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JP2019099675A - 液晶組成物、液晶表示素子、および液晶組成物の液晶表示素子における使用 - Google Patents

液晶組成物、液晶表示素子、および液晶組成物の液晶表示素子における使用 Download PDF

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JP2019099675A
JP2019099675A JP2017231797A JP2017231797A JP2019099675A JP 2019099675 A JP2019099675 A JP 2019099675A JP 2017231797 A JP2017231797 A JP 2017231797A JP 2017231797 A JP2017231797 A JP 2017231797A JP 2019099675 A JP2019099675 A JP 2019099675A
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JP2017231797A
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浩史 遠藤
Hiroshi Endo
浩史 遠藤
史尚 近藤
Fuminao Kondo
史尚 近藤
平井 吉治
Kichiji Hirai
吉治 平井
和寛 荻田
Kazuhiro Ogita
和寛 荻田
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JNC Petrochemical Corp
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JNC Corp
JNC Petrochemical Corp
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Abstract

【課題】配向膜を有しない液晶表示素子の液晶分子の配向を制御する偏光吸収性化合物が良好な相溶性を示す液晶組成物を提供する。
【解決手段】添加物として少なくとも1つの偏光吸収性化合物、および第一成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、正の誘電率異方性を有する液晶組成物。
Figure 2019099675

式(1)において、Rは、炭素数1から12のアルキルなどであり、環Aは、独立して、1,4−シクロヘキシレンなどであり、Zは、独立して、単結合などであり、XおよびXは、独立して、水素などであり、Yはフッ素などであり、aは、1、2、3、または4である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、誘電率異方性が正の液晶組成物、この組成物を含有する液晶表示素子などに関する。特に、ケイ皮酸などの偏光吸収性化合物を含有し、この化合物の作用によって液晶分子の配向が達成可能である液晶組成物、および液晶表示素子に関する。
液晶表示素子において、液晶分子の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)、FFS(fringe field switching)、FPA(field-induced photo-reactive alignment)などのモードである。素子の駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PMはスタティック(static)とマルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMはTFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。TFTの分類は非晶質シリコン(amorphous silicon)および多結晶シリコン(polycrystal silicon)である。後者は製造工程によって高温型と低温型とに分類される。光源に基づいた分類は、自然光を利用する反射型、バックライトを利用する透過型、そして自然光とバックライトの両方を利用する半透過型である。
液晶表示素子はネマチック相を有する液晶組成物を含有する。この組成物は適切な特性を有する。この組成物の特性を向上させることによって、良好な特性を有するAM素子を得ることができる。2つの特性における関連を下記の表1にまとめる。組成物の特性を市販されているAM素子に基づいてさらに説明する。ネマチック相の温度範囲は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は約70℃以上であり、そしてネマチック相の好ましい下限温度は約−10℃以下である。組成物の粘度は素子の応答時間に関連する。素子で動画を表示するためには短い応答時間が好ましい。1ミリ秒でもより短い応答時間が望ましい。したがって、組成物における小さな粘度が好ましい。低い温度における小さな粘度はより好ましい。組成物の弾性定数は素子のコントラストに関連する。素子においてコントラストを上げるためには、組成物における大きな弾性定数がより好ましい。
Figure 2019099675
組成物の光学異方性は、素子のコントラスト比に関連する。素子のモードに応じて、大きな光学異方性または小さな光学異方性、すなわち適切な光学異方性が必要である。組成物の光学異方性(Δn)と素子のセルギャップ(d)との積(Δn×d)は、コントラスト比を最大にするように設計される。適切な積の値は動作モードの種類に依存する。TNのようなモードの素子では、適切な値は約0.45μmである。この場合、小さなセルギャップの素子には大きな光学異方性を有する組成物が好ましい。組成物における大きな誘電率異方性は、素子における低いしきい値電圧、小さな消費電力と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、大きな誘電率異方性が好ましい。組成物における大きな比抵抗は、素子における大きな電圧保持率と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、初期段階において室温だけでなくネマチック相の上限温度に近い温度でも大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。長時間使用した後、室温だけでなくネマチック相の上限温度に近い温度でも大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。紫外線および熱に対する組成物の安定性は、液晶表示素子の寿命に関連する。これらの安定性が高いとき、この素子の寿命は長い。このような特性は、液晶モニター、液晶テレビなどに用いるAM素子に好ましい。
TNモードを有するAM素子においては正の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。VAモードを有するAM素子においては負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。IPSモードまたはFFSモードを有するAM素子においては正または負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。高分子支持配向(PSA;polymer sustained alignment)型のAM素子においては正または負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。
ポリイミドのような配向膜の代わりに、偏光吸収性化合物を用いる方法が報告されている(特許文献1)。この方法では、まず、この化合物を添加物として液晶組成物に溶解させる。次に、この化合物を相分離させることによってこの化合物の薄膜を基板上に生成させる。最後に、液晶組成物の上限温度より高い温度で基板に直線偏光を照射する。この直線偏光によって偏光吸収性化合物が二量化または異性化するとき、その分子が一定方向に配列される。この方法では、偏光吸収性化合物の種類を選択することにより、IPSやFFSのような水平配向モードの素子とVAのような垂直配向モードの素子とを製造することができる。
この方法においては、偏光吸収性化合物が液晶組成物の上限温度より高い温度で容易に溶解し、室温に戻したとき、この化合物が液晶組成物から容易に相分離することが重要である。したがって、溶解と相分離とが容易に進行するように、偏光吸収性化合物と液晶組成物とを適切に組み合せなければならない。本明細書では、偏光吸収性化合物と液晶組成物との組み合わせを開示する。
国際公開第2015/146369号
本発明の1つの目的は、偏光吸収性化合物を含有する液晶組成物を提供することである。別の目的は、溶解と相分離とが容易に進行する偏光吸収性化合物と液晶組成物との組み合わせを提供することである。別の目的は、ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、大きな誘電率異方性、液晶分子の短軸方向における大きな誘電率、大きな比抵抗、紫外線に対する高い安定性、熱に対する高い安定性、および大きな弾性定数のような特性の少なくとも1つを充足する液晶組成物を提供することである。別の目的は、これらの特性において、少なくとも2つの間で適切なバランスを有する液晶組成物を提供することである。別の目的は、このような組成物を活用した液晶表示素子を提供することである。別の目的は、短い応答時間、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなコントラスト比、長い寿命のような特性を有するAM素子を提供することである。
本発明は、添加物として少なくとも1つの偏光吸収性化合物、および第一成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、正の誘電率異方性を有する液晶組成物、並びにこの液晶組成物を含有する液晶表示素子などに関する。
Figure 2019099675
式(1)において、
は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり;
環Aは、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;
は、独立して、単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシであり;
、およびXは、独立して、水素またはフッ素であり;
は、フッ素、塩素、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルオキシであり;
aは、1、2、3、または4である。
