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JP2019070079A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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JP2019070079A JP2017196969A JP2017196969A JP2019070079A JP 2019070079 A JP2019070079 A JP 2019070079A JP 2017196969 A JP2017196969 A JP 2017196969A JP 2017196969 A JP2017196969 A JP 2017196969A JP 2019070079 A JP2019070079 A JP 2019070079A
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洋隆 堀口
Hirotaka Horiguchi
洋隆 堀口
伸哉 後藤
Shinya Goto
伸哉 後藤
拓 斎藤
Hiroshi Saito
拓 斎藤
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Tokyo University of Agriculture and Technology NUC
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Denso Corp
Tokyo University of Agriculture and Technology NUC
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Abstract

【課題】引張強度や伸びに優れると共に高温での長時間における耐久性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供する。【解決手段】連続相と、これに分散された分散相とを有する熱可塑性エラストマー組成物である。連続相においては、融点が170〜300℃の熱可塑性樹脂成分(A)とゴム成分(B)とが部分相溶している。分散相はゴム成分からなる。分散相の含有量が上記連続相と上記分散相との合計100体積%に対して5〜20体積%である、熱可塑性エラストマー組成物【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂成分とゴム成分とが部分相溶した連続相を有する熱可塑性エラストマー組成物に関する。
近年、ゴム弾性と熱可塑性を有する熱可塑性エラストマーが、自動車部品、家電部品、電線被覆、医療用部品、履物、および日用品等の分野で多用されている。熱可塑性エラストマーは、例えば加硫ゴムに比べて、成形性に優れ、材料の製造時に加硫させることが可能であるため、部品成型後に別途加硫工程を必要としないという利点があるからである。
特に、従来、加硫ゴムが使用されていた例えばシール部品の分野においては、ゴムと熱可塑性樹脂との混合物を架橋剤の存在下で動的に架橋した熱可塑性エラストマーが有用であるといわれている。しかし、熱可塑性エラストマーは、加硫ゴムに比べると、硬く、永久歪特性が劣りやすい。
熱可塑性エラストマーを例えば自動車部品として使用するためには、柔軟性、耐熱性、耐油性、耐永久歪性等の特性の更なる向上が必要とされている。これらの改善を目的とした提案もいくつかある。例えば特許文献1には、柔軟性、耐熱性、耐油性等の向上のために、ポリアミド系重合体、カルボキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有重合体を含む熱可塑性エラストマー組成物が提案されている。
特開2016−121227号公報
上述の従来の熱可塑性エラストマーは、カルボキシ基とエポキシ基とを反応させることによりゴムと樹脂の界面制御を行っており、両者の境界が明確になった構成を有している。このような構成の熱可塑性エラストマーは、界面制御を行わない熱可塑性エラストマーに比べて引張強度や伸びが向上するものの、特性としてはまだまだ不十分であるのが現状である。
また、従来の熱可塑性エラストマーは、例えば1000時間を超える長時間での高温耐久試験後の硬度やシール特性の検討がなされていない。したがって、高温で長時間の耐久性が要求される例えば自動車のような車両部品などへの適用は未だ実現されていないというのが実情である。
