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JP2019060465A - 旋回軸受のシール構造および旋回軸受 - Google Patents

旋回軸受のシール構造および旋回軸受 Download PDF

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JP2019060465A JP2017187641A JP2017187641A JP2019060465A JP 2019060465 A JP2019060465 A JP 2019060465A JP 2017187641 A JP2017187641 A JP 2017187641A JP 2017187641 A JP2017187641 A JP 2017187641A JP 2019060465 A JP2019060465 A JP 2019060465A
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平松 研吾
Kengo Hiramatsu
研吾 平松
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Abstract

【課題】通常の運転時に旋回軸受の低トルク化を図り、軸受内圧が上昇したときシール性を確保することができる旋回軸受のシール構造および旋回軸受を提供する。
【解決手段】この旋回軸受のシール構造は、内輪1および外輪2の互いに対向する周面にそれぞれ軌道溝1b,2bが形成され、これら内外輪1,2の軌道溝1b,2b間に複数の転動体3が設けられ、内外輪1,2間の軸受空間8の軸方向端部を密封する弾性体製のシール部材7A,7Bを備える。シール部材7Aは、外輪2に保持される基部20と、この基部20から旋回軸受の軸方向の内側に延びて、リップ溝31に、自然状態でリップ溝31の内面にラビリンスすきまδaを介して収容される主リップ21と、部20からこの旋回軸受の軸方向の外側に斜めに延びる副リップ22とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、風力発電装置のヨー、ブレード用の旋回座、デッキクレーン、建設機械、物揚機械等、屋外または屋内に近接して使用される諸機械の旋回部に使用される旋回軸受のシール構造および旋回軸受に関する。
図9に示すように、一般的な風力発電装置のヨー、ブレード用の旋回座等に使用される旋回軸受は、内外輪43,44、内外輪43,44間に介在する複数の鋼球45、これら鋼球45を円周方向等間隔に保持する保持器46、および潤滑用グリースを軸受内部に保持するシール部材40を主要な構成要素としている。
シール部材40は二枚のシールリップ41,42がそれぞれラジアル接触する構造が知られているが、この構造では軸受のトルク増大が避けられず、軸受の内圧上昇に伴いシール部材40の姿勢が大きく変化するので、グリース漏れの懸念が生じる。
ここで、シール性を確保しつつ軸受のトルクを抑制するシール構造として、摺動面に接触する主リップと、非接触でラビリンスシールを形成する副リップとを有する先行技術(特許文献1,2)がある。
特開2006−170313号公報 特開2007−192258号公報
図9の従来技術では、内圧上昇に伴いシールの姿勢が大きく変化する(図6-(8))ので、グリース漏れの懸念があり、シール姿勢の変化を抑制するためには、リップの厚みを増やす等、シール剛性を上げる必要がある。しかし、この場合、さらに軸受のトルクが増大する結果となる。
前記先行技術では、摺動面に接触する主リップと、非接触でラビリンスシールを形成する副リップとを有するシール構造なので、軸受のトルクの軽減効果は期待できるものの、内圧が上昇したときのシール性は期待できない。
この発明の目的は、通常の運転時に旋回軸受の低トルク化を図り、軸受内圧が上昇したときシール性を確保することができる旋回軸受のシール構造および旋回軸受を提供することである。
この発明の旋回軸受のシール構造は、軌道輪である内輪および外輪の互いに対向する周面にそれぞれ軌道溝が形成され、これら内外輪の軌道溝間に複数の転動体が設けられ、前記内外輪間の軸受空間の軸方向端部を密封する弾性体製のシール部材を備えた旋回軸受のシール構造において、
