2,6−ジメチル−4−アミノフェニル)アダマンタン、1,4−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3−アミノベンジルアミン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ビス(2−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−エチレンジアニリン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)等が挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ポリプロピレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−イソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−アミノ−イソプロピル)ベンゼン、イソフォロンジアミン、ノルボルナンジアミン、シロキサンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,2−ビス(4,4’−ジアミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4’−ジアミノメチルシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
また、PI特有の着色を改善する目的でフルオレン骨格を有するジアミン又はその誘導体を用いても良い。例えば、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−3−メチルフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−3−エチルフェノキシ)−3−フェニルフェニル〕フルオレンなどを用いることができる。
また、下記式で表されるトリアジン母核を有するジアミン化合物を好ましく用いることができる。
トリアジン母核を有する上記式のジアミン化合物において、Rは水素原子又は炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基又はアリール基を表し、Rは炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基又はアリール基を表し、RとRは異なっていても良く、同じであっても良い。
とRの炭素数1〜12のアルキル基又はアリール基としては、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、フェニル、ベンジル、ナフチル、メチルフェニル、ビフェニルなどが挙げられる。
トリアジンの二つのNH基に接続するアミノアニリノ基は、4−アミノアニリノ又は3−アミノアニリノであり、同じであっても異なっていても良いが、4−アミノアニリノが好ましい。
トリアジン母核を有する上記式で表されるジアミン化合物としては、具体的には、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−アニリノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−アニリノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ベンジルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−ベンジルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ナフチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ビフェニルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ジフェニルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−ジフェニルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ジベンジルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ジナフチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−N−メチルアニリノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−N−メチルナフチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−エチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−エチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ジエチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−アミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−アミノ−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
ジアミン誘導体であるイソシアン酸エステルとしては、例えば、上記芳香族又は脂肪族ジアミンとホスゲンを反応させて得られるジイソシアネートが挙げられる。
また、他のジアミン誘導体としては、ジアミノジシラン類も挙げられ、例えば上記芳香族又は脂肪族ジアミンとクロロトリメチルシランを反応させて得られるトリメチルシリル化した芳香族又は脂肪族ジアミンが挙げられる。
ジアミンとしては、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルであることが、透明性に優れる点、及びPI系フィルムとSiとOを含み構成される層(SiO層)との密着性に優れる観点で好ましい。
以上のジアミン及びその誘導体は任意に混合して用いても良いが、それらの中におけるジアミンの量が50〜100モル%となることが好ましく、80〜100モル%となることがより好ましい。
(1.1.3)ポリアミド酸の合成法及びイミド化
(1.1.3.1)ポリアミド酸の合成
ポリアミド酸は、適当な溶媒中で、前記テトラカルボン酸類の少なくとも1種類と、前記ジアミン類の少なくとも1種類を重合反応させることにより得られる。
また、ポリアミド酸エステルは、前記テトラカルボン酸二無水物を、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコールを用いて開環することによりジエステル化し、得られたジエステルを適当な溶媒中で前記ジアミン化合物と反応させることにより得ることができる。更に、ポリアミド酸エステルは、上記のように得られたポリアミド酸のカルボン酸基を、上記のようなアルコールと反応させることによりエステル化することによっても得ることができる。
前記テトラカルボン酸二無水物と、前記ジアミン化合物との反応は、従来知られている条件で行うことができる。テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の添加順序や添加方法には特に限定はない。例えば、溶媒にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを順に投入し、適切な温度で撹拌することにより、ポリアミド酸を得ることができる。
ジアミン化合物の量は、テトラカルボン酸二無水物1モルに対して、通常0.8モル以上、好ましくは1モル以上である。一方、通常1.2モル以下、好ましくは1.1モル以下である。ジアミン化合物の量をこのような範囲とすることにより、得られるポリアミド酸の収率が向上し得る。
溶媒中のテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の濃度は、反応条件やポリアミド酸溶液の粘度に応じて適宜設定する。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との合計の質量は、特段の制限はないが、全溶液量に対し、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上であり、一方、通常70質量%以下、好ましくは30質量%以下である。反応基質の量をこのような範囲とすることにより、低コストで収率良くポリアミド酸を得ることができる。
反応温度は、特段の制限はないが、通常0℃以上、好ましくは20℃以上であり、一方、通常100℃以下、好ましくは80℃以下である。反応時間は、特段の制限はないが、通常1時間以上、好ましくは2時間以上であり、一方、通常100時間以下、好ましくは24時間以下である。このような条件で反応を行うことにより、低コストで収率良くポリアミド酸を得ることができる。
この反応で用いられる重合溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン等の炭化水素系溶媒;四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン及びフルオロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン及びメトキシベンゼン等のエーテル系溶媒;アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン等の非プロトン系極性溶媒;ピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン及びイソキノリン等の複素環系溶媒;フェノール及びクレゾールのようなフェノール系溶媒、等が挙げられるが、特に限定されるものではない。重合溶媒としては、1種のみを用いることもできるし、2種類以上の溶媒を混合して用いることもできる。
ポリアミド酸の末端基は、重合反応時のテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物のいずれか一方を過剰に用いることによって、酸無水物基とアミノ基を任意に選ぶことができる。
末端基を酸無水物末端とした場合には、その後の処理を行わず酸無水物末端のままでも良く、加水分解させてジカルボン酸としても良い。また、炭素数が4以下のアルコールを用いてエステルとしても良い。更に、単官能のアミン化合物又はイソシアネート化合物を用いて末端を封止しても良い。ここで用いるアミン化合物又はイソシアネート化合物としては、単官能の第一級アミン化合物又はイソシアネート化合物であれば、特に制限はなく用いることができる。例えば、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、トリメチルアニリン、エチルアニリン、ジエチルアニリン、トリエチルアニリン、アミノフェノール、メトキシアニリン、アミノ安息香酸、ビフェニルアミン、ナフチルアミン、シクロヘキシルアミン、フェニルイソシアネート、キシリレンイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、メチルフェニルイソシアネート、トリフルオロメチルフェニルイソシアネート等を挙げることができる。
また、末端基をアミン末端とした場合には、単官能の酸無水物によって、末端アミノ基を封止することで、アミノ基が末端に残ることを回避できる。ここで用いる酸無水物としては、加水分解した際にジカルボン酸又はトリカルボン酸となる単官能の酸無水物であれば、特に制限なく用いることができる。例えば、マレイン酸無水物、メチルマレイン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物、コハク酸無水物、ノルボルネンジカルボン酸無水物、4−(フェニルエチニル)フタル酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、フタル酸無水物、メチルフタル酸無水物、ジメチルフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ナフタレンジカルボン酸無水物、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、4−オキサトリシクロ[5.2.2.02,6]ウンデカン−3,5−ジオン、オクタヒドロ−1,3−ジオキソイソベンゾフラン−5−カルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ジメチルシクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等を挙げることができる。
(1.1.3.2)イミド化法
ここで、PIは、ポリアミド酸溶液を加熱してポリアミド酸をイミド化させる方法(熱イミド化法)、又は、ポリアミド酸溶液に閉環触媒(イミド化触媒)を添加してポリアミド酸をイミド化させる方法(化学イミド化法)により得ることができる。
《フィルムのイミド化処理》
ポリアミド酸を用いて流延膜を形成した場合、得られたフィルムに対してイミド化処理を施すことでPI系フィルムを製造することができる。
本発明のポリアミック酸流延膜は、段階的に加熱することが好ましい。例えば、加熱処理によって溶媒を除去するとともにイミド化(脱水閉環)することによって好適にPIを得ることができる。
加熱処理条件は、特に限定されないが、50〜150℃、150〜250℃の温度範囲で(順々に、又はいずれか一方の温度範囲)で乾燥した後、更に300〜400℃、好ましくは350〜400℃の温度で加熱処理することが好ましい。これはイミド化反応率に合わせてポリアミド酸及びPIのガラス転移温度に合わせた温度で加熱することによりイミド化が促進させるためである。
本発明のPI系フィルムの製造方法においては、閉環触媒を含有しないポリアミド酸の溶液を流延してフィルムに成形し、支持体上で加熱乾燥した後、支持体よりフィルムを剥離し、更に高温下で乾燥熱処理することによりイミド化する(熱イミド化法)を用いることができる。なお、この方法の場合には、ポリアミド酸溶液に脱水剤を含有させることでイミド化の反応速度を向上させることができるが、脱水剤を含有させないことが好ましい。脱水剤を含有させないことで、残留脱水剤によるPI系フィルムの耐久性の低下を抑制することができる。
熱イミド化法においては、例えば赤外線ヒーターを用いることにより熱処理を行うことができる。赤外線ヒーターとしては、例えば、フィラメントを内管が囲むように形成されたヒーター本体が外管によって覆われ、ヒーター本体と外管との間に冷却流体が流通可能に構成されたものが用いられる。フィラメントは、700〜1200℃に通電加熱され、波長が3μm付近にピークを持つ赤外線を放射する。内管及び外管は、石英ガラスやホウケイ酸クラウンガラス等で作製されており、3.5μm以下の波長の赤外線を通過し、3.5μmを超える波長の赤外線を吸収するフィルターとして機能する。このような赤外線ヒーターは、フィラメントから波長が3μm付近にピークを持つ赤外線が放射されると、そのうち3.5μm以下の波長の赤外線を内管や外管を通過してフィルムに照射する。この波長の赤外線が照射されることにより、フィルム内の混合溶媒を効率的に蒸発させることができるとともに、フィルム内のポリアミド酸をイミド化することができる。なお、内管や外管は、3.5μmを超える波長の赤外線を吸収するが、流路を流れる冷却流体によって冷却されるため、フィルムから蒸発する混合溶媒の着火点未満の温度に維持することが可能である。
また、閉環触媒及び脱水剤を含有させたポリアミド酸の溶液を流延してフィルム状に成形し、支持体上でイミド化を一部進行させてフィルムとした後、支持体よりフィルムを剥離し、加熱乾燥/イミド化し、熱処理を行う(化学イミド化法)を用いることもできる。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチレンジアミン等の脂肪族第3級アミン及びイソキノリン、ピリジン、ピコリン等の複素環式第3級アミン等が挙げられるが、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも1種のアミンを使用することが好ましい。ポリアミド酸に対する閉環触媒の含有量は、閉環触媒の含有量(モル)/ポリアミド酸の含有量(モル)が、0.5〜8.0となる範囲が好ましい。
なお、この方法の場合、ポリアミド酸溶液に脱水剤を含有させることでイミド化を低温で進行させることができるためPI系フィルムの耐久性の低下を抑制することができる。
また、ポリアミド酸溶液を加熱してポリアミド酸をイミド化させる方法(熱イミド化法)、又は、ポリアミド酸溶液に閉環触媒(イミド化触媒)を添加してポリアミド酸をイミド化させる方法(化学イミド化法)については、上述の流延膜上に限らず、例えば、酸無水物とジアミンからポリアミド酸を重合する反応釜をそのまま継続して反応釜中でイミド化させてもよい。
反応釜中での熱イミド化法においては、上記重合溶媒中のポリアミド酸を、例えば80〜300℃の温度範囲で0.1〜200時間加熱処理してイミド化を進行させる。また、上記温度範囲を150〜200℃とすることが好ましく、150℃以上とすることにより、イミド化を確実に進行させて完了させることができ、一方、200℃以下とすることにより、溶媒や未反応原材料の酸化、溶剤溶媒の揮発による樹脂濃度の上昇を防止することができる。
更に、熱イミド化法においては、イミド化反応により生成する水を効率良く除去するために、上記重合溶媒に共沸溶媒を加えることができる。共沸溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素や、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等を用いることができる。共沸溶媒を使用する場合は、その添加量は、全有機溶媒量中の1〜30質量%程度、好ましくは5〜20質量%である。
一方、化学イミド化法においては、上記重合溶媒中のポリアミド酸に対し、公知の閉環触媒を添加してイミド化を進行させる。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチレンジアミン等の脂肪族第3級アミン及びイソキノリン、ピリジン、ピコリン等の複素環式第3級アミン等が挙げられるが、これ以外にも例えば、置換若しくは非置換の含窒素複素環化合物、含窒素複素環化合物のN−オキシド化合物、置換若しくは非置換のアミノ酸化合物、ヒドロキシ基を有する芳香族炭化水素化合物又は芳香族複素環状化合物が挙げられ、特に1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、5−メチルベンズイミダゾール等の低級アルキルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、イソキノリン、3,5−ジメチルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、4−n−プロピルピリジン等の置換ピリジン、p−トルエンスルホン酸等を好適に使用することができる。閉環触媒の添加量は、ポリアミド酸のアミド酸単位に対して0.01〜2倍当量、特に0.02〜1倍当量程度であることが好ましい。閉環触媒を使用することによって、得られるPIの物性、特に伸びや破断抵抗が向上する場合がある。
また、上記熱イミド化法又は化学イミド化法においては、ポリアミド酸溶液中に脱水剤を添加しても良く、そのような脱水剤としては、例えば、無水酢酸等の脂肪族酸無水物、フタル酸無水物等の芳香族酸無水物等が挙げられ、これらを単独又は混合して使用することができる。また、脱水剤を用いると、低温で反応を進めることができ好ましい。なお、ポリアミド酸溶液に対し脱水剤を添加するのみでもポリアミド酸をイミド化させることが可能ではあるが、反応速度が遅いため、上記したように加熱又は閉環触媒の添加によりイミド化させることが好ましい。
このように反応釜中でイミド化させたPI溶液は、PI溶液と比較して経時による加水分解による分子量低下が置き難いので有利である。また、あらかじめイミド化反応が進んでいるため例えば、イミド化率100%のPIの場合は、流延膜上でのイミド化が不要となり乾燥温度を下げることができる。
また、閉環したPIを、貧溶媒などを用いて再沈殿、精製して固体にしてから溶媒に溶解し流延乾燥して製膜を行っても良い。
この方法によれば、重合溶剤と流延する溶剤とを異なる種類とすることが可能となり、それぞれに最適な溶剤を選択することで、PI系フィルムの性能をより引き出すことが可能になる。
例えば、ポリアミド酸を高分子量化させるためにジメチルアセドアミドを用いて重合、閉環し、メタノールを用いて固体化、乾燥したのちにジクロロメタンで添加剤を入れた溶液化してから流延、乾燥することで、高分子量化と低温乾燥が可能となる。
また、溶剤としてジクロロメタンを使う場合、他の溶剤と組み合わせて使用することができる。テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、γブチロラクトン、エタノール、メタノール、ブタノール、イロプロパノールなど、適宜補助溶剤を使用することもできる。
また、ポリアミド酸は、流延時においてイミド化されていても良く、流延時のイミド化率としては10〜100%であることが好ましい。ここで、イミド化率としては、H−NMRスペクトルからカルボキシ基残量を測定し、イミド化率を求めることができる。
