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JP2019064260A - コンクリート構造体用又は錆部を有する構造体用の追従性積層シート及びそれらの施工方法 - Google Patents

コンクリート構造体用又は錆部を有する構造体用の追従性積層シート及びそれらの施工方法 Download PDF

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JP2019064260A
JP2019064260A JP2018182252A JP2018182252A JP2019064260A JP 2019064260 A JP2019064260 A JP 2019064260A JP 2018182252 A JP2018182252 A JP 2018182252A JP 2018182252 A JP2018182252 A JP 2018182252A JP 2019064260 A JP2019064260 A JP 2019064260A
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Haruna Mizumachi
春菜 水町
佐藤 忍
Shinobu Sato
佐藤  忍
奈央 佐藤
Nao Sato
奈央 佐藤
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Abstract

【課題】コンクリート構造体のクラック、ひび割れ等による不良箇所、凸凹とした不陸部に対して視認可能に追従し、且つ簡易に保護又は補強し得るコンクリート構造体用の追従性積層シート、又は錆の進行を簡易に抑制し得る錆部を有する構造体用の追従性積層シートの提供。【解決手段】樹脂層120、及び感圧接着剤層110を備え、5%引張り時の応力が約10N/cm以下であり、30%引張り時の5分後の残留応力が約10N/cm以下であり、且つ可視光線透過率が約80.0%以上であり、コンクリート構造体用又は錆部を有する構造体用として使用される追従性積層シート100。【選択図】図1

Description

本開示は、コンクリート構造体用又は錆部を有する構造体用の追従性積層シート及びそれらの施工方法に関する。
従来、橋梁、トンネル、高架道路などのコンクリート構造体において、コンクリート片の剥落等につながる、クラック、ひび割れ、鉄筋の露出等を発見した場合、係る不良箇所に対して、コンクリート剥落防止用のコーティング剤などを適用して補強する方法、接着剤を塗布した後に補強用繊維層を適用して補強する方法、又は、補強用繊維層と粒径の大きい無機充填剤等を含有する粘着剤層とを含む補強用物品を適用する方法などが使用されてきた。
露出して錆びた鉄筋などに対しては、防錆処理剤などを塗布して錆びの進行を抑制していた。
特許文献1(特開2006−342538号公報)には、コンクリート構造物表面に下塗り樹脂を塗布し、該塗布面に繊維基材を被着し、該繊維基材表面に上塗り樹脂を塗布するコンクリート構造物の補修方法であって、下塗り樹脂の粘度が4,000mPa・s以上100,000mPa・s以下、チクソトロピックインデックスが2.0以上5.0以下であり、上塗り樹脂の粘度が100mPa・s以上4,000mPa・s未満、チクソトロピックインデックスが1.0以上2.0未満である、コンクリート構造物の補修方法が記載されている。
特許文献2(特開2017−119995号公報)には、粘着性アクリルポリマー及び1〜500μmの粒子径を有する無機微粒子を含有する粘着剤層と、前記粘着剤層中に配置される繊維シートとを含む粘着性物品であって、該物品の両主面上に粘着剤層が存在する、粘着性物品を、コンクリート構造体に直接適用する工程、を備える、コンクリート構造体の剥落を防止する粘着性物品の施工方法が記載されている。
特許文献3(特開2005−060803号公報)には、鋼材の腐食による欠損個所に亜鉛ペーストを充填し、その上から亜鉛箔を貼り付けて遮蔽する、鋼材の防食方法が記載されている。
特許文献4(特開2016−056411号公報)には、錆の発生した亜鉛めっき鋼材に用いられる錆処理剤であって、(a)エポキシ樹脂、(b)アセチルアセトン、(c)防錆顔料、(d)体質顔料及び(e)溶剤を含有する主剤と、硬化剤とから構成され、前記主剤と硬化剤とを混合した後の粘度が、50〜3,800mPa・s(20℃)である、錆処理剤が記載されている。
特開2006−342538号公報 特開2017−119995号公報 特開2005−060803号公報 特開2016−056411号公報
しかしながら、不良箇所に対してコーティング剤若しくは接着剤を適用する補修方法又は防錆方法は、複雑な作業工程及び時間を要し、作業中に道路を一部封鎖するなどの必要性があるため、通常、不良箇所を発見した直後には作業を行わず、係る不良箇所に対してマーカー等で目印をつけておき、作業許可がおりた後に、補強又は防錆工事が行われていた。その結果、このような工事を行う前に、小さなコンクリート片等が落下し、事故につながるおそれがあったり、錆がさらに進行するおそれがあった。
補強用繊維層及び粒径の大きい無機充填剤等を含有する粘着剤層を含む補強用物品は、補強効果には優れるが、一般的に剛性が高く不透明であるため、係る補強用物品を不良箇所に対して適用した場合、係る物品が十分に追従、接着しているかを確認することができず、またコンクリート構造体、露出した鉄筋の経時劣化を観察することもできない。
亜鉛粉末等の錆抑制剤を含む防錆処理剤も、一般的に不透明であるため、係る処理剤を適用した錆部の経時変化を観察することができない。
したがって、不良箇所を発見した直後に、不良箇所の状態又はマーカー等の目印が視認できる状態で、コンクリート構造体の不良箇所、凸凹とした不陸部に対しても追従して少なくとも一時的に保護又は補強できる、簡易な保護又は補強手段が望まれていた。
露出した鉄筋等の錆部を発見した直後に、それを視認できる状態で、少なくとも錆部に対して追従し、錆の進行を抑制する簡易な手段が望まれていた。
本開示は、コンクリート構造体のクラック、ひび割れ等による不良箇所、凸凹とした不陸部に対して視認可能に追従し、コンクリート構造体を少なくとも一時的に、且つ簡易に保護又は補強し得るコンクリート構造体用の追従性積層シート、又は少なくとも構造体の錆部に対して視認可能に追従し、錆の進行を簡易に抑制し得る錆部を有する構造体用の追従性積層シートを提供する。
本開示の一実施態様によれば、樹脂層、及び感圧接着剤層を備え、5%引張り時の応力が、約10N/cm以下であり、30%引張り時の5分後の残留応力が、約10N/cm以下であり、且つ、可視光線透過率が、約80.0%以上であり、コンクリート構造体用又は錆部を有する構造体用として使用される、追従性積層シート(以下、単に「積層シート」という場合がある。)が提供される。
本開示の別の実施態様によれば、上記実施態様の積層シートが、ロール状に巻かれたロール体が提供される。
本開示の別の実施態様によれば、上記実施態様の積層シートを、コンクリート構造体の不良箇所等の表面に適用する工程、及び該表面に積層シートを追従させる工程、を備える、コンクリート構造体の不良箇所等の表面を視認可能に少なくとも一時的に保護する積層シートの施工方法が提供される。
本開示の別の実施態様によれば、上記実施態様の積層シートを、錆部を有する構造体の該錆部を覆うように適用する工程、及び、錆部及び構造体の表面に積層シートを追従させる工程、を備える、錆部を有する構造体の表面を視認可能に錆の進行を抑制する積層シートの施工方法が提供される。
本開示の追従性積層シートを、コンクリート構造体用として使用した場合には、コンクリート構造体のクラック、ひび割れ等による不良箇所、凸凹とした不陸部に対して視認可能に追従し、コンクリート構造体を少なくとも一時的に、且つ簡易に保護又は補強することができる。
本開示の追従性積層シートを、錆部を有する構造体用として使用した場合には、構造体の錆部等に対して視認可能に追従し、錆部における錆の進行を抑制することができる。
本開示のコンクリート構造体用又は錆部を有する構造体用の追従性積層シートは、所定の引張り応力を有するため、錆部、不良箇所及び凸凹とした不陸部に対しても追従して貼り合わせることができ、所定の残留応力を有するため、該シートが伸ばされた状態で、錆部、不良箇所及び不陸部に適用されたとしてもシートの縮み等に伴う剥がれ等の不具合を防止することができる。
上述の記載は、本発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
