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JP2019061162A - 反射材 - Google Patents

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JP2019061162A
JP2019061162A JP2017186994A JP2017186994A JP2019061162A JP 2019061162 A JP2019061162 A JP 2019061162A JP 2017186994 A JP2017186994 A JP 2017186994A JP 2017186994 A JP2017186994 A JP 2017186994A JP 2019061162 A JP2019061162 A JP 2019061162A
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reflector
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JP2017186994A
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孝之 渡邊
Takayuki Watanabe
孝之 渡邊
陽 宮下
Akira Miyashita
陽 宮下
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemicals Holdings Corp
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Abstract

【課題】反射性能と隠蔽性能に優れた反射材、フィラーを高濃度に含有していても、均一な多孔構造を有する反射材、液晶ディスプレイ、照明器具、或いは照明看板などとして好適な反射材を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂組成物(A)からなる層を備えた延伸シートからなる反射材であって、熱可塑性樹脂組成物(A)がポリプロピレン系樹脂(a1)、弾性率が100MPa以上1050MPa以下である低弾性率オレフィン系樹脂(a2)およびフィラーを含有する反射材を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は反射材に関する。更に詳しくは、本発明は、反射性能と隠蔽性能に優れ、液晶ディスプレイ、照明器具、或いは照明看板などの反射材に好適な多孔性フィルムに関する。
ポリオレフィンフィルムは、優れた機械特性、熱特性、電気特性及び光学特性を有しているため、工業材料、包装材料、光学材料、電機材料など多様な用途で使われている。
中でも、ポリオレフィンフィルムに空孔を設けた多孔性フィルムは、ポリオレフィンフィルムとしての上記特性に加えて、透過性や低比重などの優れた特性を併せ持つことから、電池や電解コンデンサーのセパレータや各種分離膜、衣料、医療用途における透湿防水膜、フラットパネルディスプレイの反射材や感熱転写記録シートなど多岐にわたる用途に対して種々の検討が行われている。
ポリオレフィンフィルムを多孔化する手法の一つとして乾式法を挙げることができる。乾式法の代表的なものとしては、例えば溶融押出時に低温押出並びに高ドラフト比を採用することにより、シート化した延伸前のフィルム中のラメラ構造を制御し、これを一軸延伸することでラメラ界面での開裂を発生させて空隙を形成する方法、所謂ラメラ延伸法が提案されている。例えば特許文献1には、結晶性ポリプロピレンと、結晶性ポリプロピレン中に分散したプロピレン−α−オレフィン共重合体とからなる膜状成形物を、少なくとも一方向に延伸することによりプロピレン−α−オレフィン共重合体領域に連通した細孔を形成させて多孔性フィルムとする方法が開示されている。
また、別の乾式法として、無機粒子またはマトリックス樹脂であるポリオレフィンなどに非相溶な樹脂を粒子として多量添加し、シートを形成して延伸することにより粒子とポリプロピレン樹脂界面で開裂を発生させ、空隙を形成する方法も提案されている。例えば特許文献2には、特定のプロピレン系ランダムブロック共重合体と充填材とを含むプロピレン系樹脂組成物を用いて多孔質フィルム等を得る方法が開示されており、特許文献3には、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して微粉末状の無機系充填剤100〜300重量部を含むポリオレフィン樹脂シートを延伸することにより多孔性樹脂シートを得る方法が開示されている。
さらにまた、これらの方法に、ポリプロピレンの結晶多形であるα型結晶(α晶)とβ型結晶(β晶)の結晶密度の差と結晶転移を利用してフィルム中に空隙を形成させる、いわゆるβ晶法という方法を組み合わせた提案もなされている。例えば特許文献4には、β晶活性を有するポリプロピレン樹脂とエチレン・α−オレフィン共重合体とからなるポリオレフィン樹脂を用いて高空孔率の多孔性ポリプロピレンフィルムを得る方法が開示されており、特許文献5には、β晶活性を有するポリプロピレン樹脂と微細な分散粒子との組合せにより微細なボイドが形成され、高空孔率の多孔質層を有する二軸配向白色ポリプロピレンフィルムを得る方法が開示されている。
特開2005−120140号公報 特開2009−84303号公報 特開平8−262208号公報 特開2008−248231号公報 国際公開WO2007/132876
従来知られていた反射材においては、反射率を高めるために充填材すなわちフィラーの濃度を高める必要がある反面、フィラーの濃度を高くすると、高濃度に含まれるフィラーが均質な延伸を妨げて、空隙が局所的に形成された不均一な多孔構造になり易いため、形成された空孔に過度な延伸伸長が加わって、多孔構造が破壊される場合があった。
また、特許文献4及び5などで開示されているように、β晶法を組み合わせた方法などでは、フィルムの空孔率が高過ぎるため、或いは分散粒子の量が不十分であるため、光透過性の高いフィルムとなり、隠蔽性能が得られない場合があった。
そこで、本発明の目的は、フィラーを高濃度に含有していても、均一な多孔構造を形成することができ、優れた反射性能と隠蔽性能とを共に有することができる、新たな反射材を提供することにある。
本発明は、熱可塑性樹脂組成物(A)からなる層を備えた延伸シートからなる反射材であって、熱可塑性樹脂組成物(A)がポリプロピレン系樹脂(a1)、弾性率が100MPa以上1050MPa以下である低弾性率オレフィン系樹脂(a2)およびフィラーを含有する反射材を提案する。
本発明はまた、上記反射材の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂組成物(B)を主成分とする層を有する積層反射材を提案する。
本発明が提案する反射材及び積層反射材は、ポリプロピレン系樹脂(a1)、所定の弾性率を有する低弾性率オレフィン系樹脂(a2)およびフィラーを含有する樹脂組成物からなる層を備えた単層又は積層のシートを延伸して得られる反射材であり、反射材を製造する際の延伸工程において局所的に集中しがちな応力を分散することが可能であるため、充填剤(フィラー)を高濃度に含有していても、均一な多孔構造を形成することができ、優れた反射性能と隠蔽性能とを共に有することができる。よって、本発明が提案する反射材及び積層反射材は、液晶ディスプレイ、照明器具、或いは照明看板などの反射材として好適に用いることができる。
実施例2の積層フィルムについての、縦延伸後の延伸方向の断面画像(500倍)である。 実施例2の積層フィルムについての、二軸延伸後の延伸方向の断面画像(5000倍)である。 比較例1の積層フィルムについての、縦延伸後の延伸方向の断面画像(500倍)である。 比較例1の積層フィルムについての、二軸延伸後の延伸方向の断面画像(5000倍)である。
以下、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。但し、本発明は、次に説明する実施形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
[本反射材]
本発明の実施形態の一例に係る反射材(「本反射材」)は、熱可塑性樹脂組成物(A)からなる層を備えた延伸シート、すなわち熱可塑性樹脂組成物(A)からなる層を備えた単層又は積層のシートを少なくとも一軸に延伸してなるシートからなる反射材である。
<熱可塑性樹脂組成物(A)>
熱可塑性樹脂組成物(A)は、ポリプロピレン系樹脂(a1)、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)及びフィラーを含有する組成物である。
(ポリプロピレン系樹脂(a1))
本反射材において、ポリプロピレン系樹脂(a1)は反射材の高空孔率化と機械的強度を確保する役割に寄与することができる。ポリプロピレン系樹脂(a1)は所定の硬さ、換言すると弾性率を有するため、延伸によってフィラーと樹脂との界面で剥離を生じ、空孔を形成する役割を果たすことができる。併せて、ポリプロピレン系樹脂(a1)がβ晶を生成していれば、延伸を施すことで微細孔が容易に形成されて、さらに高空孔率化を達成できるので好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(a1)は、プロピレン単位を少なくとも有しており、後述する低弾性率オレフィン系樹脂(a2)以外のオレフィン系樹脂であればよい。
中でも、ポリプロピレン系樹脂(a1)は、プロピレン単位の割合が50質量%以上であるポリプロピレン系樹脂であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、上限は100質量%である。ポリプロピレン系樹脂(a1)が前記範囲でプロピレン単位を有することにより、本反射材が高空孔率化し、機械的強度が向上する傾向にあり、更に後述するβ晶核剤の添加によってβ晶活性が高くなる傾向にある。
