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JP2018150525A - ポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体 - Google Patents

ポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体 Download PDF

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JP2018150525A JP2018040925A JP2018040925A JP2018150525A JP 2018150525 A JP2018150525 A JP 2018150525A JP 2018040925 A JP2018040925 A JP 2018040925A JP 2018040925 A JP2018040925 A JP 2018040925A JP 2018150525 A JP2018150525 A JP 2018150525A
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Abstract

【課題】成形性、耐油性、耐摩耗性に優れ、軟質な質感を有するポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体を提供する。【解決手段】下記成分(A)〜(C)を含むことを特徴とするポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。成分(A):ポリエステルエラストマー成分(B):アクリル系コアシェル型ゴム質重合体、シリコーン系コアシェル型ゴム質共重合体、およびブタジエン/アクリロニトリル共重合ゴム質重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム質重合体成分(C):エステル系化合物【選択図】なし

Description

本発明は、得られる成形体が軟質な質感を有し、成形性、耐油性、耐摩耗性に優れたポリエステル系熱可塑性エラストマーおよびその成形体に関する。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、強度、耐衝撃性、弾性回復性、柔軟性などの機械的性質や、低温、恒温特性に優れ、さらに耐油性、耐摩耗性にも優れており、加えてポリカーボネート、アクリロニトリル・ブタジエン共重合樹脂(ABS樹脂)等の硬質樹脂に対して熱融着成形が可能であることから、自動車、電気・電子部品、消費材などの分野に広く使用されている。
近年、ポリエステル系熱可塑性エラストマーをゴム質重合体と可塑剤で柔軟化し、その柔らかな触感、耐油性、耐摩耗性に着目し、カメラ、電動工具、自転車等のグリップまたはパッキン等へ適用することが検討され、実用化されている。
特許文献1には、ポリエステルエラストマーにスチレン系熱可塑性エラストマーを配合することで、ポリオレフィン系樹脂に熱融着できるポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。
特許文献2には、ポリエステルエラストマ100質量部に対し、エステル系可塑剤を0.1〜5.0質量部配合した、デュロD硬度が47〜50の柔軟で弾力性に富み、恒温での耐屈曲疲労性に優れるポリエステルエラストマ樹脂組成物が開示されている。
特開平9−124887号公報 特開2015−168815号公報
本発明者らの詳細な検討によれば、上記従来の技術には以下のような問題点があることがわかった。
特許文献1に記載されるポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物は、柔軟化を達成するためにスチレン系熱可塑性エラストマーを使用しているため、耐油性が悪く、機械油等の無極性油や汗等の油成分と接触すると、油成分を吸収して膨潤・変形するという問題がある。また、特許文献2に記載されるポリエステルエラストマー樹脂組成物は、可塑剤配合量が少ないために十分な柔軟性が付与されておらず、カメラ、電動工具、自転車等のグリップやパッキン等の柔軟性が要求される部材に使用するには適していない。可塑剤の配合量を増やすと十分な柔軟性を付与できることは容易に考えられ、本発明者等により明らかにされているが、この場合には、射出成形において金型からの離型性が著しく悪化することが分かっている。
本発明の目的は、以上のような従来技術の諸問題点に鑑み、成形性、耐油性、耐摩耗性に優れ、軟質な質感を有する成形体を得ることができるポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ポリエステルエラストマーに特定のゴム質重合体とエステル系化合物を配合することで、上記課題を解決し得ること、さらに、カルボジイミド化合物を配合することで耐摩耗性をより向上させることができることを見出した。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[10]に存する。
[1] 下記成分(A)〜(C)を含むことを特徴とするポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
成分(A):ポリエステルエラストマー
成分(B):アクリル系コアシェル型ゴム質重合体、シリコーン系コアシェル型ゴム質共重合体、およびブタジエン/アクリロニトリル共重合ゴム質重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム質重合体
成分(C):エステル系化合物
[2] 前記成分(A)のポリエステルエラストマー100質量部に対し、前記成分(B)のゴム質重合体を10〜400質量部、成分(C)のエステル系化合物を6〜100質量部含むことを特徴とする[1]に記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
[3] 更に、成分(D)としてカルボジイミド化合物を、前記成分(A)のポリエステルエラストマー100質量部に対し0.01〜10質量部含む[1]または[2]に記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
[4] 成分(A)がポリアルキレングリコール成分を含み、該ポリアルキレングリコールがポリテトラメチレングリコールである[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