本開示の一実施態様の追従性積層シートの断面図である。 本開示の一実施態様の追従性積層シートを不陸部に対して適用したコンクリート構造体の断面図である。 追従性試験装置の上面図及び側面図である。 本開示の実施例1及び比較例4の実施態様における追従性積層シートの追従性試験に関する写真である。 突き刺し試験装置の側面図である。 本開示の実施例1及び比較例4の実施態様における追従性積層シートを外径100mmの3インチ管に巻き取ったときの折れ皺に関する写真である。 本開示の一実施態様の追従性積層シートを、錆部及び凹凸部に対して適用した構造体の断面図である。 (a)は、防錆試験における試験片の正面図であり、(b)は、切断線A−A’における試験片の断面図である。
第1の実施形態における追従性積層シートは、樹脂層、及び感圧接着剤層を備えており、5%引張り時の応力が、約10N/cm以下であり、30%引張り時の5分後の残留応力が、約10N/cm以下であり、且つ可視光線透過率が、約80.0%以上であり、コンクリート構造体用又は錆部を有する構造体用として使用される。係る構成の積層シートをコンクリート構造体用として使用した場合、積層シートは、コンクリート構造体のクラック、ひび割れ等による不良箇所、凸凹とした不陸部に対して視認可能に追従し、コンクリート構造体を少なくとも一時的に、且つ、簡易に保護又は補強することができる。追従性の悪いシートの場合、シートと不良箇所又は不陸部との間に空隙部が生じ、係る空隙部を通じて水分等が侵入するため、コンクリート構造体の劣化を進行させてしまうおそれがある。
係る構成の積層シートを錆部を有する構造体用として使用した場合、積層シートは、構造体の錆部等に対して視認可能に追従し、水分及び塩分等の侵入を防ぐことができるため錆の進行を抑制することができる。追従性の悪いシートの場合、シートと錆部などとの間に空隙部が生じ、係る空隙部を通じて水分及び塩分等が侵入するため、錆の進行を抑制できないおそれがある。適用する構造体が、例えば、鉄筋等の錆部を有するコンクリート構造体である場合、積層シートは、このような構造体を少なくとも一時的に、且つ、簡易に保護又は補強することもできる。
第1の実施形態における追従性積層シートにおける樹脂層は、ポリオレフィンフィルムを含むことができ、樹脂層の厚さとしては、約0.05mm以上、且つ約0.25mm未満にすることができる。係る樹脂層を採用した場合には、錆部、不良箇所及び不陸部等への追従性並びに耐突き刺し性をより向上させることができる。
第1の実施形態における追従性積層シートにおける感圧接着剤層は、(メタ)アクリル系感圧接着剤層を含むことができ、感圧接着剤層の厚さとしては、約0.3mm以上、且つ約1.5mm未満にすることができる。係る感圧接着剤層を採用した場合には、コンクリート構造体等の各種構造体に対して十分な接着力を発現することができるとともに、積層シートをロール状に巻いた場合の折れ皺の発生を防止することもできる。
第1の実施形態における追従性積層シートにおける樹脂層は、少なくともその片面に、無機粒子含有処理層を備えることができる。係る処理層は、感圧接着剤層との親和性に優れるため、感圧接着剤層との層間接着力をより向上させることができる。
第1の実施形態における追従性積層シートは、可視光線透過率が約80.0%未満である補強層を含まなくてもよい。本開示の積層シートは、織物等の不透明な補強層を含まない構成とすることができるため、積層シートをコンクリート構造体等の各種構造体に適用した後でも、錆部、不良箇所及び目印等を視認することができる。
第1の実施形態における追従性積層シートは、5%引張り時の応力が約10N/cmよりも大きく、且つ30%引張り時の5分後の残留応力が約10N/cmよりも大きい補強層を含まなくてもよい。本開示の積層シートは、係る補強層を含まない構成とすることができるため、積層シートを、構造体の錆部、コンクリート構造体の不良箇所及び不陸部に追従性よく適用することができるとともに、該積層シートが伸ばされた状態で、錆部、不良箇所及び不陸部に適用されたとしても、積層シートの縮み等に伴う剥がれ等の不具合を防止することができる。
第1の実施形態における追従性積層シートは、使用環境、使用用途等に応じて、約30N以上の突き刺し強度、約5N/cm以上のT型剥離強度、約20〜約60N/cmの最大引張り強度、約15%以上の降伏点、及び約5N/cm以上のコンクリートブロックに対する90度剥離強度からなる群から選択される少なくとも一種の特性をさらに有することができる。
第1の実施形態における追従性積層シートは、感圧接着剤層の樹脂層適用面の反対側の面に剥離ライナーを備え、且つ樹脂層の感圧接着剤層適用面の反対側の面に剥離処理が施されてない構成にすることができる。係る構成にすることで、積層シートを積み重ねたり、ロール状に巻いたとしても、ブロッキングを防止することができるとともに、積層シートをコンクリート構造体等の各種構造体に貼り合わせた後、係る積層シート上に、さらに別の積層シートを重ね貼りすることもできる。
第1の実施形態における追従性積層シートは、所定の引張り応力及び残留応力を有するため、ロール状に巻かれたロール体の形態にすることができる。
第1の実施形態における追従性積層シートのコンクリート構造体への施工方法は、係る積層シートを、コンクリート構造体の不良箇所等の表面に適用する工程、及び、該表面に積層シートを追従させる工程、を備える。この施工方法は、施工時に塗布手段を必要とする従来の施工方法に比べ、熟練度を要さず、短時間で簡易に、コンクリート構造体のクラック、ひび割れ等による不良箇所、凸凹とした不陸部を視認可能に少なくとも一時的に保護することができる。ここで、「少なくとも一時的に保護する」とは、コンクリート構造体の永続的な保護又は補強に限らず、コンクリート構造体の補強工事の前に、小さなコンクリート片等の落下を防ぐための応急処置的な保護又は補強を包含することを意図する。したがって、本開示の積層シートは、コンクリート構造体を一時的に保護し得る、応急パッチ用としても使用することができる。
第1の実施形態における追従性積層シートの錆部を有する構造体への施工方法は、係る積層シートを、構造体の錆部を覆うように適用する工程、及び、該錆部及び構造体の表面に積層シートを追従させる工程、を備える。この施工方法は、施工時に塗布手段を必要とする従来の施工方法に比べ、熟練度を要さず、短時間で簡易に、構造体の錆部を視認可能な状態としながら錆の進行を抑制することができる。構造体が、例えば、鉄筋等の錆部を有するコンクリート構造体である場合、この施工方法は、このような構造体を少なくとも一時的に保護することもできる。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。
本開示において「フィルム」には「シート」と呼ばれる物品も包含され、逆に「シート」には「フィルム」と呼ばれる物品も包含される。
本開示において「コンクリート構造体」には、鉄筋コンクリートのみならず、鉄筋なしのコンクリート、モルタル等のセメント系材料の構造体も包含される。
本開示において「(メタ)アクリル」とはアクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
本開示において「略」とは、製造上又は測定上の誤差などによって生じるバラつきを含むことを意味し、±約20%程度の変動が許容されることを意図する。
本開示において「錆の進行を抑制する」とは、錆の進行を完全に防ぐことに限らず、錆の進行を遅延させることを意図することができ、例えば、後述する防錆試験の各測定間隔において「優」の結果を呈するものを意図することができる。
本開示の一実施態様の追従性積層シートは、樹脂層、及び感圧接着剤層を備えるとともに、係る積層シートは、5%引張り時の応力が、約10N/cm以下であり、30%引張り時の5分後の残留応力が、約10N/cm以下であり、且つ可視光線透過率が、約80.0%以上であり、コンクリート構造体用又は錆部を有する構造体用として使用される。
本開示の一実施態様の追従性積層シート100を図1に断面図で示し、追従性積層シート200を不陸部に対して適用したコンクリート構造体250を図2に断面図で示し、追従性積層シート700を、錆部710を覆うようにして適用した構造体750を図7に示す。
《積層シートの特性》
〈5%引張り時の応力〉