前記内外輪のうちのいずれか一方の軌道輪の前記周面に、環状のリップ溝を備え、
前記シール部材は、
前記内外輪のうちの他方の軌道輪に保持される基部と、
この基部から前記旋回軸受の軸方向の内側に延びて、前記リップ溝に、自然状態で前記リップ溝の内面にラビリンスすきまを介して収容される前記主リップと、を備えている。
前記自然状態とは、軌道輪にシール部材を組み込んだシール組立状態であり、シール部材に外力が作用しない状態である。
前記ラビリンスすきまは、設計等によって任意に定めるラビリンスすきまであって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切なラビリンスすきまを求めて定められる。
この構成によると、主リップが、リップ溝に、自然状態で前記リップ溝の内面にラビリンスすきまを介して収容されるため、通常の運転時、旋回軸受の低トルク化を図ることができる。また設定されたラビリンスすきまに応じてグリース漏れの防止を図れる。
旋回軸受への追加給脂または運転時の遠心力等によって軸受内圧が上昇すると、軸受空間のグリースが主リップを押し出そうとする力が働き、主リップをリップ溝へ接触させる。主リップが、リップ溝に、自然状態で前記リップ溝の内面にラビリンスすきまを介して収容されるため、軸受内圧の上昇時、主リップをリップ溝に確実に接触させることができる。このように、非接触シールまたは軽接触シールから接触シールへとシール部材の機能が変化する。これによりグリース漏れを防止する効果を高めることができる。軸受内圧が下がると、再び主リップは元の自然状態の位置に戻る。
前記シール部材は、前記基部から前記旋回軸受の軸方向の外側に延びて、前記一方の軌道輪の前記周面に接する副リップを有してもよい。この副リップにより、ラビリンスすきまからのグリース漏れを抑制することができる。したがって、通常の運転時のシール性能を高めることができる。
前記他方の軌道輪に、前記基部の一部分を嵌め込む嵌合凹部を備えてもよい。この場合、前記軌道輪の嵌合凹部に基部の一部分を嵌め込むこと等により、基部を軌道輪に容易に且つ確実に保持することが可能となる。
この発明の旋回軸受は、前記いずれかのシール構造を備えている。
この構成によると、上述したこの発明の作用および効果が得られる。したがって、この旋回軸受を様々な用途の機械の旋回部に使用することができる。
この発明の旋回軸受のシール構造は、軌道輪である内輪および外輪の互いに対向する周面にそれぞれ軌道溝が形成され、これら内外輪の軌道溝間に複数の転動体が設けられ、前記内外輪間の軸受空間の軸方向端部を密封する弾性体製のシール部材を備えた旋回軸受のシール構造において、前記内外輪のうちのいずれか一方の軌道輪の前記周面に、環状のリップ溝を備え、前記シール部材は、前記内外輪のうちの他方の軌道輪に保持される基部と、この基部から前記旋回軸受の軸方向の内側に延びて、前記リップ溝に、自然状態で前記リップ溝の内面にラビリンスすきまを介して収容される前記主リップと、を備えた。このため、通常の運転時に旋回軸受の低トルク化を図り、軸受内圧が上昇したときシール性を確保することができる。
この発明の一実施形態に係るシール構造が適用された旋回軸受の断面図に部分拡大図を付け加えた図である。 同旋回軸受のシール部材の断面図である。 同旋回軸受のリップ溝等を示す部分拡大断面図である。 同旋回軸受のシール部材の組込み状態を示す部分拡大断面図である。 同旋回軸受の内圧上昇時の部分拡大断面図である。 同シール構造と従来仕様のシール構造とを比較して示す図である。 風力発電装置の一例の一部を切り欠いて表わした斜視図である。 同風力発電装置の破断側面図である。 従来技術のシール構造が適用された旋回軸受の断面図に部分拡大図を付け加えた図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図6と共に説明する。
この旋回軸受は、例えば風力発電装置のブレードを主軸に対して主軸軸心に略垂直な軸心回りに旋回自在に支持する軸受、または風力発電装置のナセルを支持台に対して旋回自在に支持する軸受として使用される。