[5] 成分(A)のポリアルキレングリコール成分を含み、該ポリアルキレングリコール成分の含有量が60質量%以上である[1]乃至[4]のいずれかに記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
[6] 成分(B)がメタクリル酸アルキル化合物に由来する単位を含む[1]乃至[5]のいずれかに記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
[7] 成分(C)がトリメリット酸トリ−2−エチルへキシルである[1]乃至[6]のいずれかに記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
[8] 成分(D)がカルボジイミド変性イソシアネートである[1]乃至[7]のいずれかに記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
[9] グリップ用ポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物である[1]乃至[8]のいずれかに記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
[10] [1]乃至[9]のいずれかに記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物を原料とする成形体。
本発明によれば、ポリエステルエラストマーに、特定のゴム質重合体とエステル系化合物、好ましくは更にカルボジイミド化合物を配合することにより、軟質な質感を有し、耐油性、耐摩耗性に優れる成形体を良好な成形性のもとに提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。尚、本明細書において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
[ポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物]
本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物は、下記成分(A)〜(C)を含むことを特徴とするものであり、好ましくは更に下記成分(D)を含む。
成分(A):ポリエステルエラストマー
成分(B):アクリル系コアシェル型ゴム質重合体、シリコーン系コアシェル型ゴム質共重合体、およびブタジエン/アクリロニトリル共重合ゴム質重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム質重合体
成分(C):エステル系化合物
成分(D):カルボジイミド化合物
[成分(A)]
成分Aのポリエステルエラストマーは、通常、結晶性を有するハードセグメントと、柔軟性を有するソフトセグメントとを有するブロック共重合体である。
ポリエステルエラストマーとしては、例えば、環状ポリエスエル(本発明において「環状ポリエステル」とは、原料であるジカルボン酸またはそのアルキルエステルが環状構造を有するジカルボン酸又はそのアルキルエステルを含むものを意味する。)からなるハードセグメント(以下、「環状ポリエステルユニット」と称することがある。)とポリアルキレングリコールからなるソフトセグメント(以下、「ポリアルキレングリコールユニット」と称することがある。)とを有するブロック共重合体(以下、「環状ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体」と称することがある。)、および環状ポリエステルからなるハードセグメントと鎖状脂肪族ポリエステル(本発明において「鎖状脂肪族ポリエステル」とは、原料であるジカルボン酸又はそのアルキルエステルが鎖状構造のみを有するジカルボン酸又はそのアルキルエステルであるものを意味する。)からなるソフトセグメント(以下、「鎖状脂肪族ポリエステルユニット」と称することがある。)とを有するブロック共重合体(以下、「環状ポリエステル−鎖状脂肪族ポリエステルブロック共重合体」と称することがある。)等が挙げられる。これらの中でも好ましいのは 入手しやすいという点で、環状ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体である。
環状ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体としては、例えば、芳香族ポリエステルからなるハードセグメント(以下、「芳香族ポリエステルユニット」と称する場合がある。)とポリアルキレングリコールユニットを有する共重合体(以下、「芳香族ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体」と称することがある。)および脂環族ポリエステルからなるハードセグメント(以下、「脂環族ポリエステルユニット」と称することがある。)とポリアルキレングリコールユニットとを有するブロック共重合体(以下、「脂環族ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体」と称することがある。)等が挙げられる。これらの中でも耐熱性の点で、芳香族ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体が好ましい。
芳香族ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体は、特開平10−130451号公報等に記載されているように公知の熱可塑性エラストマーであり、ポリアルキレングリコールユニットを含有する重合体であれば、各々のブロックは単一重合体であっても共重合体であってもよい。
芳香族ポリエステルユニットの原料は以下に詳述するが、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとして含むことが好ましい。一方、ポリアルキレングリコールユニットの原料についても以下に詳述するが、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを原料とするソフトセグメント(以下、「ポリテトラメチレングリコールユニット」と称することがある。)を含むことが好ましい。