本開示の追従性積層シートは、5%引張り時の応力が、約10N/cm以下であるため、図2及び7に示すような構造体250及び750の凸凹とした不陸部、錆部710等に対しても追従して貼り合わせることができる。係る積層シートの5%引張り時の応力は、追従性の観点から、約9N/cm以下、又は約8N/cm以下がより好ましい。係る応力の下限値については特に限定されるものではないが、例えば、耐突き刺し性も考慮する場合には、約1N/cm以上、約2N/cm以上、又は約3N/cm以上にすることができる。
〈30%引張り時の5分後の残留応力〉
本開示の追従性積層シートは、30%引張り時の5分後の残留応力が、約10N/cm以下であるため、該シートが伸ばされた状態で不陸部等に適用されたとしてもシートの縮み等に伴う剥がれ等の不具合を防止することができる。係る積層シートの30%引張り時の5分後の残留応力は、剥がれを防止する観点から、約9N/cm以下、又は約8N/cm以下がより好ましい。係る残留応力の下限値については特に限定されるものではないが、約1N/cm以上、約2N/cm以上、又は約3N/cm以上にすることができる。
〈可視光線透過率〉
本開示の追従性積層シートは、下記実施例において詳述する測定方法を使用して得られる可視光線透過率が、約80.0%以上であるため、構造体の地肌又は外観変化、錆部、及び不良箇所に適用される目印等を容易に視認することができる。係る積層シートの可視光線透過率は、視認性の観点から、約85.0%以上、又は約87.0%以上であることがより好ましい。可視光線透過率の上限値については特に限定されるものではないが、約100%以下、約100%未満、又は約99.9%以下と規定することができる。
〈任意の特性〉
本開示の追従性積層シートは、上記の特性以外に、使用環境、使用条件等を考慮し、さらに以下の特性のうちの少なくとも一種を有していてもよい。
(突き刺し強度)
本開示の追従性積層シートは、約30N以上、約40N以上、又は約50N以上の突き刺し強度を有することができる。突き刺し強度の上限値については特に限定されるものではないが、約70N以下、約65N以下、又は約60N以下と規定することができる。係る突き刺し強度を有する積層シートは、例えば、鋭い錆部を有する構造体、又は鋭いコンクリート片を有するコンクリート表面であっても十分な耐久性を呈することができる。
(T型剥離強度)
本開示の追従性積層シートは、約5N/cm以上、約5.5N/cm以上、又は約6N/cm以上のT型剥離強度を有することができる。T型剥離強度の上限値については特に限定されるものではないが、約30N/cm以下、約25/cm以下、又は約20N/cm以下と規定することができる。係るT型剥離強度を有する積層シートは、樹脂層と感圧接着剤層との層間接着力に優れるため、コンクリート構造体等の各種構造体に対して十分な保護又は補強効果、及び防錆効果を呈することができる。
(最大引張り強度)
本開示の追従性積層シートは、約20N/cm以上、約23N/cm以上、又は約25N/cm以上の最大引張り強度を有することができ、約60N/cm以下、約55N/cm以下、又は約50N/cm以下の最大引張り強度を有することができる。係る最大引張り強度を有する積層シートは、凹凸追従性及び耐突き刺し性のバランスにより優れている。
(降伏点)
本開示の追従性積層シートは、約15%以上、約18%以上、又は約20%以上の降伏点を有することができる。降伏点の上限値については特に限定されるものではないが、約35%以下、約30%以下、又は約25%以下と規定することができる。係る降伏点を有する積層シートは、凹凸追従性をより向上させることができる。
(コンクリートブロックに対する90度剥離強度)
本開示の追従性積層シートは、約5N/cm以上、約5.5N/cm以上、又は約6N/cm以上のコンクリートブロックに対する90度剥離強度を有することができる。係る剥離強度の上限値については特に限定されるものではないが、約20N/cm以下、約15/cm以下、又は約10N/cm以下と規定することができる。係る剥離強度を有する積層シートは、錆部、不良箇所又は不陸部を有するコンクリート構造体であっても十分な接着力を有するため、係る構造体をより保護又は補強することができ、錆の進行を抑制することもできる。
以上の各種特性は、以下に示す、積層シートを構成する樹脂層及び感圧接着剤層の材料、厚さ等を適宜調整することによって得ることができる。
《樹脂層》
樹脂層は、耐突き刺し性、不陸部等への追従性、耐候性、防汚性、防水性、防湿性、遮塩性などの少なくとも1つの性能を付与し得る、コンクリート構造体等の各種構造体の保護層又は補強層として機能する材であってよく、本開示の積層シートに対し、所定の、引張り応力、残留応力、及び可視光線透過率を付与し得る層であれば、如何なる材であってもよい。樹脂層の材料としては、次のものに限定されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等の樹脂を1種又は2種以上使用することができる。樹脂層は、係る樹脂を溶融押出し、塗装、溶剤キャストなどによって感圧接着剤層に積層してもよく、予めフィルム又はシートの形態に成型したものを感圧接着剤層に適用してもよい。樹脂層は、単層又は積層構成であってもよい。樹脂層の片面又は両面に、無機蒸着層等のガスバリア層を適用することができる。係るガスバリア層を有する樹脂層は、防湿性、防水性に優れることから、錆の進行をより抑制することができる。
〈ポリオレフィン〉
上記樹脂材料の中でも、ポリオレフィンが好ましく、具体的には、低密度ポリエチレン等のポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマーなどを1種、又は2種以上、積層若しくはブレンドなどして使用することができる。追従性、耐突き刺し性等の観点から、ポリオレフィンの中でも、アイオノマー、及びメタロセン触媒系又はチーグラー触媒系のポリエチレンである線状低密度ポリエチレンが好ましい。係るポリエチレンは、触媒の存在下、エチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとを比較的低圧で共重合して得ることができる。係るポリエチレンの密度は約0.91〜約0.95g/cm、メルトフローレート(MFR)は約0.3〜約3g/10分の範囲内とすることができる。
特に、線状低密度ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体/線状低密度ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体/線状低密度ポリエチレンを含む構成の樹脂層は、透明性、追従性、耐突き刺し性等の性能をより向上させることができる。係る構成の場合、最外層及び中央部に使用される線状低密度ポリエチレンの密度も、透明性、追従性、べたつき性等を考慮し、約0.91〜約0.95g/cmの範囲にすることができる。エチレン−酢酸ビニル共重合体は、樹脂層に柔軟性を付与することができ、この共重合体における酢酸ビニルの含有率は、柔軟性、成形性等の観点から、約3質量%以上又は約5質量%以上、約25質量%以下又は約20質量%以下の範囲にすることができる。
〈他の添加成分〉
樹脂層は、透明性等に不具合を生じさせない範囲で、充填剤、可塑剤、顔料、染料、補強剤、強化剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定化剤、錆抑制剤等の添加剤を含んでいてもよい。
例えば、錆抑制剤として、亜鉛等の金属粉末を使用する場合、係る金属粉末自体の錆によって積層シートの透明性が低下するおそれがある。したがって、このような金属粉末の添加量としては、透明性の観点から、樹脂層全体の約0.1質量%以下であることが好ましく、樹脂層に含まれてないことがより好ましい。
〈厚さ〉
樹脂層の厚さとしては、耐突き刺し性、追従性等の観点から、約0.05mm以上、約0.07mm以上、又は約0.10mm以上、約0.25mm未満、約0.23mm以下、又は約0.20mm以下にすることができる。
〈無機粒子含有処理層〉
