[go: up one dir, main page]

JP2019077005A - キャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法 - Google Patents

キャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019077005A
JP2019077005A JP2017206826A JP2017206826A JP2019077005A JP 2019077005 A JP2019077005 A JP 2019077005A JP 2017206826 A JP2017206826 A JP 2017206826A JP 2017206826 A JP2017206826 A JP 2017206826A JP 2019077005 A JP2019077005 A JP 2019077005A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier
jig
substrate
lapping
surface plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017206826A
Other languages
English (en)
Inventor
慶一 大澤
Keiichi Osawa
慶一 大澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2017206826A priority Critical patent/JP2019077005A/ja
Publication of JP2019077005A publication Critical patent/JP2019077005A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

【課題】ラッピング加工時における冶具のキャリアへの乗り上げを防止すること。【解決手段】キャリア用治具Zは、被加工物W(基板S)を保持するキャリア2を上定盤4と下定盤5との間に装着し、遊離砥粒6を用いて被加工物Wのラッピング加工を行うラッピング装置1のキャリア2による被加工物Wの保持に用いるキャリア用治具Zであって、被加工物Wを保持してキャリア2に装着可能であり、その厚さT1は被加工物Wの厚さT3以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、キャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法に関するものである。
近年、タンタル酸リチウムLiTaO(以下「LT」と称す。)やニオブ酸リチウムLiNbO(以下「LN」と称す。)などの酸化物単結晶基板を用いて、携帯電話等に使用される各種の表面波デバイスが製造されている。これらのデバイスに供される単結晶基板の製造では、まず、CZ法等で育成された単結晶インゴットを円筒状へ研削した後、円形板状に切断し、円形板状に切断した基板の周縁を面取り加工する。次いで、円形板状の基板の表面を、ラッピング装置等による研磨加工により平行平坦な形状に加工した後、最終的にポリッシングなどで鏡面研磨することで、単結晶基板は製造されている。このような単結晶基板の製造過程において、研磨加工においては、遊離砥粒を用いた両面同時ラッピング加工が行われる。
例えば、下記の特許文献1では、酸化物単結晶基板ではないが、化合物半導体基板において、一般的なラッピング装置を用いて実施する化合物半導体基板の製造方法が記載されている。一般的なラッピング装置は、昇降自在な上定盤と、下定盤と、上定盤と下定盤との間に配置され、外周部に歯車部を有するキャリアと、を有する構成である。また、一般的なラッピング装置は、下定盤の中央部に設けられるサンギアと、下定盤の周辺に設けられるインターナルギアと、を有する。さらに、一般的なラッピング装置は、下定盤を回転させる下定盤回転駆動部、サンギアを回転させるサンギア回転駆動部、インターナルギアを回転させるインターナルギア回転駆動部を備える。
下定盤は、環状円板の形状であり、その上面には、基板の研磨に用いられる遊離砥粒の流れを促進する溝加工が施されており、遊離砥粒が定盤上を流れて基板の下面を研磨する機能を有し、下定盤回転駆動部により回転する。サンギアは、下定盤の中心側(中心部)に配置され、サンギア回転駆動部により回転駆動する。サンギアのピン状の歯は、キャリアの外周の歯車部と噛みあう。インターナルギアは、下定盤の外周側に配置され、インターナルギア回転駆動部により回転駆動する。インターナルギアのピン状の歯は、キャリアの外周の歯車部と噛みあう。下定盤の上に配置された基板が装着されたキャリアは、サンギア及びインターナルギアと噛合して回転運動する。キャリアには、基板を保持するキャリアホールが設置されており、このキャリアホールには基板が配置される。上定盤は、環状円板であり、その下面には、基板の研磨に用いられる遊離砥粒の流れを促進する溝加工が施され、遊離砥粒が流れて基板の上面を研磨する機能を有する。下定盤及び上定盤は、それぞれ、同じ中心軸を中心になるように配置される。サンギア及びインターナルギアは、独立的に回転するように構成され、それぞれの歯車に対する軸の回転比又は速度などによって、自転及び公転の程度が決定される。基板が装着されたキャリアもその自転及び公転に対応する回転運動をすることとなる。上定盤と下定盤との間に挟まれたキャリアに装着された基板は、上定盤及び下定盤の回転及び加圧により、上定盤と下定盤との間において、遊離砥粒により研磨される。