本発明に用いるポリエステルエラストマーとしては、ポリブチレンテレフタレート−ポリアルキレングリコールブロック共重合体が好ましく、ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体が特に好ましい。
また、脂環族ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体としては、例えば、脂環族ジカルボン酸(本明細書において「脂環族ジカルボン酸」とは環状脂肪族炭化水素に2つのカルボキシル基が直接結合した化合物を意味する。)、脂環族ジオール及びポリアルキレングリコールを原料として得られるものが代表的なものとして挙げられる。
ポリアルキレングリコールユニットを含有する重合体であれば、各々のブロックは、単一重合体であっても共重合体であってもよい。脂環族ポリエステルユニットとしては、シクロヘキサンジカルボン酸とシクロヘキサンジメタノールを原料として得られるハードセグメントを含むことが好ましい。また脂環族ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体のポリアルキレングリコールユニットとしてはポリテトラメチレンエーテルグリコールを原料として得られるソフトセグメント(ポリテトラメチレングリコールユニット)を含むことが好ましい。
環状ポリエステル−鎖状脂肪族ポリエステルブロック共重合体としては、例えば、芳香族ポリエステルからなるハードセグメントと鎖状脂肪族ポリエステルからなるソフトセグメントを有するブロック共重合体(以下、「芳香族ポリエステル−鎖状脂肪族ポリエステルブロック共重合体」と称することがある。)、及び脂環族ポリエステルからなるハードセグメントと鎖状脂肪族ポリエステルからなるソフトセグメントを有するブロック共重合体(以下、「脂環族ポリエステル−鎖状脂肪族ポリエステルブロック共重合体」と称することがある。)が挙げられる。
これらの中でも芳香族ポリエステル−鎖状脂肪族ポリエステルブロック共重合体が好ましい。芳香族ポリエステル−鎖状脂肪族ポリエステルブロック共重合体の中でも、芳香族ポリエステルユニットがポリブチレンテレフタレートからなる、ポリブチレンテレフタレート−鎖状脂肪族ポリエステルブロック共重合体がより好ましい。また、鎖状脂肪族ポリエステルユニットとして好ましいのはセバシン酸およびアジピン酸に代表される炭素数4〜10の鎖状脂肪族ジカルボン酸と鎖状脂肪族ジオールとから得られるものである。
柔軟性を有するソフトセグメントとしては、ポリアルキレンエーテルグリコールユニットが好ましい。ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−及び1,3−)プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及びポリヘキサメチレングリコール等の直鎖状および分岐状の脂肪族エーテルの他、シクロヘキサンジオールの縮合体及びシクロヘキサンジメタノールの縮合体等の脂環状エーテルの単一重合体または共重合体が挙げられる。また、これらのエーテルユニット内でのランダム共重合体でも良い。また、ポリアルキレングリコールユニットを有するブロック共重合体も用いることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、環状ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体に含まれるポリアルキレングリコールユニットの数平均分子量は600〜4,000であることが好ましく、800〜2,500であることがより好ましく、900〜2,100であることがさらに好ましい。なお、ここでポリアルキレングリコールユニットの数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されたポリスチレン換算した値を言う。
これらのポリアルキレングリコールユニットは、環状ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体に1種のみが含まれていてもよく、数平均分子量または構成成分が異なるものが2種以上含まれていてもよい。
ポリエステルエラストマーの製造方法としては、特に制限はなく、例えば、環状ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体のうち、芳香族ポリエステルとポリアルキレンエーテルグリコールを用いた芳香族ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体であれば、炭素数1〜12の鎖状脂肪族及び/又は脂環族ジオールと、芳香族ジカルボン酸またはそのアルキルエステルと、ポリアルキレンエーテルグリコールとを原料とし、エステル化反応またはエステル交換反応により得られたオリゴマーを縮合させて得ることができる。
前記の炭素数1〜12の鎖状脂肪族及び/又は脂環族ジオールとしては、ポリエステルの原料として通常用いられるものを使用することができる。鎖状脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール及び1,6−ヘキセングリコール等が挙げられる。中でも1,4−ブチレングリコールが好ましい。
脂環族ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキセングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
これらの炭素数2〜12の鎖状脂肪族及び/又は脂環族ジオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。
芳香族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルとしては、ポリエステルの原料として一般的に用いられているものが使用でき、例えば、テレフタル酸及びその低級(本明細書において「低級」は炭素数4以下を意味する。)アルキルエステル、並びにイソフタル酸、フタル酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸およびそれらの低級アルキルエステル等が挙げられる。これらの中では、テレフタル酸及びイソフタル酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。