<旋回軸受について>
図1に示すように、旋回軸受は、軌道輪である内輪1および外輪2と、複数の転動体3と、保持器4と、シール部材7A,7Bとを備える。この例の旋回軸受は、後述するように、四点接触玉軸受として構成されている。内輪1の外周面1aおよび外輪2の内周面2aは、径方向に互いに対向する周面である。内輪1の外周面1aに二列の軌道溝1b,1bが形成され、外輪2の内周面2aに二列の軌道溝2b,2bが形成されている。これら軌道溝1b,1bと軌道溝2b,2bとは径方向に互いに対向する。
軌道溝1b,2b間には、各列複数の転動体3が転動自在に設けられている。この例の転動体3はボールである。保持器4は、例えば鉄板から成り、内輪1および外輪2の間に配置され、転動体3が入るポケットを有する。内輪1の外周面1aは、シール部材7Aに対向するリップ摺動面1aa(後述する)と、このリップ摺動面1aaに段差を介して繋がる保持器収容面1abとを有する。この保持器収容面1abは、リップ摺動面1aaよりも段差分半径方向内方に位置する円筒面状である。
外輪2の内周面2aは、シール部材7Bに対向するリップ摺動面2aaと、このリップ摺動面2aaに段差を介して繋がる保持器収容面2abとを有する。この保持器収容面2abは、リップ摺動面2aaよりも段差分半径方向外方に位置する円筒面状である。これら保持器収容面1ab,2ab間に、所定隙間を介して保持器4が設けられている。なお保持器4の代わりに間座(図示せず)を用いてもよい。
内輪1および外輪2の各軌道溝1b,2bは、いずれも二つの曲面で構成されている。各軌道溝1b,2bを構成する二つの曲面は、それぞれ転動体3よりも曲率半径が大きく、曲率中心が互いに異なるゴシックアーチ状の断面円弧状である。この旋回軸受は、各転動体3が、内輪1の軌道溝1bおよび外輪2の軌道溝2bの前記各曲面に接点で接して四点接触する四点接触玉軸受である。
内輪1には、複数の貫通孔5が円周方向一定間隔おきに設けられている。これら貫通孔5は、例えば、内輪1を後述のナセルのケーシング、ブレード等に連結固定するために用いられる。外輪2にも、複数の貫通孔6が円周方向一定間隔おきに設けられている。これら貫通孔6は、例えば、外輪2を後述の支持台等に連結固定するために用いられる。各貫通孔5,6は、軸受軸方向に平行に形成されている。
内輪1および外輪2は、軸方向端の位置、この例では上下端の位置が互いに段差δ分だけ異なっている。この例の場合、上端については、内輪1の軸方向端の方が外輪2の軸方向端よりも軸方向外側つまり上側に位置し、下端については、外輪2の軸方向端の方が内輪1の軸方向端よりも軸方向外側につまり下側に位置している。
軸方向端が軸方向の内側に位置する軌道輪に、環状のシール部材7A,7Bが取り付けられている。シール部材7A,7Bにより、内輪1と外輪2間の軸受空間8の上下端がそれぞれ密封されている。軸受空間8内にはグリースが充填される。なお、軸受空間8の軸方向の一方からグリースが漏れるのを防止する場合は、漏らしたくない側だけにシール部材を設けても良い。例えば、ブレード支持用の軸受の場合、軸受空間8のブレード側端にだけシール部材を設けることがある。
<シール構造について>
以下、シール部材7A,7Bによるシール構造について説明するが、軸受空間8の上端のシール構造も下端のシール構造も基本的に同じであるので、代表して図2〜図5に示す上端のシール構造7Aについて説明し、下端のシール構造については説明を省略する。
図1の部分拡大図に示すように、外輪2の内周面2aの上端部には、シール部材7Aを取り付けるための環状切欠き10が設けられている。
図3に示すように、環状切欠き10は、外輪2の内周面2aから上端面2cに渡る断面形状が略長方形の主部11と、この主部11の径方向中間部から下方に延びる嵌合凹部12とを有する。主部11の底面となる外輪2の上面の高さは嵌合凹部12の両側で異なっており、内径側上面13の方が外径側上面14よりも低く形成されている。嵌合凹部12の外周側の壁面には、圧入代としての環状溝15が形成されている。この例の場合、環状溝15は、嵌合凹部12の軸方向の中間部よりも若干上側に位置し、断面形状が円弧状である。