本発明のPI系フィルムの製造方法では、上記のいずれの閉環方法を採用しても良いが、反応釜中での熱イミド化したPI溶液を支持体上に流延する方法が、PI溶液中に残留物が少ない、また製膜温度を低温化できるという観点からより好ましい方法といえる。
(1.1.4)その他のPI
上記したPIの他に、リン、ケイ素、イオウなどの原子を含むPIを用いることもできる。
例えば、リンを含むPIとしては、特開2011−74209号公報の段落[0010]−[0021]及び特開2011−074177号公報の段落[0011]−[0025]にそれぞれ記載のPIを用いることができる。
ケイ素を含むPIとしては、特開2013−028796号公報の段落[0030]−[0045]に記載の、PI前駆体をイミド化して得られるPIを用いることができる。
イオウを含むPIとしては、特開2010−189322号公報の段落[0009]−[0025]、特開2008−274234号公報の段落[0012]−[0025]及び特開2008−274229号公報の段落[0012]−[0023]にそれぞれ記載の、PI前駆体をイミド化して得られるPIを用いることができる。
その他にも、特開2009−256590号公報の段落[0008]−[0012]、特開2009−256589号公報の段落[0008]−[0012]に記載の脂環式PIなどを好ましく用いることができる。
(1.2)ポリアミドイミド
用いられるポリアミドイミドは、酸成分として、トリカルボン酸又はテトラカルボン酸、ジカルボン酸、アミン成分としてジアミンを構成単位として含むポリアミドイミドである。
用いられるポリアミドイミドは、酸成分として、
a)トリカルボン酸;ジフェニルエーテル−3,3’,4’−トリカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3’,4’−トリカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3’,4’−トリカルボン酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸などのトリカルボン酸等の一無水物、エステル化物などの単独、又は2種以上の混合物。
b)テトラカルボン酸;ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸一無水物、二無水物、エステル化物などの単独、又は2種以上の混合物。
c)ジカルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサン−4,4’−ジカルボン酸のジカルボン酸、及びこれらの一無水物やエステル化物。
アミン成分としては、
d)アミン成分
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,6−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、シクロヘキサン−1,4−ジアミン、ジアミノシロキサン、又はこれらに対応するジイソシアネート単独、又は2種以上の混合物が挙げられる。
特に、酸成分として、無水トリメリット酸(TMA)、3,3,4’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、及び3,3,4’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、イソシアネート成分として1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、を含む原料で重合されたポリアミドイミド樹脂であることが好ましい。
ポリアミドイミドのイミド結合とアミド結合のモル比は、99/1〜60/40モル比が好ましく、より好ましくは99/1〜75/25であり、さらにより好ましくは90/10〜80/20である。イミド結合とアミド結合のモル比が、60/40以上では、耐熱性、耐湿信頼性、耐熱信頼性が向上する。また、99/1以下であると、弾性率が低くなり、耐折特性、屈曲特性が向上する傾向にある。
(1.2.1)式(2)で表される構造を必須成分とするポリアミドイミド
一つの好ましい実施態様は、式(2)で表される構造を必須成分とし、更に、式(3)、式(4)及び式(5)で表される群より選ばれる少なくとも1種の構造を、繰り返し単位として分子鎖中に含有するポリアミドイミド樹脂である。
式(3)中、Xは、酸素原子、CO、SO、又は、結合を表し、nは0又は1を表す。
式(4)中、Yは、酸素原子、CO、又はOOC−R−COOを表し、nは0又は1を、Rは二価の有機基を表す。
ここで、式(3)中、Xは、SO、又は、結合(ビフェニル結合)、又は、n=0が好ましく、更に好ましくは、結合(ビフェニル結合)、又はn=0の場合である。式(4)中、Yは、ベンゾフェノン型(CO)、又は、結合型(ビフェニル結合)が好ましい。
一つの好ましい実施態様は式(2)が無水トリメリット酸と1,5−ナフタレンジイソシアネートからの繰り返し単位、式(3)がテレフタル酸と1,5−ナフタレンジイソシアネートからの繰り返し単位、式(4)がビフェニルテトラカルボン酸二無水物、又は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と1,5−ナフタレンジイソシアネートからの繰り返し単位で、その含有比が式(2)/{式(3)+式(4)+式(5)}=1/99〜40/60モル比で、かつ、式(3)/式(4)=10/90〜90/10モル比が好ましい。
イミド化率は高いほど好ましく上限は100%である。上記ポリアミドイミド樹脂は、通常の方法で合成することができる。例えば、イソシアネート法、アミン法(酸クロリド法、低温溶液重合法、室温溶液重合法等)などであるが、本発明で用いるポリアミドイミド樹脂は有機溶媒に可溶なものが好ましく、前記通り、ピール強度(接着強度)の信頼性確保などの理由から、イソシアネート法による製造が好ましい。また、工業的にも、重合時の溶液がそのまま塗布できるため好ましい。
(1.2.2)式(6)又は(7)で表される構造を有するポリアミドイミド
好ましいポリアミドイミド樹脂として、下記式(6)を構成単位として含む化合物を好ましく用いることができる。以下式(6)で表される構造を有する化合物について説明する。
式(6)中、Rはアリーレン基、シクロアルキレン基であり、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンを含んでもよい。
(ポリアミドイミド樹脂のジアミン成分)
また、ジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,6−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4−メチル−1,3−フェニレンジアミン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン(トランス/シス混合物)、1,3−ジアミノシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、イソホロンジアミン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルシクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルシクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルシクロヘキシルアミン)、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミンなどの単独、若しくは、2種以上の混合物、又は、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、若しくは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
好ましくは、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、4−メチル−1,3−フェニレンジアミンなどの単独、若しくは、2種以上の混合物、又は、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、若しくは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
より好ましくは、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4−メチル−1,3−フェニレンジアミンなどの単独、若しくは、2種以上の混合物、又は、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、若しくは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
さらに好ましくは、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、4−メチル−1,3−フェニレンジアミンなどの単独、若しくは、2種以上の混合物、又は、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、若しくは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
(好ましい酸成分、ジアミン成分の組み合わせ)
上記酸成分、ジアミン成分の中でも、フィルム化するプロセスでの耐熱性、耐溶媒性、及び耐久性、並びに、製造されるポリアミドイミドフィルムの耐熱性、表面平滑性、及び透明性から、以下の成分が好ましく用いられる。
酸成分として、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を用いることができる。シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を酸成分とするポリアミドイミド樹脂を用いることができる。
ジアミン成分として、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル及び4−メチル−1,3−フェニレンジアミンからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種の化合物、又は、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル(o−トリジンジイソシアネート)、及び4−メチル−1,3−フェニレンジイソシアネート(トリレンジイソシアネート)からなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種の化合物を用いることができる。
また、好ましいポリアミドイミド樹脂として、下記式(7)で表される構造を構成単位として含む化合物を用いることができる。
式(7)中、R、Rはそれぞれ水素、炭素数1〜3のアルキル基又はアリール基であり、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンを含んでもよい。
なお、全酸成分を100モル%とした場合、例示した酸成分は50モル%以上100%以下含まれるのがよく、より好ましくは70モル%以上100%以下含まれるのがよい。また、全ジアミン成分を100モル%とした場合、例示したジアミン成分は50モル%以上100%以下含まれるのがよく、より好ましくは70モル%以上100%以下含まれるがよい。これらの範囲であれば、フィルム化するプロセスでの耐熱性、耐久性がよく、得られるポリアミドイミドフィルムの耐熱性、表面平滑性、及び透明性が特に良くなる。
用いられるポリアミドイミド樹脂の分子量は、N−メチル−2−ピロリドン中(ポリマー濃度0.5g/cm)、30℃での対数粘度にして0.3〜2.5cm/gに相当する分子量を有するものが好ましく、より好ましくは0.5〜2.0cm/gに相当する分子量を有するものである。対数粘度が0.3cm/g以上であればフィルム等の成型物にしたとき、機械的特性が十分となる。また、2.5cm/g以下であると溶液粘度が高くなり過ぎず、成形加工が容易となる。
(1.3)ポリエーテルイミド
用いられるポリエーテルイミドは、その構造単位に芳香核結合及びイミド結合を含む熱可塑性樹脂であり、特に制限されるものでなく、具体的には、下記式(8)又は下記式(9)で表される構造の繰り返し単位を有するポリエーテルイミドであることが好ましい。
上記式(8)で表される構造の繰り返し単位を有するポリエーテルイミドは、ゼネラルエレクトリック(GE)社製の商品名「Ultem 1000」(ガラス転移温度:216℃)、「Ultem 1010」(ガラス転移温度:216℃)、上記式(9)で表される構造の繰り返し単位を有するポリエーテルイミドは、GE社製の商品名「Ultem CRS5001」(ガラス転移温度Tg226℃)、が挙げられ、そのほかの具体例として、三井化学株式会社製の商品名「オーラムPL500AM」(ガラス転移温度258℃)などが挙げられる。
当該ポリエーテルイミドの製造方法は特に限定されるものではないが、通常、上記式(8)で表される構造を有する非晶性ポリエーテルイミドは、4,4’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物とm−フェニレンジアミンとの重縮合物として、また上記構造式(9)で表される構造を有するポリエーテルイミドは、4,4’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重縮合物として公知の方法によって合成される。
また、ポリエーテルイミドには、本発明の主旨を超えない範囲でアミド基、エステル基、スルホニル基など共重合可能なほかの単量体単位を含むものであってもよい。なお、ポリエーテルイミドは、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(1.4)ポリエステルイミド
イミド構造を有する透明耐熱性樹脂は、式(10)で表されるポリエステルイミド構造を構成単位中に含有することが好ましい。
式(10)中、Rは特定の構造を有する2価の基を表す。Rは2価の鎖式脂肪族基、2価の環式脂肪族基又は2価の芳香族基を表す。
式(10)中、Rは、それぞれ、式(11)、式(12)又は式(13)で表される構造を有する2価の基を表す。
(式(11)で表される構造を有する2価の基)
式(11)中、Rは、それぞれ2価の、鎖式脂肪族基、環式脂肪族基又は芳香族基を表し、複数個のRは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。これらの鎖式脂肪族基、環式脂肪族基又は芳香族基を、単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
mは1以上の正の整数であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましい。また、mの上限は特に限定されないが、好ましくは25以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは10以下である。25を超える場合では耐熱性が低下する傾向にある。
前記鎖式脂肪族基、環式脂肪族基又は芳香族基は、「2価のヒドロキシ基を有する鎖式脂肪族化合物」、「2価のヒドロキシ基を有する環式脂肪族化合物」又は「2価のヒドロキシ基を有する芳香族化合物」等のジオールから誘導される残基であることが望ましい。また、前記ジオールと炭酸エステル類やホスゲン等から重合され得る「ポリカーボネートジオール」から誘導される残基であってもよい。
「2価のヒドロキシ基を有する鎖式脂肪族化合物」としては、二つのヒドロキシ基を有する分岐状、又は直鎖状のジオールを用いることができる。例えば、アルキレンジオール、ポリオキシアルキレンジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。「2価のヒドロキシ基を有する鎖式脂肪族化合物」として使用できる二つのヒドロキシ基を有する分岐状又は直鎖状のジオールを以下に挙げる。
アルキレンジオールとして、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンジオールとして、例えば、ジメチロールプロピオン酸(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸)、ジメチロールブタン酸(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、テトラメチレングリコールとネオペンチルグリコールとのランダム共重合体等が挙げられる。好ましくは、ポリオキシテトラメチレングリコールがよい。
ポリエステルジオールとしては、例えば、以下に例示される多価アルコールと多塩基酸とを反応させて得られる、ポリエステルジオール等が挙げられる。
ポリエステルジオールに用いる「多価アルコール成分」としては、任意の各種多価アルコールが使用可能である。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンメタノール、ネオペンチルヒドロキシピパリン酸エステル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物、水添加ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物、1,9−ノナンジオール、2−メチルオクタンジオール、1,10−ドデカンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロデカンメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール等を使用できる。
ポリエステルジオールに用いる「多塩基酸成分」としては、任意の各種多塩基酸を使用することができる。例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸などの脂肪族や脂環族二塩基酸が使用できる。
ポリエステルジオールの市販品として、具体的には、ODX−688(DIC株式会社製脂肪族ポリエステルジオール:アジピン酸/ネオペンチルグリコール/1,6−ヘキサンジオール、数平均分子量約2000)、Vylon(登録商標)220(東洋紡株式会社製ポリエステルジオール、数平均分子量約2000)などを挙げることができる。
ポリカプロラクトンジオールとして、例えば、γ−ブチルラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類を開環付加反応させて得られるポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
上述の「2価のヒドロキシ基を有する鎖式脂肪族化合物」を、単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
「2価のヒドロキシ基を有する環式脂肪族化合物」又は「2価のヒドロキシ基を有する芳香族化合物」としては、「芳香環やシクロヘキサン環に二つのヒドロキシ基を有する化合物」、「2個のフェノール若しくは脂環式アルコールが2価の官能基で結合された化合物」、「ビフェニル構造の両方の核にヒドロキシ基を一つずつ有する化合物」、「ナフタレン骨格に二つのヒドロキシ基を有する化合物」などが用いられる。
「芳香環やシクロヘキサン環に二つのヒドロキシ基を有する化合物」として、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、2−フェニルヒドロキノン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,3−アダマンタンジオール、ジシクロペンタジエンの2水和物、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸等のカルボキシ基含有ジオール等が使用できる。
「2個のフェノール」、又は、「脂環式アルコールが2価の官能基で結合された化合物」の例としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシルスルホン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等が使用できる。
また、「ビフェニル構造の両方の核にヒドロキシ基を一つずつ有する化合物」の例として、4,4’−ビフェノール、3,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールなどが使用できる。
「ナフタレン骨格に二つのヒドロキシ基を有する化合物」の例としては2,6−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、1,8−ナフタレンジオール等が使用できる。
前記ジオールの数平均分子量は、100以上30000以下であることが好ましく、より好ましくは150以上20000以下であり、さらに好ましくは200以上10000以下である。数平均分子量が100未満では、低吸湿性、柔軟性が十分発揮できず、また、30000より大きいと、「ジオール」の組成、構造、後に説明するジアミン成分(又はイソシアネート成分)の組成、構造によっては、相分離し、機械的特性、無色透明性を十分発揮できない場合がある。