これらの芳香族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルについても1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、前述の如く、例えば、ポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−及び1,3−)プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及びポリヘキサンメチレングリコール等の直鎖状及び分岐状の脂肪族エーテルグリコールの他、シクロヘキサンジオールの縮合体及びシクロヘキサンジメタノールの縮合体等の脂環状エーテルの単一重合体又は共重合体が挙げられる。
また、これらエーテルユニット内でのランダム共重合体でもよい。
これらの中でも好ましいのはポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−及び1,3−)プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及びポリヘキサメチレングリコール等の直鎖状及び分岐状の脂肪族エーテルグリコールであり、より好ましいのはポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−及び1,3−)プロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコールであり、特に好ましいのはポリテトラメチレングリコールである。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、脂環族ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体を製造する場合には、上記の芳香族ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体を製造する場合の原料として用いる芳香族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルに代えて脂環族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルを用いればよい。
すなわち、炭素数2〜12の鎖状脂肪族及び/又は脂環族ジオールと、脂環族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルと、ポリアルキレンエーテルグリコールとを原料とし、エステル化反応又はエステル交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させて得ることができる。
脂環族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルとしては、ポリエステルの原料として一般的に用いられているものが使用でき、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸及びその低級アルキルエステル、シクロペンタンジカルボン酸及びその低級アルキルエステル等が挙げられる。これらの中では、シクロヘキサンジカルボン酸及びその低級アルキルエステルが好ましく、特にシクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。これらの脂環族ジカルボン酸についても1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
環状ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体中の環状ポリエスエルユニット及びポリアルキレングリコールユニットのそれぞれの含有量は限定されないが、ハードセグメントの結晶性とソフトセグメントの柔軟性のバランスから、通常以下のような範囲となる。
即ち、環状ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体中の環状ポリエステルユニットの含有量の下限値は、通常10質量%以上、好ましくは20質量%以上である。また、環状ポリエステルユニットの含有量の上限値は、通常95質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、特に好ましくは40質量%以下である。
また、環状ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体中のポリアルキレングリコールユニットの含有量の下限値は、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、特に好ましくは60質量%以上である。また、ポリアルキレングリコールユニットの含有量の上限値は、通常90質量%以下、好ましくは80質量%以下である。
なお、環状ポリエステルユニットを有するブロック共重合体中の環状ポリエステルユニットの含有量は、核磁気共鳴スペクトル法(NMR)を使用し、その水素原子の化学シフトとその含有量に基づいて算出することができる。同様に、ポリアルキレングリコールユニットを有するブロック共重合体中のポリアルキレングリコールユニットの含有量は、核磁気共鳴スペクトル法(NMR)を使用し、その水素原子の化学シフト及びその含有量に基づいて算出することができる。
芳香族ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体としては、特に結晶化速度が速く、成形性に優れることから、ポリブチレンテレフタレート−ポリアルキレングリコールブロック共重合体が好ましく、ここで、ポリアルキレングリコールユニットのアルキレン基の炭素数は、2〜12が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜5が更に好ましく、4が特に好ましい。
尚、本発明に係る芳香族ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体に代表される、環状ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体には、上記成分以外に3官能のアルコールやトリカルボン酸及び/またはそのエステルの1種または2種以上を少量共重合させてもよく、更に、アジピン酸等の鎖状脂肪族ジカルボン酸又はそのジアルキルエステルを共重合成分として導入してもよい。