ポリプロピレン系樹脂(a1)としては、具体的には、ホモポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体またはブロック共重合体、またはこれらの混合物を挙げることができる。プロピレン以外のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を併用することができる。この中でも、反射材の高空孔率化、機械的強度の確保に有利な点から、ホモポリプロピレン(プロピレン単独重合体)が好適に使用される。
ポリプロピレン系樹脂(a1)としては、立体規則性を示すアイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が80%以上であることが好ましく、より好ましくは83%以上、更に好ましくは85%以上である。
アイソタクチックペンタッド分率が80%以上であれば、フィルムの機械的強度を維持することができる。一方、アイソタクチックペンタッド分率の上限は限定されない。現時点において工業的に得られるポリプロピレン系樹脂の上限値としては、通常99%以下、好ましくは98%以下、より好ましくは97%以下である。将来的には更に規則性の高いポリプロピレン系樹脂が開発された場合はこの限りでない。
なお、「アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)」とは、任意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して側鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する立体構造あるいはその割合を意味する。メチル基領域のシグナルの帰属は、A.Zambellietal(Macromolecules8,687,(1975))に準拠する。
ポリプロピレン系樹脂(a1)は、数平均分子量(Mn)と質量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)が2.0〜10.0であることが好ましく、より好ましくは2.0〜8.0、更に好ましくは2.0〜6.0である。
Mw/Mnが小さいほど分子量分布が狭いことを意味する。Mw/Mnが2.0以上であれば、押出成形性を好適に維持することができ、工業的にも生産が容易である傾向にある。一方、Mw/Mnが10.0以下であれば、低分子量成分が多くなり過ぎないため、反射材の機械的強度の低下を抑えることができる。
なお、「Mw」及び「Mn」の値は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、ポリスチレン換算値として測定することができる。
ポリプロピレン系樹脂(a1)のメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではない。中でも、0.5〜15g/10分であることが好ましく、1.0〜10g/10分であることがより好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(a1)のMFRが前記下限値以上であれば、成形加工時の樹脂の溶融粘度が高く、十分な生産性を確保することができる傾向にある。一方、MFRが前記上限値以下であれば、得られる反射材の機械的強度を十分に保持することができる。
なお、MFRはJIS K7210に従い、温度230℃、荷重2.16kgf(21.18N)の条件で測定された値である。
ポリプロピレン系樹脂(a1)の弾性率は、1050MPaを超え2100MPa以下であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(a1)の弾性率が1050MPaを超えていれば、延伸時にフィラーと樹脂との界面で剥離が生じやすく、高空孔率化が容易になるので好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂の弾性率が2100MPa以下であれば、延伸工程での製膜安定性を確保できるので好ましい。
かかる観点から、ポリプロピレン系樹脂(a1)の弾性率は、1050MPaを超え2100MPa以下であることが好ましく、中でも1200MPa以上或いは2000MPa以下、その中でも1500MPa以上或いは1900MPa以下であるのがさらに好ましい。
なお、本発明おいて「弾性率」とは、JIS K6921−2で定められた条件で測定される引張り弾性率を意味する。
ポリプロピレン系樹脂(a1)の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた重合方法等を挙げることができる。
ポリプロピレン系樹脂(a1)としては、例えば、日本ポリプロ社製「ノバテックPP」、「WINTEC」、住友化学社製「住友ノーブレン」、プライムポリマー社製「プライムポリプロ」、サンアロマー社製「サンアロマー」など市販されている商品の中から該当するものを適宜選択して使用することができる。
熱可塑性樹脂組成物(A)は、β晶活性を有することが好ましい。
ここで「β晶活性を有する」とは、延伸前の状態において熱可塑性樹脂組成物(A)がβ晶を生成していることを意味する。
延伸前の状態で熱可塑性樹脂組成物(A)がβ晶を生成していれば、延伸を施すことで微細孔を容易に形成することができる。このため、熱可塑性樹脂組成物(A)に含有される樹脂とフィラーとの界面剥離により形成される空孔と併せて、高い空孔率の反射材を得ることができるので好ましい。
熱可塑性樹脂組成物(A)におけるβ晶活性の有無は、示差走査型熱量計またはX線回折装置を用いた測定により確認することができる。
示差走査型熱量計によってβ晶活性を確認する方法としては、熱可塑性樹脂組成物(A)を25℃から240℃まで10℃/分で昇温後1分間保持し、次に240℃から25℃まで10℃/分で降温した後1分間保持し、更に25℃から240℃まで10℃/分で再昇温させた際に、β晶に由来する結晶融解ピーク(Tmβ)を検出することで確認することができる。
また、β晶活性の有無は、広角X線回折測定により得られる回折プロファイルによっても確認することができる。その方法としては、熱可塑性樹脂組成物(A)の融点を超える温度(170℃〜190℃)の熱処理を施した後、徐冷してβ晶を生成・成長させた反射材について広角X線測定を行う。ポリプロピレン系樹脂のβ晶の(300)面に由来する回折ピークが2θ=16.0°〜16.5°の範囲に検出された場合、β晶活性があると判断することができる。
ポリプロピレン系樹脂のβ晶構造と広角X線回折に関する詳細は、Macromol.Chem.187,643−652(1986)、Prog.Polym.Sci.Vol.16,361−404(1991)、Macromol.Symp.89,499−511(1995)、Macromol.Chem.75,134(1964)、およびこれらの文献中に挙げられた参考文献を参照することができる。
なお、本反射材が後述する積層体(積層反射材)である場合、前記β晶活性は、積層反射材全体として示差走査型熱量計またはX線回折装置による測定を行えばよい。
熱可塑性樹脂組成物(A)がβ晶活性を得る方法としては、特許3739481号公報に記載されているように過酸化ラジカルを発生させる処理を施したポリプロピレンを添加する方法、及び組成物中にβ晶核剤を添加する方法などを挙げることができる。
本反射材において、熱可塑性樹脂組成物(A)にβ晶活性を付与するためには、熱可塑性樹脂組成物(A)中にβ晶核剤を含有させることが好ましい。
β晶核剤としては、熱可塑性樹脂組成物(A)のβ晶の生成、成長を増加させるものであれば限定されるものではない。例えばアミド化合物;テトラオキサスピロ化合物;キナクリドン類;ナノスケールのサイズを有する酸化鉄;1,2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、安息香酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、フタル酸マグネシウム、ピメリン酸カルシウム、ピメリン酸ナトリウム、ピメリン酸バリウムなどに代表されるカルボン酸のアルカリもしくはアルカリ土類金属塩;ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムなどに代表される芳香族スルホン酸化合物;二もしくは三塩基カルボン酸のジもしくはトリエステル類;フタロシアニンブルーなどに代表されるフタロシアニン系顔料;有機二塩基酸である成分Aと周期表第IIA族金属の酸化物、水酸化物もしくは塩である成分Bとからなる二成分系化合物;環状リン化合物とマグネシウム化合物からなる組成物などが挙げられる。そのほか核剤の具体的な種類については、特開2003−306585号公報、特開平6−289566号公報、特開平9−194650号公報に記載されている。
なお、β晶核剤は2種以上を併用してもよい。
β晶核剤の市販品としては、新日本理化社製「エヌジェスターNU−100」が挙げられる。また、β晶核剤の添加されたポリプロピレン系樹脂としては、Aristech社製「BepolB−022SP」、Borealis社製「Beta(β)−PPBE60−7032」、Mayzo社製「BNXBETAPP−LN」などが挙げられる。
なお、ポリプロピレン系樹脂がβ晶核剤を予め添加されたものである場合は、前記したポリプロピレン系樹脂(a1)のMn、Mw、MFR及び弾性率の値は、β晶核剤含んだ状態のポリプロピレン系樹脂の値を云うものとする。
熱可塑性樹脂組成物(A)に添加するβ晶核剤の割合は、β晶核剤の種類またはポリプロピレン系樹脂(a1)の種類等により適宜調整することが必要である。中でも、ポリプロピレン系樹脂(a1)100質量部に対して0.0001〜5.0質量部、中でも0.001質量部以上或いは3.0質量部以下、その中でも0.01質量部以上或いは1.0質量部以下、その中でも0.03質量部以上或いは0.15質量部以下の割合でβ晶核剤を含有するのが好ましい。
β晶核剤の含有量が前記下限値以上であれば、熱可塑性樹脂組成物(A)の製膜時にポリプロピレン系樹脂(a1)に十分にβ晶が生成され、延伸により微細かつ均一な空孔が十分に形成された反射材を得ることができるので好ましい。また、β晶核剤の含有量が前記上限値以下であれば、過度な空孔形成が抑制され、結果として機械的強度が高く、反射性能および隠蔽性能に優れた反射材とすることができる。また反射材表面へのβ晶核剤のブリードアウトも抑制されるので好ましい。