本発明の1つの長所は、偏光吸収性化合物を含有する液晶組成物を提供することである。別の長所は、溶解と相分離とが容易に進行する偏光吸収性化合物と液晶組成物との組み合わせを提供することである。別の長所は、ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、大きな誘電率異方性、液晶分子の短軸方向における大きな誘電率、大きな比抵抗、紫外線に対する高い安定性、熱に対する高い安定性、大きな弾性定数のような特性の少なくとも1つを充足する液晶組成物を提供することである。別の長所は、これらの特性において、少なくとも2つの間で適切なバランスを有する液晶組成物を提供することである。別の長所は、このような組成物を活用した液晶表示素子を提供することである。別の長所は、短い応答時間、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなコントラスト比、長い寿命のような特性を有するAM素子を提供することである。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。「液晶組成物」および「液晶表示素子」の用語をそれぞれ「組成物」および「素子」と略すことがある。「液晶表示素子」は液晶表示パネルおよび液晶表示モジュールの総称である。「液晶性化合物」は、ネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物、および液晶相を有しないがネマチック相の温度範囲、粘度、誘電率異方性のような特性を調節する目的で組成物に混合される化合物の総称である。この液晶性化合物は、例えば1,4−シクロヘキシレンや1,4−フェニレンのような六員環を有し、その分子構造は棒状(rod like)である。「重合性化合物」は、組成物中に重合体を生成させる目的で添加される化合物である。アルケニルを有する液晶性化合物は、その意味では重合性ではない。
液晶組成物は、複数の液晶性化合物を混合することによって調製される。この液晶組成物に、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物のような添加物が必要に応じて添加される。液晶性化合物や添加物は、公知の手順で混合される。液晶性化合物の割合(含有量)は、添加物を添加した場合であっても、添加物を除く液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量%)で表される。添加物の割合(含有量)は、添加物を除く液晶組成物の重量(例えば、第一成分、第二成分および第三成分の合計重量を100重量部とする。)に基づいた重量部で表される。すなわち、液晶性化合物や添加物の割合は、液晶性化合物の全重量に基づいて算出される。重量百万分率(ppm)が用いられることもある。重合開始剤および重合禁止剤の割合は、例外的に重合性化合物の重量に基づいて表される。
「ネマチック相の上限温度」を「上限温度」と略すことがある。「ネマチック相の下限温度」を「下限温度」と略すことがある。「比抵抗が大きい」は、組成物が初期段階において室温だけでなくネマチック相の上限温度に近い温度でも大きな比抵抗を有し、そして長時間使用した後、室温だけでなくネマチック相の上限温度に近い温度でも大きな比抵抗を有することを意味する。「電圧保持率が大きい」は、素子が初期段階において室温だけでなくネマチック相の上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を有し、そして長時間使用した後、室温だけでなくネマチック相の上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を有することを意味する。組成物や素子では、経時変化試験(加速劣化試験を含む)の前後で特性が検討されることがある。「誘電率異方性を上げる」の表現は、誘電率異方性が正である組成物のときは、その値が正に増加することを意味し、誘電率異方性が負である組成物のときは、その値が負に増加することを意味する。
式(1)で表される化合物を「化合物(1)」と略すことがある。式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を「化合物(1)」と略すことがある。「化合物(1)」は、式(1)で表される1つの化合物、2つの化合物の混合物、または3つ以上の化合物の混合物を意味する。他の式で表される化合物についても同様である。「少なくとも1つの‘A’」の表現は、‘A’の数は任意であることを意味する。「少なくとも1つの‘A’は、‘B’で置き換えられてもよい」の表現は、‘A’の数が1つのとき、‘A’の位置は任意であり、‘A’の数が2つ以上のときも、それらの位置は制限なく選択できる。このルールは、「少なくとも1つの‘A’が、‘B’で置き換えられた」の表現にも適用される。
「少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよい」のような表現がこの明細書で使われる。この場合、−CH−CH−CH−は、隣接しない−CH−が−O−で置き換えられることによって−O−CH−O−に変換されてもよい。しかしながら、隣接した−CH−が−O−で置き換えられることはない。この置き換えでは−O−O−CH−(ペルオキシド)が生成するからである。すなわち、この表現は、「1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよい」と「少なくとも2つの隣接しない−CH−は−O−で置き換えられてもよい」の両方とを意味する。このルールは、−O−への置き換えだけでなく、−CH=CH−や−COO−のような二価基への置き換えにも適用される。
各成分における化合物の化学式において、例えば、末端基Rの記号を複数の化合物に用いる。これらの化合物において、任意の2つのRが表す2つの基は同一であってもよく、または異なってもよい。例えば、化合物(1−1)のRがエチルであり、化合物(1−2)のRがエチルであるケースがある。化合物(1−1)のRがエチルであり、化合物(1−2)のRがプロピルであるケースもある。このルールは、他の末端基などの記号にも適用される。式(1)において、添え字‘a’が2のとき、2つの環Aが存在する。この化合物において、2つの環Aが表す2つの環は、同一であってもよく、または異なってもよい。式(1)において、添え字‘a’が2のとき、2つのZが存在する。この化合物において、2つのZは、同一であってもよく、または異なってもよい。このルールは、添え字‘a’が2より大きいとき、任意の2つの環A、および2つのZにも適用される。このルールは、例えば、式(2)におけるZ、および環Bなどにも適用される。
六角形で囲んだA、B、C、D、E、F、Gなどの記号はそれぞれ環A、環B、環C、環D、環E、環F、環Gなどの環に対応し、六員環、縮合環などの環を表す。
2−フルオロ−1,4−フェニレンは、下記の2つの二価基を意味する。化学式において、フッ素は左向き(L)であってもよいし、右向き(R)であってもよい。このルールは、テトラヒドロピラン−2,5−ジイルのような、環から2つの水素を除くことによって生成した、左右非対称な二価基にも適用される。このルールは、カルボニルオキシ(−COO−または−OCO−)のような二価の結合基にも適用される。
Figure 2019099675
液晶性化合物のアルキルは、直鎖状または分岐状であり、環状アルキルを含まない。直鎖状アルキルは、分岐状アルキルよりも好ましい。これらのことは、アルコキシ、アルケニルなどの末端基についても同様である。1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、上限温度を上げるためにシス型よりもトランス型が好ましい。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を意味する。好ましいハロゲンはフッ素または塩素である。さらに好ましいハロゲンはフッ素である。
本発明は、下記の項などである。
項1. 添加物として少なくとも1つの偏光吸収性化合物、および第一成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、正の誘電率異方性を有する液晶組成物。
Figure 2019099675
式(1)において、
は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり;
環Aは、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;
は、独立して、単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシであり;
、およびXは、独立して、水素またはフッ素であり;
は、フッ素、塩素、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルオキシであり;
aは、1、2、3、または4である。
項2. 前記添加物として、ケイ皮酸、ケイ皮酸エステル、ポリケイ皮酸ビニル、カルコン、4−ヒドロキシカルコン、4'−ヒドロキシカルコン、クマリン、アゾベンゼン、およびこれらの誘導体の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1に記載の液晶組成物。
項3. 前記添加物として、ケイ皮酸、ポリケイ皮酸ビニル、4−ヒドロキシカルコン、および4'−ヒドロキシカルコンの群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1または2に記載の液晶組成物。
項4. 前記第一成分として式(1−1)から式(1−13)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1から3のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2019099675
Figure 2019099675
Figure 2019099675
式(1−1)から式(1−13)において、Rは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルである。
項5. 添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、前記添加物の割合が0.1重量部から10重量部の範囲であり、添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、前記第一成分の割合が5重量%から75重量%の範囲である、項1から4のいずれか1項に記載の液晶組成物。
項6. 第二成分として式(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1から5のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2019099675
式(2)において、
は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり;
環Bは、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;
は、独立して、単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシであり;