上記の環状ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体は、市販品としても入手することができる。このような市販品としては例えば、「KEYFLEX(登録商標)」(LG化学(株)製)、「プリマロイ(登録商標)」(三菱化学社製)、「ペルプレン(登録商標)」(東洋紡績者製)及び「ハイトレル(登録商標)」(デュポン社製)等が挙げられる。
環状ポリエステル−ポリアルキレングリコールブロック共重合体等のポリエステル系熱可塑性エラストマーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
[成分(B)]
本発明では成分(B)のゴム質共重合体として、アクリレート/スチレン/アクリロニトリル共重合体(ASA樹脂)、アクリレート/メチルメタクリレート共重合体等のアクリル系コアシェル型ゴム質重合体;シリコーン/アクリレート/メチルメタクリレート共重合体、シリコーン/アクリレート/アクリロニトリル/スチレン共重合体等のシリコーン系コアシェル型ゴム質重合体;ブタジエン/アクリロニトリル共重合ゴム質重合体(NBR)を用いる。本発明では、成分(B)のゴム質重合体として、これらの限定された特定のゴム質重合体を用いることで、極性が高いという理由で、耐油性を高めることができる。
なお、これらのゴム質重合体は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのゴム質重合体のうち、耐油性の観点から、アクリレート/メチルメタクリレート共重合ゴム質重合体、シリコーン/アクリレート/メチルメタクリレート共重合ゴム質重合体といったメタクリル酸アルキル化合物を原料として用いたものや、シリコーン/アクリレート/アクリロニトリル/スチレン共重合ゴム質重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合ゴム質重合体の1種又は2種以上を用いることが好ましく、シリコーン/アクリレート/メチルメタクリレート共重合ゴム質重合体の1種又は2種以上を用いることがより好ましい。
本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物において、成分(B)のゴム質重合体の配合量は、成分(A)のポリエステルエラストマー100質量部に対して好ましくは10〜400質量部であり、より好ましくは20〜200質量部、さらに好ましくは40〜125質量部である。成分(B)の配合量が上記下限未満では本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物に柔軟性を付与することができず、上記上限を超えると耐油性、耐摩耗性が不足する傾向にある。
[成分(C)]
成分(C)のエステル系化合物としては、特に制限はないが、好ましくは分子内にエステル結合を少なくとも2個有する化合物である。
また、成分(C)は可塑剤として機能するものであり、例えばジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジ−2−エチルへキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジイソノニルフタレートなどのフタル酸エステル系化合物;トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルへキシルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリス−ジクロロプロピルホスフェートなどのリン酸エステル系化合物;トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−2−エチルへキシルなどのトリメリット酸エステル系化合物;ジペンタエリスリトールエステル系化合物;ジオクチルアジペート、ジ−2−エチルへキシルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチルへキシルアゼレート、ジオクチルセバケート、メチルアセチルリシノレートなどの脂肪酸エステル系化合物;ピロメリット酸オクチルエステルなどのピロメリット酸エステル系化合物;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステルなどのエポキシ化エステル系化合物;およびアジピン酸エーテルエステル、ポリエーテルエステルなどのポリエーテルエステル系化合物;ジエチレングリコールジベンゾエート、ポリプロピレングリコールジベンゾエート、トリプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエート、ジブチレングリコールジベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、グリセリントリベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ポリエチレングリコールジベンゾエート、トリメチロールエタントリベンゾエートなどのベンゾエートエステル系化合物;更には鉱物油系軟化剤、合成樹脂系軟化剤等の炭化水素系ゴム用軟化剤が挙げられるが、これらの中でも成分(A)のポリエステルエラストマーとの親和性が高い点で、トリメリット酸エステル系化合物が好ましく、トリメリット酸トリ−2−エチルへキシルが特に好ましい。
本発明においては、これらのエステル系化合物の1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物において、成分(C)のエステル系化合物の配合量は、成分(A)のポリエステルエラストマー100質量部に対して、好ましくは6〜100質量部であり、より好ましくは10〜80質量部、さらに好ましくは15〜50質量部である。成分(C)の配合量が上記下限未満では柔軟性を付与することができず、上記上限を超えるとエステル系化合物がブリードアウトする傾向にある。
[成分(D)]
本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物は上記成分(A)、成分(B)および成分(C)に加え、更に成分(D)としてカルボジイミド化合物、特にカルボジイミド変性イソシアネートを含むことが好ましい。
成分(D)を含むことによりポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性、耐油性、成形性を損なうことなく、耐摩耗性を向上させることができる。