(低弾性率オレフィン系樹脂(a2))
低弾性率オレフィン系樹脂(a2)は、弾性率が100MPa以上1050MPa以下であるオレフィン系樹脂であるのが好ましい。
本反射において、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)は、反射材の多孔構造の均一化と共に、過度な空孔の形成を抑制して空孔率を適正な範囲に制御する役割、及び、反射材に適度な柔軟性を付与し、耐破断性や耐屈曲性向上の役割を果たすことができる。
また、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)は、熱可塑性樹脂組成物(A)を延性化させるため、それを延伸した時に、特にフィラーとの界面に局所的に集中しがちな機械的応力、さらにポリプロピレン系樹脂(a1)がβ晶を生成している場合にはそのβ晶部分に局所的に集中しがちな応力を吸収し、それを熱可塑性樹脂組成物(A)全体に均一化させる作用を担うと考えられる。その結果、本反射材における多孔構造の均一化と、過度な空孔の形成を抑制して空孔率を適正な範囲に制御する役割を果たす。
すなわち、熱可塑性樹脂組成物(A)中に低弾性率オレフィン系樹脂(a2)を含有することにより、フィラーを高濃度に含有する場合においても、均一な多孔構造と高空孔率化を可能とすることができる。
かかる観点から、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)の弾性率は、100MPa以上1050MPa以下であるのが好ましく、中でも200MPa以上或いは900MPa以下、その中でも300MPa以上或いは700MPa以下であるのがさらに好ましい。
低弾性率オレフィン系樹脂(a2)としては、オレフィンモノマーの重合により形成され、弾性率が100MPa以上1050MPa以下のものであれば限定されない。例えばホモポリプロピレン、プロピレン系ランダムコポリマー、プロピレン系ブロックコポリマー等のポリプロピレン系樹脂や、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体等のポリエチレン系樹脂から選ばれた少なくとも一種のオレフィン系樹脂を挙げることができる。
これらの中でも、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)としては、プロピレン系ランダムコポリマー、低密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレンが好ましく、ポリプロピレン系樹脂(a1)との親和性の点からプロピレン系ランダムコポリマーがより好ましい。プロピレン系ランダムコポリマーは、ポリプロピレン系樹脂(a1)との親和性が高いため、熱可塑性樹脂組成物(A)を柔軟化させる効果が高いので好ましい。
低弾性率オレフィン系樹脂(a2)のメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではない。中でも1.0〜30g/10分であることが好ましく、その中でも3.0g/10分以上或いは15g/10分以下であるのがさらに好ましい。
MFRが前記下限値以上であれば、ポリプロピレン系樹脂(a1)と溶融混合されて押出をする際、混練、製膜性が安定するので好ましい。一方、MFRが前記上限値以下であれば、得られる反射材の機械的強度を十分に確保することができるので好ましい。なお、MFRはJIS K7210に従い、温度230℃、荷重2.16kgf(21.18N)の条件で測定される値である。
前記プロピレン系ランダムコポリマーの製造方法は特に限定されるものではなく、公知の重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた重合方法等が挙げられる。
プロピレン系ランダムコポリマーとしては、例えば、日本ポリプロ社製「ノバテックPP」、「WINTEC」、住友化学社製「住友ノーブレン」、プライムポリマー社製「プライムポリプロ」、サンアロマー社製「サンアロマー」など市販されている商品の中から該当するものを適宜選択して使用することができる。
低弾性率オレフィン系樹脂(a2)の配合割合は限定するものでない。ポリプロピレン系樹脂(a1)と低弾性率オレフィン系樹脂(a2)との合計量に対して5〜90質量%、中でも5〜90質量%、その中でも10質量%以上或いは75質量%以下、その中でも15質量%以上或いは50質量%以下の割合で低弾性率オレフィン系樹脂(a2)を含有することが好ましい。
低弾性率オレフィン系樹脂(a2)の配合割合が前記下限値以上であれば、熱可塑性樹脂組成物(A)を延性化させて、それを延伸した時にかかる応力を吸収しつつ、熱可塑性樹脂組成物(A)全体に均一化させる作用を果たすことが可能となる。更には、本反射材に柔軟性、耐破断性、耐屈曲性を付与することができる。一方、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)の配合割合が前記上限値以下であれば、熱可塑性樹脂組成物(A)の硬さが確保されて、延伸を施した時にフィラーとの界面で剥離が生じるのを阻害せず、またポリプロピレン系樹脂(a1)がβ晶を生成した場合には、延伸を施した時に微細孔を形成するのを阻害することがないので好ましい。
(フィラー)
熱可塑性樹脂組成物(A)は、反射材の空孔率を高くする目的でフィラーを含有するのが好ましい。本反射材がフィラーを含有すると、延伸を施すことで熱可塑性樹脂組成物(A)に含まれる樹脂とフィラーとの界面で剥離が起こり、容易に空孔を形成することができる。
熱可塑性樹脂組成物(A)に含まれるフィラーの種類は限定されない。例えば無機質微粉体、有機質微粉体等を例示することができる。
上記無機質微粉体としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土等を挙げることができる。これらは、いずれか1種または2種以上を併用することができる。
上記有機質微粉体としては、例えばポリマービーズ、ポリマー中空粒子等を挙げることができ、これらはいずれか1種または2種以上を併用することができる。
さらには、無機質微粉体と有機質微粉体とを組み合わせて用いてもよい。
特に反射性能および隠蔽性能に優れた反射材とするためには、熱可塑性樹脂組成物(A)に含まれる樹脂との屈折率差を大きく確保できるフィラーが好ましい。その観点から、屈折率が1.6以上であるフィラー、具体的には、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛の中から選ばれた少なくとも1種が含まれることが好ましい。
中でも酸化チタンは、フィラーの中でも屈折率が極めて高く、熱可塑性樹脂組成物(A)に含まれる樹脂との屈折率差が大きくなり、両者界面での散乱反射の効果により反射性能および隠蔽性能に優れた反射材とすることができるので好ましい。
酸化チタンとしては、例えば、石原産業社製、ケマーズ社製、KRONOS社製などの市販品を使用することができる。
フィラーの平均粒径(D50)は限定されない。好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.15μm以上であり、一方、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下、特に好ましくは2μm以下であることが望ましい。
フィラーの粒径が前記下限値以上であれば、熱可塑性樹脂組成物(A)中での分散性を確保できる傾向がある。またフィラーの粒径が前記上限値以下であれば、その周りに形成される空孔サイズが過大になることがなく、緻密な多孔構造を有する反射材を得ることができる傾向がある。
フィラーとして酸化チタンを用いる場合、その平均粒径(D50)は0.05μm以上15μm以下であることが好ましく、中でも0.15μm以上或いは0.50μm以下であることがより好ましい。
酸化チタンの平均粒径(D50)がこの範囲であれば、波長420〜600nmでの光の反射率を向上させることができる傾向にある。
なお、フィラーの平均粒径(D50)は、動的光散乱法等によって測定される体積基準粒度分布から求められるD50である。
フィラーの配合割合は、熱可塑性樹脂組成物(A)の全体質量に対して50質量%以上90質量%以下であることが好ましく、中でも55質量%以上或いは80質量%以下、その中でも60質量%以上或いは70質量%以下であることが更に好ましい。
本反射材においては、熱可塑性樹脂組成物(A)中に低弾性率オレフィン系樹脂(a2)を含有することにより、フィラーを高濃度に含有する場合においても、均一な多孔構造と高空孔率化を可能とすることができる。そして、フィラーの配合割合が熱可塑性樹脂組成物(A)の全体質量に対して前記下限値以上であれば、反射材の空孔率を高くすることができる傾向にある。また、樹脂や空孔との屈折率差による反射性を向上することができる傾向にある。一方、フィラーの配合割合が前記上限値以下であれば、熱可塑性樹脂組成物(A)における分散性を確保できる傾向にある。また、過度な空孔の形成が抑制され、結果として機械的強度が確保され、さらには反射性能および遮蔽性能に優れた反射材とすることができる傾向にある。
また、本反射材に特に優れた反射性能及び隠蔽性能を付与するためには、熱可塑性樹脂組成物(A)中に含まれる無機質微粉体の合計質量100質量部に対して30質量部以上の割合で酸化チタンを含有することが好ましい。また、有機質微粉体と無機質微粉体とを併用する場合には、その合計質量100質量部に対して30質量部以上の割合で酸化チタンを含有することが好ましい。
なお、熱可塑性樹脂組成物(A)に含有するフィラーには、分散性を向上させるために、フィラーの表面をシリコン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で処理したものを使用することができる。
(その他の成分)
熱可塑性樹脂組成物(A)は、ポリプロピレン系樹脂(a1)及び低弾性率オレフィン系樹脂(a2)を主成分樹脂として含有すれば、他の樹脂を含有してもよい。
