JP2019093449A - プラスチックフィルムのレーザ加工方法及びプラスチックフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
このため、光学フィルムに要求される形状は、複雑化、自由形状化しており、高い寸法精度も必要とされている。
これら各種の異形加工方法のうち、レーザ加工方法は、形状の複雑化・自由形状化に対応し易い上、高い寸法精度を得やすく、加工品質にも優れるという優れた利点を有する。
特許文献1に記載の方法は、プラスチックフィルム等の被加工物に特定の特性を有するレーザ加工用保護シートを貼付してレーザ加工を行った後に、この保護シートを剥離する方法である(特許文献1の請求項1等)。
特許文献1に記載の方法によれば、被加工物表面の汚染を低減可能であるものの、レーザ加工用保護シートを貼付・剥離する手間が掛かる他、保護シートを用いることにより製造コストが増加する。
特許文献2に記載の方法は、レーザ光の光軸を、プラスチックフィルム等の被加工物の表面に垂直な方向に対し所定角度で加工の進行方向に傾斜させた状態で、レーザ光を被加工物に照射することを特徴とするレーザ加工方法である(特許文献2の請求項1等)。
特許文献2に記載の方法によれば、被加工物表面の汚染を低減可能であるものの、レーザ光と被加工物とを相対的に一方向にのみ走査する場合にしか適用できないため、プラスチックフィルムを自由形状に切断できない。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明の第1手段は、赤外域の波長を有するレーザ光をパルス発振してプラスチックフィルムに照射することで該プラスチックフィルムを切断する工程を含み、前記プラスチックフィルムに照射するレーザ光のピークエネルギー密度が70J/cm2以上270J/cm2以下である、ことを特徴とするプラスチックフィルムのレーザ加工方法を提供する。
本発明の第1手段によれば、プラスチックフィルムに照射するレーザ光のピークエネルギー密度が70J/cm2以上であるため、プラスチックフィルムの赤外光吸収に伴う温度上昇が活発化する。これにより、プラスチックフィルムが溶融化及びガス化して生じる飛散物の運動エネルギーが増大し、切断箇所近傍のプラスチックフィルム表面に付着する飛散物を低減可能である。この結果、プラスチックフィルム表面の汚染を低減可能である。なお、運動エネルギーが増大した飛散物は、ヒュームになって遠くまで飛ばされるため、例えば集塵機によって吸引することで効果的に回収可能である。
本発明の第1手段によれば、プラスチックフィルムに照射するレーザ光のピークエネルギー密度が270J/cm2以下であるため、切断箇所におけるプラスチックフィルム端面の品質低下を招くおそれがない。
本発明の第1手段によれば、特許文献1に記載の方法のように、レーザ加工用保護シートを貼付・剥離する手間が掛からないため、プラスチックフィルム表面の汚染を容易に低減可能である。
また、本発明の第1手段によれば、特許文献2に記載の方法のように、レーザ光の光軸を、プラスチックフィルムの表面に垂直な方向に対し所定角度で加工の進行方向に傾斜させた状態にする制約がないため、必要に応じてプラスチックフィルムを自由形状に切断可能である。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明の第2手段は、少なくとも保護フィルムと粘着剤と基材とがこの順に積層されたプラスチックフィルムに対し、該保護フィルム側から赤外域の波長を有するレーザ光をパルス発振して該プラスチックフィルムに照射することで該プラスチックフィルムを切断する工程を含み、前記粘着剤の厚みが20μm以下である、ことを特徴とするプラスチックフィルムのレーザ加工方法を提供する。
なお、本発明の第2手段においても、第1手段と同様に、プラスチックフィルムに照射するレーザ光のピークエネルギー密度が70J/cm2以上270J/cm2以下であることが好ましい。また、プラスチックフィルムに照射するレーザ光のパルスエネルギーが3.4mJ/pulse以上8mJ/pulse以下であることが好ましい。
上記のような波長のレーザ光をパルス発振するレーザ光源としては、例えば、COレーザ光源(発振波長:5μm)や、CO2レーザ光源(発振波長:9.3〜10.6μm)を用いることが可能である。