およびXは、独立して、水素またはフッ素であり;
は、フッ素、塩素、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルオキシであり;
bは、1、2、3、または4である。
項7. 前記第二成分として式(2−1)から式(2−33)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項6に記載の液晶組成物。
Figure 2019099675
Figure 2019099675
Figure 2019099675
Figure 2019099675
式(2−1)から式(2−33)において、Rは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルである。
項8. 前記第二成分として式(2−1)、式(2−4)、式(2−5)、式(2−13)、式(2−14)、式(2−17)、式(2−18)、および式(2−23)から式(2−33)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項6または7に記載の液晶組成物。
項9. 添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、前記第二成分の割合が5重量%から75重量%の範囲である、項6から8のいずれか1項に記載の液晶組成物。
項10. 第三成分として式(3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1から9のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2019099675
式(3)において、
およびRは、独立して、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;
環Cおよび環Dは、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;
は、独立して、単結合、エチレン、またはカルボニルオキシであり;
cは、1、2、または3である。
項11. 前記第三成分として式(3−1)から式(3−13)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項10に記載の液晶組成物。
Figure 2019099675
式(3−1)から式(3−13)において、RおよびRは、独立して、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。
項12. 添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、前記第三成分の割合が5重量%から75重量%の範囲である、項10または11に記載の液晶組成物。
項13. 第四成分として式(4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1から12のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2019099675
式(4)において、
およびRは、独立して、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または炭素数2から12のアルケニルオキシであり;
環Eおよび環Gは、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたナフタレン−2,6−ジイル、クロマン−2,6−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたクロマン−2,6−ジイルであり;
環Fは、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−フェニレン、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル、または7,8−ジフルオロクロマン−2,6−ジイルであり;
およびZは、独立して、単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはメチレンオキシであり;
dは、1、2、または3であり、eは、0または1であり;
dとeとの和は、3以下である。
項14. 前記第四成分として式(4−1)から式(4−22)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項13に記載の液晶組成物。
Figure 2019099675
Figure 2019099675
式(4−1)から式(4−22)において、RおよびRは、独立して、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または炭素数2から12のアルケニルオキシである。
項15. 添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、前記第四成分の割合が3重量%から25重量%の範囲である、項13または14に記載の液晶組成物。
項16. ネマチック相の上限温度が70℃以上であり、波長589nmにおける光学異方性(25℃で測定)が0.07以上であり、そして周波数1kHzにおける誘電率異方性(25℃で測定)が2以上である、項1から13のいずれか1項に記載の液晶組成物。
項17. 項1から16のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
項18. 液晶表示素子の動作モードが、TNモード、ECBモード、OCBモード、IPSモード、FFSモード、またはFPAモードであり、液晶表示素子の駆動方式がアクティブマトリックス方式である、項17に記載の液晶表示素子。
項19. 液晶表示素子の動作モードが、IPSモードまたはFFSモードであり、液晶表示素子の駆動方式がアクティブマトリックス方式である、項17に記載の液晶表示素子。
項20. 項1から16のいずれか1項に記載の液晶組成物の、液晶表示素子における使用。
本発明は、次の項も含む。(a)光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物などの添加物の少なくとも1つをさらに含有する上記の組成物。(b)上記の組成物を含有するAM素子。(c)重合性化合物をさらに含有する上記の組成物、およびこの組成物を含有する高分子支持配向(PSA)型のAM素子。(d)上記の組成物を含有し、この組成物中の重合性化合物が重合されている、高分子支持配向(PSA)型のAM素子。(e)上記の組成物を含有し、そしてPC、TN、STN、ECB、OCB、IPS、VA、FFS、またはFPAのモードを有する素子。(f)上記の組成物を含有する透過型の素子。(g)上記の組成物を、ネマチック相を有する組成物としての使用。(h)上記の組成物に光学活性化合物を添加することによって光学活性な組成物としての使用。
本発明の組成物を次の順で説明する。第一に、組成物の構成を説明する。第二に、成分化合物の主要な特性、およびこの化合物が組成物に及ぼす主要な効果を説明する。第三に、組成物における成分の組み合わせ、成分の好ましい割合およびその根拠を説明する。第四に、成分化合物の好ましい形態を説明する。第五に、好ましい成分化合物を示す。第六に、組成物に添加してもよい添加物を説明する。第七に、成分化合物の合成法を説明する。第八に、組成物の用途を説明する。第九に、素子を製造する方法を説明する。
第一に、組成物の構成を説明する。本発明の組成物は組成物Aと組成物Bに分類される。組成物Aは、化合物(1)、化合物(2)、化合物(3)および化合物(4)から選択された液晶性化合物および偏光吸収性化合物の他に、その他の液晶性化合物、偏光吸収性化合物以外の添加物などをさらに含有してもよい。「その他の液晶性化合物」は、化合物(1)、化合物(2)、化合物(3)、および化合物(4)とは異なる液晶性化合物である。このような化合物は、特性をさらに調整する目的で組成物に混合される。添加物は、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物などである。
組成物Bは、実質的に、化合物(1)、化合物(2)、化合物(3)および化合物(4)から選択された液晶性化合物および偏光吸収性化合物のみからなる。「実質的に」は、組成物が添加物を含有してもよいが、その他の液晶性化合物を含有しないことを意味する。組成物Bは組成物Aに比較して成分の数が少ない。コストを下げるという観点から、組成物Bは組成物Aよりも好ましい。その他の液晶性化合物を混合することによって特性をさらに調整できるという観点から、組成物Aは組成物Bよりも好ましい。
第二に、成分化合物の主要な特性、およびこの化合物が組成物や素子に及ぼす主要な効果を説明する。成分化合物の主要な特性を本発明の効果に基づいて表2にまとめる。表2の記号において、Lは大きいまたは高い、Mは中程度の、Sは小さいまたは低い、を意味する。記号L、M、Sは、成分化合物のあいだの定性的な比較に基づいた分類であり、0(ゼロ)は、極めて小さいことを意味する。
Figure 2019099675
成分化合物を組成物に混合したとき、成分化合物が組成物の特性に及ぼす主要な効果は次のとおりである。本発明の組成物は、偏光吸収性化合物および液晶性化合物を含有する。
偏光吸収性化合物は添加物である。偏光吸収性化合物は、偏光を吸収し、二量化や異性化のような反応を引き起こす化合物を意味する。この偏光吸収性化合物は、偏光によって二量化や異性化を行うとき、分子レベルで一定方向に配列される。したがって、偏光吸収性化合物から調製した薄膜は、ポリイミドのような配向膜と同様に、液晶分子を配向させる。
化合物(1)は、上限温度を上げ、誘電率異方性を上げる。
化合物(2)は、誘電率異方性を上げる。
化合物(3)は、粘度を下げる、または上限温度を上げる。
化合物(4)は、短軸方向における誘電率を上げる。
第三に、組成物における成分の組み合わせ、成分化合物の好ましい割合およびその根拠を説明する。組成物における成分の好ましい組み合わせは、第一成分+添加物、第一成分+第二成分+添加物、第一成分+第三成分+添加物、第一成分+第四成分+添加物、第一成分+第二成分+第三成分+添加物、第一成分+第二成分+第四成分+添加物、第一成分+第三成分+第四成分+添加物、または第一成分+第二成分+第三成分+第四成分+添加物である。さらに好ましい組み合わせは、第一成分+第二成分+第三成分+添加物である。
組成物において、少なくとも第一成分と偏光吸収性化合物とを組み合わせることが、偏光吸収性化合物との相溶性を向上させる観点から好ましい。
組成物において、少なくとも第一成分と第二成分と偏光吸収性化合物とを組み合わせることが、偏光吸収性化合物との相溶性を向上させ、誘電率異方性を上げる観点から好ましい。
組成物において、少なくとも第一成分と第二成分と第三成分と偏光吸収性化合物とを組み合わせることが、偏光吸収性化合物との相溶性を向上させ、誘電率異方性、粘度、上限温度を調整する観点から好ましい。