また、上述の従来の熱可塑性エラストマーにおいては、アクリルゴムが燃料やオイル中に含まれる水分によって加水分解する。そのため、使用できる範囲が限定的であり、車両の例えば燃料周りのようなオイルと接触する部品へ適用することができない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、引張強度や伸びに優れると共に高温での長時間における耐久性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、融点が170〜300℃の熱可塑性樹脂成分(A)とゴム成分(B)とが部分相溶した連続相と、
上記連続相中に分散された上記ゴム成分(B)からなる分散相と、を有し、
上記分散相の含有量が上記連続相と上記分散相との合計100体積%に対して5〜20体積%である、熱可塑性エラストマー組成物にある。
上記熱可塑性エラストマー組成物は、連続相と、この連続相中に分散された分散相とを有する。そして、連続相においては硬い熱可塑性樹脂成分(A)と柔軟性及び耐永久歪性に優れたゴム成分(B)とが部分相溶しおり、分散相はゴム成分(B)からなる。さらに、分散相の含有量が上記所定範囲内である。このように、熱可塑性樹脂成分(A)とゴム成分(B)とが部分相溶した連続相を有しつつ、分散相の含有量が上記所定範囲内であるという構成を有するため、熱可塑性エラストマー組成物は連続相が優れた柔軟性を示す。したがって、熱可塑性エラストマー組成物は、例えば加硫ゴムに匹敵するほどの優れた引張強度や伸び等の機械特性を発揮することが可能になる。熱可塑性樹脂成分(A)のことを以下適宜、樹脂成分(A)という。
また、熱可塑性エラストマー組成物においては、酸素バリア性に優れる樹脂成分(A)が連続相を形成している。そのため、樹脂成分(A)に相溶したゴム成分(B)や、連続相内に分散された分散相を形成するゴム成分(B)の酸化劣化が抑制される。したがって、熱可塑性エラストマー組成物は、高温に長時間曝されても特性変化が小さく、例えば酸化劣化により硬くなったり、圧縮永久歪が増大してへたりが発生することを抑制できる。つまり、高温耐久性に優れる。
また、熱可塑性エラストマー組成物は、オイル環境でも加水分解等による劣化が小さい。したがって、熱可塑性エラストマー組成物は、例えば車両の燃料タンク周辺、エンジン周辺、排気管周辺等において使用されるシール部品として好適である。
以上のごとく、上記態様によれば、引張強度や伸びに優れると共に高温での長時間における耐久性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供することができる。なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
各実施例及び各比較例の硬度の増加率を示すグラフ。 各実施例及び各比較例の圧縮永久歪の増加率を示すグラフ。
熱可塑性エラストマー組成物の好ましい実施形態について説明する。熱可塑性エラストマー組成物は連続相と分散相とを有し、連続相中に複数の分散相が分散された相構造を有している。通常、連続相中に多数の分散相が分散された相構造となる。このような連続相と分散相とからなる相分離構造のモルフォロジーは、海島構造と呼ばれることがある。
[連続相]
連続相は、熱可塑性エラストマー組成物における相分離構造の観察において、不定形で連続した相となる。連続相は海相と呼ばれることもある。連続相は、樹脂成分(A)とゴム成分(B)とを含有し、両者が部分相溶している。ここで、部分相溶とは、ゴム成分(B)を構成するポリマー中に樹脂成分(A)の分子鎖が入り込んだ状態、あるいは、逆に樹脂成分(A)の非晶部分にゴム成分(B)の分子鎖が入り込んだ状態をいう。
部分相溶の有無は、次のようにして判定される。まず、樹脂成分(A)とゴム成分(B)とをそれぞれ染色可能な染色剤で、熱可塑性エラストマー組成物の染色処理を行う。染色処理は公知の染色技術により行うことができる。各染色剤で処理した熱可塑性エラストマー組成物をそれぞれ電子顕微鏡で観察し、観察結果を画像解析して体積比率を算出し、その結果を比較することで判定できる。具体的には、樹脂成分を染色した組成物とゴム成分を染色した組成物について各染色領域の体積比率を比べた結果、両者の体積比率に10体積%以上の差がある場合には、部分相溶した連続相が存在すると判定される。相溶部分には各染色剤での染色領域に重複領域が存在するからである。一方、両者の体積比率の差が10体積%未満(ただし、0を含む)の場合には部分相溶した連続相が存在しないと判定される。各染色は3つのサンプルについて行い、これらの体積比率の算術平均に基づいて部分相溶の有無の判定を行う。なお、ゴム成分からなる分散相は、樹脂成分を染色した熱可塑性エラストマー組成物の観察を行い、染色されなかった部分のことをいう。