樹脂層は、その少なくとも片面に、無機(例えばシリカ)粒子含有処理層を備えることができる。積層シートの重ね貼りを考慮した場合には、無機粒子含有処理層は樹脂層の両面に適用されていることが好ましい。係る処理層は、以下に示す感圧接着剤層、特に、(メタ)アクリル系感圧接着剤に対する層間接着力を、一般的なコロナ処理等の表面処理に比べて向上させることができる。これは、無機粒子含有処理層が(メタ)アクリル系感圧接着剤に対して親和性に優れるためであると考えている。親和性は、例えば、一般的に使用されている、水滴接触角試験で評価することができ、層間接着力の観点から、係る接触角は、約70度以下、約65度以下、又は約60度以下であることが好ましい。なお、ブロッキングを防止するためにフィルム中に混合される又はフィルム表面に適用されるブロッキング防止剤としてのシリカ粒子は、フィルムどうしの接触面積を減らすために最低限の量で使用されるものであるため、係るフィルムでは、感圧接着剤層に対する層間接着力を十分に発現することはできない。なお、シリカ以外に、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム等の他の無機粒子を使用することも可能である。親水性やコスト等の観点からシリカが好適である。
無機粒子含有処理層は、例えば、シリカゾル、樹脂バインダー、並びに必要に応じて界面活性剤及び水を含む混合液を、任意にコロナ処理を適用した樹脂フィルムに、塗布、乾燥させて形成することができる。樹脂バインダーとしては、例えば、ウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル変性ウレタン樹脂などの水性樹脂バインダーを使用することができる。ここで、シリカゾルとしては、日産化学社製の「スノーテックス(登録商標)20」(固形分濃度20%)などを使用することができる。シリカゾルに含まれるシリカ粒子の粒子径、及びシリカゾルの配合割合については、積層シートの透明性、樹脂層と感圧接着剤層との層間接着力等を考慮して適宜調整することができ、次のものに限定されないが、例えば、シリカゾル中のシリカ粒子の平均粒子径としては、透明性等の観点から、約5〜約100nmの範囲のものが好ましく、シリカゾルの配合割合としては、固形分重量比で、樹脂バインダーの約0.5〜約40倍の範囲にあるのが好ましい。
《感圧接着剤層》
本開示の追従性積層シートは、感圧接着剤層を備えるため、積層シートを、例えば、コンクリート構造体に単に貼り合わせるだけでコンクリート構造体を好適に保護又は補強することができ、貼り合わせ箇所に鉄筋等の錆部が露出している場合には、係る錆部の錆の進行を抑制することもできる。したがって、作業者のスキルによらず、短時間で簡易に各種構造体に対して積層シートを施工することができる。
〈厚さ〉
感圧接着剤の厚さとしては、各種構造体への接着性の観点から、約0.3mm以上、約0.4mm以上、又は約0.5mm以上であることが好ましい。積層シートは枚葉品として出荷することもできるが、ロール体の形態で出荷することもできる。ロール化した際の折れ皺の発生を防止する観点から、感圧接着剤層の厚さは、約1.5mm未満、約1.4mm以下、又は約1.3mm以下であることが好ましい。
〈(メタ)アクリル系感圧接着剤〉
感圧接着剤層としては、如何なるものでもよく、次のものに限定されないが、耐候性、接着性等の観点から、(メタ)アクリル系感圧接着剤層であることが好ましい。係る(メタ)アクリル系感圧接着剤層は粘着性であり、単官能モノマーと、任意に多官能(メタ)アクリレートとを含むモノマー成分を部分重合してなる部分重合体を含有することができる。ここで、「粘着性」とは、適用温度(20℃〜22℃で測定することができる)において10ラジアン/秒で測定した貯蔵弾性率(G’)が約3×10パスカル未満であることを意味する。
(単官能モノマー)
単官能モノマーは、アルキル基の炭素原子数が1〜18のアルキルアクリレート(以下、場合により「C1〜18アルキルアクリレート」と称する。)、並びに、ビニルカルボニル基及び極性基を有する不飽和モノマー(以下、場合により「極性不飽和モノマー」と称する。)から得ることができる。
単官能モノマーに占めるC1〜18アルキルアクリレートと極性不飽和モノマーとの割合は、単官能モノマーの総量を100質量%として、C1〜18アルキルアクリレートが、約70質量%以上、約85質量%以上又は約87質量%以上、約99質量%以下又は約98質量%以下であることが好ましく、極性不飽和モノマーが、約1質量%以上又は約2質量%以上、約30質量%以下、約15質量%以下又は約13質量%以下であることが好ましい。単官能モノマーに占めるC1〜18アルキルアクリレートと極性不飽和モノマーとの割合が、上記範囲内であると、不陸部等への追従性、接着力及び保持力に優れる。
a.C1〜18アルキルアクリレート
アルキル基の炭素原子数が1〜18のアルキルアクリレートとは、アルキルアクリレートをアクリル酸とアルキルアルコールのエステルとして見た場合に、当該アルキルアルコールの炭素原子数が1〜18であることを意味する。すなわち、アルキルアクリレートをCH=CH−COO−Rと表した場合、Rが、炭素原子数1〜18のアルキル基であることを意味する。
アルキルアクリレートのアルキル基の炭素原子数は、4以上であることが好ましく、12以下であることが好ましい。このようなアルキルアクリレートを単官能モノマーとして有すると、積層シートの接着力又は付着力が向上する。
アルキルアクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、イソノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ウンデシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、n−テトラデシルアクリレート、n−ペンタデシルアクリレート、n−ヘキサデシルアクリレート、n−ヘプタデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート等が挙げられる。
これらのうち、透明性、不陸部等への追従性、接着力、保持力等を考慮すると、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、イソノニルアクリレート、n−デシルアクリレートが好ましく、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレートがより好ましい。
b.極性不飽和モノマー(コモノマー)
極性不飽和モノマーは、ビニルカルボニル基及び極性基を有する。
極性基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、エポキシ基、ニトリル基等が挙げられ、これらのうち、水酸基、カルボキシル基、アミノ基が好ましい。
ビニルカルボニル基は、CH=CH−C(=O)−で表される基をいう。ビニルカルボニル基と極性基とは直接結合していてもよいし、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
極性不飽和モノマーとしては、例えば、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート等の水酸基含有不飽和モノマー;
アクリル酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー;
アクリルアミド等のカルバモイル基含有不飽和モノマー;
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート等のアミノ基含有モノマー;
グリシジルアクリレート等のエポキシ基含有不飽和モノマー;などが挙げられる。
透明性、不陸部等への追従性、接着力、保持力等を考慮すると、これらのうち、水酸基含有不飽和モノマー、カルボキシル基含有不飽和モノマー、カルバモイル基含有不飽和モノマーが好ましく、カルボキシル基含有不飽和モノマー、カルバモイル基含有不飽和モノマーがより好ましく、カルボキシル基含有不飽和モノマーがさらに好ましい。具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、アクリルアミドが好ましく、アクリル酸、アクリルアミドがより好ましく、アクリル酸がさらに好ましい。
(多官能(メタ)アクリレート)
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
透明性、不陸部等への追従性、接着力、保持力等を考慮すると、これらのうち、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
モノマー成分における多官能(メタ)アクリレートの含有量は、単官能モノマー100gに対して、約0.05mmol以上又は約0.1mmol以上、約0.8mmol以下であることが好ましい。多官能(メタ)アクリレートの含有割合が上記範囲であると、不陸部等への追従性、接着力及び保持力に優れる。
(部分重合体)
部分重合体は、モノマー成分を部分重合してなるものであり、「モノマー成分の部分重合体」ということもできる。