両面ラッピング加工に用いられるキャリアは各種あり、通常、SUS材を加工して作製される。キャリアホールは、プラス公差を付加したものであり、キャリアホール内で基板は回転している。キャリアホールに被加工物である基板を配置して遊離砥粒を用いて研磨する場合、特許文献1に記載されるようなGaN、AlM、SiC等の硬度が高い材料の基板の場合には問題ないが、脆性材料で硬度が低いLTあるいはLNの酸化物単結晶基板の場合、キャリアがSUS材で剛性が高いため、基板の端面にバリ、キズなどの損傷が発生し易いという問題があった。また、上記の構成の場合、加工中に基板が回転するため、キャリアホールの端面と基板とが接触することにより、基板に摩耗が生じる問題もあった。
そこで、上記の問題点を解決するために、両面ラッピングを行う場合、下記の特許文献2に記載されるような二重キャリア法が用いられる場合がある。この二重キャリア法では、例えば、キャリア(二重キャリア)は、アウターキャリア(従来のキャリア)と冶具(インナーキャリア)とを有し、アウターキャリア内にキャリアホールが設けられ、キャリアホールの中に冶具が回転自在に配置される構成であり、冶具に基板を保持する保持部(インナーキャリアホール)を設け、保持部(インナーキャリアホール)に基板を装着して基板の研磨を行う。
上記の冶具は、軟質材料で形成されている。基板の外側に、軟質材料で形成される冶具を設ける場合、研磨中において、基板は、軟質材料で形成される冶具に接触するので、上記した基板とキャリアとの接触によるキズや摩耗を防止することができる。
特開2009−182135号公報 特開昭57−41164号公報
しかしながら、特許文献2の二重キャリア法では、脆性材料で硬度の低い上記LTやLNの酸化物単結晶基板のラッピング加工を行う場合、基板のクラックを防止するため基板とキャリアホール間の衝撃を抑える必要があり、できるだけ初期の加工圧(定盤圧力)を下げてラッピング加工を開始している。このような低い加工圧(荷重)での加工では、遊離砥粒が冶具(インナーキャリア)の下側に入り込むことにより、冶具がアウターキャリアに乗り上げた状態での加工となることがある。この現象に伴い、基板の破損が生じたり、また、基板の破損に加えて破損した破片が他の基板の上面に入りこんだりすることもあり、この場合、上定盤全体が異常な振動を起こして、基板だけでなくキャリアや定盤をも破損してしまう事態となってしまうことがある。特に近年の電子機器の短小軽薄化に伴って、基板の厚みも薄化が進んでおり、上記の問題がより発生し易くなっている。例えば、基板厚みが1mm以下で、0.5mm前後の厚みでラッピング加工を行う場合、上記の冶具の乗り上げに起因する基板の破損が顕著に発生する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ラッピング加工時における冶具(インナーキャリア)のキャリアへの乗り上げを防止することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行い、特定の構造の治具を介して被加工物をキャリアに保持することで、ラッピング加工時における冶具の乗り上げを防止できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の第1の態様によれば、被加工物を保持するキャリアを上定盤と下定盤との間に装着し、遊離砥粒を用いて被加工物のラッピング加工を行うラッピング装置のキャリアによる被加工物の保持に用いるキャリア用治具であって、被加工物を保持してキャリアに装着可能であり、その厚さは被加工物の厚さ以上である、キャリア用治具が提供される。
また、本発明の第2の態様によれば、第1の態様において、厚さは、被加工物の厚さ以上、被加工物の厚さ+0.1mm以下である、キャリア用治具が提供される。
また、本発明の第3の態様によれば、第1又は第2の態様において、厚さ方向に2つに分割された第1部材及び第2部材を備える、キャリア用治具が提供される。
また、本発明の第4の態様によれば、第3の態様において、第1部材と第2部材は、互いに硬度が異なる材質で形成される、キャリア用治具が提供される。
また、本発明の第5の態様によれば、第3又は第4の態様において、第1部材及び第2部材のうち一方の材質は、ガラスエポキシ樹脂であり、他方の材質は塩化ビニール系樹脂である、キャリア用治具が提供される。
また、本発明の第6の態様によれば、被加工物を保持するキャリアを上定盤と下定盤との間に装着し、遊離砥粒を用いて被加工物のラッピング加工を行うラッピング装置であって、第1から第5のいずれかの態様のキャリア用治具を備える、ラッピング装置が提供される。
また、本発明の第7の態様によれば、被加工物を保持するキャリアを上定盤と下定盤との間に装着し、遊離砥粒を用いて被加工物のラッピング加工を行うラッピング加工方法であって、第1から第5のいずれかの態様のキャリア用治具を用いて、被加工物をキャリアに保持することと、キャリア用治具を用いてキャリアに保持した被加工物をラッピング加工することと、を含むラッピング加工方法が提供される。
本発明のキャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法によれば、ラッピング加工時における冶具のキャリアへの乗り上げを簡単且つ簡易な構成で防止することができる。これにより、冶具の乗り上げに伴う、基板等の破損及び損傷を防止することができる。また、本発明のキャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法によれば、基板の端面が治具により保護されているため、基板の端面に生じる変形、破損、微細クラックを防止することができ、その結果、後工程での割れ発生などの欠陥発生を著しく低減させることができる。
第1実施形態に係るラッピング装置を概念的に示す図である。 第1実施形態に係るキャリア及び治具を示す図である。 (A)から(C)は、従来のラッピング装置によるラッピング加工を示す図である。 第1実施形態に係るラッピング装置によるラッピング加工を示す図である。 (A)及び(B)は、第1実施形態のラッピング装置によるラッピング加工を示す図である。 第1実施形態に係るラッピング加工方法のフローチャートである。 第2実施形態に係るラッピング装置によるラッピング加工を示す図である。 (A)及び(B)は、冶具の他の例を示す図である。