すなわち、ポリプロピレン系樹脂(a1)及び低弾性率オレフィン系樹脂(a2)の合計質量割合が、熱可塑性樹脂組成物(A)の50質量%以上、好ましくは75質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上(100質量%を含む)を占めていれば、他の樹脂を含んでいてもよい。
また、熱可塑性樹脂組成物(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリプロピレン系樹脂(a1)、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)及びフィラー以外のその他の成分を含有してもよい。例えば酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、相溶化剤、滑剤、α晶核剤およびその他の添加剤を含有してもよい。
(結晶融解熱量)
熱可塑性樹脂組成物(A)の結晶融解熱量は限定されない。中でも、40g/J以下であることが好ましく、35g/J以下であることがより好ましく、30g/J以下であることが更に好ましく、25g/J以下であることが特に好ましい。また、10g/J以上であることが好ましい。
熱可塑性樹脂組成物(A)の結晶融解熱量がこの範囲であれば、反射材の空孔率及び空孔の形状が適度となり、収縮率も適当となる傾向にあるため好ましい。
なお、「結晶融解熱量」は、示差走査熱量計を用いて、JIS K7122に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから求めることができる。
<本反射材の製造方法>
以下に本反射材の製造方法の一例を示す。但し、以下の製造方法に限定されるものではなく、公知の方法を採用することができる。
先ず、ポリプロピレン系樹脂(a1)、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)、フィラー及び必要に応じて用いるその他の添加剤等を配合した熱可塑性樹脂組成物(A)を作製する。具体的には、これらの原料をリボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、1軸または2軸押出機等を用いて、樹脂の融点以上の温度(例えば、190℃〜250℃)で混練することにより熱可塑性樹脂組成物(A)のコンパウンドを得る。
又は、ポリプロピレン系樹脂(a1)、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)および、フィラー等を別々のフィーダーにより所定量を添加することにより熱可塑性樹脂組成物(A)とすることもできる。また、フィラーおよび、その他の添加剤等を予めポリプロピレン系樹脂(a1)および/または低弾性率オレフィン系樹脂(a2)に高濃度に配合したマスターバッチを作っておき、このマスターバッチとポリプロピレン系樹脂(a1)および/または低弾性率オレフィン系樹脂(a2)とを混合して所望のフィラー濃度を有する熱可塑性樹脂組成物(A)とすることもできる。
次に、このようにして得られた熱可塑性樹脂組成物(A)を乾燥させた後、押出機に供給し、所定の温度以上に加熱して溶融させる。押出温度等の条件は任意であるが、例えば190〜270℃であることが好ましい。
その後、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物(A)を単層用Tダイのスリット状吐出口から押出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシートを形成する。
得られたキャストシートは、少なくとも一軸方向に延伸される。延伸することにより、熱可塑性樹脂組成物(A)中のポリプロピレン系樹脂(a1)とフィラーとの界面が剥離して空孔を形成することができる。更に、キャストシートは二軸方向に延伸されていることが特に好ましい。二軸延伸することによって、空孔の形成がさらに進行して空孔率を適正な範囲に制御することができるので好ましい。
また、二軸延伸すると得られる積層反射材の異方性が小さくなり、物性の異方性を小さくすることができるとともに、機械的強度を増加させることもできる。
キャストシートを延伸する際の延伸温度は限定されないが、ポリプロピレン系樹脂(a1)の融点(Tm)以下、具体的には170℃以下であることが好ましく、(Tm−20℃)以下であることがより好ましい。また、(Tm−70℃)以上が好ましく、(Tm−50℃)以上がより好ましい。
延伸温度が前記上限値以下であれば、延伸配向が高くなり、その結果、空孔の形成が容易になるので好ましく、また、ロール延伸の際に軟化したフィルムがロール表面に粘着して加工上の不具合を生じるおそれが少ないため好ましい。
延伸温度が前記下限値以上であれば、延伸時にフィルムが破断することなく製膜を安定して行うことができ好ましく、また、実用上発生する高温環境(90〜100℃程度)下での使用において、フィルムの寸法が変化する(熱収縮する)などの不具合を生じるおそれが少ないため好ましい。
二軸延伸の延伸順序は特に制限されることはなく、例えば、同時二軸延伸でも逐次延伸でもよい。溶融状態のキャストシートとした後に、ロール延伸によって流れ方向(MD)に延伸した後、テンター延伸によって横方向(TD)に延伸してもよいし、チューブラー延伸等によって二軸延伸を行ってもよい。
この際、延伸倍率を限定するものではない。中でも、面積倍率で通常4倍以上、好ましくは5倍以上、より好ましくは6倍以上であり、上限は通常25倍以下、好ましくは20倍以下、より好ましくは15倍以下である。面積倍率を上記範囲内とすることによって、反射材の空孔率を適正な範囲に制御し、優れた反射性能及び隠蔽性能を発揮することができるので好ましい。
逐次二軸延伸を行う場合、一軸目の延伸の倍率は、好ましくは1.1〜5.0倍、より好ましくは1.5〜3.5倍であり、二軸目の延伸の倍率が、好ましくは1.1〜5.0倍、より好ましくは2.5〜4.5倍である。
延伸後は、積層フィルムに寸法安定性(空隙の形態安定性)を付与するため、熱固定を行うことが好ましい。この際、フィルムを熱固定するための処理温度は130〜160℃であることが好ましい。熱固定に要する処理時間は、好ましくは1秒〜3分である。
本反射材は、熱可塑性樹脂組成物(A)からなる層の作用を妨げないかぎりにおいて、熱可塑性樹脂組成物(A)からなる層の表裏一面又は両面に「他の層」を積層してなる多層構成とすることもできる。
この際、他の層の層数に限定は無い。他の層は1層でも2層であっても3層以上であってもよい。中でも3層以上の構成である場合は、熱可塑性樹脂組成物(A)からなる層を中間層とすることが好ましい。
また、他の層を構成する材料は任意である。中でも、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂組成物で構成されていることが好ましく、また、接着層等であってもよい。中でも、後述するように、熱可塑性樹脂組成物(B)からなる層を積層するのが好ましい。
また、他の層は、層Aと同様にフィラーを含有することにより、多孔構造を形成してもよい。
[本積層反射材]
次に、上記本反射材の中でも、上記熱可塑性樹脂組成物(A)からなる層の一面側又は両面側に、熱可塑性樹脂組成物(B)からなる層を積層してなる構成を備えた延伸シートからなる反射材((「本積層反射材」とも称する)について説明する。
熱可塑性樹脂組成物(B)からなる層を備えることにより、優れた反射性能、隠蔽性能、軽量性(低比重)といった特性を有する上記本反射材に、更に優れた耐熱性や機械的強度を付与することができると共に、反射材からのフィラーの脱落を防止することができるため、より高性能化することができる。
本積層反射材は、熱可塑性樹脂組成物(A)からなる層(「層A」と称する)及び熱可塑性樹脂組成物(B)からなる(「層B」と称する)を備えていれば、これら以外の他の層を備えていてもよく、他の層の層数に限定は無い。他の層は1層でも2層であっても3層以上であってもよい。中でも3層以上の構成である場合は、熱可塑性樹脂組成物(A)からなる層を中間層とすることが好ましい。
本積層反射材の好ましい積層構成として、次の積層構成を挙げることができる。
層Aと層Bとの2層構成、層Aを中心層として層Bを両表層とする3層構成、層Aを中心層とし、層Bを一方の表層、それ以外の層を他方の表層とする3層構成、さらには、これら何れかの構成における層間に接着層を有する構成などを挙げることができる。
この際、層B及び他の層は、層Aと同様にフィラーを含有することにより、多孔構造を形成してもよい。
<熱可塑性樹脂組成物(B)>
熱可塑性樹脂組成物(B)に含まれる熱可塑性樹脂は限定するものではない。中でも、ガラス転移温度(JIS K7121)が90〜150℃である非晶性樹脂を用いるのが好ましい。
ガラス転移温度が90〜150℃である非晶性樹脂を用いることで、本積層反射材に耐熱性を付与することができるため好ましい。
ここでいう「非晶性樹脂」とは、結晶化に伴う発熱ピークが観察されないか、または観察されたとしても結晶融解熱量が10J/g以下となる樹脂を示す。
また、「非晶性樹脂」は、環境温度が変化してもガラス転移点以下では安定した特性を示し、ガラス転移点付近の温度までは、収縮率が小さく寸法安定性に優れるという性質から、本積層反射材に高い耐熱性を付与させることができる。
従って、層Bを構成する樹脂のガラス転移温度が上記範囲であれば、液晶ディスプレイ等の構成部材として使用した場合でも耐熱性が良好となるため好ましい。
かかる観点から、熱可塑性樹脂組成物(B)に含まれる熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、90〜150℃であるのが好ましく、中でも100〜150℃、その中でも110〜150℃であるのがさらに好ましい。
ガラス転移温度が、前記上限値以下であれば延伸温度が高くなりすぎず、熱可塑性樹脂(A)を主成分とする層の空孔形成が容易になり好ましい。また、前記下限値以上であれば実用上発生する高温環境下での収縮率を小さくしやすく、寸法安定性に優れ好ましい。