ポリカーボネートジオールとしては、その骨格中上述した複数種のアルキレン基を有するポリカーボネートジオール(共重合ポリカーボネートジオール)であってもよい。例えば、2−メチル−1,8−オクタンジオールと1,9−ノナンジオールの組み合わせ、3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールの組み合わせ、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールの組み合わせなどにより合成され得る共重合ポリカーボネートジオールなどを挙げることができる。好ましくは、2−メチル−1,8−オクタンジオールと1,9−ノナンジオールの組み合わせより合成され得る共重合ポリカーボネートジオールである。これらのポリカーボネートジオールを2種以上併用することもできる。
使用できるポリカーボネートジオールの市販品として株式会社クラレ製クラレポリオールCシリーズ、旭化成ケミカルズ株式会社製デュラノールシリーズなどが挙げられる。例えば、クラレポリオールC−1015N、クラレポリオールC−1065N(株式会社クラレ製カーボネートジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール/1,9−ノナンジオール、数平均分子量約1000)、クラレポリオールC−2015N、クラレポリオールC2065N(株式会社クラレ製カーボネートジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール/1,9−ノナンジオール、数平均分子量約2000)、クラレポリオールC−1050、クラレポリオールC−1090(株式会社クラレ製カーボネートジオール:3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール、数平均分子量約1000)、クラレポリオールC−2050、クラレポリオールC−2090(株式会社クラレ製カーボネートジオール:3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール、数平均分子量約2000)、デュラノール−T5650E(旭化成ケミカルズ株式会社製ポリカーボネートジオール:1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール、数平均分子量約500)、デュラノール−T5651(旭化成ケミカルズ株式会社製ポリカーボネートジオール:1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール、数平均分子量約1000)、デュラノール−T5652(旭化成ケミカルズ株式会社製ポリカーボネートジオール:1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール、数平均分子量約2000)などを挙げることができる。好ましくは、クラレポリオールC−1015N等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールの製造方法としては、原料ジオールと炭酸エステル類とのエステル交換、原料ジオールとホスゲンとの脱塩化水素反応を挙げることができる。原料である炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート;ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート;及びエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのアルキレンカーボネートが挙げられる。
(式(12)で表される構造を有する2価の基)
式(12)で表される構造を有する2価の基について説明する。
式(12)中、Rは、直接結合(結合子)、アルキレン基(−C2n−)、パーフルオロアルキレン基(−C2n−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−S(=O)−)、スルフィニル基(−SO−)、スルフェニル基(−S−)、カーボネート基(−OCOO−)、又はフルオレニリデン基を表す。nは1以上の正の整数である。nの上限は特に限定されないが、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下である。X〜Xは、それぞれが同じであっても、異なっていても良く、それぞれ水素、ハロゲン又はアルキル基を表す。
式(12)で表される構造を有する2価の基の具体例としては、特に限定されないが、ジフェニルエーテル骨格、ジフェニルスルホン骨格、9−フルオレニリデンジフェノール骨格、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物骨格又はビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格等が挙げられる。
前記骨格は、式(12)の両方のベンゼン環に各1個のヒドロキシ基を有する化合物から誘導される残基であることが好ましい。式(12)で表される構造を有する2価の基の原料としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、4,4’−ビフェノール、3,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2,6−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール又は1,8−ナフタレンジオール等が使用できる。
好ましくは、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェノール又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物がよい。さらに好ましくは、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物である。
これらの化合物を単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの原料を用いることで、式(10)のR位に、前記ジフェニルエーテル骨格等を導入することができる。
(式(13)で表される構造を有する2価の基)
式(13)中、Rは、直接結合(結合子)、アルキレン基(−C2n−)、パーフルオロアルキレン基(−C2n−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−S(=O)−)、スルフィニル基(−SO−)、スルフェニル基(−S−)、カーボネート基(−OCOO−)、又はフルオレニリデン基を表す。nは1以上の正の整数である。nの上限は特に限定されないが、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下である。X’〜X’は、それぞれが同じであっても、異なっていても良く、それぞれ水素、ハロゲン又はアルキル基を表す。
式(13)で表される構造を有する2価の基の具体例としては、特に限定されないが、ジシクロヘキシルエーテル骨格、ジシクロヘキシルスルホン骨格、水添ビスフェノールA骨格、水添ビスフェノールF骨格、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物骨格又は水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物骨格等が挙げられる。
前記骨格は、式(13)の両方のシクロヘキサン環に各1個のヒドロキシ基を有する化合物から誘導される残基であることが好ましい。式(13)で表される構造を有する2価の基の原料としては、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシルスルホン、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物又は水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等が使用できる。
好ましくは、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシルエーテル又は4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシルスルホンがよい。
これらの化合物を単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの原料を用いることで、式(10)のR位に、前記ジシクロヘキシルエーテル骨格等を導入することができる。
式(10)の構造は、一例を挙げるならば、シクロヘキサントリカルボン酸無水物のハロゲン化物とジオール類とを反応させエステル基含有テトラカルボン酸二無水物を得、次いで、そのエステル基含有テトラカルボン酸二無水物とジアミン又はジイソシアネート等とを縮合反応(PI化)させて得ることができる。
(式(14)で表される構造を有する2価の基)
ポリエステルイミド樹脂は、さらに、式(14)で表される構造を構成単位中に含有するのがよい。
式(10)のR及び式(14)のR’について説明する。R及びR’はそれぞれ独立して、2価の鎖式脂肪族基、2価の環式脂肪族基又は2価の芳香族基であれば特に限定されない。これらの「2価の鎖式脂肪族基」、「2価の環式脂肪族基」、「2価の芳香族基」を、単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
好ましくは、Rは下記式(15)で表される構造を有する2価の基であり、R’は下記式(16)で表される構造を有する2価の基である。
(式(15)で表される構造を有する2価の基)
前記式(10)におけるRとしては、耐熱性、柔軟性、低吸湿性のバランス等から、式(15)で表される構造を有する2価の基であることが好ましい。
式(15)中、Rは、直接結合(結合子)、アルキレン基(−C2n−)、パーフルオロアルキレン基(−C2n−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−S(=O)−)、スルフィニル基(−SO−)又はスルフェニル基(−S−)を表す。nは1以上10以下の正の整数であることが好ましく、より好ましくは1以上5以下、さらに好ましくは1以上3以下である。X〜X16は、同じであっても、異なっていても良く、それぞれ水素、ハロゲン又はアルキル基を表す。
(式(16)で表される構造を有する2価の基)
式(14)におけるR’としては、耐熱性、柔軟性、低吸湿性のバランス等から、式(16)で表される構造を有する2価の基であることが好ましい。
式(16)中、R’は、直接結合(結合子)、アルキレン基(−C2n−)、パーフルオロアルキレン基(−C2n−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−S(=O)−)、スルフィニル基(−SO−)又はスルフェニル基(−S−)を表す。nは1以上10以下の正の整数であることが好ましく、より好ましくは1以上5以下、さらに好ましくは1以上3以下である。X’〜X16’は、同じであっても、異なっていても良く、それぞれ水素、ハロゲン又はアルキル基を表す。
式(10)及び式(14)において、「2価の鎖式脂肪族基」、「2価の環式脂肪族基」又は「2価の芳香族基」を式(10)のR位及び式(14)のR’位に導入するためには、それぞれ対応するジアミン成分又はジイソシアネート成分を用いることが好ましい。すなわち、「芳香族ジアミン又はそれに対応する芳香族ジイソシアネート」、「環式脂肪族ジアミン又はそれに対応する環式脂肪族ジイソシアネート」、「鎖式脂肪族ジアミン又はそれに対応する鎖式脂肪族ジイソシアネート」を適宜選択することによって、耐熱性、柔軟性、低吸湿性に優れたポリエステルイミド樹脂を得ることができる。
式(10)のR及び式(14)のR’のジアミン成分又はそれに対応するジイソシアネート成分は同一であっても異なっていてもよい。後述する好ましい製造方法に基づくならば、同一あるのが好ましい。
及びR’を基本骨格とするジアミン成分又はそれに対応するジイソシアネート成分について説明する。
「芳香族ジアミン又はそれに対応する芳香族ジイソシアネート」としては、具体的には、ジアミン化合物として例示すると、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、P−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、ベンジジン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、o−トリジン、m−トリジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジアミノターフェニル等が挙げられる。また、これらは、2種類以上併用することもできる。
また、「環式脂肪族ジアミン又はそれに対応する環式脂肪族ジイソシアネート」としては、ジアミン化合物として例示すると、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン(トランス/シス混合物)、1,3−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(トタンス体、シス体、トランス/シス混合物)、イソホロンジアミン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルシクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルシクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルシクロヘキシルアミン)、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。また、これらは、2種類以上併用することもできる。
「鎖式脂肪族ジアミン又はそれに対応する鎖式脂肪族ジイソシアネート」としては、ジアミン化合物として例示すると、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン等が挙げられる。また、これらは、2種類以上併用することもできる。
耐熱性、柔軟性、低吸湿性のバランス等から、式(10)中のR及び式(14)中のR’のジアミン成分又はそれに対応するジイソシアネート成分として好ましい成分は、ジアミン化合物として例示すると、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジアミン、o−トリジン、ジアミノターフェニル、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン等から誘導される残基である。より好ましくは、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジアミン、o−トリジンであり、さらに好ましいのは、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、o−トリジンである。最も好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルメタン、o−トリジンから誘導される残基である。
また、本発明に係るPI系フィルムが、フッ素原子を含むものが好ましい。これにより、特にフッ素原子を含むPI系フィルムでは、その製造においてフッ化PI(ないしフッ素系モノマー)を用いることから、フッ素原子と金属元素の間で強いイオン結合が形成するため、最も以下の効果が表れる。即ち、UV耐候性がより良く、湿熱環境においてもRGBの色味の差が生じず、極めて良好な画質を維持できる透明PIフィルム積層体を提供する点で優れている。即ち、本発明に係るPI系フィルムの構成成分であるPIには、フッ化PIを含有することが、PI系フィルムの透明性に優れる点、及び金属元素含有SiO層との密着性に優れる観点から好ましい。フッ素原子の含有率としては、PI系フィルム中に1〜40質量%の範囲で含有されることが本発明の効果が大きくより好ましい。
<PI系フィルムの物性>
(イエローインデックス値(YI値))
本発明のPI系フィルムは、無色(透明)のPIフィルムであり、無色(透明)である目安としては、膜厚50μm時のイエローインデックス値(YI値)が、5以下であることが好ましい。より好ましくは0.3〜2.0の範囲内であり、特に好ましくは0.3〜1.6の範囲内である。膜厚50μm時のイエローインデックス値(YI値)は小さいほど着色が少ないので好ましい。膜厚50μm時のイエローインデックス値(YI値)が5以下という数値の記載は、ディスプレイに要求される高レベルの無色(透明)の範囲を示したものである。膜厚50μm時のイエローインデックス値(YI値)が5以下であるとPI系フィルムの透明性が良く、光学用途のフィルムとして、種々の表示装置の表面部材(カバーフィルム)に適用の幅が広がるという利点がある。
前記膜厚50μm時のYI値を5以下とするには、上記PIの種類を選択することで調整することができる。基本的には、電荷移動(CT)錯体の形成のしやすさ(しにくさ)がYIに影響する。CT遷移がしにくくなるとYIは下がる方向にある。具体的には(1)フッ素(F)や硫黄(S)のような原子半径の大きな元素をポリマー骨格に導入する、(2)嵩高い構造を入れる、(3)ポリマー構造自体をねじってCT遷移をしにくくする方法等がある。すなわち、PI系フィルムは折り曲げ性に優れ、高弾性率である。しかしながら、従来のPI系フィルムは分子内共役やCT錯体の形成により黄褐色に着色してしまう。そこで、折り曲げ性や高弾性を損なうことなく、無色(透明)な前記YI値5以下のPI系フィルムとするには、例えば、ポリイミドにフッ素や硫黄のような原子半径の大きな元素を導入(例えば、フッ素基等を導入)したり、主鎖に屈曲性を与えたり又は嵩高い側鎖を導入するなどしてCT錯体の形成を阻害する方法がある。また、原理的にCT錯体を形成しない半脂環式又は全脂環式のポリイミドを用いることによりYI値5以下の無色(透明性)を発現させる方法等を用いて調整することもできる。
イエローインデックス値は、JIS K 7373:2006に定められているフィルムのYI(イエローインデックス:黄色味の指数)に従って求めることができる。
イエローインデックス値の測定方法としては、フィルムのサンプルを作製し、株式会社日立ハイテクノロジーの分光光度計U−3300と附属の彩度計算プログラム等を用いて、JIS Z 8701:1999に定められている光源色の三刺激値X、Y、Zを求め、下式の定義に従ってイエローインデックス値を求める。膜厚50μm以外の異なる膜厚のPI系フィルムを用いて測定したYI値から、上記JISにより膜厚50μm時のYI値を換算することができる。以下に、膜厚換算方法を示す。
(膜厚換算方法)
フィルムのサンプル(試料)の分光透過率(T%)を測定する。測定した分光透過率(T%)から下記式(1)によりそれぞれの波長の吸光度(A)を求める。
吸光度は膜厚に比例するので、試料の膜厚を50μmに換算する。求めた換算吸光度から分光透過率を再計算する。JISの規格に則りYIを再計算する。
(全光線透過率)
本発明に係るPI系フィルムは、無色(透明)のPIフィルムであり、透明性の目安としては、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。全光線透過率は高いほど透明性が高くなるので好ましい。全光線透過率が80%以上という数値の記載は、その好ましい範囲を示したものである。全光線透過率が80%以上であるとPI系フィルムの透明性が高く、種々の表示装置の表面部材(カバーフィルム)に適用の幅が広がるという利点がある。
フィルム試料の全光線透過率は、23℃・55%RHの空調室で24時間調湿したフィルム試料1枚をJIS K 7375−2008に従って測定できる。測定は株式会社日立ハイテクノロジーズの分光光度計U−3300を用いて可視光領域(400〜700nmの範囲)の透過率を測定することができる。
全光線透過率を80%以上とするには、上記PIの種類を選択することで調整できる。基本的には、無色(透明性)の指標であるYI値の調整方法と同様にして、透明性の指標である全光線透過率を高めることができる。具体的には(1)フッ素(F)や硫黄(S)のような原子半径の大きな元素をポリマー骨格に導入する、(2)嵩高い構造を入れる、(3)ポリマー構造自体をねじってCT遷移をしにくくする方法等がある。すなわち、折り曲げ性や高弾性を損なうことなく、無色で透明な前記YI値5以下で全光線透過率を80%以上のPI系フィルムとするには、例えば、ポリイミドにフッ素や硫黄のような原子半径の大きな元素を導入(例えば、フッ素基等を導入)したり、主鎖に屈曲性を与えたり又は嵩高い側鎖を導入するなどしてCT錯体の形成を阻害する方法がある。また、原理的にCT錯体を形成しない半脂環式又は全脂環式のポリイミドを用いることによりYI値5以下で全光線透過率を80%以上の無色透明性を発現させる方法等を用いて調整することもできる。
(溶解度)
本発明のPI系フィルムは、25℃においてジクロロメタン100gに対する溶解度(溶解する限界量)が1g以上であることが好ましい。溶解度が1g以上であれば、溶液流延法により製造できやすくなる。溶解度は大きいほど溶液流延法による製造ができやすくなるので好ましい。溶解度が1g以上との数値の記載は、その好ましい範囲を示したものである。また、PI系フィルムに含有されるPIが、25℃においてジクロロメタン100gに対する溶解度(溶解する限界量)が1g以上であることがより好ましい。
<その他の添加剤>
<無機フィラー>