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。また、以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向、Y方向とする。また、X方向、Y方向、及びZ方向のそれぞれについて、適宜、矢印の先の側を+側(例、+X側)と称し、その反対側を−側(例、−X側)と称する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るラッピング装置を概念的に示す図である。本実施形態のラッピング装置1は、図1に示すように、被加工物Wを保持するキャリア2を上定盤4と下定盤5との間に装着し、遊離砥粒6(図5(A)参照)を用いて被加工物Wのラッピング加工を行う装置である。本実施形態のラッピング装置1は、キャリア2による被加工物Wの保持に用いるキャリア用治具Z(以下「治具」と称す。)を備える点が特徴である。この治具Zについては、後に説明する。
本実施形態のラッピング装置1において、キャリア2、上定盤4、及び下定盤5は、それぞれ、公知(従来)のラッピング装置に用いられるものを用いることができる。すなわち、本実施形態のラッピング装置1は、従来のキャリア2、上定盤4、及び下定盤5を備える従来のラッピング装置に、本実施形態の治具Zを備えたものでもよい。
以下、本実施形態では、図1に示すラッピング装置1を例に説明する。なお、図1には、上定盤4については、一部を切り欠いて部分的に示している。本実施形態のラッピング装置1に適用可能な被加工物Wは、特に限定されず任意である。例えば、被加工物Wの材質、形状、サイズは、それぞれ、任意である。本実施形態では、被加工物Wが、円盤状の酸化物単結晶の基板S(以下「基板」と称す)である例を説明する。
図1に示すラッピング装置1は、キャリア2、上定盤4、下定盤5、インターナルギア7、サンギア8、治具Z、上定盤回転駆動部10、上定盤昇降駆動部11、下定盤回転駆動部12、インターナルギア回転駆動部13、及び、サンギア回転駆動部14を備える。
下定盤5は、ベース16に配置される。下定盤5は、環状円板の形状である。下定盤5は、中心軸AX1を中心として配置される。下定盤5は、他の部材と独立して、中心軸AX1周りに回転可能に構成される。下定盤5の上面は、水平面を有する。また、下定盤5の上面には、遊離砥粒6(図5(A)参照)が流れる複数の溝(図示せず)が形成されている。この溝により、遊離砥粒6の流れが促進される。複数の溝は、例えば、格子状に形成される。遊離砥粒6は、砥粒液Lとして(図5(A)参照)スラリーの状態で、砥粒液供給装置(図示せず)により、上定盤4の下面の近傍から供給され、上定盤4の下面の全域及び下定盤5の上面全域に拡がる。下定盤5は、下定盤5を中心軸AX1周りに回転させる下定盤回転駆動部12により、自在に回転するように構成されている。例えば、下定盤5は、基板Sを研磨する際、下定盤回転駆動部12により、図1に示す矢印の方向(上方から見たときに反時計回りの方向)に回転する。
下定盤5は、遊離砥粒6により、基板Sの下面を研磨する機能を有する。下定盤5は、その上面の溝に遊離砥粒6が流され、遊離砥粒6が下定盤5と基板Sとの間に入り込み、遊離砥粒6が基板Sの下面と接触することにより、基板Sの下面を研磨する。
サンギア8は、下定盤5の上方の近傍における下定盤5の中心側に配置される。サンギア8は、平歯車であり、外周に複数の歯が設けられている。サンギア8は、中心軸AX1を中心として配置される。サンギア8は、他の部材と独立して、中心軸AX1周りに回転可能に構成される。サンギア8は、サンギア8を回転駆動させるサンギア回転駆動部14により、回転自在に構成される。サンギア8の歯は、キャリア2の外周の歯に噛みあわされる。例えば、サンギア8は、基板Sを研磨する際、サンギア回転駆動部14により、図1に示す矢印の方向(上方から見たときに半時計回りの方向)に回転する。
インターナルギア7は、下定盤5の上方の近傍における下定盤5の外周の近傍に配置される。インターナルギア7は、内歯車であり、内周に複数の歯が設けられている。インターナルギア7は、中心軸AX1を中心として配置される。インターナルギア7は、他の部材と独立して、中心軸AX1周りに回転可能に構成される。インターナルギア7は、インターナルギア7を回転駆動させるインターナルギア回転駆動部13により、回転自在に構成される。インターナルギア7の歯は、キャリア2の外周の歯に噛みあわされる。例えば、インターナルギア7は、基板Sを研磨する際、インターナルギア回転駆動部13により、図1に示す矢印の方向(上方から見たときに半時計回りの方向)に回転する。
キャリア2は、サンギア8とインターナルギア7との間に配置され、基板Sを保持する。本実施形態では、キャリア2が1つの例を説明するが、キャリア2は複数でもよい。キャリア2は、平歯車の構造を有し、その外周に複数の歯が設けられている。キャリア2の歯は、サンギア8の歯とインターナルギア7の歯に噛み合わされる。すなわち、キャリア2、サンギア8、及びインターナルギア7は、遊星歯車の機構である。これにより、キャリア2は、サンギア8及びインターナルギア7の駆動により、自転、及び中心軸AX1周りの公転に対応する回転運動をする。例えば、キャリア2は、基板Sを研磨する際、上記したサンギア8及びインターナルギア7の回転により、図1に示す矢印の方向(上方から見たときに時計回りの方向)に自転するとともに、図1に示す矢印の方向(上方から見たときに時計回りの方向)に公転する。
キャリア2は、複数のキャリアホール3を備えている。キャリアホール3には、基板Sが保持される。なお、本実施形態では、キャリアホール3の数が4つの例を示しているが、キャリアホール3の数は、特に限定されず任意であり、例えば、1〜3つでもよいし、5つ以上でもよい。また、キャリアホール3が配置される位置も任意である。また、キャリアホール3の形状は、任意である。例えば、キャリアホール3の形状は、基板Sの形状に応じて、任意の形状に設定可能である。本実施形態では、基板Sが円板状であり、4つのキャリアホール3は、それぞれ同形状の円柱状の貫通孔であるとして説明する。