このような非晶性樹脂として、例えばシクロオレフィン系樹脂(b1)、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等を挙げることができる。中でも、延伸性、ガラス転移温度、透明性を考慮した場合、シクロオレフィン系樹脂(b1)、ポリスチレン、ポリカーボネート樹脂が好ましく、その中でも熱可塑性樹脂組成物(A)を主成分とする層との密着性の観点から、シクロオレフィン系樹脂(b1)が特に好ましい。
(シクロオレフィン系樹脂(b1))
シクロオレフィン系樹脂(b1)としては、シクロオレフィンホモポリマー、シクロオレフィンコポリマーのいずれをも包含する。
シクロオレフィン系樹脂は、シクロオレフィンの付加(共)重合体またはその水素添加物(l)、シクロオレフィンとα−オレフィンの付加共重合体またはその水素添加物(2)、シクロオレフィンの開環(共)重合体またはその水素添加物(3)に分類される。
シクロオレフィンの具体例としては、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン;シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等の1環シクロオレフィン;ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン等の2環シクロオレフィン;
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン;トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエンまたはこれらの部分水素添加物(またはシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン;5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンといった3環シクロオレフィン;
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4,4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンといった4環シクロオレフィン;
8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.13,6.01,9.02,7]テトラデカ−4,9,11,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.14,7.01,10.03,8]ペンタデカ−5,10,12,14−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−へキサヒドロアントラセンともいう);ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.02,7.13,6.110,13]−4−ペンタデセン;ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.03,8.14,7.012,17.113,l6]−14−エイコセン;シクロペンタジエンの4量体などの多環シクロオレフィンが挙げられる。
これらのシクロオレフィンは、それぞれ単独であるいは2種以上組合わせて共重合体として用いることができる。
シクロオレフィンと共重合可能なα−オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−へキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−へキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜8のエチレンまたはα−オレフインなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
シクロオレフィンまたはシクロオレフィンとα−オレフィンとの重合方法および得られた重合体の水素添加方法に、格別な制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。
シクロオレフィン系樹脂の市販品としては、例えば、日本ゼオン社製「ゼオノア」(環状オレフィンの開環重合体の水素添加物)、三井化学社製「アペル」(エチレンとテトラシクロドデセンの付加共重合体)、や日本ポリプラスチックス社製「TOPAS」(エチレンとノルボルネンの付加共重合体)等を使用することができる。中でも「ゼオノア」及び「TOPAS」は光吸収作用が少なく、これらを含有する熱可塑性樹脂組成物(B)を主成分とする層は反射性能を損なうことがないので好適である。
シクロオレフィン系樹脂(b1)のガラス転移温度(Tg)は限定されない。好ましくは100℃以上160℃以下であり、中でも110℃以上或いは150℃以下、その中でも120℃以上或いは140℃以下であるのがさらに好ましい。
なお、ガラス転移温度(Tg)の異なる2種以上のシクロオレフィン系樹脂を併用することにより、ガラス転移温度(Tg)を上記範囲に調整することもできる。ここでガラス転移温度(Tg)は、JIS K7210に従って測定される値である。
シクロオレフィン系樹脂(b1)のメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではない。中でも、0.5〜25g/10分であることが好ましく、1.0〜15g/10分であることがより好ましい。
シクロオレフィン系樹脂(b1)のMFRが前記下限値以上であれば、成形加工時の樹脂の溶融粘度が高く、十分な生産性を確保することができる傾向にある。一方、MFRが前記上限値以下であれば、得られる反射材の機械的強度を十分に保持することができる。
なお、MFRはJIS K7210に従い、温度230℃、荷重2.16kgf(21.18N)の条件で測定された値である。
シクロオレフィン系樹脂(b1)の含有量は限定するものではない。好ましくは、熱可塑性樹脂組成物(B)の全体質量の50質量%以上であるのが好ましく、より好ましくは55質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。シクロオレフィン系樹脂(b1)の含有量が前記下限値以上であれば、積層反射材に耐熱性を付与することが可能となるため好ましい。
また、シクロオレフィン系樹脂(b1)の含有量の上限は限定されず、熱可塑性樹脂組成物(B)の全体質量に対し100質量%であってもよい。他の樹脂を併用することにより積層反射材の耐破断性、耐折り曲げ性などを付与、改質することができる場合には、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。
上記の通り、熱可塑性樹脂組成物(B)がシクロオレフィン系樹脂(b1)と他の樹脂とを併用する場合において、他の樹脂は限定されない。好ましくは、シクロオレフィン系樹脂を除くオレフィン系樹脂(b2)および/または熱可塑性エラストマー(b3)を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂組成物(B)中にシクロオレフィン系樹脂を除くオレフィン系樹脂(b2)および/または熱可塑性エラストマー(b3)を含有することにより、本積層反射材の耐破断性が向上する傾向にある。
シクロオレフィン系樹脂を除くオレフィン系樹脂(b2)は、シクロオレフィン系樹脂(b1)以外のオレフィン系樹脂であればよい。好ましくは、熱可塑性樹脂組成物(A)を主成分とする層との界面密着力向上の観点から、ポリプロピレン系樹脂(a1)又は低弾性率オレフィン系樹脂(a2)であることが好ましい。
また、シクロオレフィン系樹脂を除くオレフィン系樹脂(b2)がβ晶活性を有していてもよいし、熱可塑性樹脂組成物(B)中に前記のβ晶核剤を含有することによってβ晶活性を有していてもよい。
熱可塑性樹脂組成物(B)を主成分とする層がβ晶核剤を含有する場合、その含有量は熱可塑性樹脂組成物(A)を主成分とする層における含有量と同等であっても異なっていてもよい。熱可塑性樹脂組成物(B)を主成分とする層がβ晶核剤を含有することにより、熱可塑性樹脂組成物(A)を主成分とする層のみならず、熱可塑性樹脂組成物(B)を主成分とする層も多孔構造とすることができる。
(熱可塑性エラストマー(b3))
熱可塑性樹脂組成物(B)に含有させる上記熱可塑性エラストマー(b3)としては、例えばオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等を挙げることができ、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でもオレフィン系熱可塑性エラストマー或いはスチレン系熱可塑性エラストマーは、シクロオレフィン系樹脂(b1)との親和性が高いため、反射材の耐破断性を向上させる効果が高いので好ましい。更に、オレフィン系熱可塑性エラストマー或いはスチレン系熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂組成物(A)に含まれるポリプロピレン系樹脂(a1)との親和性が高いため、熱可塑性樹脂組成物(A)を主成分とする層との界面密着力を向上させることができる傾向がある。
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、その種類を限定するものではない。例えば、ポリプロピレンにエチレンプロピレンゴム等を微分散させたものや、エチレンおよび炭素原子数が3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれた、少なくとも2種のオレフィンを共重合したもの(以下、「共重合オレフィン系熱可塑性エラストマー」と言う場合がある。)を挙げることができる。
炭素原子数3〜20のα−オレフィンは限定されないが、具体的には鎖状オレフィンが挙げられる。鎖状オレフィンとしては、直鎖状オレフィンまたは分岐状オレフィン等が挙げられる。
なお、熱可塑性樹脂組成物(B)に含有するオレフィン系熱可塑性エラストマーには、シクロオレフィン系樹脂(b1)とシクロオレフィン系樹脂を除くオレフィン系樹脂(b2)は含まない。
直鎖状オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等を挙げることができる。