レーザ光とプラスチックフィルムとを相対的に2次元走査する態様としては、例えば、枚葉状のプラスチックフィルムをXY2軸ステージに載置して固定(例えば、吸着固定)し、XY2軸ステージを駆動することで、レーザ光に対するプラスチックフィルムのXY2次元平面上での相対的な位置を変更することが考えられる。また、プラスチックフィルムの位置を固定し、ガルバノミラーやポリゴンミラーを用いてレーザ光源から発振したレーザ光を偏向させることで、プラスチックフィルムに照射されるレーザ光のXY2次元平面上での位置を変更することも考えられる。さらには、上記のXY2軸ステージを用いたプラスチックフィルムの走査と、ガルバノミラー等を用いたレーザ光の走査との双方を併用することも可能である。
また、プラスチックフィルムがロール状に巻回された原反フィルムであり、いわゆるロール・トゥー・ロール方式によって連続的にプラスチックフィルムを切断する場合、レーザ光とプラスチックフィルムとを相対的に2次元走査する態様としては、例えば、レーザ光源をXY2軸ステージに載置して固定し、XY2軸ステージを駆動することで、プラスチックフィルムに照射されるレーザ光のXY2次元平面上での位置を変更することが考えられる。また、XY2軸ステージを用いたレーザ光源の走査と、ガルバノミラー等を用いたレーザ光の走査との双方を併用することも可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係るレーザ加工方法に用いるレーザ加工装置の一例を模式的に示す図である。
図1に示すように、本実施形態のレーザ加工装置100は、レーザ光源1と、光学素子2と、反射ミラー3、4と、ガルバノミラー5と、テレセントリックfθレンズ6と、XY2軸ステージ7と、制御装置8とを備えている。
また、制御装置8は、レーザ光源1に対して制御信号を出力し、レーザ光源1から発振されるレーザ光Lのオン/オフのタイミング、繰り返し周波数、及びパワーの設定を制御する。
本実施形態に係るレーザ加工方法は、レーザ光源1からレーザ光Lをパルス発振してプラスチックフィルムFに照射することでプラスチックフィルムFを切断する工程を含んでいる。この際、制御装置8がガルバノミラー5及びXY2軸ステージ7を制御することで、レーザ光LとプラスチックフィルムFとが相対的に2次元走査され、プラスチックフィルムFを所望する自由形状に切断する。プラスチックフィルムFの切断形態としては、フルカットに限るものではなく、ハーフカットにすることも可能である。
本実施形態に係るレーザ加工方法で切断対象とするプラスチックフィルムFは、照射されるレーザ光Lの波長に対して15%以上の吸収率を有することが好ましい。
また、表面に、酸化インジウムスズ(ITO)、Ag、Au、Cuなどの導電性の無機膜が形成されていてもよい。
本実施形態に係るレーザ加工方法は、特にディスプレイに用いられる偏光フィルムや位相差フィルム等の各種光学フィルムに好適に用いられる。
プラスチックフィルムFの厚みは、好ましくは、20〜500μmとされる。プラスチックフィルムFの形態は、本実施形態のように枚葉状であってもよいし、ロール状に巻回された原反フィルムであってもよい。
図2は、実施例及び比較例に係る試験に用いたプラスチックフィルムFの断面を模式的に示す図である。図2(a)は、実施例1〜13及び比較例1、2に係るレーザ加工方法を適用したプラスチックフィルムFの断面を示す。図2(b)は、実施例14、15に係るレーザ加工方法を適用したプラスチックフィルムFの断面を示す。図2(c)は、実施例16、17に係るレーザ加工方法を適用したプラスチックフィルムFの断面を示す。
保護フィルムの形成材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、保護フィルムの下面にアクリル粘着剤(図示せず)を塗布した。基材としては、偏光フィルムを用いた。偏光フィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC)及びポリビニルアルコール(PVA)の積層フィルムを用い、偏光フィルムの下面にアクリル粘着剤(図示せず)を塗布した。剥離ライナーの形成材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、剥離ライナーの上面にアクリル粘着剤(図示せず)を塗布した。キャリアテープの形成材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、キャリアテープの上面にアクリル粘着剤(図示せず)を塗布した。
