以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施の形態におけるスパークプラグ10の軸線Oを境にした片側断面図である。図1では、紙面下側をスパークプラグ10の先端側、紙面上側をスパークプラグ10の後端側という(他の図においても同じ)。図1に示すようにスパークプラグ10は、絶縁体11及び主体金具40を備えている。
絶縁体11は、高温下の絶縁性や機械的特性に優れるアルミナ等により形成された略円筒状の部材である。絶縁体11は、軸線Oに沿って軸孔12が貫通する。軸孔12の先端側には、先端側に向かって縮径する段部13が形成されている。絶縁体11は、軸線Oに沿って先端側から順に先端部14、張出部15及び後端部16が連接されている。張出部15は、絶縁体11のうち外径が最も大きい部分である。
張出部15の先端側に隣接する先端部14は、絶縁体11のうち主体金具40の胴部41(後述する)の内側に配置される部分である。先端部14は、第1部17と、第1部17の後端側に隣接する第2部19と、を備えている。第1部17の外周面18の直径は、第2部19の外周面20の直径よりも小さい。第1部17と第2部19との境界に溝部21が形成されている。本実施の形態では、溝部21は絶縁体11の径方向の内側へ向かって凹み、絶縁体11の全周に亘って形成されている。
溝部21は、第1部17の外周面18に連絡する後端向き面22と、第2部19の外周面20に連絡する先端向き面23と、先端向き面23及び後端向き面22に連絡する底面24と、を備えている。底面24における絶縁体11の外径(底面24の直径)は、外周面18,20における絶縁体11の外径よりも小さい。溝部21には伝熱部材30が装着されている。
伝熱部材30は、熱伝導性や耐酸化性に優れる金属材料(例えばステンレス鋼など)で形成されている。本実施形態では、伝熱部材30はCリングである。常温(15〜25℃)において荷重を受けていないときの伝熱部材30の外径は、絶縁体11の第2部19の外径よりも大きい。同様に、常温において荷重を受けていないときの伝熱部材30の内径は、溝部21の底面24における絶縁体11の外径よりも大きい。その結果、伝熱部材30の内周面32は溝部21の底面24と離間する。
中心電極27は、軸孔12の先端側に挿入され軸線Oに沿って絶縁体11に保持される棒状の電極である。中心電極27は絶縁体11の段部13に係止され、先端が絶縁体11から突出する。中心電極27は、熱伝導性に優れる芯材が電極母材に埋設されている。電極母材は、Niを主体とする合金またはNiからなる金属材料で形成されており、芯材は銅または銅を主成分とする合金で形成されている。端子金具28は、高圧ケーブル(図示せず)が接続される棒状の部材であり、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成される。端子金具28は、軸孔12内で中心電極27と電気的に接続されている。
主体金具40は、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成された略円筒状の部材である。主体金具40は、絶縁体11の先端部14を取り囲む胴部41と、胴部41の後端側に連接される座部43と、座部43の後端側に連接される圧縮部44と、圧縮部44の後端側に連接される工具係合部45と、工具係合部45の後端側に連接される屈曲部46と、を備えている。
胴部41は、内燃機関(図示せず)のねじ穴に螺合するおねじ42が外周に形成されている。軸線Oに垂直な平面で胴部41を切断した断面において、胴部41の内周面47の形状は、軸線Oを中心とする円である。胴部41の内周面47の直径は、胴部41の軸線O方向の全長に亘って同一に設定されている。胴部41の内周面47は、絶縁体11の溝部21に装着された伝熱部材30の外周面31に接触する。
座部43は、内燃機関(図示せず)のねじ穴とおねじ42との隙間を塞ぐための部位であり、胴部41の外径よりも外径が大きく形成されている。座部43は、先端部14と張出部15との境界を取り囲む。座部43は、絶縁体11の張出部15の軸線O方向の先端側に位置する棚部48が形成されている。棚部48の後端面49及び張出部15の先端面26は、先端側に向かって縮径する。
棚部48と張出部15との間にシール部材50が介在する。シール部材50は、主体金具40を構成する金属材料よりも軟質の軟鋼板等の金属材料で形成される円環状の板材である。シール部材50は、棚部48の後端面49及び張出部15の先端面26に全周に亘って接触する。
圧縮部44は、主体金具40を絶縁体11に組み付けるときに軸線O方向に圧縮され、張出部15を軸線O方向に圧縮する弾性力を生じる。圧縮部44は張出部15を取り囲む。工具係合部45は、内燃機関(図示せず)のねじ穴におねじ42を締め付けるときに、レンチ等の工具を係合させる部位である。工具係合部45は、絶縁体11のうち張出部15の後端側および後端部16の先端側の部分を取り囲む。屈曲部46は径方向の内側へ向けて屈曲し、張出部15よりも後端側に位置する。
工具係合部45及び屈曲部46の径方向の内側であって、屈曲部46の先端側、且つ、張出部15の後端側に、一対のリング部材51及びタルク等の充填材52が配置される。充填材52はリング部材51に挟まれている。主体金具40のうち屈曲部46から棚部48までの部分は、絶縁体11を軸線O方向に押圧する荷重を、充填材52を介して張出部15に加える。その結果、絶縁体11の外周に主体金具40が固定される。シール部材50及び充填材52が軸線O方向に圧縮されるので、気密を確保できる。また、座部43のうち棚部48よりも後端側の部分、及び、工具係合部45の先端側の部分は、絶縁体11の張出部15の外周に接触する。これにより、絶縁体11の径方向の位置が規制される。