一方、分岐状オレフィンとしては、例えば3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等を挙げることができる。
共重合オレフィン系エラストマーの原料モノマーの組み合わせとしては、例えばエチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン、エチレン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/プロピレン/1−ブテン、エチレン/プロピレン/1−ヘキセン、エチレン/1−ブテン/1−ヘキセン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/1−ヘキセン、プロピレン/1−オクテン、プロピレン/4−メチル−1−ペンテン、プロピレン/1−ブテン/1−ヘキセン等を挙げることができる。
共重合オレフィン系エラストマーが2種のモノマーによる共重合体である場合は、2種のモノマーの炭素原子数の合計が6以上であることが好ましい。
また、共重合オレフィン系エラストマーとしては、プロピレンと、炭素原子数4〜20のα−オレフィンとの組み合わせによる共重合体も好ましい。具体的には、プロピレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体、プロピレン/1−オクテン共重合体、プロピレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン/1−ブテン/1−ヘキセン共重合体等が好ましい。
これらの好ましい態様の共重合オレフィン系エラストマーであれば、熱可塑性樹脂組成物(A)に含まれるポリプロピレン系樹脂(a1)との親和性が高いため、熱可塑性樹脂組成物(A)を主成分とする層との界面密着力が向上する傾向がある。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、三菱ケミカル社製「サーモラン」、「ゼラス」、三井化学社製「ミラストマー」、「タフマー」、「ノティオ」、住友化学社製「エスポレックス」、「タフセレン」、サンアロマー社製「アドフレックス」、「アドシル」、ダウケミカル社製「バーシファイ」、「インヒューズ」、「エンゲージ」などの市販品の中から適宜選択して用いることができる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレンとブタジエン若しくはイソプレン等の共役ジエンとの共重合体やその水素添加物等を挙げることができる。具体的には、水添スチレン・ブタジエンエラストマー(HSBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)を挙げることができる。
中でも、水添スチレン・ブタジエンエラストマー(HSBR)、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)は、シクロオレフィン系樹脂(b1)との親和性が高いため、反射材の耐破断性を向上させる効果が高いため好ましい。さらに、熱可塑性樹脂組成物(A)に含まれるポリプロピレン系樹脂(a1)との親和性が高いため、熱可塑性樹脂組成物(A)を主成分とする層との界面密着力を確保できるので好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、三菱ケミカル社製「ラバロン」、旭化成社製「タフテック」、「タフプレン」、JSR社製「ダイナロン」、クラレ社製「セプトン」などの市販品を使用することができる。
(他の成分)
熱可塑性樹脂組成物(B)は、上記以外の樹脂及びその他の成分を含有してもよい。例えばフィラー、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、相溶化剤、滑剤、β晶核剤、α晶核剤および、その他の添加剤を含有してもよい。
<本積層反射材の製造方法>
本積層反射材において、層A以外の他の層を形成する方法は限定されず、塗布、共押出、押出ラミネート、熱融着、接着剤による貼り合せ等の種々の方法を採用することができる。特に他の層として層Bを有する場合は、共押出法を用いることが好ましい。
以下に、本積層反射材の製造方法の一例として、層Aを中心層とし、層Bを両表層とする3層構成の積層反射材について説明する。但し、本積層反射材の製造方法が、以下の製造方法に限定されるものではない。
先ず、ポリプロピレン系樹脂(a1)、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)、フィラー及び必要に応じて用いるその他の添加剤等を配合した熱可塑性樹脂組成物(A)を作製する。具体的には、これらの原料をリボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、1軸または2軸押出機等を用いて、樹脂の融点以上の温度(例えば、190℃〜250℃)で混練することにより熱可塑性樹脂組成物(A)のコンパウンドを得る。
又は、ポリプロピレン系樹脂(a1)、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)および、フィラー等を別々のフィーダーにより所定量を添加することにより熱可塑性樹脂組成物(A)とすることもできる。また、フィラーおよび、その他の添加剤等を予めポリプロピレン系樹脂(a1)および/または低弾性率オレフィン系樹脂(a2)に高濃度に配合したマスターバッチを作っておき、このマスターバッチとポリプロピレン系樹脂(a1)および/または低弾性率オレフィン系樹脂(a2)とを混合して所望のフィラー濃度を有する熱可塑性樹脂組成物(A)とすることもできる。
一方、シクロオレフィン系樹脂(b1)、シクロオレフィン系樹脂を除くオレフィン系樹脂(b2)および/または熱可塑性エラストマー(b3)、及び必要に応じて用いるその他の添加剤等を配合した熱可塑性樹脂組成物(B)を作製する。具体的には、シクロオレフィン系樹脂(b1)に、シクロオレフィン系樹脂を除くオレフィン系樹脂(b2)および/または熱可塑性エラストマー(b3)、その他添加剤等を必要に応じて加えて、リボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、1軸または2軸押出機等を用いて、樹脂の流動開始温度以上の温度(例えば、220℃〜270℃)で混練することにより、熱可塑性樹脂組成物(B)のコンパウンドを得る。
又は、熱可塑性樹脂組成物(A)と同様、各原料を別々のフィーダーにより所定量を添加することもでき、原料の一部をマスターバッチとすることもできる。
次に、このようにして得られた熱可塑性樹脂組成物(A)および熱可塑性樹脂組成物(B)を乾燥させた後、それぞれ別の押出機に供給し、それぞれ所定の温度以上に加熱して溶融させる。押出温度等の条件は任意であるが、例えば熱可塑性樹脂組成物(A)の押出温度は190〜270℃、熱可塑性樹脂組成物(B)の押出温度は220〜270℃であることが好ましい。
その後、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物(A)および熱可塑性樹脂組成物(B)を2種3層用のTダイに合流させ、Tダイのスリット状の吐出口から積層状に押出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシートを形成する。
得られたキャストシートは、次いで延伸を行うが、延伸工程については前記した本反射材の製造方法と同様である。
なお、キャストシートを延伸する際の延伸温度は、シクロオレフィン系樹脂(b1)のガラス転移温度(Tg)以上、(Tg+50℃)以下の範囲であることが好ましい。延伸温度がガラス転移温度(Tg)以上であれば、延伸時にフィルムが破断することなく製膜を安定して行うことができる。また、延伸温度が(Tg+50)℃以下の温度であれば、延伸配向が高くなり、その結果、空孔の形成が容易になるので好ましい。
<本反射材及び本積層反射材の諸特性>
以下の諸特性の記載においては、特記しない場合には、本反射材には本積層反射材も含むものとする。
(厚み)
本反射材の厚みは、特に限定するものではない。実用面におけるハンドリング性の観点から好ましくは30〜500μm、中でも50μm以上或いは300μm以下であるのがさらに好ましい。
また、本反射材は、均一な多孔構造を有し、かつ空孔率が適正な範囲に制御されているので、特に反射性能および隠蔽性能が優れている。その優れた性能は薄肉の場合に特に優位であることから、本反射材の厚みは、更に好ましくは50〜150μm、中でも60μm以上或いは100μm以下であるのがさらに好ましい。本反射材は、このような薄肉の場合でも優れた反射性能を有しているので、より薄肉軽量化が要求されるスマートフォンやタブレット端末などの小型液晶ディスプレイ用の反射材に対しても好適に用いることができる。
本積層反射材において、熱可塑性樹脂組成物(A)を主成分とする層の厚みは限定されないが、積層反射材の厚みを基準とし、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上、特に好ましくは50%以上であり、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である。
熱可塑性樹脂組成物(A)を主成分とする層の厚みが前記下限値以上であれば、優れた軽量性、柔軟性の他に、優れた反射性能および隠蔽性能を確保できる傾向がある。また、熱可塑性樹脂組成物(A)を主成分とする層の厚みが前記上限値以下であれば、積層反射材の耐熱性が確保できる傾向がある。
(多孔構造)