染色剤としては、リンタングステン酸、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム等を用いることができる。例えばリンタングステン酸は、ポリアミド樹脂中のアミド結合を染色する。例えば四酸化オスミウムは、二重結合に選択的に反応して染色される、一般的にゴム成分の染色に用いられる。例えば四酸化ルテニウムは、非晶部の酸化反応と架橋反応で重金属を導入して染色されるため、ポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂の染色が可能である。樹脂成分(A)の種類、ゴム成分(B)の種類に応じて、染色剤の種類を選択することができる。
<熱可塑性樹脂>
本明細書において、熱可塑性樹脂はゴムを含まない概念である。樹脂成分(A)の融点は170〜300℃である。融点が170℃未満である場合には、耐熱性が劣る場合があり、例えば自動車用途で必要とされる耐熱性を満たさなくなるおそれがある。耐熱性をより向上させるという観点から、樹脂成分(A)の融点は200℃以上が好ましく、230℃以上がより好ましい。一方、融点が300℃を超える場合には、熱可塑性エラストマー組成物の製造時における樹脂成分(A)とゴム成分(B)との混錬中にゴム成分(B)が劣化するおそれがある。ゴム成分(B)の劣化をより抑制するという観点から、樹脂成分(A)の融点は290℃以下が好ましく、260℃以下がより好ましい。
樹脂成分(A)は、例えばポリアミド樹脂(つまり、PA樹脂)、ポリアセタール樹脂(つまり、POM樹脂)、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(つまり、m−PPE)、ポリビニルアルコール樹脂(つまり、PVA樹脂)、ポリフェニレンスルファイド樹脂(つまり、PPS樹脂)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(つまり、PVDC樹脂)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(つまり、PVDF樹脂)、フッ素樹脂、ポリスルホン樹脂(つまり、PSU樹脂)、ポリエーテルスルホン樹脂(つまり、PESU樹脂)、ポリアリレート樹脂(つまり、PAR樹脂)、液晶ポリマー(つまり、LCP樹脂)、ポリエーテルケトン樹脂(つまり、PEK樹脂)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(つまり、PEEK樹脂)、ポリエーテルイミド樹脂(つまり、PEI樹脂)、ポリアミドイミド樹脂(つまり、PAI樹脂)、熱可塑性ポリイミド(つまり、TPI樹脂)、環状オレフィン樹脂(つまり、COP樹脂)、ポリオレフィン樹脂(PO樹脂)、塩化ビニル樹脂(つまり、PVC樹脂)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(つまり、PET樹脂)、ポリブチレンテレフタレート(つまり、PBT樹脂)等からなる。樹脂成分(A)は、1種類の樹脂からなっていてもよく、2種以上の樹脂からなっていてもよい。好ましくは、樹脂成分(A)は、結晶性樹脂であることがよい。
(ポリアミド樹脂)
樹脂成分(A)の主成分はポリアミド樹脂であることが好ましい。この場合には、連続相の酸素バリア性、耐油性がより向上する。これにより、熱可塑性樹脂に相溶したゴム成分(B)及び連続相内に分散した分散相を形成するゴム成分(B)の酸化劣化が抑制される。したがって、熱可塑性エラストマー組成物の高温耐久性がより向上する。本明細書においてポリアミド樹脂は、主鎖内にアミド結合(−CONH−)を繰り返し単位として有する熱可塑性樹脂である。
樹脂成分(A)の主成分とは、熱可塑性樹脂中で最も多い成分であること意味し、例えば50質量%以上である。樹脂成分(A)におけるポリアミド樹脂の含有量は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上である。熱可塑性樹脂(A)は実質的にポリアミド樹脂からなることがさらに好ましい。「実質的にポリアミド樹脂からなる」とは、樹脂成分(A)が不可避的不純物を除いてポリアミド樹脂からなることを意味する。