本発明に係るPI系フィルムには、無機フィラーを混合することができる。
無機フィラーとしては、下記の無機化合物の微粒子を用いることが好ましい。無機化合物の微粒子の例として、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等を挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化ケイ素が好ましい。
フィルム中のこれらの微粒子の含有量は、0.01〜1質量%の範囲内であることが好ましく、特に0.05〜0.5質量%の範囲内であることが好ましい。
共流延法による多層構成のフィルムの場合は、表面にこの添加量の微粒子を含有することが、好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明のPI系フィルムは、紫外線吸収剤を含有することが耐光性を向上する観点から好ましい。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐光性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が、0.1〜30%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜20%の範囲、更に好ましくは2〜10%の範囲である。
本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤であり、特に好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤である。
例えば、5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン等があり、また、チヌビン(登録商標)109、チヌビン(登録商標)171、チヌビン(登録商標)234、チヌビン(登録商標)326、チヌビン(登録商標)327、チヌビン(登録商標)328、チヌビン(登録商標)928等のチヌビン(登録商標)類があり、これらはいずれもBASFジャパン株式会社製の市販品であり好ましく使用できる。この中ではハロゲンフリーのものが好ましい。
このほか、1,3,5−トリアジン環を有する化合物等の円盤状化合物も紫外線吸収剤として好ましく用いられる。
本発明のPI系フィルムは、紫外線吸収剤を2種以上含有することが好ましい。
また、紫外線吸収剤としては高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることができ、特に特開平6−148430号記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。また、紫外線吸収剤は、ハロゲン基を有していないことが好ましい。
紫外線吸収剤の添加方法は、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやジクロロメタン、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の有機溶媒又はこれらの混合溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。
無機粉体のように有機溶媒に溶解しないものは、有機溶媒とPI系フィルム中にディゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、PI系フィルムの乾燥膜厚が15〜100μmの場合は、PI系フィルムに対して0.5〜10質量%の範囲が好ましく、0.6〜4質量%の範囲が更に好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤は劣化防止剤ともいわれる。高湿高温の状態に表示装置(電子デバイスなど)が置かれた場合には、PI系フィルムの劣化が起こる場合がある。
酸化防止剤は、例えば、PI系フィルム中の残留溶媒量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等によりPI系フィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、本発明のPI系フィルム中に含有させるのが好ましい。
このような酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート等を挙げることができる。
特に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また、例えば、N,N’−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
これらの酸化防止剤の添加量は、PI系フィルムに対して質量割合で1ppm〜1.0%の範囲が好ましく、10〜1000ppmの範囲が更に好ましい。
(位相差制御剤)
液晶表示装置等の(画像)表示装置の表示品質の向上のため、PI系フィルム中に位相差制御剤を添加するか、配向膜を形成して液晶層を設け、偏光板保護フィルムと液晶層由来の位相差を複合化することにより、PI系フィルムに光学補償能を付与することができる。
位相差制御剤としては、欧州特許911656A2号明細書に記載されているような、2以上の芳香族環を有する芳香族化合物、特開2006−2025号公報に記載の棒状化合物等が挙げられる。また、2種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。この芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む芳香族性ヘテロ環であることが好ましい。芳香族性ヘテロ環は、一般に不飽和ヘテロ環である。なかでも、特開2006−2026号公報に記載の1,3,5−トリアジン環が好ましい。
これらの位相差制御剤の添加量は、PI系フィルム系樹脂100質量%に対して、0.5〜20質量%の範囲内であることが好ましく、1〜10質量%の範囲内であることがより好ましい。
(剥離促進剤)
PI系フィルムの剥離抵抗を小さくする添加剤(剥離促進剤)としては界面活性剤に効果の顕著なものが多く、好ましい剥離剤としてはリン酸エステル系の界面活性剤、カルボン酸又はカルボン酸塩系の界面活性剤、スルホン酸又はスルホン酸塩系の界面活性剤、硫酸エステル系の界面活性剤が効果的である。また上記界面活性剤の炭化水素鎖に結合している水素原子の一部をフッ素原子に置換したフッ素系界面活性剤も有効である。以下に剥離剤を例示する。
剥離促進剤の添加量は環状PIに対して0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%が更に好ましく、0.1〜0.5質量%が最も好ましい。
<PIを含有するフィルムの製造方法>
上記PI系フィルムの製造方法の具体例について以下説明する。
PI系フィルムの製造方法としては、上述のポリアミド酸又はPIを、溶媒に溶解してドープを調製する工程(ドープ調製工程)、前記ドープを支持体上に流延して流延膜を形成する工程(流延工程)、支持体上で流延膜から溶媒を蒸発させる工程(溶媒蒸発工程)、流延膜を支持体から剥離する工程(剥離工程)、得られたフィルムを乾燥させる工程(第1乾燥工程)、フィルムを延伸する工程(延伸工程)、延伸後のフィルムを更に乾燥させる工程(第2乾燥工程)、得られたPI系フィルムを巻き取る工程(巻取り工程)、更に必要であればフィルムを加熱処理してイミド化させる工程(加熱工程)等を有することが好ましい。
以下、各工程について具体的に説明する。
(ドープ調製工程)
本発明のPI系フィルムの製造方法は、少なくともPIと水素結合性化合物を低沸点溶媒に溶解してドープを調製し、当該ドープを用いて溶液流延製膜方法によって製膜することが好ましい。
低沸点溶媒は、沸点80℃以下の低沸点溶媒を主溶媒として用いることが、フィルムの製造プロセス温度(特に乾燥温度)を低減でき好ましい。ここで「主溶媒として用いる」とは、混合溶媒であれば、溶媒全体量に対して55質量%以上を用いることをいい、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上用いることである。もちろん単独使用であれば100質量%となる。
低沸点溶媒は、PI、水素結合性化合物及びその他の添加剤を同時に溶解するものであれば良く、例えば、塩素系溶媒としては、ジクロロメタン、非塩素系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等を挙げることができる。
中でも沸点80℃以下の低沸点溶媒としては、上記溶媒の中で、ジクロロメタン(40℃)、酢酸エチル(77℃)、メチルエチルケトン(79℃)、テトラヒドロフラン(66℃)、アセトン(56.5℃)、及び1,3−ジオキソラン(75℃)の中から選択される少なくとも1種を主溶媒として含有することが好ましい(括弧内はそれぞれ沸点を表す。)。
また、混合溶媒の場合に含有される溶媒としては、本発明に係るPI及びカルボニル基を有する有機化合物を溶解し得るものであれば、本発明の効果を阻害しない範囲で用いることができ、上記したもの以外の溶媒として、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルカプロラクタム、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、ジメチルスルホキシド、m−クレゾール、フェノール、p−クロルフェノール、2−クロル−4−ヒドロキシトルエン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジオキサン、γ−ブチロラクトン、ジオキソラン、シクロペンタノン、イプシロンカプロラクタム、クロロホルム等が使用可能であり、2種以上を併用しても良い。また、これらの溶媒と併せて、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の貧溶媒を、本発明に係るPI及びカルボニル基を有する有機化合物が析出しない程度に使用しても良い。
また、アルコール系溶媒を用いることもできる。当該アルコール系溶媒が、メタノール、エタノール及びブタノールから選択されることが、剥離性を改善し、高速度流延を可能にする観点から好ましい。中でもメタノール又はエタノールを用いることが好ましい。ドープ中のアルコールの比率が高くなるとウェブがゲル化し、金属支持体からの剥離が容易になる。
PI、カルボニル基を有する有機化合物、その他の添加剤の溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、又は特開平9−95538号公報に記載の冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の高圧で行う方法等、種々の溶解方法を用いることができる。
調製したドープは、送液ポンプ等により濾過器に導いて濾過する。例えば、ドープの主たる溶媒がジクロロメタンの場合、当該ジクロロメタンの1気圧における沸点+5℃以上の温度で当該ドープを濾過することにより、ドープ中のゲル状異物を取り除くことができる。好ましい温度範囲は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃の範囲内であることが更に好ましい。
また、多くの場合、主ドープには返材が10〜50質量%の範囲内程度含まれることがある。返材とは、何らかの理由で原料として再利用される部分のことをいい、例えばPI系フィルムを細かく粉砕した物で、PI系フィルムを製膜するときに発生する、フィルムの両サイド部分を切り落とした物や、擦り傷などでフィルムの規定値を越えたPI系フィルム原反等が使用される。
また、ドープ調製に用いられる樹脂の原料としては、あらかじめPI及びその他の化合物などをペレット化したものも、好ましく用いることができる。
(流延膜形成工程)
調製したドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通してダイスに送液し、無限に移送する無端の支持体、例えば、ステンレスベルト又は回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、ダイスからドープを流延する。
流延(キャスト)における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、支持体としては、ステンレススティールベルト又は鋳物で表面をめっき仕上げしたドラム、又はステンレスベルト若しくはステンレス鋼ベルト等の金属支持体が好ましく用いられる。キャストの幅は1〜4mの範囲、好ましくは1.5〜3mの範囲、更に好ましくは2〜2.8mの範囲とすることができる。なお、支持体は、金属製でなくとも良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、ナイロン6フィルム、ナイロン6,6フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレン等のベルト等を用いることができる。フレキシブル基板としてPIを用いる場合、PIを流延した金属支持体ごとPIを巻き取っても良い。
金属支持体の走行速度は特に制限されないが、通常は5m/分以上であり、好ましくは10〜180m/分、特に好ましくは80〜150m/分の範囲内である。金属支持体の走行速度は、高速であるほど、同伴ガスが発生しやすくなり、外乱による膜厚ムラの発生が顕著になる。
金属支持体の走行速度は、金属支持体外表面の移動速度である。
金属支持体の表面温度は、温度が高い方が流延膜の乾燥速度を速くできるため好ましいが、余り高すぎると流延膜が発泡したり、平面性が劣化したりする場合があるため使用する溶媒の沸点に対して−50〜−10℃の温度の範囲内で行うことが好ましい。
ダイスは、幅方向に対する垂直断面において、吐出口に向かうに従い次第に細くなる形状を有している。ダイスは通常、具体的には、下部の走行方向で下流側と上流側とにテーパー面を有し、当該テーパー面の間に吐出口がスリット形状で形成されている。ダイスは金属からなるものが好ましく使用され、具体例として、例えば、ステンレス、チタン等が挙げられる。本発明において、厚さが異なるフィルムを製造するとき、スリット間隙の異なるダイスに変更する必要はない。
ダイの口金部分のスリット形状を調整でき、膜厚を均一にしやすい加圧ダイを用いることが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があり、いずれも好ましく用いられる。厚さが異なるフィルムを連続的に製造する場合であっても、ダイスの吐出量は略一定の値に維持されるので、加圧ダイを用いる場合、押し出し圧力、せん断速度等の条件もまた略一定の値に維持される。また、製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して積層しても良い。
(溶媒蒸発工程)
溶媒蒸発工程は、金属支持体上で行われ、流延膜を金属支持体上で加熱し、溶媒を蒸発させる予備乾燥工程である。
溶媒を蒸発させるには、例えば、乾燥機により流延膜側及び金属支持体裏側から加熱風を吹き付ける方法、金属支持体の裏面から加熱液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等を挙げることができる。それらを適宜選択して組み合わせる方法も好ましい。金属支持体の表面温度は全体が同じであっても良いし、位置によって異なっていても良い。加熱風の温度は10〜220℃の範囲内が好ましい。
加熱風の温度(乾燥温度)は、200℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましく、140℃以下であることがさらに好ましい。
溶媒蒸発工程においては、流延膜の剥離性及び剥離後の搬送性の観点から、残留溶媒量が10〜150質量%の範囲内になるまで、流延膜を乾燥することが好ましい。
本発明において、残留溶媒量は下記の式で表すことができる。
ここで、Mは流延膜(フィルム)の所定の時点での質量、NはMのものを200℃で3時間乾燥させた時の質量である。特に、溶媒蒸発工程において達成された残留溶媒量を算出するときのMは剥離工程直前の流延膜の質量である。
(剥離工程)
金属支持体上で溶媒が蒸発した流延膜を、剥離位置で剥離する。
金属支持体と流延膜とを剥離する際の剥離張力は、通常、60〜400N/mの範囲内であるが、剥離の際に皺が入りやすい場合、190N/m以下の張力で剥離することが好ましい。
本発明においては、当該金属支持体上の剥離位置における温度を−50〜60℃の範囲内とするのが好ましく、10〜40℃の範囲内がより好ましく、15〜40℃の範囲内とするのが最も好ましい。
剥離されたフィルムは、延伸工程に直接送られても良いし、所望の残留溶媒量を達成するように第1乾燥工程に送られた後に延伸工程に送られても良い。本発明においては、延伸工程での安定搬送の観点から、剥離工程後、フィルムは、第1乾燥工程及び延伸工程に順次送られることが好ましい。
(第1乾燥工程)
第1乾燥工程は、フィルムを加熱し、溶媒を更に蒸発させる乾燥工程である。乾燥手段は特に制限されず、例えば、熱風、赤外線、加熱ローラー、マイクロ波等を用いることができる。簡便さの観点からは、千鳥状に配置したローラーでフィルムを搬送しながら、熱風等で乾燥を行うことが好ましい。乾燥温度は、残留溶媒量及び搬送における伸縮率等を考慮して、30〜200℃の範囲が好ましい。
(延伸工程)
金属支持体から剥離されたフィルムを延伸することで、フィルムの膜厚や平坦性、配向性等を制御することができる。
本発明に係る製造方法においては、長手方向又は幅手方向に延伸することが好ましい。また、長手方向及び幅手方向に二軸延伸しても良い。
延伸操作は多段階に分割して実施しても良い。また、二軸延伸を行う場合には同時二軸延伸を行っても良いし、段階的に実施しても良い。この場合、段階的とは、例えば、延伸方向の異なる延伸を順次行うことも可能であるし、同一方向の延伸を多段階に分割し、かつ異なる方向の延伸をそのいずれかの段階に加えることも可能である。
すなわち、例えば、次のような延伸ステップも可能である:
・長手方向に延伸→幅手方向に延伸→長手方向に延伸→長手方向に延伸
・幅手方向に延伸→幅手方向に延伸→長手方向に延伸→長手方向に延伸。
また、同時二軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を、張力を緩和して収縮する場合も含まれる。同時2軸延伸の好ましい延伸倍率は幅手方向、長手方向ともに×1.01倍〜×1.5倍の範囲でとることができる。
延伸開始時の残留溶媒量は0.1〜200質量%の範囲内であることが好ましい。
当該残留溶媒量は、0.1質量%未満であれば、延伸による平面性向上の効果が得られず、200%を超えると、フィルム強度が低いため、延伸し難い。
本発明のPI系フィルムの製造方法においては、延伸後の膜厚が所望の範囲になるように長手方向又は幅手方向に、好ましくは幅手方向に延伸しても良い。フィルムのガラス転移温度(Tg)に対して、(Tg−200)〜(Tg+100)℃の温度範囲で延伸することが好ましい。上記温度範囲で延伸すると、延伸応力を低下できるのでヘイズが低くなる。また、破断の発生を抑制し、平面性、フィルム自身の着色性に優れたPI系フィルムが得られる。延伸温度は、(Tg−150)〜(Tg+50)℃の範囲で行うことがより好ましい。
本発明に係るPI系フィルムの製造方法では、支持体から剥離された自己支持性を有するフィルムを、延伸ローラーで走行速度を規制することにより長手方向に延伸することができる。
幅手方向に延伸するには、例えば、特開昭62−46625号公報に示されているような乾燥全処理又は一部の処理を幅方向にクリップ又はピンでフィルムの幅両端を幅保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式と呼ばれる。)、中でも、クリップを用いるテンター方式が好ましく用いられる。
長手方向に延伸されたフィルム又は未延伸のフィルムは、クリップに幅方向両端部を把持された状態にてテンターへ導入され、テンタークリップとともに走行しながら、幅方向へ延伸されることが好ましい。
幅手方向への延伸に際し、フィルム幅手方向に50〜1000%/minの範囲内の延伸速度で延伸することが、フィルムの平面性を向上する観点から、好ましい。
延伸速度は50%/min以上であれば、平面性が向上し、またフィルムを高速で処理することができるため、生産適性の観点で好ましく、1000%/min以内であれば、フィルムが破断することなく処理することができ、好ましい。
より好ましい延伸速度は、100〜500%/minの範囲内である。延伸速度は下記式によって定義される。
上記式において、dは延伸後の樹脂フィルムの延伸方向の幅寸法であり、dは延伸前の樹脂フィルムの延伸方向の幅寸法であり、tは延伸に要する時間(min)である。
延伸工程では、通常、延伸した後、保持・緩和が行われる。すなわち、本工程は、フィルムを延伸する延伸段階、フィルムを延伸状態で保持する保持段階及びフィルムを延伸した方向に緩和する緩和段階をこれらの順序で行うことが好ましい。保持段階では、延伸段階で達成された延伸倍率での延伸を、延伸段階における延伸温度で保持する。緩和段階では、延伸段階における延伸を保持段階で保持した後、延伸のための張力を解除することによって、延伸を緩和する。緩和段階は、延伸段階における延伸温度以下で行えば良い。
(第2乾燥工程)
次いで、延伸後のフィルムを加熱して乾燥させる。熱風等によりフィルムを加熱する場合、使用済みの熱風(溶媒を含んだエアーや濡れ込みエアー)を排気できるノズルを設置して、使用済み熱風の混入を防ぐ手段も好ましく用いられる。熱風温度は、40〜350℃の範囲がより好ましい。また、乾燥時間は5秒〜30分程度が好ましく、10秒〜15分がより好ましい。