本反射材は、フィラーを高濃度に含有している場合であっても、均一な多孔構造を有するものである。これは、反射材に含まれる低弾性率オレフィン系樹脂(a2)の作用によるものである。即ち、本反射材において、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)は熱可塑性樹脂組成物(A)を延性化させ、それを延伸した時に、特にフィラーとの界面に局所的にかかりがちな機械的応力を、またポリプロピレン系樹脂(a1)がβ晶を生成している場合はそのβ晶部分に局所的にかかりがちな機械的応力を衝撃吸収しつつ、それを熱可塑性樹脂組成物(A)全体に均一拡散させる役割を果たす。その結果、反射材に均一な多孔構造が形成されると共に、過度な空孔の形成が抑制されて空孔率が適正な範囲に制御されるものと考えられる。同時に、特に局所的な空孔形成が過度に進行すること、即ち局所的に形成された空孔にのみさらに過度な延伸伸長が加わることを抑制して、その結果空孔間の隔壁が破壊されることがなく、空孔の独立状態が維持された多孔構造が形成されるものと考えられる。
(空孔率)
本反射材の空孔率は限定されないが、50%以上70%以下であることが好ましく、中でも55%以上或いは65%以下であることがより好ましい。
本反射材の空孔率が前記下限値以上であれば、軽量性(低比重)の他、優れた反射性能が確保できるので好ましい。また、反射材の空孔率が前記上限値以下であれば、反射材の多孔構造が均一かつ過度な空孔の形成が抑制され、反射材の機械的強度が確保され、特に光透過性が抑制されて優れた隠蔽性能を確保できるので好ましい。
本反射材の空孔率は、次の式によって求めることができる。
空孔率(%)={(延伸前のシート体の密度−延伸後のフィルムの密度)/延伸前のシート体の密度}×100
なお、上記式において、「延伸後のフィルムの密度」は「反射材の密度」、「延伸前のシート体の密度」は「反射材を溶融、脱泡、固化した後の実密度」と読み替えることができる。
また、本積層反射材における空孔率の値は、積層反射材全体を平均化した値として扱ってもよいし、熱可塑性樹脂組成物(A)を主成分とする層のみを対象としてもよい。他の層が実質的に空孔を有していない場合は、熱可塑性樹脂組成物(A)を主成分とする層が上記の空孔率であることが好ましい。
(反射性能・隠蔽性能)
本反射材は、均一な多孔構造を有し、かつ空孔率が適正な範囲に制御されているため、可視光領域全般に亘って高い反射性能及び隠蔽性能を有することができる。
このため、本反射材は、少なくとも片面の平均反射率が、波長450〜750nmの光に対して97%以上であるのが好ましく、中でも98%以上であるのがさらに好ましい。
また、通常、光の波長が高波長側であるほど、反射材の反射率は低下する傾向にある。本反射材においては、例えば波長750nmの光に対する反射率が95%以上であるのが好ましく、中でも96%以上であるのがさらに好ましい。
また、本反射材は、少なくとも片面の平均透過率が、波長450nm〜750nmの光に対して4%以下であるのが好ましい。本反射材は、150μm以下の薄肉の場合でも優れた隠蔽性能を有しているので、薄肉軽量化が要求されるスマートフォンやタブレット端末などの小型液晶ディスプレイ用の反射材に好適である。
(耐破断性・耐屈曲性)
本反射材の耐破断性はJIS K7128−2に記載のエルメンドルフ引裂法等で測定することができる。この値が0.1N以上であれば、反射材を取扱う際に破断するおそれが少なく好ましい。
また、本反射材の耐屈曲性はJIS K5600−5−1に記載の円筒マンドレル法等で測定することができる。この値が10mm以下であれば、反射材を取扱う際に折れたり痕がついたりするおそれが少なく好ましい。
<用途>
本反射材及び本積層反射材は、優れた機械特性、耐熱性、光学特性により、工業材料用途、包装材料用途、光学材料用途、電機材料用途など多様な用途に用いることができる。
具体的には、ポリオレフィンフィルムとしての特性に加えて、軽量性(低比重)であることから、電池や電解コンデンサーのセパレータや各種分離膜、衣料、医療用途における防水膜や感熱転写記録シートなど多岐にわたる用途に用いることができる。中でも、均一な多孔構造、かつ適正な範囲に制御された空孔率を有し、特に反射性能および隠蔽性能に優れている点から、液晶ディスプレイ、照明器具、或いは照明看板などの反射材に好適に用いることができる。
本反射材及び本積層反射材は、そのまま反射材として用いることも可能であるが、金属板又は樹脂板に積層して用いることも可能であり、例えば、液晶ディスプレイ等の液晶表示装置、照明器具、照明看板等に用いる反射板として有用である。金属板としては、例えば、アルミ板やステンレス板、亜鉛メッキ鋼板などを挙げることができる。
金属板または樹脂板に本反射材又は本積層反射材を積層する方法は限定されないが、例えば接着剤を使用する方法、熱融着する方法、接着性シートを介して接着する方法、押出しコーティングする方法等を挙げることができる。
金属板又は樹脂板と本反射材又は本積層反射材とを貼り合わせるための接着剤としては、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系等の接着剤を用いることができる。かかる方法においては、リバースロールコーター、キスロールコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用し、本反射材又は本積層反射材を貼り合わせる金属板又は樹脂板の表面に、乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度となるように接着剤を塗布する。次いで、赤外線ヒーター及び/又は熱風加熱炉等により塗布面の乾燥及び加熱を行い、ロールラミネーター等を用いて本反射材又は本積層反射材を被覆、冷却することにより、反射板を得ることできる。
<用語の説明>
本発明において「フィルム」と称する場合は「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合も「フィルム」を含むものとする。
また、本発明において「X〜Y」と表現した場合、特記しない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」、「好ましくはYより小さい」の意を包含する。また、「X以上」、「Y以下」と表現した場合についても同様である。
本発明において「反射」とは、特記しない限り光の反射を意味し、より限定的には可視光の反射を意味する。また、本発明において「隠蔽」とは、特記しない限り遮光性を意味し、より限定的には可視光に対する遮光性を意味する。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
<測定及び評価方法>
実施例・比較例で得たサンプルの測定方法及び評価方法について以下に説明する。以下、フィルムの成形時の引取り(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと表示する。
〔空孔率〕
延伸前のフィルムの密度(未延伸フィルム密度)と、延伸後のフィルムの密度(延伸フィルム密度)を測定し、下記式にてフィルムの空孔率(%)を求めた。
空孔率(%)={(未延伸フィルム密度−延伸フィルム密度)/未延伸フィルム密度}×100
〔多孔構造〕
フィルム断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、下記基準に基づいて、フィルムの多孔構造の「均一性」および「空孔維持性」の状態を評価した。「○」が実用レベルである。
なお、一軸延伸したフィルムの観察はMDに平行な面(サイドビュー)とし、二軸延伸したフィルムの観察はTDに平行な面(エンドビュー)とした。
「多孔構造均一性」
×(very poor):二軸延伸後のフィルム断面において、延伸方向に沿って延伸領域、非延伸領域、延伸領域が順に観察される。
△(poor):一軸延伸後のフィルム断面には、延伸方向に沿って延伸領域、非延伸領域、延伸領域が観察されるが、二軸延伸後にはその識別が困難になる。
○(good):一軸延伸後、二軸延伸後の何れのフィルム断面においても、延伸領域、非延伸領域の識別が困難であり、均一な多孔構造を有している。
「多孔構造空孔維持性」
×(poor):空孔の隔壁が破れて空孔同士が連通化している。
○(good):空孔が独立状態で維持されている。
〔反射性能〕
分光光度計(日立製作所社製「U―3900H」)に積分球を取付け、アルミナ白板を100%とした時の反射率を、波長340nm〜800nmにわたって0.5nm間隔で測定し、波長450nm、550nm、650nm、750nmの光に対する反射率を読み取った。また、波長450nm〜750nmにわたり得られた反射率の平均値を計算し、平均反射率(%)とした。
〔隠蔽性能〕
分光光度計(日立製作所社製「U―3900H」)に、アルミナ白板をセットした積分球を取付け、空気(無サンプル状態)を100%とした時の光線透過率を、波長340nm〜800nmにわたって0.5nm間隔で測定し、波長450nm〜750nmにわたり得られた光線透過率の平均値を計算し、平均光線透過率(%)とした。平均光線透過率が低いほど、優れた隠蔽性能であることを示す。
<原料>
実施例・比較例で使用した原料について以下に説明する。なお、MFRはJIS K7210に従い、温度230℃、荷重2.16kgf(21.18N)の条件で測定された値である。
HPP−1: 日本ポリプロ社製のホモポリプロピレン樹脂「ノバテックPP FY6HA」(プロピレン単独重合体。MFR:2.4g/10min、引張弾性率:1,800MPa)
HPP−2: 日本ポリプロ社製のホモポリプロピレン樹脂「ノバテックPP FY4」(プロピレン単独重合体。MFR:5g/10min)
RPP−1: サンアロマー社製のプロピレン系ランダムコポリマー「サンアロマー PC741R」(プロピレン・エチレンランダム共重合体(エチレン:7質量%)。MFR:10g/10min、引張弾性率:500MPa、融点:130℃)
RPP−2: サンアロマー社製のプロピレン系ランダムコポリマー「サンアロマー PC540R」(プロピレン・エチレンランダム共重合体。MFR:5g/10min、引張弾性率:500MPa、融点:132℃)
RPP−3: プライムポリマー社製のプロピレン系ランダムコポリマー「プライムポリプロ F219DA」(プロピレン・エチレンランダム共重合体。MFR:8g/10min、引張弾性率:1,100MPa)
BPP−1: プライムポリマー社製のポリプロピレン系樹脂「プライムポリプロ E−185G」(プロピレン・エチレンブロック共重合体。MFR:0.3g/10min)