図2および図4に示すように、シール部材7Aは、例えば、ニトリル系、アクリル系等の弾性体からなり、環状切欠き10に取り付けられる基部20と、基部20からこの旋回軸受の軸方向の内側に斜めに延びる主リップ21と、基部20からこの旋回軸受の軸方向の外側に斜めに延びる副リップ22とを備える。後述する主リップ21は、主に軸受空間8からのグリース漏れを防ぐ。副リップ22は、シール部材7Aの組込み状態において内輪1の外周面1aに接触し、主に外部から水分、塵埃等の異物が軸受空間8へ侵入するのを防ぐ。
基部20は、基部本体23と、嵌合凸部24とを有する。基部本体23は、環状切欠き10の主部11に配置される。基部20の一部分である嵌合凸部24は、基部本体23から軸方向の内側に突出し、嵌合凹部12に嵌まり込む。嵌合凸部24の軸方向の突出長さは、嵌合凹部12の軸方向深さよりも寸法が短い。また、嵌合凸部24の径方向の幅は、嵌合凹部12の径方向の幅よりも若干狭い。
嵌合凸部24の外径側の面には、嵌合凹部12の環状溝15に圧入嵌合させる第1の環状突起25が突出している。この第1の環状突起25は、環状溝15に対応する軸方向の位置にあり、かつ断面形状が円弧状である。また、嵌合凸部24の内径側の面には、第1の環状突起25よりも径方向寸法および軸方向寸法が共に小さい第2の環状突起26が突出している。
シール部材7Aを外輪2の環状切欠き10に組み込むにあたっては、基部本体23を環状切欠き10の主部11に配置させ、かつ嵌合凸部24を嵌合凹部12に圧入により嵌め込む。嵌合凸部24を嵌合凹部12に嵌め込んだ状態において、環状切欠き10の主部11の周面16(図1)と基部本体23の端面29とが互いに離れている。また、嵌合凹部12の底面17と嵌合凸部24の下面30とが互いに離れている。
このシール部材7Aの組込み状態では、嵌合凹部12に嵌合凸部24が嵌まり込むことで、シール部材7Aの基部20が外輪2の環状切欠き10に保持される。このとき、第1の環状突起25が環状溝15に係合することで、嵌合凹部12から嵌合凸部24が抜けなくしている。また、第2の環状突起26が嵌合凹部12の内周側の壁面に押されて変形し、圧入代として機能する。これにより、シール部材7Aの嵌合凸部24は、外輪2に対して固定された状態となる。嵌合凹部12を嵌合凸部24の底面および壁面に接着剤で固定すれば、嵌合凸部24の固定力がより一層高まる。
図3に示すように、内輪1の外周面1aには、主リップ21(図2)の先端部を収容する環状のリップ溝31が形成されている。リップ溝31は、このリップ溝31の底面を成す溝底面部31a、この溝底面部31aの軸方向内側縁から外周面1aまで延びる溝側面部31b、および溝底面部31aの軸方向外側縁から外周面1aまで延びる溝テーパ側面部31cを含む。この溝テーパ側面部31cは、軸方向を含む平面で内輪1を切断した断面において、外径側に向かうに従って軸方向外側に傾斜するテーパ形状に形成されている。図4に示すように、外周面1aに対する溝テーパ側面部31cの傾斜角度は、自然状態における主リップ21の軸方向外側面21aに対し平行になるように形成されている。
図4に示すシール部材7Aの組込み状態では、主リップ21の先端部がリップ溝31に、自然状態でリップ溝31の内面にラビリンスすきまδaを介して収容される。このラビリンスすきまδaは、シール部材7Aに外力が作用しない自然状態で形成されるすきまであり、主リップ21の軸方向外側面21aと溝テーパ側面部31cとの間に形成される第1すきまδaa,主リップ21の先端縁部と溝底面部31aとの間に形成される第2すきまδabおよび主リップ21の先端縁部と溝側面部31bとの間に形成される第3すきまδacを含む。主リップ21は、前記自然状態において、第1,第2および第3すきまδaa,δab,δacが連通する(換言すればリップ溝31に接触しない)非接触シールとして機能する。軸受空間8の内圧上昇時には、シール部材7Aは、主リップ21の軸方向外側面21aがリップ溝31の溝テーパ側面部31cに接触する接触シールとして機能する(図5)。
前記ラビリンスすきまδaの設定によってシール部材7Aの特性を調整し得る。
例えば、ラビリンスすきまδaを大きくすると、主リップ21の「非接触→接触」に移行する内圧が高くなり、多少のグリース漏れを許容しても旋回軸受の低トルク化が必要な場合に有効である。