カルボジイミド化合物としては、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)が挙げられ、具体的には、モノカルボジイミド化合物として、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドなどが例示される。ポリカルボジイミド化合物としては、その重合度が、下限が通常2以上、好ましくは4以上であり、上限が通常40以下、好ましくは30以下であるものが使用され、米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.Org.Chem.28巻、p2069−2075(1963)、及びChemical Review 1981、81巻、第4号、p.619−621等に記載された方法により製造されたものが挙げられる。
ポリカルボジイミド化合物の製造原料である有機ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートやこれらの混合物を挙げることができ、具体的には、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネートなどが例示される。
工業的に入手可能な具体的なカルボジイミド化合物としては、カルボジライトHMV−8CA(日清紡ケミカル社製)、カルボジライト LA−1(日清紡ケミカル社製)、スタバクゾールP(ラインケミー社製)、スタバクゾールP100(ラインケミー社製)などが例示される。
これらのカルボジイミド化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物において、成分(D)のカルボジイミド化合物の配合量は、成分(A)のポリエステルエラストマー100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部であり、より好ましくは1〜3質量部である。成分(D)の配合量が上記下限未満では耐摩耗性を十分に改善することができず、上記上限を超えると製造コストが高くなり現実的ではない。
[その他の成分]
本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて上記成分(A)〜(D)以外のその他の成分、例えば、各種の添加剤、充填材等を適宜配合することができる。
添加剤としては、酸化防止剤、酸性化合物及びその誘導体、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、難燃剤、耐衝撃改良剤、発泡剤、着色剤、有機過酸化物等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、ガラスカットファイバー、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、ガラス粉末、炭化ケイ素、窒化ケイ素、石膏、石膏ウィスカー、焼成カオリン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、金属粉、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、炭素繊維等の無機充填材;澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の天然由来のポリマーやこれらの変性品等の有機充填材等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。充填材の配合量は通常、全成分の50質量%以下であり、好ましくは30質量%以下である。
[ポリエステル系熱可塑性エラストマーの製造方法]
本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)〜(C)、好ましくは成分(A)〜(D)、必要に応じて配合されるその他の成分を、公知の方法、例えば、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、タンブラーブレンダー等で機械的に混合した後、公知の方法で機械的に溶融混練することにより製造することができる。機械的溶融混練には、バンバリーミキサー、各種ニーダー、単軸又は二軸押出機等の一般的な溶融混練機を用いることができる。
本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物は、可塑剤である成分(C)のエステル系化合物を成分(B)のゴム質重合体に含浸させて複合体とした後、成分(A)、成分(D)、必要に応じて配合されるその他の成分を、公知の方法、例えば、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、タンブラーブレンダー等で機械的に混合した後、公知の方法で機械的に溶融混練することにより製造することもできる。この場合も、機械的溶融混練には、バンバリーミキサー、各種ニーダー、単軸又は二軸押出機等の一般的な溶融混練機を用いることができる。
成分(C)のエステル系化合物を成分(B)のゴム質重合体に含浸させる場合は、ゴム質重合体100質量部に対して、エステル系化合物の配合量を66質量部以下とすることが好ましい。エステル系化合物が66質量部を超えると、配合したエステル系化合物の全量をゴム質重合体に含浸させることができないおそれがある。
[ポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物の物性]
本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物は、その適用される用途の観点から、射出成形性に優れることが求められるため、ISO 1133に従って、230℃、荷重2.16kgfで測定されたメルトフローレート(MFR)が100g/10分以下であることが好ましく、90g/10分以下であることがより好ましく、80g/10分であることが更に好ましい。MFRが上記上限を超えると射出成形時にバリが発生し、成形体を得ることができないことが考えられる。
本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物は、その適用される用途の観点から、柔らかな触感が求められるため、デュロA硬度が40〜90であることが好ましく、50〜80であることがより好ましく、60〜70であることがさらに好ましい。