接地電極53は、主体金具40に接合される棒状の金属製(例えばニッケル基合金製)の部材である。接地電極53は、先端部が、中心電極27と間隙(火花ギャップ)を介して対向する。本実施の形態では、接地電極53は屈曲している。
図2は絶縁体11及び伝熱部材30の分解立体図である。図2では絶縁体11の後端側の図示が省略されている。伝熱部材30は切れ目34が形成されることでC形に形成されているので、切れ目34を広げて伝熱部材30を弾性変形させることができる。伝熱部材30が荷重を受けていないときの伝熱部材30の内径は絶縁体11の溝部21の後端向き面22を有する第2部19の外径よりも小さい。しかし、絶縁体11が挿入されて伝熱部材30が荷重を受けると、切れ目34が開いて伝熱部材30が弾性変形するので、絶縁体11の第1部17を伝熱部材30に挿入できる。伝熱部材30は溝部21に装着されると、除荷されて元の形状に復元する。従って、伝熱部材30に形成された切れ目34によって、伝熱部材30の溝部21への装着作業性を向上できる。
伝熱部材30の軸線O方向の厚さは、常温において、溝部21の後端向き面22と先端向き面23との軸線O方向の間隔よりも僅かに薄い。また、伝熱部材30の軸線O方向の端面は外周面31と垂直に交わる。溝部21の後端向き面22及び先端向き面23も軸線Oと垂直である。その結果、伝熱部材30の外周面31が主体金具40の胴部41に接触した状態で、絶縁体11の第1部17の外周面18と第2部19の外周面20とを結ぶ溝部21の境界25よりも内側(溝部21の中)に配置される部分33が、先端向き面23及び後端向き面22のいずれか一方に接触すると、先端向き面23及び後端向き面22の他方と離間する。
スパークプラグ10は、例えば、以下のような方法によって製造される。まず、中心電極27を絶縁体11の軸孔12に挿入し、中心電極27の先端が軸孔12から外部に露出するように配置する。次いで、端子金具28と中心電極27との導通を確保しつつ、端子金具28を絶縁体11の後端に固定する。次に、絶縁体11の溝部21に伝熱部材30を装着する。接地電極53が予め接合された主体金具40に絶縁体11を挿入し、胴部41の内周面47に伝熱部材30を接触させる。主体金具40に絶縁体11を挿入するときの伝熱部材30の外周面31と胴部41の内周面47との摩擦によって、伝熱部材30は溝部21の先端向き面23に接触する。圧縮部44及び屈曲部46を曲げて主体金具40を絶縁体11に組み付けた後、接地電極53の先端部が中心電極27と対向するように接地電極53を曲げ加工し、スパークプラグ10を得る。
スパークプラグ10は、内燃機関(図示せず)のねじ穴に主体金具40のおねじ42を締結して内燃機関に取り付けられる。内燃機関が作動すると絶縁体11が加熱される。絶縁体11の熱は、伝熱部材30を介して主体金具40の胴部41に伝えられた後、おねじ42から内燃機関へ伝えられる。伝熱部材30の内周面32は、溝部21の後端向き面22が連絡する第1部17の外周面18、及び、溝部21の先端向き面23が連絡する第2部19の外周面20よりも径方向の内側に位置する。その結果、伝熱部材30は、溝部21の中に配置された部分33によって、溝部21に拘束される。溝部21によって、絶縁体11に対する伝熱部材30の軸線O方向の位置が定められるので、絶縁体11に対する伝熱部材30の位置が変化しないようにできる。これにより、スパークプラグ10が取り付けられる内燃機関の振動などによってスパークプラグ10の熱価が変化しないようにできる。
伝熱部材30は溝部21に装着されて絶縁体11に固定されるので、ろう材によって伝熱部材を絶縁体11に接合する場合に比べて、ろう材と絶縁体11との濡れ性や反応性、伝熱部材と絶縁体11との線膨張係数の違いによって絶縁体11に生じる応力などの様々なパラメータを制御しなくても済むようにできる。従って、伝熱部材30を絶縁体11に簡易に固定することができ、さらに、伝熱部材30が固定された絶縁体11の信頼性を容易に確保できる。
内燃機関(図示せず)のねじ穴に主体金具40のおねじ42が締結されると、おねじ42(胴部41)が軸線O方向へ引き伸ばされ、軸力が発生する。伝熱部材30は、胴部41と伝熱部材30との摩擦によって主体金具40の軸線O方向に対する位置が規制されているだけで、胴部41と一体化されていないので、おねじ42の締結によって胴部41が軸線O方向へ伸びても、伝熱部材30は絶縁体11に軸線O方向の力をほとんど加えない。従って、おねじ42の締結により絶縁体11が破損しないようにできる。
伝熱部材30が荷重を受けていないときの伝熱部材30の外径は、主体金具40の胴部41の内径よりも少し大きい。そのため、溝部21に伝熱部材30が装着された絶縁体11を主体金具40に挿入し、伝熱部材30の外周面31を胴部41の内周面47に接触させると、伝熱部材30が弾性変形し切れ目34の間隔が狭まる。径方向へ圧縮された伝熱部材30の復元力によって伝熱部材30と胴部41とを密着させることができる。これにより、伝熱部材30から主体金具40への熱伝導性を確保できる。