ここで部分重合体とは、モノマー成分の少なくとも一部が重合してなる組成物であって、係る組成物中に、単官能モノマー又は多官能(メタ)アクリレートに由来する未反応のエチレン性不飽和結合(C=C)が存在しているものをいう。
部分重合体の25℃における粘度は、約10000mPa・s以下、約8000mPa・s以下又は約5000mPa・s以下とすることができる。該粘度は約500mPa・s以上にすることもできる。部分重合体の粘度範囲が上記範囲であると、厚みをもたせて塗工できるため、透明性に優れる積層シートが得られるとともに、強度、追従性、接着力及び保持力に優れる積層シートを得ることができる。ここで規定する粘度とは、東京計器株式会社(日本国東京都港区)により製造されたB型粘度計(BH型)を用いて測定される値であり、測定は、#5又は#6ローターを用いて25℃で実施し(回転数:20rpm)、測定開始後1分の値を測定値とする。
部分重合体の粘度は、部分重合の進行度合いによって変化し、部分重合が進行するほど部分重合体の粘度は高くなる傾向にある。そのため、部分重合体の粘度は、部分重合に用いる重合開始剤の量、部分重合の反応時間等を適宜調整することで、容易に所望の範囲に調整することができる。
部分重合体は、未反応のモノマー成分と、該モノマー成分の重合体である固形分と、を含有するということもできる。ここで、部分重合体中の固形分量は、部分重合体の総量基準で約1質量%以上又は約2質量%以上、約10質量%以下又は約7質量%以下であってもよい。
部分重合体中の固形分量は、部分重合体から未反応のモノマー成分を除去した残りの固形分の量を測定することで求めることができ、例えば、部分重合体を120℃のオーブンで2時間乾燥させた後の質量を固形分量とすることができる。
(部分重合体における光重合開始剤)
部分重合体は、例えば、モノマー成分に光重合開始剤を配合して光照射して、モノマー成分を光重合することによって得ることができる。
光重合開始剤としては、例えば、アゾビスインブチロニトリル等のアゾ系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイソエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン等のベンゾイン類;
アントラキノン、メチルアントラキノン、クロルアントラキノン等のアントラキノン類;
p−メトキシベンゼンジアゾニウム、ヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニルアイオドニウム、トリフェニルスルフォニウム等のオニウム塩;等が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンジルジアルキルケタール類;
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン類;
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のα−アミノアルキルフェノン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;
ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン類;
1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;等も挙げられる。
(部分重合体の光照射条件)
光照射は、紫外線照射などを採用することができる。例えば、光重合開始剤を配合したモノマー成分に、照射強度約0.05mW/cm以上又は約0.1mW/cm以上、約10mW/cm以下又は約5mW/cm以下、照射時間約5秒以上又は約10秒以上、約300秒以下又は約240秒以下の条件で紫外線照射して、部分重合体を得ることができる。
(部分重合体以外の成分)
本実施形態において、(メタ)アクリル系感圧接着剤は、部分重合体以外の成分を含有していてもよい。
a.他の多官能(メタ)アクリレート
本実施形態において、(メタ)アクリル系感圧接着剤は、上記部分重合体とは別に、上述したような多官能(メタ)アクリレートをさらに添加したものであってもよい。本実施形態において、(メタ)アクリル系感圧接着剤に配合される多官能(メタ)アクリレートの総量は、前記単官能モノマー100gに対して約0.05mmol以上又は約0.1mmol以上、約0.8mmol以下とすることができる。
ここで「(メタ)アクリル系感圧接着剤に配合される多官能(メタ)アクリレートの総量」とは、存在する場合は部分重合体を得るためのモノマー成分として使用した多官能(メタ)アクリレートと、部分重合体とは別にアクリル系粘着剤組成物に添加された多官能(メタ)アクリレートの合計量を示す。
本実施形態においては、(メタ)アクリル系感圧接着剤に配合される多官能(メタ)アクリレートの総量を上記範囲とすることで、優れた追従性と保持力を両立させることができる。
b.光重合開始剤
(メタ)アクリル系感圧接着剤層は、光(紫外線等)硬化により、モノマー又はモノマーを含有する部分重合体から感圧接着剤層を直接形成することができるため、光重合で製造されることが好ましい(係る感圧接着剤層の感圧接着剤を、以下「光硬化型(メタ)アクリル系感圧接着剤」ともいう。)。光重合開始剤としては、上記と同様のものが挙げられる。光(紫外線等)硬化型の感圧接着剤の方が、ホットメルト塗工型、溶剤系等の他の感圧接着剤に比べて、次のような優位性を有する。
(1)本開示の光硬化型感圧接着剤は溶剤を含まなくてもよいため、溶剤系の接着剤等に比べて厚膜化、例えば0.3mm以上にし易い。また溶剤乾燥時の気泡が発生しないというメリットがある。
(2)ホットメルト塗工型感圧接着剤は、感圧接着剤層を形成する際に感圧接着剤を架橋せずに溶融押し出しする必要があるため、接着力、保持力が劣る。また感圧接着剤をポリオレフィン等の耐熱性の低い基材に溶融押し出しすると、樹脂層にダメージを与える等のリスクがあるが、本開示の光硬化型感圧接着剤はそのようなリスクを低減することができる。
(メタ)アクリル系感圧接着剤が含有する光重合開始剤は、上述の部分重合体の製造に用いた光重合開始剤の未反応物であってもよく、部分重合体の製造後に新たに添加されたものであってもよいが、感圧接着剤の分子量の調整のし易さ、生産性等を考慮すると、後者がより好ましい。
(メタ)アクリル系感圧接着剤における光重合開始剤の含有量は、部分重合体100質量部に対して約0.01質量部以上又は約0.05質量部以上、約1.0質量部以下又は約0.5質量部以下とすることができる。
(メタ)アクリル系感圧接着剤はその硬化前に、例えば真空脱泡機によって脱泡処理を施されていることが好ましい。これにより、気泡(空気)との接触による(メタ)アクリル系感圧接着剤の硬化阻害、外観不良等を抑制できる。
c.極性不飽和モノマー
(メタ)アクリル系感圧接着剤は、部分重合体とは別に、さらに極性不飽和モノマーを含有していてもよい。係るモノマーを含有させることで、(メタ)アクリル系感圧接着剤の接着力を調整することができる。ここで極性不飽和モノマーとしては上記と同じものが例示される。
d.充填剤
(メタ)アクリル系感圧接着剤は、透明性を考慮した場合、充填剤を含まないことが好ましいが、透明性に不具合を生じさせない範囲で、充填剤を含有してもよい。充填剤の含有量は、(メタ)アクリル系感圧接着剤の固形分全量基準で、約10体積%以下とすることができる。充填剤の含有量の下限値は特に制限されないが、例えば、約0.1体積%以上とすることができる。
充填剤の形状は特に制限されず、球状、板状、フレーク状、針状等の形状を有する充填剤を用いることができる。これらのうち、積層シートへの成形性等を考慮し、球状の充填剤が好ましい。透明性の観点から、充填剤の平均粒子径は約1μm未満であることが好ましい。透明性の観点から中空よりも中実が好ましい。
充填剤としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、バナジア、セリア、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化スズ、アルミニウム/シリカ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される無機物からなる無機充填剤が挙げられる。
e.他の添加成分