ポリアミド樹脂としては、ポリカプラミド(ポリアミド6)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリラウリンアミド(ポリアミド12)、ポリヘキサメチレンアジポアミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)等の脂肪族ポリアミドを用いることができる。また、ポリアミド樹脂としては、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)等の芳香族ポリアミドを用いることができる。使用可能なポリアミド樹脂はこれらに限定されるものではない。ポリアミド樹脂は、1種類であっても2種以上の樹脂の混合物であってもよい。
ポリアミド樹脂は、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、及びポリアミド610からなる群より選択される少なくとも1種からなることが好ましい。この場合には、連続相の耐油性、耐熱性、機械的強度、柔軟性がより向上し、熱可塑性エラストマー組成物の引張強度、伸び、耐久性などの向上が可能になる。また、コストを抑えることができるという観点からも有利になる。
ポリアミド樹脂としてはポリアミド12がより好ましい。この場合には、連続相の吸水性が低下し、形状安定性が向上し、耐寒衝撃性が向上する。したがって、熱可塑性樹脂エラストマー組成物の耐湿性や低温での耐久性の向上が可能になる。また、他のポリアミドに比べて融点が低いため、溶融時のポリアミド樹脂とゴムとの粘度比制御が容易になる。その結果、熱可塑性エラストマー組成物を混練し易くなる。
<ゴム>
ゴム成分(B)と樹脂成分(A)とは、溶解度パラメータ(つまり、SP値)が近い組合せを選択することが好ましい。この場合には、両者の親和性が良好になり、部分相溶した連続相の形成が容易になる。このような組合せとして、例えば熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である場合には水素化ニトリルゴムを用いることができる。
ゴム成分(B)は、例えば水素化ニトリルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム等を含有することができる。ゴム成分(B)は、1種類のゴムからなっていてもよく、2種以上のゴムからなっていてもよい。
ゴム成分(B)は、水素化ニトリルゴムを含有することが好ましく、ゴム成分(B)の主成分が水素化ニトリルゴムであることがより好ましい。この場合には、熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性、耐油性が向上する。ゴム成分(B)の主成分とは、ゴム成分(B)の中で最も多い成分であること意味し、例えば50質量%以上である。ゴム成分における水素化ニトリルゴムの含有量は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上である。ゴム成分(B)は、実質的に水素化ニトリルゴムからなることがさらに好ましい。「実質的に水素化ニトリルゴムからなる」とは、ゴム成分(B)が不可避的不純物を除いて水素化ニトリルゴムからなることを意味する。
(水素化ニトリルゴム)
水素化ニトリルゴムは、ニトリルゴムにおける主鎖の炭素−炭素不飽和結合が水素化されたゴムである。ニトリルゴムは、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と、共役ジエン単量体と、必要に応じて加えられるこれらと共重合可能なその他の単量体とを共重合してなるゴムのことである。ゴムを構成する各単量体由来の構成成分の含有量は、適宜調整可能である。
[分散相]
分散相は、熱可塑性エラストマー組成物における相分離構造の観察において、例えば粒子状の相となる。分散相は島相と呼ばれることもある。分散相の形状は特に限定されるものではない。
分散相は、ゴム成分(B)からなる。ゴム成分(B)としては上述のゴムを用いることができる。上述のように、連続相においては樹脂成分(A)とゴム成分(B)とが部分相溶している。したがって、分散相は、熱可塑性樹脂と相容化せずに残ったゴム成分からなる相としてとらえることができる。