また、加熱乾燥手段は熱風に制限されず、例えば、赤外線、加熱ローラー、マイクロ波等を用いることができる。簡便さの観点からは、千鳥状に配置したローラーでフィルムを搬送しながら、熱風等で乾燥を行うことが好ましい。乾燥温度は残留溶媒量、搬送における伸縮率等を考慮して、40〜350℃の範囲がより好ましい。
第2乾燥工程においては、残留溶媒量が0.5質量%以下になるまで、フィルムを乾燥することが好ましい。
(巻取り工程)
巻取り工程は、得られたフィルムを巻き取って室温まで冷却する工程である。巻取り機は、一般的に使用されているもので良く、例えば、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の巻取り方法で巻き取ることができる。
本発明に係るPI系フィルムの厚さは、20〜200μmの範囲内であることが好ましく、25〜100μmの範囲内であることがより好ましい。膜厚が25μm以上であると鉛筆硬度が改良される観点でより好ましい。また100μm以下であれば表示装置の薄型化の効果がある観点からより好ましい。
巻取り工程においては、延伸搬送したときにテンタークリップ等で挟み込んだフィルムの両端をスリット加工しても良い。スリットしたフィルム端部は、1〜30mm幅の範囲内に細かく断裁された後、溶媒に溶解させて返材として再利用することが好ましい。
成形されたフィルムのうち返材として再利用される部分の比は、10〜90質量%が好ましく、より好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは30〜70質量%の範囲内である。
製膜工程の途中又は最終的に発生する返材の量により投入量は若干変わるが、通常、ドープ中の全固形分に対する返材の混合率は10〜50質量%程度であり、好ましくは、15〜40質量%程度の範囲内である。返材の混合率は、できるだけ一定量とすることが生産安定上好ましい。
上述した溶媒蒸発工程から巻取り工程までの各工程は、空気雰囲気下で行っても良いし、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行っても良い。また、各工程、特に乾燥工程や延伸工程は、雰囲気における溶媒の爆発限界濃度を考慮して行う。
(加熱工程)
上記巻取り工程後に、ポリマー鎖分子内及びポリマー鎖分子間でのイミド化を進行させて機械的特性を向上させるべく、上記第2乾燥工程で乾燥したフィルムを更に熱処理する加熱工程を行う。
また、PI(イミド化率100%)を用いてドープを調製した場合や、上記第2乾燥工程を行うことによりフィルムのイミド化率が100%となった場合であっても、フィルムの残留応力を緩和させる目的で、加熱工程を行う。
なお、上記第2乾燥工程が、加熱工程を兼ねるものであっても良い。
加熱手段は、例えば、熱風、電気ヒーター、マイクロ波等の公知の手段を用いて行われる。電気ヒーターとしては、上記した赤外線ヒーターを用いることができる。
加熱工程において、フィルムを急激に加熱すると表面欠点が増加する等の不具合が生じるため、加熱方法(加熱手段)は適宜選択することが好ましい。また、加熱工程は、低酸素雰囲気下で行うことが好ましい。
第二乾燥工程及び加熱工程における加熱温度は450℃を超えると、加熱に必要なエネルギーが非常に大きくなることから製造コストが高くなり、更に、環境負荷が増大するため、当該加熱温度は450℃以下にすることが好適である。
なお、巻取り工程後であって、加熱工程の前又は後に、PI系フィルムの幅方向端部をスリットする工程や、PI系フィルムが帯電していた場合にはこれを除電する工程等を更に行うものとしても良い。
<PI系フィルムの形状>
本発明のPI系フィルムは、長尺であることが好ましく、具体的には、100〜10000m程度の範囲内の長さであることが好ましく、ロール状に巻き取られる。また、本発明のPI系フィルムの幅は1m以上であることが好ましく、更に好ましくは1.4m以上であり、特に1.4〜4mであることが好ましい。
<金属元素含有SiO層>
本発明の透明PIフィルム積層体の構成部材である金属元素含有SiO層は、前記PI系フィルムの少なくとも片面に形成(積層)されてなる、金属元素をSiに対して原子比(百分率換算)で0.5〜10%含むSiとOを含み構成される層(金属元素含有SiO層)である。本発明の金属元素含有SiO層は、ディスプレイの最外層フィルム(基材)である上記PI系フィルムの少なくとも片面(最表層側)に形成されることで、無色透明性でハードコート性(傷つき防止性、UV耐候性等)、耐熱性、バリア性(特に表面からの酸素の侵入を強く阻むバリア性)を有効に発現し得るものである。
(金属元素をSiに対して原子比(百分率換算)で0.5〜10%含むSiとOを含み構成される層(金属元素含有SiO層))
本発明の金属元素含有SiO層自体は、無色透明の無機物でUVでの劣化がなく、良好にハードコート性を維持でき、上記したPI系フィルムが持つ無色透明で耐熱性等の諸特性を損なうこともない。さらに、湿熱環境でも当該フィルムとSiO層との間への酸素侵入による剥離を防止する観点から、表面からの酸素の侵入を強く阻むバリア性が求められることから、従来公知の透明無機物であるSiとOを含み構成されるバリア層に、上記した適量の金属元素を含むものであればよい。SiとOを含み構成される層であるバリア層としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものの中から適宜選択して利用することができる。
(金属元素含有SiO層;主に湿式法(塗布法等)+改質処理で形成される形態)
金属元素含有SiO層に含有される金属元素は、長周期型周期表の第1〜16族元素からなる群より選択される少なくとも1種の金属元素(即ち、遷移金属元素および典型金属元素よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種の金属元素)である。
金属元素含有SiO層に含まれる金属元素の例としては、例えば、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ルビジウム(Rh)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロジウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、水銀(Hg)、タリウム(Tl)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi),ポロニウム(Po)、フランシウム(Fr)、ラジウム(Ra)等が挙げられる。
これら金属元素の中でも、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、ガリウム(Ga)、コバルト(Co)、マグネシウム(Mg)が好ましい。その理由は、反応速度のコントロールの観点からである。金属元素含有SiO層を形成する際に、金属元素の種類によっては、すぐに固まるもの(取扱い困難なもの)もあるので、反応制御のし易さの観点から、より好ましくは、Al、Ti、Feである。なかでもAlは、反応制御のし易さ及び取扱い性に特に優れるため特に好ましい。なお、金属元素は、1種単独でも、または2種以上の混合物の形態で存在してもよい。
ケイ素(Si)に対する金属元素(M)の原子比は、0.005〜0.1である。即ち、前記SiとOを含み構成される層(金属元素含有SiO層)には、金属元素をSiに対して、原子比(百分率換算)で0.5%以上10%以下含むものである。原子比が0.005(0.5%)未満であると、特に密着性向上効果が薄れるなど金属元素の含有(添加)効果が発現しにくい。一方、原子比が0.1(10%)を超えると、金属元素含有SiO層のガスバリア性が低下し、金属元素の種類によっては、着色の問題(特に黄色味がかかり易くなる問題)も起こる。該原子比は、好ましくは0.01(1%)〜0.08(8%)の範囲であり、より好ましくは0.03(3%)〜0.06(6%)である。
<金属元素含有SiO層(バリア層)の形成方法>
次に、本発明に係る金属元素含有SiO層(バリア層)を形成する好ましい方法について説明する。本発明の透明PIフィルム積層体は、膜厚50μm時のYI値が5以下のPI系フィルム(基材)の少なくとも片面(一方の表面上)に、金属元素含有SiO層(バリア層)を形成することにより製造することができる。本発明に係る金属元素含有SiO層(バリア層)を前記PI系フィルム(基材)の表面上に形成させる方法としては、特に制限されず、例えば、ケイ素化合物と金属元素化合物とを含む層を加熱して改質する方法、ケイ素化合物と金属元素化合物とを含む層に対して活性エネルギー線を照射して改質する方法等が挙げられる。即ち、本発明の金属元素含有SiO層(バリア層)は、ケイ素化合物(好ましくはポリシラザン)及び金属元素化合物を含有する層に改質処理を施して形成された層であるものが好ましい。これは、ケイ素化合物(ポリシラザン)及び金属元素化合物を含有する層を形成する際に、樹脂(ケイ素化合物(ポリシラザン))も溶かして用いる塗布法なので、上記した発明の作用メカニズムによる効果が得られやすい点で優れている。
ケイ素化合物及び金属元素化合物を含有する層は、ケイ素化合物及び金属元素化合物を含有する塗布液を塗布して形成される(塗布法)。
(ケイ素化合物)
ケイ素化合物としては、ケイ素化合物を含有する塗布液の調製が可能であれば特に限定はされない。具体的には、例えば、パーヒドロポリシラザン(PHPS)、オルガノポリシラザン、シルセスキオキサン、テトラメチルシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)(実施例1〜2)、ヘキサメチルジシラザン、1,1−ジメチル−1−シラシクロブタン、トリメチルビニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジビニルシラン、ジメチルエトキシエチニルシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、アリールトリメトキシシラン、エトキシジメチルビニルシラン、アリールアミノトリメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリビニルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、メチルトリアセトキシシラン、アリールオキシジメチルビニルシラン、ジエチルビニルシラン、ブチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、テトラビニルシラン、トリアセトキシビニルシラン、テトラアセトキシシラン、3−トリフルオロアセトキシプロピルトリメトキシシラン、ジアリールジメトキシシラン、ブチルジメトキシビニルシラン、トリメチル−3−ビニルチオプロピルシラン、フェニルトリメチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルイソペンチロキシビニルシラン、2−アリールオキシエチルチオメトキシトリメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アリールアミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ジメチルエチキシフェニルシラン、ベンゾイロキシトリメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ジメチルエトキシ−3−グリシドキシプロピルシラン、ジブトキシジメチルシラン、3−ブチルアミノプロピルトリメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、ビス(ブチルアミノ)ジメチルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジアセトキシメチルフェニルシラン、ジメチル−p−トリルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ジエチルメチルフェニルシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、デシルメチルジメトキシシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、オクチロキシトリメチルシラン、フェニルトリビニルシラン、テトラアリールオキシシラン、ドデシルトリメチルシラン、ジアリールメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルビニルシラン、ジフェニルエトキシメチルシラン、ジアセトキシジフェニルシラン、ジベンジルジメチルシラン、ジアリールジフェニルシラン、オクタデシルトリメチルシラン、メチルオクタデシルジメチルシラン、ドコシルメチルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,4−ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アセトキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラエトキシ−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等を挙げることができる。
中でも、成膜性、クラック等の欠陥が少ないこと、残留有機物の少なさの点で、パーヒドロポリシラザン、オルガノポリシラザン等のポリシラザン;シルセスキオキサン等のポリシロキサン等が好ましく、ガスバリア性能が高く、屈曲時および高温高湿条件下であってもバリア性能が維持されることから、ポリシラザンがより好ましく、パーヒドロポリシラザンが特に好ましい。
ポリシラザンとは、ケイ素−窒素結合を有するポリマーであり、Si−N、Si−H、N−H等の結合を有するSiO、Si、および両方の中間固溶体SiO等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
具体的には、ポリシラザンは、好ましくは下記の構造を有する。
上記一般式(I)において、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基である。この際、R、RおよびRは、それぞれ、同じであっても異なるものであってもよい。ここで、アルキル基としては、炭素原子数1〜8の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基が挙げられる。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などがある。また、アリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などの非縮合炭化水素基;ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基などの縮合多環炭化水素基が挙げられる。(トリアルコキシシリル)アルキル基としては、炭素原子数1〜8のアルコキシ基で置換されたシリル基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基が挙げられる。より具体的には、3−(トリエトキシシリル)プロピル基、3−(トリメトキシシリル)プロピル基などが挙げられる。上記R〜Rに場合によって存在する置換基は、特に制限はないが、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基(−OH)、メルカプト基(−SH)、シアノ基(−CN)、スルホ基(−SOH)、カルボキシル基(−COOH)、ニトロ基(−NO)などがある。なお、場合によって存在する置換基は、置換するR〜Rと同じとなることはない。例えば、R〜Rがアルキル基の場合には、さらにアルキル基で置換されることはない。これらのうち、好ましくは、R、RおよびRは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ビニル基、3−(トリエトキシシリル)プロピル基または3−(トリメトキシシリルプロピル)基である。
また、上記一般式(I)において、nは、整数であり、一般式(I)で表される構造を有するポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められることが好ましい。
上記一般式(I)で表される構造を有する化合物において、好ましい態様の一つは、R、RおよびRのすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザンである。
パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と6および8員環を中心とする環構造が存在した構造と推定されている。その分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)で、液体または固体の物質があり、その状態は分子量により異なる。
ポリシラザンは有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン層形成用塗布液として使用することができる。ポリシラザン溶液の市販品としては、メルク株式会社製のNN120−10、NN120−20、NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL120−20、NL150A、NP110、NP140、SP140等が挙げられる。
本発明で使用できるポリシラザンの別の例としては、以下に制限されないが、例えば、上記ポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(特開平7−196986号公報)等の、低温でセラミック化するポリシラザンが挙げられる。
(金属元素化合物)
金属元素化合物の種類は、特に制限されないが、本発明に係る金属元素含有SiO層(バリア層)をより効率的に形成することができるという観点から、金属元素のアルコキシドまたは酸化物が好ましい。ここで、「金属元素のアルコキシド」とは、金属元素に対して結合する少なくとも1つのアルコキシ基を有する化合物を指す。なお、金属元素化合物は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。また、金属元素化合物は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。