伝熱部材30は切れ目34の部分を除いて、外周面31の全体が主体金具40の胴部41に接触するので、伝熱面積を確保できる。よって、伝熱部材30から主体金具40への熱伝導性を向上できる。
スパークプラグ10は、絶縁体11の軸線O方向における溝部21の位置、伝熱部材30の大きさや熱伝導率などによって熱価が定められる。その結果、胴部41の内周面47の形状が異なる主体金具40を熱価毎に準備しなくても済むようにできるので、主体金具40の準備品の数を減らすことができる。
絶縁体11は溝部21よりも先端側の第1部17の外径が、溝部21よりも後端側の第2部19の外径よりも小さいので、胴部41の内周面47と第1部17の外周面18との間隔を確保できる。その結果、胴部41の内周面47と第1部17の外周面18との間に侵入した燃焼ガスに含まれるカーボンが第1部17の外周面18に付着することによって生じる絶縁抵抗の低下を抑制できる。よって、耐汚損性を確保できる。一方、絶縁体11は溝部21よりも後端側の第2部19の外径が、溝部21よりも先端側の第1部17の外径よりも大きく、第2部19の外周面20と胴部41の内周面47との間隔が狭いので、第2部19から胴部41への熱伝達により、絶縁体11の熱放散性を向上できる。
伝熱部材30は切れ目34が形成されているので、伝熱部材30では絶縁体11と主体金具40との間の気密性を確保できない。そこで、スパークプラグ10は、伝熱部材30が装着された溝部21よりも後端側に、シール部材50が配置されている。シール部材50は、主体金具40の棚部48の後端面49及び絶縁体11の張出部15の先端面26に全周に亘って接触するので、絶縁体11と主体金具40との間の気密性を確保できる。
伝熱部材30の外周面31は主体金具40に接触するが、伝熱部材30の内周面32と溝部21の底面24との間に隙間があるので、伝熱部材30は主体金具40に対して絶縁体11を固定できない。しかし、主体金具40のうち座部43及び工具係合部45の内面は絶縁体11の張出部15の外周に接触するので、主体金具40に対する張出部15の径方向の位置が規制される。さらに主体金具40は、リング部材51及び充填材52を介して絶縁体11の後端部16を保持するので、主体金具40の軸線Oに対して絶縁体11がぐらつかないようにできる。
伝熱部材30は、溝部21の中に配置される部分33が、溝部21の後端向き面22及び先端向き面23のいずれか一方の面に接触すると、他方の面と離間する。伝熱部材30が接触する一方の面によって、絶縁体11から伝熱部材30への熱伝導性を確保できる。伝熱部材30は主体金具40に接触しているので、伝熱部材30から主体金具40への熱伝導性が確保される。その結果、絶縁体11の熱放散性を確保できるので、プレイグニッション(過早着火)を防止できる。
また、少なくとも常温において、溝部21の他方の面と伝熱部材30とは離間するので、伝熱部材30の線膨張係数と絶縁体11の線膨張係数との違いによって伝熱部材30が軸線O方向に膨張しても、絶縁体11に生じる軸線O方向の応力を抑制できる。その結果、伝熱部材30と絶縁体11との線膨張差による絶縁体11の破損を防止できる。
伝熱部材30は、溝部21の中に配置される部分33が、少なくとも常温において、溝部21の底面24と離間する。これにより、伝熱部材30の線膨張係数と絶縁体11の線膨張係数との違いによって伝熱部材30が径方向に膨張しても、絶縁体11に生じる径方向の応力を抑制できる。また、伝熱部材30は切れ目34によって弾性変形するので、伝熱部材30の径方向の膨張を緩衝する。従って、伝熱部材30と絶縁体11との線膨張差によって絶縁体11に生じる応力を抑制することができ、絶縁体11の破損を防止できる。
次に図3を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、1つの伝熱部材30が絶縁体11の溝部21に装着される場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、絶縁体60の溝部61に複数の伝熱部材65が装着される場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図3は第2実施の形態におけるスパークプラグの絶縁体60及び伝熱部材65の分解立体図である。図3は絶縁体60の先端部14の一部が図示され、絶縁体60の後端側の図示が省略されている。絶縁体60は、第1実施の形態と同様に、主体金具40に保持される。
図3に示すように絶縁体60の先端部14には、第1部17と第2部19との境界に溝部61が形成されている。本実施の形態では、溝部61は絶縁体60の全周に亘って形成されている。溝部61は、第1部17が溝部61に露出する後端向き面62と、第2部19が溝部61に露出する先端向き面63と、先端向き面63と後端向き面62とを連絡する底面64と、を備えている。溝部61には伝熱部材65が複数(本実施の形態では2つ)重ねて装着される。
伝熱部材65は、熱伝導性や耐酸化性に優れる金属材料(例えばステンレス鋼など)で形成されている。本実施形態では伝熱部材65はCリングである。常温において荷重を受けていないときの伝熱部材65の外径は、絶縁体60の第2部19の外径よりも大きい。同様に、常温において荷重を受けていないときの伝熱部材65の内径は、溝部61の底面64における絶縁体60の外径よりも大きい。その結果、伝熱部材65の内周面67は溝部61の底面64と離間する。