そして、切断後の各プラスチックフィルムF表面の汚染を評価した。
図3に示すように、プラスチックフィルムFの表面(レーザ光Lが照射される側の表面)を光学顕微鏡を用いて観察し、切断箇所のエッジからの飛散物の付着長さ(最大長さ)を測定して汚染幅Wとした。
図3は、図2(a)に示すプラスチックフィルムFを図示しているが、図2(b)及び図2(c)に示すプラスチックフィルムFについても同じ方法で汚染幅Wを測定した。
図4に示すように、実施例1〜17では、プラスチックフィルムFに照射するレーザ光Lのピークエネルギー密度を70J/cm2以上270J/cm2以下に設定することで、汚染幅Wが規格の上限値である0.3mm以下に低減されている。また、実施例8〜13では、保護フィルムと基材との間に介在する粘着剤(アクリル粘着剤)の厚みが20μm以下であることで、汚染幅Wが0.3mm以下に低減されている。そして、粘着剤の厚みを薄くするほど、汚染幅Wが小さくなっている。
これに対し、比較例1では、ピークエネルギー密度が70J/cm2未満であるため、汚染幅Wが0.3mmを超えた。また、比較例2では、ピークエネルギー密度が270J/cm2を超えているため、保護フィルムが基材の偏光フィルムから剥離する状態になった。
また、本実施形態に係るレーザ加工方法によれば、プラスチックフィルムFに照射するレーザ光Lのピークエネルギー密度が270J/cm2以下であるため、切断箇所におけるプラスチックフィルムF端面の品質低下を招くおそれがない。
2・・・光学素子
3、4・・・反射ミラー
5・・・ガルバノミラー
6・・・テレセントリックfθレンズ
7・・・XY2軸ステージ
8・・・制御装置
100・・・レーザ加工装置
F・・・プラスチックフィルム
L・・・レーザ光
Claims (9)
- 赤外域の波長を有するレーザ光をパルス発振してプラスチックフィルムに照射することで該プラスチックフィルムを切断する工程を含み、
前記プラスチックフィルムに照射するレーザ光のピークエネルギー密度が70J/cm2以上270J/cm2以下である、
ことを特徴とするプラスチックフィルムのレーザ加工方法。 - 前記プラスチックフィルムに照射するレーザ光のパルスエネルギーが3.4mJ/pulse以上8mJ/pulse以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックフィルムのレーザ加工方法。 - 少なくとも保護フィルムと粘着剤と基材とがこの順に積層されたプラスチックフィルムに対し、該保護フィルム側から赤外域の波長を有するレーザ光をパルス発振して該プラスチックフィルムに照射することで該プラスチックフィルムを切断する工程を含み、
前記粘着剤の厚みが20μm以下である、
ことを特徴とするプラスチックフィルムのレーザ加工方法。 - 前記レーザ光の波長が5μm以上11μm以下である、
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のプラスチックフィルムのレーザ加工方法。 - 前記プラスチックフィルムの切断形態がフルカット又はハーフカットである、
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のプラスチックフィルムのレーザ加工方法。 - 前記レーザ光と前記プラスチックフィルムとを相対的に2次元走査することで、前記プラスチックフィルムを自由形状に切断する、
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のプラスチックフィルムのレーザ加工方法。 - 少なくとも保護フィルムと粘着剤と基材とがこの順に積層されたプラスチックフィルムであって、
前記保護フィルム表面に付着した前記粘着剤に由来する成分による汚染幅が0.3mm以下である、
ことを特徴とするプラスチックフィルム。 - 前記粘着剤の厚みが20μm以下である、
ことを特徴とする請求項7に記載のプラスチックフィルム。 - 前記プラスチックフィルムが偏光フィルムである、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載のプラスチックフィルム。
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