熱可塑性エラストマー組成物における分散相の含有量が高くなると、圧縮永久歪が大きくなったり、柔軟性を損なったりするおそれがある。これを避けるという観点から、分散相の含有量は連続相と分散相との合計100体積%に対して20体積%以下であることが好ましい。圧縮永久歪をより低下させ、高温での耐久性をより向上させるという観点から、分散相の含有量は10体積%以下であることがより好ましい。また、製造時における相溶化の困難性という観点から、分散相の含有量は5体積%以上であることが好ましい。分散相及び連続相の含有量は体積比で表される。
分散相の平均体積は0.3μm3以下であることが好ましい。この場合には、引張強度や伸び等の機械特性をより向上させることができる。また、硬度を低下させることができる。これらの効果をより高めるという観点から、分散相の平均体積は0.1μm3以下であることがより好ましい。
[その他の成分]
熱可塑性エラストマー組成物は、本発明における所望の効果を妨げない範囲において、さらに他の成分を含有することができる。このような成分としては、例えば相容化剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、耐候剤、難燃剤などが挙げられる。これらの成分は、連続相に含有されていてもよいし、分散相に含有されていてもよいし、連続相及び分散相の両方に含有されていてもよい。
可塑剤の含有量は、0又は少なくすることが好ましい。この場合には、熱可塑性樹脂(A)を含有する連続相のガスバリア性の低下を抑制できる。その一方で、可塑剤の含有量を増やすと柔軟性が向上するため、可塑剤の含有量は、柔軟性の要求レベルに応じて適宜調整することができる。
また、相容化剤の含有量は、少なくすることが可能であり、0であってもよい。このように、相容化剤の含有量を減らしたり、0にしても、熱可塑性エラストマー組成物は、上記のように部分相溶した連続相を有するため、柔軟性、耐永久歪性等の機械特性の向上が可能になる。樹脂成分(A)とゴム成分(B)との合計量100質量部に対する相容化剤の含有量は、10質量部未満にすることができる。相容化剤の含有量を少なくしても、上述のように機械特性の向上が可能になるという効果をより顕著にするためには、相容化剤の含有量は、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下がさらに好ましく、0がさらにより好ましい。
[熱可塑性エラストマー組成物の製造]
熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性樹脂とゴムと架橋剤などを混練することにより得られる。架橋剤としては、例えば有機過酸化物、硫黄系架橋剤、アミン系架橋剤、フェノール樹脂系架橋剤等を用いることができる。架橋剤の種類や量は、熱可塑性樹脂やゴムの種類等に応じて適宜変更できる。
混練は、1回で行ってもよいし、例えば混練後の混練物を、混練温度を変える等してさらに混練してもよい。つまり、混練を複数回に分けて行ってもよい。混練時には、さらに上述のその他成分を添加することができる。
混練時に、所定温度で混練を行うことにより、ゴム成分(B)を動的に架橋させることができる。動的架橋時の混練温度Tkと、熱可塑性樹脂の融点Tmとは下記式(I)の関係を満足することが好ましい。この場合には、樹脂成分(A)とゴム成分(B)とが部分相溶した連続相が形成されやすくなり、機械特性の向上、高温での耐久性の向上効果が得られる。混練温度Tk、融点Tmの単位は℃である。
Tm≦Tk≦Tm+10 ・・・(I)
連続相における部分相溶をより促すという観点からは、下記式(II)の関係を満足することがより好ましい。
Tm≦Tk≦Tm+5 ・・・(II)
熱可塑性エラストマー組成物は、各種成形法により成形される、成形体は、Oリング、ガスケット、パッキンなどの流体シール部品として用いることができる。これにより、引張強度、伸び、高温での耐久性に優れるという性能を十分に発揮できる。また、熱可塑性エラストマー組成物の成形体は、ガスバリア性に優れ、燃料やエンジンオイルなどのオイル環境下においても加水分解による劣化が生じ難いため、自動車などの車両用シール部品として好適である。
熱可塑性樹脂として、ポリアミド樹脂を用いた場合には、燃料やエンジンオイル環境で使用されているポリアミド樹脂部品との一体成形が可能になり、シール帯を形成することができる。したがって、例えばOリングなどを別途組み付けていたアセンブリを製造するにあたって、製造工程数を削減することが可能になる。その結果、製造コストの面で有利になる。