上記のように、キャリアホール3に直接基板Sを配置して遊離砥粒を用いて研磨する場合、基板Sの端面(側面)の摩耗あるいは損傷が生じることがある。
そこで、本実施形態のラッピング装置1では、キャリアホール3に、治具Zを介して基板Sを保持することにより、上記した基板Sの端面(円周面)の摩耗あるいは損傷の発生を抑制している。治具Zは、「インナーキャリア」と呼ばれることもある。
図2は、本実施形態のキャリア及び治具を示す上面図である。なお、図1及び図2は、4つのキャリアホール3のうち、2つのキャリアホール3に治具Zを装着し、2つのキャリアホールには冶具Zを装着しない例を示しているが、1つあるいは3から4つのキャリアホール3に冶具Zを装着してもよい。キャリアホール3には、本実施形態の治具Zを介して、基板Sが保持される。治具Zは、基板Sを保持してキャリアホール3に装着可能である。
治具Zの上方から見たときの外形は、キャリアホール3に装着可能であれば、任意である。本実施形態では、治具Zが円環状である場合の例を説明する。この治具Zは、円環の内側の部分が基板Sを保持する保持部Za(図2参照)として機能し、基板Sを保持することができる。この保持部Zaは「インナーキャリアホール」と呼ばれることもある。本実施形態の治具Zは、基板Sの側面(円周面)の周囲を囲むように保持する。これにより、基板Sの側面が保護される。
治具Zの外径は、キャリアホール3の内径よりも、若干小さくなるように設定されている。これにより、治具Zは、キャリアホール3内に装着(配置、保持)され、また、治具Zは、キャリアホール3内で回転可能となる。なお、治具Zの外径とキャリアホール3の内径との差(治具Zとキャリアホール3との間の隙間)は、限定されず任意であるが、例えば、0.05〜0.5mm程度に設定される。キャリアホール3は、治具Zを介して、基板Sの下面が下定盤5の上面に対向し、かつ、基板Sの上面が上定盤4の下面に対向するように、基板Sを保持する。治具Zについては、後にさらに説明する。
上定盤4は、図1に示すように、環状円板の形状である。上定盤4は、中心軸AX1を中心として配置される。上定盤4は、他の部材と独立して、中心軸AX1周りに回転可能に構成されている。また、上定盤4は、上定盤4を昇降させる上定盤昇降駆動部11により、昇降自在に構成されている。上定盤4は、少なくとも基板Sの上面まで移動可能である。また、上定盤を昇降させることにより、基板Sを研磨する際における、基板Sにかかる力(荷重)を調整することができる。
上定盤4の下面は、水平面を有する。また、上定盤4の下面には、遊離砥粒6が流れる複数の溝(図示せず)が形成されている。この溝により、遊離砥粒6の流れが促進される。複数の溝は、例えば、格子状に形成される。上定盤4は、上定盤4を中心軸AX1周りに回転させる上定盤回転駆動部10により、自在に回転するように構成されている。基板Sを研磨する際、例えば、上定盤4は、上定盤回転駆動部10により、図1に示す矢印の方向(上方から見たときに時計回りの方向)に回転する。すなわち、上定盤4は、基板Sを研磨する際、下定盤5と反対の方向に回転する。
上定盤4は、遊離砥粒6により、基板Sの上面を研磨する機能を有する。上定盤4は、その下面の溝に遊離砥粒6が流され、遊離砥粒6が上定盤4と基板Sとの間に入り込み、遊離砥粒6が基板Sの上面と接触することにより、基板Sの上面を研磨する。
上述の説明のように構成されるラッピング装置1では、上定盤4と下定盤5との間に挟まれたキャリア2に保持(装着)された基板Sを、上定盤4と下定盤5とが回転しながら基板Sを加圧するとともに、キャリア2の自転及び公転により基板Sを移動させながら、上定盤4と下定盤5との間において、遊離砥粒6を用いて研磨する。
本実施形態のラッピング装置1及び治具Zは、治具Zの厚さT1が、被加工物Wである基板S(ラッピング加工を施す前の基板S)の厚さT2以上であることが、1つの特徴である(図4参照)。以下、治具Zについてさらに説明する。
ここで、従来のラッピング装置1xによる基板Sの加工について説明する。図3(A)から(C)は、従来のラッピング装置によるラッピング加工を示す図である。なお、図3から図5、図7、並びに図8は、キャリア2のキャリアホール3及び冶具Zx、Z、ZAの部分を拡大して示した図である。図3(A)は、ラッピング加工を開始する前の状態を示す図である。図3(B)は、ラッピング加工の初期段階の状態を示す図である。図3(C)は、治具がキャリアに乗り上げた状態を示す図である。
図3(A)に示すように、従来のラッピング装置1xによるラッピング加工の場合、従来の治具Zx(インナーキャリア)の厚さT1は、キャリア2の厚さT3と同じ厚さに設定されていた。例えば、ラッピング加工(研磨加工)により基板Sを厚さを0.6mmに仕上げる場合、研磨加工を施す前の基板Sは、約0.7mm程度の厚さに設定される。キャリア2は、研磨加工の際、基板Sと同時に研磨加工されないように、その厚さT3が、研磨加工を施す前の基板Sの厚さT2よりも小さく設定される。この例では、キャリア2の厚さT3は0.5mmであるとする。また、従来の場合、治具Zxの厚さT1は、キャリア2の厚さT3と同じ0.5mmに設定していた。このような状態(設定)で、研磨加工を開始する。上定盤4と下定盤5との間の圧力(加工圧)は、一般的に、圧力が低い状態から徐々に加圧が行われるように調整される。これは、研磨加工の初期段階において、上定盤4と下定盤5との間に高い圧力をかけると、基板Sに割れが発生することがあり、この割れを防止するためである。このように、研磨加工の初期段階は、図3(B)に示すように、上定盤4及び下定盤5による基板Sに対する加圧力が低い状態であり、かつ上定盤4の下面より遊離砥粒6を含む研磨液Lが供給されることにより、基板S及びキャリア2の上下面に研磨液Lの膜が形成される。このため、治具Zxの厚さT1が、数値的には、キャリア2と上定盤4との間の隙間よりも大きく設定されているにも関わらず、現実には、図3(C)に示すように、治具Zxがキャリア2に乗り上げる現象が発生することがある。