伝熱部材65は切れ目69が形成されており、切れ目69の幅よりも細い突起68が、軸線Oを挟んで切れ目69の反対側に設けられている。切れ目69が形成されているので、伝熱部材65の溝部61への装着作業性を向上できる。突起68は、伝熱部材65の軸線O方向の端面から軸線O方向に突出する。突起68の軸線O方向の長さは、伝熱部材65の厚さよりも短い。2つの伝熱部材65は、突起68が切れ目69の中に入るように重ねて配置され、突起68が切れ目69に係合する。よって、2つの伝熱部材65の相対位置が変わらないように回り止めができる。
2つ重ねた伝熱部材65の軸線O方向の厚さは、溝部61の後端向き面62と先端向き面63との軸線O方向の間隔よりも僅かに薄い。その結果、伝熱部材65は、先端向き面63及び後端向き面62のいずれか一方に接触すると、先端向き面63及び後端向き面62の他方と離間する。また、伝熱部材65の外周面66は、主体金具40(図1参照)の胴部41の内周面47に接触する。伝熱部材65は各々に切れ目69が形成されているが、伝熱部材65の切れ目69の位置が重ならないように2つ並べて配置されるので、伝熱部材65の外周面66は、主体金具40の内周面47に全周に亘って接触する。切れ目69の分だけ伝熱部材65の周長が短くなるのを防いで伝熱面積を広くできるので、伝熱部材65から主体金具40への熱伝導性を向上できる。
次に図4を参照して第3実施の形態について説明する。第1実施形態および第2実施形態では、シール部材50によって主体金具40と絶縁体11,60との気密性を確保する場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、伝熱部材74によって主体金具80と絶縁体71との気密性を確保する場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図4は第3実施の形態におけるスパークプラグ70の片側断面図であり、図5は絶縁体71及び伝熱部材74の分解立体図である。図5は絶縁体71の先端部14の一部が図示され、絶縁体71の後端側の図示が省略されている。図4に示すようにスパークプラグ70は、絶縁体71及び主体金具80を備えている。
絶縁体71は、高温下の絶縁性や機械的特性に優れるアルミナ等により形成された略円筒状の部材である。絶縁体71は、軸線Oに沿って先端側から順に先端部14、張出部72及び後端部73が連接されている。張出部72は、絶縁体71のうち外径が最も大きい部分である。先端部14に形成された溝部21には伝熱部材74が装着されている。
伝熱部材74は、熱伝導性や耐酸化性に優れる金属材料(例えばステンレス鋼など)で切れ目なく形成された円環状の部材である。常温における伝熱部材74の外径は、絶縁体71の第2部19の外径よりも大きい。同様に、常温における伝熱部材74の内径は、溝部21の底面24における絶縁体71の外径よりも大きい。その結果、伝熱部材74の内周面76は溝部21の底面24と離間する。
伝熱部材74を溝部21に装着するには、伝熱部材74を加熱して伝熱部材74の内径が第1部17の外径よりも大きくなるように膨張させた後、第1部17を先端から溝部21の位置まで伝熱部材74に挿入する。伝熱部材74の軸線O方向の厚さは、常温において、溝部21の後端向き面22と先端向き面23との軸線O方向の間隔よりも僅かに薄い。その結果、伝熱部材74は、溝部21の境界25よりも内側に配置される部分77が、先端向き面23及び後端向き面22のいずれか一方に全周に亘って接触すると、先端向き面23及び後端向き面22の他方と離間する。
主体金具80は、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成された略円筒状の部材である。主体金具80は、座部43の後端側に連接される工具係合部81と、工具係合部81の後端側に連接される当接部82と、を備えている。溝部21に装着された伝熱部材74の外周面75は、全周に亘って胴部41の内周面47に接触する。
工具係合部81は、内燃機関(図示せず)のねじ穴におねじ42を締め付けるときに、レンチ等の工具を係合させる部位である。工具係合部81は、絶縁体71のうち張出部72を取り囲む。当接部82は、内側に屈曲することにより、絶縁体71の張出部72の後端面に当接する。主体金具80は、当接部82が、主体金具80に対して絶縁体71が後端側へ移動しないように規制する。
伝熱部材74は、溝部21の中に配置される部分77が、先端向き面23及び後端向き面22のいずれか一方に全周に亘って接触する。伝熱部材74の外周面75は、全周に亘って胴部41の内周面47に接触するので、伝熱部材74によって、主体金具80と絶縁体71との気密性を確保できる。
伝熱部材74は、絶縁体71の外周面18,20の全周に亘って形成された溝部21に、全周に亘って装着されるので、絶縁体71から伝熱部材74への伝熱に寄与する伝熱面積を確保できる。さらに伝熱部材74は、主体金具80の胴部41の内周面47に全周に亘って接触するので、伝熱部材74から主体金具80への熱伝導性を向上できる。
次に図6を参照して第4実施の形態について説明する。第1実施形態から第3実施形態では、溝部21,61が、絶縁体11,60,71の外周面18,20に対して径方向の内側へ向かって凹み、且つ、絶縁体11,60,71の全周に亘って形成される場合について説明した。これに対し第4実施の形態では、絶縁体90の外周面93の一部から突出する突部95,97によって溝部94が形成される場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図6は第4実施の形態におけるスパークプラグの軸線Oを境にした絶縁体90及び伝熱部材101の片側断面図である。図6は絶縁体90の先端部92の一部が図示され、絶縁体90の後端側および主体金具40(図1参照)の図示が省略されている。絶縁体90は第1実施の形態と同様に主体金具40に保持される。