逆に、ラビリンスすきまδaを小さくすると、主リップ21の「非接触→接触」に移行する内圧が低くなり、トルク上昇を許容してでもグリース漏れを防ぐ場合に有効である。ここで、主リップ21の自然状態で、ラビリンスすきまδaを若干のマイナス(主リップ21がリップ溝31に軽接触しラビリンスシールでなくなる)とすることも可能である。この場合、さらにグリース漏れし難いシール部材7Aを提供し得る。
<実施形態のシール構造と従来仕様のシール構造との比較>
図6の左側の図6-(1),図6-(2),図6-(3),図6-(4)が実施形態のシール構造であり、図6の右側の図6-(5),図6-(6),図6-(7),図6-(8)が従来仕様のシール構造である。
図6-(3)に示すように、シール部材7Aの組込み状態で通常の運転時には、副リップ22が内輪1のリップ摺動面1aaに接触しているものの、主リップ21が自然状態でリップ溝31にラビリンスすきまδaを介して設けられるラビリンスシールとして機能しているため、低トルク化を図れる。
軸受への追加給脂または運転時の遠心力等によって軸受内圧が上昇すると、図6-(4)に示すように、軸受空間8のグリースが主リップ21を押し出そうとする力が働き、主リップ21をリップ溝31へ接触させる。このとき、前記ラビリンスシールは、接触シールへと機能変化することで、グリース漏れを防止し得る。
その後、軸受空間8のグリースが図示外の排脂ボトルへ排出されて軸受内圧が下がると、図6-(3)に示すように、再び、主リップ21は元の位置に戻り、前記接触シールからラビリンスシールへと機能変化する。つまり、本シール構造であれば、軸受内圧の状態に応じて、適切なシール機能を発揮する。
これに対して従来仕様のシール構造では、図6-(7)に示すように、シール部材40の組込み状態で通常の運転時には、主リップ41および副リップ42が共に内輪外周面に接触しているため、グリース漏れを防止する効果は高いものの軸受のトルクが増大する。軸受内圧が上昇すると、図6-(8)に示すように、内圧上昇に伴いシール部材40の姿勢が大きく変化するので、グリース漏れの懸念がある。
<作用効果について>
以上説明した旋回軸受のシール構造によれば、主リップ21が、リップ溝31に、自然状態で前記リップ溝31の内面にラビリンスすきまδaを介して収容されるため、通常の運転時、旋回軸受の低トルク化を図ることができる。また設定されたラビリンスすきまδaに応じてグリース漏れの防止を図れる。
旋回軸受への追加給脂または運転時の遠心力等によって軸受内圧が上昇すると、軸受空間8のグリースが主リップ21を押し出そうとする力が働き、主リップ21をリップ溝31へ接触させる。主リップ21が、リップ溝31に、自然状態でリップ溝31の内面にラビリンスすきまδaを介して収容されるため、軸受内圧の上昇時、主リップ21をリップ溝31に確実に接触させることができる。このように、非接触シールまたは軽接触シールから接触シールへとシール部材7A,7Bの機能が変化する。これによりグリース漏れを防止する効果を高めることができる。また副リップ22がリップ摺動面1aaに常に接触しているため、通常の運転時にラビリンスすきまδaからのグリース漏れを抑制することができる。したがって、通常の運転時のシール性能を高めることができる。
いずれかのシール構造を適用可能な旋回軸受としては、四点接触玉軸受以外に、例えば、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、自動調心ころ軸受、クロスローラー軸受および三点接触玉軸受等が挙げられる。なお四点接触玉軸受は単列であっても良い。
<旋回軸受の適用例について>
図7および図8は風力発電装置の一例を示す。この風力発電装置51は、支持台52上にナセル53を水平旋回自在に設け、このナセル53のケーシング54内に主軸55を回転自在に支持し、この主軸55のケーシング54外に突出した一端に、旋回翼であるブレード56を取り付けてなる。主軸55の他端は増速機57に接続され、増速機57の出力軸58が発電機59のロータ軸に結合されている。