図4、及び図5(A)、(B)は、本実施形態のラッピング装置1による基板Sのラッピング加工を示す断面図である。図4は、研磨加工を開始する前の状態を示す図である。図5(A)は、研磨加工の初期段階の状態を示す図である。図5(B)は、図5(A)の状態から研磨加工が進んだときの状態を示す図である。
そこで、本実施形態の治具Zは、図4に示すように、その厚さT1を、基板Sの厚さT3以上としている。中でも、治具Zの厚さT1は、基板Sの厚さ以上、基板の厚み+0.1mm以下の範囲であるのが好ましい。なお、治具Zの厚さT1は、キャリア2の厚さT3以上に設定される。
本実施形態のように治具Zの厚さT1が基板Sの厚さ以上である場合、研磨加工の初期段階において、図5(A)に示すように、冶具Zが基板Sに対して上方及び下方に突出するので、基板Sよりも治具Zが先に研磨される。この際、治具Zに対して上定盤4及び下定盤5からの力が確実に加わるため、図3(C)に示したような治具Zxがキャリア2側に乗り上げることを防止することができる。そして、本実施形態のラッピング装置1では、図5(B)に示すように治具Zと基板Sとを同時に研磨して、基板Sの厚さが目的の厚さになるまで研磨を続けることにより、基板Sのラッピング加工を行う。
なお、治具Zの厚さが基板Sの厚さと同一の場合においても、図5(B)に示すように、治具Zと基板Sとが同時に研磨されるので、治具Zがキャリア2側に乗り上げることを防止することができる。なお、治具Zの厚さT1は、基板Sの厚さT3+0.1mm以上に設定した場合においても、治具Zがキャリア2側に乗り上げることを防止することができるが、この場合、治具Zが研磨される量が多くなるので、治具Zのコストが増加する。
また、治具Zの材質は、遊離砥粒6などの加工条件において、耐砥粒性、強度、硬度等を考慮し適宜選定すればよい。治具Zの材質は、特に限定されないが、基板Sよりも硬度が低い材料であるのが好ましく、例えば、軟質材料であるのがより好ましい。治具Zの材質が基板Sよりも硬度が低い材料である場合、上記した基板の端面に生じる損傷等を防止することができる。このような軟質材料としては、材料の入手容易性、コスト、耐久性等の観点から、合成樹脂材料(合成樹脂材料を主成分とする材料、合成樹脂材料を含む材料)であるのが好ましい。例えば、このような合成樹脂材料としては、エポキシ樹脂等を用いることができる。なお、冶具Zは、単一の部材(材料)により構成されてもよいし、複数の異なる部材(材料)により構成されてもよい。例えば、冶具Zは第2実施形態の冶具ZA(図6参照)のように、複数の部材(材料)で構成されてもよいし、基板Sと接触する部分のみを軟質材料等の部材で形成してもよい。
上記の説明のように、本実施形態の治具Zは、被加工物W(基板S)を保持するキャリア2を上定盤4と下定盤5との間に装着し、遊離砥粒6を用いて被加工物Wのラッピング加工を行うラッピング装置1のキャリア2による被加工物Wの保持に用いるキャリア用治具Zであって、被加工物Wを保持してキャリア2に装着可能であり、その厚さT1は被加工物Wの厚さT2以上である。この構成によれば、治具Zがキャリア2側に乗り上げることを防止することができる。また、この構成によれば、冶具Zの厚さT1を所定の厚さにするだけで、ラッピング加工における加工圧などの加工条件を複雑に変更することなしにラッピング加工を実施できるので、簡易な構成で且つ簡単に、治具Zがキャリア2側に乗り上げることを防止することができる。
また、上記の説明のように、本実施形態のラッピング装置1は、本実施形態の治具Zを備えるので、治具Zがキャリア2側に乗り上げることを、簡単且つ簡易な構成で防止することができる。
次に、本実施形態のラッピング加工方法について、上記した本実施形態のラッピング装置1及び冶具Zに基づいて説明する。図6は、本実施形態のラッピング加工方法のフローチャートである。
本実施形態のラッピング加工方法は、被加工物Wを保持するキャリア2を上定盤4と下定盤5との間に装着し、遊離砥粒6を用いて被加工物Wのラッピング加工を行うラッピング加工方法である。
本実施形態のラッピング加工方法では、まず、図6のステップS1において、治具Zを用いて、被加工物Wをキャリア2に保持する。例えば、図4に示すように、治具Zを用いて、被加工物Wをキャリア2に保持する。
続いて、図6のステップS2において、治具Zを用いてキャリア2に保持した被加工物Wをラッピング加工する。本実施形態のラッピング加工方法では、図5(A)に示すように、研磨加工の初期段階において、基板Sよりも治具Zが先に研磨される。これにより、治具Zに対して上定盤4及び下定盤5からの力が加わるため、図3(C)に示したような治具Zxがキャリア2側に乗り上げることを防止することができる。次いで、本実施形態のラッピング加工方法では、図5(B)に示すように、治具Zと基板Sとを同時に研磨して、基板Sの厚さが目的の厚さになるまで研磨を続けることにより、基板Sのラッピング加工を行う。なお、本実施形態のラッピング加工方法において、加工の条件は、任意に設定可能である。
本実施形態のラッピング加工方法は、上記の説明のように、本実施形態の治具Zを用いてラッピング加工を行うので、ラッピング加工時における冶具Zのキャリア2への乗り上げを簡単且つ簡易な構成で防止することができる。
以上説明したように、本実施形態のキャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法によれば、ラッピング加工時における冶具Zのキャリア2への乗り上げを簡単且つ簡易な構成で防止することができる。これにより、冶具Zのキャリア2への乗り上げに伴う、基板等の破損、損傷を防止することができる。