添加物としての偏光吸収性化合物の好ましい割合は、添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、液晶分子を配向させるために約0.1重量部以上であり、素子の表示不良を防ぐために約10重量部以下である。偏光吸収性化合物のさらに好ましい割合は、約0.3重量部から約6重量部の範囲である。偏光吸収性化合物の特に好ましい割合は、約0.5重量部から約4重量部の範囲である。例えば、偏光吸収性化合物としてケイ皮酸を液晶組成物に添加する場合、ケイ皮酸を0.1重量部から10重量部の範囲で添加することが好ましい。
第一成分の好ましい割合は、添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、誘電率異方性を上げるために約5重量%以上であり、下限温度を下げるために、または粘度を下げるために約75重量%以下である。第一成分のさらに好ましい割合は、約8重量%から約70重量%の範囲である。第一成分の特に好ましい割合は、約10重量%から約65重量%の範囲である。
第二成分の好ましい割合は、添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、誘電率異方性を上げるために約5重量%以上であり、下限温度を下げるために、または粘度を下げるために約75重量%以下である。第二成分のさらに好ましい割合は、約8重量%から約70重量%の範囲である。第二成分の特に好ましい割合は、約10重量%から約65重量%の範囲である。
第三成分の好ましい割合は、添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、上限温度を上げるために、または粘度を下げるために約5重量%以上であり、誘電率異方性を上げるために約75重量%以下である。第三成分のさらに好ましい割合は、約8重量%から約70重量%の範囲である。第三成分の特に好ましい割合は、約10重量%から約65重量%の範囲である。
第四成分の好ましい割合は、添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、短軸方向における誘電率を上げるために約3重量%以上であり、下限温度を下げるために約25重量%以下である。第四成分のさらに好ましい割合は、約5重量%から約20重量%の範囲である。第四成分の特に好ましい割合は、約5重量%から約15重量%の範囲である。
第四に、成分化合物の好ましい形態を説明する。式(1)および式(2)において、RおよびRは、独立して、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルである。好ましいRおよびRは、紫外線または熱に対する安定性を上げるために、独立して、炭素数1から12のアルキルである。
式(3)において、RおよびRは、独立して、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。好ましいRまたはRは、粘度を下げるために、独立して、炭素数2から12のアルケニルであり、紫外線または熱に対する安定性を上げるために、独立して、炭素数1から12のアルキルである。
式(4)において、RおよびRは、独立して、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または炭素数2から12のアルケニルオキシである。好ましいRまたはRは、紫外線または熱に対する安定性を上げるために、独立して、炭素数1から12のアルキルであり、短軸方向における誘電率を上げるために、独立して、炭素数1から12のアルコキシである。
好ましいアルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルである。さらに好ましいアルキルは、粘度を下げるためにメチル、エチル、プロピル、ブチル、またはペンチルである。
好ましいアルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、またはヘプチルオキシである。さらに好ましいアルコキシは、粘度を下げるためにメトキシまたはエトキシである。
好ましいアルケニルは、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、または5−ヘキセニルである。さらに好ましいアルケニルは、粘度を下げるためにビニル、1−プロペニル、3−ブテニル、または3−ペンテニルである。これらのアルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。粘度を下げるためなどから1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ペンテニル、3−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはトランスが好ましい。2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはシスが好ましい。これらのアルケニルにおいては、分岐よりも直鎖のアルケニルが好ましい。
好ましいアルケニルオキシは、ビニルオキシ、アリルオキシ、3−ブテニルオキシ、3−ペンテニルオキシ、または4−ペンテニルオキシである。さらに好ましいアルケニルオキシは、粘度を下げるためにアリルオキシまたは3−ブテニルオキシである。
少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたアルキルの好ましい例は、フルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシル、7−フルオロヘプチル、または8−フルオロオクチルである。さらに好ましい例は、誘電率異方性を上げるために2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、または5−フルオロペンチルである。
少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたアルケニルの好ましい例は、2,2−ジフルオロビニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、4,4−ジフルオロ−3−ブテニル、5,5−ジフルオロ−4−ペンテニル、または6,6−ジフルオロ−5−ヘキセニルである。さらに好ましい例は、粘度を下げるために2,2−ジフルオロビニルまたは4,4−ジフルオロ−3−ブテニルである。
環Aは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルである。好ましい環Aは、光学異方性を上げるために1,4−フェニレンまたは2−フルオロ−1,4−フェニレンである。
環Bは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルである。好ましい環Bは、光学異方性を上げるために1,4−フェニレンまたは2−フルオロ−1,4−フェニレンである。
テトラヒドロピラン−2,5−ジイルは、下記式のように酸素は左向き(L)であってもよいし、右向き(R)であってもよいが、好ましくは、酸素が左向き(L)である。
Figure 2019099675
環Cおよび環Dは、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。好ましい環Cまたは環Dは、粘度を下げるために1,4−シクロヘキシレンであり、または光学異方性を上げるために1,4−フェニレンである。
環Eおよび環Gは、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたナフタレン−2,6−ジイル、クロマン−2,6−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたクロマン−2,6−ジイルである。好ましい環Eまたは環Gは、粘度を下げるために1,4−シクロヘキシレンであり、短軸方向における誘電率を上げるためにテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり、光学異方性を上げるために1,4−フェニレンである。
環Fは、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−フェニレン、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル、または7,8−ジフルオロクロマン−2,6−ジイルである。好ましい環Fは、短軸方向における誘電率を上げるために2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。
およびZは、独立して、単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシである。好ましいZおよびZは、粘度を下げるために単結合であり、誘電率異方性を上げるためにジフルオロメチレンオキシである。
は、単結合、エチレン、またはカルボニルオキシである。好ましいZは、粘度を下げるために単結合である。
およびZは、独立して、単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはメチレンオキシである。好ましいZまたはZは、粘度を下げるために単結合であり、短軸方向における誘電率を上げるためにメチレンオキシである。
、X、XおよびXは、独立して、水素またはフッ素である。好ましいX、X、XおよびXは、誘電率異方性を上げるためにフッ素である。
およびYは、独立して、フッ素、塩素、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルオキシである。好ましいYおよびYは、下限温度を下げるためにフッ素である。
少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたアルキルの好ましい例は、トリフルオロメチルである。少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたアルコキシの好ましい例は、トリフルオロメトキシである。少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたアルケニルオキシの好ましい例は、トリフルオロビニルオキシである。
aおよびbは、1、2、3、または4である。好ましいaおよびbは、下限温度を下げるために2であり、誘電率異方性を上げるために3である。
cは、1、2、または3である。好ましいcは、粘度を下げるために1であり、上限温度を上げるために2または3である。
dは、1、2、または3であり、eは、0または1であり、dとeとの和は、3以下である。好ましいdは、粘度を下げるために1であり、上限温度を上げるために2または3である。好ましいeは、粘度を下げるために0であり、下限温度を下げるために1である。