(メタ)アクリル系感圧接着剤は、透明性、硬化性等に不具合を生じさせない範囲で上記以外の添加剤を含有してもよい。該添加剤としては、可塑剤、粘着付与剤、顔料、染料、補強剤、強化剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、錆抑制剤、安定化剤等が挙げられる。
例えば、錆抑制剤として、亜鉛等の金属粉末を使用する場合、係る金属粉末自体の錆によって積層シートの透明性が低下するおそれがある。したがって、このような金属粉末の添加量としては、透明性の観点から、感圧接着剤層全体の約0.1質量%以下であることが好ましく、感圧接着剤層に含まれてないことがより好ましい。
《剥離ライナー》
本開示の追従性積層シートは、樹脂層の感圧接着剤層適用面の反対側の面に剥離処理が施されてもよく、この場合は、感圧接着剤層の樹脂層適用面の反対側の面に剥離ライナーを備えなくてもよい。しかしながら、樹脂層の感圧接着剤層適用面の反対側の面に剥離処理が施されていない場合には、感圧接着剤層の樹脂層適用面の反対側の面に剥離ライナーを備えることが好ましい。剥離ライナーを備える係る構成の場合には、樹脂層の表面に剥離処理が施されていないため、積層シートを重ね貼りすることができる。
剥離ライナーとして、例えば、紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、酢酸セルロースなどのプラスチック材料;このようなプラスチック材料で被覆された紙などを挙げることができる。これらの剥離ライナーは、シリコーンなどにより剥離処理した表面を有してもよい。剥離ライナーの厚さは、一般に、約5μm以上、約15μm以上又は約25μm以上、約300μm以下、約200μm以下又は約150μm以下である。通常、剥離ライナーは、コンクリート構造体への貼り付け前に積層シートから剥離される。
《補強基材》
本開示の追従性積層シートは、視認性等の観点から、可視光線透過率が80.0%未満である補強層を含まないことが好ましく、追従性、積層シート適用後の剥がれ、折れ皺の発生等の観点から、5%引張り時の応力が10N/cmよりも大きく、且つ30%引張り時の5分後の残留応力が10N/cmよりも大きい補強層を含まないことが好ましい。特に、織物、編物、不織布等の繊維系補強層は、透明性に劣り、伸びにくいため、係る繊維系補強層を含まないことがより好ましい。
《追従性積層シートの製造方法》
本開示の積層シートは、例えば以下の(1)〜(3)の方法により製造することができる。ここで、最終的に得られる積層シートは、枚葉品の形態であってもよく、ロール状に巻かれたロール体の形態であってもよい。
(1)感圧接着剤をナイフコーティング等の公知の塗布手段を用いて剥離ライナー上に適用して感圧接着剤層を形成した後、係る感圧接着剤層上に樹脂層を、溶融押出し法を用いて又はフィルム若しくはシートの形態で適用し、必要に応じて、光(紫外線等)を照射して感圧接着剤層を硬化させる。ここで、樹脂層の表面に無機粒子含有処理層が備わる場合は、係る処理層を感圧接着剤層側にして樹脂層を適用する。なお、感圧接着剤層を樹脂層に直接形成してもよい。
(2)光(紫外線等)硬化型感圧接着剤を公知の塗布手段を用いて剥離ライナー上に適用して未硬化の感圧接着剤層を形成し、係る感圧接着剤層上にさらに剥離ライナーを適用した後、光(紫外線等)を照射して感圧接着剤層を硬化させる。次いで、片方の剥離ライナーを除去し、その除去面に対して樹脂層を、溶融押出し法を用いて又はフィルム若しくはシートの形態で適用することができる。ここで、樹脂層の表面に無機粒子含有処理層が備わる場合は、係る処理層を感圧接着剤層側にして樹脂層を適用する。
(3)感圧接着剤を公知の塗布手段を用いて、フィルム若しくはシートの形態の樹脂層上に適用して感圧接着剤層を形成し、係る感圧接着剤層に剥離ライナーを適用し、必要に応じて、光(紫外線等)を照射して感圧接着剤層を硬化させる。ここで、樹脂層の表面に無機粒子含有処理層が備わる場合は、係る処理層が感圧接着剤層側になるように樹脂層を配置する。樹脂層の表面に剥離処理層が備わる場合は、剥離ライナーを適用しなくてもよい。
《追従性積層シートのコンクリート構造体への施工方法》
本開示の積層シートを、例えば以下の方法によりコンクリート構造体の不良箇所及び/又は不陸部等の表面に対して施工することができる。
コンクリート構造体の不良箇所等の表面に積層シートの感圧接着剤層を貼り合わせる。次いで、人の手又は治具等によって貼り合わせた積層シートを押圧して不良箇所、特に不陸部に積層シートを追従させる。ここで、積層シートの樹脂層表面に剥離処理が施されていない場合には、コンクリート構造体の不良箇所等の表面に適用した積層シートの少なくとも一部上にさらに、別の積層シートを重ね貼りすることができる。
<コンクリート構造体の表面処理>
コンクリート構造体表面の脆弱面の補強などの観点から、積層シートをコンクリート構造体の不良箇所等の脆弱面に適用する前に、コンクリート構造体表面にアクリル系接着剤、エポキシ系接着剤又は合成ゴム系接着剤などの表面処理剤を適用することができる。該表面処理剤は、熱、光、湿気などを与えると硬化促進する促進硬化性樹脂であってもよい。適用された表面処理層は、積層シートに対するプライマー層としての機能を有していてもよい。しかしながら、本開示の積層シートを、コンクリート構造体の一時的な応急パッチ用として使用する場合には、係る積層シートを後で取り外すことがあるため、このような場合には、コンクリート構造体に対して表面処理を行わなくてもよい。
《追従性積層シートの錆部を有する構造体への施工方法》
本開示の積層シートを、例えば以下の方法により錆部を有する構造体に対して施工することができる。
構造体の錆部を覆うように、追従性積層シートの感圧接着剤層を構造体の表面に貼り合わせる。次いで、人の手又は治具等によって貼り合わせた積層シートを押圧して錆部及び構造体の表面に積層シートを追従させる。ここで、積層シートの樹脂層表面に剥離処理が施されていない場合には、適用した積層シートの少なくとも一部上にさらに、別の積層シートを重ね貼りすることができる。
本開示において「錆部を有する構造体」とは、錆びた部分を有する構造体であれば特に制限はない。例えば、高速道路、線路、ビル等の建造物に使用される、鉄筋又は金属製ボルト等を備えるコンクリート構造体において、露出した鉄筋又は金属製ボルト等が錆びているようなコンクリート構造体;鉄等の腐食性金属から形成された、橋、柱、柵、手すり、階段、屋根、パイプ等の構造体、或いはそれらを備える構造体において、錆びた部分を有する構造体などを挙げることができる。
本開示において「錆部」とは、各種の腐食性金属から生じた錆発生部分を意味し、鉄等による赤錆又は茶錆に限らず、青錆、黒錆、白錆等の種々の錆部を包含することができる。
《実施例1〜11及び比較例1〜6》
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部及びパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
〈材料〉
本実施例で使用した試薬、原料などを以下の表1に示す。
〈追従性積層シートの調製〉
(実施例1)
94質量部の2EHA、6質量部のAA、及び0.04質量部のIrg.651を窒素パージしたガラス容器中で混合した。得られた混合物に対してUV−Aランプで紫外光を照射し、粘度が1000mPa・sになるまで該混合物を部分重合させた。紫外光を照射した後の混合物に、0.08質量部のHDDA、0.1質量部のIrg.651を加えて感圧接着剤用混合物を作製した。
次いで、シリコーンで処理された剥離性PETライナー上に、得られた感圧接着剤用混合物を0.5mm厚でナイフコーティングした後、別の剥離性PETライナーを感圧接着剤層上に配置し、UV−Aランプを用いて0.5mW/cm(総エネルギー:1000mJ/cm)の紫外光を照射して感圧接着剤層を紫外線硬化させた。
硬化後、片側の剥離性PETライナーを除去し、該除去面に樹脂層としてのテキナシ5−UV(商標)を無機粒子含有処理層が感圧接着剤層側になるように積層して追従性積層シートを得た。
(実施例2)
樹脂層をテキナシ5−UV(商標)からダイヤスター(登録商標)に変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(実施例3)
樹脂層をテキナシ5−UV(商標)からスーパーバーナル(商標)に変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(実施例4)
感圧接着剤層の厚さを、0.5mmから0.2mmに変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(実施例5)