金属元素のアルコキシドないし酸化物の例としては、例えば、ベリリウムアセチルアセトネート、マグネシウムエトキシド、マグネシウムエトキシエトキシド、マグネシウムメトキシエトキシド、マグネシウムアセチルアセトネート、酸化マグネシウム、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリn−プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリn−ブトキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド(Al(OsecC)、アルミニウムトリtert−ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテートジn−ブチレート、アルミニウムジエチルアセトアセテートモノn−ブチレート、アルミニウムジイソプロピレートモノsec−ブチレート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ビス(エチルアセトアセテート)(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム、アルミニウムアルキルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムオキサイドイソプロポキサイドトリマー、アルミニウムオキサイドオクチレートトリマー、酸化アルミニウム、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、カルシウムイソプロポキシド、カルシウムアセチルアセトネート、酸化カルシウム、スカンジウムアセチルアセトネート、酸化スカンジウム、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラノルマルプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンテトライソブトキシド、チタンジイソプロポキシジノルマルブトキシド、チタンジターシャリーブトキシジイソプロポキシド、チタンテトラtert−ブトキシド、チタンテトライソオクチロキシド、チタンテトラステアリルアルコキシド、酸化チタン、バナジウムトリイソブトキシドオキシド、酸化バナジウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)クロム、クロムn−プロポキシド、クロムイソプロポキシド、酸化クロム、マンガンメトキシド、トリス(2,4−ペンタンジオナト)マンガン、酸化マンガン、鉄メトキシド、鉄エトキシド、鉄n−プロポキシド、鉄イソプロポキシド、トリス(2,4−ペンタンジオナト)鉄、酸化鉄、コバルトイソプロポキシド、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト、酸化コバルト、ニッケルアセチルアセトネート、酸化ニッケル、銅メトキシド、銅エトキシド、銅イソプロポキシド、銅アセチルアセトネート、酸化銅、亜鉛エトキシド、亜鉛エトキシエトキシド、亜鉛メトキシエトキシド、酸化亜鉛、ガリウムメトキシド、ガリウムエトキシド、ガリウムイソプロポキシド、ガリウムアセチルアセトナート、酸化ガリウム、ゲルマニウムメトキシド、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムイソプロポキシド、ゲルマニウムn−ブトキシド、ゲルマニウムtert−ブトキシド、エチルトリエトキシゲルマニウム、酸化ゲルマニウム、ストロンチウムイソプロポキシド、イットリウムn−プロポキシド、イットリウムイソプロポキシド、イットリウムアセチルアセトネート、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムn−プロポキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムtert−ブトキシド、テトラキス(エチルメチルアミド)ジルコニウム、テトラキス(2,4−ペンタンジオナト)ジルコニウム、酸化ジルコニウム、ニオブエトキシド、ニオブn−ブトキシド、ニオブtert−ブトキシド、酸化ニオブ、モリブデンエトキシド、モリブデンアセチルアセトネート、酸化モリブデン、パラジウムアセチルアセトネート、酸化パラジウム、銀アセチルアセトネート、カドミウムアセチルアセトネート、トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム、インジウムイソプロポキシド、インジウムイソプロポキシド、インジウムn−ブトキシド、インジウムメトキシエトキシド、酸化インジウム、スズn−ブトキシド、スズtert−ブトキシド、スズアセチルアセトネート、酸化スズ、バリウムジイソプロポキシド、バリウムtert−ブトキシド、バリウムアセチルアセトネート、酸化バリウム、ランタンイソプロポキシド、ランタンメトキシエトキシド、ランタンアセチルアセトネート、セリウムn−ブトキシド、セリウムtert−ブトキシド、セリウムアセチルアセトネート、プラセオジムメトキシエトキシド、プラセオジムアセチルアセトネート、ネオジムメトキシエトキシド、ネオジムアセチルアセトネート、ネオジムメトキシエトキシド、サマリウムイソプロポキシド、サマリウムアセチルアセトネート、ユーロピウムアセチルアセトネート、ガドリニウムアセチルアセトネート、テルビウムアセチルアセトネート、ホルミウムアセチルアセトネート、イッテルビウムアセチルアセトネート、ルテチウムアセチルアセトネート、酸化ルテチウム、ハフニウムエトキシド、ハフニウムn−ブトキシド、ハフニウムtert−ブトキシド、ハフニウムアセチルアセトネート、酸化ハフニウム、タンタルメトキシド、タンタルエトキシド、タンタルn−ブトキシド、タンタルブトキシド、タンタルテトラメトキシドアセチルアセトネート、酸化タンタル、タングステンエトキシド、酸化タングステン、イリジウムアセチルアセトネート、イリジウムジカルボニルアセチルアセトネート、酸化イリジウム、タリウムエトキシド、タリウムアセチルアセトネート、酸化タリウム、鉛アセチルアセトネート、酸化鉛等が挙げられる。これら金属元素のアルコキシドないし酸化物の中でも、マグネシウムエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド(Al(OsecC)、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、カルシウムイソプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、ガリウムイソプロポキシド、アルミニウムジイソプロピレートモノsec−ブチレート、アルミニウムエチルアセトアセテートジn−ブチレート、アルミニウムジエチルアセトアセテートモノn−ブチレート、テトラキス(エチルメチルアミド)ジルコニウム、酸化亜鉛等が好ましい。さらに、これら金属元素のアルコキシドないし酸化物の中でも、亜鉛、アルミニウムまたはチタンのアルコキシドないし酸化物が好ましく、より好ましくはアルミニウムまたはチタンのアルコキシドないし酸化物であり、例えば、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド(Al(OsecC)、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、チタンテトライソプロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、アルミニウムジイソプロピレートモノsec−ブチレート、アルミニウムエチルアセトアセテートジn−ブチレート、アルミニウムジエチルアセトアセテートモノn−ブチレート等が挙げられる。
本発明に係る金属元素含有SiO層(バリア層)の形成方法は、特に制限されず、公知の方法が適用できるが、有機溶剤中にケイ素化合物、金属元素を含む化合物、および必要に応じて触媒を含む金属元素含有SiO層(バリア層)形成用塗布液を公知の湿式塗布方法により塗布し、この溶剤を蒸発させて除去し、次いで、改質処理を行う方法が好ましい。
(金属元素含有SiO層(バリア層)形成用塗布液)
金属元素含有SiO層(バリア層)形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ケイ素化合物および金属元素化合物を溶解できるものであれば特に制限されないが、ケイ素化合物と容易に反応してしまう水および反応性基(例えば、ヒドロキシル基、あるいはアミン基等)を含まず、ケイ素化合物に対して不活性の有機溶剤が好ましく、非プロトン性の有機溶剤がより好ましい。具体的には、溶剤としては、非プロトン性溶剤;例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターペン等の、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒;塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類:例えば、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、モノ−およびポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジグライム類)などを挙げることができる。上記溶剤は、ケイ素化合物および金属元素化合物の溶解度や溶剤の蒸発速度等の目的にあわせて選択され、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
金属元素含有SiO層(バリア層)形成用塗布液におけるケイ素化合物の濃度は、特に制限されず、層の膜厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜15質量%である。
また、金属元素含有SiO層(バリア層)形成用塗布液における金属元素化合物の濃度は、特に制限されず、層の膜厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。
さらに、金属元素含有SiO層(バリア層)形成用塗布液中におけるケイ素化合物と金属元素化合物との重量比は、ケイ素化合物:金属元素化合物=1:0.05〜1:3.9が好ましく、1:0.12〜1:3.0がより好ましく、1:0.3〜1:2.0がさらに好ましい。この範囲であれば、本発明に係る金属元素含有SiO層(バリア層)をより効率的に得ることができる。
金属元素含有SiO層(バリア層)形成用塗布液は、改質を促進するために、触媒を含有することが好ましい。本発明に適用可能な触媒としては、塩基性触媒が好ましく、特に、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン等のアミン触媒、Ptアセチルアセトナート等のPt化合物、プロピオン酸Pd等のPd化合物、Rhアセチルアセトナート等のRh化合物等の金属触媒、N−複素環式化合物が挙げられる。これらのうち、アミン触媒を用いることが好ましい。この際添加する触媒の濃度としては、ケイ素化合物を基準としたとき、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜7質量%の範囲である。触媒添加量をこの範囲とすることで、反応の急激な進行による過剰なシラノール形成、および層(膜)密度の低下、層(膜)欠陥の増大などを避けることができる。
金属元素含有SiO層(バリア層)形成用塗布液には、必要に応じて下記に挙げる添加剤を用いることができる。例えば、セルロースエーテル類、セルロースエステル類;例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセトブチレート等、天然樹脂;例えば、ゴム、ロジン樹脂等、合成樹脂;例えば、重合樹脂等、縮合樹脂;例えば、アミノプラスト、特に尿素樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステルもしくは変性ポリエステル、エポキシド、ポリイソシアネートもしくはブロック化ポリイソシアネート、ポリシロキサン等である。
(金属元素含有SiO層(バリア層)形成用塗布液を塗布する方法)
金属元素含有SiO層(バリア層)形成用塗布液を塗布する方法としては、従来公知の適切な湿式塗布方法が採用され得る。具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
塗布厚さは、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、塗布厚さは、乾燥後の厚さが0.01〜1μmであることが好ましく、0.02〜0.6μmであることがより好ましく、0.04〜0.4μmであることがさらに好ましい。膜厚が0.01μm以上であれば十分なバリア性を得ることができ、1μm以下であれば、層形成時に安定した塗布性を得ることができ、かつ高い光線透過性を実現できる。
塗布液を塗布した後は、塗膜を乾燥させることが好ましい。塗膜を乾燥することによって、塗膜中に含有される有機溶媒を除去することができる。この際、塗膜に含有される有機溶媒は、すべてを乾燥させてもよいが、一部残存させていてもよい。一部の有機溶媒を残存させる場合であっても、好適な金属元素含有SiO層(バリア層)が得られうる。なお、残存する溶媒は後に除去されうる。
塗膜の乾燥温度は、適用するPI系フィルム(基材)によっても異なるが、50〜200℃であることが好ましい。スーパーエンジニアリングプラスチックであるPIのガラス転移温度(Tg)は、通常400℃以上であることから、こうした耐熱性に優れるPIを用いたPI系フィルムを基材として用いる場合には、乾燥温度は、熱によるPI系フィルム(基材)の変形等を特に考慮する必要がなく、乾燥時のコストや特殊な高温乾燥機を必要としない等の観点から、200℃以下が好ましく、150℃以下に設定することがより好ましい。上記温度は、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することによって設定されうる。乾燥時間は短時間に設定することが好ましく、例えば、乾燥温度が150℃である場合には30分以内に設定することが好ましい。また、乾燥雰囲気は、大気雰囲気下、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下、真空雰囲気下、酸素濃度をコントロールした減圧雰囲気下等のいずれの条件であってもよい。
(改質処理)
本発明における改質処理とは、ケイ素化合物および金属元素化合物が化学転化する反応を指し、本発明に係る金属元素含有SiO層(バリア層)が所望の原子比を有するように改質させる処理をいう。
このような改質処理は、公知の方法で行われ、具体的には、加熱処理、プラズマ処理、活性エネルギー線照射処理等が挙げられる。中でも、低温で改質可能であり基材種の選択の自由度が高いという観点から、活性エネルギー線照射による処理が好ましい。
(加熱処理)
加熱処理の方法としては、例えば、ヒートブロック等の発熱体に基板を接触させ熱伝導により塗膜を加熱する方法、抵抗線等による外部ヒーターにより塗膜が載置される環境を加熱する方法、IRヒーターといった赤外領域の光を用いた方法等が挙げられるが、これらに限定されない。加熱処理を行う場合、塗膜の平滑性を維持できる方法を適宜選択すればよい。
塗膜を加熱する温度としては、40〜250℃の範囲が好ましく、60〜150℃の範囲がより好ましい。加熱時間としては、10秒〜100時間の範囲が好ましく、30秒〜5分の範囲が好ましい。
(プラズマ処理)
本発明において、改質処理として用いることのできるプラズマ処理は、公知の方法を用いることができるが、好ましくは大気圧プラズマ処理等を挙げることが出来る。大気圧近傍でのプラズマCVD処理を行う大気圧プラズマCVD法は、真空下のプラズマCVD法に比べ、減圧にする必要がなく生産性が高いだけでなく、プラズマ密度が高密度であるために成膜速度が速く、更には通常のCVD法の条件に比較して、大気圧下という高圧力条件では、ガスの平均自由工程が非常に短いため、極めて均質の膜が得られる。
大気圧プラズマ処理の場合は、放電ガスとしては窒素ガスまたは長周期型周期表の第18族原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられ、特に窒素がコストも安く好ましい。
(活性エネルギー線照射処理)
活性エネルギー線としては、例えば、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等が使用可能であるが、電子線または紫外線が好ましく、紫外線がより好ましい。紫外線(紫外光と同義)によって生成されるオゾンや活性酸素原子は高い酸化能力を有しており、低温で高い緻密性と絶縁性とを金属元素含有SiO層(バリア層)を形成することが可能である。
紫外線照射処理においては、通常使用されているいずれの紫外線発生装置を使用することも可能である。
なお、本発明でいう紫外線とは、一般には、10〜400nmの波長を有する電磁波をいうが、後述する真空紫外線(10〜200nm)処理以外の紫外線照射処理の場合は、好ましくは210〜375nmの紫外線を用いる。
紫外線の照射は、照射される金属元素含有SiO層(バリア層)を担持しているPI系フィルム(基材)がダメージを受けない範囲で、照射強度や照射時間を設定することが好ましい。
一般に、紫外線照射処理時のPI系フィルム(基材)温度がガラス転移温度近傍、例えば、350℃以上になると、スーパーエンジニアリングプラスチックであるPI系フィルムであっても、PI系フィルム(基材)が変形したり、その強度が劣化したりする等、PI系フィルム(基材)の特性が損なわれることになるが、耐熱性の高いPI系フィルム(基材)の場合には、より高温での改質処理が可能である。したがって、この紫外線照射時のPI系フィルム(基材)温度としては、一般的な上限はなく、PI系フィルム(基材)の種類によって当業者が適宜設定することができる。また、紫外線照射処理の雰囲気は特に制限されない。
このような紫外線の発生手段としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、エキシマランプ(172nm、222nm、308nmの単一波長、例えば、ウシオ電機株式会社製や株式会社エム・ディ・コム製)、UV光レーザー等が挙げられるが、特に限定されない。また、発生させた紫外線を金属元素含有SiO層(バリア層)に照射する際には、効率向上と均一な照射を達成する観点から、発生源からの紫外線を反射板で反射させてから金属元素含有SiO層(バリア層)に当てることが望ましい。
紫外線照射は、バッチ処理にも連続処理にも適合可能であり、使用するPI系フィルム(基材)の形状によって適宜選定することができる。例えば、バッチ処理の場合には、金属元素含有SiO層(バリア層)を表面に有する積層体を上記のような紫外線発生源を具備した紫外線焼成炉で処理することができる。紫外線焼成炉自体は一般に知られており、例えば、アイグラフィクス株式会社製の紫外線焼成炉を使用することができる。また、金属元素含有SiO層(バリア層)を表面に有する積層体が長尺フィルム状である場合には、これを搬送させながら上記のような紫外線発生源を具備した乾燥ゾーンで連続的に紫外線を照射することによりセラミックス化することができる。紫外線照射に要する時間は、使用するPI系フィルム(基材)や金属元素含有SiO層(バリア層)の組成、濃度にもよるが、一般に0.1秒〜10分であり、好ましくは0.5秒〜3分である。
(真空紫外線照射処理:エキシマ照射処理)
本発明において、最も好ましい改質処理方法は、真空紫外線照射による処理(エキシマ照射処理)である。真空紫外線照射による処理は、ポリシラザン化合物内の原子間結合力より大きい100〜200nmの光エネルギーを用い、好ましくは100〜180nmの波長の光エネルギーを用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみの作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温(約200℃以下)で、酸化ケイ素膜の形成を行う方法である。
本発明においての放射線源は、100〜180nmの波長の光を発生させるものであれば良いが、好適には約172nmに最大放射を有するエキシマラジエータ(例えば、Xeエキシマランプ)、約185nmに輝線を有する低圧水銀蒸気ランプ、ならびに230nm以下の波長成分を有する中圧および高圧水銀蒸気ランプ、および約222nmに最大放射を有するエキシマランプである。
このうち、Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから、発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラジカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。
また、波長の短い172nmの光のエネルギーは、有機物の結合を解離させる能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射が持つ高いエネルギーによって、短時間でポリシラザン層の改質を実現できる。
エキシマランプは光の発生効率が高いため、低い電力の投入で点灯させることが可能である。また、光による温度上昇の要因となる波長の長い光は発せず、紫外線領域で、すなわち短い波長でエネルギーを照射するため、解射対象物の表面温度の上昇が抑えられる特徴を持っている。このため、熱の影響を受けやすいとされるPETなどのフレシキブルフィルム材料に適している。
紫外線照射時の反応には、酸素が必要であるが、真空紫外線は、酸素による吸収があるため紫外線照射工程での効率が低下しやすいことから、真空紫外線の照射は、可能な限り酸素濃度および水蒸気濃度の低い状態で行うことが好ましい。すなわち、真空紫外線照射時の酸素濃度は、10〜210,000体積ppmとすることが好ましく、より好ましくは50〜10,000体積ppmであり、最も好ましくは100〜5000ppmである。また、転化プロセスの間の水蒸気濃度は、好ましくは1000〜4000体積ppmの範囲である。
真空紫外線照射時に用いられる、照射雰囲気を満たすガスとしては乾燥不活性ガスとすることが好ましく、特にコストの観点から乾燥窒素ガスにすることが好ましい。酸素濃度の調整は照射庫内へ導入する酸素ガス、不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整可能である。
塗膜面における真空紫外線の照射エネルギー量は、200〜10000mJ/cmであることが好ましく、500〜5000mJ/cmであることがより好ましい。200mJ/cm以上であれば、改質が十分となり、10000mJ/cm以下であれば過剰改質によるクラック発生や、PI系フィルム(基材)の熱変形を防ぐことができる。
また、改質に用いられる真空紫外線は、CO、COおよびCHの少なくとも一種を含むガスで形成されたプラズマにより発生させてもよい。さらに、CO、COおよびCHの少なくとも一種を含むガス(以下、炭素含有ガスとも称する)は、炭素含有ガスを単独で使用してもよいが、希ガスまたはHを主ガスとして、炭素含有ガスを少量添加することが好ましい。プラズマの生成方式としては容量結合プラズマなどが挙げられる。
金属元素含有SiO層(バリア層;例えば、乾式法(塗布法)によるポリシラザン層等や乾式法(塗布法)+改質処理によるポリシラザン改質層等)の層(膜)組成は、XPS表面分析装置を用いて、原子組成比を測定することで測定できる。また、金属元素含有SiO層(バリア層)を切断して切断面をXPS表面分析装置で原子組成比を測定することでも測定することができる。これは、以下の乾式法(真空成膜法)により得られる金属元素含有SiO層(バリア層)の層(膜)組成についても同様にして測定することができる。また、金属元素含有SiO層(バリア層)の層(膜)組成の測定により、Siに対する金属元素の原子比(百分率換算)についても算出することができる。
金属元素含有SiO層(バリア層)の厚さは、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、金属元素含有SiO層(バリア層)の厚さ(必要に応じて上記した各種の改質処理を行った後の厚さ)が8nm〜1μmであることが好ましく、20nm〜0.6μmであることがより好ましく、30nm〜0.55μmであることがさらに好ましく、40nm〜0.4μmであることがさらに好ましい。金属元素含有SiO層(バリア層)の厚さが8nm以上であれば十分なバリア性を得ることができ、1μm以下であれば、高い光線透過性を実現できる。