偏光吸収性化合物の例は、ケイ皮酸(S−1)、ケイ皮酸エステル(S−2)、ポリケイ皮酸ビニル(S−3)、カルコン(S−4)、4−ヒドロキシカルコン(S−5)、4'−ヒドロキシカルコン(S−6)、クマリン(S−7)、またはアゾベンゼン(S−8)である。式(S−2)において、Rは、アルキルまたはアリールであり、好ましいアルキルは、炭素数1から12のアルキルであり、好ましいアリールは、フェニルである。
Figure 2019099675
偏光吸収性化合物の別の例は、これらの誘導体である。誘導体は、分子構造の一部(例えば、水素)が他の原子や他の原子団で置き換えられた有機化合物を意味する。元の有機化合物とその誘導体は、共通の部分構造を有する。他の原子の例は、フッ素、塩素、および臭素である。他の原子団の例は、アルキルおよびアルケニルのような脂肪族基である。別の例は、ヒドロキシ(−OH)、アルコキシ(−OR)、アミノ(−NH)、アルキルアミノ(−NH−R、−NR)、アルコキシカルボニル(−COOR)、およびアシルオキシ(−OCOR)のような極性基であり、ここでのRは、アルキルまたはアリールであり、好ましいアルキルは、炭素数1から12のアルキルであり、好ましいアリールは、フェニルである。別の例は、アクリロイルオキシ(−OCO−CH=CH)およびメタクリロイルオキシ(−OCO−C(CH)=CH)のような重合性基である。
ケイ皮酸は、C−CH=CH−COOHの構造を有する。ここで、−CO−CH=CH−Cをシンナモイル基という。シンナモイル基の二重結合は、ベンゼン環とカルボニルに挟まれているので、光により二量化しやすい官能基である。ケイ皮酸は、紫外線により固相で二量化してシクロブタン環を形成する。この性質を利用して、液晶分子を配向させることが可能な薄膜を、ケイ皮酸から調製することができる。この薄膜を調製するために、照射する紫外線は直線偏光が適している。まず、液晶組成物にケイ皮酸を添加し、ケイ皮酸を溶解させるために組成物を加温する。この組成物を、配向膜を有しない素子に注入する。次に、素子の温度を室温に戻し、ケイ皮酸を基板上に吸着させる。最後に、素子を加温しながらケイ皮酸の薄膜に直線偏光を照射することによってケイ皮酸を二量化させる。二量体の分子は一定方向に配列されるので、薄膜は液晶配向膜としての機能を有する。芳香族アゾ化合物は直線偏光によって異性化する。その際に、このアゾ化合物の薄膜は分子レベルで一定方向に配列されるので、液晶配向膜としての機能を有する。
第五に、好ましい成分化合物を示す。
好ましい化合物(1)は、項4に記載の化合物(1−1)から化合物(1−13)である。これらの化合物において、第一成分の少なくとも1つが、化合物(1−1)、化合物(1−2)、化合物(1−4)、化合物(1−5)、化合物(1−7)、化合物(1−8)または化合物(1−11)であることが好ましく、化合物(1−1)、化合物(1−2)、化合物(1−5)、化合物(1−7)または化合物(1−11)であることがより好ましい。
好ましい化合物(2)は、項7に記載の化合物(2−1)から化合物(2−33)である。これらの化合物において、第二成分の少なくとも1つが、化合物(2−2)、化合物(2−4)、化合物(2−7)、化合物(2−8)、化合物(2−11)、化合物(2−12)、化合物(2−14)、化合物(2−15)、化合物(2−17)、化合物(2−18)、化合物(2−19)、化合物(2−22)、化合物(2−23)、化合物(2−24)、化合物(2−27)、化合物(2−29)、または化合物(2−30)であることが好ましく、化合物(2−2)、化合物(2−4)、化合物(2−7)、化合物(2−8)、化合物(2−11)、化合物(2−14)、化合物(2−15)、化合物(2−18)、化合物(2−19)、化合物(2−22)、化合物(2−24)、または化合物(2−29)であることがより好ましい。
第二成分の少なくとも2つが、化合物(2−2)および化合物(2−8)の組み合わせ、化合物(2−12)および化合物(2−15)の組み合わせ、化合物(2−14)および化合物(2−27)の組み合わせ、化合物(2−18)および化合物(2−24)の組み合わせ、化合物(2−18)および化合物(2−29)の組み合わせ、化合物(2−24)および化合物(2−29)の組み合わせ、または化合物(2−29)および化合物(2−30)の組み合わせであることが好ましい。
好ましい化合物(3)は、項11に記載の化合物(3−1)から化合物(3−13)である。これらの化合物において、第三成分の少なくとも1つが、化合物(3−1)、化合物(3−2)、化合物(3−3)、化合物(3−5)、化合物(3−6)、化合物(3−7)、化合物(3−8)、化合物(3−11)または化合物(3−13)であることが好ましく、化合物(3−1)、化合物(3−2)、化合物(3−5)、化合物(3−6)、化合物(3−8)、化合物(3−11)または化合物(3−13)であることがより好ましい。
第三成分の少なくとも2つが、化合物(3−1)および化合物(3−5)の組み合わせ、化合物(3−1)および化合物(3−6)の組み合わせ、化合物(3−1)および化合物(3−7)の組み合わせ、化合物(3−3)および化合物(3−5)の組み合わせ、化合物(3−3)および化合物(3−6)の組み合わせ、または化合物(3−3)および化合物(3−7)の組み合わせであることが好ましい。
好ましい化合物(4)は、項14に記載の化合物(4−1)から化合物(4−22)である。これらの化合物において、第四成分の少なくとも1つが、化合物(4−1)、化合物(4−3)、化合物(4−4)、化合物(4−6)、化合物(4−8)、または化合物(4−10)であることが好ましく、化合物(4−6)、または化合物(4−10)であることがより好ましい。
第四成分の少なくとも2つが、化合物(4−1)および化合物(4−6)の組み合わせ、化合物(4−3)および化合物(4−6)の組み合わせ、化合物(4−3)および化合物(4−10)の組み合わせ、化合物(4−4)および化合物(4−6)の組み合わせ、化合物(4−4)および化合物(4−8)の組み合わせ、または化合物(4−6)および化合物(4−10)の組み合わせであることが好ましい。
より好ましい偏光吸収性化合物は、ケイ皮酸(S−1)、ポリケイ皮酸ビニル(S−3)、4−ヒドロキシカルコン(S−5)、または4'−ヒドロキシカルコン(S−6)である。
第六に、組成物に添加してもよいその他の添加物を説明する。このような添加物は、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物などである。液晶のらせん構造を誘起してねじれ角を与える目的で光学活性化合物が組成物に添加される。このような化合物の例は、化合物(5−1)から化合物(5−5)である。光学活性化合物の好ましい割合は約5重量部以下である。さらに好ましい割合は約0.01重量部から約2重量部の範囲である。
Figure 2019099675
大気中での加熱による比抵抗の低下を防止するために、または素子を長時間使用した後、室温だけではなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を維持するために、酸化防止剤が組成物に添加される。酸化防止剤の好ましい例は、tが1から9の整数である化合物(6)などである。
Figure 2019099675
化合物(6)において、好ましいtは、1、3、5、7、または9である。さらに好ましいtは7である。tが7である化合物(6)は、揮発性が小さいので、素子を長時間使用したあと、室温だけではなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を維持するのに有効である。酸化防止剤の好ましい割合は、その効果を得るために約50ppm以上であり、上限温度を下げないように、または下限温度を上げないように約600ppm以下である。さらに好ましい割合は、約100ppmから約300ppmの範囲である。
紫外線吸収剤の好ましい例は、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾエート誘導体、トリアゾール誘導体などである。立体障害のあるアミンのような光安定剤もまた好ましい。これらの吸収剤や安定剤における好ましい割合は、その効果を得るために約50ppm以上であり、上限温度を下げないように、または下限温度を上げないために約10000ppm以下である。さらに好ましい割合は約100ppmから約10000ppmの範囲である。
GH(guest host)モードの素子に適合させるために、アゾ系色素、アントラキノン系色素などのような二色性色素(dichroic dye)が組成物に添加される。色素の好ましい割合は、約0.01重量部から約10重量部の範囲である。
泡立ちを防ぐために、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどの消泡剤が組成物に添加される。消泡剤の好ましい割合は、その効果を得るために約1ppm以上であり、表示不良を防ぐために約1000ppm以下である。さらに好ましい割合は、約1ppmから約500ppmの範囲である。
高分子支持配向(PSA)型の素子に適合させるために重合性化合物が組成物に添加される。重合性化合物の好ましい例は、アクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、ビニルオキシ化合物、プロペニルエーテル、エポキシ化合物(オキシラン、オキセタン)、ビニルケトンなどの重合可能な基を有する化合物である。重合性化合物のさらに好ましい例は、アクリレートまたはメタクリレートの誘導体である。重合性化合物の好ましい割合は、その効果を得るために、約0.05重量部以上であり、表示不良を防ぐために約10重量部以下である。さらに好ましい割合は、約0.1重量部から約2重量部の範囲である。重合性化合物は、紫外線照射により重合する。光重合開始剤などの開始剤の存在下で重合させてもよい。重合のための適切な条件、開始剤の適切なタイプ、および適切な量は、当業者には既知であり、文献に記載されている。例えば光開始剤であるIrgacure651(登録商標;BASF)、Irgacure184(登録商標;BASF)、またはDarocur1173(登録商標;BASF)がラジカル重合に対して適切である。光重合開始剤の好ましい割合は、重合性化合物の重量に基づいて約0.1重量部から約5重量部の範囲である。さらに好ましい割合は、約1重量部から約3重量部の範囲である。
重合性化合物を保管するとき、重合を防止するために重合禁止剤を添加してもよい。重合性化合物は、通常は重合禁止剤を除去しないまま組成物に添加される。重合禁止剤の例は、ヒドロキノン、メチルヒドロキノンのようなヒドロキノン誘導体、4-tert-ブチルカテコール、4-メトキシフェノール、フェノチアジンなどである。
極性化合物は、極性をもつ有機化合物である。ここでは、イオン結合を有する化合物は含まれない。酸素、硫黄、および窒素のような原子は、より電気的に陰性であり、部分的な負電荷をもつ傾向にある。炭素および水素は中性であるか、または部分的な正電荷をもつ傾向がある。極性は、化合物中の別種の原子間で部分電荷が均等に分布しないことから生じる。例えば、極性化合物は、−OH、−COOH、−SH、−NH、>NH、>N−のような部分構造の少なくとも1つを有する。