感圧接着剤層の厚さを、0.5mmから0.8mmに変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(実施例6)
感圧接着剤層の厚さを、0.5mmから1.0mmに変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(実施例7)
感圧接着剤層の厚さを、0.5mmから1.5mmに変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(実施例8)
樹脂層をテキナシ5−UV(商標)からテクノセン光(商標)に変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(実施例9)
樹脂層をテキナシ5−UV(商標)からスカイコート5(商標)に変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(実施例10)
2EHAの配合量を94質量部から90質量部、AAの配合量を6質量部から10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(実施例11)
樹脂層をテキナシ5−UV(商標)から機能性PEフィルム(アイオノマー・EMAA)に変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
(比較例1)
樹脂層をテキナシ5−UV(商標)からデンカDXフィルム(商標)♯30に変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。ここで、コロナ処理されたアクリルポリマーリッチ面を、感圧接着剤層に対する積層面とした。
(比較例2)
感圧接着剤層の厚さを、0.5mmから0.2mmとし、樹脂層をテキナシ5−UV(商標)からデンカDXフィルム(商標)♯30に変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。ここで、コロナ処理されたアクリルポリマーリッチ面を、感圧接着剤層に対する積層面とした。
(比較例3)
実施例1において得られた感圧接着剤用混合物を、シリコーンで処理された剥離性PETライナー上に0.25mm厚でナイフコーティングした後、繊維系補強層であるCRENETTE(登録商標)DN1000を感圧接着剤層上に配置した。次いで、係る補強層上にタンデム型塗工装置によって実施例1において得られた感圧接着剤用混合物を0.25mm厚でコーティングし、別の剥離性PETライナーを感圧接着剤層上に配置し、UV−Aランプを用いて0.5mW/cm(総エネルギー:1000mJ/cm)の紫外光を照射して感圧接着剤層を紫外線硬化させた。
硬化後、片側の剥離性PETライナーを除去し、該除去面にテキナシ5−UV(商標)を無機粒子含有処理層が感圧接着剤層側になるように積層して積層シートを得た。
(比較例4)
樹脂層をテキナシ5−UV(商標)からPETフィルムに変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。ここで、コロナ処理されたPETフィルム面を、感圧接着剤層に対する積層面とした。
(比較例5)
地中埋設向け保護材の塩化ビニルテープ No.51を使用した。
(比較例6)
地中埋設向け保護材のポリエチレンテープ No.55を使用した。
〈積層シートの構成〉
実施例1〜11及び比較例1〜6における積層シートの構成を以下の表2に示す。
〈評価試験〉
上記の各積層シートについて、以下の試験1〜試験11を行い、その結果を表4に示す。
(試験1:引張り試験)
各積層シートを、幅25mm×長さ200mmの大きさに切断して試験片を作製した。試験片から剥離性PETライナーを除去した後、係る試験片を引張り試験機(株式会社島津製作所製:オートグラフAGS−X)に取り付け、引張り速度300mm/分にて試験した。係る引張り試験から、5%引張り時の応力、30%引張り時の5分後の残留応力、30%引張り時の最大応力、降伏点、及び最大引張り強度を求めることができる。
(試験2:追従性試験)
図3に示すように、不陸部等を模した3.0mm厚の鋼製テンプレート302を30mm幅の間隔で平行に透明なガラス板304上に固定した後、幅25mmの積層シート試験片300を弛まないように貼り付けた。その後、試験片300に対して均等に荷重がかかるように、試験片300との接触部が20mm×30mmの平滑面である1.5kgの鋼材306で試験片300の中央部を30秒間加圧した。その後、鋼材306を取り除き、試験片300の感圧接着剤がガラス板304と接触した面積を、ガラス板304の裏面から測定し、その面積を鋼材306が試験片300に接触した面積(25mm×20mm)で割り、その値(以下、「接触面積率」という場合がある。)から不陸部等への追従性を評価した。ここで、図4の実施例1の写真に示されるような接触面積率が約75%以上のものを「優」、接触面積率が、約75%未満、約50%以上のものを「良」、図4の比較例1の写真に示されるような接触面積率が約50%未満のものを「不可」と評価した。表4のカッコ内の数値は、接触面積率(%)を意味する。
(試験3:可視光線透過率)
色彩照度計(コニカミノルタジャパン株式会社:CL−200A)の受光部を覆うように、積層シートを配置して各サンプルの照度LXを太陽光下で測定した。測定サンプルを受光部に覆わない場合の照度LXに基づき、各積層シートの可視光線透過率を下記の式1より算出した。
(試験4:T型剥離強度)
各積層シートを、幅25mm×長さ200mmの大きさに切断した。ここで、引張り試験機で試験片の積層シートとアルミニウム箔とを各々つかんで引っ張れるようにするために、積層シートの先端の感圧接着剤層を一部除去してツマミ部を形成した。係る積層シートから剥離性PETライナーを除去した後、積層シートの感圧接着剤層を、30mm幅に切断された長さ約130mmの陽極酸化処理したアルミニウム箔に2kgのローラーを用いて圧着して試験片を作製した。圧着後、試験片を室温で20分間放置した後、試験片のアルミニウム箔が上側となり、且つ、地面に対して略水平方向となるように、係る試験片を引張り試験機(株式会社島津製作所製:オートグラフAGS−X)に取り付けた。試験片に対して略90度となるように積層シートを下方向に固定しつつ、試験片に対して略90度となるようにアルミニウム箔を上側に300mm/分の引張り速度で引っ張り、T型剥離強度を測定した。
(試験5:コンクリートブロックに対する90度剥離強度)
各積層シートを、幅25mm×長さ200mmの大きさに切断して試験片を作製した。試験片から剥離性PETライナーを除去した後、係る試験片の感圧接着剤層を、建設用コンクリートブロック(JIS A 5406−2010に準拠した標準コンクリートブロック)に2kgのローラーを用いて圧着した。圧着後、試験片を貼付したコンクリートブロックを室温で20分間放置した。次いで、コンクリートブロックに貼付された試験片を引張り試験機(株式会社島津製作所製:オートグラフAGS−X)に取り付け、コンクリートブロックに対して略90度上向きに、試験片を300mm/分の引張り速度で引っ張り、コンクリートブロックに対する90度剥離強度を測定した。
(試験6:突き刺し強度)
各積層シートを、幅50mm×長さ50mmの大きさに切断し、剥離性PETライナーを除去した後、図5に示されるように、試験片500の感圧接着剤層510を、直径20mmの孔が開けられた鋼製ブロック502上に貼り付けた。プッシュプルゲージ506(アイコーエンジニアリング株式会社製)に接続した鋼製コーン型アタッチメント504(アイコーエンジニアリング株式会社製:031B)を、孔の中心部上方に配置し、係るアタッチメント504を試験片に対して300mm/分の速度で押し込み、突き刺し強度(N)としての最大の力を測定した。
(試験7:ロール体外観試験)
各積層シートを3インチ管(内径76mm、外径100mm)又は6インチ管(内径153mm、外径180mm)に巻きつけてロール体を形成し、ロール体における積層シートの折れ皺の発生状況を目視で評価した。ここで、図6の実施例1の写真に示されるように、折れ皺が発生していなかったものを「優」、図6の比較例4の写真に示されるように、折れ皺が発生していたものを「不可」と評価した。
(試験8:防錆試験)