絶縁体90は、高温下の絶縁性や機械的特性に優れるアルミナ等により形成された略円筒状の部材である。絶縁体90は軸線Oに沿って軸孔91が貫通する。絶縁体90は、軸線Oに沿って先端側から順に先端部92、張出部15及び後端部16が連接されている。先端部92は、絶縁体90のうち主体金具40(図1参照)の胴部41の内側に配置される部分である。絶縁体90は、溝部94を形成するための突部95,97が、先端部92の外周面93から径方向の外側へ突出する。突部95,97は、軸線O方向に間隔をあけて、軸線Oを挟んで外周面93の反対側の2か所にそれぞれ設けられている。
突部95,97のうち絶縁体90の先端側に位置する突部95には、溝部94の後端向き面96が形成され、絶縁体90の後端側に位置する突部97には、溝部94の先端向き面98が形成されている。後端向き面96及び先端向き面98は軸線Oに直交する面であり、軸線O方向に間隔をあけて配置されている。絶縁体90の外周面93のうち後端向き面96と先端向き面98との間の面は、溝部94の底面99である。
伝熱部材101は、熱伝導性や耐酸化性に優れる金属材料で形成されたCリングである。伝熱部材101は切れ目105が形成されており、弾性変形が可能である。切れ目105の周方向の幅は、突部95,97の周方向の幅よりも狭い。常温における伝熱部材101の軸線O方向の厚さは、後端向き面96と先端向き面98との間の軸線O方向における距離よりも薄い。常温において荷重を受けていないときの伝熱部材101の外径は、溝部94の底面99における絶縁体90の外径とほぼ同じである。伝熱部材101の径方向の厚さは、突部95,97の径方向の高さよりも厚い。
溝部94に装着された伝熱部材101の内周面103は、溝部94の底面99に接触する。溝部94に装着された伝熱部材101の外周面102は、突部95,97よりも径方向の外側に位置し、主体金具40(図1参照)の胴部41の内周面47に接触する。伝熱部材101は、溝部94の境界100よりも内側(溝部94の中)に配置される部分104が、先端向き面98及び後端向き面96のいずれか一方に接触すると、先端向き面98及び後端向き面96の他方と離間する。なお、溝部94の境界100は、突部95,97の径方向の頂を通り、且つ、軸線Oからの距離が一定の円筒状の面である。
絶縁体90は溝部94の後端向き面96及び先端向き面98が、外周面93の一部にしか形成されていないが、外周面93に対する伝熱部材101の軸線O方向の位置を規制することができる。伝熱部材101の外周面102は主体金具40の胴部41に接触するので、熱伝導によって伝熱部材101から主体金具40へ熱が移動する。これにより、スパークプラグの使用中に熱価が変化しないようにできる。また、伝熱部材101は、溝部94の底面99に内周面103が接触するので、熱伝導によって絶縁体90から伝熱部材101へ熱が移動する。これにより、絶縁体90から伝熱部材101への熱伝導性を向上できる。
図7を参照して第5実施の形態について説明する。第1実施形態から第4実施形態では、絶縁体11,60,71,90にそれぞれ溝部21,61,94を1つ設ける場合について説明した。これに対し第5実施形態では、絶縁体11に形成された複数の溝部21,112の各々に伝熱部材30が配置される場合について説明する。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図7は第5実施の形態におけるスパークプラグ110の断面図である。図7では、スパークプラグ110の先端側および後端側の図示、軸線Oを境にした片側の図示が省略されている(図8及び図9においても同じ)。
スパークプラグ110の絶縁体111は、軸線O方向に溝部21と距離をあけて、第1部17に溝部112が形成されている。溝部112は絶縁体111の径方向の内側へ向かって凹み、絶縁体111の全周に亘って形成されている。溝部112は、第1部17の外周面18に連絡する後端向き面113及び先端向き面114と、先端向き面114及び後端向き面113に連絡する底面115と、を備えている。底面115における絶縁体111の外径(底面115の直径)は、外周面18における絶縁体111の外径よりも小さい。溝部112には伝熱部材30が装着されている。常温(15〜25℃)において荷重を受けていないときの伝熱部材30の内径は、溝部112の底面115における絶縁体111の外径よりも大きいので、伝熱部材30の内周面32は溝部112の底面115と離間する。
伝熱部材30の軸線O方向の厚さは、常温において、溝部112の後端向き面113と先端向き面114との軸線O方向の間隔よりも僅かに薄い。溝部112の後端向き面113及び先端向き面114は軸線Oと垂直である。その結果、伝熱部材30の外周面31が主体金具40の胴部41に接触した状態で、絶縁体111の第1部17の外周面18を結ぶ溝部112の境界116よりも内側(溝部112の中)に配置される部分33が、先端向き面114及び後端向き面113のいずれか一方に接触すると、先端向き面114及び後端向き面113の他方と離間する。