また、本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物は、その適用される用途の観点から、人体の油脂成分、機械油等の油成分と接触することが容易に予想され、これらの油成分に対する耐油性が求められるため、加硫ゴムや熱可塑性ゴムの耐液性試験油「IRM903」に室温で24時間浸漬させた後の質量増加率および体積増加率が9%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。
本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物は、その適用される用途の観点から、耐摩耗性に優れることが求められるため、テーバー摩耗試験における摩耗前後の質量減少量が1000mg以下であることが好ましく、500mg以下であることがより好ましく、300mg以下であることがさらに好ましい。
なお、上記のデュロA硬度、耐油性、耐摩耗性の評価方法については実施例の項に具体的に記載する。
〔ポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物の成形体〕
本発明の成形体は、本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物を用いて成形されたものである。
本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物は、特定のゴム質重合体を使用することにより成形性に優れるため、射出成形、押出成形、ブロー成形などの様々な成形方法で成形することが可能であり、射出成形とブロー成形を合わせたインジェクションブロー成形などの複数の成形加工技術を合わせた成形方法にも適用することができる。
本発明のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物により製造された成形体は、軟質な質感を有し、耐油性、耐摩耗性等に優れたものである。このため、文房具;玩具;スポーツ用品;携帯電話やスマートフォン等のカバー;グリップ等の部品;学校教材、家電製品、OA機器の補修部品、自動車、オートバイ、自転車等の各種パーツ;建装材等の部材等の各種用途に好適に用いることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味を持つものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
〔原料〕
<成分(A)>
A−1:LGケミカル社製KEYFLEX(登録商標) BT1028D
ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体
ポリテトラメチレングリコールのユニットの数平均分子量:2000
ポリブチレンテレフタレートユニットの含有量:25質量%
ポリテトラメチレングリコールユニットの含有量:75質量%
A−2:LGケミカル社製KEYFLEX(登録商標) BT1030D
ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体
ポリテトラメチレングリコールのユニットの数平均分子量:2000
ポリブチレンテレフタレートユニットの含有量:30質量%
ポリテトラメチレングリコールユニットの含有量:70質量%
A−3:LGケミカル社製KEYFLEX(登録商標) BT1033D
ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体
ポリテトラメチレングリコールのユニットの数平均分子量:2000
ポリブチレンテレフタレートユニットの含有量:36質量%
ポリテトラメチレングリコールユニットの含有量:64質量%
<成分(B)>
B−1:カネカ社製カネエース(登録商標) FM−40
アクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル共重体
B−2:三菱レイヨン社製メタブレン(登録商標) W−450
メタクリル酸アルキル/アクリル酸アルキル共重合体
B−3:三菱レイヨン社製メタブレン(登録商標) S−2001
メタクリル酸アルキル/アクリル酸アルキル/ジメチルシロキサン共重合体
B−4:日本ゼオン社製ナイポール(登録商標) 1411
アクリロニトリル/ブタジエン共重合体
B−5:オムノバ社製ケミガム(登録商標) P−83
アクリロニトリル/ブタジエン共重合体
B−6:三菱レイヨン社製メタブレン(登録商標) S−2501
メタクリル酸アルキル/アクリル酸アルキル/ジメチルシロキサン共重合体
B−7:クレイトン社製クレイトン(登録商標) G1641HU
スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン ブロック共重合体
<成分(C)>
C−1:ジェイプラス社製 TOTM(登録商標)
トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル
C−2:出光興産社製プロセスオイル(登録商標) PW−90
石油系炭化水素(鉱油)
<成分(D)>
D−1:日清紡ケミカル社製カルボジライト(登録商標)LA−1
カルボジイミド変性イソシアネート
〔実施例1〜13、比較例1〜3〕
[ポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物の製造]
表−1,表−2の配合組成に記載の各成分を二軸混練機により溶融混練(シリンダー温度200)し、ポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
[物性評価用成形体の作成]
上記のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを、射出成形機(日本製鋼所社製「J110AD」、型締め力110T)を用いて、金型温度40℃、シリンダー温度200〜230℃にて射出成形を行い、100mm×100mm、厚み2mmの成形体を得た。
以下、それぞれ「物性評価用成形体」と称す。
〔評価方法〕
表−1,表−2に示す実施例1〜13、比較例1〜3のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物のペレットおよび物性評価用成形体を以下方法により評価した結果を表−1,表−2に示す。
<MFR>
ポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物のペレットについて、MFR(ISO 1133(230℃、荷重2.16kgf))を測定した。
<成形性>
射出成形において成形物を金型から取り出す際の取り出しやすさを以下の基準で評価した。
+:金型から成形体を取り出す際、人力を用いて強い力で引っ張る必要がある。
++:金型から成形体を取り出す際、人力を用いて軽い力で引っ張る必要がある。
+++:金型から成形体を取り出す際、人力を用いる必要がない。
<デュロA硬度>
上記で作成した物性評価用成形体について、ISO 7619−1に準拠してデュロA硬度を測定した。
<耐油性>
上記で作成した物性評価用成形体を、JIS K6258及びASTM D47で規定された、加硫ゴムや熱可塑性ゴムの耐液性試験油「IRM903」に室温で24時間浸漬させて、浸漬前後の質量増加率および体積増加率を測定することで耐油性を評価した。質量増加率、体積増加率ともに0に近い方が望ましい。
<耐摩耗性>
上記で作成した物性評価用成形体について、東洋精機社製テーバー式摩耗試験機を使用して、摩耗試験前後の質量減少量と摩耗跡外観を評価した。摩耗輪として「CS−17」を用い、9.8Nの荷重をかけ、1000回転させた。質量減少量については摩耗試験前後の質量減少量が少ない方が好ましく、摩耗跡外観は「+」、「++」、「+++」で相対的に評価し、「+」が多いほど好ましい。
Figure 2018150525
Figure 2018150525
[考察]
比較例1および2は表−2に示す通り、ポリエステルエラストマーとエステル系化合物のみを用い、ゴム質重合体を用いていないものであり、耐油性および耐摩耗性に優れているが、成形性が劣る。
比較例3はゴム質重合体としてスチレン系熱可塑性エラストマーを、エステル系化合物としてパラフィンオイルを使用したものであり、成形性は劣っていないものの、耐油性と耐摩耗性に劣っていることが分かった。
これに対して、実施例1〜13は、ゴム質重合体としてアクリレート/メチルメタクリレート共重合体等のアクリル系コアシェル型ゴム質重合体、シリコーン/アクリレート/メチルメタクリレート共重合ゴム質重合体、シリコーン/アクリレート/アクリロニトリル/スチレン共重合体樹脂等のシリコーン系コアシェル型ゴム質共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合ゴム質重合体から選ばれるゴム質重合体を用い、エステル系化合物であるトリメリット酸トリ−2−エチルヘキシルを用いたものであり、比較例1〜3と比較して、柔軟性、耐油性、耐摩耗性、および成形性にバランスよく優れる。特に、実施例6については、カルボジイミド化合物を使用することで耐摩耗性が劇的に向上した。
表−1,表−2より、本発明によれば、ポリエステルエラストマーに、特定のゴム質重合体とエステル系化合物を配合することにより、軟質な質感を有し、耐油性、耐摩耗性および成形性に優れるポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物を提供することができることが分かる。さらにカルボジイミド化合物を配合することにより耐摩耗性をさらに高めることができることが分かる。
本発明によれば、ポリエステルエラストマーに、特定のゴム質重合体とエステル系化合物、好ましくは更にカルボジイミド化合物を配合することにより軟質な質感を有し、耐油性、耐摩耗性に優れる成形体を提供することができる。本発明により製造された成形体は文房具;玩具;スポーツ用品;携帯電話やスマートフォン等のカバー;グリップ等の部品;学校教材、家電製品、OA機器の補修部品、自動車、オートバイ、自転車等の各種パーツ;建装材等の部材等の用途に好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 下記成分(A)〜(C)を含むことを特徴とするポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
    成分(A):ポリエステルエラストマー
    成分(B):アクリル系コアシェル型ゴム質重合体、シリコーン系コアシェル型ゴム質共重合体、およびブタジエン/アクリロニトリル共重合ゴム質重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム質重合体
    成分(C):エステル系化合物
  2. 前記成分(A)のポリエステルエラストマー100質量部に対し、前記成分(B)のゴム質重合体を10〜400質量部、成分(C)のエステル系化合物を6〜100質量部含むことを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 更に、成分(D)としてカルボジイミド化合物を、前記成分(A)のポリエステルエラストマー100質量部に対し0.01〜10質量部含む請求項1または2に記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 成分(A)がポリアルキレングリコール成分を含み、該ポリアルキレングリコールがポリテトラメチレングリコールである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 成分(A)のポリアルキレングリコール成分を含み、該ポリアルキレングリコール成分の含有量が60質量%以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 成分(B)がメタクリル酸アルキル化合物に由来する単位を含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 成分(C)がトリメリット酸トリ−2−エチルへキシルである請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 成分(D)がカルボジイミド変性イソシアネートである請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
  9. グリップ用ポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物である請求項1乃至8のいずれか1項に記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー組成物を原料とする成形体。
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