(金属元素含有SiO層;主に乾式法(真空成膜法等)で形成される形態)
本発明の金属元素含有SiO層(バリア層)は、上記ケイ素化合物及び上記金属元素化合物を用いて乾式法、例えば、真空成膜法により形成された層であってもよい。
金属元素含有SiO層(バリア層)の形成方法の1つである真空成膜法としては、物理気相成膜法(PVD法:Physical Vapor Deposition)と化学気相成膜法(CVD法:chemical vapor deposition)がある。
<気相成膜法>
物理気相成膜法(PVD法)は、気相中で物質の表面に物理的手法により、目的とする物質、例えば、金属元素、Si及びOを含む金属元素含有SiO層の薄膜を堆積する方法であり、例えば、スパッタ法(DCスパッタ法、RFスパッタ法、イオンビームスパッタ法、及びマグネトロンスパッタ法等)、真空蒸着法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
化学気相成膜法(CVD法)は、PI系フィルム(基材)上に、目的とする薄膜の成分を含む原料ガス(上記した湿式法(塗布法)と同様のケイ素化合物と金属元素化合物)を供給し、PI系フィルム(基材)表面又は気相での化学反応により膜を堆積する方法である。また、化学反応を活性化する目的で、プラズマなどを発生させる方法などがあり、熱CVD法、触媒化学気相成長法、光CVD法、真空プラズマCVD法など公知のCVD方式等が挙げられる。特に限定されるものではないが、成膜速度や処理面積、得られる金属元素含有SiO層(バリア層)のフレキシビリティやガスバリア性の観点から、真空プラズマCVD法を適用することが好ましい。
例えば、ケイ素化合物と金属元素化合物とを原料化合物として用い、分解ガスに酸素を用いれば、金属元素含有のケイ素酸化物(金属元素含有SiO層)が生成する。これはプラズマ空間内では非常に活性な荷電粒子・活性ラジカルが高密度で存在するため、プラズマ空間内では多段階の化学反応が非常に高速に促進され、プラズマ空間内に存在する元素は熱力学的に安定な化合物へと非常な短時間で変換されるためである。
なお、以下では、好ましい成膜装置であって、真空プラズマCVD法によって薄膜を形成する、対向ローラー型のロール・トゥ・ロール成膜装置を使用して、金属元素含有SiO層(バリア層)を製造する場合を例示して説明する。
図1および図2は、成膜装置の一例を示す概略構成図である。図2に例示した成膜装置101は、図1に例示した成膜装置100をタンデムに2台接合した構成を基本としている。ここでは、図2に例示した成膜装置を例にして金属元素含有SiO層を形成する場合を説明するが、図2に記載の成膜装置に関する説明は、図1に記載の成膜装置に関する説明に対しても適宜参酌される。
図2に示す通り、成膜装置101は、送り出しロール10と、搬送ロール11〜14と、第1、第2、第3および第4成膜ロール15、16、15’、16’と、巻取りロール17と、ガス供給管18、18’と、プラズマ発生用電源19、19’と、磁場発生装置20、21、20’、21’と、真空チャンバ30と、真空ポンプ40、40’と、制御部41と、を有する。
送り出しロール10、搬送ロール11〜14、第1、第2、第3および第4成膜ロール15、16、15’、16’、および巻取りロール17は、真空チャンバ30に収容されている。
送り出しロール10は、予め巻き取られた状態で設置されている基材1aを搬送ロール11に向けて送り出す。送り出しロール10は、紙面に対して垂直方向に延在した円筒状のロールであり、図示しない駆動モーターにより反時計回りに回転(図2の矢印を参照)することにより、送り出しロール10に巻回された基材1aを搬送ロール11に向けて送り出す。
搬送ロール11〜14は、送り出しロール10と略平行な回転軸を中心に回転可能に構成された円筒状のロールである。搬送ロール11は、基材1aに適当な張力を付与しつつ、基材1aを送り出しロール10から成膜ロール15に搬送するためのロールである。搬送ロール12、13は、成膜ロール15で成膜された基材1bに適当な張力を付与しつつ、基材1bを成膜ロール15から成膜ロール16に搬送するためのロールである。搬送ロール12’、13’は、成膜ロール15’で成膜された基材1eに適当な張力を付与しつつ、基材1eを成膜ロール15’から成膜ロール16’に搬送するためのロールである。さらに、搬送ロール14は、成膜ロール16’で成膜された基材1cに適当な張力を付与しつつ、基材1cを成膜ロール16から巻取りロール17に搬送するためのロールである。
第1成膜ロール15および第2成膜ロール16は、送り出しロール10と略平行な回転軸を有し、互いに所定距離だけ離間して対向配置された成膜ロール対である。また、第3成膜ロール15’および第4成膜ロール16’も同様に、送り出しロール10と略平行な回転軸を有し、互いに所定距離だけ離間して対向配置された成膜ロール対である。成膜ロール16は、基材1bを成膜し、成膜された基材1dに適当な張力を付与しつつ、基材1dを成膜ロール15’へ搬送する。成膜ロール16’は、基材1eを成膜し、成膜された基材1cに適当な張力を付与しつつ、基材1cを搬送ロール14へ搬送する。
図2に示す例では、第1成膜ロール15と第2成膜ロール16との離間距離は、点Aと点Bとを結ぶ距離であり、第3成膜ロール15’と第2成膜ロール16’との離間距離は、点A’と点B’とを結ぶ距離である。第1〜第4成膜ロール15、16、15’、16’は、導電性材料で形成された放電電極であり、第1成膜ロール15と第2成膜ロール16、第3成膜ロール15’と第4成膜ロール16’とは、それぞれは互いに絶縁されている。なお、第1〜第4成膜ロール15、16、15’、16’の材質や構成は、電極として所望の機能を達成できるように適宜選択することができる。
さらに、第1〜第4成膜ロール15、16、15’、16’は、それぞれ独立に調温してもよい。第1〜第4成膜ロール15、16、15’、16’の温度は、特に制限されるものではないが、基材(PI系フィルム)が耐熱性に優れるため、例えば−30〜300℃であるが、基材1aのガラス転移温度を超えて過度に高温に設定すると、基材(PI系フィルム)が熱によって変形等を生じるおそれがある。
第1〜第4成膜ロール15、16、15’、16’の内部には、磁場発生装置20、21、20’および21’が、各々設置されている。第1成膜ロール15と第2成膜ロール16とにはプラズマ発生用電源19により、第3成膜ロール15’と第4成膜ロール16’とにはプラズマ発生用電源19’により、プラズマ発生用の高周波電圧が印加される。それにより、第1成膜ロール15と第2成膜ロール16との間の成膜部S、または第3成膜ロール15’と第4成膜ロール16’との間の成膜部S’に電場が形成され、ガス供給管18または18’から供給される成膜ガスの放電プラズマが発生する。プラズマ発生用電源19が印加する電圧と、プラズマ発生用電源19’が印加する電圧とは、同一であってもよいが、異なっていてもよい。プラズマ発生用電源19または19’の電源周波数は任意に設定できるが、本構成の装置としては、例えば60〜100kHzであり、印加される電力は、有効成膜幅1mに対して、例えば1〜10kWである。
巻取りロール17は、送り出しロール10と略平行な回転軸を有し、基材1cを巻き取り、ロール状にして収容する。巻取りロール17は、図示しない駆動モーターにより反時計回りに回転(図2の矢印を参照)することにより、基材1cを巻き取る。
送り出しロール10から送り出された基材1aは、送り出しロール10と巻き取りロール17との間で、搬送ロール11〜14、第1〜第4成膜ロール15、16、15’、16’に巻き掛けられることにより適当な張力を保ちつつ、これらの各ロールの回転により搬送される。なお、基材1a、1b、1c、1d、1e(以下、基材1a、1b、1c、1d、1eを「基材1a〜1e」とも総称する。)の搬送方向は矢印で示されている。基材1a〜1eの搬送速度(ラインスピード)(たとえば、図2の点Cや点C’における搬送速度)は、原料ガス(ケイ素化合物及び金属元素化合物の混合ガス)の種類や真空チャンバ30内の圧力などに応じて適宜調整されうる。搬送速度は、送り出しロール10および巻取りロール17の駆動モーターの回転速度を制御部41によって制御することにより調整される。搬送速度を遅くすると、形成される領域の厚さが厚くなる。
また、この成膜装置を用いる場合、基材1a〜1eの搬送方向を図2の矢印で示す方向(以下、順方向と称する)とは反対方向(以下、逆方向と称する)に設定して透明ポリイミドフィルム積層体(特に金属元素含有SiO層)の成膜工程を実行することもできる。具体的には、制御部41は、巻取りロール17によって基材1cが巻き取られた状態において、送り出しロール10および巻き取りロール17の駆動モーターの回転方向を上述の場合とは逆方向に回転するように制御する。このように制御すると、巻取りロール17から送り出された基材1cは、送り出しロール10と巻き取りロール17との間で、搬送ロール11〜14、第1〜第4成膜ロール15、16、15’、16’に巻き掛けられることにより適当な張力を保ちつつ、これらの各ロールの回転により逆方向に搬送される。
成膜装置101を用いて金属元素含有SiO層を形成する場合は、基材1aを順方向および逆方向に搬送して成膜部Sまたは成膜部S’を往復させることにより、金属元素含有SiO層(バリア層)の形成(成膜)工程を複数回繰り返すこともできる。
ガス供給管18、18’は、真空チャンバ30内にプラズマCVDの原料ガス(ケイ素化合物及び金属元素化合物の混合ガス)などの成膜ガスを供給する。ガス供給管18は、成膜部Sの上方に第1成膜ロール15および第2成膜ロール16の回転軸と同じ方向に延在する管状の形状を有しており、複数箇所に設けられた開口部から成膜部Sに成膜ガスを供給する。ガス供給管18’も同様に、成膜部S’の上方に第3成膜ロール15’および第4成膜ロール16’の回転軸と同じ方向に延在する管状の形状を有しており、複数箇所に設けられた開口部から成膜部S’に成膜ガスを供給する。ガス供給管18から供給される成膜ガスとガス供給管18’から供給される成膜ガスとは同一でもよいが、異なっていてもよい。さらに、これらのガス供給管から供給される供給ガス圧についても、同一でもよいが異なっていてもよい。
原料ガスには、ケイ素化合物及び金属元素化合物を使用することができる。このうちケイ素化合物としては、上記「金属元素含有SiO層;主に湿式法(塗布法等)+改質処理で形成される形態」で説明した「ケイ素化合物」と同様のものを用いることができる。特に乾式法(真空成膜法等)に適したケイ素化合物が好ましく、例えば、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジメチルジシラザン、トリメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ペンタメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。これ以外にも、特開2008−056967号公報の段落「0075」に記載の化合物を使用することもできる。これらのケイ素化合物の中でも、化合物の取り扱い易さや得られる透明PIフィルム積層体の高いガスバリア性などの観点から、金属元素含有SiO層の乾式法(真空成膜法等)による形成においては、HMDSOを使用することが好ましい。なお、これらのケイ素化合物は、2種以上が組み合わせて使用されてもよい。また、原料ガスには、ケイ素化合物の他にモノシランが含有されてもよい。
原料ガスのうち金属元素化合物としては、上記「金属元素含有SiO層;主に湿式法(塗布法等)+改質処理で形成される形態」で説明した「金属元素化合物」と同様のものを用いることができる。特に乾式法(真空成膜法等)に適した金属元素化合物が好ましく、金属元素のアルコキシドないし酸化物の例としては、亜鉛、アルミニウムまたはチタンのアルコキシドないし酸化物が好ましく、より好ましくはアルミニウムまたはチタンのアルコキシドないし酸化物であり、例えば、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリn−プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリn−ブトキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド(Al(OsecC)、アルミニウムトリtert−ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテートジn−ブチレート、アルミニウムジエチルアセトアセテートモノn−ブチレート、アルミニウムジイソプロピレートモノsec−ブチレート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ビス(エチルアセトアセテート)(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム、アルミニウムアルキルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムオキサイドイソプロポキサイドトリマー、アルミニウムオキサイドオクチレートトリマー、酸化アルミニウム;チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラノルマルプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンテトライソブトキシド、チタンジイソプロポキシジノルマルブトキシド、チタンジターシャリーブトキシジイソプロポキシド、チタンテトラtert−ブトキシド、チタンテトライソオクチロキシド、チタンテトラステアリルアルコキシド、酸化チタン等の金属元素のアルコキシドないし酸化物が好ましい。
成膜ガスとしては、原料ガスの他に反応ガスが使用されてもよい。反応ガスとしては、原料ガスと反応して酸化物、窒化物などのケイ素化合物となるガスが選択される。薄膜として酸化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、酸素ガス、オゾンガスを使用することができる。なお、これらの反応ガスは、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
成膜ガスとしては、原料ガスを真空チャンバ30内に供給するために、さらにキャリアガスが使用されてもよい。また、成膜ガスとして、プラズマを発生させるために、さらに放電用ガスが使用されてもよい。キャリアガスおよび放電ガスとしては、例えば、アルゴンなどの希ガス、および水素や窒素が使用される。
磁場発生装置20、21は、第1成膜ロール15と第2成膜ロール16との間の成膜部Sに磁場を形成する部材であり、磁場発生装置20’、21’も同様に、第3成膜ロール15’と第4成膜ロール16’との間の成膜部S’に磁場を形成する部材である。これらの磁場発生装置20、20’、21、21’は、第1〜第4成膜ロール15、16、15’、16’の回転に追随せず、所定位置に格納されている。
真空チャンバ30は、送り出しロール10、搬送ロール11〜14、第1〜第4成膜ロール15、16、15’、16’、および巻取りロール17を密封して減圧された状態を維持する。真空チャンバ30内の圧力(真空度)は、原料ガスの種類などに応じて適宜調整することができる。成膜部SまたはS’の圧力は、0.1〜50Paであることが好ましい。
真空ポンプ40、40’は、制御部41に通信可能に接続されており、制御部41の指令に従って真空チャンバ30内の圧力を適宜調整する。
制御部41は、成膜装置101の各構成要素を制御する。制御部41は、送り出しロール10および巻取りロール17の駆動モーターに接続されており、これらの駆動モーターの回転数を制御することにより、基材1aの搬送速度を調整する。また、駆動モーターの回転方向を制御することにより、基材1aの搬送方向を変更する。また、制御部41は、図示しない成膜ガスの供給機構と通信可能に接続されており、成膜ガスの各々の成分ガスの供給量を制御する。また、制御部41は、プラズマ発生用電源19、19’と通信可能に接続されており、プラズマ発生用電源19の出力電圧および出力周波数を制御する。さらに、制御部41は、真空ポンプ40、40’に通信可能に接続されており、真空チャンバ30内を所定の減圧雰囲気に維持するように真空ポンプ40を制御する。
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read Only Memory)を備える。HDDには、成膜装置101の各構成要素を制御して、ガスバリア性フィルムの製造方法を実現する手順を記述したソフトウェアプログラムが格納されている。そして、成膜装置101の電源が投入されると、上記ソフトウェアプログラムが上記RAMにロードされ上記CPUによって逐次的に実行される。また、上記ROMには、上記CPUが上記ソフトウェアプログラムを実行する際に使用する各種データおよびパラメーターが記憶されている。
該金属元素含有SiO層は、単層でもよいし2層以上の積層構造であってもよい。該金属元素含有SiO層が2層以上の積層構造である場合、各金属元素含有SiO層は同じ組成であってもよいし異なる組成であってもよい。
本発明の透明PIフィルム積層体は、上記したPI系フィルム、金属元素含有SiO層の他にも、他の部材(層)をさらに含むものであってもよい。このうち、上記金属元素含有SiO層(バリア)層上には、表示装置の品質を向上する上で、他の機能性を有する層を配置することも可能である。例えば、反射防止(アンチリフレクション(AR))層、防眩(アンチグレア(AG))層、防指紋層、耐キズ(ハードコート(HC))層、低反射(ローリフレクション(LR))層、ゴミ付着防止層、輝度向上層、帯電防止層、防汚層等の公知の機能層が用いられうる。また、金属元素含有SiO層が形成されていないPI系フィルム(基材)の他方の面にも、他の部材(層)を有していてもよく、例えば、バリア層、平滑層、アンカーコート層、ブリードアウト防止層、保護層、吸湿層や帯電防止層の機能化層などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
<用途>
本発明の透明PIフィルム積層体は、タブレットPCやスマートフォン等の前面板に好適に使用できる。すなわち、本発明は、本発明の透明PIフィルム積層体を前面板として有する表示装置をも提供する。
上述したように、本発明の透明PIフィルム積層体は、電子デバイスと積層した場合にUV耐候性が良く、湿熱環境においてもRGBの色味の差が生じず、良好な画質を維持できる。このため、以下に制限されないが、例えば、有機ELデバイス、液晶表示デバイス(LCD)、有機光電変換デバイス、プリント基板、薄膜トランジスター、タッチパネル(例えば、カーナビゲーション用タッチパネルやスマートフォンやタブレットと呼ばれる携帯用画像表示機器)、偏光板、位相差フィルム等の電子デバイスに好適に使用できる。本発明の効果がより効率的に得られるという観点から、フレキシブルプリント基板、LED照明装置及びフレキシブルディスプレイ用前面部材に好ましく用いられる。
フレキシブルプリント基板は、本発明の透明PIフィルム積層体をベースフィルムとし、これに接着剤を介して金属箔を圧着することによって得られる。ここで用いられる接着剤としては、例えば、アクリル系、ポリイミド系及びエポキシ系接着剤等が挙げられる。また、接着剤を介して透明PIフィルム積層体と熱圧着される金属箔は、コスト低減の観点から銅箔であることが好ましいが、アルミニウム、金、銀、ニッケル、スズ等、他の金属箔でもよい。
LED照明装置としては、本発明の透明PIフィルム積層体を用いたLED用基板を用いていれば、特に制限されるものではなく、例えば、両面基板やアルミ板との複合基板が挙げられる。LEDの高輝度化に伴い、より放熱性が要求される場合には、アルミ板と複合化することにより放熱性を向上させることが可能である。有機材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス照明装置に適用することもできる。
フレキシブルディスプレイ用前面部材は、本発明の透明PIフィルム積層体を用いてなるものであれば、特に制限されるものではない。本発明のフレキシブルディスプレイ用前面部材(前面板)が搭載されるフレキシブルディスプレイとしては、例えば、基板上に発光層等の有機機能層が積層されてなる有機ELデバイス、ガスバリアフィルム、フィルムカラーフィルター、片面または両面に偏光板保護フィルムを備える偏光板、フィルム型タッチセンサー等がこの順に積層されて構成される。本発明のフレキシブルディスプレイ用前面部材は、例えば、上記のように構成されるフレキシブルディスプレイのフィルム型タッチセンサー上に積層される。この際、透明PIフィルム積層体のうち、金属元素含有SiO層が最表層(最外層)側となるように配置すればよい。なお、本発明の透明PIフィルム積層体は、上記フレキシブルディスプレイを構成する有機ELデバイスの基板に用いられてもよいし、上記フレキシブルディスプレイを構成する偏光板の偏光板保護フィルムに用いられてもよい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。また、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、下記操作において、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で行う。