第七に、成分化合物の合成法を説明する。これらの化合物は既知の方法によって合成できる。合成法を例示する。trans−ケイ皮酸、4−ヒドロキシカルコン、4'−ヒドロキシカルコンのような偏光吸収性化合物は、市販されている。ポリケイ皮酸ビニル(ポリビニルシンナメート)は、塩化シンナモイルを用いたポリビニルアルコールのエステル化によって合成される。化合物(1−1)は、国際公開第2010/050427号パンフレットに記載された方法で合成する。化合物(2−4)は、特開平10−204016号公報に記載された方法で合成する。化合物(3−1)は、特開昭59−176221号公報に記載された方法で合成する。化合物(4−1)は、特表平2−503441号公報に掲載された方法で合成する。酸化防止剤は市販されている。式(6)のtが1である化合物は、アルドリッチ(Sigma-Aldrich Corporation)から入手できる。式(6)のtが7である化合物(6)などは、米国特許3660505号明細書に記載された方法によって合成する。
合成法を記載しなかった化合物は、オーガニック・シンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載された方法によって合成できる。組成物は、このようにして得た化合物から公知の方法によって調製される。例えば、成分化合物を混合し、そして加熱によって互いに溶解させる。
第八に、組成物の用途を説明する。本発明の組成物は主として、約−10℃以下の下限温度、約70℃以上の上限温度、約0.07以上の光学異方性(波長589nm。25℃で測定。)、及び2以上の誘電率異方性(周波数1kHz。25℃で測定。)の少なくともいずれかを有することが好ましい。本発明の組成物の下限温度は、液晶素子おける保管温度範囲及び動作温度範囲の観点から、約−20℃以下から約−40℃であることがより好ましい。本発明の組成物の上限温度は、約70℃から約120℃の範囲であることがより好ましく、約75℃から約110℃が特に好ましい。本発明の組成物の光学異方性は、割合制御またはその他の成分で0.08から0.25さらには0.10から0.30でも良いが、約0.07から約0.20の範囲であることがより好ましい。本発明の組成物の誘電率異方性は、2から15の範囲であることがより好ましい。
また、本発明の組成物は主として、約−10℃以下の下限温度、約70℃以上の上限温度、そして約0.07から約0.20の範囲の光学異方性を有することも好ましい。この組成物を含有する素子は大きな電圧保持率を有する。この組成物はAM素子に適する。この組成物は透過型のAM素子に特に適する。成分化合物の割合を制御することによって、またはその他の液晶性化合物を混合することによって、約0.08から約0.25の範囲の光学異方性を有する組成物、さらには約0.10から約0.30の範囲の光学異方性を有する組成物を調製してもよい。この組成物は、ネマチック相を有する組成物としての使用、光学活性化合物を添加することによって光学活性な組成物としての使用が可能である。
この組成物はAM素子への使用が可能である。さらにPM素子への使用も可能である。この組成物は、PC、TN、STN、ECB、OCB、IPS、FFS、VA、FPAなどのモードを有するAM素子およびPM素子への使用が可能である。TN、OCB、IPSモードまたはFFSモードを有するAM素子への使用は特に好ましい。IPSモードまたはFFSモードを有するAM素子において、電圧が無印加のとき、液晶分子の配列がガラス基板に対して並行であってもよく、または垂直であってもよい。これらの素子が反射型、透過型または半透過型であってもよい。透過型の素子への使用は好ましい。非結晶シリコン−TFT素子または多結晶シリコン−TFT素子への使用も可能である。この組成物をマイクロカプセル化して作製したNCAP(nematic curvilinear aligned phase)型の素子や、組成物中に三次元の網目状高分子を形成させたPD(polymer dispersed)型の素子にも使用できる。
第九に、素子を製造する方法を説明する。第一は、偏光吸収性化合物を液晶組成物に添加し、組成物を上限温度より高い温度で加温して溶解させる工程である。第二は、この組成物を液晶表示素子に注入し、温度を室温まで下げる工程である。温度を下げることによって、偏光吸収性化合物が基板上に吸着して、薄膜を形成する。第三は、上限温度より高い温度に液晶組成物を加温したまま、偏光を照射する工程である。偏光吸収性化合物は、直線偏光によって二量化または異性化される。この化合物は分子レベルで一定方向に配列されるので、薄膜は液晶配向膜としての機能を有する。この方法によって、ポリイミドのような配向膜を有しない液晶表示素子を製造することができる。
実施例により本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によっては制限されない。本発明は、実施例1の組成物と実施例2の組成物との混合物を含む。本発明は、実施例の組成物の少なくとも2つを混合した混合物をも含む。合成した化合物は、NMR分析などの方法により同定した。化合物および組成物の特性は、下記に記載した方法により測定した。
NMR分析:測定には、ブルカーバイオスピン社製のDRX−500を用いた。H−NMRの測定では、試料をCDClなどの重水素化溶媒に溶解させ、測定は、室温で、500MHz、積算回数16回の条件で行った。テトラメチルシランを内部標準として用いた。19F−NMRの測定では、CFClを内部標準として用い、積算回数24回で行った。核磁気共鳴スペクトルの説明において、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、quinはクインテット、sexはセクステット、mはマルチプレット、brはブロードであることを意味する。
ガスクロマト分析:測定には島津製作所製のGC−14B型ガスクロマトグラフを用いた。キャリアーガスはヘリウム(2mL/分)である。試料気化室を280℃に、検出器(FID)を300℃に設定した。成分化合物の分離には、Agilent Technologies Inc.製のキャピラリカラムDB−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm;固定液相はジメチルポリシロキサン;無極性)を用いた。このカラムは、200℃で2分間保持した後、5℃/分の割合で280℃まで昇温した。試料はアセトン溶液(0.1重量%)に調製した後、その1μLを試料気化室に注入した。記録計は島津製作所製のC−R5A型Chromatopac、またはその同等品である。得られたガスクロマトグラムは、成分化合物に対応するピークの保持時間およびピークの面積を示した。
試料を希釈するための溶媒は、クロロホルム、ヘキサンなどを用いてもよい。成分化合物を分離するために、次のキャピラリカラムを用いてもよい。Agilent Technologies Inc.製のHP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、Restek Corporation製のRtx−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、SGE International Pty. Ltd製のBP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)。化合物ピークの重なりを防ぐ目的で島津製作所製のキャピラリカラムCBP1−M50−025(長さ50m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を用いてもよい。
組成物に含有される液晶性化合物の割合は、次のような方法で算出してよい。液晶性化合物の混合物をガスクロマトグラフ(FID)で検出する。ガスクロマトグラムにおけるピークの面積比は液晶性化合物の割合(重量比)に相当する。上に記載したキャピラリカラムを用いたときは、各々の液晶性化合物の補正係数を1とみなしてよい。したがって、液晶性化合物の割合(重量%)は、ピークの面積比から算出することができる。
測定試料:組成物の特性を測定するときは、組成物をそのまま試料として用いた。化合物の特性を測定するときは、この化合物(15重量%)を母液晶(85重量%)に混合することによって測定用の試料を調製した。測定によって得られた値から外挿法によって化合物の特性値を算出した。(外挿値)={(試料の測定値)−0.85×(母液晶の測定値)}/0.15。この割合でスメクチック相(または結晶)が25℃で析出するときは、化合物と母液晶の割合を10重量%:90重量%、5重量%:95重量%、1重量%:99重量%の順に変更した。この外挿法によって化合物に関する上限温度、光学異方性、粘度、および誘電率異方性の値を求めた。
下記の母液晶を用いた。成分化合物の割合は重量%で示した。
Figure 2019099675
測定方法:特性の測定は下記の方法で行った。これらの多くは、社団法人電子情報技術産業協会(Japan Electronics and Information Technology Industries Association;以下JEITAという)で審議制定されるJEITA規格(JEITA・ED−2521B)に記載された方法、またはこれを修飾した方法であった。測定に用いたTN素子には、薄膜トランジスター(TFT)を取り付けなかった。
(1)ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。
(2)ネマチック相の下限温度(T;℃):ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管した後、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、Tを<−20℃と記載した。
(3)粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s):測定には東京計器株式会社製のE型回転粘度計を用いた。
(4)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s):測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995)に記載された方法に従った。ツイスト角が0°であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。この素子に16Vから19.5Vの範囲で0.5V毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加の後、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM. Imaiらの論文中の40頁に記載の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度を測定した素子を用い、下に記載した方法で求めた。