[実施例]
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。本例においては、実施例1〜5の熱可塑性エラストマー組成物を作製し、その特性を評価する。また、実施例に対する比較用として、比較例1〜4の4種類の組成物を作製し、特性を評価する。
<実施例1〜5>
まず、各実施例、比較例の原料を表1に示す。表1に示すA1成分、つまりポリアミド樹脂の融点Tmは176℃である。
Figure 2019070079
各実施例の熱可塑性エラストマー組成物の製造にあたっては、まず、樹脂成分(A)とゴム成分(B)とを後述の表2に示す体積比にてそれぞれ秤量し、混練機中に投入した。混練機としては、株式会社井元製作所製の微量混練射出混練機、型式IMC−18D7型を用いた。
次いで、混練機内で樹脂成分(A)とゴム成分(B)とを30分間混合した。混練機での混合条件は、回転数が100rpm、温度が180℃である。
混練後、一旦混練機から混練物を取り出した。その後、混練物に対して、架橋剤(C)を添加した。ゴム成分(B)100質量部に対する架橋剤(C)の添加量を表2に示す。架橋剤を添加した混練物を再度混練機内に投入して、温度100℃で15分間混合した。
2度目の混合後の混練物を再度混練機から取り出した。次いで、混練機の温度を表1に示す動的架橋混練温度に設定し、混練物をもう一度混練機内に投入し、15分間混合した。このようにして、実施例1〜5の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
<比較例1>
ゴム成分(B)と架橋剤(C)とを表2に示す配合割合にて秤量し、温度100℃の混練機内に投入した。次いで、ゴム成分(B)と架橋剤(C)とを混練機内で15分間混ぜ合わせた。これにより比較例1のゴム組成物を得た。
<比較例2>
実施例1〜5と同様に、表2に示す配合割合で、熱可塑性樹脂成分(A)とゴム成分(B)と架橋剤(C)との混合物を作製した。ただし、本例では動的架橋混練を行わなかった。このようにして比較例2の組成物を得た。
<比較例3>
熱可塑性樹脂成分(A)とゴム成分(B)との合計100質量部に対し、表2で示す添加量で相溶化剤(D)を加えたこと以外は、実施例1〜5と同様にして熱可塑性エラストマー組成物を作製した。
<比較例4>
表2に示す配合割合で、実施例1〜5と同様にして組成物の作製を試みた。しかし、動的架橋混練温度が190℃と高くなり、ゴム成分(B)が連続相のまま架橋されたため、熱可塑性の組成物が得られなかった。
各実施例及び比較例の組成物を温度180℃で10分間プレス処理することにより、厚み0.5mmのシート状に成形した。このシート状試験片を用いて、下記の(1)〜(5)の試験を実施し、その結果を表2に示す。なお、比較例4については、成形が不可能であったためシート状試験片の作製以降の操作を行っていない。
(1)成形性
シート状試験片の外観を目視により調べた。試験片に気泡などの欠陥がない場合を「良」と判定し、欠陥がある場合を「不良」と判定した。
(2)モルフォロジー
Leica社製のウルトラミクロトームの型式UCT1.1を用いてシート状試験片を液体窒素温度に冷却した状態で切断し、切断面を露出させた試料を作製した。この試料の切断面をリンタングステン酸に常温で24時間浸漬することで染色処理を施すことにより、ポリアミド樹脂成分を染色した。その後、集束イオンビーム走査電子顕微鏡を用い、10μm×8μmの長方形領域のSEM画像を30nm間隔で100枚撮影した。集束イオンビーム加工と走査電子顕微鏡観察は−130℃の温度で実施した。集束イオンビーム走査電子顕微鏡としては、FEI社製のHelios Nanolab600を用いた。各SEM画像を画像解析ソフトによって二値化処理した後、三次元再構成した。画像解析ソフトとしては、NIH製のImageJを用い、3次元再構成はマックスネット社製のAvizoを用いた。連続相及び分散相の構成成分を特定した上で、連続相及び分散相の体積比、分散相の平均体積を算出した。ゴム成分からなる分散相は、リンタングステン酸により染色されなかった部分とした。連続相及び分散相の構成成分は、樹脂成分(A)とゴム成分(B)とをそれぞれ染色可能な染色剤による染色により特定できる。また、試料について、既述の方法により部分相溶の有無の判定を行った。
(3)引張試験