(PI溶液Aの調製)
乾燥窒素ガス導入管、冷却器、トルエンを満たしたDean−Stark凝集器、撹拌機を備えた4口フラスコに、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物(酸無水物1)(ダイキン工業株式会社製)25.59g(57.6mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド(134g)に加え、窒素気流下、室温で撹拌した。それに4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(ジアミン1)(ダイキン工業株式会社製)19.2g(60mmol)を加え、80℃で6時間加熱撹拌した。その後、外温を190℃まで加熱して、イミド化に伴って発生する水をトルエンとともに共沸留去した。6時間加熱、還流、撹拌を続けたところ、水の発生は認められなくなった。引き続きトルエンを留去しながら7時間加熱し、さらにトルエン留去後にメタノールを投入して再沈殿し、固形分を乾燥後に8質量%のジクロロメタン溶液にしてPI溶液Aを調製した。
(ドープの調製)
下記組成の主ドープを調製した。まず、加圧溶解タンクにジクロロメタン(沸点40℃)を添加した。溶媒の入った加圧溶解タンクに、上記調製したPI溶液A及び残りの成分を撹拌しながら投入した。これを加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、これを安積濾紙株式会社製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープを調製した。
(主ドープの組成)
ジクロロメタン 350質量部
PI溶液A 100質量部。
<製膜>
得られた主ドープを離型剤が極少量散布された平滑なガラス板上にコーターで塗布した後、40℃のホットプレート上で30分加温して自己支持性フィルムを形成した。ガラス板から剥離したフィルムをステンレス製型枠にクリップで数箇所固定した後、150℃の真空乾燥機中で2時間放置して有機溶剤をほぼ完全に(1質量%未満)除去し、膜厚50μmのPI系フィルムAを得た。
得られたPI系フィルムAのイエローインデックス値は、JIS K 7373:2006に定められているフィルムのYI(イエローインデックス:黄色味の指数)に従って求めた。測定結果から膜厚50μm時のYI値は1.5であった。
(PI系フィルムBの調製)
(ドープの準備)
三井化学株式会社製の透明PIワニス(TypeB 溶媒DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド);透明PI(TypeB)に白色フィラーを混合分散させたワニス)をドープとして準備した。
<製膜>
準備された上記ドープを離型剤が極少量散布された平滑なガラス板上にコーターで塗布した後、100℃のホットプレート上で30分加温して自己支持性フィルムを形成した。ガラス板から剥離したフィルムをステンレス製型枠にクリップで数箇所固定した後、150℃の真空乾燥機中で2時間放置して有機溶剤をほぼ完全に(1質量%未満)除去し、膜厚50μmのPI系フィルムBを得た。
得られたPI系フィルムBのイエローインデックス値は、JIS K 7373:2006に定められているフィルムのYI(イエローインデックス:黄色味の指数)に従って求めた。測定結果から換算した膜厚50μm時のYI値は11であった。
(PI系フィルムCの調製)
宇部興産株式会社製の同社独自組成のPIフィルム「タイプ:ユーピレクッス(登録商標)−S、品番:50S、膜厚:50μm」をPI系フィルムCとして用いた。
得られたPI系フィルムCのイエローインデックス値は、JIS K 7373:2006に定められているフィルムのYI(イエローインデックス:黄色味の指数)に従って求めた。測定結果から換算した膜厚50μm時のYI値は65であった。これは、市販されている製品のカタログ値(ネット掲載の数値)と同じ結果であった。
(実施例1)
上記PI系フィルムA上に、金属元素(Mg)含有SiO層を真空プラズマCVD法により成膜した。
対向する成膜ロールからなる成膜部を有する装置を2台つなげたタイプ(図2:第1成膜部、第2成膜部を有するタンデム型CVD成膜装置。図中の符号において「’」のついた符号は、それぞれ図1の各部位と同一である。))のロール・to・ロール型CVD成膜装置を用いた。有効成膜幅を1000mmとし、成膜条件は、搬送速度、第1成膜部、第2成膜部それぞれの原料ガス(HMDSOと金属化合物のマグネシウムエトキシエトキシドの混合ガスの混合比率)の供給量、酸素ガスの供給量、真空度、印加電力で調整した。成膜回数(装置のパス数)は1パスとした。その他の条件として、電源周波数は84kHz、成膜ロールの温度はすべて10℃とした。得られた金属元素含有SiO層の膜厚は断面TEM観察で求めた。実施例1で得られた金属元素(Mg)含有SiO層の膜厚は10nmであった。
上記PI系フィルムAと金属元素(Mg)含有SiO層の積層の組み合わせによって、表1に示すような透明PIフィルム積層体1を作製した。
(実施例2)
上記PI系フィルムA上に、金属元素(Zr)含有SiO層を真空プラズマCVD法により成膜した。
対向する成膜ロールからなる成膜部を有する装置を2台つなげたタイプ(図2:第1成膜部、第2成膜部を有するタンデム型CVD成膜装置。図中の符号において「’」のついた符号は、それぞれ図1の各部位と同一である。))のロール・トゥ・ロール型CVD成膜装置を用いた。有効成膜幅を1000mmとし、成膜条件は、搬送速度、第1成膜部、第2成膜部それぞれの原料ガス(HMDSOと金属化合物のテトラキス(エチルメチルアミド)ジルコニウムの混合ガスの混合比率)の供給量、酸素ガスの供給量、真空度、印加電力で調整した。成膜回数(装置のパス数)は1パスとした。その他の条件として、電源周波数は84kHz、成膜ロールの温度はすべて10℃とした。得られた金属元素含有SiO層の膜厚は断面TEM観察で求めた。実施例2で得られた金属元素(Zr)含有SiO層の膜厚は40nmであった。
上記PI系フィルムAと金属元素(Zr)含有SiO層の積層の組み合わせによって、表1に示すような透明PIフィルム積層体2を作製した。
実施例1、2の真空プラズマCVD法による各成膜条件を表1に示す。
(実施例3)
上記PI系フィルムA上に、金属元素含有SiO層を湿式法(塗布法)+改質処理(加熱処理)により成膜した(実施例4〜7も同様の方法により成膜した)。
(Siに対する金属元素Znの原子比(百分率)を5%に調整した塗布液の作製)
20質量%のパーヒドロポリシラザン(PHPS;ケイ素化合物)を含むジブチルエーテル溶液(NN120−20:メルク株式会社製)と、1質量%のアミン触媒(N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン)および19質量%パーヒドロポリシラザン(PHPS;ケイ素化合物)を含むジブチルエーテル溶液(NAX120−20:メルク株式会社製)とを4:1の比率で混合し、第1の塗布液を調製した。
第1の塗布液に20nm酸化亜鉛(ZnO)ナノ粒子分散液(Aldrich社製)を加え、60℃で1時間攪拌して、第2の塗布液(Siに対するZnの原子比(百分率)を5%に調整した塗布液)を調製した。
(金属元素(Zn)含有SiO層の製膜)
PI系フィルムA上に、上記で調製した第2の塗布液をジブチルエーテルで希釈し、スピンコーターを用いて、乾燥、加熱処理後の膜厚が600nmとなるように塗布し、100℃で2分間乾燥させて、塗膜を得た。その後、得られた塗膜を250℃で30分間加熱処理して金属元素(Zn)含有SiO層の製膜(形成)を行い、透明PIフィルム積層体3を製造した。
(実施例4)
実施例3において、乾燥、加熱処理後の膜厚600nmを50nmとなるように塗布した以外は、実施例3と同様にして、透明PIフィルム積層体4を製造した。
(実施例5)
実施例3において、乾燥、加熱処理後の膜厚が600nmを500nmとなるように塗布した以外は、実施例3と同様にして、透明PIフィルム積層体5を製造した。
(実施例6)
(Siに対する金属元素Tiの原子比(百分率)を5%に調整した塗布液の作製)
実施例3と同様にして、第1の塗布液を調製した。
第1の塗布液にチタニウムテトライソプロポキシドを加え、60℃で1時間攪拌して、第3の塗布液(Siに対するTiの原子比(百分率)を5%に調整した塗布液)を調製した。
(金属元素(Ti)含有SiO層の製膜)
PI系フィルムA上に、上記で調製した第3の塗布液をジブチルエーテルで希釈し、スピンコーターを用いて、乾燥、加熱処理後の膜厚が100nmとなるように塗布し、100℃で2分間乾燥させて、塗膜を得た。その後、得られた塗膜を250℃で30分間加熱処理して金属元素(Ti)含有SiO層の製膜(形成)を行い、透明PIフィルム積層体6を製造した。
(実施例7)
(Siに対する金属元素Alの原子比(百分率)を5%に調整した塗布液の作製)
実施例3と同様にして、第1の塗布液を調製した。
第1の塗布液にアルミニウムトリイソプロポキシドを加え、60℃で1時間攪拌して、第4の塗布液(Siに対するAlの原子比(百分率)を5%に調整した塗布液)を調製した。
(金属元素(Al)含有SiO層の製膜)
PI系フィルムA上に、上記で調製した第4の塗布液をジブチルエーテルで希釈し、スピンコーターを用いて、乾燥、加熱処理後の膜厚が100nmとなるように塗布し、100℃で2分間乾燥させて、塗膜を得た。その後、得られた塗膜を250℃で30分間加熱処理して金属元素(Al)含有SiO層の製膜(形成)を行い、透明PIフィルム積層体7を製造した。
(実施例8)
上記PI系フィルムA上に、金属元素含有SiO層を湿式法(塗布法)+改質処理(真空紫外線処理)により成膜した(比較例1〜4も同様の方法により成膜した)。
(Siに対する金属元素Alの原子比(百分率)を5%に調整した塗布液の作製)
実施例7と同様にして、第4の塗布液(Siに対するAlの原子比(百分率)を5%に調整した塗布液)を調製した。
(金属元素(Al)含有SiO層の製膜)
PI系フィルムA上に、上記で調製した第4の塗布液をジブチルエーテルで希釈し、スピンコーターを用いて、乾燥、真空紫外線処理後の膜厚が100nmとなるように塗布し、100℃で2分間乾燥させて、塗膜を得た。その後、得られた塗膜に真空紫外線(株式会社エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200、波長172nm、ステージ温度100℃、積算光量3J/cm、酸素濃度0.1体積%)を照射して、金属元素(Al)含有SiO層を形成し、透明PIフィルム積層体8を製造した。
(比較例1)
(Siに対する金属元素Alの原子比(百分率)を0.3%に調整した塗布液の作製)
実施例3と同様にして、第1の塗布液を調製した。
第1の塗布液にアルミニウムトリイソプロポキシドを加え、60℃で1時間攪拌して、第5の塗布液(Siに対するAlの原子比(百分率)を0.3%に調整した塗布液)を調製した。
(金属元素(Al)含有SiO層の製膜)
PI系フィルムA上に、上記で調製した第5の塗布液をジブチルエーテルで希釈し、スピンコーターを用いて、乾燥、加熱処理後の膜厚が100nmとなるように塗布し、100℃で2分間乾燥させて、塗膜を得た。その後、得られた塗膜に真空紫外線(株式会社エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200、波長172nm、ステージ温度100℃、積算光量3J/cm、酸素濃度0.1体積%)を照射して、金属元素(Al)含有SiO層を形成し、透明PIフィルム積層体9を製造した。
(比較例2)
(Siに対する金属元素Alの原子比(百分率)を15%に調整した塗布液の作製)
実施例3と同様にして、第1の塗布液を調製した。
第1の塗布液にアルミニウムトリイソプロポキシドを加え、60℃で1時間攪拌して、第6の塗布液(Siに対するAlの原子比(百分率)を15%に調整した塗布液)を調製した。
(金属元素(Al)含有SiO層の製膜)
PI系フィルムA上に、上記で調製した第6の塗布液をジブチルエーテルで希釈し、スピンコーターを用いて、乾燥、加熱処理後の膜厚が100nmとなるように塗布し、100℃で2分間乾燥させて、塗膜を得た。その後、得られた塗膜に真空紫外線(株式会社エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200、波長172nm、ステージ温度100℃、積算光量3J/cm、酸素濃度0.1体積%)を照射して、金属元素(Al)含有SiO層を形成し、透明PIフィルム積層体10を製造した。
(比較例3)
実施例8において、PI系フィルムAに代えてPI系フィルムBを用いた以外は、実施例8と同様にして、透明PIフィルム積層体11を製造した。
(比較例4)
実施例8において、PI系フィルムAに代えてPI系フィルムCを用いた以外は、実施例8と同様にして、透明PIフィルム積層体12を製造した。
(XPS分析)
得られた透明PIフィルム積層体について、金属元素含有SiO層の組成をXPS分析により測定した。XPS分析の条件を下記に示す。
・装置:QUANTERASXM(アルバック・ファイ株式会社製)
・X線源:単色化Al−Kα
・測定領域:Si2p、C1s、N1s、O1s
・スパッタイオン:Ar(2keV)
・デプスプロファイル:1分間のスパッタ後に測定を繰り返す
・データ処理:MultiPak(アルバック・ファイ株式会社製)
・定量:バックグラウンドをShirley法で求め、得られたピーク面積から相対感度係数法を用いて定量した。
XPS分析における領域の厚さ方向の長さについては、以下の補正を行った。すなわち、はじめにXPS分析によりSiO換算のエッチングレートから金属元素含有SiO層の厚さ方向の組成および厚さ方向の長さを求める。他方、同一試料についてTEM分析を行い、断面画像から金属元素含有SiO層の厚さを求める。そして、TEMの断面画像をXPS分析から求めた金属元素含有SiO層の厚さ方向の組成分布と対比して、厚さ方向の組成分布を特定した。金属元素(M)含有SiO層の組成の各成分元素比は金属元素含有SiO層内の厚さ方向の平均値にて算出した。算出された金属元素含有SiO層の組成の各成分元素比からSiに対する金属元素の原子比(百分率)を算出した。
《評価1:色味変化の評価》
(評価用有機EL素子の作製)
表示装置である有機EL素子の外形サイズは、60mm×150mmであり、発光部のサイズは、40mm×130mmである。
ITO電極付きPET基材を、市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、真空度1×10−4Paまで減圧した後、ガスバリア性フィルム基材(PET基材)1上に透明陽極(ITO電極)まで形成した透明導電性フィルム1を移動させながら、下記に示す化合物HT−1を、蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、20nmの正孔輸送層(HTL)を設けた。
次に、下記に示す化合物A−3(青色発光ドーパント)、化合物A−1(緑色発光ドーパント)、化合物A−2(赤色発光ドーパント)及び化合物H−1(ホスト化合物)を、化合物A−3が膜厚に対し線形に35質量%から5質量%になるように、成膜領域により蒸着速度を変化させ、化合物A−1と化合物A−2は膜厚に依存することなく各々0.2質量%の濃度になるように、蒸着速度0.0002nm/秒で、化合物H−1は64.6質量%から94.6質量%になるように、成膜領域により蒸着速度を変化させて、総層厚が70nmになるよう共蒸着して発光層を形成した。
その後、下記化合物ET−1を膜厚30nmで蒸着して電子輸送層を形成し、更にフッ化カリウム(KF)を厚さ2nmで形成して、有機機能層ユニットを形成した。次いで、アルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成した。
なお、上記化合物HT−1、化合物A−1〜3、化合物H−1、及び、化合物ET−1は、以下に示す化合物である。
次に、封止基材として、透明導電性フィルム1の作製に用いた、ガスバリア性フィルム基材(PET基材)1を使用し、この封止基材の片面に封止樹脂層として熱硬化型の接着剤(エポキシ系樹脂)を厚さ20μmで貼合した封止部材を用いて、陰極までを形成した上記試料に重ね合わせた。このとき、透明陽極及び陰極の引き出し電極の端部が外に出るように、封止部材の封止樹脂層形成面と、有機EL素子の有機機能層ユニット面とを重ね合わせた。
有機EL素子(有機機能層ユニットを形成していない面側のガスバリア性フィルム基材(PET基材)1)の全面に各実施例及び比較例で作製した透明PIフィルム積層体1〜12(の金属元素含有SiO層を形成していない面側のPI系フィルム)をヘンケルジャパン社製ロックタイトLOCAで貼り付けた。
各透明PIフィルム積層体を貼り付けた有機ELディスプレイごと85℃85%RHの高温高湿オーブンに500時間入れて耐久評価した。
上記500時間の耐久評価後、コニカミノルタ株式会社製CS2000で発光の色味を10点測定した。色味のばらつきをランク評価10点のX、Yの標準偏差の値でランク分けした。
(色味変化の評価基準)
5:色味のばらつきの上記標準偏差値が5%未満
4:色味のばらつきの上記標準偏差値が5%以上10%未満
3:色味のばらつきの上記標準偏差値が10%以上15%未満
2:色味のばらつきの上記標準偏差値が15%以上20%未満
1:色味のばらつきの上記標準偏差値が20%以上。
《評価2:耐候性(耐候試験によるYI劣化)の評価》
表示装置表面部材として各実施例及び比較例で作製した透明PIフィルム積層体1〜12(但し、透明PIフィルム積層体の膜厚は50μmに揃えたものをそれぞれ準備した)を用いた。各実施例及び比較例で作製した各表示装置表面部材(透明PIフィルム積層体)に対し、63℃、40%RHの環境下、メタルハライドランプで、100mW/cmの光量を15分間照射した。照射前後の各試料(表示装置表面部材としての透明PIフィルム積層体)のYI値を、各透明PIフィルム積層体試料1枚について、JIS K 7373−2006に従って、株式会社日立ハイテクノロジーの分光光度計U−3300と附属の彩度計算プログラム等を用いて測定した。10点測定の平均値を求め、以下の評価基準で評価した。
(耐候性(耐候試験によるYI劣化)の評価基準)
5:照射前後のYI値の変化率が10%未満
4:照射前後のYI値の変化率が10%以上20%未満
3:照射前後のYI値の変化率が20%以上30%未満
2:照射前後のYI値の変化率が40%以上50%未満
1:照射前後のYI値の変化率が50%以上。
評価結果を下記表2に示す。
上記表2から明らかなように、実施例の透明PIフィルム積層体は、UV耐候性の面内均一性が良く、かつ湿熱環境においても白色(RGB)の色味変化が生じ難いことが確認できた。一方、比較例1、2の透明PIフィルム積層体では、UV耐候性及び湿熱環境における色味変化の両方とも良くないことが確認できた。比較例3、4の透明PIフィルム積層体では、もともと黄色味が高くUV耐候性は良い(比較例4)が、湿熱環境における色味変化が生じ易く、UV耐候性及び湿熱環境の双方に優れる結果は得られないことが確認できた。
また実施例の中で対比した場合、CVD法による実施例1、2の透明PIフィルム積層体よりも塗布法による実施例3〜8、好ましくは実施例4〜8、より好ましくは実施例6〜8の透明PIフィルム積層体の方が、基材(PI系フィルム)と金属元素の結合層(混合層)が形成しやすく、またより強固に形成される(UV耐候性に優れる、好ましくはUV耐候性及び湿熱環境の双方に優れる)ことがわかった。
S 成膜空間、
1、1a 基材、
1b、1c、1d、1e 成膜された基材、
10 送り出しロール、
11、12、13、14 搬送ロール、
15、15’ 第1成膜ロール、
16、16’ 第2成膜ロール、
17 巻取りロール、
18、18’ ガス供給管、
19、19’ プラズマ発生用電源、
20、20’、21、21’ 磁場発生装置、
30 真空チャンバ、
40、40’ 真空ポンプ、
41 制御部。

Claims (5)

  1. 膜厚50μm時のYI値が5以下のポリイミド系フィルムの少なくとも片面に少なくともSiとOを含み構成される層を有する透明フィルムにおいて、
    前記SiとOを含み構成される層には金属元素をSiに対して、原子比で0.5%以上10%以下含むことを特徴とする透明ポリイミドフィルム積層体。
  2. 前記金属元素が、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、ガリウム(Ga)、コバルト(Co)、またはマグネシウム(Mg)であることを特徴とする請求項1に記載の透明ポリイミドフィルム積層体。
  3. 前記SiとOを含み構成される層が、ポリシラザン及び金属元素化合物を含有する層に改質処理を施して形成された層であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明ポリイミドフィルム積層体。
  4. 前記ポリイミド系フィルムが、フッ素原子を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明ポリイミドフィルム積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明ポリイミドフィルム積層体を前面板として有することを特徴とする表示装置。
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