スパークプラグ110は、溝部21,112にそれぞれ装着された伝熱部材30が絶縁体111の熱を主体金具40へ移動させるので、絶縁体11に溝部21が一つ設けられる場合に比べて伝熱面積を増やすことができるので、熱放散性を向上できる。なお、溝部21,112及び伝熱部材30の数は2つに限らず適宜設定できる。絶縁体111から伝熱部材30を介して主体金具40へ移動する熱量は、絶縁体111に形成された溝部21,112毎に配置された伝熱部材30の数、即ち伝熱面積にほぼ比例して増加する。
図8を参照して第6実施の形態について説明する。第1実施形態から第5実施形態では、主体金具40,80の胴部41の内径が軸線O方向の全長に亘って同一の場合について説明した。これに対し第6実施形態では、主体金具130の胴部131の内周面132に、先端側へ向かうにつれて軸線Oとの距離が短くなる傾斜部133が形成される場合について説明する。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図8は第6実施の形態におけるスパークプラグ120の断面図である。
スパークプラグ120は絶縁体121が主体金具130に保持されている。絶縁体121の先端部122は、主体金具130のうち外周におねじ42が形成された胴部131の内側に配置される。先端部122の外周面123に溝部124が形成されている。先端部122のうち溝部124よりも先端側の外径は、先端側へ向かうにつれて縮径している。溝部124は、先端部122の全周に亘って設けられている。溝部124は、先端部122の外周面123に連絡する後端向き面125及び先端向き面126と、先端向き面126及び後端向き面125に連絡する底面127と、を備えている。溝部124には伝熱部材30が装着されている。常温(15〜25℃)において荷重を受けていないときの伝熱部材30の内径は、溝部124の底面127における絶縁体121の外径よりも大きいので、伝熱部材30の内周面32は溝部124の底面127と離間する。
主体金具130は、胴部131の内周面132の少なくとも一部が、先端側へ向かうにつれて軸線Oとの距離(軸線Oに垂直な線分であって傾斜部133と軸線Oとを結ぶ線分の長さ)が短くなる傾斜部133を備えている。傾斜部133は、絶縁体121のうち溝部124が形成された部分に向き合う。本実施形態では傾斜部133は、胴部131の内周面132のうち、溝部124の先端向き面126に対向する部位から軸線O方向の先端側に設けられている。伝熱部材30の軸線O方向の厚さは、常温において、溝部124の後端向き面125と先端向き面126との軸線O方向の間隔よりも僅かに薄い。
しかし、伝熱部材30の外周面31が主体金具130の傾斜部133に接触した状態では、伝熱部材30は径方向の内側へ弾性的に圧縮されないと溝部124の中を先端側へ移動できない。よって、主体金具130の傾斜部133に伝熱部材30を接触させた状態で、先端向き面126に伝熱部材30を接触させると、内燃機関(図示せず)の振動や燃焼圧の変動などの影響を受けても、伝熱部材30と先端向き面126とを離間させ難くできる。その結果、絶縁体121の先端向き面126と伝熱部材30とを接触させて、先端向き面126から伝熱部材30へ熱伝導させ易くできる。よって、プレイグニッション(過早着火)を防ぎ易くできる。
図9を参照して第7実施の形態について説明する。第1実施形態から第6実施形態では、伝熱部材30,65,74,101が単一材料からなる場合について説明した。これに対し第7実施形態では、伝熱部材141が複数の材料からなる場合について説明する。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図9は第7実施の形態におけるスパークプラグ140の断面図である。
スパークプラグ140は、絶縁体11の溝部21に伝熱部材141が装着されている。本実施形態では伝熱部材141はクラッド材からなるCリングである。伝熱部材141は性質の異なる金属材からなる第1部142及び第2部143が厚さ方向(軸線O方向)に接合されている。第2部143は第1部142よりも後端側に配置されている。第1部142は、例えばNi,Cr,Pt,Co等の元素を含有する金属製(合金を含む)であり、第1部142の耐酸化性は第2部143の耐酸化性よりも高い。第2部143は、例えばCu,Ag,Hf等の元素を含有する金属製(合金を含む)であり、第2部143の熱伝導率は第1部142の熱伝導率よりも大きい。
これにより、燃焼ガスによって第1部142よりも温度が高くなり難い第2部143の酸化を抑制して第2部143の熱伝導率を確保し易くできる。よって、伝熱部材141の第2部143による熱放散性を確保できる。耐酸化性と熱伝導率とを両立できる伝熱部材を一部材で作成するのは難しい場合があるが、第1部142と第2部143とに分けることにより、各特性に優れる材料を採用できるので、全体として伝熱部材の耐酸化性および熱伝導率を両立できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
実施の形態では、伝熱部材30,65,74,101の材質としてステンレス鋼を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。耐酸化性や熱伝導性に優れるクロム等の他の金属材料、炭化ケイ素やTiB2,ZrB2等のセラミックス等を用いることは当然可能である。また、金属等の母材の表面をカーボンやセラミックス等でコーティングしたものを伝熱部材30,65,74,101とすることは当然可能である。