また、本発明のキャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法によれば、基板の端面が治具により保護されているため、基板の端面に生じる変形、破損、損傷、微細クラックを防止することができ、その結果、後工程での割れ発生などの欠陥発生を著しく低減させることができる。特に、脆性材料で硬度が低いLTあるいはLNの酸化物単結晶基板Sが被加工物Wである場合、従来と比較して、顕著に、ラッピング加工時における基板の端面に生じる変形、破損、損傷、微細クラックを防止することができる。
また、上記したように、特に、電子機器の短小軽薄化により、基板の厚みも薄化が進んでおり、上記の問題がより起こりやすくなっているが、本実施形態のキャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法は、例えば、被加工物W(基板S)の厚さが1mm以下のラッピング加工をする場合、従来と比較して、顕著に、ラッピング加工時における冶具Zのキャリア2への乗り上げを防止することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
図7は、第2実施形態に係るラッピング装置1Aによるラッピング加工を示す図である。本実施形態のラッピング装置1Aは、第2実施形態の治具ZAを備える点が第1実施形態と異なっている。
第1実施形態の治具Zは、上述したように、その一部が基板Sと同時に研磨されて除去される。このため、第1実施形態の治具Zは、その都度、新品を用いる必要がある。
そこで、本実施形態の治具ZAは、厚さ方向に複数に分割された構造を有する。本実施形態では、治具ZAが、厚さ方向に2つに分割された構造を有する例を説明するが、治具ZAは、厚さ方向に3つ以上に分割されてもよい。
本実施形態の治具ZAは、厚さ方向に2つに分割された第1部材20及び第2部材21を備える。第1部材20及び第2部材21は、それぞれ、同様の円環状の形状である。構造としている。第1部材20及び第2部材21は、分割可能(取り外し可能)に接続されている。本実施形態では、第1部材20を第2部材21の上方に配置した例を示すが、第1部材20が第2部材21の下方に配置されてもよい。第1部材20と第2部材21との接続は、研磨加工中に剥がれない程度の接着力で接着されていればよく、例えば、UVテープ等で張り合わせてもよいし、エポキシ系の接着剤等を用いて接着しても良い。
このように、治具ZAを2分割の構造とする場合、第1部材20及び第2部材21のいずれか一方の部材を、繰り返し使用することができる。これにより、治具ZAの新規製作コストを簡単に抑えることができる。例えば、第1部材20の消耗が大きく、第2部材21の消耗が小さい場合、第1部材20を新品に交換することにより、治具ZAの厚さT1を増加させて再生することができる。
第1部材20及び第2部材21の材質は、第1実施形態の治具Zと同様であり、限定はないが、第1部材20及び第2部材21のうち一方の材質は、他方よりも硬度の低い材質であるのが好ましい。すなわち、第1部材20及び第2部材21の材質は、互いに、硬度が異なることが好ましい。この場合、第1部材20及び第2部材21のうち硬度が低い部材が研磨加工により除去されやすくなり、第1部材20及び第2部材21のうち硬度が高い部材の消耗が抑制される。このため、第1部材20及び第2部材21のうち硬度が高い部材を、簡単に繰り返して使用することができる。第1部材20及び第2部材21のうち硬度が高い部材としては、例えば、材料の入手容易性、コスト、耐久力等の観点から、ガラス繊維入りエポキシ樹脂であるのが好ましい。第1部材20及び第2部材21のうち硬度が低い部材としては、例えば、材料の入手容易性、コスト、耐久力等の観点から、他方を塩化ビニール系樹脂であるのが好ましい。
また、ラッピング装置1によっては、基板Sの上定盤4側(上面側)と下定盤5側(下面側)の研磨量に差がある場合がある。このような場合、第1部材20及び第2部材21のうち研磨量が多い側に配置される部材の材質の硬度を、他方の部材の材質の硬度よりも高くするのが好ましい。これにより、冶具ZAが研磨される量を抑制することができる。
第1部材20及び第2部材21の厚さについては、限定はないが、上記したようにいずれか一方の部材の繰り返しの使用をするため、第1部材20及び第2部材21のうち繰り返しの使用する部材(例、硬度が高い部材)の厚さは、仕上げの基板Sより薄くすることが好ましい。この場合、例えば、第1部材20及び第2部材21のうちの一方は、キャリア2と同じ厚さとして、他方はその差分の厚さとしてもよい。
また、第1部材20及び第2部材21の厚さについては、上記したようにいずれか一方の繰り返しの使用を容易にするため、第1部材20及び第2部材21のうち繰り返し使用する部材(硬度が高い方の部材)の厚さは、第1部材20及び第2部材21のうちの硬度が低い部材の厚さよりも厚くするのが好ましい。
次に、第2実施形態のラッピング加工方法について説明する。本実施形態のラッピング加工方法は、図6に示すステップS1及びステップS2において、本実施形態のラッピング装置1A(治具ZA)を用いて、被加工物Wのラッピング加工を行う点が第1実施形態のラッピング加工方法と異なっている。本実施形態のラッピング加工方法は、上記したように、治具ZAの材料を繰り返し使用することができるので、簡単にコストを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態のキャリア用治具ZA、ラッピング装置1A、及びラッピング加工方法によれば、簡単にコストを抑制することができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1]