(5)光学異方性(屈折率異方性;Δn;25℃で測定):測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングした後、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n‖は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。
(6)誘電率異方性(Δε;25℃で測定):2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
(7)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が0.45/Δn(μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧で表した。
(8)電圧保持率(VHR−1;25℃で測定;%):測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmであった。この素子は試料を入れた後、紫外線で硬化する接着剤で密閉した。このTN素子にパルス電圧(5Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で、16.7ミリ秒間、測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積であった。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率で表した。
(9)電圧保持率(VHR−2;80℃で測定;%):25℃の代わりに、80℃で測定した以外は、上記と同じ手順で電圧保持率を測定した。得られた値をVHR−2で表した。
(10)電圧保持率(VHR−3;25℃で測定;%):紫外線を照射した後、電圧保持率を測定し、紫外線に対する安定性を評価した。測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは5μmであった。この素子に試料を注入し、光を20分間照射した。光源は超高圧水銀ランプUSH−500D(ウシオ電機製)であり、素子と光源の間隔は20cmであった。VHR−3の測定では、16.7ミリ秒間、減衰する電圧を測定した。大きなVHR−3を有する組成物は紫外線に対して大きな安定性を有する。VHR−3は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
(11)電圧保持率(VHR−4;25℃で測定;%):試料を注入したTN素子を80℃の恒温槽内で500時間加熱した後、電圧保持率を測定し、熱に対する安定性を評価した。VHR−4の測定では、16.7ミリ秒間、減衰する電圧を測定した。大きなVHR−4を有する組成物は熱に対して大きな安定性を有する。
(12)応答時間(τ;25℃で測定;ms):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5.0μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に矩形波(60Hz、5V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。立ち上がり時間(τr:rise time;ミリ秒)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。立ち下がり時間(τf:fall time;ミリ秒)は透過率が10%から90%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立ち下がり時間との和で表した。
(13)弾性定数(K;25℃で測定;pN):測定には横河・ヒューレットパッカード株式会社製のHP4284A型LCRメータを用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである水平配向素子に試料を入れた。この素子に0ボルトから20ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧(V)の値を「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.99)からK11およびK33の値を得た。次に同171頁にある式(3.18)に、先ほど求めたK11およびK33の値を用いてK22を算出した。弾性定数は、このようにして求めたK11、K22、およびK33の平均値で表した。
(14)比抵抗(ρ;25℃で測定;Ωcm):電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。
(15)らせんピッチ(P;室温で測定;μm):らせんピッチはくさび法にて測定した。「液晶便覧」、196頁(2000年発行、丸善)を参照。試料をくさび形セルに注入し、室温で2時間静置した後、ディスクリネーションラインの間隔(d2−d1)を偏光顕微鏡(ニコン(株)、商品名MM40/60シリーズ)によって観察した。らせんピッチ(P)は、くさびセルの角度をθと表した次の式から算出した。P=2×(d2−d1)×tanθ。
実施例における化合物は、下記の表3の定義に基づいて記号により表した。表3において、1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置はトランスである。記号の後にある括弧内の番号は化合物の番号に対応する。表3において、−CF=CF−(記号:FVF)の立体配置はトランスである。(−)の記号はその他の液晶性化合物を意味する。液晶性化合物の割合(百分率)は、液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量%)である。最後に、組成物の特性値をまとめた。
Figure 2019099675
素子の実施例
1.原料
配向膜を有しない素子に、偏光吸収性化合物を添加した組成物を注入した。直線偏光を照射した後、この素子における液晶分子の配向を確認した。最初に原料を説明する。原料は、組成物(M1)から組成物(M7)のような組成物、化合物(S−1)、化合物(S−3)、化合物(S−5)、化合物(S−6)のような偏光吸収性化合物の中から適宜選択した。組成物は以下のとおりである。
[組成物(M1)]
3−HHFVFXB(F,F)−F (1−1) 12%
3−HHXB(F,F)−F (2−4) 12%
3−HBB(F,F)−F (2−8) 20%
5−HBB(F,F)−F (2−8) 14%
2−HHBB(F,F)−F (2−19) 3%
3−HHBB(F,F)−F (2−19) 3%
4−HHBB(F,F)−F (2−19) 2%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (2−29) 4%
3−HH−V (3−1) 22%
3−HH−V1 (3−1) 5%
2−BB(F)B−2V (3−8) 3%
NI=80.8℃;Tc<−20℃;Δn=0.106;Δε=6.7;Vth=1.47V;η=15.7mPa・s.
[組成物(M2)]
3−HBFVFXB(F,F)−F (1−2) 15%
3−GB(F,F)XB(F,F)−F (2−14) 8%
2−HHBB(F,F)−F (2−19) 4%
3−HHBB(F,F)−F (2−19) 4%
3−GBB(F)B(F,F)−F (2−22) 4%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (2−29) 8%
3−HH−V (3−1) 15%
3−HH−V (3−1) 10%
3−HH−4 (3−1) 11%
3−HB−O1 (3−2) 5%
V−HHB−1 (3−5) 8%
2−BB(F)B−3 (3−8) 8%
NI=87.3℃;Tc<−20℃;Δn=0.112;Δε=7.7;Vth=1.41V;η=10.7mPa・s.
[組成物(M3)]
3−BBFVFXB(F,F)−F (1−5) 10%
2−HHB(F,F)−F (2−2) 8%
3−HHB(F,F)−F (2−2) 10%
3−HBB(F,F)−F (2−8) 25%
5−HBB(F,F)−F (2−8) 11%
2−HHBB(F,F)−F (2−19) 3%
3−HHBB(F,F)−F (2−19) 4%
4−HHBB(F,F)−F (2−19) 3%
3−HH−V (3−1) 21%
3−HHB−3 (3−5) 5%
NI=81.1℃;Tc<−20℃;Δn=0.111;Δε=6.9;Vth=1.45V;η=17.3mPa・s.
[組成物(M4)]
3−BB(F、F)FVFXB(F,F)−F (1−7) 8%
3−HBBFVFXB(F,F)−F (1−11) 6%
3−GB(F)B(F)−F (2−11) 8%
3−BB(F)B(F,F)−F (2−15) 5%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (2−18) 6%
3−HBB(F,F)XB(F,F)−F (2−24) 8%
2−HH−3 (3−1) 8%
2−HH−5 (3−1) 7%
3−HH−V (3−1) 16%
3−HH−VFF (3−1) 6%
2−HHB−1 (3−5) 5%
VFF−HHB−1 (3−5) 7%
V−HBB−2 (3−6) 6%
5−HBB(F)B−2 (3−13) 4%
NI=83.4℃;Tc<−20℃;Δn=0.115;Δε=7.8;Vth=1.41V;η=10.2mPa・s.
[組成物(M5)]
3−HHFVFXB(F,F)−F (1−1) 12%
3−BBFVFXB(F,F)−F (1−5) 11%
3−BB(F、F)FVFXB(F,F)−F (1−7) 12%
3−HHB(F,F)−F (2−2) 8%
3−HBB(F,F)−F (2−8) 14%
2−HHBB(F,F)−F (2−19) 4%
3−HHBB(F,F)−F (2−19) 5%
4−HHBB(F,F)−F (2−19) 4%
3−HH−V (3−1) 27%
3−HHB−2 (3−5) 3%
NI=78.6℃;Tc<−20℃;Δn=0.113;Δε=8.9;Vth=1.38V;η=14.3mPa・s.
[組成物(M6)]
3−BBFVFXB(F,F)−F (1−5) 10%
2−HHB(F,F)−F (2−2) 5%
3−GHB(F,F)−F (2−7) 6%
3−HBB(F,F)−F (2−8) 20%
3−GB(F,F)XB(F,F)−F (2−14) 7%
3−BB(F)B(F,F)−F (2−15) 9%
3−HH−V (3−1) 15%
3−HH−V1 (3−1) 7%
3−HH−VFF (3−1) 4%
3−HHB−O1 (3−5) 5%V−HHB−1 (3−5) 4%
3−HHEBH−3 (3−11) 2%
3−HHB(2F,3F)−O2 (4−6) 3%
3−HBB(2F,3F)−O2 (4−10) 3%
NI=78.0℃;Tc<−20℃;Δn=0.113;Δε=8.1;Vth=1.41V;η=15.3mPa・s.