実施の形態では、伝熱部材30,65,74,101,141が矩形状の断面をもつ場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。伝熱部材30,65,74,101,141の断面は、円形、三角形など適宜設定される。
第1実施形態、第2実施形態および第7実施形態では、伝熱部材30,65,141がCリングの場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、それらをEリングにしたり円環状にしたりすることは当然可能である。また、第2実施形態で説明した伝熱部材65の突起68は省略可能である。
第1実施形態、第2実施形態、第5実施形態、第6実施形態および第7実施形態では、溝部21,61,112,124が、絶縁体11,60,111,121の外周面18,20,123の全周に亘って形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、絶縁体11,60,111,121の外周面18,20,123の1乃至は複数個所に直線状ないしは円弧状の溝部を形成することは当然可能である。この場合、U字形をした伝熱部材や、円弧状や弓形の形状をした伝熱部材を用いることができる。U字形をした伝熱部材の両脚をそれぞれ溝部に差し込んだり、円弧状や弓形の形状をした1乃至は複数の伝熱部材を溝部に差し込んだりすることにより、伝熱部材を絶縁体11,60,111,121に固定できる。
第1実施形態、第2実施形態、第5実施形態、第6実施形態および第7実施形態では、伝熱部材30,65,141が一つの平面内に存在する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。伝熱部材30,65,141は切れ目34,69の部分が軸線O方向に広がった螺旋状にねじれていても構わない。伝熱部材30,65,141が螺旋状にねじれている場合には、溝部21,61,112,124に装着された伝熱部材30,65,141が後端向き面22,62,113,125及び先端向き面23,63,114,126によって軸線O方向に圧縮されると、その復元力によって伝熱部材30,65,141が後端向き面22,62,113,125及び先端向き面23,63,114,126に接触する。
第1実施形態、第2実施形態、第5実施形態、第6実施形態および第7実施形態では、溝部21,61,112,124の後端向き面22,62,113,125及び先端向き面23,63,114,126が軸線Oに垂直な場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。溝部21,61,112,124の後端向き面22,62,113,125及び先端向き面23,63,114,126を、所定のリード角をもつ螺旋状に形成することは当然可能である。この場合、螺旋状にねじれた伝熱部材を採用し、後端向き面22,62,113,125、先端向き面23,63,114,126及び伝熱部材のリード角を合わせると、溝部21,61,112,124に装着された伝熱部材を後端向き面22,62,113,125及び先端向き面23,63,114,126に面接触させることができ、伝熱面積を大きくできるので好ましい。さらに、溝部21,61,112,124の螺旋に沿って螺旋状の伝熱部材を回しながら装着できるので、伝熱部材の装着が容易である。
第1実施形態、第2実施形態、第5実施形態、第6実施形態および第7実施形態では、主体金具40の屈曲部46と絶縁体11の張出部15との間にリング部材51及び充填材52を配置する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第3実施形態のように、リング部材51及び充填材52を省略することは当然可能である。この場合もシール部材50によって気密性を確保できる。
第1実施形態、第5実施形態、第6実施形態および第7実施形態では、伝熱部材30,141に切れ目34が形成される場合について説明したが、切れ目34の大きさ、即ち伝熱部材30,141の長さは適宜設定できる。また、第3実施形態では伝熱部材74が切れ目なく繋がる場合について説明したが、必ずしもこれらに限られるものではない。伝熱部材30,74,141を周方向に複数に分割し、それらを溝部21,112,124に装着することは当然可能である。第3実施形態で説明した伝熱部材74を周方向に分割した場合には、分割した部材の周方向の端面を互いに突き合わせることにより、切れ目の無い円環状の伝熱部材74と同様に、気密性を確保できる。
第2実施形態では、伝熱部材65よりも後端側にシール部材50を配置し、シール部材50によって絶縁体60と主体金具40との気密性を確保する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。伝熱部材65を2つ重ねることにより各々の切れ目69が伝熱部材65によって塞がれるので、第3実施形態と同様に、伝熱部材65によって絶縁体60と主体金具40との気密性を確保できる。従って、シール部材50を省略したり、第3実施形態のように当接部82を有する主体金具80を絶縁体60に固定したりすることができる。