LTの酸化物単結晶からなる6インチ基板に対して、図7に示す第2実施形態のラッピング装置1A及び治具ZAを用いてラッピング加工を施した。本ラッピング加工では、遊離砥粒#1000を用いて、片側あたり70μm程度をする両面研磨加工を実施した。研磨加工前の基板Sの厚さは0.7mmとした。治具ZAは、厚さ方向に2分割された第1部材20及び第2部材21を備えるものを用いた。第1部材20は、ガラス繊維入りのエポキシ樹脂製で、キャリアと厚さ同じ0.5mmとした。第2部材21は、塩化ビニール製で厚さ0.3mmとした。第1部材20と第2部材21とは、UVテープ等で固定して接続した。
基板Sを治具ZAで保持し、基板Sを保持したキャリア2をキャリアホール3内に設置(装着)した。また、ラッピング加工の初期段階における加工圧力(上定盤4及び下定盤5により基板Sにかける圧力)を、本加工における圧力の10%に設定して、研磨加工を開始し、本加工の圧力まで90秒の荷重スロープになるように加圧し、基板Sを所定の厚さまで研磨した。
研磨終了後、基板S及び治具ZAをラッピング装置から取り外して観察した。その結果、基板Sには、端部にカケ・面内クラック等の不具合は発生していなかった。また、治具ZAにも変形等の不具合はなかった。加工条件及び観察結果を表1に示す。
[実施例2]
第1部材20の厚さを0.4mmとした点、及び、初期段階における加工圧力を本加工圧の5%に設定して研磨を開始し本加工圧まで90秒の荷重スロープになるように加圧した点以外は、実施例1と同様にして、基板Sのラッピング加工を行い、研磨終了後、基板S及び治具ZAをラッピング装置から取り外して観察した。
研磨終了後、基板S及び治具ZAをラッピング装置から取り外して観察したところ、基板Sには、端部カケ・面内クラック等の不具合は発生していなかった。また、治具ZAにも変形等の不具合はなかった。加工条件及び観察結果を表1に示す。
[実施例3]
初期段階における加工圧力を本加工圧の5%に設定して研磨を開始し本加工圧まで90秒の荷重スロープになるように加圧した点以外は、実施例1と同様にして、基板Sのラッピング加工を行い、研磨終了後、基板S及び治具ZAをラッピング装置から取り外して観察した。
研磨終了後、基板S及び治具ZAをラッピング装置から取り外して観察したところ、基板Sには、端部カケ・面内クラック等の不具合は発生していなかった。また、治具ZAにも変形等の不具合はなかった。加工条件及び観察結果を表1に示す。
[比較例1]
治具ZAに代えて従来の治具(インナーキャリア)とし、厚みはキャリアと同じ0.5mmを用いて、基板Sのラッピング加工を行った。それ以外の点は、実施例2と同様の条件に設定した。
その結果、初期段階における加工圧力を本加工圧の5%に設定して研磨を開始し本加工圧まで90秒の荷重スロープになるように加圧し、基板Sを所定の厚さまで研磨しようとしたが、研磨開始より約180秒経過後に、インナーキャリアが定盤外へ飛び出していた。装置を停止し、基板S及びインナーキャリアを観察したところ、基板Sには端部のカケ、面内クラックが見られた。また、インナーキャリアも千切れた状態であり、研磨加工の継続は不能であった。加工条件及び観察結果を表1に示す。
[比較例2]
初期段階における加工圧力を本加工圧の10%にした以外は、比較例1と同様にして、従来の治具(インナーキャリア)を用いて、基板Sのラッピング加工を行った。
その結果、初期段階における加工圧力を本加工圧の10%に設定して研磨を開始し本加工圧まで90秒の荷重スロープになるように加圧し、基板Sを所定の厚さまで研磨しようとしたが、比較例1と同様に、後にインナーキャリアが定盤外へ飛び出した。装置を停止し、基板S及びインナーキャリアを観察したところ、基板Sには端部のカケ、面内クラックが見られた。また、インナーキャリアも千切れた状態であり、研磨加工の継続は不能であった。加工条件及び観察結果を表1に示す。
[比較例3]
初期段階における加工圧力を本加工圧の95%にした以外は、比較例1と同様にして、従来の治具(インナーキャリア)とし、厚みはキャリアと同じ0.5mmを用いて、基板Sのラッピング加工を行った。その結果、比較例1及び2のようなインナーキャリアの飛び出しはなかった。
研磨終了後、基板S及びインナーキャリアをラッピング装置から取り外して観察したところ、面内クラックが発生していた。また、インナーキャリアには、研磨された跡があったが、形状には変化が見られなかった。加工条件及び観察結果を表1に示す。
Figure 2019077005
実施例及び比較例の結果から、上述の実施形態のキャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法により、ラッピング加工時における冶具のキャリアへの乗り上げを防止することが確認される。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
例えば、上述の実施形態では、ラッピング装置1、1Aにおいて、上定盤4、下定盤5、インターナルギア7、及びサンギア8が独立に回転する構成の例を示したが、この例に限定されない。例えば、ラッピング装置1、1Aは、上定盤4及び下定盤5が回転せず、インターナルギア7及びサンギア8が独立に回転する構成でもよいし、また、上定盤4及び下定盤5のいずれかが回転せず、インターナルギア7及びサンギア8が独立に回転する構成でもよい。
例えば、上述の実施形態では、冶具Z、ZAは、厚さT1が均一である例を示したが、冶具Z、ZAの厚さT1は、均一でなくてもよい。図8(A)及び(B)は、冶具Zの他の例を示す図である。例えば、本実施形態の冶具Z、ZAは、図8(A)及び(B)に示すように、その一部の厚さが、最大の厚さよりも小さく構成されてもよい。この構成の場合においても、上述の実施形態のキャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法の効果を奏し、これらを実施することができる。すなわち、本明細書において、「冶具Z、ZAの厚さT1」は、それらの最大厚さを意味する。
例えば、上述の実施形態では、冶具Z、ZAが円環状である例を示したが、冶具Z、ZAの形状は任意である。治具Z、ZAの形状は、キャリアホール3及び基板Sの形状に応じて任意に設定可能である。例えば、治具Z、ZAの形状は、矩形環状でもよいし、外形が円柱状(円板状)で保持部Zaの部分が矩形状の貫通孔でもよい。