添加物として、化合物(S−1;ケイ皮酸)、化合物(S−3;ポリケイ皮酸ビニル)、化合物(S−5;4−ヒドロキシカルコン)、および化合物(S−6;4'−ヒドロキシカルコン)を用いた。
Figure 2019099675
2.液晶分子の配向評価
<偏光露光条件>
250Wの超高圧水銀灯(ウシオ電機株式会社製マルチライト)とワイヤーグリッド偏光板(MOXTEK社製UVT−260A)を用い、3mW/cm(波長313nmの照度をウシオ電機株式会社製紫外線照度計UIT−150およびUVD−S313を用いて測定)の強度の光を照射した。
実施例1
組成物(M1)を100重量部に、偏光吸収性化合物(S−1)を3重量部の割合で添加した。この混合物を、配向膜を有しないIPS素子に90℃(上限温度以上)で注入した。注入後、25℃まで下げることによって、化合物(S−1)を基板面側に吸着させた。IPS素子を100℃(上限温度以上)で加熱しながら、素子に対して法線方向から直線偏光した紫外線(313nm、3J/cm)を照射し、偏光吸収性化合物から形成される薄膜を有する素子を得た。照射される紫外線は偏光子を通過させることで直線偏光となる。次に、得られた素子を偏光顕微鏡にセットして液晶の配向状態を観察した。偏光顕微鏡の偏光子と検光子は各々の透過軸が直交するように配置した。まず、液晶分子の配向方向と偏光顕微鏡の偏光子の透過軸が平行となるように、すなわち、液晶分子の配向方向と偏光顕微鏡の偏光子の透過軸がなす角度が0度となるように、素子を偏光顕微鏡の水平回転ステージ上に設置した。素子の下側、すなわち、偏光子側から光を照射し、検光子を透過する光の有無を観察した。検光子を透過する光は観察されなかったことから、配向は「良好」であると判定した。なお、同様の観察において検光子を透過する光が観察された場合は、配向は「不良」であると判定した。次に、素子を偏光顕微鏡の水平回転ステージ上で回転させ、偏光顕微鏡の偏光子の透過軸と液晶分子の配向方向がなす角度を0度から変化させた。検光子を透過する光の強度は、偏光顕微鏡の偏光子の透過軸と液晶分子の配向方向がなす角度が大きくなるに従い増大し、その角度が45度である時に、ほぼ最大となることを確認した。以上により得られた素子では液晶分子が素子の基板の主面に対して略水平な方向に配向しており、「水平配向」であると判定した。
実施例2から6
表4に示すように液晶組成物および偏光吸収性化合物の組み合わせに変更したこと以外は、実施例1と同様に素子を作製した。実施例1と同様な方法で光漏れの有無を観察した。
実施例7
組成物(M4)を100重量部に、化合物(S−5)を3重量部の割合で添加した。この混合物を、配向膜を有しないIPS素子に90℃(上限温度以上)で注入した。注入後、25℃まで下げることによって、化合物(S−5)を基板面側に吸着させた。100℃(上限温度以上)で、素子に対して法線方向から直線偏光(313nm、3J/cm)を照射した。実施例1と同様な方法で光漏れの有無を観察した。
実施例8から11
表4に示すように液晶組成物および偏光吸収性化合物の組み合わせに変更したこと以外は、実施例7と同様に素子を作製した。実施例1と同様な方法で光漏れの有無を観察した。
比較例1
組成物(M1)を、配向膜を有しないIPS素子に注入した。実施例1と同様な方法で光漏れの有無を観察した。
実施例1から11および比較例1の結果を表4にまとめた。
Figure 2019099675
3.偏光吸収性化合物と液晶組成物の相溶性
上記実施例で得られた液晶組成物と偏光吸収性化合物の混合物の室温状態における安定性を評価した。混合後に100℃で等方性の液体に変化させ、25℃に放冷した。室温で半日経過後に析出の有無を確認した。実施例1〜11の混合物は析出が確認されず、いずれの偏光吸収性化合物の相溶性は良好であった。
表4から分かるように、実施例1から11では、組成物や偏光吸収性化合物の種類を変えたが、光漏れは観察されなかった。一方、偏光吸収性化合物が添加されていない比較例1では光漏れが観察された。この結果は、素子にポリイミドのような配向膜がなくても、偏光吸収性化合物から生成した薄膜により配向性能を付与し、総ての液晶分子を一定方向に配列可能であることを示している。また、液晶組成物と偏光吸収性化合物の相溶性も良好であることが分かる。以上の結果より、式(1)で示される化合物を用いることで偏光吸収性化合物が良好な相溶性を示し、偏光吸収性化合物から生成した薄膜が液晶分子の配向に重要な役割を果たしていることが分かる。
本発明の液晶組成物は、液晶モニター、液晶テレビなどに用いることができる。

Claims (20)

  1. 添加物として少なくとも1つの偏光吸収性化合物、および第一成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、正の誘電率異方性を有する液晶組成物。
    Figure 2019099675
    式(1)において、
    は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり;
    環Aは、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;
    は、独立して、単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシであり;
    、およびXは、独立して、水素またはフッ素であり;
    は、フッ素、塩素、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルオキシであり;
    aは、1、2、3、または4である。
  2. 前記添加物として、ケイ皮酸、ケイ皮酸エステル、ポリケイ皮酸ビニル、カルコン、4−ヒドロキシカルコン、4'−ヒドロキシカルコン、クマリン、アゾベンゼン、およびこれらの誘導体の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1に記載の液晶組成物。
  3. 前記添加物として、ケイ皮酸、ポリケイ皮酸ビニル、4−ヒドロキシカルコン、および4'−ヒドロキシカルコンの群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1または2に記載の液晶組成物。
  4. 前記第一成分として式(1−1)から式(1−13)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2019099675
    Figure 2019099675
    Figure 2019099675
    式(1−1)から式(1−13)において、Rは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルである。
  5. 添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、前記添加物の割合が0.1重量部から10重量部の範囲であり、添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、前記第一成分の割合が5重量%から75重量%の範囲である、請求項1から4のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  6. 第二成分として式(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2019099675
    式(2)において、
    は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり;
    環Bは、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;
    は、独立して、単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシであり;
    およびXは、独立して、水素またはフッ素であり;
    は、フッ素、塩素、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルオキシであり;
    bは、1、2、3、または4である。
  7. 前記第二成分として式(2−1)から式(2−33)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項6に記載の液晶組成物。
    Figure 2019099675
    Figure 2019099675
    Figure 2019099675
    Figure 2019099675
    式(2−1)から式(2−33)において、Rは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルである。
  8. 前記第二成分として式(2−1)、式(2−4)、式(2−5)、式(2−13)、式(2−14)、式(2−17)、式(2−18)、および式(2−23)から式(2−33)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項6または7に記載の液晶組成物。
  9. 添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、前記第二成分の割合が5重量%から75重量%の範囲である、請求項6から8のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  10. 第三成分として式(3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2019099675
    式(3)において、
    およびRは、独立して、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;
    環Cおよび環Dは、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;
    は、独立して、単結合、エチレン、またはカルボニルオキシであり;
    cは、1、2、または3である。
  11. 前記第三成分として式(3−1)から式(3−13)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項10に記載の液晶組成物。
    Figure 2019099675
    式(3−1)から式(3−13)において、RおよびRは、独立して、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。
  12. 添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、前記第三成分の割合が5重量%から75重量%の範囲である、請求項10または11に記載の液晶組成物。
  13. 第四成分として式(4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1から12のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2019099675
    式(4)において、
    およびRは、独立して、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または炭素数2から12のアルケニルオキシであり;
    環Eおよび環Gは、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたナフタレン−2,6−ジイル、クロマン−2,6−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたクロマン−2,6−ジイルであり;
    環Fは、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−フェニレン、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル、または7,8−ジフルオロクロマン−2,6−ジイルであり;
    およびZは、独立して、単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはメチレンオキシであり;
    dは、1、2、または3であり、eは、0または1であり;
    dとeとの和は、3以下である。
  14. 前記第四成分として式(4−1)から式(4−22)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項13に記載の液晶組成物。
    Figure 2019099675
    Figure 2019099675
    式(4−1)から式(4−22)において、RおよびRは、独立して、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または炭素数2から12のアルケニルオキシである。
  15. 添加物を除く液晶組成物の重量に基づいて、前記第四成分の割合が3重量%から25重量%の範囲である、請求項13または14に記載の液晶組成物。
  16. ネマチック相の上限温度が70℃以上であり、波長589nmにおける光学異方性(25℃で測定)が0.07以上であり、そして周波数1kHzにおける誘電率異方性(25℃で測定)が2以上である、請求項1から13のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  17. 請求項1から16のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
  18. 液晶表示素子の動作モードが、TNモード、ECBモード、OCBモード、IPSモード、FFSモード、またはFPAモードであり、液晶表示素子の駆動方式がアクティブマトリックス方式である、請求項17に記載の液晶表示素子。
  19. 液晶表示素子の動作モードが、IPSモードまたはFFSモードであり、液晶表示素子の駆動方式がアクティブマトリックス方式である、請求項17に記載の液晶表示素子。
  20. 請求項1から16のいずれか1項に記載の液晶組成物の、液晶表示素子における使用。
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