第3実施形態では、シール部材50を省略して、当接部82を有する主体金具80を絶縁体60に固定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1実施形態や第2実施形態のように、主体金具40と絶縁体71との間にシール部材50を配置することは当然可能である。これにより、主体金具40と絶縁体71との間の気密性を向上できる。
第4実施形態では、後端向き面96が形成された突部95及び先端向き面98が形成された突部97が、絶縁体90の軸線Oを中心とする円の一部(本実施の形態では2か所)に設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。突部95,97の数は適宜設定できる。突部95,97の大きさや周方向の長さを互いに異ならせることは当然可能である。また、突部95,97を、周方向に切れ目の無いリング状にすることは当然可能である。
突部95,97の数を増やしたり周方向の長さを長くしたり、突部95,97の切れ目を無くしてリング状にしたりすることにより、伝熱部材101の軸線O方向の端面が接触する後端向き面96及び先端向き面98の面積を拡大できる。これにより、伝熱部材101の内周面103を溝部94の底面99に接触させなくても、後端向き面96及び先端向き面98によって絶縁体90と伝熱部材101との伝熱面積を確保できる。伝熱部材101の内周面103と溝部94の底面99とを離間することにより、伝熱部材101の線膨張係数と絶縁体90の線膨張係数との違いによって絶縁体90に生じる径方向の応力を抑制できる。
第4実施形態では、絶縁体90の外周面93から径方向の外側へ向かって突出する突部95,97によって溝部94が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。突部95,97に加え、外周面93から径方向の内側へ向かって凹む溝部を設けることは当然可能である。その場合、溝部は突部95,97の位置に設けても良いし、突部95,97から所定の距離だけ周方向に離れた位置に設けても良い。
第7実施形態では、伝熱部材141がクラッド材からなる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。溶射やめっき等によって第1部142や第2部143を形成することは当然可能である。また、接着によって第1部142と第2部143とを接合することは可能である。なお、第1部および第2部は金属製に限られるものではなく、セラミック製等の他の材料にすることは当然可能である。
第7実施形態では、第1部142及び第2部143が接合された伝熱部材141について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第2実施形態のように2つの伝熱部材65(第1部および第2部)を接合しないことは当然可能である。この場合、先端側の伝熱部材65を耐酸化性が高い第1部とし、それよりも後端側に配置された伝熱部材65を熱伝導性が高い第2部とする。
第7実施形態では、一つの溝部21の中に第1部142及び第2部143が配置された場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第5実施形態のように軸線O方向に間隔をあけて複数の溝部21,112が形成される場合には、先端側の溝部112に配置された伝熱部材30を耐酸化性が高い第1部とし、後端側の溝部21に配置された伝熱部材30を熱伝導性が高い第2部とすることは当然可能である。軸線O方向に間隔をあけて3つ以上の溝部が形成される場合も同様に、先端側に形成された溝部(1又は複数)に配置された伝熱部材を第1部(1又は複数)とし、それよりも後端側に形成された溝部(1又は複数)に配置された伝熱部材を第2部(1又は複数)とする。
伝熱部材(第1部および第2部を含む)を絶縁体に複数配置する場合には、伝熱部材の大きさ(周方向の長さや軸線O方向の厚さ)を同じにする必要はない。伝熱部材の大きさは、溝部が形成される部分の絶縁体の外径や、溝部の軸線O方向の幅に応じて、適宜設定される。
実施形態では説明を省略したが、耐火花消耗性を向上させるため、貴金属を含有するチップを中心電極27や接地電極53に設けることは当然可能である。
実施形態では、主体金具40,80に接合された接地電極53を屈曲させる場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではない。屈曲した接地電極53を用いる代わりに、直線状の接地電極を用いることは当然可能である。この場合には、主体金具40,80の先端側を軸線O方向に延ばし、直線状の接地電極を主体金具40,80に接合して、接地電極の先端部を中心電極27と対向させる。
実施形態では、接地電極53の先端部と中心電極27とを軸線O上で対向するように接地電極53を配置する場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、接地電極53と中心電極27との位置関係は適宜設定できる。接地電極53と中心電極27との他の位置関係としては、例えば、中心電極27の側面と接地電極53の先端部とが対向するように接地電極53を配置すること等が挙げられる。
実施形態では、主体金具40,80に接地電極53が1本接合された場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、接地電極53を複数本、主体金具40,80に接合することは当然可能である。