Z、ZA・・・キャリア用治具(治具)
Za・・・保持部
W・・・被加工物
S・・・基板(被加工物)
1、1A・・・ラッピング装置
2・・・キャリア
3・・・キャリアホール
4・・・上定盤
5・・・下定盤
6・・・遊離砥粒
7・・・インターナルギア
8・・・サンギア
20・・・第1部材(治具)
21・・・第2部材(治具)
30・・・係止部
L・・・砥粒液
AX1・・・中心軸

Claims (7)

  1. 被加工物を保持するキャリアを上定盤と下定盤との間に装着し、遊離砥粒を用いて被加工物のラッピング加工を行うラッピング装置の前記キャリアによる被加工物の保持に用いるキャリア用治具であって、
    被加工物を保持して前記キャリアに装着可能であり、その厚さは被加工物の厚さ以上である、キャリア用治具。
  2. 前記厚さは、被加工物の厚さ以上、被加工物の厚さ+0.1mm以下である、請求項1に記載のキャリア用治具。
  3. 厚さ方向に2つに分割された第1部材及び第2部材を備える、請求項1又は請求項2に記載のキャリア用治具。
  4. 前記第1部材と前記第2部材は、互いに硬度が異なる材質で形成される、請求項3に記載のキャリア用治具。
  5. 前記第1部材及び前記第2部材のうち一方の材質は、ガラスエポキシ樹脂であり、他方の材質は塩化ビニール系樹脂である、請求項3又は請求項4に記載のキャリア用治具。
  6. 被加工物を保持するキャリアを上定盤と下定盤との間に装着し、遊離砥粒を用いて被加工物のラッピング加工を行うラッピング装置であって、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のキャリア用治具を備える、ラッピング装置。
  7. 被加工物を保持するキャリアを上定盤と下定盤との間に装着し、遊離砥粒を用いて被加工物のラッピング加工を行うラッピング加工方法であって、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のキャリア用治具を用いて、被加工物を前記キャリアに保持することと、
    前記キャリア用治具を用いて前記キャリアに保持した被加工物をラッピング加工することと、を含むラッピング加工方法。
JP2017206826A 2017-10-26 2017-10-26 キャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法 Pending JP2019077005A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017206826A JP2019077005A (ja) 2017-10-26 2017-10-26 キャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017206826A JP2019077005A (ja) 2017-10-26 2017-10-26 キャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019077005A true JP2019077005A (ja) 2019-05-23

Family

ID=66627190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017206826A Pending JP2019077005A (ja) 2017-10-26 2017-10-26 キャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019077005A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5233888B2 (ja) 両面研磨装置用キャリアの製造方法、両面研磨装置用キャリア及びウェーハの両面研磨方法
CN110181355B (zh) 一种研磨装置、研磨方法及晶圆
JP2014144500A (ja) サファイアウェハーの片面研磨方法、サファイアウェハーの製造方法
JP2013078808A (ja) 研磨装置及び研磨方法
JP2009302409A (ja) 半導体ウェーハの製造方法
CN102886733A (zh) 用于晶圆研磨的装置
JP2009302410A (ja) 半導体ウェーハの製造方法
CN103282173A (zh) 柱状部件的加工装置
TW201706077A (zh) 切削刃及切削刃的安裝構造
TWI424484B (zh) Wafer grinding method and wafer
JP2016093875A (ja) 被加工物の研削方法
KR101079468B1 (ko) 양면 연마장치용 캐리어 및 이를 이용한 양면 연마방법
JP2009166150A (ja) ウェハの製造方法
JP2014104522A (ja) ウェハーの片面加工方法、ウェハーの製造方法
JP4103808B2 (ja) ウエーハの研削方法及びウエーハ
JP2004243422A (ja) 外周研削合体ホイル
JP2019077005A (ja) キャリア用治具、ラッピング装置、及びラッピング加工方法
KR20080113682A (ko) 웨이퍼용 연마 휠 및 이를 갖는 웨이퍼 이면 연마 장치
CN102737980B (zh) 晶片的磨削方法
JP5864823B2 (ja) 半導体ウエハ保持用冶具、半導体ウエハ研磨装置、及びワーク保持用冶具
WO2014192590A1 (ja) 半導体ウエハ研削装置、半導体ウエハの製造方法、及び半導体ウエハの研削方法
JPH11333707A (ja) キャリア
JP2001001257A (ja) 研磨用キャリア
WO2014076955A1 (ja) 半導体ウェハの両面研磨装置および半導体ウェハの製造方法
JP2025056610A (ja) ガラス基板の製造方法