COP−1: ポリプラスチックス社製のシクロオレフィン系樹脂「TOPAS6013」(エチレンとノルボルネンの付加共重合体。MFR:2g/10min、ガラス転移温度:138℃)
COP−2: ポリプラスチックス社製のシクロオレフィン系樹脂「TOPAS7010」(エチレンとノルボルネンの付加共重合体。MFR:11g/10min、ガラス転移温度:110℃)
酸化チタン: KRONOS社製、「KRONOS2230」(塩素法で製造されたルチル型酸化チタン。アルミナ、シリカ表面処理、TiO含有量96.0%、平均粒径(D50):0.37μm)
<実施例1>
HPP−1、RPP−1の各ペレットおよび酸化チタンを15:15:70の質量割合で配合した混合物100質量部にβ晶核剤(ピメリン酸カルシウム)を0.05質量部加えたものを、240℃に加熱された二軸押出機を用いて溶融混練した後、ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(A−1)のコンパウンドを得た。
上記コンパウンドを230℃に加熱された押出機に供給して溶融した後、Tダイに通してシート状に押出し、表面温度120℃に加熱されたキャストロール上で冷却固化して無延伸のシート体を得た。
得られたシート体を、ストレッチャーを用いて130℃でMDに2倍、TDに3倍の同時二軸延伸を行い、厚み90μmの反射材を得た。
得られた反射材について空孔率、多孔構造、反射性能および、隠蔽性能の評価を行った。なお、多孔構造については一軸延伸後のフィルムについても評価を行った。
<実施例2>
COP−1、COP−2およびHPP−2の各ペレットを23:52:25の質量割合で配合した混合物100質量部にβ晶核剤(ピメリン酸カルシウム)を0.05質量部加えたものを、240℃に加熱された二軸押出機を用いて溶融混練した後、ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(B−1)のコンパウンドを得た。
実施例1で作製した熱可塑性樹脂組成物(A−1)のコンパウンドと上記熱可塑性樹脂組成物(B−1)のコンパウンドをそれぞれ、230℃に加熱された押出機AおよびBに供給して溶融した後、2種3層用のTダイに合流させ、表層(B−1)/中間層(A−1)/表層(B−1)の3層構成になるようにシート状に押出し、キャストロール上で冷却固化して無延伸の積層シート体とした。
得られた積層シート体を、125℃でMDに2倍にロール延伸した後、さらに135℃でTDに3倍にテンター延伸することにより二軸延伸を行い、厚み80μm(表層:各10μm、中間層:60μm)の反射材を得た。
得られたサンプルについて実施例1と同様の評価を行った。なお、本サンプルの空孔率については、(B−1)層内部の空孔率を0%として(A−1)層の部分の空孔率を計算し、フィルムの空孔率(%)とした。
<実施例3>
HPP−1、RPP−2の各ペレットおよび酸化チタンを27:10:63の質量割合で配合した混合物100質量部にβ晶核剤(ピメリン酸カルシウム)を0.05質量部加えたものを、240℃に加熱された二軸押出機を用いて溶融混練した後、ペレット化して、熱可塑性樹脂組成物(A−2)のコンパウンドを得た。
実施例2の熱可塑性樹脂組成物(B−1)のコンパウンド作製において、HPP−2の代わりにBPP−1のペレットを用いた点以外は実施例2と同様にして、熱可塑性樹脂組成物(B−2)のコンパウンドを得た。
熱可塑性樹脂組成物(A−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(A−2)を用いた点と、熱可塑性樹脂組成物(B−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(B−2)を用いた点以外は実施例2と同様にして反射材を作成し、実施例2と同様の評価を行った。
<比較例1>
HPP−1のペレットと酸化チタンを30:70の質量割合で配合した混合物100質量部にβ晶核剤(ピメリン酸カルシウム)を0.05質量部加えたものを、240℃に加熱された二軸押出機を用いて溶融混練した後、ペレット化して、熱可塑性樹脂組成物(A−3)のコンパウンドを得た。
熱可塑性樹脂組成物(A−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(A−3)を用いた以外は実施例2と同様にして反射材を作成し、実施例2と同様の評価を行った。
<比較例2>
HPP−1、RPP−3の各ペレットおよび酸化チタンを20:17:63の質量割合で配合した混合物100質量部にβ晶核剤(ピメリン酸カルシウム)を0.05質量部加えたものを、240℃に加熱された二軸押出機を用いて溶融混練した後、ペレット化して、熱可塑性樹脂組成物(A−4)のコンパウンドを得た。
熱可塑性樹脂組成物(A−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(A−4)を用いた以外は実施例2と同様にして反射材を作成し、実施例2と同様の評価を行った。
<比較例3>
MDの延伸倍率を1.5倍、TDの延伸倍率を2倍とした以外は比較例1と同様にして積層フィルムを作製し、厚み85μm(表層:各10μm、中間層:65μm)の反射材を得た。得られたサンプルについて実施例2と同様に空孔率、多孔構造の評価を行ったが、多孔構造に均一性がみられなかったため反射性能、隠蔽性能の評価は行わなかった。
<参考例1>
HPP−1のペレットと酸化チタンを55:45の質量割合で混合した後、230℃に加熱された二軸押出機を用いて溶融混練した後、ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(A−6)のコンパウンドを得た。
熱可塑性樹脂組成物(A−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(A−6)を用いた以外は実施例2と同様にして反射材を作成し、実施例2と同様の評価を行った。
<参考例2>
厚みを100μm(表層:12μm、中間層:76μm)とした以外は参考例1と同様にして反射材を作成し、実施例2と同様の評価を行った。
表2より、実施例1〜3の反射材・積層反射材は、フィラーを高濃度に含有していても均一な多孔構造を有し、かつ空孔率が適正な範囲に制御されていた。更に平均反射率および平均光線透過率も優れているので、反射材として好適である。
比較例1、2では、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)を含まない熱可塑性樹脂組成物を用いて実施例と同様の延伸を行った。その結果、得られた積層反射材は、過度に空孔が形成され、多孔構造の均一性および空孔維持の状態が実用レベルになかった。また、平均反射率および平均光線透過率も不十分であった。
比較例3の積層反射材は、比較例1に対して延伸倍率を下げることで空孔率を制御したが、多孔構造の均一性のおよび空孔維持の状態が実用レベルではなかった。これは、不均一な多孔構造が形成されたため、更なる延伸によって空孔が破壊されたことによると考えられる。
参考例1は、フィラーの濃度が低く、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)を含まない従来品である。実施例に比べて平均反射率が低く、平均透過率も高い。この材料で実施例相当の反射特性を得るためには、参考例2の様に積層反射材を厚く(80μm→100μm)しなくてはならない。
本発明の反射材および積層反射材は、フィラーを高濃度に含有しても、均一な多孔構造を有する反射材であるため、空孔率を適切な範囲に制御することが容易で、特に反射性能と隠蔽性能に優れている。このため、液晶ディスプレイ、照明器具、或いは照明看板などの反射材に好適に用いることができる。
また、昨今のスマートフォンやタブレット型の画像表示装置は、大画面化に伴う外枠部分の狭小化や、画像表示部材の曲面化が求められている。このような要求に対し、反射材が剛直である場合は、他の構成部材と積層化して画像表示装置を製造することが難しくなる。本発明の反射材および積層反射材は、従来の反射材に較べてしなやか(柔軟)であるので、特にスマートフォンやタブレット型の画像表示装置に用いる反射材として好適に用いることができる。


Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂組成物(A)からなる層を備えた延伸シートからなる反射材であって、熱可塑性樹脂組成物(A)がポリプロピレン系樹脂(a1)、弾性率が100MPa以上1050MPa以下である低弾性率オレフィン系樹脂(a2)およびフィラーを含有する反射材。
  2. 熱可塑性樹脂組成物(A)からなる層の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂組成物(B)からなる層を備えた請求項1に記載の反射材。
  3. 前記フィラーが、熱可塑性樹脂組成物(A)に対して50質量%以上90質量%以下の割合で配合されてなる請求項1又は2に記載の反射材。
  4. ポリプロピレン系樹脂(a1)と低弾性率オレフィン系樹脂(a2)の合計量に対し、低弾性率オレフィン系樹脂(a2)を5〜90質量%含有する請求項1〜3の何れかに記載の反射材。
  5. 低弾性率オレフィン系樹脂(a2)がプロピレン系ランダムコポリマーである請求項1〜4の何れかに記載の反射材。
  6. 空孔率が50%以上70%以下である請求項1〜5の何れかに記載の反射材。
  7. 熱可塑性樹脂組成物(B)が、シクロオレフィン系樹脂(b1)を含有する請求項2に記載の反射材。
  8. 熱可塑性樹脂組成物(B)が、シクロオレフィン系樹脂(b1)と、シクロオレフィン系樹脂を除くオレフィン系樹脂(b2)および/または熱可塑性エラストマー(b3)とを含有する請求項7に記載の反射材。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の反射材を金属板又は樹脂板に積層してなる反射材。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の反射材を構成部材とする液晶ディスプレイ、照明器具又は照明看板。
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