JIS K 6251:2010に準拠して引張試験を行った。具体的には、打ち抜きによりシート状試験片からダンベル状7号試験片を作製した後、長さ8mmの標線をマーキングし、引張速度200mm/分の条件で引張試験を行った。引張試験における最大応力を引張強度とし、破断時の伸び率を引張破断伸びとした。
(4)硬度
H.バーレイス社のデジテストを用い、JIS K 6253:2012に準拠して、国際ゴム硬さ(つまり、IRHD)を測定した。厚み0.5mmのシート状試験片を3枚重ね、15秒後の硬さを測定した。これを初期の硬度とした。また、試験片を温度120℃で2000時間処理した後、同様に硬さを測定した。これを耐久特性としての硬度とした。なお、比較例3は、初期の硬度が高く、硬度特性が不十分であるため、耐久特性の評価を省略した。また、実施例1〜5、比較例1及び比較例2については、耐久特性前後における硬度の増加率を算出し、図1に示す。
(5)圧縮永久歪
JIS K 6262:2013に準拠して圧縮永久歪を測定した。測定には、厚み0.5mmのシート状試験片を3枚重ね、積層状態のシート状試験片を用いた。この積層状態のシート状試験片を25%圧縮変形させて、温度120℃で70時間後の圧縮永久歪を測定した。これを初期の圧縮永久歪とした。また、積層状態のシート状試験片を25%圧縮変形させて、温度120℃で2000時間後の圧縮永久歪を測定した。これを耐久特性としての圧縮永久歪とした。なお、比較例3は、初期の圧縮永久歪が高く、圧縮永久歪特性が不十分であるため、耐久特性の評価を省略した。また、実施例1〜5、比較例1及び比較例2については、耐久特性前後における圧縮永久歪の増加率を算出し、その結果を図2に示す。
Figure 2019070079
表2より知られるように、実施例1〜5の熱可塑性エラストマー組成物は、樹脂成分(A)とゴム成分(B)とが部分相溶した連続相を有している。そのため、引張強度、伸び、硬度、圧縮永久歪に優れ、これらのバランスが良い。さらに表2、図1、及び図2より知られるように、実施例1〜5は、高温で長時間の熱処理後においても、硬度及び圧縮永久歪の変化が非常に小さく、優れた硬度と圧縮永久歪特性を示した。
これに対し、比較例1は、初期特性には優れるものの、高温長時間の熱処理により組成物が劣化し、耐久特性が著しく低下した。また、比較例2では、ゴム成分が連続相、熱可塑性樹脂成分が分散相となっていた。このような組成物は、熱可塑性でないばかりか、高温長時間の熱処理によって連続相のゴム成分が劣化するため、耐久特性が著しく低下していた。また、比較例3では、硬くてクリープ変形しやすい樹脂成分が連続相となっており、連続相にはゴム成分が相溶していない。したがって、比較例3は、熱可塑性の組成物にはなったものの、初期の硬度や圧縮永久歪特性が不十分であった。
以上のように、本例によれば、実施例1〜5のように引張強度や伸びに優れると共に高温での長時間における耐久性に優れた熱可塑性エラストマー組成物が得られることがわかる。本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施例に適用することが可能である。例えば、熱可塑性樹脂成分としてポリアミド樹脂以外の樹脂を用いたり、ゴム成分として水素化ニトリルゴム以外のゴムを用いることも可能である。

Claims (5)

  1. 融点が170〜300℃の熱可塑性樹脂成分(A)とゴム成分(B)とが部分相溶した連続相と、
    上記連続相中に分散された上記ゴム成分(B)からなる分散相と、を有し、
    上記分散相の含有量が上記連続相と上記分散相との合計100体積%に対して5〜20体積%である、熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 上記分散相の含有量が上記連続相と上記分散相との合計100体積%に対して5〜10体積%である、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 上記分散相の平均体積が0.3μm3以下である、請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 上記熱可塑性樹脂成分(A)がポリアミド樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 上記ゴム成分(B)が水素化ニトリルゴムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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