ナセル53は、旋回軸受BR1により旋回自在に支持される。前記各実施形態のうちのいずれかのシール構造が適用された旋回軸受において、例えば、外輪2の外周面にギヤ等が設けられたものが、前記ナセル53用の旋回軸受BR1に用いられる。図7に示すように、ケーシング54に複数の駆動源60が設置され、各駆動源60に図示しない減速機を介してピニオンギヤが固定される。外輪2(図1)の前記ギヤが前記ピニオンギヤに噛み合うように配置される。例えば、外輪2が複数の貫通孔5により支持台52に連結固定され、内輪1(図1)がケーシング54に固定される。複数の駆動源60を同期して駆動させ、この旋回駆動力を外輪2へ伝達する。よって、支持台52に対してナセル53が相対的に旋回可能となる。
ブレード56は、旋回軸受BR2により旋回自在に支持される。この旋回軸受BR2は、前記各実施形態のうちのいずれかのシール構造が適用された旋回軸受において、例えば、内輪1の内周面にギヤを設けたものが適用される。主軸55の突出した先端部55aには、ブレード56を旋回駆動する駆動源が設けられる。前記先端部55aにこの旋回軸受の外輪2が連結固定され、内輪1の内周面に設けたギヤが、前記駆動軸のピニオンギヤに噛み合っている。この駆動源を駆動させ、この旋回駆動力を内輪1に伝達することで、ブレード56が旋回可能となる。したがって、旋回軸受BR2は、風力発電装置のブレード56を主軸55に対して、主軸軸心L1に略垂直な軸心L2回りに旋回自在に支持する。このように、ブレード56の角度およびナセル53の向きを風の状態に合わせて随時変更する。
この発明の旋回軸受は、風力発電装置以外にも、例えば油圧ショベル、クレーン等の建設機械、工作機械の回転テーブル、砲座、パラボラアンテナ等に適用できる。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…内輪(軌道輪)
1b…軌道溝
2…外輪(軌道輪)
2b…軌道溝
3…転動体
7A,7B…シール部材
8…軸受空間
12…嵌合凹部
20…基部
21…主リップ
22…副リップ
31…リップ溝
δa…ラビリンスすきま
BR1,BR2…旋回軸受

Claims (4)

  1. 軌道輪である内輪および外輪の互いに対向する周面にそれぞれ軌道溝が形成され、これら内外輪の軌道溝間に複数の転動体が設けられ、前記内外輪間の軸受空間の軸方向端部を密封する弾性体製のシール部材を備えた旋回軸受のシール構造において、
    前記内外輪のうちのいずれか一方の軌道輪の前記周面に、環状のリップ溝を備え、
    前記シール部材は、
    前記内外輪のうちの他方の軌道輪に保持される基部と、
    この基部から前記旋回軸受の軸方向の内側に延びて、前記リップ溝に、自然状態で前記リップ溝の内面にラビリンスすきまを介して収容される前記主リップと、を備えた旋回軸受のシール構造。
  2. 請求項1に記載の旋回軸受のシール構造において、前記シール部材は、前記基部から前記旋回軸受の軸方向の外側に延びて、前記一方の軌道輪の前記周面に接する副リップを有する旋回軸受のシール構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の旋回軸受のシール構造において、前記他方の軌道輪に、前記基部の一部分を嵌め込む嵌合凹部を備えた旋回軸受のシール構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシール構造を備えた旋回軸受。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114135585A (zh) * 2021-12-09 2022-03-04 中国铁建重工集团股份有限公司 一种掘进机主轴承及密封结构
CN115973939A (zh) * 2022-08-19 2023-04-18 岳阳鹏程建设集团有限公司 一种便于快速更换密封圈的塔吊支撑结构及更换方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114135585A (zh) * 2021-12-09 2022-03-04 中国铁建重工集团股份有限公司 一种掘进机主轴承及密封结构
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