幅53mm×長さ100mm×厚さ2.0mmのSPCC鋼板に、積層シートの感圧接着剤層を貼り合わせて不要箇所を切断し、鋼板及び積層シートを有する積層板を作製した。係る積層板の積層シートに対し、図8に示すようなクロス状の傷部810をカッターで形成して試験片を調製した。ここで、傷部は、シートは貫通しているが、鋼板には深く傷が入らないような状態で、試験片の端部から少なくとも約10mm離れた位置に形成した。係る傷部の幅は、約0.5〜約1mmであった。
防錆試験は、JIS K 5600−7−9(塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第9節:サイクル腐食試験方法−塩水噴霧/乾燥/湿潤)のサイクルDに従い、以下の表3に示す条件で実施した。
ここで、試験槽内における試験片の場所は、測定毎に変更した。試験片は、相互に接触せず、試験槽の壁と接触しないように配置した。
表3に示される測定間隔で試験槽から試験片を取り出し、それを蒸留水で洗浄した後、試験片の外観を観察した。ここで、端部及び切り込み傷部に発生している錆の幅を測定し、その最大幅の大きさで防錆性能を評価した。最大幅が、4.00mm未満のものを「優」、4.00mm以上のものを「不可」と評価した。表4の防錆試験の結果は、120サイクル後の結果を示している。
(試験9:耐酸性試験)
剥離性ライナーを除去した積層シートを、12%の塩酸に1週間浸漬した後、積層シートを取り出し、塩酸のpH、並びに積層シートのゴム硬度、最大引張り強度、及び5分後の重量変化を測定し、変化が10%未満のものを「優」、10%以上のものを「不可」と評価した。ここで、ゴム硬度の測定は、JIS K6253に基づき、デユロメータを計測器として用いる方法で測定し、最大引張り強度の測定は、試験1と同様の方法で実施した。
(試験10:耐アルカリ性試験)
剥離性ライナーを除去した積層シートを、5%水酸化ナトリウム水溶液に1週間浸漬した後、積層シートを取り出し、水酸化ナトリウム水溶液のpH、並びに積層シートのゴム硬度、最大引張り強度、及び5分後の重量変化を測定し、変化が10%未満のものを「優」、10%以上のものを「不可」と評価した。ここで、ゴム硬度の測定は、JIS K6253に基づき、デユロメータを計測器として用いる方法で測定し、最大引張り強度の測定は、試験1と同様の方法で実施した。
(試験11:耐衝撃性試験)
JIS K 5600−5−3に準拠したデュポン式耐衝撃性試験によって、積層シートの耐衝撃性を評価した。ここで、厚さ1.0mmの鋼板に積層シートの感圧接着剤層を貼り合わせて作製した積層板を試験片とした。落下させる錘を収容可能な大きさの窪みを有する実験台上に、試験片を水平に配置し、500mmの高さから試験片に300gの錘を落下する。試験片に対し、割れ及び剥がれが観測されなかったものを「優」、割れ及び剥がれのいずれかが観測されたものを「不可」と評価した。試験は、2つの試験片に対して実施した。
<結果>
表4及び図4から分かるように、実施例1〜11における本開示の追従性積層シートは何れも、透明性、防錆性能、耐酸性、耐アルカリ性、及び耐衝撃性に優れるとともに、所定の引張り応力及び残留応力を有するため、比較例1〜6の積層シートに比べて、凸凹とした不陸部等に対しても優れた追従性を呈しており、突き刺し強度等にも優れることが確認できた。
実施例1及び4〜7を比較すると、感圧接着剤層の厚さが大きくなるにしたがい、コンクリート構造体に対する接着性が向上することが確認できた。但し、ロール体における折れ皺の発生を防止する場合には、感圧接着剤層の厚さは、1.50mm未満であることが好ましいことも分かった。
無機粒子含有処理層を備える樹脂層を使用した実施例1〜7及び10と、係る処理層を備えない樹脂層を使用した実施例8及び9、又は、コロナ処理層を備える樹脂層を使用した比較例1及び2とを比較すると、実施例1〜7及び10の構成の方が、他の例の構成に比べて、T型剥離強度に優れることが確認できた。したがって、実施例1〜7及び10の構成の方が、積層シートの層間剥離がしにくいため、例えば、凹凸差の大きい不陸部等に対して積層シートを追従させ、係るシートに対して大きな負荷がかかった場合であっても、積層シートは、層間剥離することなく、構造体を十分に保護又は補強することができ、錆の進行を抑制することができる。
比較例5及び6のような市販の防食性能を有するテープは、一般に、不透明であるため、テープを適用した後に、錆部及びクラック等の不良箇所の経時変化を視認することができない。また、これらのテープは、凹凸差の大きい不陸部、錆部等への追従性にも劣り、貼り合わせ箇所において空隙等が生じて水分及び塩分等が侵入しやすい。その結果、このようなテープは、本開示の追従性積層シートに比べ、クラック、錆等の進行を長期的に抑制することは困難であると考えられる。特に、これらのテープは、コンクリートに対する接着性に劣り、層間剥離しやすいため、このような傾向は、コンクリート構造体に対してより顕著になるものと予測することができる。
本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施態様及び実施例が様々に変更可能であることは当業者に明らかである。また、本発明の様々な改良及び変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに実施できることは当業者には明らかである。
100、200、700、800 追従性積層シート
110、510 感圧接着剤層
120、520 樹脂層
250 不陸部を有するコンクリート構造体
300、500 積層シート試験片
302 鋼製テンプレート
304 ガラス板
306 鋼材
502 鋼製ブロック
504 鋼製コーン型アタッチメント
506 プッシュプルゲージ
710 錆部
750 構造体
810 傷部
850 鋼板

Claims (11)

  1. 樹脂層、及び感圧接着剤層を備える、追従性積層シートであって、
    前記積層シートは、
    5%引張り時の応力が、10N/cm以下であり、
    30%引張り時の5分後の残留応力が、10N/cm以下であり、且つ、
    可視光線透過率が、80.0%以上であり、
    コンクリート構造体用又は錆部を有する構造体用として使用される、追従性積層シート。
  2. 前記樹脂層が、ポリオレフィンフィルムを含み、前記樹脂層の厚さが、0.05mm以上、且つ0.25mm未満である、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記感圧接着剤層が、(メタ)アクリル系感圧接着剤層を含み、前記感圧接着剤層の厚さが、0.3mm以上、且つ1.5mm未満である、請求項1又は2に記載の積層シート。
  4. 前記樹脂層の少なくとも片面に、無機粒子含有処理層を備える、請求項1〜3の何れか一項に記載の積層シート。
  5. 可視光線透過率が80.0%未満である補強層を含まない、請求項1〜4の何れか一項に記載の積層シート。
  6. 5%引張り時の応力が10N/cmよりも大きく、且つ30%引張り時の5分後の残留応力が10N/cmよりも大きい補強層を含まない、請求項1〜5の何れか一項に記載の積層シート。
  7. 30N以上の突き刺し強度、5N/cm以上のT型剥離強度、20〜60N/cmの最大引張り強度、15%以上の降伏点、及び5N/cm以上のコンクリートブロックに対する90度剥離強度からなる群から選択される少なくとも一種の特性を有する、請求項1〜6の何れか一項に記載の積層シート。
  8. 前記感圧接着剤層の樹脂層適用面の反対側の面に剥離ライナーを備え、且つ前記樹脂層の前記感圧接着剤層適用面の反対側の面は剥離処理が施されてない、請求項1〜7の何れか一項に記載の積層シート。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載の積層シートが、ロール状に巻かれた、ロール体。
  10. コンクリート構造体の表面を視認可能に少なくとも一時的に保護する積層シートの施工方法であって、
    請求項1〜8の何れか一項に記載の積層シートを、コンクリート構造体の表面に適用する工程、及び、
    該表面に前記積層シートを追従させる工程、を備える、施工方法。
  11. 錆部を有する構造体の表面を視認可能に錆の進行を抑制する積層シートの施工方法であって、
    請求項1〜8の何れか一項に記載の積層シートを、前記構造体の錆部を覆うように適用する工程、及び、
    前記錆部及び構造体の表面に前記積層シートを追従させる工程、を備える、施工方法。
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